JP2020205146A - 電解質シート及びその製造方法、並びに二次電池 - Google Patents

電解質シート及びその製造方法、並びに二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質シートの自動搬送に耐え得るほどの引っ張り強度を電解質シートに付与し、電極と電解質シートを単に積層しただけで、電解質シートから電極細孔や電極/電解質シートの界面へ、電解質を自発的に移動可能にすることを目的とする。【解決手段】本発明の電解質シートは、補強材と、前記補強材の上に設けられた電解質層と、を備える電解質シートであって、前記電解質層が、ポリマと、酸化物粒子と、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の電解質塩と、一般式(1):RAO−(CH2CH2O)y−RB(1)[式(1)中、RA及びRBはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]で表される化合物と、を有し、前記補強材が、少なくとも一方向に沿って長繊維が配向した長繊維シート、多孔質セパレータ、又は前記長繊維シート及び前記多孔質セパレータの積層体であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電解質シート及びその製造方法、並びに二次電池に関する。
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の普及により、高性能な二次電池が必要とされている。中でもリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を有するため、電気自動車用電池、電力貯蔵用電池等の電源として注目されている。具体的には、電気自動車用電池としてのリチウム二次電池は、エンジンを搭載しないゼロエミッション電気自動車、エンジン及び二次電池の両方を搭載したハイブリッド電気自動車、電力系統から直接充電させるプラグイン・ハイブリッド電気自動車等の電気自動車に採用されている。また、電力貯蔵用電池としてのリチウム二次電池は、電力系統が遮断された非常時に、予め貯蔵しておいた電力を供給する定置式電力貯蔵システム等に用いられている。
このような広範な用途に使用するために、より高いエネルギー密度のリチウム二次電池が求められており、その開発がなされている。特に、電気自動車用のリチウム二次電池には、高い入出力特性及び高いエネルギー密度に加えて、高い安全性が要求されるため、安全性を確保するためのより高度な技術が求められる。従来、リチウム二次電池の安全性を向上させる方法として、電解液で使用される成分をゲル化して、ゲル電解質(電解質シート)を形成する方法等が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−111229号公報 特開平11−111341号公報
しかしながら、従来技術では、電極と電解質シートを積層させた状態で、電極の細孔や電極/電解質シートの界面に電解質又は電解液を補充する必要があり、その補充のための製造時間を必要としていた。すなわち、電極と電解質シートを単に積層しても、電解質シートから電極内部の細孔に電解質を供給することができなかったため、リチウム二次電池を充放電させることが困難であった。さらに、特許文献1によると、剛性のある無機繊維を用いるため、その柔軟性が乏しく、電解質シートを小さな曲率で曲げると、電解質層が破損し、あるいは電極表面に無機繊維が突き刺さり、電池性能の悪化が懸念される。また、特許文献2によると、電極に予めゲル電解質を塗布し、さらにセパレータを積層するので、セパレータへのゲル電解質の浸透が不十分であると、電池の反応抵抗が増大し、リチウム二次電池の特性が低くなる。これらの問題を解決するために、電極の細孔及び電極/電解質シートの界面に電解質又は電解液を添加することが必要であり、これによってリチウム二次電池の製造時間が増加し、製造コストの上昇が不可避であった。
そこで、本発明は、電解質シートの自動搬送に耐え得るほどの引っ張り強度を電解質シートに付与し、電極と電解質シートを単に積層しただけで、電解質シートから電極細孔や電極/電解質シートの界面へ、電解質を自発的に移動可能にすることを目的とする。その結果、電解質シートの搬送が容易になって電極と電解質シートの積層を自動化することが可能になり、電解質又は電解液の添加に要する時間を短縮することができる。
本発明者らは、少なくとも一方向に沿って長繊維が配向した長繊維シート、あるいは多孔質セパレータを補強材として用い、これらと電解質層とを一体化することで、引っ張り強度が高く、電解質が十分に染み渡った電解質シートが得られることを見い出し、発明を完成した。
すなわち、本発明の電解質シートは、補強材と、前記補強材の上に設けられた電解質層と、を備える電解質シートであって、前記電解質層が、ポリマと、酸化物粒子と、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の電解質塩と、一般式(1):
O−(CHCHO)−R (1)
[式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]で表される化合物と、を有し、前記補強材が、少なくとも一方向に沿って長繊維が配向した長繊維シート、多孔質セパレータ、又は前記長繊維シート及び前記多孔質セパレータの積層体であることを特徴とする。
本発明によれば、自動搬送に耐え得るほどの引っ張り強度を有する電解質シートが得られる。この電解質シートと電極とを単に積層しただけで、電解質シートから電極細孔や電極/電解質シートの界面へ電解質が自発的に移動可能となり、従来技術のような電解質不足による電池抵抗の増加を抑止することができる。前記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。 図1に示した二次電池における電極群の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示した二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。 長繊維シート上に電解質層が形成された電解質シートの断面図である。 多孔質セパレータ上に電解質層が形成された電解質シートの断面図である。 多孔質セパレータの上に長繊維シートを配置し、さらにその上に電解質層が形成された電解質シートの断面図である。 (a)は電解質シートを含む電解質シート積層体の一実施形態を示す模式断面図であり、(b)は電解質シートを含む電解質シート積層体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の第2実施形態に係る二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲は、本発明を制限するものではない。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の上限値又は下限値に置き換えても良い。また、本明細書中に記載される数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例中に示されている値に置き換えても良い。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図1に示すように、二次電池1は、正極、負極及び電解質シートから構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。正極及び負極には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極及び負極が二次電池1の外部と電気的に接続可能なように、電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
電池外装体3は、例えばラミネートフィルムで形成されていて良い。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであって良い。
図2は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す分解斜視図である。図3は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す模式断面図である。図2及び図3に示すように、本実施形態における電極群2Aは、正極6と、電解質シート7と、負極8とをこの順に備えている。正極6は、正極集電体9と、正極集電体9上に設けられた正極合剤層10とを備えている。正極集電体9には、正極集電タブ4が設けられている。負極8は、負極集電体11と、負極集電体11上に設けられた負極合剤層12とを備えている。負極集電体11には、負極集電タブ5が設けられている。
正極集電体9は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていて良い。正極集電体9は、具体的には、例えば孔径0.1〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であって良い。正極集電体9は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていて良く、また、その形状、製造方法等も制限されない。
正極集電体9の厚さは、10μm以上100μm以下であって良く、正極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率で正極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
