JP2014209430A - 硫化物系固体電解質スラリーの製造方法、硫化物系固体電解質粉末の製造方法、及びその製造方法で得られる硫化物系固体電解質スラリーと硫化物系固体電解質粉末 - Google Patents

硫化物系固体電解質スラリーの製造方法、硫化物系固体電解質粉末の製造方法、及びその製造方法で得られる硫化物系固体電解質スラリーと硫化物系固体電解質粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】全固体二次電池用機能性膜に適用可能な硫化物系固体電解質スラリーや硫化物系固体電解質粉末を、メカニカルミリング法等で必要な特殊な装置を用いず、かつ毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とすることで、簡便でかつ低コストに製造する方法を提供する。【解決手段】硫化物系固体電解質スラリーの製造方法であって、有機溶剤中で、少なくとも単体リン(P)粒子、単体硫黄(S)粒子、硫化アルカリ粒子を加熱及び超音波照射しながら順次または同時に反応させる工程を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、全固体二次電池用機能性膜に適用可能な硫化物系固体電解質スラリーと硫化物系固体電解質粉末の製造方法、及びその製造方法で得られる硫化物系固体電解質スラリーと硫化物系固体電解質粉末に関するものである。より詳しくは、集電体層(正極、負極)、及び正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層の各機能性膜を有する全固体二次電池において、それら各機能性膜の形成に用いられる硫化物系固体電解質スラリーや硫化物系固体電解質粉末の簡便な製造方法、及びその製造方法で得られる硫化物系固体電解質スラリーや硫化物系固体電解質粉末に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が大きく、充放電のサイクル特性に優れるため、携帯機器等の電子機器を中心に広く使用されている。
一般的なリチウムイオン二次電池は、正極、負極、電解液、セパレータの基本要素で構成され、正極、及び負極は、これら電極間に電解質を保持できるセパレータを介在させた状態で電解液(リチウム塩を溶解した有機溶剤)に浸漬され、容器(パッケージ)で覆われている。さらに、上記正極、及び負極は、それぞれの活物質(正極活物質、負極活物質)の結晶性粒子、導電材、結合材等を集電体(金属箔、金属メッシュ等)が保持し、構成されて利用されている。
正極活物質にはリチウムと遷移金属を含む複合酸化物が用いられている。具体的には、層状系材料としてのコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、スピネル系材料としてのリチウム−マンガン酸化物(LiMn)、オリビン系材料としてのリン酸鉄リチウム(LiFePO)等が一般的である。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、チタン酸リチウム(LiTi12)等が一般的に用いられている。
しかしながら、液体である電解液を電解質として用いるリチウムイオン二次電池では、電解液主成分の有機溶剤の可燃性のため発火の危険性があり、また電解液の液漏れの心配もあるため、十分な安全性を有しているとは言えず、更に通常電池電圧4.5V程度以上では電解液の分解が生ずるため高電圧化による高容量化が困難で、かつ、容器(パッケージ)内のセル同士が電解液で電気的に繋がっているためバイポーラ型の積層セル構造によるセルの高電圧化・小型化が困難等、今後の低コスト化や小型化・高性能化におのずと限界があった。
そこで、上記課題を克服するため、電解液に代えて固体電解質を用いる全固体二次電池の開発が進められてきた。全固体二次電池の基本セル構造は、各機能性膜(正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層)が積層された積層構造(正極集電体/正極活物質層/固体電解質層/負極活物質層/負極集電体)であり、この積層構造が複数積み重ねられたバイポーラ型積層セル構造(正極集電体/正極活物質層(1)/固体電解質層(1)/負極活物質層(1)/集電体/正極活物質層(2)/固体電解質層(2)/負極活物質層(2)/集電体/・・・/正極活物質層(n)/固体電解質層(n)/負極活物質層(n)/負極集電体;n回積層)が容易に実現できる。
上記バイポーラ型積層セル構造により、パッケージの薄型化・小型化、及び、一つのセル内での直列化(積層)でのセルの高電圧化等による低コスト化が可能という利点に加え、電位窓が広いためLiに対して高電位の正極活物質(5V系)の適用による高容量化をより一層図ることも可能となる。更に、固体電解質の優れた耐熱性や難燃性による安全性向上も期待できる。
