JP7435927B1 - 硫化物系固体電解質粉末、硫化物系固体電解質粉末の製造方法、硫化物系固体電解質層及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

硫化物系固体電解質粉末、硫化物系固体電解質粉末の製造方法、硫化物系固体電解質層及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

本発明は、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末、及びその製造方法、並びに、前記硫化物系固体電解質粉末を含む硫化物系固体電解質層、及びリチウムイオン二次電池に関する。

Description

本発明は、硫化物系固体電解質粉末、硫化物系固体電解質粉末の製造方法、硫化物系固体電解質層及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器に広く用いられている。従来、リチウムイオン二次電池においては液体の電解質が使用されてきた。一方で、安全性の向上や高速充放電、ケースの小型化等が期待できる点から、近年、固体電解質をリチウムイオン二次電池の電解質として用いる全固体型リチウムイオン二次電池が注目されている。
固体電解質は、硫化物系固体電解質と酸化物系固体電解質とに大別される。なかでも、硫化物系固体電解質は、分極率の大きい硫化物イオンを含むため、高いイオン伝導性を示す。硫化物系固体電解質としては、Li5.4PS4.4Cl0.8Br0.8等のアルジロダイト型の結晶やLi11結晶化ガラス等のLPS結晶化ガラス等が知られている。
日本国特開2016-24874号公報
Interface Stability in Solid-State Batteries,Chem.Mater.2016,28,266-273
一方、硫化物系固体電解質は、高電圧カソードとの反応性が特に高いため、理論的な電位窓が狭く、電気化学的な安定性が乏しいことが知られている(非特許文献1)。また、硫化物系固体電解質は、水分と反応し硫化水素を発生してしまうため、耐水性に劣るという問題がある(特許文献1)。
上記の事情に鑑み、本発明は、電気化学的安定性および耐水性に優れた硫化物系固体電解質粉末、硫化物系固体電解質粉末の製造方法、硫化物系固体電解質層及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定波長領域にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末は、電気化学的安定性および耐水性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[10]に関する。
[1]波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末。
[2]以下の式で示される、532nmの波長の光で励起して得られるラマンスペクトルにおけるフォトルミネッセンスピーク比が0.2以上である、[1]に記載の硫化物系固体電解質粉末。
フォトルミネッセンスピーク比=ラマンシフト4300cm-1~4500cm-1の領域のピークの積分強度/ラマンシフト400~450cm-1の領域のピークの積分強度
[3]アルジロダイト型の結晶を含む、[1]に記載の硫化物系固体電解質粉末。
[4]格子歪みが0.002以上である、[1]に記載の硫化物系固体電解質粉末。
[5]以下の式を満たす、[1]に記載の硫化物系固体電解質粉末。
BET比表面積(m/g)×格子歪み≧0.01
[6]Cl元素とBr元素の原子比が0.2:1.6~1.6:0.2である、[1]に記載の硫化物系固体電解質粉末。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末の製造方法。
[8]クロム源および酸素源の存在下で、結晶相及びアモルファス相の少なくとも一方を含む硫化物系固体電解質を粉砕する工程を含む、[7]に記載の硫化物系固体電解質粉末の製造方法。
[9][1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末を含む硫化物系固体電解質層。
[10][1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末を含むリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、電気化学的安定性および耐水性に優れた硫化物系固体電解質粉末、硫化物系固体電解質層及びリチウムイオン二次電池を提供できる。
図1は、例3の硫化物系固体電解質粉末のラマンシフト4300cm-1~4500cm-1の領域のピークの積分強度を示すラマンスペクトルである。 図2は、例3の硫化物系固体電解質粉末のラマンシフト400cm-1~450cm-1の領域のピークの積分強度を示すラマンスペクトルである。 図3は、例1、例3、及び例7の硫化物系固体電解質粉末におけるラマンスペクトルである。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施できる。また、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
<硫化物系固体電解質粉末>
本発明の実施形態の硫化物系固体電解質粉末(以下、本粉末ともいう)は、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発することを特徴とする。上記特定の波長領域にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末は、電気化学的安定性および耐水性に優れる。
