JP7446657B2 - 二次電池用電極、二次電池用電解質層及び二次電池 - Google Patents

二次電池用電極、二次電池用電解質層及び二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP7446657B2
JP7446657B2 JP2020512269A JP2020512269A JP7446657B2 JP 7446657 B2 JP7446657 B2 JP 7446657B2 JP 2020512269 A JP2020512269 A JP 2020512269A JP 2020512269 A JP2020512269 A JP 2020512269A JP 7446657 B2 JP7446657 B2 JP 7446657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
lithium salt
positive electrode
electrolyte
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020512269A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019194196A1 (ja
Inventor
由磨 五行
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LG Energy Solution Ltd
Original Assignee
LG Energy Solution Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LG Energy Solution Ltd filed Critical LG Energy Solution Ltd
Publication of JPWO2019194196A1 publication Critical patent/JPWO2019194196A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7446657B2 publication Critical patent/JP7446657B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • H01M10/0568Liquid materials characterised by the solutes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • H01M10/0569Liquid materials characterised by the solvents
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、二次電池用電極、二次電池用電解質層及び二次電池に関する。
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の普及により、高性能な二次電池が必要とされている。中でもリチウム二次電池は、高いエネルギ密度を有するため、電気自動車用電池、電力貯蔵用電池等の電源として注目されている。具体的には、電気自動車用電池としてのリチウム二次電池は、エンジンを搭載しないゼロエミッション電気自動車、エンジン及び二次電池の両方を搭載したハイブリッド電気自動車、電力系統から直接充電させるプラグイン・ハイブリッド電気自動車等の電気自動車に採用されている。また、電力貯蔵用電池としてのリチウム二次電池は、電力系統が遮断された非常時に、予め貯蔵しておいた電力を供給する定置式電力貯蔵システム等に用いられている。
このような広範な用途に使用するために、より高いエネルギ密度のリチウム二次電池が求められており、その開発がなされている。特に、電気自動車用のリチウム二次電池には、高い入出力特性及び高いエネルギ密度に加えて、高い安全性が要求されるため、安全性を確保するためのより高度な技術が求められている。
従来、リチウム二次電池の安全性を向上させる方法として、難燃剤の添加により電解液を難燃化する方法、電解液に難燃性のイオン液体を用いる方法、電解液をポリマ電解質又はゲル電解質へ変更する方法等が知られている。例えば特許文献1には、ピロリジニウムカチオン等を有するイオン液体を用いたリチウムイオン二次電池が開示されている。
特開2013-331918号公報
イオン液体は、従来のリチウム二次電池に使用されている有機電解液と同等のイオン導電率を有するため、有機電解液をイオン液体へ変更することにより、電池性能を悪化させずに、遊離する電解液量を減少させることで電解質の燃焼を抑制し得る。しかしながら、イオン液体を電解液として用いた場合であっても、より高性能なリチウム二次電池、例えば、初期の放電容量(初期容量)が設計容量にできる限り近い、いわゆる初期特性の高いリチウム二次電池、1C充電等の急速充電を行った場合に所定の電圧値まで充電が可能な、いわゆる充電特性に優れるリチウム二次電池などを得るためには、更なる改善の余地がある。
本発明は、二次電池の初期特性及び充電特性を向上させることができる二次電池用電極、二次電池用電解質層、並びに初期特性及び充電特性に優れた二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、第1の態様として、電極集電体と、電極集電体上に設けられた電極合剤層と、を備え、電極合剤層が、イオン液体と、電解質塩と、を含有し、電解質塩が、イミド系リチウム塩である第1のリチウム塩及び第1のリチウム塩とは異なる第2のリチウム塩を含む、二次電池用電極を提供する。
第1のリチウム塩のアニオン成分は、好ましくは、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
第2のリチウム塩のアニオン成分は、好ましくは、ヘキサフルオロホスフェートアニオン及びビスオキサレートボラートアニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
第1のリチウム塩の含有量は、第1のリチウム塩の含有量と第2のリチウム塩の含有量との合計100質量部に対して、好ましくは50質量部以上である。
イオン液体は、好ましくは、カチオン成分として、鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、アニオン成分として、下記一般式(1)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含有する。
N(SO2m+1)(SO2n+1 (1)
[m及びnは、それぞれ独立に0~5の整数を表す。]
本発明は第2の態様として、イオン液体と、電解質塩と、を含有し、電解質塩が、イミド系リチウム塩である第1のリチウム塩及び第1のリチウム塩とは異なる第2のリチウム塩を含む、二次電池用電解質層を提供する。
本発明は第3の態様として、正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質層と、を備える二次電池であって、正極及び負極の少なくとも一方が、上述した第1の態様に係る電極である、二次電池を提供する。
本発明は第4の態様として、正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質層と、を備える二次電池であって、電解質層が、上述した第2の態様に係る電解質層である、二次電池を提供する。
本発明は第5の態様として、正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質層と、を備える二次電池であって、正極及び負極の少なくとも一方が、上述した第1の態様に係る電極であり、電解質層が、上述した第2の態様に係る電解質層である、二次電池を提供する。
本発明によれば、二次電池の初期特性及び充電特性を向上させることができる二次電池用電極、二次電池用電解質層、並びに初期特性及び充電特性に優れた二次電池を提供することができる。
本実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。 図1に示した二次電池における電極群の一実施形態を示す分解斜視図である。 第2実施形態に係る二次電池の電極群を示す分解斜視図である。 (a)は図3に示した二次電池における一実施形態に係る二次電池用電池部材を示す模式断面図、(b)は図3に示した二次電池における他の実施形態に係る二次電池用電池部材を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲は、本発明を制限するものではない。本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載される数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図1に示すように、二次電池1は、正極、負極及び電解質層(二次電池用電解質層)から構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。正極及び負極には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極及び負極が二次電池1の外部と電気的に接続可能なように、電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