使用する固体電解質は、酸化物系固体電解質と硫化物系固体電解質に大別され、例えば、酸化物系固体電解質では、リン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムに窒素を添加したLiPO(LiPONと呼ばれる。)、LiBO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSiO−LiPO、LiSiO−LiVO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiO−B−ZnO、Li1+XAlTi2−X(PO(0≦X≦1)(LATPまたはLTAPと呼ばれる。)、Li1+XAlGe2−X(PO(0≦X≦1;具体的には、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO)(LAGPと呼ばれる。)、LiTi(PO、Li3XLa2/3−XTiO(0≦X≦2/3;具体的には、Li0.33La0.56TiO、Li0.5La0.5TiO等)(LLTまたはLLTOと呼ばれる。)、LiLaTa12、LiLaZr12(LLZまたはLLZOと呼ばれる。)、LiBaLaTa12、Li3.6Si0.60.4等、硫化物系固体電解質では、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−B、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P等が挙げられるが、酸化物系固体電解質に比べてリチウムイオン伝導度が高い硫化物系固体電解質が好適であり、中でもLiS−P系硫化物系固体電解質が注目され、広く用いられている。
上記硫化物系固体電解質の製造方法としてメカニカルミリング法(特許文献1参照)及び溶融法(特許文献2参照)があるが、メカニカルミリング法は、ボールミル等の特殊な装置を必要とし、かつ長時間(20hr以上)の処理が必要なため製造コストが高くなってしまう問題があった。また、溶融法は高温化で硫化物系固体電解質を製造するため特殊な設備等が必要であり、同様に製造コストが高くなる問題があった。
上記製造コストの問題を解決するため、メカニカルミリング法や溶融法等で必要な特殊な装置を用いない簡便な方法として、有機溶剤中でLiS−P系等の硫化物系固体電解質を製造する方法が開示されている(特許文献3、4参照)。
特許文献3では、非プロトン性有機溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で硫化リチウム(LiS)粉末と五硫化二リン(P)粉末を150℃程度で数時間程度反応させてLiS−P系硫化物系固体電解質粉末を得ている。
また、特許文献4では、トルエン、キシレン、ヘキサン、デカン等の炭化水素系有機溶剤中で硫化リチウム(LiS)粉末と五硫化二リン(P)粉末を80〜250℃程度で12〜48時間程度(必要に応じオートクレーブ反応装置を用いて)反応させてLiS−P系硫化物系固体電解質粉末を得ている。
しかしながら、上記いずれの方法(特許文献3、4)においても、毒物及び劇物取締法で毒物に該当する硫化リン(P)を出発原料に用いており、毒物の取り扱いを考慮すると、必ずしも簡便なプロセスとは言えず、毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とする製造方法が求められていた。
尚、上記機械的手段であるメカニカルミリング法によるLiS−P系硫化物系固体電解質の製造では、出発原料として五硫化二リン(P)粉末を用いるのが一般的であるが、毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とする方法も開示されている(特許文献5、6参照)。ただし、前述したメカニカルミリング法の製造コストが高くなる問題は依然として未解決であった。
特開平11−134937号公報 WO2005/119706号国際公開公報パンフレット WO2004/093099号国際公開公報パンフレット WO2009/047977号国際公開公報パンフレット 特開2003−208919号公報 特開2011−150806号公報
本発明の目的は、全固体二次電池用機能性膜に適用可能な硫化物系固体電解質スラリーや硫化物系固体電解質粉末を、メカニカルミリング法等で必要な特殊な装置を用いず、かつ毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とすることで、簡便でかつ低コストに製造する方法を提供することである。
発明者らは、このような状況に鑑み、各種有機溶剤中での赤リンと硫黄の反応について鋭意研究を重ねた結果、特定の有機溶剤中で加熱と超音波照射を併用すれば、安定で不活性な赤リンの反応性が促進されて、硫化物系固体電解質が得られることを見出したものである。