正極合剤層10は、一実施形態において、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有する。
正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等の化合物であって良い。
リチウム遷移金属酸化物は、例えば、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等であって良い。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等に含有されるMn、Ni、Co等の遷移金属の一部を、1種もしくは2種以上の他の遷移金属、又はMg、Al等の金属元素(典型元素)で置換したリチウム遷移金属酸化物であっても良い。すなわち、リチウム遷移金属酸化物は、LiM又はLiM(Mは少なくとも1種の遷移金属を含む)で表される化合物であって良い。リチウム遷移金属酸化物は、具体的には、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/2Mn3/2等であって良い。
リチウム遷移金属酸化物は、エネルギー密度をさらに向上させる観点から、好ましくは下記式(2)で表される化合物である。
LiNiCo 2+e (2)
[式(2)中、Mは、Al、Mn、Mg及びCaからなる群より選択される少なくとも1種であり、a、b、c、d及びeは、それぞれ0.2≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.2、−0.2≦e≦0.2、かつb+c+d=1を満たす数である。]
リチウム遷移金属リン酸塩は、LiFePO、LiMnPO、LiMn 1−xPO(0.3≦x≦1、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg及びZrからなる群より選択される少なくとも1種の元素である)等であって良い。
正極活物質は、造粒されていない一次粒子であっても良く、造粒された二次粒子であっても良い。
正極活物質の粒径は、正極合剤層10の厚さ以下になるように調整される。正極活物質中に正極合剤層10の厚さ以上の粒径を有する粗粒子がある場合、ふるい分級、風流分級等により粗粒子を予め除去し、正極合剤層10の厚さ以下の粒径を有する正極活物質を選別する。
正極活物質の平均粒径は、0.1μm以上であり、より好ましくは1μm以上である。また、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。正極活物質の平均粒径は、正極活物質全体の体積に対する比率(体積分率)が50%のときの粒径(D50)である。正極活物質の平均粒径(D50)は、レーザー散乱型粒径測定装置(例えば、マイクロトラック)を用いて、レーザー散乱法により水中に正極活物質を懸濁させた懸濁液を測定することで得られる。
正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、又は85質量%以上であって良い。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、95質量%以下、92質量%以下、又は90質量%以下であって良い。
導電剤は、特に限定されないが、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素材料等であって良い。導電剤は、上述した炭素材料の2種以上の混合物であっても良い。
導電剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であって良い。導電剤の含有量は、正極6の体積の増加及びそれに伴う二次電池1のエネルギー密度の低下を抑制する観点から、正極合剤層全量を基準として、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
結着剤は、正極6の表面で分解しないものであれば制限されないが、四フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート及びメチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種をモノマ単位として含むポリマ、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム等のゴム等であって良い。結着剤は、好ましくは四フッ化エチレンとフッ化ビニリデンとを構造単位として含むコポリマである。
結着剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.5質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であって良い。結着剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であって良い。
正極合剤層10は、イオン液体をさらに含有していても良い。
イオン液体は、以下のアニオン成分及びカチオン成分を含む。なお、本実施形態におけるイオン液体は、−20℃以上で液状の物質である。イオン液体は、構成するカチオンとアニオンの間に働く強い静電的な相互作用により、水、溶媒等の分子性液体とは異なり、蒸気圧がほとんどないことが知られている。
イオン液体のアニオン成分は、特に限定されないが、Cl、Br、I等のハロゲンのアニオン、BF 、N(SOF) 等の無機アニオン、B(C 、CHSO、CFSO、N(SO 、N(SOCF 、N(SO 等の有機アニオン等であって良い。
イオン液体のアニオン成分は、好ましくは、下記一般式(A)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含む。
N(SO2m+1)(SO2n+1 (A)
式(A)中、m及びnは、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m及びnは、互いに同一でも異なっていても良く、好ましくは互いに同一である。
式(A)で表されるアニオン成分は、例えば、N(SO 、N(SOF) 、N(SOCF 、及びN(SO である。
イオン液体のアニオン成分は、比較的低粘度でイオン伝導度をさらに向上させるとともに、充放電特性もさらに向上させる観点から、より好ましくは、N(SO 、CFSO、N(SOF) 、N(SOCF 、及びN(SO からなる群より選択される少なくとも1種を含み、さらに好ましくはN(SOF) を含む。
イオン液体のカチオン成分は、特に限定されないが、好ましくは鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
正極合剤層10に含まれるイオン液体の含有量は、正極合剤層全量を基準として、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。正極合剤層10に含まれるイオン液体の含有量は、正極合剤層全量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
正極合剤層10に含まれるイオン液体には電解質塩が溶解されていても良い。電解質塩は、後述の電解質スラリ組成物で使用される電解質塩を用いることができる。
正極合剤層10の厚さは、導電率をさらに向上させる観点から、正極活物質の平均粒径以上の厚さであり、具体的には、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であって良い。正極合剤層10の厚さは、100μm以下、80μm以下、又は70μm以下であって良い。正極合剤層の厚さを100μm以下とすることにより、正極合剤層10の表面近傍及び正極集電体9の表面近傍の正極活物質の充電レベルのばらつきに起因する充放電の偏りを抑制することができる。
負極集電体11は、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属、それらの合金等であって良い。負極集電体11は、軽量で高い重量エネルギー密度を有するため、好ましくはアルミニウム及びその合金である。負極集電体11は、薄膜への加工のし易さ及びコストの観点から、好ましくは銅である。
負極集電体11の厚さは、10μm以上100μm以下であって良く、負極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率で負極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
負極合剤層12は、一実施形態において、負極活物質と、結着剤とを含有する。
負極活物質は、エネルギーデバイスの分野で常用されるものを使用することができる。負極活物質としては、具体的には、例えば、金属リチウム、チタン酸リチウム(LiTi12)、リチウム合金又はその他の金属化合物、炭素材料、金属錯体、有機高分子化合物等が挙げられる。負極活物質はこれらの1種単独、もしくは2種以上の混合物であって良い。炭素材料としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、非晶質炭素、炭素繊維、及びアセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。負極活物質は、より大きな理論容量(例えば500〜1500Ah/kg)を得る観点から、シリコン、スズ又はこれらの元素を含む化合物(酸化物、窒化物、他の金属との合金)であっても良い。