電池外装体3は、例えばラミネートフィルムで形成されていてよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであってよい。
図2は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す分解斜視図である。図2に示すように、本実施形態に係る電極群2Aは、正極6と、電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。正極6は、正極集電体9と、正極集電体9上に設けられた正極合剤層10とを備えている。正極集電体9には、正極集電タブ4が設けられている。負極8は、負極集電体11と、負極集電体11上に設けられた負極合剤層12とを備えている。負極集電体11には、負極集電タブ5が設けられている。以下、正極又は負極を電極(二次電池用電極)ということがある。すなわち、電極は、電極集電体と、電極集電体上に設けられた電極合剤層とを備えており、電極集電体には、電極集電タブが備えられているということもできる。
負極集電体11は、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属、それらの合金などであってよい。負極集電体11は、軽量で高い重量エネルギ密度を有するため、好ましくはアルミニウム又はその合金である。負極集電体11は、薄膜への加工のしやすさ及びコストの観点から、好ましくは銅である。負極集電体11は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
負極集電体11の厚さは、10μm以上100μm以下であってよく、負極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率で負極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
負極合剤層12は、一実施形態において、イオン液体と、電解質塩と、を含有する。
負極合剤層12に含まれるイオン液体は、以下のアニオン成分及びカチオン成分を含有する。なお、本実施形態におけるイオン液体は、-20℃以上で液状の物質である。
イオン液体のアニオン成分は、特に限定されないが、Cl、Br、I等のハロゲンのアニオン、BF 、N(SOF) 等の無機アニオン、B(C 、CHSO、CFSO、N(SO 、N(SOCF 、N(SO 等の有機アニオンなどであってよい。イオン液体のアニオン成分は、好ましくは、下記一般式(1)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含有する。
N(SO2m+1)(SO2n+1 (1)
m及びnは、それぞれ独立に0~5の整数を表す。m及びnは、互いに同一でも異なっていてもよく、好ましくは互いに同一である。
式(1)で表されるアニオン成分は、例えば、N(SO 、N(SOF) 、N(SOCF 及びN(SO である。イオン液体のアニオン成分は、比較的低粘度でイオン伝導度を更に向上させるとともに、充放電特性も更に向上させる観点から、より好ましくは、N(SO 、CFSO、N(SOF) 、N(SOCF 、及びN(SO からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、更に好ましくはN(SOF) を含有する。
なお、以下では下記の略称を用いる場合がある。
[FSI]:N(SOF) 、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:N(SOCF 、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[BOB]:B(O 、ビスオキサレートボラートアニオン
[f3C]:C(SOF) 、トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
負極合剤層12に含まれるイオン液体のカチオン成分は、好ましくは鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
鎖状四級オニウムカチオンは、例えば、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 0007446657000001
[式(2)中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が1~20の鎖状アルキル基、又はR-O-(CH-で表される鎖状アルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)を表し、Xは、窒素原子又はリン原子を表す。R~Rで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。]
ピペリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(3)で表される、窒素を含有する六員環環状化合物である。
Figure 0007446657000002
[式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、又はR-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。]
ピロリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(4)で表される五員環環状化合物である。
Figure 0007446657000003
[式(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、又はR-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。]
ピリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(5)で表される化合物である。
Figure 0007446657000004
[式(5)中、R~R13は、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、R-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R~R13で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。]
イミダゾリウムカチオンは、例えば、一般式(6)で表される化合物である。
Figure 0007446657000005
[式(6)中、R14~R18は、それぞれ独立に、炭素数が1~20のアルキル基、R-O-(CH-で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1~4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R14~R18で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。]
負極合剤層12に含まれるイオン液体は、上述したアニオン成分及びカチオン成分のいずれかを含んでいればよいが、好ましくは、アニオン成分として、N(SOF) を含み、カチオン成分として、イミダゾリウムカチオン及び/又はピロリジニウムカチオンを含む。このようなイオン液体は、例えば、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMI-FSI)及びN-メチル-N-プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Py13-FSI)である。
負極合剤層12に含まれるイオン液体の含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。負極合剤層12に含まれるイオン液体の含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
負極合剤層12に含まれる電解質塩は、一実施形態において、イミド系リチウム塩である第1のリチウム塩及び第1のリチウム塩とは異なる第2のリチウム塩を含むことが好ましい。
本発明者等は、負極合剤層に電解質塩として上記第1のリチウム塩及び第2のリチウム塩を適用した場合、二次電池の初期特性及び充電特性を向上させることができることを明らかにした。このような効果が得られる理由として、本発明者等は以下のように推察している。まず、負極合剤層に電解質塩として上記第1のリチウム塩及び第2のリチウム塩を適用することによって、負極表面に安定な被膜が形成される。これにより、イオン液体やリチウム塩の還元分解などの副反応が抑制され、クーロン効率が高まることで、初期特性が向上すると推察している。