本実施形態において、波長660~750nmの間のフォトルミネッセンス光の検出は顕微ラマン分光測定装置を用いて行う。フォトルミネッセンス光の波長は発光中心の存在状態によって多少前後する。波長689.8~699.4nmでフォトルミネッセンス光を発する場合、532nmの波長の光で励起して得られるラマンスペクトルにおけるラマンシフト4300~4500cm-1の領域にピークを有することを意味する。これは、ラマンシフトの定義は入射した励起光のエネルギーと観測されたラマン散乱光のエネルギーの差分であるためである。
上記ラマンスペクトルは、顕微ラマン分光測定装置(例えば、堀場製作所製、LabRAM HR Evolution)を用いて測定する。測定条件は、倍率が10倍かつ開口数が0.25の対物レンズを用い、硫化物系固体電解質粉末上に集光されるレーザーのパワーを約5mWとなるように調整することで測定できる。得られたスペクトルは標準ハロゲンランプ光源を用いて強度校正を行う。なお、上記「ピークを有する」とは、一般的にバックグラウンド(発光を有さないサンプル)の標準偏差値の3倍以上の値を有する場合を意味する。
本実施形態において、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発するのは、硫化物系固体電解質粉末の粒子表面に、上記ピークに対応するCr3+が存在することに起因する。また、波長660~750nmの間のフォトルミネッセンス光は、Cr3+の2E→4A2スピン禁制遷移に由来する。その波長は、692、694nmにみられることが知られている(例えば、Micheleら、Chem.Mater.2021,33,9,3379-3385参照)。
このように、本粉末は、その粉末の粒子表面にCr3+が存在することに起因して波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発するものであり、このような特性を有することで優れた電気化学的安定性および耐水性を発揮する。言い換えれば、本粉末の粒子表面にCr3+が存在することで、本粉末が優れた電気化学的安定性および耐水性を発揮する際、そのフォトルミネッセンス光は波長660~750nmの範囲に発せられるというものである。
本粉末の粒子表面にCr3+が存在することにより、優れた電気化学的安定性および耐水性を実現できる理由は明らかではないが、以下のように推察される。すなわち、Cr3+が固体電解質の結晶構造中に入り込む、あるいは粒子表面に歪んだ構造のクロム酸化膜が形成されることにより、本粉末の酸化分解が抑制されて電気化学的安定性が増大し、さらに、HOとの表面反応が抑制されて耐水性が向上するものと推察される。なお、本実施形態は上記作用機序に制限されるものではない。
本粉末は、以下の式で示される、532nmの波長の光で励起して得られるラマンスペクトルにおけるフォトルミネッセンスピーク比が0.2以上であることが好ましい。
フォトルミネッセンスピーク比=ラマンシフト4300cm-1~4500cm-1の領域のピークの積分強度/ラマンシフト400~450cm-1の領域のピークの積分強度
ラマンシフト4300cm-1~4500cm-1の領域のピークの積分強度とは、例えば図1や図3に示す532nmの波長の光で励起して得られるラマンスペクトルにおいて、矢印Aで示すピークの積分強度を意味する。これは、上述したとおり、本粉末の粒子表面にCr3+が存在することに起因する。また、ラマンシフト400~450cm-1の領域のピークの積分強度とは図2や図3の矢印Bで示すピークの積分強度を意味する。これは、本粉末中にPS 3-に由来する構造が存在することに起因する。
上記フォトルミネッセンスピーク比が0.2以上であることは、ラマンシフト4300~4500cm-1の領域に存在するピークが高いこと、すなわち本粉末の粒子表面にCr3+が存在し、そのCr3+の存在形態が、当該粒子が優れた電気化学的安定性および耐水性を発揮できる構造をとっていることを意味する。
本粉末における上記フォトルミネッセンスピーク比は0.3以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましく、0.75以上が特に好ましい。また、特に上限はないが、現実的な範囲として、上記フォトルミネッセンスピーク比は10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、3以下が特に好ましい。
本粉末は、その粒子表面にCr3+が存在することにより、格子歪みが生じていてもよい。本粉末の格子歪みは、0.002以上が好ましく、0.003以上がより好ましく、0.0035以上がさらに好ましい。格子歪みが、0.002以上であることは、本粉末の粒子表面にCr3+が存在し、そのCr3+の存在形態が、当該粒子が優れた電気化学的安定性および耐水性を発揮できる構造をとっていることを意味する。
また、イオン伝導率の観点から、本粉末における上記格子歪みは0.01以下が好ましく、0.007以下がより好ましく、0.005以下がさらに好ましい。
本粉末の格子歪みは、実施例にて後述するように、XRDパターンを、リートベルト解析を実施することにより測定される。
本粉末は、BET比表面積が5m/g以上が好ましく、9m/g以上がより好ましく、12m/g以上がさらに好ましい。本粉末のBET比表面積が上記範囲であることで、本粉末の粒子表面にCr3+を効率的に取り込ませることができる。
また、本粉末は、比表面積が大きくなり過ぎると粉体の取扱いが困難になるため、BET比表面積が30m/g以下が好ましく、25m/g以下がより好ましく、20m/g以下がさらに好ましい。
ここで、BET比表面積とは、BET法を用いて測定される窒素吸着比表面積を意味する。本粉末のBET比表面積の測定は、例えば、実施例に記載の条件に従って行われる。
