JP2021193647A - 全固体電池用正極 - Google Patents
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Abstract
【課題】全固体電池用正極における反応抵抗を低減すること。【解決手段】全固体電池用正極は、少なくとも複合粒子と固体電解質とを含む。複合粒子は、正極活物質粒子と被膜とを含む。被膜は、正極活物質粒子の表面を被覆している。被膜は、その深さ方向に第1領域と第2領域とを含む。第1領域は、正極活物質粒子と接している。第2領域は、被膜の表面を含む。第1領域および第2領域は、それぞれ、リチウムイオン伝導性酸化物を含む。少なくとも第2領域において、リチウムイオン伝導性酸化物がフッ素を含む。【選択図】図2
Description
本開示は、全固体電池用正極に関する。
特開2018−120705号公報(特許文献1)は、正極活物質粒子と、第1の被覆層と、第2の被覆層とを備える、全固体二次電池用正極活物質を開示している。
全固体電池用正極(以下「正極」と略記され得る。)は、正極活物質粒子と固体電解質とを含む。正極内において固体電解質は、イオン伝導経路を形成している。
充電時、正極活物質粒子は高電位を有する。正極活物質粒子が固体電解質に直接接触していると、正極活物質粒子と固体電解質とが反応する可能性がある。その結果、正極活物質粒子と固体電解質との界面に抵抗層が形成され、反応抵抗が増加する可能性がある。
例えば、正極活物質粒子の表面をリチウム(Li)イオン伝導性酸化物で被覆することが考えられる。Liイオン伝導性酸化物が正極活物質粒子と固体電解質との間に介在することにより、抵抗層の形成が阻害されることが期待される。
ただし、Liイオン伝導性酸化物の表面は、高極性を有する傾向がある。すなわち、Liイオン伝導性酸化物の表面は、親水性であり得る。そのため、Liイオン伝導性酸化物の表面に水が吸着しやすい傾向がある。Liイオン伝導性酸化物に水が吸着していると、水と固体電解質とが接触することになる。水と固体電解質とが接触することにより、固体電解質が変質し、反応抵抗が増加する可能性もある。
本開示の目的は、全固体電池用正極における反応抵抗を低減することである。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは、推定を含んでいる。作用メカニズムの正否は、特許請求の範囲を限定しない。
全固体電池用正極は、少なくとも複合粒子と固体電解質とを含む。複合粒子は、正極活物質粒子と被膜とを含む。被膜は、正極活物質粒子の表面を被覆している。被膜は、その深さ方向に第1領域と第2領域とを含む。第1領域は、正極活物質粒子と接している。第2領域は、被膜の表面を含む。第1領域および第2領域は、それぞれ、リチウムイオン伝導性酸化物を含む。少なくとも第2領域において、リチウムイオン伝導性酸化物がフッ素を含む。
本開示においては、正極活物質粒子の表面に、Liイオン伝導性酸化物の被膜が形成されている。被膜は、正極活物質粒子と固体電解質との直接接触を阻害することが期待される。さらに、被膜の表面にフッ素が含まれている。フッ素の存在により、被膜の表面が、疎水性を示すことが期待される。すなわち、被膜に水が吸着し難いことが期待される。したがって、本開示の正極においては、水による固体電解質の変質も起こり難いと考えられる。以上より、本開示においては、反応抵抗の低減が期待される。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される。)が説明される。ただし、以下の説明は、特許請求の範囲を限定しない。
本実施形態において、例えば「0.1質量部から10質量部」等の記載は、特に断りのない限り、境界値を含む範囲を示す。例えば「0.1質量部から10質量部」は、「0.1質量部以上10質量部以下」の範囲を示す。
本実施形態において、「実質的に・・・からなる」との記載は、本実施形態の目的を阻害しない範囲で、必須成分に加えて、追加の成分が含まれ得ることを示す。例えば、当該技術の分野において通常想定される成分(例えば不可避不純物等)は、当然含まれ得る。
本実施形態において、例えば「Li2S」等の化学量論的組成式によって化合物が表現されている場合、該化学量論的組成式は代表例に過ぎない。例えば、硫化リチウム(Li2S)は、「Li:S=2:1」の組成比に限定されず、任意の組成比でLiとSとを含み得る。
<全固体電池>
図1は、本実施形態における電池要素を示す概念図である。
全固体電池100は、電池要素105を含む。全固体電池100は、外装体(不図示)を含んでいてもよい。電池要素105は、外装体に収納されていてもよい。外装体は、例えば、金属製のケース等であってもよい。外装体は、アルミラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。
図1は、本実施形態における電池要素を示す概念図である。
全固体電池100は、電池要素105を含む。全固体電池100は、外装体(不図示)を含んでいてもよい。電池要素105は、外装体に収納されていてもよい。外装体は、例えば、金属製のケース等であってもよい。外装体は、アルミラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。
