JP2020113527A - 電解質スラリ組成物及びその製造方法、並びに、電解質シート及びその製造方法 - Google Patents

電解質スラリ組成物及びその製造方法、並びに、電解質シート及びその製造方法 Download PDF

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勝憲 西村
小西 宏明
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宏明 小西
紘揮 三國
Hiroki Mikuni
紘揮 三國
みゆき 室町
Miyuki Muromachi
みゆき 室町
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Abstract

【課題】厚みの薄い電解質層を形成可能な電解質スラリ組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】ポリマ、酸化物粒子、及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程と、得られたバインダスラリに対して、セルロース繊維及び溶媒を含む分散液、並びに、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を含む電解質溶液を添加し、バインダスラリ、分散液、及び電解質溶液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程と、を備える、電解質スラリ組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電解質スラリ組成物及びその製造方法、並びに、電解質シート及びその製造方法に関する。
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の普及により、高性能な二次電池が必要とされている。中でもリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を有するため、電気自動車用電池、電力貯蔵用電池等の電源として注目されている。具体的には、電気自動車用電池としてのリチウム二次電池は、エンジンを搭載しないゼロエミッション電気自動車、エンジン及び二次電池の両方を搭載したハイブリッド電気自動車、電力系統から直接充電させるプラグイン・ハイブリッド電気自動車等の電気自動車に採用されている。また、電力貯蔵用電池としてのリチウム二次電池は、電力系統が遮断された非常時に、予め貯蔵しておいた電力を供給する定置式電力貯蔵システム等に用いられている。
このような広範な用途に使用するために、より高いエネルギー密度のリチウム二次電池が求められており、その開発がなされている。特に、電気自動車用のリチウム二次電池には、高い入出力特性及び高いエネルギー密度に加えて、高い安全性が要求されるため、安全性を確保するためのより高度な技術が求められる。従来、リチウム二次電池の安全性を向上させる方法として、電解液で使用される成分をゲル化して、ゲル電解質を形成する方法等が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2000−164254号公報 特開2007−141467号公報
ところで、電解質成分から形成される電解質層には、リチウム二次電池の軽量化の観点から、その厚みを薄くすること(例えば、厚み5〜25μm)が求められている。しかしながら、従来の電解質成分から形成される電解質層は、強度が不充分であり、厚みを薄くできない傾向にある。
そこで、本発明は、厚みの薄い電解質層を形成可能な電解質スラリ組成物の製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、電解質スラリ組成物にセルロース繊維を含有させることによって、得られる電解質層の強度が向上することを見出した。一方で、セルロース繊維は溶媒を大量に吸収する性質を有しており、セルロース繊維とその他の成分とを一度に混合して電解質スラリ組成物を調製しようとすると、各成分が分散されずに、粒状のかたまり(以下、「ダマ」という場合がある。)が発生し、結果として、電解質層の厚みを薄くすることが困難であるということを新たに見出した。本発明者らがこれらの独自の知見に基づく問題点を鋭意検討したところ、各成分の添加順序を調整することによって、厚みの薄い電解質層を形成することが可能な電解質スラリ組成物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、ポリマ、酸化物粒子、及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程と、得られたバインダスラリに対して、セルロース繊維及び溶媒を含む分散液、並びに、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を含む電解質溶液を添加し、バインダスラリ、分散液、及び電解質溶液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程と、を備える、電解質スラリ組成物の製造方法である。
上述の電解質スラリ組成物の製造方法によれば、電解質スラリ組成物中のダマの発生を抑えることが可能となり、得られる電解質スラリ組成物は、厚みの薄い電解質層を形成することが可能となる。
セルロース繊維の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、1質量%以上であってよい。
電解質溶液は、下記一般式(10)で表される化合物を更に含んでいてもよい。
O−(CHCHO)−R (10)
[式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
酸化物粒子の平均粒径は、0.01〜10μmであってよい。
本発明の第2の態様は、ポリマと、酸化物粒子と、セルロース繊維と、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、溶媒と、を含有する、電解質スラリ組成物であって、セルロース繊維の含有量が、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、1質量%以上である、電解質スラリ組成物である。
電解質スラリ組成物は、下記一般式(10)で表される化合物を更に含有していてもよい。
O−(CHCHO)−R (10)
[式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
酸化物粒子の平均粒径は、0.01〜10μmであってよい。
本発明の第3の態様は、上述の電解質スラリ組成物を基材上に配置する工程と、配置された電解質スラリ組成物から溶媒を除去して基材上に電解質層を形成する工程と、を備える、電解質シートの製造方法である。
電解質層の厚みは、5〜25μmであってよい。
本発明の第4の態様は、基材と、基材上に設けられた電解質層と、を備え、電解質層が、ポリマと、酸化物粒子と、セルロース繊維と、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、を含有し、セルロース繊維の含有量が、電解質層全量を基準として、1質量%以上である、電解質シートである。
電解質層の厚みは、5〜25μmであってよい。
電解質層は、下記一般式(10)で表される化合物を更に含有していてもよい。
O−(CHCHO)−R (10)
[式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
酸化物粒子の平均粒径は、0.01〜10μmであってよい。
本発明によれば、厚みの薄い電解質層を形成可能な電解質スラリ組成物の製造方法が提供される。また、本発明によれば、このような製造方法によって得られる電解質スラリ組成物が提供される。いくつかの形態に係る電解質スラリ組成物は、充放電特性に優れる電解質層を形成することができる。更に、本発明によれば、このような電解質スラリ組成物を用いた電解質シート及び当該電解質シートの製造方法が提供される。
第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。 図1に示した二次電池における電極群の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示した二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。 (a)は一実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図であり、(b)は他の実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図である。 第2実施形態に係る二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲は、本発明を制限するものではない。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載される数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例中に示されている値に置き換えてもよい。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図1に示すように、二次電池1は、正極、負極及び電解質層から構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。正極及び負極には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極及び負極が二次電池1の外部と電気的に接続可能なように、電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