本粉末は、BET比表面積と、Cr3+が表面に取り込まれた効果である格子歪みとを掛け合わせた指標「BET比表面積(m/g)×格子歪み」が、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましい。また、「BET比表面積(m/g)×格子歪み」の上限は、特に上限は無いが、現実的な範囲として、例えば0.1以下であってよく、0.08以下であってよく、0.07以下であってよい。
本粉末における硫化物系固体電解質としては、リチウム元素を含む硫化物系固体電解質が挙げられ、例えばLi5.4PS4.4Cl0.8Br0.8、LiPSCl、およびLi5.4PS4.4Cl1.6等のアルジロダイト型結晶構造を有する硫化物系固体電解質、Li-P-S-Ha系(Haはハロゲン元素から選ばれる少なくとも一つの元素を表す)の結晶化ガラス、Li11等のLi-P-S元素を有する結晶化ガラス、ならびにLi10GeP12等のLGPS型結晶構造を有する硫化物系固体電解質等が挙げられる。
硫化物系固体電解質は、その目的に応じて、アモルファス相を含む硫化物系固体電解質であってもよく、特定の結晶相を含む硫化物系固体電解質であってもよく、結晶相とアモルファス相とを含む硫化物系固体電解質であってもよい。なかでも、Cr3+が粒子表面に取り込まれた歪んだ構造を作り易い観点から、結晶相とアモルファス相の両方を含む硫化物系固体電解質が好ましい。そのような構造を有し易いものとして、アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物系固体電解質やLi-P-S元素を有する結晶化ガラスなどの硫化物系固体電解質が挙げられる。結晶相は、リチウムイオン伝導率の観点からはアルジロダイト型結晶相がより好ましい。また、固体電解質の第一原理計算からCr3+はハロゲンアニオンの周囲に存在し易いことが分かっているため、耐水性や電気化学的安定性の向上の観点で、Haを含む硫化物系固体電解質が好ましい。
リチウムイオン伝導率に優れる硫化物系固体電解質としては、アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物系固体電解質が挙げられ、なかでもLi-P-S-Haの元素を有する硫化物系固体電解質が好ましく、結晶相を有することがより好ましい。また、かかるハロゲン元素は、ハロゲン元素が塩化リチウム、臭化リチウムおよびヨウ化リチウムからなる群から選ばれる1以上に由来することが好ましい。更に、リチウムイオン伝導率の観点で、2以上含まれることが好ましい。
本粉末は、Cl元素とBr元素の原子比が0.2:1.6~1.6:0.2であることが好ましい。上記範囲であることにより、イオン伝導率が高い。本粉末における上記原子比は、より好ましくは、0.4:1.4~1.4:0.4であり、さらに好ましくは、0.6:1.2~1.2:0.6である。
また、上述したとおり、本実施形態における硫化物系固体電解質粉末には、その粒子表面にCr3+が存在するのが好ましい。これにより、優れた電気化学的安定性および耐水性が実現できる。また、3価の遷移金属であれば、Cr3+同様の効果を発揮できることが考えられる。
本粉末のリチウムイオン伝導率は、リチウムイオン二次電池に用いた際に電池特性を良好にする観点からは、1.0×10-4S/cm以上が好ましく、5.0×10-4S/cm以上がより好ましく、1.0×10-3S/cm以上がさらに好ましく、2.5×10-3S/cm以上が特に好ましい。
上記リチウムイオン伝導率は、交流インピーダンス測定装置(例えば、Bio-Logic Sciences Instruments社製、ポテンショスタット/ガルバノスタット VSP)を用い、測定条件を、測定周波数:100Hz~1MHz、測定電圧:100mV、測定温度:25℃として測定される。
<硫化物系固体電解質層>
本粉末は、リチウムイオン二次電池に用いられるにあたり、必要に応じてバインダー等の他の成分とともに硫化物系固体電解質層(以下、単に固体電解質層ともいう)を形成する。バインダーや他の成分は、従来公知の物が用いられる。
固体電解質層全体に対して、本粉末の含有量は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
固体電解質層の形成方法も従来公知の方法が用いられる。例えば、固体電解質層を構成する成分を溶媒に分散あるいは溶解させてスラリーとし、層状(シート状)に塗工し、乾燥させ、任意にプレスすることで固体電解質層を形成できる。必要に応じて、熱をかけて脱バインダー処理を行ってもよい。当該スラリーの塗工量等を調整することで、固体電解質層の厚みを容易に調整できる。
また、湿式成形ではなく、本粉末等を、正極又は負極等の表面上において乾式でプレス成形することで固体電解質層を形成してもよい。その他に、他の基材上に固体電解質層を形成し、これを、正極又は負極等の表面上に転写してもよい。
本粉末は、正極活物質又は負極活物質と混合して、正極層又は負極層として用いてもよい。正極層又は負極層に用いられる正極活物質又は負極活物質、集電体、バインダー、導電助剤等は、従来公知の物が用いられる。
<リチウムイオン二次電池>
本粉末が用いられるリチウムイオン二次電池は、本粉末を含有するものであればよく、例えば上記固体電解質層と、正極層と、負極層とを含む。
リチウムイオン二次電池の外装体の材料も、従来公知の物を使用できる。リチウムイオン二次電池の形状も従来公知の物を使用できるが、例えば、コイン型、シート状(フィルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒型、ボタン型等が挙げられ、用途に応じて適宜選択できる。