電池要素105は、正極101、セパレータ層103、および負極102含む。電池要素105は、例えば、正極集電体および負極集電体等(いずれも不図示)をさらに含んでいてもよい。正極集電体および負極集電体は、例えば、アルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔、銅(Cu)箔等であってもよい。
セパレータ層103は、正極101と負極102との間に介在している。セパレータ層103は、正極101と負極102とを空間的に分離している。セパレータ層103は、固体電解質を含む。
全固体電池100は、1個の電池要素105を単独で含んでいてもよい。全固体電池100は、複数個の電池要素105を含んでいてもよい。複数個の電池要素105は、図1のz軸方向に積み上げられていてもよい。複数個の電池要素105は、電気的に直列接続されていてもよい。複数個の電池要素105は、電気的に並列接続されていてもよい。
<全固体電池用正極>
正極101は、層状である。正極101は、例えば、10μmから200μmの厚さを有していてもよい。正極101は、少なくとも複合粒子と固体電解質とを含む。正極101は、例えば、導電材、バインダ等をさらに含んでいてもよい。
正極101は、層状である。正極101は、例えば、10μmから200μmの厚さを有していてもよい。正極101は、少なくとも複合粒子と固体電解質とを含む。正極101は、例えば、導電材、バインダ等をさらに含んでいてもよい。
《複合粒子》
図2は、本実施形態における複合粒子を示す概念図である。
複合粒子10は、コアシェル構造を有する。複合粒子10は、正極活物質粒子11と被膜12とを含む。
図2は、本実施形態における複合粒子を示す概念図である。
複合粒子10は、コアシェル構造を有する。複合粒子10は、正極活物質粒子11と被膜12とを含む。
(正極活物質粒子)
正極活物質粒子11は、複合粒子10のコアである。正極活物質粒子11は、任意の粒子サイズを有し得る。正極活物質粒子11は、例えば、1μmから30μmのD50を有していてもよい。「D50」は、体積基準の粒度分布において小粒径側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒子径を示す。D50は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置等により測定され得る。
正極活物質粒子11は、複合粒子10のコアである。正極活物質粒子11は、任意の粒子サイズを有し得る。正極活物質粒子11は、例えば、1μmから30μmのD50を有していてもよい。「D50」は、体積基準の粒度分布において小粒径側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒子径を示す。D50は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置等により測定され得る。
正極活物質粒子11は、正極活物質を含む。正極活物質粒子11は、実質的に正極活物質からなっていてもよい。正極活物質粒子11は、正極活物質のみからなっていてもよい。正極活物質は、酸化還元反応により、Liイオンを吸蔵し、放出する。正極活物質は、任意の成分を含み得る。正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム、およびリン酸鉄リチウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
(被膜)
被膜12は、複合粒子10のシェルである。被膜12は、正極活物質粒子11の表面を被覆している。被膜12は、正極活物質粒子11の表面のうち、実質的に全部を被覆していてもよい。被膜12は、正極活物質粒子11の表面のうち、一部を被覆していてもよい。すなわち、被膜12は、正極活物質粒子11の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。
被膜12は、複合粒子10のシェルである。被膜12は、正極活物質粒子11の表面を被覆している。被膜12は、正極活物質粒子11の表面のうち、実質的に全部を被覆していてもよい。被膜12は、正極活物質粒子11の表面のうち、一部を被覆していてもよい。すなわち、被膜12は、正極活物質粒子11の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。
被膜12は、第1領域1と第2領域2とを含む。第1領域1および第2領域2は、それぞれ、Liイオン伝導性酸化物を含む。第1領域1および第2領域2は、それぞれ、実質的にLiイオン伝導性酸化物からなっていてもよい。第1領域1および第2領域2は、それぞれ、Liイオン伝導性酸化物のみからなっていてもよい。
Liイオン伝導性酸化物は、Liおよび酸素(O)を少なくとも含む。Liイオン伝導性酸化物は、Li以外の金属元素をさらに含んでいてもよい。Liイオン伝導性酸化物は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)およびチタン酸リチウム(Li2Ti2O5)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
第1領域1は、正極活物質粒子11と接している。第2領域2は、被膜12の表面を含む。第2領域2は、例えば「表面領域」と言い換えることもできる。本実施形態においては、少なくとも第2領域2において、Liイオン伝導性酸化物がフッ素(F)を含む。例えば、第1領域1および第2領域2のうち、第2領域2のみにおいて、Liイオン伝導性酸化物がフッ素を含んでいてもよい。例えば、第1領域1および第2領域2の両方において、Liイオン伝導性酸化物がフッ素を含んでいてもよい。なお、第2領域2のみにおいて、Liイオン伝導性酸化物がフッ素を含むことにより、例えば、被膜12中におけるLiイオンの移動が円滑になる可能性がある。