負極活物質の平均粒径(D50)は、粒径減少に伴う不可逆容量の増加を抑制しつつ、かつ、電解質塩の保持能力を高めたバランスの良い負極を得る観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。負極活物質の平均粒径(D50)は、上述した正極活物質の平均粒径(D50)と同様の方法により測定される。
負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であって良い。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であって良い。
結着剤及びその含有量は、上述した正極合剤層10における結着剤及びその含有量と同様であって良い。
負極合剤層12は、負極8の抵抗をさらに低くする観点から、導電剤をさらに含有しても良い。導電剤及びその含有量は、上述した正極合剤層10における導電剤及びその含有量と同様であって良い。
負極合剤層12は、イオン液体をさらに含有していても良い。
イオン液体は、上述の正極合剤層10で含有され得るイオン液体を用いることができる。負極合剤層12に含まれるイオン液体の含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。負極合剤層12に含まれるイオン液体の含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
負極合剤層12に含まれるイオン液体には、上述した正極合剤層10に使用できる電解質塩と同様の電解質塩が溶解されていても良い。
負極合剤層12の厚さは、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であって良い。負極合剤層12の厚さは、100μm以下、80μm以下、又は70μm以下であって良い。
電解質シート7は、ポリマ、酸化物粒子及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程(バインダスラリ調製工程)と、電解質塩、及び一般式(1):
O−(CHCHO)−R (1)
[式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]で表される化合物(グライム)を混合して電解液を得る工程と、得られたバインダスラリ及び電解液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程(電解質スラリ組成物調製工程)と、その電解質スラリ組成物を補強材の上に配置する工程と、配置された電解質スラリ組成物から溶媒を除去して補強材の上に電解質層を形成する工程と、を備える製造方法によって得られる。以下、各工程について詳述する。
バインダスラリ調製工程は、ポリマ、酸化物粒子及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程である。
ポリマは、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選択される第1の構造単位を有する。
ポリマを構成する構造単位の中には、前記第1の構造単位と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート及びメチルメタクリレートからなる群より選択される第2の構造単位とが含まれていても良い。すなわち、第1の構造単位及び第2の構造単位によりコポリマを構成していても良く、あるいは、それぞれ別のポリマに含まれて、第1の構造単位を有する第1のポリマと、第2の構造単位を有する第2のポリマとの少なくとも2種のポリマの混合物としても良い。
ポリマは、具体的には、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ等であって良い。
ポリマの含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、好ましくは3質量%以上である。ポリマの含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。ポリマの含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは3〜40質量%である。
本実施形態におけるポリマは、電解質スラリ組成物に含まれるグライムとの親和性に優れるため、電解質シート7を形成したときにグライム中の電解質塩を保持する。これにより、電解質シート7に荷重が加えられた際のグライムの液漏れが抑制される。
酸化物粒子は、例えば無機酸化物の粒子である。無機酸化物は、例えば、Li、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Zr、La、Na、K、Ba、Sr、V、Nb、B、Ge等を構成元素として含む無機酸化物であって良い。酸化物粒子は、好ましくは、SiO、Al、AlOOH、MgO、CaO、ZrO、TiO、LiLaZr12及びBaTiOからなる群より選択される少なくとも1種の粒子である。酸化物粒子は極性を有するため、電解質シート7中の電解質塩の解離を促進し、電池特性を高めることができる。
酸化物粒子は、一般に、見かけ上の幾何学的形態から判断して、一体的に単一の粒子を形成している一次粒子(二次粒子を構成していない粒子)と、複数の一次粒子が集合することで形成される二次粒子とを含んでいても良い。
酸化物粒子の比表面積は、2〜380m/gであり、5〜100m/g、10〜80m/g、又は15〜60m/gであっても良い。比表面積が2〜380m/gであると、二次電池の放電特性がより優れる傾向にある。同様の観点から、酸化物粒子の比表面積は、5m/g以上、10m/g以上、又は15m/g以上であっても良く、100m/g以下、80m/g以下、又は60m/g以下であっても良い。酸化物粒子の比表面積は、一次粒子及び二次粒子を含む酸化物粒子全体の比表面積を意味し、BET法によって測定される。
酸化物粒子の平均一次粒径(一次粒子の平均粒径)は、導電率をさらに向上させる観点から、好ましくは0.005μm(5nm)以上、より好ましくは0.01μm(10nm)以上、さらに好ましくは0.015μm(15nm)以上である。酸化物粒子の平均一次粒径は、電解質シート7を薄くする観点から、好ましくは1μm以下で、より好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下である。酸化物粒子の平均一次粒径は、電解質シート7を薄層化する観点及び電解質シート7の表面からの酸化物粒子の突出を抑制する観点から、好ましくは0.005〜1μm、0.01〜0.1μm、又は0.015〜0.05μmである。酸化物粒子の平均一次粒径は、酸化物粒子を透過型電子顕微鏡等によって観察することによって測定できる。
酸化物粒子の平均粒径は、0.01〜10μmであって良い。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.2μm以上である。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。特に、0.2μm〜1μm又は0.2μm〜0.5μmの平均粒径の範囲が、リチウムイオンを電解質シート面内で、均一に透過させ、リチウムデンドライトの析出を抑制することができるので、特に好適である。酸化物粒子の平均粒径は、レーザー回折法により測定され、体積累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合に、体積累積が50%となる粒径に対応する。
酸化物粒子の形状は、例えば、塊状又は略球状であって良い。酸化物粒子のアスペクト比は、電解質シート7の薄層化を容易にする観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは2以下である。アスペクト比は、酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真から算出した、粒子の長軸方向の長さ(粒子の最大長さ)と、粒子の短軸方向の長さ(粒子の最小長さ)との比として定義される。粒子の長さは、前記写真を、市販の画像処理ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、A像くん(登録商標))を用いて、統計的に計算して求められる。
酸化物粒子は、表面処理剤で表面処理されていても良い。表面処理剤としては、例えば、ケイ素含有化合物等が挙げられる。ケイ素含有化合物は、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン、ジメチルシリコーンオイル等のシロキサン等であっても良い。
表面処理剤で表面処理された酸化物粒子は、公知の方法によって製造したものを用いても良く、市販品をそのまま用いても良い。
酸化物粒子の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
溶媒は、上述のポリマ及び酸化物粒子を分散できるものであれば特に制限されず、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルエチレンウレア、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート、トルエン、シクロヘキサン、スルホラン、水等であって良い。