<硫化物系固体電解質粉末の製造方法>
本粉末の製造方法について以下説明するが、本粉末は当該方法で製造されるものに限定されるものではない。本粉末の製造方法は、例えば、下記工程1、2を含む。
(工程1)結晶相及びアモルファス相の少なくとも一方を含む硫化物系固体電解質を得ること
(工程2)工程1で得られた硫化物系固体電解質を粉砕して粉末にすること
以下、工程1、2について順に説明する。
(工程1)
結晶相及びアモルファス相の少なくとも一方を含む硫化物系固体電解質を得る工程は、従来公知の方法を適用できる。例えば、原材料混合物を得る工程、原材料混合物を反応させる工程、及び結晶化又はアモルファス化する工程を含むことが好ましい。原材料混合物を反応させる工程では、加熱反応でもメカノケミカル反応でもよい。また、原材料混合物を加熱し結晶化又はアモルファス化して硫化物系固体電解質を得てもよく、その場合には、別途結晶化又はアモルファス化する工程を含まなくてよい。また、結晶相やアモルファス相を得る工程の他に、結晶化度を高める工程や結晶を再配列する工程を含むこともできる。
原材料は所望する結晶相又はアモルファス相の組成によっても異なるが、例えばLi、P、Sを含む原材料を使用できる。Haを含むアルジロダイト型の結晶相やHaを含むLPSHa型の結晶化ガラスを得たい場合には、Li、P及びSに加えてHaを含む原材料を使用できる。
具体的には、例えば、アルジロダイト型の結晶を得るには、Li、P、S及びHaを含む原材料を用いる。また、例えば、LPS結晶化ガラスの場合は、Li、P及びSを含む原材料を用いる。これらは、Li、P、S及びHaを含むアルジロダイト型の結晶を得る材料や、Li、P及びSを含むLPS結晶化ガラスとして従来公知の物を使用できる。
アルジロダイト型の結晶の場合は、例えば、Li(リチウム)を含有する化合物と、P(リン)を含有する化合物と、S(硫黄)を含有する化合物と、Ha(ハロゲン)を含有する化合物との混合物が挙げられる。また、LPS結晶化ガラスの場合は、例えば、Li(リチウム)を含有する化合物と、P(リン)を含有する化合物と、S(硫黄)を含有する化合物との混合物が挙げられる。
Liを含有する化合物としては、例えば、硫化リチウム(LiS)、酸化リチウム(LiO)、炭酸リチウム(LiCO)、水酸化リチウム(LiOH)、硫酸リチウム(LiSO)等のリチウム化合物やリチウム金属単体等が挙げられる。
Pを含有する化合物としては、例えば、三硫化二リン(P)、五硫化二リン(P)等の硫化リン、リン酸リチウム(LiPO、Li、LiPO)、リン酸ナトリウム(NaPO、Na、NaPO)等のリン化合物やリン単体等が挙げられる。
Sを含有する化合物としては、上記硫化リチウム(LiS)や上記硫化リン(P、P)や硫化水素(HS)等が挙げられ、硫黄単体も使用できる。
Haを含有する化合物のうち、Cl(塩素)を含有する化合物としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)、三塩化リン(PCl)、五塩化リン(PCl)、四塩化二リン(PCl)、塩化ホスホリル(POCl)、二塩化硫黄(SCl)、二塩化二硫黄(SCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、三塩化ホウ素(BCl)等が挙げられる。
Haを含有する化合物のうち、Br(臭素)を含有する化合物としては、例えば、臭化リチウム(LiBr)、三臭化リン(PBr)、塩化ホスホリル(POBr)、二臭化二硫黄(SBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、三臭化ホウ素(BBr)等が挙げられる。
中でも、硫化リチウムと、硫化リンと、塩化リチウム及び臭化リチウムの少なくとも一方と、の組み合わせが好ましい。
原材料の種類によっては、大気中で非常に不安定で、水と反応して分解し、硫化水素ガスの発生や酸化のおそれがある。その場合には、不活性雰囲気中で混合することが好ましい。大気中で不安定な原材料を用いない場合には、大気中で混合を行ってもよい。
原材料の混合は、例えば、ミキサーミル、ピンミルや粉体撹拌機、気流混合の様なメディアレス混合等により行える。また、原材料は加熱前の混合により、一部をアモルファス化してもよい。
原材料混合物を加熱溶融し、冷却することで結晶化又はアモルファス化できる。また、原材料混合物を加熱したり、メカノケミカル反応を行うことにより、結晶化又はアモルファス化してもよい。
原材料を加熱溶融し、冷却することで結晶化又はアモルファス化する場合には、冷却時の冷却速度や圧力等、冷却の条件を変えることによって結晶相やアモルファス相の状態を調整できる。
加熱溶融の条件は従来公知の条件を適用できる。例えば、加熱温度は600~900℃が好ましい。加熱溶融の時間は0.1~10時間が好ましい。加熱溶融時の圧力は常圧~微加圧が好ましい。加熱溶融時の露点は-20℃以下が好ましく、下限は特に制限されないが、通常-80℃程度である。また酸素濃度は1000ppm以下が好ましい。
加熱溶融した原材料混合物を、例えば常圧下で1℃/秒以上の冷却速度で急冷することにより結晶化を行ってもよい。また、その後にさらに熱処理を行うことで、安定化処理を行ってもよい。また、急冷しアモルファス状態のものを得て、そのまま用いてもよい。また、アモルファス状態のものを再度加熱することにより、結晶化させたものを用いてもよい。
原材料混合物を加熱することで結晶化又はアモルファス化する場合には、加熱の条件は従来工程の条件を適用できる。例えば、加熱の雰囲気は、不活性ガス雰囲気下、硫化水素ガス雰囲気下、硫黄ガス雰囲気下、真空封管の下、等が挙げられる。加熱温度は200℃以上900℃未満が好ましい。加熱時間は0.1~100時間が好ましい。加熱は複数回実施しても良い。