Liイオン伝導性酸化物中のフッ素の存在形態は、任意である。フッ素は、例えば、侵入型不純物であってもよい。フッ素は、例えば、置換型不純物であってもよい。例えば、Liイオン伝導性酸化物中の酸素原子の一部がフッ素原子により置換されていてもよい。例えば、Liイオン伝導性酸化物中の酸素欠陥にフッ素原子が導入されていてもよい。
(F/X比)
被膜12におけるフッ素の量は、例えば、「F/X比」により表され得る。「X」は、Liイオン伝導性酸化物における代表元素を示す。「代表元素」は、Li以外の金属元素である。例えば、LiNbO3の代表元素は、Nbである。例えば、Li2Ti2O5の代表元素は、Tiである。XPS(x−ray photoelectron spectroscopy)により、被膜12の表面におけるXPSスペクトルが取得される。XPSスペクトルにおけるピーク面積から、フッ素の含有量、および代表元素の含有量がそれぞれ算出される。F/X比は、代表元素の含有量に対する、フッ素の含有量の比である。F/X比は、無次元量(モル/モル)である。
被膜12におけるフッ素の量は、例えば、「F/X比」により表され得る。「X」は、Liイオン伝導性酸化物における代表元素を示す。「代表元素」は、Li以外の金属元素である。例えば、LiNbO3の代表元素は、Nbである。例えば、Li2Ti2O5の代表元素は、Tiである。XPS(x−ray photoelectron spectroscopy)により、被膜12の表面におけるXPSスペクトルが取得される。XPSスペクトルにおけるピーク面積から、フッ素の含有量、および代表元素の含有量がそれぞれ算出される。F/X比は、代表元素の含有量に対する、フッ素の含有量の比である。F/X比は、無次元量(モル/モル)である。
本実施形態において、F/X比はゼロより大きい値である。F/X比が0超であることにより、被膜12の表面に疎水性が付与され得る。これにより反応抵抗の低減が期待される。F/X比は、例えば、0.1以上であってもよい。F/X比は、例えば、0.2以上であってもよい。F/X比は、例えば、0.8以下であってもよい。F/X比が0.8以下であることにより、例えば、被膜12中におけるLiイオンの移動が円滑になる可能性がある。F/X比は、例えば、0.5以下であってもよい。F/X比は、例えば、0.1から0.8であってもよい。F/X比は、例えば、0.2から0.5であってもよい。
(厚さ)
被膜12の厚さも、例えば、XPSにより特定され得る。すなわち、XPSの深さ方向分析により、代表元素(X)が検出される。代表元素が検出され始めてから、代表元素が検出されなくなるまでの間の距離が、被膜12の厚さとみなされてもよい。被膜12は、例えば、3nmから30nmの厚さを有していてもよい。被膜12は、例えば、5nmから20nmの厚さを有していてもよい。
被膜12の厚さも、例えば、XPSにより特定され得る。すなわち、XPSの深さ方向分析により、代表元素(X)が検出される。代表元素が検出され始めてから、代表元素が検出されなくなるまでの間の距離が、被膜12の厚さとみなされてもよい。被膜12は、例えば、3nmから30nmの厚さを有していてもよい。被膜12は、例えば、5nmから20nmの厚さを有していてもよい。
例えば、第1領域1がフッ素を含まない場合は、XPSの深さ方向分析により、第1領域1および第2領域2の厚さも特定され得る。すなわち、XPSの深さ方向分析により、フッ素が検出される。フッ素が検出され始めてから、フッ素が検出されなくなるまでの間の距離が、第2領域2の厚さとみなされてもよい。第2領域2は、例えば、1nmから3nmの厚さを有していてもよい。第1領域1の厚さは、被膜12の厚さから第2領域2の厚さを差し引くことにより、算出される。
(被膜の形成方法)
本実施形態の被膜12は、任意の方法により形成され得る。例えば、次の方法により被膜12が形成されてもよい。
本実施形態の被膜12は、任意の方法により形成され得る。例えば、次の方法により被膜12が形成されてもよい。
例えば、ゾル−ゲル法によって、正極活物質粒子11の表面が、Liイオン伝導性酸化物により被覆される。すなわち、複合粒子10が形成される。複合粒子10は、正極活物質粒子11と、被膜12(Liイオン伝導性酸化物)とを含む。複合粒子10の表面に対して、フッ素がドーピングされる。ドーピング方法は、任意である。
例えば、四フッ化炭素(CF4)のプラズマと、複合粒子10とを接触させることにより、被膜12の表面にフッ素が導入されてもよい。すなわち、粉体プラズマ処理装置が準備される。同装置のチャンバ内に、複合粒子10が配置される。プラズマガスは、CF4ガスである。チャンバ内の圧力は、例えば、1Paから1000Pa程度であってもよい。出力は、例えば、100Wから500W程度であってもよい。処理時間は、例えば、30分から90分程度であってもよい。例えば、処理時間により、F/X比が調整され得る。処理時間は、例えば、50分以上であってもよい。処理時間は、例えば、70分以下であってもよい。