また、従来のリチウム二次電池において、大電流(たとえば1C)で充電した際、充電が完了しない原因は、イオン液体のカチオン成分が負極に挿入される副反応が進行するためと考えられる。これに対し、負極合剤層に電解質塩として上記第1のリチウム塩及び第2のリチウム塩を適用することによって、負極表面に良好な被膜が形成され、被膜が負極へのカチオン成分の挿入を抑制すると推察している。
第1のリチウム塩としてのイミド系リチウム塩は、アニオン成分中にイミド結合を有するリチウム塩である。イミド結合を有するアニオン成分としては、例えば、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン([FSI])、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン([TFSI])、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(N(SO )等が挙げられ、中でも当該アニオン成分は、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
第1のリチウム塩は、Li[FSI]、Li[TFSI]及びLiN(SOからなる群より選ばれる少なくとも1種であってよく、好ましくは、Li[FSI]、Li[TFSI]からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
第2のリチウム塩は、上記第1のリチウム塩とは異なるリチウム塩であれば特に制限はない。第2のリチウム塩のアニオン成分としては、例えば、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、BF(CF、BF(C、PF 、ClO 、SbF 、B(C 、B(O 、C(SOF) 、C(SOCF 、CFCOO、CFSO、CSO、B(O 等であってよい。第2のリチウム塩のアニオン成分は、好ましくは、ヘキサフルオロホスフェートアニオン(PF )及びビスオキサレートボラートアニオン(BOB)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
第2のリチウム塩は、LiPF、LiBF、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO、LiBF(CF)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiC(SOCF、LiCFSOO、LiCFCOO、及びLiRCOO(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよく、好ましくは、LiPF及びLi[BOB]からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
負極合剤層12は、上述した第1のリチウム塩及び第2のリチウム塩以外の電解質塩(その他の電解質塩)を更に含んでいてもよい。
その他の電解質塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
ナトリウム塩は、NaPF、NaBF、Na[FSI]、Na[TFSI]、Na[f3C]、Na[BOB]、NaClO、NaBF(CF)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaC(SOCF、NaCFSOO、NaCFCOO、及びNaRCOO(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
カルシウム塩は、Ca(PF、Ca(BF、Ca[FSI]、Ca[TFSI]、Ca[f3C]、Ca[BOB]、Ca(ClO、Ca[BF(CF)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[C(SOCF、Ca(CFSOO)、Ca(CFCOO)、及びCa(RCOO)(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
マグネシウム塩は、Mg(PF、Mg(BF、Mg[FSI]、Mg[TFSI]、Mg[f3C]、Mg[BOB]、Na(ClO、Mg[BF(CF)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[C(SOCF、Mg(CFSO、Mg(CFCOO)、及びMg(RCOO)(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
負極合剤層12に含まれる電解質塩は、イオン液体に溶解されて含有されていてよい。負極合剤層12に含まれる、電解質塩とイオン液体との合計の含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
負極合剤層12に含まれるイオン液体の単位体積あたりの電解質塩の濃度は、放電特性を向上させる観点から、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは0.7mol/L以上、更に好ましくは0.8mol/L以上であり、また、好ましくは3.0mol/L以下、より好ましくは2.8mol/L以下、更に好ましくは2.5mol/L以下である。
電解質塩における第1のリチウム塩の含有量は、初期特性を更に向上させる観点から、第1のリチウム塩の含有量と第2のリチウム塩の含有量との合計100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは70質量部以上、更に好ましくは90質量部以上である。第1のリチウム塩の含有量は、第1のリチウム塩の含有量と第2のリチウム塩の含有量との合計100質量部に対して、99.5質量部以下、又は99.0質量部以下であってよい。
負極合剤層12は、負極活物質、導電材、結着剤等の他の成分を含んでいてもよい。
負極活物質としては、エネルギーデバイスの分野で常用されるものを使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、チタン酸リチウム(LiTi12)、リチウム合金又はその他の金属化合物、炭素材料、金属錯体、有機高分子化合物等が挙げられる。炭素材料としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、非晶質炭素、炭素繊維、及びアセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。負極活物質は、より大きな理論容量(例えば500~1500Ah/kg)を得る観点から、シリコン、スズ又はこれらの元素を含む化合物(酸化物、窒化物、他の金属との合金)であってもよい。
負極合剤層12に含まれる負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であってよい。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
導電材は、特に制限されないが、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素材料などであってよい。導電材は、上述した炭素材料の2種以上の混合物であってもよい。
負極合剤層12に含まれる導電材の含有量は、負極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
結着剤は、特に限定されないが、4フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種をモノマ単位として含有するポリマ、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム等のゴムなどであってよい。結着剤は、好ましくはポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレンとフッ化ビニリデンとを構造単位として含有するコポリマ、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを構造単位として含有するコポリマである。
結着剤の含有量は、負極合剤層全量を基準として、0.5質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよい。結着剤の含有量は、負極合剤層全量を基準として、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
負極合剤層12は、更に下記一般式(A)で表される構造単位を有するポリマを含んでいてもよい。
Figure 0007446657000006