(工程2)
工程2は、上記工程1で得られた結晶相及びアモルファス相の少なくとも一方を含む硫化物系固体電解質を粉砕し、粉末化する工程である。
本工程では、Crなどのクロム源の存在下で上記結晶相またはアモルファス相を粉砕するのが好ましい。粉砕の方法としては、例えば湿式粉砕法が挙げられる。本工程により、得られる本粉末の粒子表面にCr3+が存在することとなり、優れた電気化学的安定性および耐水性が実現できる。
上記クロム源としては、例えば、Cr、Cr3+を含む有機溶媒、Cr3+を含む酸化物、SUS系金属の酸化被膜等が挙げられる。
クロム源は、上記硫化物系固体電解質の結晶相またはアモルファス相に対し、Cr換算で、1質量ppm以上添加するのが好ましく、10質量ppm以上添加するのがより好ましく、30質量ppm以上添加するのがさらに好ましい。クロム源の添加量を、Cr換算で、1質量ppm以上にすることによって、得られる本粉末中の粒子表面にCr3+が適度に存在することになり、さらに優れた電気化学的安定性および耐水性が実現できる。
また、クロム源は、電解質のイオン伝導率を阻害しない程度に含むことには問題なく、上記結晶相またはアモルファス相に対し、例えば、Cr換算で、5質量%以下添加するのが好ましく、1質量%以下添加するのがより好ましく、0.1質量%以下添加するのがさらに好ましい。
なお、クロム源におけるCr量の換算は、ICP発光分析により行うことができる。
また、工程2においては、酸素源の存在下で上記結晶相またはアモルファス相を粉砕するのが好ましい。酸素源もCr3+の好ましい存在形態の実現に寄与すると考えられるためである。酸素源は、雰囲気酸素、溶媒中の残存酸素、エーテルなどの酸素を含む溶媒などが挙げられる。
酸素源より電解質に取り込まれる酸素量は、上記硫化物系固体電解質の結晶相またはアモルファス相に対し、O換算で、10質量ppm以上が好ましく、100質量ppm以上がより好ましく、300質量ppm以上がさらに好ましい。酸素源より電解質に取り込まれる酸素量を、O換算で、10質量ppm以上にすることによって、Cr3+の好ましい存在形態の実現に寄与し、さらに優れた電気化学的安定性および耐水性が実現できる。
また、酸素原子は電解質のイオン伝導率を阻害しない程度に含むことには問題ないため、酸素源により電解質に取り込まれる酸素量は、上記結晶相またはアモルファス相に対し、例えば、O換算で、20質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
酸素源より電解質に取り込まれる酸素量は酸素・窒素・水素分析装置(例えば、LECO社製、ONH836)を用いて求めることができる。
また、酸素源の酸素量の測定は、雰囲気酸素の場合は酸素濃度計(例えば、テクネ計測社製、Model201RS)により行い、無機物由来の酸素の場合は酸素・窒素・水素分析装置(例えば、LECO社製、ONH836)により行い、溶媒中の残存酸素の場合はDOメーター(例えば、飯島電子工業社製、B-506S)により行い、酸素を含む溶媒由来の場合は溶媒がもつ酸素原子モル数から算出することで行うことができる。
酸素源の酸素量は、O換算で電解質重量に対して、100質量ppm以上が好ましく、1000質量ppm以上がより好ましく、3000質量ppm以上がさらに好ましい。
また、電解質のイオン伝導率を阻害しない程度に含むことには問題なく、O換算で電解質重量に対して、200質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
このように、本粉末の製造方法においては、クロム源および酸素源の存在下で、結晶相及びアモルファス相の少なくとも一方を含む硫化物系固体電解質を粉砕する工程を含むのが好ましい。
湿式粉砕法の場合、使用する溶媒の種類は特に制限されないが、硫化物系固体電解質は水分と反応して劣化しやすい性質を有することから、非水系有機溶媒を用いるのが好ましい。
非水系有機溶媒の種類は特に限定されないが、炭化水素系溶媒、ヒドロキシ基を含有した有機溶媒、エーテル基を含有した有機溶媒、カルボニル基を含有した有機溶媒、エステル基を含有した有機溶媒、アミノ基を含有した有機溶媒、ホルミル基を含有した有機溶媒、カルボキシ基を含有した有機溶媒、アミド基を含有した有機溶媒、ベンゼン環を含有した有機溶媒、メルカプト基を含有した有機溶媒、チオエーテル基を含有した有機溶媒、チオエステル基を含有した有機溶媒、ジスルフィド基を含有した有機溶媒、ハロゲン化アルキル等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエンが挙げられ、飽和水分濃度が低い観点から、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンが好ましい。また、水分濃度を調整する観点から、これら炭化水素系溶媒を、トルエンやジブチルエーテル等と混ぜた混合溶媒とすることも好ましい。
硫化物系固体電解質の結晶相またはアモルファス相の粉砕時に、硫化物系固体電解質粉末が水と反応してリチウムイオン伝導率が低下することを防ぐ観点から、上記非水系有機溶媒の水分濃度は低い方が好ましい。上記非水系有機溶媒の水分濃度は、例えば、170質量ppm以下であってよく、150質量ppm以下であってよく、120質量ppm以下であってよく、100質量ppm以下であってよい。
湿式粉砕法は、例えばボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル等の粉砕機を用いて行えばよい。
湿式粉砕においては上記溶媒の他、添加剤(分散剤)としてエーテル化合物、エステル化合物又はニトリル化合物を添加してもよい。