例えば、フッ素ガスと、複合粒子10とを接触させることにより、被膜12の表面にフッ素が導入されてもよい。すなわち、フッ素ガスの気流中において、複合粒子10が加熱される。加熱温度は、例えば、100℃から250℃程度であってもよい。ここで、加熱温度が過度に高いと(例えば500℃程度)、正極活物質粒子11の内部までフッ素が導入される可能性がある。この場合、初期効率が大幅に低下する可能性がある。
《固体電解質》
固体電解質は、正極101内にLiイオン伝導経路を形成する。固体電解質は、例えば、0.1μmから5μmのD50を有していてもよい。複合粒子と固体電解質との体積比は、例えば、「複合粒子:固体電解質=1:9」から「複合粒子:固体電解質=9:1」であってもよい。複合粒子と固体電解質との体積比は、例えば、「複合粒子:固体電解質=3:7」から「複合粒子:固体電解質=9:1」であってもよい。複合粒子と固体電解質との体積比は、例えば、「複合粒子:固体電解質=5:5」から「複合粒子:固体電解質=8:2」であってもよい。
固体電解質は、正極101内にLiイオン伝導経路を形成する。固体電解質は、例えば、0.1μmから5μmのD50を有していてもよい。複合粒子と固体電解質との体積比は、例えば、「複合粒子:固体電解質=1:9」から「複合粒子:固体電解質=9:1」であってもよい。複合粒子と固体電解質との体積比は、例えば、「複合粒子:固体電解質=3:7」から「複合粒子:固体電解質=9:1」であってもよい。複合粒子と固体電解質との体積比は、例えば、「複合粒子:固体電解質=5:5」から「複合粒子:固体電解質=8:2」であってもよい。
固体電解質は、任意の成分を含み得る。固体電解質は、例えば、酸化物固体電解質を含んでいてもよい。固体電解質は、例えば、硫化物固体電解質を含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、高いイオン伝導度を有することが期待される。
硫化物固体電解質は、例えば、ガラス状態であってもよい。硫化物固体電解質は、例えば、ガラスセラミックス(「結晶化ガラス」とも称される。)を形成していてもよい。硫化物固体電解質は、硫黄(S)およびLiを含む。硫化物固体電解質は、例えば、リン(P)等をさらに含んでいてもよい。すなわち、硫化物固体電解質は、硫化リンリチウム等を含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えば、ハロゲン元素等をさらに含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えば、ヨウ素(I)、臭素(Br)等をさらに含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えば、O、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)等をさらに含んでいてもよい。
硫化物固体電解質は、例えば、Li2S−P2S5、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Si2S−P2S5、LiI−LiBr−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−P2S5、LiI−Li2O−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、およびLi2S−P2S5−GeS2からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
ここで、例えば「Li2S−P2S5」は、硫化物固体電解質が、「Li2S」に由来する成分と、「P2S5」に由来する成分とからなることを示す。Li2S−P2S5は、例えば、Li2SとP2S5とのメカノケミカル反応により生成され得る。Li2SとP2S5との混合比は、任意である。Li2SとP2S5とは、例えば、物質量比(モル比)で「Li2S:P2S5=50:50」から「Li2S:P2S5=90:10」の関係を満たしていてもよい。Li2SとP2S5とは、例えば、物質量比で「Li2S:P2S5=60:40」から「Li2S:P2S5=80:20」の関係を満たしていてもよい。
《その他の成分》
(導電材)
正極101は、例えば、導電材をさらに含んでいてもよい。導電材は、正極101内に電子伝導経路を形成する。導電材は、任意の成分を含み得る。導電材は、例えば、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、およびグラフェンフレークからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。導電材の配合量は任意である。導電材の配合量は、100質量部の複合粒子に対して、例えば、0.1質量部から10質量部であってもよい。
(導電材)
正極101は、例えば、導電材をさらに含んでいてもよい。導電材は、正極101内に電子伝導経路を形成する。導電材は、任意の成分を含み得る。導電材は、例えば、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、およびグラフェンフレークからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。導電材の配合量は任意である。導電材の配合量は、100質量部の複合粒子に対して、例えば、0.1質量部から10質量部であってもよい。
(バインダ)