バインダスラリにおける溶媒の含有量は、ポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して、10〜90質量部であって良い。溶媒の含有量は、ポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して、20質量部以上、30質量部以上、又は40質量部以上であっても良く、また、70質量部以下、60質量部以下、又は50質量部以下であっても良い。
バインダスラリ調製工程において、ポリマ、酸化物粒子及び溶媒の各成分の添加方法等は特に制限されないが、ダマの発生をより抑制する観点から、バインダスラリ調製工程は、例えば、ポリマ及び酸化物粒子を乾式混合して混合物を得る第1の工程と、当該混合物に溶媒を添加して混合物分散液を得る第2の工程と、当該混合物分散液を混合してバインダスラリを得る第3の工程と、を備えていても良い。第2の工程において、混合物への溶媒の添加は、所定量の溶媒を一度に添加するものであって良いが、ダマの発生をより抑制する観点から、所定量となるように複数回に分けて添加するものであって良い。溶媒を複数回に分けて添加する場合は、第2の工程及び第3の工程を繰り返し行っても良い。
バインダスラリ調製工程における各成分の混合(混練)は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を適宜組み合わせて行うことができる。混合条件(混練条件)は特に制限されず、各成分の種類及び含有量に合わせて適宜設定することができる。
バインダスラリ調製工程において、ポリマ、酸化物粒子及び溶媒の各成分の混合は、固練りによる混合であることが好ましい。ここで、固練りとは、最終的に得られる電解質スラリ組成物よりも溶媒の割合が低い(すなわち、固形分の割合が高い)状態で混練することを意味する。このような溶媒の割合が低い状態で混練することによって、各成分が均一に分散された混合物を得ることができる傾向にある。このときのバインダスラリにおける溶媒の含有量は、ポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して、40質量部以上である。このように固形分を大きくすることにより、材料に強い剪断力を加えることが可能となり、ポリマや酸化物粒子等の凝集を解消し、分散させることが可能になる。
バインダスラリ調製工程における完了の判断は、例えば、固練り後のスラリより少量のサンプルを採取し、それに溶媒を添加したものを、粒ゲージ(グラインドメータ)に滴下し、スクレーパでサンプルを掻き取ったときの粗粒のサイズを測定して、各成分が均一に分散されていることを確認することが1つの目安となり得る。上記で測定した粗粒のサイズは、電解質シートの厚さ以下であることが必要であり、好ましくは、電解質シートの厚さの1/2以下であると、凹凸の少ない平滑な電解質シート得ることができるため好ましい。
電解質スラリ組成物調製工程は、得られたバインダスラリに対して、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の電解質塩と一般式(1)で表される化合物とを含む電解液を添加し、必要に応じてさらにセルロース繊維と溶媒とを含む分散液を添加し、バインダスラリ及び電解液、並びに必要に応じて分散液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程である。セルロース繊維の添加は省略しても良いが、添加することにより電解質層の機械的強度が増し、電解質層を自立膜として取り扱うことができるために、添加することが望ましい。
分散液におけるセルロース繊維は、例えば、針葉樹木材パルプ、広葉樹木材パルプ、エスパルトパルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、コットンパルプ等の天然セルロース繊維;これらの天然セルロース繊維を有機溶剤で紡糸して得られるリヨセル等の再生セルロース繊維等であって良い。電解質層がセルロース繊維を含有することによって、電解質シート7に強度を付与することができる。
セルロース繊維の形状は、ある程度の長さをもった細長形状であれば良い。セルロース繊維のアスペクト比は、電解質シート7の熱収縮を抑制し易くする観点から、10以上であって良く、好ましくは10を超え、より好ましくは20以上、さらに好ましくは50以上、特に好ましくは100以上である。セルロース繊維のアスペクト比は、上述した酸化物粒子のアスペクト比の算出方法と同様の方法によって求めることができる。すなわち、セルロース繊維の走査型電子顕微鏡写真から、セルロース繊維の長さと繊維径とを求め、統計的に計算することができる。
セルロース繊維の平均長さは、電解質シート7の熱収縮を抑制し易くする観点から、好ましくは酸化物粒子の平均粒径以上であり、より好ましくは、酸化物粒子の平均粒径の2倍以上、5倍以上、10倍以上、20倍以上、50倍以上、又は100倍以上である。セルロース繊維の平均長さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。セルロース繊維の平均長さは、二次電池を形成した場合の電解質シート7からの突出を抑制し、電解質シート7を平滑にする観点から、好ましくは、10000μm以下、5000μm以下、3000μm以下、2000μm以下、1500μm以下、1000μm以下、500μm以下、100μm以下、又は50μm以下である。本明細書におけるセルロース繊維の平均長さは、走査型電子顕微鏡写真において、計測の重複を避けられるようにセルロース繊維全体が写真に写っているものを3枚選択して、各写真についてセルロース繊維の長さの積算値をセルロース繊維の総数で割り付け、得られた値の平均値である。
セルロース繊維の平均繊維径は、好ましくは電解質シート7の厚さ以下であり、より好ましくは電解質シート7の厚さの1/3以下である。セルロース繊維の平均繊維径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。平均繊維径を電解質シート7の厚さ以下とすることによって、電解質シート7を薄くすることが可能となり、また、少量のセルロース繊維の添加量によっても、酸化物粒子の移動を抑止することができる。セルロース繊維の平均繊維径は、例えば0.01μm以上であって良い。本明細書におけるセルロース繊維の平均繊維径は、走査型電子顕微鏡写真において、計測の重複を避けられるようにセルロース繊維全体が写真に写っているものを3枚選択して、各写真についてセルロース繊維の直径の積算値をセルロース繊維の総数で割り付け、得られた値の平均値である。
セルロース繊維の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、0.1〜10質量%であって良い。セルロース繊維の含有量が1質量%以上であると、電解質シート7中にセルロース繊維が均一に配合され、酸化物粒子の移動を効果的に抑止することができる。セルロース繊維の含有量が10質量%以下であると、耐熱性の高い酸化物粒子をより多く電解質シート7に配合することができ、また、最終的に得られる電解質スラリ組成物の流動性が良好となり、電解質シート7を薄くすることが可能になる。セルロース繊維の含有量は、2質量%以上、3質量%以上、又は4質量%以上であっても良く、8質量%以下、6質量%以下、又は5質量%以下であっても良い。
分散液における溶媒は、バインダスラリ調製工程で例示した溶媒と同様のものを例示することができる。分散液で使用される溶媒は、バインダスラリで使用される溶媒と同一であることが好ましい。
分散液における溶媒の含有量は、セルロース繊維100質量部に対して、30〜2000質量部であって良い。溶媒の含有量は、セルロース繊維100質量部に対して、50質量部以上、100質量部以上、又は150質量部以上であっても良く、また、1000質量部以下、500質量部以下、又は300質量部以下であっても良い。
電解液は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の電解質塩と一般式(1)で表される化合物(グライム)とを含む。
電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である。電解質塩は、正極6と負極8との間でカチオンを授受させるために用いられる化合物である。上記の電解質塩は、低温では解離度が低く、グライム中で拡散し易いことに加え、高温により熱分解しないため、二次電池が使用可能な環境温度が広範となる点で好ましい。電解質塩は、フッ素イオン電池において用いられる電解質塩であっても良い。
電解質塩のアニオン成分は、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、BF(CF、BF(C、PF 、ClO 、SbF 、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、B(C 、B(O 、C(SOF) 、C(SOCF 、CFCOO、CFSO、CSO、B(O 等であって良い。
なお、以下では下記の略称を用いる場合がある。
[FSI]:N(SOF) 、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:N(SOCF 、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[BOB]:B(O 、ビスオキサレートボラートアニオン
[f3C]:C(SOF) 、トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