湿式粉砕を経て得られた硫化物系固体電解質粉末中に溶媒や添加剤が残存している場合は、乾燥工程を行うとよい。乾燥条件としては、例えば温度100℃以上200℃以下としてもよい。乾燥時間については特に限定されるものではなく、例えば10分以上24時間以下としてもよい。また、乾燥工程は減圧下で実施しても良く、例えば絶対圧で50kPa以下であってよい。乾燥工程はホットプレート、乾燥炉、電気炉等を用いて実施できる。
なお、本製造方法では、工程2の粉末化の段階でクロム源を添加することにより、本粉末の粒子表面にCr3+を存在させているが、本発明において本粉末の粒子表面にCr3+を存在させる方法はこれに限定されず、本粉末の粒子表面にCr3+が存在するような方法であれば特に制限されない。例えば、イオン交換する方法や、PVDなどでクロム源を粉体表面に存在させ、その後の処理でCr3+を粒子表面に存在させる方法であってもよい。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、及び改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、及び配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
[1]波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末。
[2]以下の式で示される、532nmの波長の光で励起して得られるラマンスペクトルにおけるフォトルミネッセンスピーク比が0.2以上である、[1]に記載の硫化物系固体電解質粉末。
フォトルミネッセンスピーク比=ラマンシフト4300cm-1~4500cm-1の領域のピークの積分強度/ラマンシフト400~450cm-1の領域のピークの積分強度
[3]アルジロダイト型の結晶を含む、[1]または[2]に記載の硫化物系固体電解質粉末。
[4]格子歪みが0.002以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末。
[5]以下の式を満たす、[1]~[4]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末。
BET比表面積(m/g)×格子歪み≧0.01
[6]Cl元素とBr元素の原子比が0.2:1.6~1.6:0.2である、[1]~[5]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末の製造方法。
[8]クロム源および酸素源の存在下で、結晶相及びアモルファス相の少なくとも一方を含む硫化物系固体電解質を粉砕する工程を含む、[7]に記載の硫化物系固体電解質粉末の製造方法。
[9][1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末を含む硫化物系固体電解質層。
[10][1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質粉末を含むリチウムイオン二次電池。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。例1~6、例8、及び例9は実施例であり、例7及び例10は比較例である。
(BET比表面積)
各例で得られた硫化物系固体電解質粉末について、比表面積・細孔分布測定装置(マイクロメリティクス社製、細孔分布測定装置ASAP-2020)を用いてクリプトン吸着BET多点法により測定を行い、比表面積を求めた。サンプリングから測定を含め、大気に触れないようにして測定を実施した。
具体的には、前処理として、室温にて12時間以上減圧を行った。試料重量は0.15gとし、分析温度-196℃で、相対圧(P/P0)が0.1~0.25の範囲で5点以上測定を行い、BETプロットを作成した。得られたプロットから比表面積を算出した。
結果を表1の「BET比表面積(m/g)」の項目に示す。
(フォトルミネッセンス評価)
各例で得られた硫化物系固体電解質粉末に対し、ラマン分光測定装置(堀場製作所製、LabRAM HR Evolution)を用いて、532nmの波長の光を励起光として用い、倍率が10倍かつ開口数が0.25の対物レンズを用い、硫化物系固体電解質粉末上に集光されるレーザーのパワーを約5mWとなるように調整してラマンスペクトルを取得した。硫化物系固体電解質粉末は露点-60℃以下に制御されたグローブボックスに合成石英ガラスセル中に封止し、大気へ暴露を防止した状態のまま測定を行った。ラマンスペクトルは標準ハロゲンランプ光源を用いて強度校正を行った。得られたラマンスペクトルについて、ラマンシフト4300cm-1~4500cm-1の領域のピークの積分強度と、ラマンシフト400~450cm-1の領域のピークの積分強度を求め、以下式のフォトルミネッセンスピーク比を求めた。ピークの積分強度は図1よび図2に示すように、ピークの両端を結ぶ直線をベースラインとし、スペクトルとベースラインで囲まれた領域の積分面積を求めることで評価した。
フォトルミネッセンスピーク比=ラマンシフト4300cm-1~4500cm-1の領域のピークの積分強度/ラマンシフト400~450cm-1の領域のピークの積分強度
なお、後述する例1、例3、及び例7については、ラマンスペクトルの結果を図3に示す。
(反応電流評価(電気化学的安定性評価))
<カーボンの調製>
作用極複合体の電子伝導性成分として、BET法による表面積が62m/gの市販カーボンブラック(Super C65,TIMCAL社製)を用い、(1)C65をBuchiオーブンで300℃、24時間乾燥させたもの、(2)C65を800℃、12時間、H/Ar還元流(Ar中H:20vol%)で処理したものを使用した。
<サイクリックボルタンメトリー>