電池外装体3は、例えば、ラミネートフィルムで形成されていてよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであってよい。
図2は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す分解斜視図である。図3は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す模式断面図である。図2及び図3に示すように、本実施形態に係る電極群2Aは、正極6と、電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。正極6は、正極集電体9と、正極集電体9上に設けられた正極合剤層10とを備えている。正極集電体9には、正極集電タブ4が設けられている。負極8は、負極集電体11と、負極集電体11上に設けられた負極合剤層12とを備えている。負極集電体11には、負極集電タブ5が設けられている。
正極集電体9は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていてよい。正極集電体9は、具体的には、例えば、孔径0.1〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。正極集電体9は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
正極集電体9の厚みは、10μm以上100μm以下であってよく、正極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率で正極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
正極合剤層10は、一実施形態において、正極活物質と、導電剤と、結着剤と、を含有する。
正極活物質は、正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、例えば、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等に含有されるMn、Ni、Co等の遷移金属の一部を、1種若しくは2種以上の他の遷移金属、又はMg、Al等の金属元素(典型元素)で置換したリチウム遷移金属酸化物であってもよい。すなわち、リチウム遷移金属酸化物は、LiM又はLiM (Mは少なくとも1種の遷移金属を含む)で表される化合物であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、具体的には、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/2Mn3/2等であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、エネルギー密度を更に向上させる観点から、好ましくは下記式(1)で表される化合物である。
LiNiCo 2+e (1)
[式(1)中、Mは、Al、Mn、Mg、及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c、d、及びeは、それぞれ0.2≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.2、−0.2≦e≦0.2、かつb+c+d=1を満たす数である。]
リチウム遷移金属リン酸塩は、LiFePO、LiMnPO、LiMn 1−xPO(0.3≦x≦1、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である)等であってよい。
正極活物質は、造粒されていない一次粒子であってもよく、造粒された二次粒子であってもよい。
正極活物質の粒径は、正極合剤層10の厚み以下になるように調整される。正極活物質中に正極合剤層10の厚み以上の粒径を有する粗粒子がある場合、ふるい分級、風流分級等により粗粒子を予め除去し、正極合剤層10の厚み以下の粒径を有する正極活物質を選別する。
正極活物質の平均粒径は、0.1μm以上であり、より好ましくは1μm以上である。また、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。正極活物質の平均粒径は、正極活物質全体の体積に対する比率(体積分率)が50%のときの粒径(D50)である。正極活物質の平均粒径(D50)は、レーザー散乱型粒径測定装置(例えば、マイクロトラック)を用いて、レーザー散乱法により水中に正極活物質を懸濁させた懸濁液を測定することで得られる。
正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、又は85質量%以上であってよい。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、95質量%以下、92質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
導電剤は、特に限定されないが、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素材料などであってよい。導電剤は、上述した炭素材料の2種以上の混合物であってもよい。
導電剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよい。導電剤の含有量は、正極6の体積の増加及びそれに伴う二次電池1のエネルギー密度の低下を抑制する観点から、正極合剤層全量を基準として、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。
結着剤は、正極6の表面で分解しないものであれば制限されないが、四フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種をモノマ単位として含むポリマ、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム等のゴムなどであってよい。結着剤は、好ましくは四フッ化エチレンとフッ化ビニリデンとを構造単位として含むコポリマである。
結着剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.5質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよい。結着剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
正極合剤層10は、イオン液体を更に含有していてもよい。
イオン液体は、以下のアニオン成分及びカチオン成分を含む。なお、本実施形態におけるイオン液体は、−20℃以上で液状の物質である。イオン液体は、構成するカチオンとアニオンの間に働く強い静電的な相互作用により水、溶媒等の分子性液体とは異なり、蒸気圧がほとんどないことが知られている。
イオン液体のアニオン成分は、特に限定されないが、Cl、Br、I等のハロゲンのアニオン、BF 、N(SOF) 等の無機アニオン、B(C 、CHSO、CFSO、N(SO 、N(SOCF 、N(SO 等の有機アニオンなどであってよい。
イオン液体のアニオン成分は、好ましくは、下記一般式(A)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含む。
N(SO2m+1)(SO2n+1 (A)
式(A)中、m及びnは、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m及びnは、互いに同一でも異なっていてもよく、好ましくは互いに同一である。
式(A)で表されるアニオン成分は、例えば、N(SO 、N(SOF) 、N(SOCF 、及びN(SO である。
イオン液体のアニオン成分は、比較的低粘度でイオン伝導度を更に向上させるとともに、充放電特性も更に向上させる観点から、より好ましくは、N(SO 、CFSO、N(SOF) 、N(SOCF 、及びN(SO からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、更に好ましくはN(SOF) を含む。
イオン液体のカチオン成分は、特に限定されないが、好ましくは鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
正極合剤層10に含まれるイオン液体の含有量は、正極合剤層全量を基準として、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。正極合剤層10に含まれるイオン液体の含有量は、正極合剤層全量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
正極合剤層10に含まれるイオン液体には電解質塩が溶解されていてもよい。電解質塩は、後述の電解質スラリ組成物で使用される電解質塩を用いることができる。
正極合剤層10の厚みは、導電率を更に向上させる観点から、正極活物質の平均粒径以上の厚みであり、具体的には、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよい。正極合剤層10の厚みは、100μm以下、80μm以下、又は70μm以下であってよい。正極合剤層の厚みを100μm以下とすることにより、正極合剤層10の表面近傍及び正極集電体9の表面近傍の正極活物質の充電レベルのばらつきに起因する充放電の偏りを抑制できる。
負極集電体11は、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属、それらの合金などであってよい。負極集電体11は、軽量で高い重量エネルギー密度を有するため、好ましくはアルミニウム及びその合金である。負極集電体11は、薄膜への加工のし易さ及びコストの観点から、好ましくは銅である。