一般式(A)中、Yは対アニオンを示す。ここで、Yとしては、例えば、BF (テトラフルオロボラートアニオン)、PF (ヘキサフルオロホスフェートアニオン)、N(FSO (ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、[FSI])、N(CFSO (ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、[TFSI])、C(SOF) (トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン、[f3C])、B(C (ビスオキサレートボラートアニオン、[BOB])、BF(CF、BF(C、BF(C、BF(C、C(SOCF 、CFSO、CFCOO、RCOO(Rは、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)等が挙げられる。これらの中でも、Yは、好ましくはBF 、PF 、[FSI]、[TFSI]及び[f3C]からなる群より選ばれる少なくとも1種、より好ましくは[TFSI]である。
一般式(A)で表される構造単位を有するポリマの粘度平均分子量Mv(g・mol-1)は、特に制限されないが、1.0×10以上、又は1.0×10以上であってよい。また、ポリマの粘度平均分子量は、5.0×10以下、又は1.0×10であってよい。
本明細書において、「粘度平均分子量」とは、一般的な測定方法である粘度法によって評価することができ、例えば、JIS K 7367-3:1999に基づいて測定した極限粘度数[η]から算出することができる。
一般式(A)で表される構造単位を有するポリマは、イオン伝導性の観点から、一般式(A)で表される構造単位のみからなるポリマ、すなわちホモポリマであることが好ましい。
一般式(A)で表される構造単位を有するポリマは、下記一般式(B)で表されるポリマであってもよい。
Figure 0007446657000007
一般式(B)中、nは300~4000であり、Zは対アニオンを示す。Zは、Yで例示したものと同様のものを用いることができる。
nは、300以上、400以上、又は500以上である。nは、4000以下、3500以下、又は3000以下である。また、nは、300~4000、400~3500、又は500~3000である。
一般式(A)で表される構造単位を有するポリマの製造方法は、特に制限されないが、例えば、Journal of Power Sources 2009,188,558-563に記載の製造方法を用いることができる。
一般式(A)で表される構造単位を有するポリマの含有量は、特に制限されないが、負極合剤層全量を基準として、例えば0.5質量%以上である。また、当該ポリマの含有量は、負極合剤層全量を基準として、例えば25質量%以下である。
負極合剤層12の厚さは、エネルギ密度を更に向上させる観点から、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよい。負極合剤層12の厚さは、60μm以下、55μm以下、又は50μm以下であってよい。負極合剤層の厚さを50μm以下とすることにより、負極合剤層12の表面近傍及び負極集電体11の表面近傍の塩濃度のばらつきに起因する充放電特性の低下を抑制できる。
電解質層7は、イオン液体と、電解質塩と含んでいてもよく、一実施形態において、電解質層7は、1種又は2種以上のポリマと、酸化物粒子と、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、イオン液体と、を含有することが好ましい。
1種又は2種以上のポリマは、好ましくは、4フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1の構造単位を有する。
1種又は2種以上のポリマは、好ましくは、上記第1の構造単位と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる第2の構造単位とが含まれていてもよい。すなわち、第1の構造単位及び第2の構造単位は、1種のポリマに含まれてコポリマを構成していてもよく、それぞれ別のポリマに含まれて、第1の構造単位を有する第1のポリマと、第2の構造単位を有する第2のポリマとの少なくとも2種のポリマを構成していてもよい。
ポリマは、具体的には、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ等であってよい。
1種又は2種以上のポリマの含有量は、電解質層全量を基準として、好ましくは3質量%以上である。ポリマの含有量は、電解質層全量を基準として、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下である。
酸化物粒子は、例えば無機酸化物の粒子である。無機酸化物は、例えば、Li、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Zr、La、Na、K、Ba、Sr、V、Nb、B、Ge等を構成元素として含む無機酸化物であってよい。酸化物粒子は、好ましくは、SiO、Al、AlOOH、MgO、CaO、ZrO、TiO、LiLaZr12、及びBaTiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子である。酸化物粒子は極性を有するため、電解質層7中の電解質の解離を促進し、電池特性を高めることができる。
酸化物粒子は、希土類金属の酸化物であってもよい。酸化物粒子は、具体的には、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロビウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等であってよい。
酸化物粒子の比表面積は、2~400m/gであり、5~100m/g、10~80m/g、又は15~60m/gであってもよい。比表面積が2~400m/gであると、このような酸化物粒子を含有する電解質組成物を用いた二次電池は、放電特性に優れる傾向にある。酸化物粒子の比表面積は、一次粒子及び二次粒子を含む酸化物粒子全体の比表面積を意味し、BET法によって測定される。
酸化物粒子の平均一次粒径(一次粒子の平均粒径)は、導電率を更に向上させる観点から、好ましくは0.005μm(5nm)以上であり、より好ましくは0.01μm(10nm)以上であり、更に好ましくは0.015μm(15nm)以上である。酸化物粒子の平均一次粒径は、電解質層7を薄くする観点から、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.1μm以下であり、更に好ましくは0.05μm以下である。酸化物粒子の平均一次粒径は、酸化物粒子を透過型電子顕微鏡等によって観察することによって測定できる。
酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm以上であり、より好ましくは0.01μm以上であり、更に好ましくは0.03μm以上である。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは3μm以下であり、更に好ましくは1μm以下である。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm以上5μm以下、0.005μm以上3μm以下、0.005μm以上1μm以下、0.01μm以上5μm以下、0.01μm以上3μm以下、0.01μm以上1μm以下、0.03μm以上5μm以下、0.03μm以上3μm以下、又は0.03μm以上1μm以下である。
酸化物粒子の含有量は、電解質層全量を基準として、5質量%以上、10質量%以上、又は15質量%以上であってよい。酸化物粒子の含有量は、電解質層全量を基準として、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下であってよい。
イオン液体は、上述した負極合剤層12に使用できるイオン液体と同様であってよい。電解質層7に含まれるイオン液体は、好ましくは、アニオン成分としてN(SOCF 、を含み、カチオン成分として、鎖状四級オニウムカチオンを含むイオン液体である。電解質層7に含まれるイオン液体は、例えば、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DEME-TFSI)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMI-FSI)及びN-メチル-N-プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Py13-FSI)である。
電解質層7に含まれるイオン液体の含有量は、電解質層7を好適に作製する観点から、電解質層全量を基準として、10質量%以上であってよく、80質量%以下であってよい。
電解質層7に含まれる電解質塩は、特に制限されず、上述した負極合剤層12に使用できる電解質塩と同様に、イミド系リチウム塩である第1のリチウム塩及び第1のリチウム塩とは異なる第2のリチウム塩であってよく、イオン液体に溶解されて含有されていてよい。また電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。電解質層7に含まれる電解質塩の種類及び含有量は、上述した負極合剤層12に使用できる電解質塩と同様であってよい。