まず、例1~例10で得られた硫化物系固体電解質粉末60mgをPEEK製ハウジングに充填し、ステンレスチール製のスタンプで、手動で圧縮した。固体電解質-カーボン電極コンポジットは、固体電解質とカーボンを9:1の重量比で混合し、メノウ乳鉢で15分間、手作業で粉砕した。固体電解質-カーボンコンポジットの質量12mgを固体電解質ペレットに載せて作用電極を作製した。この試料を35kN(圧力440MPa)で3分間一軸プレスした。ペレットの反対側に対極として直径9mmの厚さ100μmのインジウム箔(ChemPur、99.999%)を加えた後、セルをアルミニウムフレームに10Nmのトルクで固定し、約60MPaの圧力を発生させた。対極および参照電極の材料としてインジウム金属を選択した。インジウム中に約1at%のLiを取り込むと0.62V vs Li/Liの安定した開回路起電圧(OCV)が確立される。組み立て後に各セルを1時間平衡化させた。
CV実験は、VMP300ポテンショスタット(Biologic社製)を用いて、温度298K、スキャンレート0.1mV/sでOCVから高電位側に掃引を開始し、1.9~4.0Vの範囲で実施した。4.0V vs In/InLiでの電流値(mA)を、使用した粒子(g)の粒子比表面積(m/g)で除した値を反応電流値としてサンプル間で比較した。
(30min HS発生量(耐水性評価))
露点-20℃の環境下(ガス流量0.5L/min、サンプル10mg設置)で硫化水素発生量を測定した。30分間に発生したHS量(ml/サンプル1gあたり)を、サンプルのBET比表面積(m/g)で割ることにより、サンプル1mあたりのHS発生量(ml)を求めた。ml/mの指標により、値が小さいサンプルほど、表面からのHS発生が抑制されたこと、すなわち耐水性に優れていることを示す。
(格子歪み(XRD))
各例の硫化物系固体電解質について放射光X線回折測定を行い、RIETAN-FP(バージョン:3.12)ソフトウェアを用いてリートベルト法による結晶構造の精密化を行った。
リートベルト解析を行い、もっともRwp値が低くなった構造を各例の結晶構造として判断した。Rwp値とは、リートベルト解析による構造精密化のフィッティングにおいて、解析範囲全体に対して一般的な目安とされる信頼性因子Rwp(R-weighted pattern)のことである。Rwp値は低い方がよく、本解析においては、最も低くなったRwp値は何れも10%未満であった。格子歪みは、リートベルト解析から得られたピーク位置(2θ)と各ピークの半値幅(β)の値をwilliamson-Hallプロットに適用し、算出した。
放射光X線回折測定は、ガラス製のキャピラリーにサンプルを詰め、サンプルの取扱い時や測定時も含めて、大気非曝露環境下で実施した。
(硫化物系固体電解質粉末の作製)
例1~3
ドライ窒素雰囲気下で、表1に記載の組成になる様に、硫化リチウム粉末(Sigma社製、純度99.98%)、五硫化二リン粉末(Sigma社製、純度99%)、塩化リチウム粉末(Sigma社製、純度99.99%)、臭化リチウム粉末(Sigma社製、純度99.995%)を秤量し、石英製の試験管に入れて真空封管を実施した。750℃で1時間溶解した後、冷却してサンプルを得た。
得られたサンプルを乳鉢で砕き、0.1wt%のCrを混ぜて、粉砕を実施した。粉砕は、0.1wt%Cr混合の電解質粉末を2g、ヘプタン4g、ジブチルエーテル4gを入れ、アルミナ製のΦ1mmボールを入れて、表1に記載の所定の時間、湿式粉砕を行った。その後、180℃で3時間乾燥して、例1~3の硫化物系固体電解質粉末を得た。
例4
まず、例1と同様の方法で粉砕前のサンプルを得た。得られたサンプルを乳鉢で砕き、0.01wt%のCrを混ぜて、粉砕を実施した。粉砕は、0.01wt%Cr混合の電解質粉末を2g、ヘプタン4g、ジブチルエーテル4gを入れ、アルミナ製のΦ1mmボールを入れて、90分間湿式粉砕を行った。更に粉砕メディアを1mmから0.3mmに入れ替え90分間粉砕し、その後、180℃で3時間乾燥して、例4の硫化物系固体電解質粉末を得た。
例5
まず、例1と同様の方法で粉砕前のサンプルを得た。得られたサンプルを乳鉢で砕き、0.1wt%のCrを混ぜて、粉砕を実施した。粉砕は、0.1wt%Cr混合の電解質粉末を2g、ヘプタン8g(水分量≦5wt ppm)を入れ、アルミナ製のΦ1mmボールを入れて、90分間湿式粉砕を行った。その後、180℃で3時間乾燥して、例5の硫化物系固体電解質粉末を得た。
例6
原料を表1に記載の組成になる様に原料を混合し、遊星ボールミルを用いメカニカルミリングによってアモルファス状のサンプルを得た(D50:~2μm)。ロータリーキルン炉にサンプルを2g入れ、10rpmでサンプルを撹拌させながら、385℃で5時間反応させ、アルジロダイト型結晶を得た(D50:~4μm)。粉砕は、0.1wt%Cr混合の電解質粉末を2g、ヘプタン4g、ジブチルエーテル4gを入れ、アルミナ製のΦ1mmボールを入れて、粉砕時の回転数を50rpmで回し、90分間粉砕を行い、例6の硫化物系固体電解質粉末を得た。なお、上記D50は、粒子径D50を指し、レーザー回折法(Microtrac社製、レーザー回折粒度分布測定機MT3300EXII)を用いた粒度分布計で測定した際に、粒子の50体積%がその値以下の粒子径となる値である。
例7
まず、例1と同様の方法で粉砕前のサンプルを得た。0.1wt%Cr混合の電解質粉末を粉砕しない状態で混合し、これらを乳鉢で混合して、例7の硫化物系固体電解質粉末を得た。
例8、例9
原料を表1に記載の組成になる様に秤量し、石英製の試験管に入れて真空封管を実施した。750℃で1時間溶解した後、封管を水中で急冷して硫化物ガラスサンプルを得た。得られたサンプルを乳鉢で砕き、0.1wt%のCrを混ぜて、粉砕を実施した。粉砕は、0.1wt%Cr混合の電解質粉末を2g、ヘプタン4g、ジブチルエーテル4gを入れ、アルミナ製のΦ1mmボールを入れて、表1に記載の所定の時間、湿式粉砕を行った。その後、180℃で3時間乾燥し、250℃で熱処理を実施してLi11型結晶を有する例8、例9の硫化物系固体電解質粉末を得た。