即ち、本発明の第1の発明は、有機溶剤中で、少なくとも赤リン(P)粒子、硫黄(S)粒子、硫化アルカリ粒子を加熱及び超音波照射しながら順次または同時に反応させる工程を含むことを特徴とする硫化物系固体電解質スラリーの製造方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明において、赤リン(P)粒子と硫黄(S)粒子を最初に加熱及び超音波照射しながら反応させた後、硫化アルカリ粒子と加熱及び超音波照射しながら反応させることを特徴とする硫化物系固体電解質スラリーの製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1または第2の発明における有機溶剤が、アルコール系有機溶剤であることを特徴とする硫化物系固体電解質スラリーの製造方法である。
本発明の第4の発明は、第1〜第3の発明における硫化アルカリが、硫化リチウム(LiS)であることを特徴とする硫化物系固体電解質スラリーの製造方法である。
本発明の第5の発明は、第1〜第4の発明における硫化物系固体電解質スラリーの製造方法で得られる硫化物系固体電解質スラリーから有機溶剤を除去することを特徴とする硫化物系固体電解質粉末の製造方法である。
本発明の第6の発明は、第5の発明における硫化物系固体電解質粉末の製造方法で得られ、リチウムイオン伝導度(1.7×10−6〜2.5×10−5S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa])と電子伝導度(2.0×10−10〜7.5×10−9S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa])を有することを特徴とする硫化物系固体電解質粉末である。
本発明の第7の発明は、第1〜第4の発明における硫化物系固体電解質スラリーの製造方法で得られる硫化物系固体電解質スラリーを塗布・乾燥することを特徴とする硫化物系固体電解質層の製造方法である。
本発明の第8の発明は、第7の発明における硫化物系固体電解質スラリーの粘度が1000〜100000mPa・s(25℃)である硫化物系固体電解質層の製造方法である。
本発明の第9の発明は、第7又は第8の発明における硫化物系固体電解質層の製造方法で得られることを特徴とする硫化物系固体電解質層である。
本発明の硫化物系固体電解質スラリーと硫化物系固体電解質粉末の製造方法によれば、メカニカルミリング法等で必要な特殊な装置を用いず、かつ毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とする簡便な製造工程からなるため、硫化物系固体電解質スラリーや硫化物系固体電解質粉末を安価に製造できる。
本発明に係る硫化物系固体電解質スラリーやそのスラリーから得られる硫化物系固体電解質層、及び硫化物系固体電解質粉末を用いる全固体二次電池において、薄型化・小型化、低コスト化、高性能化が期待できる。
全固体二次電池の基本セル構造の一例を示す模式図である。 全固体二次電池のバイポーラ型積層セル構造の一例を示す模式図である。 実施例1に係る交流インピーダンス測定、及び直流電流測定の測定装置を示す模式図である。 実施例1に係る硫化物系固体電解質粉末の交流インピーダンス測定(電圧5mV、周波数1〜1MHz、25℃)の結果を示す図である。 実施例1に係る硫化物系固体電解質粉末の直流電流測定(電圧1V、25℃)の結果を示す図である。 実施例3に係る交流インピーダンス測定、及び直流電流測定の別の測定装置を示す模式図である。 実施例3に係る硫化物系固体電解質粉末の交流インピーダンス測定(電圧10mV、周波数1〜1MHz、25℃)の結果を示す図である。 実施例3に係る硫化物系固体電解質粉末の直流電流測定(電圧1V、25℃)の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の硫化物系固体電解質スラリーと硫化物系固体電解質粉末の製造方法では、毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とし、かつ特殊な製造装置を必要としない簡便な製造工程を有するため、上記硫化物系固体電解質スラリー、硫化物系固体電解質粉末等を安価に製造することが可能であり、それらを用いることで全固体二次電池に適用可能な機能性膜を簡便かつ安価に製造することができる。
[全固体二次電池の構造]
先ず、本発明の硫化物系固体電解質スラリー、硫化物系固体電解質粉末、硫化物系固体電解質層が適用される全固体二次電池の構造を図1、図2を参照して説明する。図1は全固体二次電池の基本セル構造を示しており、正極集電体1、正極活物質層2、固体電解質層3、負極活物質層4、負極集電体5からなる積層構造を有しており、図2のバイポーラ型全固体二次電池は、図1の基本セル構成が3回積み重ねられた積層セル構造を有している。なお、全固体二次電池は、大気中の水分によって性能の劣化を生じるため、保護容器または保護フィルム6を設けることで、耐久性向上が図られている。
以下、全固体二次電池の各要素について詳細に説明する。
(a)集電体(正極集電体、負極集電体、正極・負極兼用集電体)
正極集電体1、負極集電体5、正極・負極兼用集電体7の材料としては、Cu、Mg、Ti、Fe、Co、Ni、V、Zn、Al、Ge、In、Au、Pt、Ag、Pd等、または、これらのいずれかを含む合金(例えばステンレススチール)から適宜選択し、板状、箔状、メッシュ状にして用いることができる。