正極101は、例えば、バインダをさらに含んでいてもよい。バインダは、正極101内の材料同士を結合する。バインダは、任意の成分を含み得る。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)およびフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。バインダの配合量は任意である。バインダの配合量は、100質量部の複合粒子に対して、例えば、0.1質量部から10質量部であってもよい。
正極101は、例えば、バインダをさらに含んでいてもよい。バインダは、正極101内の材料同士を結合する。バインダは、任意の成分を含み得る。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)およびフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。バインダの配合量は任意である。バインダの配合量は、100質量部の複合粒子に対して、例えば、0.1質量部から10質量部であってもよい。
以下、本開示の実施例(以下「本実施例」とも記される。)が説明される。ただし、以下の説明は、特許請求の範囲を限定しない。
<正極および全固体電池の製造>
以下のように、各種正極が製造され、さらに該正極を含む評価用電池(全固体電池)が製造された。
以下のように、各種正極が製造され、さらに該正極を含む評価用電池(全固体電池)が製造された。
《実施例1》
(前駆体溶液の調製)
エタノールと、1mmоlのリチウムエトキシドと、1mmоlのペンタエトキシニオブとが混合されることにより、前駆体溶液が調製された。
(前駆体溶液の調製)
エタノールと、1mmоlのリチウムエトキシドと、1mmоlのペンタエトキシニオブとが混合されることにより、前駆体溶液が調製された。
(複合粒子の調製)
正極活物質粒子として、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムが準備された。パウレック社製の転動流動造粒コーティング装置(機種「MP−01」)により、正極活物質粒子と、前駆体溶液とが混合された。得られた混合物が乾燥された。乾燥後、混合物が200℃で5時間焼成された。これにより、複合粒子が調製された。複合粒子は、正極活物質粒子と被膜とを含む。被膜は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)を含むと考えられる。被膜の厚さは10nmであった。
正極活物質粒子として、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムが準備された。パウレック社製の転動流動造粒コーティング装置(機種「MP−01」)により、正極活物質粒子と、前駆体溶液とが混合された。得られた混合物が乾燥された。乾燥後、混合物が200℃で5時間焼成された。これにより、複合粒子が調製された。複合粒子は、正極活物質粒子と被膜とを含む。被膜は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)を含むと考えられる。被膜の厚さは10nmであった。
(複合粒子のフッ素化処理)
粉体プラズマ処理装置のチャンバ内に、複合粒子が配置された。下記条件により、複合粒子に対して、フッ素化処理が施された。これにより、被膜の表面にフッ素が導入された。XPSにより、F/X比(F/Nb比)が測定された。F/X比は、0.2であった。
粉体プラズマ処理装置のチャンバ内に、複合粒子が配置された。下記条件により、複合粒子に対して、フッ素化処理が施された。これにより、被膜の表面にフッ素が導入された。XPSにより、F/X比(F/Nb比)が測定された。F/X比は、0.2であった。
プラズマガス:CF4
圧力:100Pa
出力:300W
処理時間:30分
圧力:100Pa
出力:300W
処理時間:30分
(正極の製造)
下記材料が準備された。
固体電解質:LiI−Li2S−P2S5ガラスセラミックス(D50=0.8μm)
バインダ溶液:溶質 PVdF(5質量%)、溶媒 酪酸ブチル
導電材:VGCF
分散媒:酪酸ブチル
下記材料が準備された。
固体電解質:LiI−Li2S−P2S5ガラスセラミックス(D50=0.8μm)
バインダ溶液:溶質 PVdF(5質量%)、溶媒 酪酸ブチル
導電材:VGCF
分散媒:酪酸ブチル
プライミクス社製の攪拌装置(製品名「フィルミックス」、形式「30−L型」)が準備された。攪拌装置の攪拌容器に、分散媒と、バインダ溶液と、導電材と、固体電解質とが投入された。20000rpmの回転数で30分間、攪拌容器内の材料が攪拌された。
攪拌容器に、複合粒子が追加投入された。複合粒子の配合量は、複合粒子と固体電解質との体積比が「複合粒子:固体電解質=7:3」となるように設定された。複合粒子の投入後、15000rpmの回転数で60分間、攪拌容器内の材料が攪拌された。これにより、正極スラリーが調製された。
正極集電体としてAl箔が準備された。ブレード方式のアプリケータにより、正極スラリーがAl箔の表面に塗工された。これにより正極が製造された。正極が自然乾燥された。自然乾燥後、100℃に設定されたホットプレート上において、正極がさらに乾燥された。乾燥時間は30分間であった。
カールフィッシャー法により、正極の水分量が測定された。水分量は、1547ppm(質量分率)であった。
(負極の製造)
下記材料が準備された。
負極活物質粒子:チタン酸リチウム