リチウム塩は、LiPF、LiBF、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO、LiBF(CF)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiC(SOCF、CFSOOLi、CFCOOLi、及びR’COOLi(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選択される少なくとも1種であって良い。
炭酸エステル溶媒を用いた加水分解性電解質(例えば、LiPF、LiBF)を、本実施形態に係る電解質シートに添加することは可能である。この場合、電解質スラリ組成物に、水を極力混入しないような工夫をすれば良い。例えば、上述のセルロース繊維は、水を含んでいるので、これを用いないか、水を含まない補強材料、例えばでんぷん、酢酸セルロース、カルボキシルメチルセルロース等で代用すれば良い。
ナトリウム塩は、NaPF、NaBF、Na[FSI]、Na[TFSI]、Na[f3C]、Na[BOB]、NaClO、NaBF(CF)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaC(SOCF、CFSOONa、CFCOONa、及びR’COONa(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選択される少なくとも1種であって良い。
カルシウム塩は、Ca(PF、Ca(BF、Ca[FSI]、Ca[TFSI]、Ca[f3C]、Ca[BOB]、Ca(ClO、Ca[BF(CF)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[C(SOCF、(CFSOO)Ca、(CFCOO)Ca、及び(R’COO)Ca(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選択される少なくとも1種であって良い。
マグネシウム塩は、Mg(PF、Mg(BF、Mg[FSI]、Mg[TFSI]、Mg[f3C]、Mg[BOB]、Na(ClO、Mg[BF(CF)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[C(SOCF、(CFSOMg、(CFCOO)Mg、及び(R’COO)Mg(R’は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選択される少なくとも1種であって良い。
電解質塩は、好ましくは、イミド系リチウム塩、イミド系ナトリウム塩、イミド系カルシウム塩、及びイミド系マグネシウム塩からなる群より選択される1種であり、より好ましくは、イミド系リチウム塩である。
イミド系リチウム塩は、Li[TFSI]、Li[FSI]等であって良い。イミド系ナトリウム塩は、Na[TFSI]、Na[FSI]等であって良い。イミド系カルシウム塩は、Ca[TFSI]、Ca[FSI]等であって良い。イミド系マグネシウム塩は、Mg[TFSI]、Mg[FSI]等であって良い。
電解液は、下記一般式(1)で表される化合物(グライム)を含む。グライムは、溶媒に包含されない。
O−(CHCHO)−R (1)
式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。R及びRとしてのアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等であって良い。これらの中でも、アルキル基は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
グライムとしては、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテル(「トリグライム」又は「G3」という場合がある)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(「テトラグライム」又は「G4」という場合がある)、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル(「ペンタグライム」又は「G5」という場合がある)、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル(「ヘキサグライム」又は「G6」という場合がある)等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中でも、トリグライム又はテトラグライムが好ましく用いられ、より好ましくはテトラグライムである。
電解液中の一般式(1)で表される化合物(グライム)の一部又は全部は、電解質塩と錯体を形成していて良い。
電解質塩及び一般式(1)で表される化合物(グライム)の総量の含有量は、電解質シート7を好適に作製する観点から、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、10質量%以上であって良く、90質量%以下であって良い。電解質塩及び一般式(1)で表される化合物(グライム)の総量の含有量は、リチウム二次電池を高い負荷率で充放電することを可能にする観点から、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量(すなわち、電解質層全量)を基準として、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。
電解質塩に対する一般式(1)で表される化合物(グライム)のモル比(一般式(1)で表される化合物(グライム)の物質量/電解質塩の物質量)は、0.1〜10であって良い。当該モル比は、充放電特性をさらに向上させる観点から、1以上、2以上、又は3以上であっても良く、5以下、4以下、又は3以下であっても良い。
電解質スラリ組成物調製工程において、分散液及び電解液をバインダスラリに添加する順序は、特に制限されず、分散液、電解液の順であっても、電解液、分散液の順であっても良く、分散液及び電解液を同時に添加しても良い。分散液及び電解液をバインダスラリに添加する順序は、ダマの発生をより抑制する観点から、分散液、電解液の順であることが好ましい。
電解質スラリ組成物調製工程における各成分の混合(混練)は、バインダスラリ調製工程と同様に、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を適宜組み合わせて行うことができる。混合条件(混練条件)は特に制限されず、各成分の種類及び含有量に合わせて適宜設定することができる。
電解質スラリ組成物調製工程は、粘度調整の観点から、バインダスラリ、バインダスラリ及び分散液、バインダスラリ及び電解液、又はバインダスラリ、分散液、及び電解液に対して、溶媒を添加し混合する工程をさらに備えていて良い。このような工程は、複数回備えられていても良い。
電解質スラリ組成物はその他の成分を含有していても良い。その他の成分としては、例えば、樹脂繊維、ガラス繊維、フレーク状無機酸化物等が挙げられる。その他の成分の含有量は、電解質スラリ組成物の溶媒を除いた成分全量を基準として、0.1〜20質量%であって良い。
上述のように、電解質スラリ組成物を調製するに際しては、ダマの発生を抑制することができる。そのため、電解質層の厚さを薄くすること(例えば、5〜25μm)が可能である。また、セルロース繊維を含有する場合には、電解質層は充分な強度を有し得る。
電解質層が補強材の上に設けられてなる電解質シート7は、上述の電解質スラリ組成物を補強材の上に配置する工程と、配置された電解質スラリ組成物から溶媒を除去して補強材の上に電解質層を形成する工程とを備える製造方法によって作製される。ここで、「電解質層が補強材の上に設けられる(形成される)」とは、補強材の上に別個独立した電解質層が補強材との界面を介して密着している場合の他、補強材における間隙に電解質層が浸透しあるいは入り込み、電解質層の一部が補強材と混然一体になっている場合の両方を意味する。
本実施形態に係る電解質シート7は、電解質スラリ組成物を補強材に塗布、含浸させることにより、製造することができる。補強材には、少なくとも一方向に沿って長繊維が配向した長繊維シート、多孔質セパレータ、あるいは長繊維シート及び多孔質セパレータの積層体を用いることができる。これらの例を図4〜図6に示す。
図4に示す電解質シート7Aでは、少なくとも一方向に沿って長繊維を配向させた長繊維シート30Aに電解質スラリ組成物を塗布、含浸させ、電解質層20を形成している。長繊維は塗布装置の搬送方向(MD方向)に配向させることにより、MD方向に引っ張り強度を付与することができる。その結果、自動塗布が可能になる。
図4において、補強材30は、MD方向に配向した長繊維からなる長繊維シート30Aであり、外観は隙間の多い「すだれ状」のシートである。このような長繊維の材質として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリルニトリル等の樹脂繊維を挙げることができる。長繊維シート30Aの重量は、単位面積(1平方メートル)当り3g以上10g以下であることが望ましい。重量が小さ過ぎると、長繊維シートの引っ張り強度が不十分になる。逆に、重量が大き過ぎると、長繊維シートの体積比率が増大し、電解質シートにおける電解質層の比率が減少し、電池抵抗が増大する。
MD方向に加えて、MD方向に垂直な方向、すなわちTD方向に長繊維が張られていても良い。MD方向に対して、少量の長繊維をTD方向に沿って配向させることにより、長繊維が解けることを防止し、シート形状を保持することが可能になる。