電解質層7に含まれる電解質塩は、好ましくは、イミド系リチウム塩、イミド系ナトリウム塩、イミド系カルシウム塩、及びイミド系マグネシウム塩からなる群より選ばれる1種であるが、より好ましくは、上記負極合剤層12に使用できる第1のリチウム塩及び第2のリチウム塩である。
イミド系リチウム塩は、Li[TFSI]、Li[FSI]等であってよい。イミド系ナトリウム塩は、Na[TFSI]、Na[FSI]等であってよい。イミド系カルシウム塩は、Ca[TFSI]、Ca[FSI]等であってよい。イミド系マグネシウム塩は、Mg[TFSI]、Mg[FSI]等であってよい。
電解質層7に含まれる電解質塩とイオン液体との合計の含有量は、導電率を更に向上させ、二次電池の容量低下を抑制する観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上であり、更に好ましくは40質量%以上である。電解質塩とイオン液体との合計の含有量は、電解質層の強度低下を抑制する観点から、電解質層全量を基準として、好ましくは80質量%以下である。
電解質層7に含まれるイオン液体の単位体積あたりの電解質塩の濃度は、充放電特性を更に向上させる観点から、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは0.7mol/L以上、更に好ましくは0.8mol/L以上であり、また、好ましくは3.0mol/L以下、より好ましくは2.8mol/L以下、更に好ましくは2.5mol/L以下である。
電解質層7の厚さは、強度を高め安全性を向上させる観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。電解質層7の厚さは、二次電池の内部抵抗を更に低減させる観点及び大電流特性を更に向上させる観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
他の実施形態において、電解質層7は、固体電解質と、電解質塩と、溶融塩と、を含有する電解質組成物から形成することができる。
固体電解質としては、例えば、ポリマ電解質、無機固体電解質等が挙げられる。ポリマ電解質及び無機固体電解質は、特に限定されず、通常のイオン電池用のポリマ電解質及び無機固体電解質として使用されるものを用いることができる。
上述した一般式(A)で表される構造単位を有するポリマは、ポリマ電解質としての性質を有し得る。そのため、当該ポリマは、ポリマ電解質として好適に用いることができる。
無機固体電解質は、LiLaZr12(LLZ)等であってもよい。
電解質塩は、上述した負極合剤層に含有され得る電解質塩と同様のものであってもよい。溶融塩は、例えば上述した負極合剤層に含有されるイオン液体と同様のものを使用してもよく、柔粘性結晶(プラスチッククリスタル)を使用してもよい。
電解質組成物は、必要に応じて、シリカ、アルミナ等の酸化物の粒子又はファイバー、ホウ酸エステル、アルミン酸エステル等のリチウム塩解離能を有する添加剤などを更に含有していてもよい。
正極集電体9は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていてよい。正極集電体9は、具体的には、例えば孔径0.1~10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。正極集電体9は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
正極集電体9の厚さは、10μm以上100μm以下であってよく、正極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率で正極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
正極合剤層10は、一実施形態において、正極活物質を含有してもよい。
正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、例えば、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等に含有されるMn、Ni、Co等の遷移金属の一部を、1種若しくは2種以上の他の遷移金属、又はMg、Al等の金属元素(典型元素)で置換したリチウム遷移金属酸化物であってもよい。すなわち、リチウム遷移金属酸化物は、LiM又はLiM(Mは少なくとも1種の遷移金属を含む)で表される化合物であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、具体的には、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/2Mn3/2等であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、エネルギ密度を更に向上させる観点から、好ましくは下記式(7)で表される化合物である。
LiNiCo 2+e (7)
[式(7)中、Mは、Al、Mn、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c、d及びeは、それぞれ0.2≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.2、-0.2≦e≦0.2、かつb+c+d=1を満たす数である。]
リチウム遷移金属リン酸塩は、LiFePO、LiMnPO、LiMn 1-xPO(0.3≦x≦1、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である)等であってよい。
正極活物質は、造粒されていない一次粒子であってもよく、造粒された二次粒子であってもよい。
正極活物質の粒径は、正極合剤層10の厚さ以下になるように調整される。正極活物質中に正極合剤層10の厚さ以上の粒径を有する粗粒子がある場合、ふるい分級、風流分級等により粗粒子を予め除去し、正極合剤層10の厚さ以下の粒径を有する正極活物質を選別する。
正極活物質の平均粒径は、0.1μm以上、より好ましくは1μm以上である。正極活物質の平均粒径は、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。正極活物質の平均粒径は、正極活物質全体の体積に対する比率(体積分率)が50%のときの粒径(D50)である。正極活物質の平均粒径(D50)は、レーザー散乱型粒径測定装置(例えば、マイクロトラック)を用いて、レーザー散乱法により水中に正極活物質を懸濁させた懸濁液を測定することで得られる。
正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってよい。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、99質量%以下であってよい。
正極合剤層10は、イオン液体と、電解質塩と、導電材と、結着剤と、ポリマとを更に含有してもよい。
正極合剤層10に含まれるイオン液体、電解質塩、ポリマの種類及びその含有量は、上述した負極合剤層12におけるイオン液体、電解質塩の種類及びその含有量と同様であってよい。
正極合剤層10に含まれる導電材は、特に限定されないが、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素材料などであってよい。導電材は、上述した炭素材料の2種以上の混合物であってもよい。
正極合剤層10に含まれる導電材の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
正極合剤層10は、上述した負極合剤層12に使用できる結着剤と同様の結着剤を更に含有してもよい。正極合剤層10に含まれる結着剤の含有量は、上述した負極合剤層12における結着剤の含有量と同様であってよい。
正極合剤層10の厚さは、エネルギ密度を更に向上させる観点から、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよい。正極合剤層10の厚さは、100μm以下、80μm以下、又は70μm以下であってよい。正極合剤層の厚さを100μm以下とすることにより、正極合剤層10の表面近傍及び正極集電体9の表面近傍の塩濃度のばらつきに起因する充放電特性の低下を抑制できる。
続いて、上述した二次電池1の製造方法について説明する。二次電池1の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、正極6と負極8との間に電解質層7を設ける第3の工程と、を有する。
第1の工程では、正極6は、例えば、正極合剤層に用いる材料を分散媒に分散させてスラリ状の正極合剤を得たのち、この正極合剤を正極集電体9に塗布してから分散媒を揮発させることにより得られる。分散媒は、好ましくはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の有機溶剤である。正極合剤層10に含まれる電解質塩は、イオン液体に溶解させてから、他の材料とともに分散媒に分散させることができる。