固体電解質:LiI−Li2S−P2S5ガラスセラミックス(D50=0.8μm)
バインダ溶液:溶質 PVdF(5質量%)、溶媒 酪酸ブチル
分散媒:酪酸ブチル
下記材料が準備された。
負極活物質粒子:チタン酸リチウム
固体電解質:LiI−Li2S−P2S5ガラスセラミックス(D50=0.8μm)
バインダ溶液:溶質 PVdF(5質量%)、溶媒 酪酸ブチル
分散媒:酪酸ブチル
ポリプロピレン(PP)製容器に、負極活物質粒子と固体電解質とバインダ溶液と分散媒とが投入された。超音波分散装置(エスエムテー社製、型式「UH−50」)により、PP製容器内の材料が30秒間混合された。振とう器(柴田科学社製、型式「TTM−1」)に、PP製容器がセットされた。振とう器により、PP製容器が30分間振とうされた。これにより、負極スラリーが調製された。
負極集電体としてCu箔が準備された。ブレード方式のアプリケータにより、負極スラリーがCu箔の表面に塗工された。これにより負極が製造された。負極が自然乾燥された。自然乾燥後、100℃に設定されたホットプレート上において、負極がさらに乾燥された。乾燥時間は30分間であった。
(セパレータ層の製造)
下記材料が準備された。
固体電解質:LiI−Li2S−P2S5ガラスセラミックス(D50=2.5μm)
バインダ溶液:溶質 ブチルゴム(5質量%)、溶媒 ヘプタン
分散媒:ヘプタン
下記材料が準備された。
固体電解質:LiI−Li2S−P2S5ガラスセラミックス(D50=2.5μm)
バインダ溶液:溶質 ブチルゴム(5質量%)、溶媒 ヘプタン
分散媒:ヘプタン
PP製容器に、固体電解質とバインダと分散媒とが投入された。超音波分散装置(エスエムテー社製、型式「UH−50」)により、容器内の材料が30秒間混合された。振とう器(柴田科学社製、型式「TTM−1」)に、PP製容器がセットされた。振とう器により、容器が30分間振とうされた。これにより、セパレータスラリーが調製された。
仮支持体としてAl箔が準備された。ブレード方式のアプリケータにより、セパレータスラリーがAl箔の表面に塗工された。これによりセパレータ層が製造された。セパレータ層が自然乾燥された。自然乾燥後、100℃に設定されたホットプレート上において、セパレータ層がさらに乾燥された。乾燥時間は30分間であった。
(全固体電池の製造)
プレス加工用の金型が準備された。金型内にセパレータ層が配置された。1tоn/cm2の圧力により、セパレータ層がプレスされた。次いで、セパレータ層の一方の主面に正極が配置された。1tоn/cm2の圧力により、正極およびセパレータ層がまとめてプレスされた。次いで、セパレータ層の他方の主面に、負極が配置された。6tоn/cm2の圧力により、負極、セパレータ層および正極がまとめてプレスされた。これにより電池要素が形成された。筐体として、アルミラミネートフィルム製のパウチが準備された。電池要素が筐体に封入された。以上より、評価用電池(全固体リチウムイオン電池)が製造された。評価用電池における電極面積は1cm2であった。
プレス加工用の金型が準備された。金型内にセパレータ層が配置された。1tоn/cm2の圧力により、セパレータ層がプレスされた。次いで、セパレータ層の一方の主面に正極が配置された。1tоn/cm2の圧力により、正極およびセパレータ層がまとめてプレスされた。次いで、セパレータ層の他方の主面に、負極が配置された。6tоn/cm2の圧力により、負極、セパレータ層および正極がまとめてプレスされた。これにより電池要素が形成された。筐体として、アルミラミネートフィルム製のパウチが準備された。電池要素が筐体に封入された。以上より、評価用電池(全固体リチウムイオン電池)が製造された。評価用電池における電極面積は1cm2であった。
《実施例2》
実施例1の「複合粒子のフッ素化処理」において、処理時間が60分間に変更されることを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。F/X比(F/Nb比)は、0.5であった。
実施例1の「複合粒子のフッ素化処理」において、処理時間が60分間に変更されることを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。F/X比(F/Nb比)は、0.5であった。
《実施例3》
実施例1の「複合粒子のフッ素化処理」において、処理時間が90分間に変更されることを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。F/X比(F/Nb比)は、0.8であった。
実施例1の「複合粒子のフッ素化処理」において、処理時間が90分間に変更されることを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。F/X比(F/Nb比)は、0.8であった。
《実施例4》
(前駆体溶液の調製)
エタノールと、1mmоlのリチウムエトキシドと、1mmоlのチタンテトライソプロポキシドとが混合されることにより、前駆体溶液が調製された。
(前駆体溶液の調製)
エタノールと、1mmоlのリチウムエトキシドと、1mmоlのチタンテトライソプロポキシドとが混合されることにより、前駆体溶液が調製された。
(複合粒子の調製)