負極集電体11の厚みは、10μm以上100μm以下であってよく、負極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率で負極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
負極合剤層12は、一実施形態において、負極活物質と、結着剤と、を含有する。
負極活物質は、エネルギーデバイスの分野で常用されるものを使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、チタン酸リチウム(LiTi12)、リチウム合金又はその他の金属化合物、炭素材料、金属錯体、有機高分子化合物等が挙げられる。負極活物質はこれらの1種単独、若しくは2種以上の混合物であってよい。炭素材料としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、非晶質炭素、炭素繊維、及びアセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。負極活物質は、より大きな理論容量(例えば、500〜1500Ah/kg)を得る観点から、シリコン、スズ又はこれらの元素を含む化合物(酸化物、窒化物、他の金属との合金)であってもよい。
負極活物質の平均粒径(D50)は、粒径減少に伴う不可逆容量の増加を抑制しつつ、かつ、電解質塩の保持能力を高めたバランスの良い負極を得る観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下である。負極活物質の平均粒径(D50)は、上述した正極活物質の平均粒径(D50)と同様の方法により測定される。
負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であってよい。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
結着剤及びその含有量は、上述した正極合剤層10における結着剤及びその含有量と同様であってよい。
負極合剤層12は、負極8の抵抗を更に低くする観点から、導電剤を更に含有してもよい。導電剤及びその含有量は、上述した正極合剤層10における導電剤及びその含有量と同様であってよい。
負極合剤層12は、イオン液体を更に含有していてもよい。
イオン液体は、上述の正極合剤層10で含有され得るイオン液体を用いることができる。負極合剤層12に含まれるイオン液体の含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。負極合剤層12に含まれるイオン液体の含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
負極合剤層12に含まれるイオン液体には、上述した正極合剤層10に使用できる電解質塩と同様の電解質塩が溶解されていてもよい。
負極合剤層12の厚みは、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよい。負極合剤層12の厚みは、100μm以下、80μm以下、又は70μm以下であってよい。
電解質層7は、基材上に電解質スラリ組成物を用いて電解質シートを作製することによって形成される。電解質スラリ組成物は、ポリマ、酸化物粒子、及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程(バインダスラリ調製工程)と、得られたバインダスラリに対して、セルロース繊維及び溶媒を含む分散液、並びに、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を含む電解質溶液を添加し、バインダスラリ、分散液、及び電解質溶液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程(電解質スラリ組成物調製工程)と、を備える製造方法によって得られる。
バインダスラリ調製工程は、ポリマ、酸化物粒子、及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程である。
ポリマは、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1の構造単位を有する。
ポリマを構成する構造単位の中には、前記第1の構造単位と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる第2の構造単位とが含まれていてもよい。すなわち、第1の構造単位及び第2の構造単位は、1種のポリマに含まれてコポリマを構成していてもよく、それぞれ別のポリマに含まれて、第1の構造単位を有する第1のポリマと、第2の構造単位を有する第2のポリマとの少なくとも2種のポリマを構成していてもよい。
ポリマは、具体的には、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ等であってよい。
ポリマの含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、好ましくは3質量%以上である。ポリマの含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。ポリマの含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは3〜40質量%である。
ポリマは、後述のグライムを含む場合、当該グライムとの親和性に優れるため、グライムを保持することができる。そのため、電解質層7に荷重が加えられた際のグライムの液漏れを防ぐことが可能となる。また、グライムは電解質塩と錯体を形成し得ることから、電解質層7を形成したときに結果として電解質塩を保持できる傾向にある。
酸化物粒子は、例えば、無機酸化物の粒子である。無機酸化物は、例えば、Li、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Zr、La、Na、K、Ba、Sr、V、Nb、B、Ge等を構成元素として含む無機酸化物であってよい。酸化物粒子は、好ましくは、SiO、Al、AlOOH、MgO、CaO、ZrO、TiO、LiLaZr12、及びBaTiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子である。酸化物粒子は極性を有するため、電解質層7中の電解質の解離を促進し、電池特性を高めることができる。
酸化物粒子は、一般に、見かけ上の幾何学的形態から判断して、一体的に単一の粒子を形成している一次粒子(二次粒子を構成していない粒子)と、複数の一次粒子が集合することで形成される二次粒子とを含んでいてもよい。
酸化物粒子の比表面積は、2〜380m/gであってよく、5〜100m/g、10〜80m/g、又は15〜60m/gであってもよい。比表面積が2〜380m/gであると、二次電池の放電特性により優れる傾向にある。同様の観点から、酸化物粒子の比表面積は、5m/g以上、10m/g以上、又は15m/g以上であってもよく、100m/g以下、80m/g以下、又は60m/g以下であってもよい。酸化物粒子の比表面積は、一次粒子及び二次粒子を含む酸化物粒子全体の比表面積を意味し、BET法によって測定される。
酸化物粒子の平均一次粒径(一次粒子の平均粒径)は、導電率を更に向上させる観点から、好ましくは0.005μm(5nm)以上、より好ましくは0.01μm(10nm)以上、更に好ましくは0.015μm(15nm)以上である。酸化物粒子の平均一次粒径は、電解質層7の厚みを薄くする観点から、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下である。酸化物粒子の平均一次粒径は、電解質層7を薄層化する観点及び電解質層7の表面からの酸化物粒子の突出を抑制する観点から、好ましくは0.005〜1μm、0.01〜0.1μm、又は0.015〜0.05μmである。酸化物粒子の平均一次粒径は、酸化物粒子を透過型電子顕微鏡等によって観察することによって測定できる。
酸化物粒子の平均粒径は、0.01〜10μmであってよい。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上である。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下である。酸化物粒子の平均粒径は、レーザー回折法により測定され、体積累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合に、体積累積が50%となる粒径に対応する。
酸化物粒子の形状は、例えば、塊状又は略球状であってよい。酸化物粒子のアスペクト比は、電解質層7の薄層化を容易にする観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である。アスペクト比は、酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真から算出した、粒子の長軸方向の長さ(粒子の最大長さ)と、粒子の短軸方向の長さ(粒子の最小長さ)との比として定義される。粒子の長さは、前記写真を、市販の画像処理フト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、A像くん(登録商標))を用いて、統計的に計算して求められる。
酸化物粒子は、表面処理剤で表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、ケイ素含有化合物等が挙げられる。ケイ素含有化合物は、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン、ジメチルシリコーンオイル等のシロキサンなどであってもよい。
表面処理剤で表面処理された酸化物粒子は、公知の方法によって製造したものを用いてもよく、市販品をそのまま用いてもよい。