正極合剤層10における正極活物質、導電材、結着剤、及び電解質塩を溶解したイオン液体の混合比は、例えば、正極活物質:導電材:結着剤:電解質塩を溶解したイオン液体=69~82:0.1~10:5~12:10~17(質量比)であってよい。ただし、必ずしもこの範囲に限定されない。
第2の工程では、負極8は、上述した正極6と同様の方法で得られる。すなわち、負極合剤層12に用いる材料を分散媒に分散させてスラリ状の負極合剤を得たのち、この負極合剤を負極集電体11に塗布してから分散媒を揮発させることにより得られる。
負極合剤層12における負極活物質、導電材、結着剤、及び電解質塩を溶解したイオン液体の混合比は、例えば、負極活物質:導電材:結着剤:電解質塩を溶解したイオン液体=70~80:0.1~10:5~10:10~17(質量比)であってよい。ただし、必ずしもこの範囲に限定されない。
第3の工程では、一実施形態において、電解質層7は、電解質層7に用いる材料を分散媒に分散させてスラリ状の電解質組成物を得た後、これを基材上に塗布してから分散媒を揮発させることによってシート状の電解質層(電解質シート)として得られる。分散媒は、好ましくは水、NMP、トルエン等である。この場合、第3の工程では、正極6、電解質層7及び負極8を、例えばラミネートにより積層することで二次電池1が得られる。このとき、電解質層7が、正極6の正極合剤層10側かつ負極8の負極合剤層12側に位置するように、すなわち、正極集電体9、正極合剤層10、電解質層7、負極合剤層12及び負極集電体11がこの順で配置されるように積層する。
第3の工程では、他の実施形態において、電解質層7は、正極6の正極合剤層10側及び負極8の負極合剤層12側の少なくともいずれか一方に塗布により形成され、好ましくは正極6の正極合剤層10側及び負極8の負極合剤層12側の両方に塗布により形成される。この場合、例えば、電解質層7が設けられた負極8と、電解質層7が設けられた正極6とを、電解質層7同士が接するように積層することで、二次電池1が得られる。
負極合剤層12上に電解質層7を形成する方法は、例えば、電解質層7に用いる材料を分散媒に分散させてスラリ状の電解質組成物を得たのち、この電解質組成物を負極合剤層12上にアプリケータを用いて塗布する方法である。分散媒は、好ましくはNMP等の有機溶剤である。
正極合剤層10に電解質層7を形成する方法は、負極合剤層12に電解質層7を形成する方法と同様の方法であってよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る二次電池について説明する。図3は、第2実施形態に係る二次電池の電極群を示す分解斜視図である。図3に示すように、第2実施形態における二次電池が第1実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、バイポーラ電極15を備えている点である。すなわち、電極群2Bは、正極6と、第1の電解質層7と、バイポーラ電極15と、第2の電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。
バイポーラ電極15は、バイポーラ電極集電体16と、バイポーラ電極集電体16の負極8側の面(正極面)に設けられた正極合剤層10と、バイポーラ電極集電体16の正極6側の面(負極面)に設けられた負極合剤層12とを備えている。すなわち、バイポーラ電極15は正極の機能と負極の機能とを併せ持っていることから、第2実施形態における電極群2Bには、正極6及び負極8に加えて、バイポーラ電極集電体16及びバイポーラ電極集電体16上に設けられた正極合剤層10を備えるもう一つの正極と、バイポーラ電極集電体16及びバイポーラ電極集電体16上に設けられた負極合剤層12を備えるもう一つ負極とが含まれていると見ることができる。
一実施形態において、バイポーラ電極15は、バイポーラ電極集電体16と、バイポーラ電極集電体16上に設けられた負極合剤層12とを含む二次電池用電池部材と見ることができる。図4(a)は、一実施形態に係る二次電池用電池部材を示す模式断面図である。図4(a)に示すように、この電池部材17は、バイポーラ電極集電体16と、バイポーラ電極集電体16の一方の面上に設けられた正極合剤層10と、正極合剤層10上におけるバイポーラ電極集電体16と反対側に設けられた負極合剤層12と、を備える電池部材である。
バイポーラ電極集電体16において、正極面は、好ましくは耐酸化性に優れた材料で形成されていてよく、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていてよい。負極活物質として黒鉛又は合金を用いたバイポーラ電極集電体16における負極面は、リチウムと合金を形成しない材料で形成されていてよく、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、チタン等で形成されていてよい。正極面と負極面に異種の金属を用いる場合、バイポーラ電極集電体16は、異種金属箔を積層させたクラッド材であってよい。ただし、チタン酸リチウムのように、リチウムと合金を形成しない電位で動作する負極8を用いる場合、上述の制限はなくなり、負極面は、正極集電体9と同様の材料であってよい。その場合、バイポーラ電極集電体16は、単一の金属箔であってよい。単一の金属箔としてのバイポーラ電極集電体16は、孔径0.1~10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。バイポーラ電極集電体16は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
バイポーラ電極集電体16の厚さは、10μm以上100μm以下であってよく、バイポーラ電極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、電池を形成する際に小さな曲率でバイポーラ電極を捲回する観点から、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
電池部材17における負極合剤層12は、上述した第1実施形態における負極合剤層12と同様の材料で構成されていてよい。
他の実施形態において、電極群2Bには、第1の電解質層7と、バイポーラ電極15と、第2の電解質層7とをこの順に備える電池部材が含まれていると見ることもできる。図4(b)は、他の実施形態に係る二次電池用電池部材を示す模式断面図である。図4(b)に示すように、この電池部材18は、バイポーラ電極集電体16と、バイポーラ電極集電体16の一方の面上に設けられた正極合剤層10と、正極合剤層10上におけるバイポーラ電極集電体16と反対側に設けられた第2の電解質層7と、バイポーラ電極集電体16の他方の面上に設けられた負極合剤層12と、負極合剤層12上におけるバイポーラ電極集電体16と反対側に設けられた第1の電解質層7と、を備えている。
電池部材18におけるバイポーラ電極集電体16、正極合剤層10、及び負極合剤層12は、上述した電池部材17におけるバイポーラ電極集電体16、正極合剤層10、及び負極合剤層12と同様の材料で構成されていてよい。
電池部材18における第1の電解質層7及び第2の電解質層7は、上述した第1実施形態における電解質層7と同様の材料で構成されていてよい。第1の電解質層7と第2の電解質層7とは、互いに同種であっても異種であってもよく、好ましくは互いに同種である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[電極の作製]
<正極の作製>
層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(正極活物質)78.5質量部、アセチレンブラック(導電材、製品名:HS-100、平均粒径48nm、デンカ株式会社製)5質量部、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ溶液(固形分12質量%)2.5質量部と、イオン液体であるN-メチル-N-プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Py13-FSI)に電解質塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(第1のリチウム塩、Li[FSI])とリチウムヘキサフルオロホスフェート(第2のリチウム塩、LiPF)とを1:1の質量比で溶解させたイオン液体(イオン液体における電解質塩の濃度:1.5M)を14質量部と、を混合して正極合剤スラリを調製した。この正極合剤スラリを正極集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)上に塗工量125g/mで塗工し、80℃で加熱して乾燥させることにより、合剤密度2.7g/cmの正極合剤層を形成した。これを幅30mm、長さ45mmに切断して正極板とし、図2に示すようにこの正極板に正極集電タブを取り付けた。
<負極の作製>