正極活物質粒子として、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムが準備された。パウレック社製の転動流動造粒コーティング装置(機種「MP−01」)により、正極活物質粒子と、前駆体溶液とが混合された。得られた混合物が乾燥された。乾燥後、混合物が350℃で5時間焼成された。これにより、複合粒子が調製された。複合粒子は、正極活物質粒子と被膜とを含む。被膜は、チタン酸リチウム(Li2Ti2O5)を含むと考えられる。被膜の厚さは10nmであった。
正極活物質粒子として、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムが準備された。パウレック社製の転動流動造粒コーティング装置(機種「MP−01」)により、正極活物質粒子と、前駆体溶液とが混合された。得られた混合物が乾燥された。乾燥後、混合物が350℃で5時間焼成された。これにより、複合粒子が調製された。複合粒子は、正極活物質粒子と被膜とを含む。被膜は、チタン酸リチウム(Li2Ti2O5)を含むと考えられる。被膜の厚さは10nmであった。
(複合粒子のフッ素化処理)
粉体プラズマ処理装置のチャンバ内に、複合粒子が配置された。下記条件により、複合粒子に対して、フッ素化処理が施された。これにより、被膜の表面にフッ素が導入された。XPSにより、F/X比(F/Ti比)が測定された。F/X比は、0.2であった。
粉体プラズマ処理装置のチャンバ内に、複合粒子が配置された。下記条件により、複合粒子に対して、フッ素化処理が施された。これにより、被膜の表面にフッ素が導入された。XPSにより、F/X比(F/Ti比)が測定された。F/X比は、0.2であった。
プラズマガス:CF4
圧力:100Pa
出力:300W
処理時間:30分
圧力:100Pa
出力:300W
処理時間:30分
《実施例5》
実施例4の「複合粒子のフッ素化処理」において、処理時間が60分間に変更されることを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。F/X比(F/Ti比)は、0.5であった。
実施例4の「複合粒子のフッ素化処理」において、処理時間が60分間に変更されることを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。F/X比(F/Ti比)は、0.5であった。
《比較例1》
「複合粒子のフッ素化処理」が実施されないことを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。
「複合粒子のフッ素化処理」が実施されないことを除いては、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。
《比較例2》
「複合粒子のフッ素化処理」が実施されないことを除いては、実施例4と同様に正極および評価用電池が製造された。
「複合粒子のフッ素化処理」が実施されないことを除いては、実施例4と同様に正極および評価用電池が製造された。
《比較例3》
複合粒子の調製後、下記条件により、複合粒子に乾燥処理が施された。乾燥処理後、フッ素化処理が実施されないまま、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。
複合粒子の調製後、下記条件により、複合粒子に乾燥処理が施された。乾燥処理後、フッ素化処理が実施されないまま、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。
雰囲気圧力:0.5kPa
乾燥温度:150℃
乾燥時間:10時間
乾燥温度:150℃
乾燥時間:10時間
《比較例4》
被膜が形成されていない正極活物質粒子に対して、下記条件によりフッ素化処理が施された。比較例4においては、正極活物質粒子に含まれるNiが代表元素とされた。F/X比(F/Ni比)は、0.8であった。フッ素化処理後、正極活物質粒子に被膜が形成されないまま、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。
被膜が形成されていない正極活物質粒子に対して、下記条件によりフッ素化処理が施された。比較例4においては、正極活物質粒子に含まれるNiが代表元素とされた。F/X比(F/Ni比)は、0.8であった。フッ素化処理後、正極活物質粒子に被膜が形成されないまま、実施例1と同様に正極および評価用電池が製造された。
プラズマガス:CF4
圧力:100Pa
出力:300W
処理時間:90分
圧力:100Pa
出力:300W
処理時間:90分
<評価>
定電流−定電圧充電と、定電流放電とにより、評価用電池の容量が確認された。充放電の時間率は、1/3Cであった。「C」は時間率を表す記号である。1Cの時間率では、電池の満充電容量が1時間で放電される。
定電流−定電圧充電と、定電流放電とにより、評価用電池の容量が確認された。充放電の時間率は、1/3Cであった。「C」は時間率を表す記号である。1Cの時間率では、電池の満充電容量が1時間で放電される。
1/3Cの時間率により、評価用電池のSOC(state of charge)が50%に調整された。SOCの調整後、交流インピーダンス測定が実施された。振幅は10mVであった。周波数範囲は0.1Hzから106Hzであった。これによりCole−Coleプロットが作成された。Cole−Coleプロットに対して、円弧がフィッティングされた。フィッティングされた円弧と、実数軸との2つの交点の間の距離が求められた。該距離が「反応抵抗」とみなされた。反応抵抗は下記表1に示される。
<結果>