例10
原料を表1に記載の組成になる様に秤量して混合し、遊星ボールミルを用いメカニカルミリングによってアモルファス状のサンプルを得た(D50:~2μm)。ロータリーキルン炉にサンプルを2g入れ、10rpmでサンプルを撹拌させながら、260℃で1時間反応させ、Li11型結晶を得た(D50:~6μm)。その後、0.1wt%Cr混合の電解質粉末を粉砕しない状態で混合し、これらを乳鉢で混合して、例10の硫化物系固体電解質粉末を得た。
Figure 0007435927000001
例1~7のLi5.4PS4.4Cl0.8Br0.8型の硫化物系固体電解質粉末において、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発した実施例の例1~6は、反応電流が低く、電気化学的安定性に優れていることがわかった。また、実施例の例1~6は、HS発生量も少なく、耐水性に優れていることがわかった。これは、実施例の例1~6において、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発することや格子歪みが比較的高かったことから、粒子表面にCr3+が取り込まれたことにより、電気化学的安定性および耐水性が良好となったためであると考えられる。
一方、比較例の例7は、反応電流が高く、HS発生量も多い結果となり、電気化学的安定性および耐水性に劣ることがわかった。これは、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発しないことや格子歪みが比較的低かったことから、粒子表面にCr3+が取り込まれず、電気化学的安定性および耐水性が改善されなかったためであると考えられる。
例8~10のLi11型の硫化物系固体電解質粉末において、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発した実施例の例8、例9は、反応電流が低く、電気化学的安定性に優れていることがわかった。また、実施例の例8、例9は、HS発生量も少なく、耐水性に優れていることがわかった。これは、実施例の例8、例9において、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発することから、粒子表面にCr3+が取り込まれたことにより、電気化学的安定性および耐水性が良好となったためであると考えられる。
一方、比較例の例10は、反応電流が高く、HS発生量も多い結果となり、電気化学的安定性および耐水性に劣ることがわかった。これは、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発しないことや格子歪みが比較的低かったことから、粒子表面にCr3+が取り込まれず、電気化学的安定性および耐水性が改善されなかったためであると考えられる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、本出願は、2022年6月17日出願の日本特許出願(特願2022-098230)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。

Claims (9)

  1. 波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末であって、以下の式で示される、532nmの波長の光で励起して得られるラマンスペクトルにおけるフォトルミネッセンスピーク比が0.2以上である、硫化物系固体電解質粉末。
    フォトルミネッセンスピーク比=ラマンシフト4300cm -1 ~4500cm -1 の領域のピークの積分強度/ラマンシフト400~450cm -1 の領域のピークの積分強度
  2. 波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末であって、格子歪みが0.002以上である、硫化物系固体電解質粉末。
  3. 波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末であって、以下の式を満たす、請硫化物系固体電解質粉末。
    BET比表面積(m /g)×格子歪み≧0.01
  4. アルジロダイト型の結晶を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質粉末。
  5. Cl元素とBr元素の原子比が0.2:1.6~1.6:0.2である、請求項1~3のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質粉末。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質粉末の製造方法。
  7. クロム源および酸素源の存在下で、結晶相及びアモルファス相の少なくとも一方を含む硫化物系固体電解質を粉砕する工程を含む、波長660~750nmの間にフォトルミネッセンス光を発する硫化物系固体電解質粉末の製造方法。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質粉末を含む硫化物系固体電解質層。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質粉末を含むリチウムイオン二次電池。
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