黒鉛1(負極活物質、日立化成株式会社製)78質量部、黒鉛2(負極活物質、日本黒鉛工業株式会社製)2.4質量部、炭素繊維(導電材、製品名:VGCF-H、昭和電工株式会社製)0.6質量部、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマ溶液(固形分12質量%)5質量部、イオン液体であるPy13-FSIに電解質塩としてLi[FSI](第1のリチウム塩)とLiPF(第2のリチウム塩)とを1:1の質量比で溶解させたイオン液体(イオン液体における電解質塩の濃度:1.5M)14質量部を混合して負極合剤スラリを調製した。この負極合剤スラリを負極集電体(厚さ10μmの銅箔)上に塗工量60g/mで塗工し、80℃で加熱して乾燥させることにより、合剤密度1.8g/cmの負極合剤層を形成した。これを幅31mm、長さ46mmに切断して負極板とし、図2に示すようにこの負極板に負極集電タブを取り付けた。
[電解質シートの作製]
第1の構造単位であるフッ化ビニリデンと第2の構造単位であるヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ(第2の構造単位の含有量に対する第1の構造単位の含有量の質量比=95/5。以下、PVDF-HFPとも称する。)を21質量%と、酸化物粒子であるSiO粒子(平均粒径0.1μm)を14質量%と、イオン液体であるPy13-FSIに電解質塩としてLi[FSI](第1のリチウム塩)とLiPF(第2のリチウム塩)とを1:1の質量比で溶解させたイオン液体(イオン液体における電解質塩の濃度:1.5M)65質量%とを、分散媒であるNMPに分散させ、電解質組成物を含むスラリを調製した。得られたスラリを、ポリエチレンテレフタレート製の基材に塗布し、加熱して分散媒を揮発させることにより電解質シートを得た。得られた電解質シートにおける電解質層の厚さは、25±2μmであった。
[電極群の作製]
作製した正極板と負極板とを、作製した電解質シートを介して対向させ、積層状の電極群を作製した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
上記電極群を、図1に示すように、アルミニウム製のラミネートフィルムで構成された電池外装体内に収容した。この電池外装体内に、上記の正極集電タブと負極集電タブとを外部に取り出すようにして電池容器の開口部を封口し、実施例1のリチウムイオン二次電池を作製した。なお、アルミニウム製のラミネートフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/アルミニウム箔/シーラント層(ポリプロピレン等)の積層体である。作製したリチウムイオン二次電池の設計容量は20mAhであった。
<実施例2>
正極、負極及び電解質シートの作製において、イオン液体として、Py13-FSIの代わりに1-エチル-3-メチル-イミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMIFSI)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例3>
正極、負極及び電解質シートの作製において、第1のリチウム塩と第2のリチウム塩とを99:1の質量比で溶解させた以外は、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例4>
正極、負極及び電解質シートの作製において、イオン液体として、Py13-FSIの代わりに1-エチル-3-メチル-イミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMIFSI)を用いた以外は、実施例3と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例5>
正極、負極及び電解質シートの作製において、第1のリチウム塩として、Li[FSI]の代わりにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI])を用いた以外は、実施例3と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例6>
正極、負極及び電解質シートの作製において、第2のリチウム塩として、LiPFの代わりにリチウムビスオキサレートボラート(LiBOB)を用いた以外は、実施例3と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例7>
正極、負極及び電解質シートの作製において、第1のリチウム塩と第2のリチウム塩とを3:7の質量比で溶解させた以外は、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<比較例1>
負極の作製において、第1のリチウム塩を用いず第2のリチウム塩のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<比較例2>
負極の作製において、第2のリチウム塩を用いず第1のリチウム塩のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
<リチウムイオン二次電池の評価>
(初期特性の評価)
実施例1~7及び比較例1~2で作製したリチウムイオン二次電池を、充放電装置(BATTERY TEST UNIT、株式会社IEM製)を用いて、25℃において電流値0.2C、充電終止電圧4.2Vで定電流充電を行った。15分休止後、電流値0.2C、放電終止電圧2.7Vで定電流放電した。上記の充放電条件で充放電を3回繰り返し、3回目の放電容量(初期容量)を測定した。以下の式からリチウムイオン二次電池の初期特性を算出し、以下の基準に従い初期特性を評価した。評価結果を表1に示す。
初期特性(%)=(初期容量/設計容量)×100
A:初期特性が95%以上。
B:初期特性が90%以上95%未満。
C:初期特性が70%以上90%未満。
D:初期特性が70%未満。
(充電特性の評価)
実施例1~7及び比較例1~2で作製したリチウムイオン二次電池について、上記初期特性の評価における充放電条件と同様の条件で充放電を3回繰り返し、その後、25℃において電流値1Cで定電流充電を行い、充電終止電圧4.2Vまで充電されるか否かを評価した。評価結果を表1に示す。表1において、4.2Vまで充電された場合を「A」と表記し、4.2Vまで充電されなかった場合を「B」と表記する。
Figure 0007446657000008
1…二次電池、6…正極、7…電解質層、8…負極、9…正極集電体、10…正極合剤層、11…負極集電体、12…負極合剤層。

Claims (13)

  1. 電極集電体と、前記電極集電体上に設けられた電極合剤層と、を備え、
    前記電極合剤層が、イオン液体と、電解質塩と、を含有し、
    前記電解質塩が、イミド系リチウム塩である第1のリチウム塩及び前記第1のリチウム塩とは異なる第2のリチウム塩を含む、二次電池用電極。
  2. 前記第1のリチウム塩のアニオン成分が、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の電極。
  3. 前記第2のリチウム塩のアニオン成分が、ヘキサフルオロホスフェートアニオン及びビスオキサレートボラートアニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記第1のリチウム塩の含有量が、前記第1のリチウム塩の含有量と前記第2のリチウム塩の含有量との合計100質量部に対して、50質量部以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電極。
  5. 前記イオン液体が、カチオン成分として、鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、アニオン成分として、下記一般式(1)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極。
    N(SO2m+1)(SO2n+1 (1)
    [m及びnは、それぞれ独立に0~5の整数を表す。]
  6. イオン液体と、電解質塩と、を含有し、前記電解質塩が、イミド系リチウム塩である第1のリチウム塩及び前記第1のリチウム塩とは異なる第2のリチウム塩を含む、二次電池用電解質層。
  7. 前記第1のリチウム塩のアニオン成分が、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6に記載の電解質層。
  8. 前記第2のリチウム塩のアニオン成分が、ヘキサフルオロホスフェートアニオン及びビスオキサレートボラートアニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6又は7に記載の電解質層。
  9. 前記第1のリチウム塩の含有量が、前記第1のリチウム塩の含有量と前記第2のリチウム塩の含有量との合計100質量部に対して、50質量部以上である、請求項6~8のいずれか一項に記載の電解質層。
  10. 前記イオン液体が、カチオン成分として、鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、アニオン成分として、下記一般式(1)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含有する、請求項6~9のいずれか一項に記載の電解質層。