酸化物粒子の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上、最も好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
溶媒は、上述のポリマ及び酸化物粒子を分散できるものであれば特に制限されず、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルエチレンウレア、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート、トルエン、シクロヘキサン、スルホラン、水、炭酸エチレン(EC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等であってよい。
バインダスラリにおける溶媒の含有量は、ポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して、10〜90質量部であってよい。溶媒の含有量は、ポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して、20質量部以上、30質量部以上、又は40質量部以上であってもよく、また、70質量部以下、60質量部以下、又は50質量部以下であってもよい。
バインダスラリ調製工程において、ポリマ、酸化物粒子、及び溶媒の各成分の添加方法等は特に制限されないが、ダマの発生をより抑制する観点から、バインダスラリ調製工程は、例えば、ポリマ及び酸化物粒子を乾式混合して混合物を得る第1の工程と、当該混合物に溶媒を添加して混合物分散液を得る第2の工程と、当該混合物分散液を混合してバインダスラリを得る第3の工程と、を備えていてもよい。第2の工程において、混合物への溶媒の添加は、所定量の溶媒を一度に添加するものであってよいが、ダマの発生をより抑制する観点から、所定量となるように複数回に分けて添加するものであってよい。溶媒を複数回に分けて添加する場合は、第2の工程及び第3の工程を繰り返し行ってもよい。
バインダスラリ調製工程における各成分の混合(混練)は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。混合条件(混練条件)は特に制限されず、各成分の種類及び含有量に合わせて適宜設定することができる。
バインダスラリ調製工程において、ポリマ、酸化物粒子、及び溶媒の各成分の混合は、固練りによる混合であることが好ましい。ここで、固練りとは、最終的に得られる電解質スラリ組成物よりも溶媒の割合が低い(すなわち、固形分の割合が高い)状態で混練することを意味する。このような溶媒の割合が低い状態で混練することによって、各成分が均一に分散された混合物を得ることができる傾向にある。このときのバインダスラリにおける溶媒の含有量は、ポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して、40質量部以上であってよい。このように固形分の割合を高くすることによって、各成分に対して、強い剪断力を加えることが可能となり、ポリマ、酸化物粒子等の凝集を解消し、均一に分散させることが可能になる。
バインダスラリ調製工程における完了の判断は、例えば、混合後(固練り後)のスラリから少量のサンプルを採取し、それに溶媒を添加したものを、粒ゲージ(グラインドメータ)に滴下し、滴下したサンプルをスクレーパでサンプルをふき取ったときの粗粒サイズを測定して、各成分が均一に分散されていることを確認することが1つの判断基準となり得る。粗粒サイズは、作製される電解質シートの厚み以下であることが必要であり、凹凸の少ない平滑な電解質シートを得ることが可能であることから、電解質シートの厚みの1/2以下であることが好ましい。
電解質スラリ組成物調製工程は、得られたバインダスラリに対して、セルロース繊維及び溶媒を含む分散液、並びに、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を含む電解質溶液を添加し、バインダスラリ、分散液、及び電解質溶液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程である。
分散液は、セルロース繊維及び溶媒を含む。
セルロース繊維は、例えば、針葉樹木材パルプ、広葉樹木材パルプ、エスパルトパルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、コットンパルプ等の天然セルロース繊維;これらの天然セルロース繊維を有機溶剤で紡糸して得られるリヨセル等の再生セルロース繊維などであってよい。電解質層7がセルロース繊維を含有することによって、電解質層7に強度を付与することができる。
セルロース繊維の形状は、ある程度の長さをもった細長形状であればよい。セルロース繊維のアスペクト比は、電解質層7の熱収縮を抑制し易くする観点から、10以上であってよく、好ましくは10を超え、より好ましくは20以上、更に好ましくは50以上、特に好ましくは100以上である。セルロース繊維のアスペクト比は、上述した酸化物粒子のアスペクト比の算出方法と同様の方法によって求めることができる。すなわち、セルロース繊維の走査型電子顕微鏡写真から、セルロース繊維の長さと繊維径とを求め、統計的に計算することができる。
セルロース繊維の平均長さは、電解質層7の熱収縮を抑制し易くする観点から、好ましくは酸化物粒子の平均粒径以上であり、より好ましくは、酸化物粒子の平均粒径の2倍以上、5倍以上、10倍以上、20倍以上、50倍以上、又は100倍以上である。繊維の平均長さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上である。繊維の平均長さは、二次電池を形成した場合の電解質層7からの突出を抑制し、電解質層7を平滑にする観点から、好ましくは、10000μm以下、5000μm以下、3000μm以下、2000μm以下、1500μm以下、1000μm以下、500μm以下、100μm以下、又は50μm以下である。本明細書における繊維の平均長さは、走査型電子顕微鏡写真において、計測の重複を避けられるように繊維全体が写真に写っているものを3枚選択して、各写真について繊維の長さの積算値を繊維の総数で割り付け、得られた値の平均値である。
繊維の平均繊維径は、好ましくは電解質層7の厚み以下であり、より好ましくは電解質層7の厚みの1/3以下である。繊維の平均繊維径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下である。平均繊維径を電解質層7の厚み以下とすることによって、電解質層7の厚みを薄くすることが可能となり、また、少量の繊維の添加量によっても、酸化物粒子の移動を抑止することができる。繊維の平均繊維径は、例えば、0.01μm以上であってよい。本明細書における繊維の平均繊維径は、走査型電子顕微鏡写真において、計測の重複を避けられるように繊維全体が写真に写っているものを3枚選択して、各写真について繊維の直径の積算値を繊維の総数で割り付け、得られた値の平均値である。
セルロース繊維の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、1質量%以上であってよい。セルロース繊維の含有量が1質量%以上であると、電解質層7中に繊維が均一に配合され、酸化物粒子の移動を効果的に抑止することができる。セルロース繊維の含有量は、2質量%以上、3質量%以上、又は4質量%以上であってもよい。セルロース繊維の含有量は、特に制限されないが、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下、又は5質量%以下であってよい。セルロース繊維の含有量が10質量%以下であると、耐熱性の高い酸化物粒子をより多く電解質層7に配合することができ、最終的に得られる電解質スラリ組成物の流動性が良好となり、電解質層7の厚みを薄くすることが可能となり得る。また、セルロース繊維の含有量が10質量%以下であると、充放電特性に優れる傾向にある。
溶媒は、バインダスラリ調製工程で例示した溶媒と同様のものを例示することができる。分散液で使用される溶媒は、バインダスラリで使用される溶媒と同一であることが好ましい。
分散液における溶媒の含有量は、セルロース繊維1質量部に対して、200〜600質量部であってよい。溶媒の含有量は、セルロース繊維1質量部に対して、300質量部以上、400質量部以上、又は450質量部以上であってもよく、550質量部以下であってもよい。
分散液は、アルコール、多糖類(でんぷん、セルロース)等の他の成分を含んでいてもよい。これらの他の成分は、分散液の粘度を高め、セルロース繊維の沈降を抑制し、セルロールの分散性を高めることができる傾向にある。アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。多糖類としては、例えば、メチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
電解質溶液は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を含む。
電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である。電解質塩は、正極6と負極8との間でカチオンを授受させるために用いられる化合物である。上記の電解質塩は、低温では解離度が低く、グライム中で拡散し易いことに加え、高温により熱分解しないため、二次電池が使用可能な環境温度が広範となる点で好ましい。電解質塩は、フッ素イオン電池において用いられる電解質塩であってもよい。
電解質塩のアニオン成分は、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、BF(CF、BF(C、PF 、ClO 、SbF 、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、B(C 、B(O 、C(SOF) 、C(SOCF 、CFCOO、CFSO、CSO、B(O 等であってよい。電解質塩のアニオン成分は、好ましくは、N(SOF) 、N(SOCF 等のアニオン成分で例示される式(A)で表されるアニオン成分、PF 、BF 、B(O 、又はClO である。