長繊維の長さは、1mm以上、5mm以上、10mm以上、50mm以上、又は100mm以上である。また、長さの上限は5000mm以下、2000mm以下、又は1000mm以下である。1mm以上の長繊維を少なくとも一方向(望ましくはMD方向)に沿って配向させることにより、長繊維同士が絡まりあって、引っ張り強度を高めることができる。
長繊維シート30Aにおける長繊維の直径は0.1μm以上、10μm以下である。0.1μm以下にすると、繊維一本当りの強度が低くなり過ぎる。また、直径は5μm以下、さらには2μm以下にすると、電解質シートにおける長繊維シートの体積比率が小さくなり、代わりに電解質層の比率を増大させることができるので、電池性能の向上には好適である。
図5に示す電解質シート7Bでは、補強材30としての多孔質セパレータ30Bの上に、電解質層20を設けている。電解質スラリ組成物を、多孔質セパレータ30Bの上に塗布、乾燥すると、電解質層の成分が多孔質セパレータ30Bの細孔に浸透し、電解質層の成分が細孔全体に充填された電解質シートが得られる。多孔質セパレータ30Bは、MD方向のみならず、TD方向(MD方向に垂直な方向)にも強度を高める機能を有する。
前記多孔質セパレータ30Bの材質として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース等を挙げることができる。多孔質セパレータ30Bの厚さは5μm以上とすることが好ましい。また、多孔質セパレータ30Bの厚さは50μm以下とし、25μm以下にすれば、電池抵抗が小さくなるので、さらに好適である。また、電解質層から少量の電解質を供給すれば、多孔質セパレータの細孔全体に電解質を充填することができるので、多孔質セパレータの厚さは小さいほど有利である。
多孔質セパレータ30Bの空隙率は、大きいほど、電池抵抗を小さくすることができるため望ましい。具体的には、多孔質セパレータ30Bの空隙率は、40%以上95%以下とすることが好ましい。空隙率が小さ過ぎると、電池抵抗が増大する。また、空隙率が大き過ぎると、多孔質セパレータの強度が低下するので、引っ張り強度が小さくなる問題が生じる。
多孔質セパレータにおける、電解質スラリ組成物を塗布しない面には、別途、アルミナやベーマイトやシリカの無機酸化物粒子とバインダからなるセラミック層を塗布しても良い。これにより、電解質シートの耐熱性がさらに向上し、電池の安全性が高まる。セラミック層の厚さは薄い方が良く、その厚さは1μm以上、10μm以下とすることが好ましい。
図6は、多孔質セパレータ30Bの上に長繊維シート30Aを積層した状態で、電解質スラリ組成物を塗布、乾燥させて電解質層20を形成することによって得られる電解質シート7Cである。電解質スラリ組成物を塗布すると、長繊維シート30Aの細孔に電解質が浸透し、さらに多孔質セパレータ30Bの細孔に移動する。その結果、長繊維シート30Aと多孔質セパレータ30Bの両方の空隙に電解質を保持させることができる。
多孔質セパレータ30Bは、MD方向のみならずTD方向(MD方向の直角方向)にも強度を増大させる機能を有する。さらに、上層の電解質層20と多孔質セパレータ30Bとの密着性は、長繊維シート30Aがあることにより、さらに強くなって、電解質シート7Cの機械的強度が向上する。
電解質スラリ組成物を補強材30上に配置する方法としては、特に制限されないが、例えば、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等による塗布等が挙げられる。
電解質スラリ組成物から溶媒を除去する方法としては、特に制限されないが、例えば、電解質スラリ組成物を加熱して溶媒を揮発させる方法等が挙げられる。加熱温度は、使用される溶媒に合わせて適宜設定することができる。
本実施形態における電解質シート7において、電解質層20の厚さは、5〜100μmであって良い。電解質層20の厚さは、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上であっても良く、50μm以下、40μm以下、又は30μm以下であっても良い。
本実施形態に係る電解質シート7は、図7に示すように、他のフィルム等との積層体として製造することができる。図7(a)に示す電解質シート積層体50Aは、支持フィルム14と、支持フィルム14上に設けられた電解質シート7とから構成されている。電解質シート7を用いて二次電池を作製する場合には、電解質シート積層体50Aから支持フィルム14を剥離して得られる電解質シート7を使用する。
支持フィルム14の材質は、電解質スラリ組成物と反応せず、電解質スラリ組成物により膨潤しないものであれば特に制限されない。支持フィルム14は、電解質シートを製造する過程において溶媒を揮発させる処理温度に耐えられる耐熱温度を有していれば良い。耐熱温度は、支持フィルム14が樹脂で形成されている場合、支持フィルム14の軟化点(塑性変形し始める温度)又は融点のうち、より低い温度である。支持フィルム14の耐熱温度は、電解質シート7に用いられるグライムとの適応性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、また、例えば400℃以下であって良い。上記の耐熱温度を有する支持フィルムを使用すれば、上述したような溶媒を好適に使用できる。
支持フィルム14の厚さは、塗布装置での引っ張り力に耐え得る強度を維持しつつ、可能な限り、その体積比率を小さくすることが望ましい。例えば塗布装置にて支持フィルム14を搬送するために必要な引っ張り強度は、0.1N/cm以上であるので、これ以上の引っ張り強度が必要である。同時に、支持フィルム14の厚さは、電解質シート7の厚さよりも、薄くしなければならない。
支持フィルム14の厚さは、電解質シート7よりも薄いことが条件である。その条件を満たしていれば、支持フィルム14の厚さは5〜100μmであって良い。また、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上の厚さであっても良く、50μm以下、40μm以下、又は30μm以下の厚さであっても良い。
電解質シート7は、ロール状に巻き取りながら連続的に製造することもできる。その場合には、電解質シート7の表面が支持フィルム14の背面に接触して電解質シート7の一部が支持フィルム14に貼り付くことによって、電解質シート7が破損することがある。このような事態を防ぐために、他の実施形態として、電解質シート7の、支持フィルム14とは反対側の面に保護材を設けても良い。図7(b)は、このような他の実施形態に係る電解質シート積層体を示す模式断面図である。図7(b)に示すように、電解質シート積層体50Bは、電解質シート7における支持フィルム14とは反対側の面に保護材15をさらに備えている。
保護材15は、電解質シート7から容易に剥離可能なものであれば良く、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン等の無極性の樹脂フィルムである。無極性の樹脂フィルムを用いると、電解質シート7と保護材15とが互いに貼りつかず、保護材15を容易に剥離することができる。
保護材15の厚さは、電解質シート積層体50B全体の体積を小さくしつつ、強度を確保する観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。
保護材15の耐熱温度は、低温環境での劣化を抑制するとともに、高温環境下での軟化を抑制する観点から、好ましくは−30℃以上、より好ましくは0℃以上であり、また、好ましくは100℃以下、より好ましくは50℃以下である。保護材15を設ける場合、上述した分散媒の揮発工程が必須ではないため、耐熱温度を高くする必要がない。
続いて、二次電池1の製造方法について説明する。第1実施形態に係る二次電池1の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、上述の製造方法によって得られた電解質シート7を正極6と負極8との間に配置する第3の工程と、を備える。
第1の工程では、正極6は、例えば、正極合剤層に用いる材料を混合機、分散機等を用いて分散媒に分散させてスラリ状の正極合剤を得た後、この正極合剤をドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等により正極集電体9上に塗布し、その後分散媒を揮発させることにより得られる。分散媒を揮発させた後、必要に応じて、ロールプレスによる圧縮成型工程が設けられても良い。正極合剤層10は、上述した正極合剤の塗布から分散媒の揮発までの工程を複数回行うことにより、多層構造の正極合剤層として形成されても良い。
第1の工程において用いられる分散媒は、水、1−メチル−2−ピロリドン(NMPともいう。)等であって良い。
第2の工程において、負極集電体11に負極合剤層12を形成する方法は、上述した第1の工程と同様の方法であって良い。
第3の工程において、電解質シート積層体50Aを用いて正極6と負極8との間に電解質シート7を配置する方法は、例えば、電解質シート積層体50Aから支持フィルム14を剥離し、正極6、電解質シート7、及び負極8を、例えば、ラミネートにより積層することで二次電池1が得られる。このとき、電解質シート7が、正極6の正極合剤層10側かつ負極8の負極合剤層12側に位置するように、すなわち、正極集電体9、正極合剤層10、電解質シート7、負極合剤層12及び負極集電体11がこの順で配置されるように積層する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る二次電池について説明する。図8は、第2実施形態に係る二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。図8に示すように、第2実施形態における二次電池が第1実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、バイポーラ電極16を備えている点である。すなわち、電極群2Bは、正極6と、第1の電解質シート7と、バイポーラ電極16と、第2の電解質シート7と、負極8とをこの順に備えている。