    N(SO2m+1)(SO2n+1 (1)
    [m及びnは、それぞれ独立に0~5の整数を表す。]
  11. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、を備える二次電池であって、
    前記正極及び負極の少なくとも一方が、請求項1~5のいずれか一項に記載の電極である、二次電池。
  12. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、を備える二次電池であって、
    前記電解質層が、請求項6~10のいずれか一項に記載の電解質層である、二次電池。
  13. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、を備える二次電池であって、
    前記正極及び負極の少なくとも一方が、請求項1~5のいずれか一項に記載の電極であり、
    前記電解質層が、請求項6~10のいずれか一項に記載の電解質層である、二次電池。
JP2020512269A 2018-04-05 2019-04-02 二次電池用電極、二次電池用電解質層及び二次電池 Active JP7446657B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018073402 2018-04-05
JP2018073402 2018-04-05
PCT/JP2019/014676 WO2019194196A1 (ja) 2018-04-05 2019-04-02 二次電池用電極、二次電池用電解質層及び二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019194196A1 JPWO2019194196A1 (ja) 2021-04-01
JP7446657B2 true JP7446657B2 (ja) 2024-03-11

Family

ID=68100541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020512269A Active JP7446657B2 (ja) 2018-04-05 2019-04-02 二次電池用電極、二次電池用電解質層及び二次電池

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7446657B2 (ja)
TW (1) TWI784154B (ja)
WO (1) WO2019194196A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7249990B2 (ja) * 2020-12-24 2023-03-31 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 電極の製造方法、非水電解質二次電池の製造方法、および非水電解質二次電池

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146346A (ja) 2002-08-28 2004-05-20 Nisshinbo Ind Inc 非水電解質および非水電解質二次電池
JP2006019070A (ja) 2004-06-30 2006-01-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質および非水電解質二次電池ならびにそれらの製造法
US20170077557A1 (en) 2015-09-11 2017-03-16 Microvast Power Systems Co., Ltd. The preparation method of ionic liquid and the secondary battery

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105826596B (zh) * 2015-01-22 2020-11-06 微宏动力系统(湖州)有限公司 离子液体的制备方法及二次电池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146346A (ja) 2002-08-28 2004-05-20 Nisshinbo Ind Inc 非水電解質および非水電解質二次電池
JP2006019070A (ja) 2004-06-30 2006-01-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質および非水電解質二次電池ならびにそれらの製造法
US20170077557A1 (en) 2015-09-11 2017-03-16 Microvast Power Systems Co., Ltd. The preparation method of ionic liquid and the secondary battery

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2019194196A1 (ja) 2021-04-01
TWI784154B (zh) 2022-11-21
WO2019194196A1 (ja) 2019-10-10
TW201946320A (zh) 2019-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4519685B2 (ja) 非水電解質電池
JP2022538513A (ja) 再充電可能なバッテリーセル
US11462767B2 (en) Electrochemical device electrode. method for producing electrochemical device electrode and electrochemical device
KR20160072220A (ko) 비수 전해액 이차 전지
JP2019050154A (ja) 非水電解液二次電池
JP6562184B2 (ja) 電解質組成物、二次電池、及び電解質シートの製造方法
US11923505B2 (en) Electrolyte composition and rechargeable battery
WO2018193683A1 (ja) 電気化学デバイス用部材及び電気化学デバイス
WO2019035190A1 (ja) 二次電池用電池部材及び二次電池
WO2020004343A1 (ja) 二次電池及びその製造方法
JP2018206561A (ja) 二次電池
JP5614431B2 (ja) リチウムイオン二次電池用非水電解液及びリチウムイオン二次電池
JP7423120B2 (ja) 電解質スラリー組成物、電解質シートの製造方法、及び二次電池の製造方法
JP7446657B2 (ja) 二次電池用電極、二次電池用電解質層及び二次電池
JP2000090932A (ja) リチウム二次電池
WO2018221668A1 (ja) 電解質組成物及び二次電池
WO2018198969A1 (ja) 二次電池用電池部材及び二次電池、並びにそれらの製造方法
JP2019129119A (ja) イオン伝導性セパレータ及び電気化学デバイス
JP7416426B2 (ja) 二次電池用電池部材の製造方法
JP2019153545A (ja) 二次電池用負極及び二次電池
CN113228367A (zh) 非水电解质蓄电元件和非水电解质蓄电元件的制造方法
US11646420B2 (en) Positive electrode material of secondary battery, and secondary battery
JP7438605B2 (ja) 二次電池用電池部材の製造方法
WO2021001970A1 (ja) 電解質シート及び二次電池
JP2021018925A (ja) 非水電解液、並びにそれを用いた半固体電解質シート及び半固体電解質複合シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220307

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20230119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230718

AA91 Notification that invitation to amend document was cancelled

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971091

Effective date: 20230801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7446657

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150