なお、以下では下記の略称を用いる場合がある。
[FSI]:N(SOF) 、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:N(SOCF 、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[BOB]:B(O 、ビスオキサレートボラートアニオン
[f3C]:C(SOF) 、トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
リチウム塩は、LiPF、LiBF、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO、LiBF(CF)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiC(SOCF、CFSOOLi、CFCOOLi、及びR’COOLi(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
ナトリウム塩は、NaPF、NaBF、Na[FSI]、Na[TFSI]、Na[f3C]、Na[BOB]、NaClO、NaBF(CF)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaC(SOCF、CFSOONa、CFCOONa、及びR’COONa(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
カルシウム塩は、Ca(PF、Ca(BF、Ca[FSI]、Ca[TFSI]、Ca[f3C]、Ca[BOB]、Ca(ClO、Ca[BF(CF)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[C(SOCF、(CFSOO)Ca、(CFCOO)Ca、及び(R’COO)Ca(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
マグネシウム塩は、Mg(PF、Mg(BF、Mg[FSI]、Mg[TFSI]、Mg[f3C]、Mg[BOB]、Na(ClO、Mg[BF(CF)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[C(SOCF、(CFSOMg、(CFCOO)Mg、及び(R’COO)Mg(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
電解質塩は、好ましくは、イミド系リチウム塩、イミド系ナトリウム塩、イミド系カルシウム塩、及びイミド系マグネシウム塩からなる群より選ばれる1種であり、より好ましくは、イミド系リチウム塩である。
イミド系リチウム塩は、Li[TFSI]、Li[FSI]等であってよい。イミド系ナトリウム塩は、Na[TFSI]、Na[FSI]等であってよい。イミド系カルシウム塩は、Ca[TFSI]、Ca[FSI]等であってよい。イミド系マグネシウム塩は、Mg[TFSI]、Mg[FSI]等であってよい。
電解質塩の含有量は、電解質層7を好適に作製する観点から、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、5質量%以上、10質量%以上、又は20質量%以上であってよく、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
電解質溶液は、下記一般式(10)で表される化合物(グライム)を含んでいてもよい。なお、電解質溶液に含まれるグライム、後述のイオン液体は、上述の溶媒に該当せず、「電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分」に包含される成分である。
O−(CHCHO)−R (10)
式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。R及びRとしてのアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等であってよい。これらの中でも、アルキル基は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
グライムとしては、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテル(「トリグライム」又は「G3」という場合がある)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(「テトラグライム」又は「G4」という場合がある)、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル(「ペンタグライム」又は「G5」という場合がある)、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル(「ヘキサグライム」又は「G6」という場合がある)等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、グライムは、好ましくはトリグライム又はテトラグライム、より好ましくはテトラグライムである。
電解質溶液中の一般式(10)で表される化合物(グライム)の一部又は全部は、電解質塩と錯体を形成していてよい。一般式(10)で表される化合物(グライム)の電解質塩との錯体は、イオン液体として作用し得る。
一般式(10)で表される化合物(グライム)を用いる場合、電解質塩及び一般式(10)で表される化合物(グライム)の総量の含有量は、電解質層7を好適に作製する観点から、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、5質量%以上であってよく、90質量%以下であってよい。電解質塩及び一般式(10)で表される化合物(グライム)の総量の含有量は、リチウム二次電池を高い負荷率で充放電することを可能にする観点から、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。
電解質塩に対する一般式(10)で表される化合物(グライム)のモル比(一般式(10)で表される化合物(グライム)の物質量/電解質塩の物質量)は、0.1〜10であってよい。当該モル比は、充放電特性を更に向上させる観点から、0.3以上、0.5以上、又は0.8以上であってもよく、8以下、5以下、又は3以下であってもよい。
電解質溶液は、イオン液体、溶媒等の他の成分を含んでいてもよい。イオン液体は、上述のイオン液体で例示したものを使用することができる。溶媒は、上述の溶媒で例示したものを使用することができる。
電解質溶液の含有量は、電解質層7を好適に作製する観点から、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、5質量%以上であってよく、90質量%以下であってよい。電解質溶液の含有量は、リチウム二次電池を高い負荷率で充放電することを可能にする観点から、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。
電解質スラリ組成物調製工程において、分散液及び電解質溶液をバインダスラリに添加する順序は、特に制限されず、分散液、電解質溶液の順であっても、電解質溶液、分散液の順であってもよく、分散液及び電解質溶液を同時に添加してもよい。分散液及び電解質溶液をバインダスラリに添加する順序は、ダマの発生をより抑制する観点から、分散液、電解質溶液の順であることが好ましい。
電解質スラリ組成物調製工程における各成分の混合(混練)は、バインダスラリ調製工程と同様に、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。混合条件(混練条件)は特に制限されず、各成分の種類及び含有量に合わせて適宜設定することができる。
電解質スラリ組成物調製工程は、粘度調整の観点から、バインダスラリ、バインダスラリ及び分散液、バインダスラリ及び電解質溶液、又はバインダスラリ、分散液、及び電解質溶液に対して、溶媒を添加し混合する工程を更に備えていてよい。このような工程は、複数回備えられていてもよい。
最終的に得られる電解質スラリ組成物の含有成分(電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分)濃度は、電解質スラリ組成物の全量を基準として、5〜70質量%であってよい。
電解質スラリ組成物はその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、樹脂繊維、ガラス繊維、フレーク状無機酸化物等が挙げられる。その他の成分の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、0.1〜20質量%であってよい。
本実施形態に係る電解質スラリ組成物の製造方法は、ダマの発生を抑制することができる。そのため、電解質層の厚みを薄くすること(例えば、5〜25μm)が可能であり、その場合においても、セルロース繊維を含有することから、電解質層は充分な強度を有し得る。
本実施形態に係る電解質スラリ組成物は、ポリマと、酸化物粒子と、セルロース繊維と、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、溶媒と、を含有し、セルロース繊維の含有量が、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、1質量%以上である。
電解質スラリ組成物は、一般式(10)で表される化合物を更に含有していてもよい。