比較例1、2は、反応抵抗が高い。比較例1、2は、水分量が多い。被膜がフッ素化されていないため、被膜に水が吸着していると考えられる。被膜に吸着した水により、固体電解質が変質し、反応抵抗が増加していると考えられる。
比較例1、2は、反応抵抗が高い。比較例1、2は、水分量が多い。被膜がフッ素化されていないため、被膜に水が吸着していると考えられる。被膜に吸着した水により、固体電解質が変質し、反応抵抗が増加していると考えられる。
比較例3は、反応抵抗が高い。比較例3では、乾燥処理が実施されている。比較例3は、比較例2に比して、水分量が少ない。しかし、水分量の減少幅は小さい。乾燥処理によって、被膜に吸着した水を除去することは困難であると考えられる。
比較例4は、水分量が少ない。正極活物質粒子にフッ素化処理が施されているためと考えられる。しかし比較例4は、反応抵抗が非常に高い。正極活物質粒子の表面に被膜(Liイオン伝導性酸化物)が形成されていないため、正極活物質粒子と固体電解質との界面に抵抗層が形成されていると考えられる。
実施例1から実施例4は、反応抵抗が低い。F/X比が0.2から0.5である時、反応抵抗が特に低い傾向がみられる。
例えば、実施例1と比較例1との比較、実施例4と比較例2との比較において、Liイオン伝導性酸化物の種類に依らず、フッ素化処理により、反応抵抗が低減する傾向がみられる。
本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。例えば、本実施形態および本実施例から、任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも、当初から予定されている。
特許請求の範囲の記載に基づいて定められる技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味における全ての変更を包含する。さらに、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の範囲内における全ての変更も包含する。
1 第1領域、2 第2領域、10 複合粒子、11 正極活物質粒子、12 被膜、100 全固体電池、101 正極(全固体電池用正極)、102 負極、103 セパレータ層、105 電池要素。
Claims (1)
- 少なくとも複合粒子と固体電解質とを含み、
前記複合粒子は、正極活物質粒子と被膜とを含み、
前記被膜は、前記正極活物質粒子の表面を被覆しており、
前記被膜は、その深さ方向に第1領域と第2領域とを含み、
前記第1領域は、前記正極活物質粒子と接しており、
前記第2領域は、前記被膜の表面を含み、
前記第1領域および前記第2領域は、それぞれ、リチウムイオン伝導性酸化物を含み、
少なくとも前記第2領域において、前記リチウムイオン伝導性酸化物がフッ素を含む、
全固体電池用正極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020099338A JP2021193647A (ja) | 2020-06-08 | 2020-06-08 | 全固体電池用正極 |
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JP2021193647A true JP2021193647A (ja) | 2021-12-23 |
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ID=79168820
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JP2020099338A Pending JP2021193647A (ja) | 2020-06-08 | 2020-06-08 | 全固体電池用正極 |
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JP (1) | JP2021193647A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022255026A1 (ja) * | 2021-05-31 | 2022-12-08 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 被覆活物質、正極材料、正極および電池 |
WO2023238584A1 (ja) * | 2022-06-10 | 2023-12-14 | パナソニックホールディングス株式会社 | 被覆活物質、電極材料、電池および電池の製造方法 |
-
2020
- 2020-06-08 JP JP2020099338A patent/JP2021193647A/ja active Pending
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WO2022255026A1 (ja) * | 2021-05-31 | 2022-12-08 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 被覆活物質、正極材料、正極および電池 |
WO2023238584A1 (ja) * | 2022-06-10 | 2023-12-14 | パナソニックホールディングス株式会社 | 被覆活物質、電極材料、電池および電池の製造方法 |
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