バイポーラ電極16は、バイポーラ電極集電体17と、バイポーラ電極集電体17の負極8側の面(正極面)に設けられた正極合剤層10と、バイポーラ電極集電体17の正極6側の面(負極面)に設けられた負極合剤層12とを備えている。
バイポーラ電極集電体17において、正極面は、好ましくは耐酸化性に優れた材料で形成されていて良く、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていて良い。負極活物質として黒鉛又は合金を用いたバイポーラ電極集電体17における負極面は、リチウムと合金を形成しない材料で形成されていて良く、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、チタン等で形成されていて良い。正極面と負極面に異種の金属を用いる場合、バイポーラ電極集電体17は、異種金属箔を積層させたクラッド材であって良い。ただし、チタン酸リチウムのように、リチウムと合金を形成しない電位で動作する負極8を用いる場合、上述の制限はなくなり、負極面は、正極集電体9と同様の材料であって良い。その場合、バイポーラ電極集電体17は、単一の金属箔であって良い。単一の金属箔としてのバイポーラ電極集電体17は、孔径0.1〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であって良い。バイポーラ電極集電体17は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていて良く、また、その形状、製造方法等も制限されない。
バイポーラ電極集電体17の厚さは、10μm以上100μm以下であって良く、二次電池全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率でバイポーラ電極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
続いて、第2実施形態に係る二次電池の製造方法について説明する。本実施形態に係る二次電池の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、バイポーラ電極集電体17の一方の面に正極合剤層10を形成し、他方の面に負極合剤層12を形成してバイポーラ電極16を得る第3の工程と、正極6とバイポーラ電極16との間及び負極8とバイポーラ電極16との間に上述の製造方法によって得られた電解質シート7を配置する第4の工程と、を有する。
第1の工程及び第2の工程は、第1実施形態における第1の工程及び第2の工程と同様の方法であって良い。
第3の工程において、バイポーラ電極集電体17の一方の面に正極合剤層10を形成する方法は、第1実施形態における第1の工程と同様の方法であって良い。バイポーラ電極集電体17の他方の面に負極合剤層12を形成する方法は、第1実施形態における第2の工程と同様の方法であって良い。
第4の工程における正極6とバイポーラ電極16との間に上述の製造方法によって得られた電解質シート7を配置する方法及び負極8とバイポーラ電極16との間に上述の製造方法によって得られた電解質シート7を配置する方法は、第1実施形態における第3の工程と同様の方法であって良い。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<バインダスラリの調製>
バインダスラリを以下のように調製した。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとのコポリマ(ポリマ、PVDF−HFP、フッ化ビニリデン:ヘキサフルオロピレン=95質量%:6質量%)25質量部及びSiO粒子(酸化物粒子、デンカ社製、商品名:溶融シリカSFP−20M、平均粒径0.4μm)10質量部を混合し、混合機を用いて10回転/分で10分間混合した。これに、さらに1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)をポリマ及び酸化物粒子の総量100質量部に対して150質量部加え、混合機を用いて15回転/分で20分間混合することによってバインダスラリを得た。バインダスラリにおいて、各成分が分散されていることは、粒ゲージ(グラインドメータ)を用いた粗粒の有無を観測することによって確認した。
<電解質スラリ組成物の調製>
上記バインダスラリに、セルロース繊維(ダイセルファインケム社製、商品名:セリッシュ、平均長さ50μm、平均繊維径0.1μm)0.4質量部及び1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)100質量部を混合して調製した分散液を添加し、混合機を用いて25回転/分で40分間混合した。次いで、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Li[FSI])とテトラグライムとを等モルで混合して調製した電解液64.6質量部を添加し、混合機を用いて40回転/分で20分間混合することによって電解質スラリ組成物を得た。
<電解質シート1の作製>
得られた電解質スラリ組成物に対して、電解質スラリ組成物中の固形分濃度が、電解質スラリ組成物の全量を基準として、30質量%となるように、1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)を加えて、粘度を調節した。この電解質スラリ組成物を、補強材としてのポリエチレンテレフタレートの長繊維シート(繊維量;5g/m、長繊維が一方向に配向している。)の上に、アプリケータを用いて塗布した。なお、長繊維シートからスラリの漏洩を防止するために、下地にポリイミドシート(支持フィルム)を用いた。
塗布された電解質スラリ組成物を80℃で1時間加熱乾燥することによって、溶媒を揮発させ、下地のポリイミドシートを引き剥がすことによって、補強材と一体になった電解質層を備える電解質シートを得た。電解質シートの厚さ(電解質層の厚さと同じ)は、40μmであった。
<電解質シート2の作製>
得られた電解質スラリ組成物に対して、電解質スラリ組成物中の固形分濃度が、電解質スラリ組成物の全量を基準として、30質量%となるように、1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)を加えて、粘度を調節した。この電解質スラリ組成物を、補強材としてのポリエチレンテレフタレートの長繊維シート(繊維量;10g/m、長繊維が一方向に配向している。)の上に、アプリケータを用いて塗布した。長繊維が配向する方向の引っ張り強度が高いことを利用し、アプリケータの移動方向は、長繊維の方向に一致させ、その方向に電解質スラリ組成物を拡げながら、長繊維シートに塗布した。なお、長繊維シートからスラリの漏洩を防止するために、下地にポリイミドシート(支持フィルム)を用いた。
塗布された電解質スラリ組成物を80℃で1時間加熱乾燥することによって、溶媒を揮発させ、下地のポリイミドシートを引き剥がすことによって、補強材と一体になった電解質層を備える電解質シートを得た。電解質シートの厚さ(電解質層の厚さと同じ)は、45μmであった。
<電解質シート3の作製>
得られた電解質スラリ組成物に対して、電解質スラリ組成物中の固形分濃度が、電解質スラリ組成物の全量を基準として、30質量%となるように、1−メチル−2−ピロリドン(溶媒)を加えて、粘度を調節した。この電解質スラリ組成物を、補強材としてのポリエチレンテレフタレートの長繊維シート(繊維量;20g/m、長繊維が一方向に配向している。)の上に、アプリケータを用いて塗布した。なお、長繊維シートからスラリの漏洩を防止するために、下地にポリイミドシート(支持フィルム)を用いた。
塗布された電解質スラリ組成物を80℃で1時間加熱乾燥することによって、溶媒を揮発させ、下地のポリイミドシートを引き剥がすことによって、補強材と一体になった電解質層を備える電解質シートを得た。電解質シートの厚さ(電解質層の厚さと同じ)は、50μmであった。
<正極の作製>
層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(正極活物質)78.5質量部、アセチレンブラック(導電剤、平均粒径48nm、製品名:HS−100、デンカ社製)5質量部、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ溶液(結着剤、固形分12質量%)2.5質量部、及びLi[TFSI](リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド)とテトラグライムの等モル溶液14質量部を混合して正極合剤スラリを調製した。この正極合剤スラリを集電体(厚さ20μmのアルミニウム箔)上に塗工量147g/mで塗工し、80℃で乾燥させることにより、合剤密度2.9g/cmの正極合剤層を形成した。これをφ16mmに打ち抜き、正極とした。
<負極の作製>