電解質スラリ組成物における各成分の種類及びその含有量は、電解質スラリ組成物の製造方法における各成分の種類及びその含有量と同様であってよい。
電解質層7として使用される電解質シートは、上述の電解質スラリ組成物を基材上に配置する工程と、配置された電解質スラリ組成物から溶媒を除去して基材上に電解質層を形成する工程と、を備える製造方法によって作製される。図4(a)は、一実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図である。図4(a)に示すように、電解質シート13Aは、基材14と、基材14上に設けられた電解質層7とを有する。電解質層7は、電解質スラリ組成物から溶媒を除いた成分で構成され得る。
電解質スラリ組成物を基材上に配置する方法としては、特に制限されないが、例えば、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等による塗布などが挙げられる。
電解質スラリ組成物から溶媒を除去する方法としては、特に制限されないが、例えば、電解質スラリ組成物を加熱して溶媒を揮発させる方法等が挙げられる。加熱温度は、使用される溶媒に合わせて適宜設定することができる。
基材14は、溶媒を揮発させる際の加熱に耐え得る耐熱性を有するものであって、電解質スラリ組成物と反応せず、電解質スラリ組成物により膨潤しないものであれば制限されないが、例えば、樹脂で形成されている。基材14は、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン等の樹脂(汎用のエンジニアプラスチック)からなるフィルムであってよい。
基材14は、電解質層を製造する過程において溶媒を揮発させる処理温度に耐えられる耐熱温度を有していればよい。耐熱温度は、基材14が樹脂で形成されている場合、基材14の軟化点(塑性変形し始める温度)又は融点のうち、より低い温度である。基材14の耐熱温度は、電解質層7に用いられるグライムとの適応性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上であり、また、例えば、400℃以下であってよい。上記の耐熱温度を有する基材を使用すれば、上述したような溶媒を好適に使用できる。
基材14の厚みは、塗布装置での引張り力に耐え得る強度を維持しつつ、可能な限り薄いことが好ましい。基材14の厚みは、電解質シート13A全体の体積を小さくしつつ、電解質スラリ組成物を基材14に塗布する際に強度を確保する観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは25μm以上であり、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以下である。
電解質シートは、ロール状に巻き取りながら連続的に製造することもできる。その場合には、電解質層7の表面が基材14の背面に接触して電解質層7の一部が基材14に貼りつくことによって、電解質層7が破損することがある。このような事態を防ぐために、電解質シートは他の実施形態として、電解質層7の基材14と反対側に保護材を設けたものであってもよい。図4(b)は、他の実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図である。図4(b)に示すように、電解質シート13Bは、電解質層7の基材14と反対側に保護材15を更に備えている。
保護材15は、電解質層7から容易に剥離可能なものであればよく、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン等の無極性の樹脂フィルムである。無極性の樹脂フィルムを用いると、電解質層7と保護材15とが互いに貼りつかず、保護材15を容易に剥離することができる。
保護材15の厚みは、電解質シート13B全体の体積を小さくしつつ、強度を確保する観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下である。
保護材15の耐熱温度は、低温環境での劣化を抑制するとともに、高温環境下での軟化を抑制する観点から、好ましくは−30℃以上、より好ましくは0℃以上であり、また、好ましくは100℃以下、より好ましくは50℃以下である。保護材15を設ける場合、上述した分散媒の揮発工程を必須としないため、耐熱温度を高くする必要がない。
電解質層7の厚みは、5〜50μmであってよい。電解質層7の厚みは、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上であってもよく、40μm以下、30μm以下、又は25μm以下であってもよい。
本実施形態に係る電解質シートは、基材と、基材上に設けられた電解質層と、を備え、電解質層が、ポリマと、酸化物粒子と、セルロース繊維と、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、を含有し、セルロース繊維の含有量が、電解質層全量を基準として、1質量%以上である。
電解質層は、一般式(10)で表される化合物を更に含有していてもよい。
電解質層は、電解質塩及び非水溶媒を含む電解液を更に含有していてもよい。電解質塩は、上述の電解質塩で例示したものを使用することができる。非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、ガンマブチロラクトン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、フッ素化炭酸エチレン等が挙げられる。電解液を電解質層に添加する場合、スプレー、浸漬、滴下等の公知の技術を適用することができる。
電解質シートにおける各成分の種類及びその含有量は、電解質スラリ組成物の製造方法における各成分の種類及びその含有量と同様であってよい。
続いて、上述した二次電池1の製造方法について説明する。本実施形態に係る二次電池1の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、上述の製造方法によって得られた電解質シートの電解質層7を正極6と負極8との間に配置する第3の工程と、を備える。
第1の工程では、正極6は、例えば、正極合剤層に用いる材料を混合機、分散機等を用いて分散媒に分散させてスラリ状の正極合剤を得た後、この正極合剤をドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等により正極集電体9上に塗布し、その後分散媒を揮発させることにより得られる。分散媒を揮発させた後、必要に応じて、ロールプレスによる圧縮成型工程が設けられてもよい。正極合剤層10は、上述した正極合剤の塗布から分散媒の揮発までの工程を複数回行うことにより、多層構造の正極合剤層として形成されてもよい。
第1の工程において用いられる分散媒は、水、1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう。)等であってよい。
第2の工程において、負極集電体11に負極合剤層12を形成する方法は、上述した第1の工程と同様の方法であってよい。
第3の工程において、電解質シート13Aを用いて正極6と負極8との間に電解質層7を配置する方法は、例えば、電解質シート13Aから基材14を剥離し、正極6、電解質層7、及び負極8を、例えば、ラミネートにより積層することで二次電池1が得られる。このとき、電解質層7が、正極6の正極合剤層10側かつ負極8の負極合剤層12側に位置するように、すなわち、正極集電体9、正極合剤層10、電解質層7、負極合剤層12及び負極集電体11がこの順で配置されるように積層する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る二次電池について説明する。図5は、第2実施形態に係る二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。図5に示すように、第2実施形態における二次電池が第1実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、バイポーラ電極16を備えている点である。すなわち、電極群2Bは、正極6と、第1の電解質層7と、バイポーラ電極16と、第2の電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。
バイポーラ電極16は、バイポーラ電極集電体17と、バイポーラ電極集電体17の負極8側の面(正極面)に設けられた正極合剤層10と、バイポーラ電極集電体17の正極6側の面(負極面)に設けられた負極合剤層12とを備えている。
バイポーラ電極集電体17において、正極面は、好ましくは耐酸化性に優れた材料で形成されていてよく、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていてよい。負極活物質として黒鉛又は合金を用いたバイポーラ電極集電体17における負極面は、リチウムと合金を形成しない材料で形成されていてよく、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、チタン等で形成されていてよい。正極面と負極面に異種の金属を用いる場合、バイポーラ電極集電体17は、異種金属箔を積層させたクラッド材であってよい。ただし、チタン酸リチウムのように、リチウムと合金を形成しない電位で動作する負極8を用いる場合、上述の制限はなくなり、負極面は、正極集電体9と同様の材料であってよい。その場合、バイポーラ電極集電体17は、単一の金属箔であってよい。単一の金属箔としてのバイポーラ電極集電体17は、孔径0.1〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。バイポーラ電極集電体17は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
バイポーラ電極集電体17の厚みは、10μm以上100μm以下であってよく、正極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率でバイポーラ電極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
続いて、第2実施形態に係る二次電池の製造方法について説明する。本実施形態に係る二次電池の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、バイポーラ電極集電体17の一方の面に正極合剤層10を形成し、他方の面に負極合剤層12を形成してバイポーラ電極16を得る第3の工程と、正極6とバイポーラ電極16との間及び負極8とバイポーラ電極16との間に上述の製造方法によって得られた電解質シートの電解質層7を配置する第4の工程と、を有する。
第1の工程及び第2の工程は、第1実施形態における第1の工程及び第2の工程と同様の方法であってよい。
第3の工程において、バイポーラ電極集電体17の一方の面に正極合剤層10を形成する方法は、第1実施形態における第1の工程と同様の方法であってよい。バイポーラ電極集電体17の他方の面に負極合剤層12を形成する方法は、第1実施形態における第2の工程と同様の方法であってよい。
第4の工程における正極6とバイポーラ電極16との間に上述の製造方法によって得られた電解質シートの電解質層7を配置する方法及び負極8とバイポーラ電極16との間に上述の製造方法によって得られた電解質シートの電解質層7を配置する方法は、第1実施形態における第3の工程と同様の方法であってよい。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[電解質スラリ組成物の調製]
<バインダスラリの調製>
フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとのコポリマ(ポリマ、PVDF−HFP、フッ化ビニリデン:ヘキサフルオロピレン=94質量%:6質量%)25質量部及びSiO粒子(酸化物粒子、株式会社セイシン企業製、商品名:YSM−1、平均粒径1.0μm)14質量部を、混合機を用いて10回転/分で10分間混合した。これに更に1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)をポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して150質量部を加え、混合機を用いて15回転/分で20分間混合することによってバインダスラリを得た。バインダスラリにおいて、粒ゲージ(グラインドメータ)を用いた粗粒を観測することによって、各成分が均一に分散されていることを確認した。
<電解質スラリ組成物の調製>
上記バインダスラリに、セルロース繊維(ダイセルファインケム株式会社製、商品名:セリッシュ、平均長さ50μm、平均繊維径0.1μm)1質量部及び1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)500質量部を混合して調製した分散液を添加し、混合機を用いて25回転/分で40分間混合した。なお、以下の実施例及び比較例では、当該濃度分散液を用い、添加量を調整することによって、セルロース繊維の含有量を調整した。次いで、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Li[FSI])とテトラグライム(G4)とを等モル(モル比1:1)で混合して調製した電解質溶液60質量部を添加し、混合機を用いて40回転/分で20分間混合することによって電解質スラリ組成物を得た。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。セルロース繊維の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、1質量%であった。
<電解質シートの作製>
得られた電解質スラリ組成物に対して、電解質スラリ組成物中の固形分濃度が、電解質スラリ組成物の全量を基準として、30質量%となるように、1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)を加えて、粘度を調節した。電解質スラリ組成物をポリエチレンテレフタレート製の基材(製品名:テオネックスR−Q51、帝人デュポンフィルム株式会社製、厚み38μm)上にアプリケータを用いて塗布した。塗布された電解質スラリ組成物を80℃で1時間加熱乾燥することによって、溶媒を揮発させ、基材上に電解質層を備える電解質シートを得た。
<剥離試験>
厚みが5〜40μmの範囲で1〜2μmきざみとなる異なる厚みの電解質シートを作製した。これを一定幅で切断し、短冊状の電解質シートを試験体として、ポリエチレンテレフタレート基材に対する電解質シート(電解質層)の剥離試験を検討した。なお、電解質シートの幅は任意とした。次に、電解質シート(電解質層)の端部をピンセット等の実験冶具を用いて、ポリエチレンテレフタレート製の基材から引き剥がした。剥離試験においては、引き剥がしの際に破れ等の破損の発生の有無を観測し、破損が発生しなかったときの電解質シート(電解質層)の厚みを「最小厚み」とした。例えば、厚みが25μmの電解質シートで破損が発生せず、厚みが24μmの電解質シートで破損が発生した場合、「最小厚み」は、25μmである。最小厚みが小さいほど、電解質シート(電解質層)の厚みを薄くすることができるといえる。結果を表2に示す。実施例1の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、25μmであった。
(実施例2)
酸化物粒子の含有量を14質量部から13質量部に変更し、セルロース繊維の含有量が1質量部から2質量部になるように分散液の添加量を調整した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例2の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、20μmであった。
(実施例3)
酸化物粒子の含有量を14質量部から12質量部に変更し、セルロース繊維の含有量が1質量部から3質量部になるように分散液の添加量を調整した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例3の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例4)
酸化物粒子の含有量を14質量部から10質量部に変更し、セルロース繊維の含有量が1質量部から5質量部になるように分散液の添加量を調整した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例4の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例5)
酸化物粒子の含有量を14質量部から5質量部に変更し、セルロース繊維の含有量が1質量部から10質量部になるように分散液の添加量を調整した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例5の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、8μmであった。
(実施例6)
セルロース繊維の含有量を1質量部から5質量部に変更し、電解質溶液の含有量を60質量部から56質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例6の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例7)
酸化物粒子として、SiO粒子(酸化物粒子、デンカ株式会社製、商品名:SFP−20M、平均粒径0.4μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例7の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例8)
酸化物粒子として、SiO粒子(酸化物粒子、シグマ・アルドリッチ・ジャパン合同会社製、商品名:フュームド・シリカ(Fumed SiO)、平均粒径0.01μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例8の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例9)
酸化物粒子の含有量を14質量部から15質量部に変更し、セルロース繊維の含有量が1質量部から20質量部になるように分散液の添加量を調整し、電解質溶液の含有量を60質量部から40質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例9の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例10)
電解質溶液におけるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Li[FSI])とテトラグライム(G4)とのモル比を1:1から1:0.8(電解質塩に対する一般式(10)で表される化合物(グライム)のモル比:1.3)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例10の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例11)
電解質溶液におけるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Li[FSI])とテトラグライム(G4)とのモル比を1:1から1:8(電解質塩に対する一般式(10)で表される化合物(グライム)のモル比:0.13)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例11の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例12)