黒鉛A(負極活物質、日立化成株式会社製)78質量部、黒鉛B(負極活物質、日本黒鉛工業株式会社製)2.4質量部、炭素繊維(導電剤、製品名:VGCF−H、昭和電工株式会社製)0.6質量部、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ溶液(結着剤、固形分12質量%)5質量部、及びLi[TFSI](リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド)とテトラグライムの等モル溶液14質量部を混合して負極合剤スラリを調製した。この負極合剤スラリを集電体(厚さ10μmの銅箔)上に塗工量68g/mで塗工し、80℃で乾燥させることにより、合剤密度1.9g/cmの負極合剤層を形成した。これをφ16mmに打ち抜き、負極とした。
<評価用コイン型電池の作製>
まず、電解質シート1、2、3をそれぞれφ18mmに打ち抜いた。大きさは、正極及び負極よりも若干大きくすることにより、短絡を防止することができる。本実施例では、ポリエチレンテレフタレートからなる長繊維シートを用いたので、電解質シートの両面のうち長繊維シートが存在する面を正極に対面させ、電解質スラリ組成物を塗布した面を負極に対面させる。これにより、ポリエチレンテレフタレートの還元分解を抑制することができる。
正極、電解質シート及び負極を用い、以下のようにして評価用コイン型電池を作製した。まず、正極、電解質シート、負極の順に積層し、油圧プレスを用いて、この積層体をプレスした。プレス圧力は、積層体の断面積に対して、0.1から0.5MPaの範囲で選択することができ、本実施例では、0.2MPaとした。プレス前後で積層体の重量変化がないことから、電解質シートから電解液が外部へ漏洩していないことが確認された。また、積層時の荷重によって、電解液が電極の空隙に供給され、電池抵抗が小さくなることを、交流インピーダンス法によって確認した。
CR2016型のコインセル容器内に、正極、電解質シート及び負極をこの順に重ねて配置した後、絶縁性のガスケットを介して電池容器上部をかしめて密閉し、評価用コイン型電池を作製した。
<充放電特性の測定>
繊維量の異なる3種類の評価用コイン型電池を、室温(25℃)にて初回の充放電サイクル試験を実施した。初回の充放電サイクル試験の条件は以下の通りである。充電は、0.3mAの定電流にて電池電圧が4.2Vになるまで通電し、4.2Vに達した後、その電圧にて0.03mAになるまで電流を流し、このときの電気量を充電容量として測定した。次いで、0.3mAの定電流にて、電池電圧が2.7Vになるまで放電し、このときの電気量を放電容量として測定した。放電容量は、いずれの電池においても、4mAhであり、設計値通りであった。
次に、放電負荷特性試験を実施した。充電条件は前述の通りである。4.2Vにて充電した後、放電時の電流値を変化させて、放電負荷特性を評価した。結果を下表に示す。繊維量が少なく、電解質シートが薄いほど、大きな放電電流時に放電容量が大きくなる傾向があった。
Figure 2020205146
(実施例2)
実施例1と同じ条件で、電解質スラリ組成物を調製した。図6に示した形態で、電解質スラリ組成物を補強材の上に塗布した。補強材は、厚さ8μm、25μmの2種類のポリエチレン多孔質セパレータ(空隙率45%)である。得られた電解質スラリ組成物を用いて、実施例1と同様にして、電解質シートを作製した。ポリエチレン多孔質セパレータを補強材として使用する場合、実施例1と異なり、ポリエチレンが耐還元性を有しているため、セパレータ面を負極に対面させることができる。そして、評価用コイン型電池を作製し、実施例1と同様の評価を行った。電解質層の厚さは、ポリエチレン多孔質セパレータの厚さ順に、50μm、65μmであった。放電容量は、いずれの電池も4mAhであり、設計値通りであった。
(実施例3)
実施例1と同じ条件で、電解質スラリ組成物を調製した。図7に示した形態で、電解質スラリ組成物を補強材の上に配置した。補強材は、実施例1の長繊維シートと、実施例2のポリエチレン多孔質セパレータである。後者の上に前者を積層した後、電解質スラリ組成物を塗布した。乾燥後に得た電解質層の厚さは65μmであった。実施例2と同様にして、電解質シート及び評価用コイン型電池を作製し、実施例2と同様の評価を行った。充放電試験により得られた放電容量は、4mAhであり、設計値通りであった。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 二次電池
2、2A、2B 電極群
3 電池外装体
4 正極集電タブ
5 負極集電タブ
6 正極
7、7A、7B、7C 電解質シート
8 負極
9 正極集電体
10 正極合剤層
11 負極集電体
12 負極合剤層
14 支持フィルム
15 保護材
16 バイポーラ電極
17 バイポーラ電極集電体
20 電解質層
30 補強材
30A 長繊維シート
30B 多孔質セパレータ
50A、50B 電解質シート積層体

Claims (19)

  1. 補強材と、
    前記補強材の上に設けられた電解質層と、
    を備える電解質シートであって、
    前記電解質層が、
    ポリマと、
    酸化物粒子と、
    リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の電解質塩と、
    一般式(1):
    O−(CHCHO)−R (1)
    [式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
    で表される化合物と、
    を有し、
    前記補強材が、少なくとも一方向に沿って長繊維が配向した長繊維シート、多孔質セパレータ、又は前記長繊維シート及び前記多孔質セパレータの積層体である、前記電解質シート。
  2. 前記長繊維シートが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリアクリロニトリルからなる群より選択される樹脂からなる長繊維シートである請求項1に記載の電解質シート。
  3. 前記長繊維シートの重量が、3g/m〜10g/mである請求項1に記載の電解質シート。
  4. 前記多孔質セパレータの材質が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド又はセルロースである請求項1に記載の電解質シート。
  5. 前記多孔質セパレータの厚さが、5μm〜50μmである請求項1に記載の電解質シート。
  6. 前記多孔質セパレータの空隙率が、40〜95%である請求項1に記載の電解質シート。
  7. 前記ポリマが、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマを含む請求項1に記載の電解質シート。
  8. 前記酸化物粒子が、SiO、Al、AlOOH、MgO、CaO、ZrO、TiO、LiLaZr12及びBaTiOからなる群より選択される少なくとも1種の粒子である請求項1に記載の電解質シート。
  9. 前記酸化物粒子の平均粒径が、0.01μm〜10μmである請求項1に記載の電解質シート。
  10. 前記電解質層の厚さが、5μm〜100μmである請求項1に記載の電解質シート。
  11. ポリマ、酸化物粒子及び溶媒を混合してバインダスラリを得る工程と、
    リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の電解質塩、及び一般式(1):
    O−(CHCHO)−R (1)
    [式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、yは1〜6の整数を示す。]
    で表される化合物を混合して電解液を得る工程と、
    前記バインダスラリ及び前記電解液を混合して電解質スラリ組成物を得る工程と、
    前記電解質スラリ組成物を補強材の上に配置する工程と、
    配置された前記電解質スラリ組成物から前記溶媒を除去して前記補強材の上に電解質層を形成する工程と、
    を備える電解質シートの製造方法であって、
    前記補強材が、少なくとも一方向に沿って長繊維が配向した長繊維シート、多孔質セパレータ、又は前記長繊維シート及び前記多孔質セパレータの積層体である、前記電解質シートの製造方法。
  12. 前記長繊維シートが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリアクリロニトリルからなる群より選択される樹脂からなる長繊維シートである請求項11に記載の電解質シートの製造方法。
  13. 前記長繊維シートの重量が、3g/m〜10g/mである請求項11に記載の電解質シートの製造方法。
  14. 前記多孔質セパレータの材質が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド又はセルロースである請求項11に記載の電解質シートの製造方法。
  15. 前記多孔質セパレータの厚さが、5μm〜50μmである請求項11に記載の電解質シートの製造方法。
  16. 前記多孔質セパレータの空隙率が、40〜95%である請求項11に記載の電解質シートの製造方法。
  17. 前記電解質層の厚さが、5μm〜100μmである請求項11に記載の電解質シートの製造方法。
  18. 正極と、
    負極と、
    前記正極及び前記負極の間に配置される請求項1に記載の電解質シートと、
    を備える二次電池。
  19. 前記電解質シートにおける補強材が、少なくとも一方向に沿ってポリエチレンテレフタレートの長繊維が配向した長繊維シートである請求項18に記載の二次電池。
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