ポリマの含有量を25質量部から49質量部に変更し、酸化物粒子の含有量を14質量部から45質量部に変更し、電解質溶液の含有量を60質量部から5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例12の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、10μmであった。
(実施例13)
ポリマの含有量を25質量部から24質量部に変更し、酸化物粒子の含有量を14質量部から1質量部に変更し、電解質溶液の含有量を60質量部から70質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、実施例14の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、20μmであった。
(比較例1)
酸化物粒子の含有量を14質量部から15質量部に変更し、セルロース繊維の含有量を1質量部から0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、電解質スラリ組成物を調製した。表1に各成分の配合量(単位:質量部)を示す。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。剥離試験において、比較例1の電解質シート(電解質層)の最小厚みは、30μmであった。
[充放電特性の測定]
最小厚みが25μm以下であった実施例1〜14の電解質シートを用いて、下記の手順によって、評価用コイン型電池を作製し、充放電特性を測定した。
<正極の作製>
層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(正極活物質)78.5質量部、アセチレンブラック(導電剤、平均粒径48nm、製品名:HS−100、デンカ株式会社)5質量部、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ溶液(結着剤、固形分12質量%)2.5質量部、及びLi[TFSI](リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド)とテトラグライムの等モル溶液14質量部を混合して正極合剤スラリを調製した。この正極合剤スラリを集電体(厚み20μmのアルミニウム箔)上に塗工量147g/mで塗工し、80℃で乾燥させることにより、合剤密度2.9g/cmの正極合剤層を形成した。これをφ15mmに打ち抜き、正極とした。
<負極の作製>
黒鉛A(負極活物質、日立化成株式会社製)78質量部、黒鉛B(日本黒鉛工業株式会社製)2.4質量部、炭素繊維(導電剤、製品名:VGCF−H、昭和電工株式会社)0.6質量部、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ溶液(結着剤、固形分12質量%)5質量部、及びLi[TFSI](リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド)とテトラグライムの等モル溶液14質量部を混合して負極合剤スラリを調製した。この負極合剤スラリを集電体(厚み10μmの銅箔)上に塗工量68g/mで塗工し、80℃で乾燥させることにより、合剤密度1.9g/cmの負極合剤層を形成した。これをφ16mmに打ち抜き、負極とした。
<評価用コイン型電池の作製>
実施例1〜13で作製した電解質シートをφ16mmに打ち抜き、基材を剥がして電解質層を得た。正極、電解質層、及び負極を用いて評価用コイン型電池を作製した。ここで、乾燥アルゴン雰囲気下で乾燥したリチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド(Li[TFSI])を電解質塩として用い、テトラグライム溶媒に、電解質塩/溶媒のモル比が1となるように溶解させた電解質溶液を調製した。CR2016型のコインセル容器内に、電解質溶液を加え、正極、電解質層、及び負極をこの順に重ねて配置した後、絶縁性のガスケットを介して電池容器上部をかしめて密閉した。
<充放電特性の測定>
評価用コイン型電池を、室温(25℃)にて初回の充放電サイクル試験を実施した。初回の充放電サイクル試験の条件は以下のとおりに行った。充電は、0.3Aの定電流にて電池電圧が4.2Vになるまで通電し、4.2Vに達した後、その電圧にて0.03Aになるまで電流を流し、このときの電気量を充電容量として測定した。次いで、0.3Aの定電流にて、電池電圧が2.7Vになるまで放電し、このときの電気量を放電容量として測定した。また、充電容量に対する放電容量の比率(放電容量/充電容量)を充放電効率として算出した。放電容量及び充放電効率を表2に示す。
Figure 2020113527
Figure 2020113527
実施例1〜13の電解質スラリ組成物は、25μm以下の厚みの電解質層を形成することができ、いくつかの形態に係る電解質スラリ組成物で形成される電解質層は充放電特性に優れていた。一方、比較例1の電解質スラリ組成物は、25μm以下の厚みの電解質層を形成することができなかった。
以上より、本発明の電解質スラリ組成物の製造方法が、厚みの薄い電解質層を形成可能な電解質スラリ組成物を製造できることが確認された。
1…二次電池、2,2A,2B…電極群、3…電池外装体、4…正極集電タブ、5…負極集電タブ、6…正極、7…電解質層、8…負極、9…正極集電体、10…正極合剤層、11…負極集電体、12…負極合剤層、13A,13B…電解質シート、14…基材、15…保護材、16…バイポーラ電極、17…バイポーラ電極集電体。

Claims (13)

  1. ポリマ、酸化物粒子、及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程と、
    得られたバインダスラリに対して、セルロース繊維及び溶媒を含む分散液、並びに、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を含む電解質溶液を添加し、前記バインダスラリ、前記分散液、及び前記電解質溶液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程と、
    を備える、電解質スラリ組成物の製造方法。
  2. 前記セルロース繊維の含有量が、前記電解質スラリ組成物の前記溶媒を除いた成分全量を基準として、1質量%以上である、請求項1に記載の電解質スラリ組成物の製造方法。
  3. 前記電解質溶液が、下記一般式(10)で表される化合物を更に含む、請求項1又は2に記載の電解質スラリ組成物の製造方法。
    O−(CHCHO)−R (10)
    [式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
  4. 前記酸化物粒子の平均粒径が、0.01〜10μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解質スラリ組成物の製造方法。
  5. ポリマと、
    酸化物粒子と、
    セルロース繊維と、
    リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、
    溶媒と、
    を含有する、電解質スラリ組成物であって、
    前記セルロース繊維の含有量が、前記電解質スラリ組成物の前記溶媒を除いた成分全量を基準として、1質量%以上である、電解質スラリ組成物。
  6. 下記一般式(10)で表される化合物を更に含有する、請求項5に記載の電解質スラリ組成物。
    O−(CHCHO)−R (10)
    [式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
  7. 前記酸化物粒子の平均粒径が、0.01〜10μmである、請求項5又は6に記載の電解質スラリ組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の電解質スラリ組成物を基材上に配置する工程と、
    配置された前記電解質スラリ組成物から前記溶媒を除去して前記基材上に電解質層を形成する工程と、
    を備える、電解質シートの製造方法。
  9. 前記電解質層の厚みが、5〜25μmである、請求項8に記載の電解質シートの製造方法。
  10. 基材と、
    前記基材上に設けられた電解質層と、
    を備え、
    前記電解質層が、
    ポリマと、
    酸化物粒子と、
    セルロース繊維と、
    リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、
    を含有し、
    前記セルロース繊維の含有量が、前記電解質層全量を基準として、1質量%以上である、電解質シート。
  11. 前記電解質層の厚みが、5〜25μmである、請求項10に記載の電解質シート。
  12. 前記電解質層が、下記一般式(10)で表される化合物を更に含有する、請求項10又は11に記載の電解質シート。
    O−(CHCHO)−R (10)
    [式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
  13. 前記酸化物粒子の平均粒径が、0.01〜10μmである、請求項10〜12のいずれか一項に記載の電解質シート。
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JP7204885B2 (ja) 2019-01-10 2023-01-16 エルジー エナジー ソリューション リミテッド 固体電解質膜及びそれを含む全固体電池

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