(b)正極活物質層
正極活物質層2を形成する物質は、リチウムイオンを離脱、吸着させ易く、多くのリチウムイオンを離脱、吸蔵させることが可能な物質であればよく、リチウム−コバルト酸化物(LiCoO[コバルト酸リチウム]、LiCo等)(LCOと呼ばれる。)、リチウム−ニッケル酸化物(LiNiO[ニッケル酸リチウム]、LiNi等)(LNOと呼ばれる。)、リチウム−マンガン酸化物(LiMnO[マンガン酸リチウム]、LiMn、LiMn等)(LMOと呼ばれる。)、リチウム−マンガン−コバルト酸化物(LiMnCoO、LiMnCoO等)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト酸化物(Li(Ni−Mn−Co)O、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等)(NMCまたはNCMと呼ばれる。)、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム酸化物(Li(Ni−Co−Al)O)(NCAと呼ばれる。)、リチウム−チタン酸化物(LiTi12、LiTi等)(LTOと呼ばれる。)、その他遷移金属を含むリチウム酸化物(LiCuO、LiCuO、LiVO、LiV、LiCrO、LiFeO、LiTiO、LiScO、LiYO、LiMnCrO、LiNiVO、LiCoVO等)、各種遷移金属を含むリチウムリン酸塩(LiFePO[リン酸鉄リチウム]、LiCuPO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiNiPOF、LiCoPOF、LiMnPOF、LiFePOF、LiVOPO、Li(PO等)、各種遷移金属を含むリチウムケイ酸塩(LiMnSiO、LiFeSiO、LiCoSiO、LiNiSiO等)、各種遷移金属の硫化物(TiS、MoS、FeS、FeS、CuS、Ni)、各種遷移金属の酸化物(Bi、BiPb、CuO、V、V13、Nb等)等を使用することができる。また、これらを混合して用いても良い。
ここで、正極活物質と負極活物質には明確な区別はなく、2種類の化合物の充放電電位を比較して貴な電位のものを正極活物質に、卑な電位のものを負極活物質に用いれば良い。上記多くの正極活物質の中では、層状系材料としてのコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、スピネル系材料としてのリチウム−マンガン酸化物(LiMn)、オリビン系材料としてのリン酸鉄リチウム(LiFePO)等が好適であり、一般的に用いられている。
(c)負極活物質層
上述のように、負極活物質と正極活物質には明確な区別はなく、負極活物質層4を形成する物質は、リチウムイオンを吸着、離脱させ易く、多くのリチウムイオンを吸蔵、離脱させることが可能な物質であればよく、例えば、リチウム−チタン酸化物(LiTi12、LiTi等)、リチウム−チタン−ニオブ酸化物(Li(Ti2Nb)O12等)、各種金属酸化物(Nb、V、NiO、In、SnO、ZnO、TiO等)、各種単体元素(Si、Ge、Li、Mg、Al等)、各種シリコン合金(Si−Mn、Si−Co、Si−Ni等)、マグネシウム−リチウム合金(Mg−Li)、アルミニウム−リチウム合金(Al−Li系;AlLi等)、インジウム−リチウム合金(In−Li系;InLi等)、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛等)等を使用することができる。また、これらを混合して用いても良い。上記多くの負極活物質の中で、金属リチウム(Li)、各種リチウム合金(例えばAlLi、InLi等)、黒鉛、チタン酸リチウム(LiTi12)等が一般的に用いられるが、高容量化という観点からすると、金属リチウム(Li)、または各種リチウム合金が好ましく、これらはシート状や箔状として負極活物質層に適用することができる。
(d)固体電解質層
前述の通り、固体電解質層3を形成する物質には、酸化物系固体電解質や硫化物系固体電解質があるが、酸化物系固体電解質に比べてリチウムイオン伝導度が高い硫化物系固体電解質が好適であり、中でもLiS−P系硫化物系固体電解質が好ましい。ただし、硫化物系固体電解質は水分と反応すると有毒な硫化水素ガスを発生するという潜在的な課題を有している。
固体電解質層3の膜厚は、薄型化やリチウムイオンの移動距離を短くするという観点からできるだけ薄いことが望ましいが、薄すぎると固体電解質層にピンホ−ルが発生し易くなるため、その防止の観点からすると、1〜100μm程度が好ましい。
本発明では、硫化物系固体電解質と有機溶剤を主成分とする硫化物系固体電解質スラリーを、毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とし、それらを有機溶剤中で反応させるという簡便な製造工程を経て作製している。そして、その硫化物系固体電解質スラリーを用いて、硫化物系固体電解質粉末を作製したり、あるいは硫化物系固体電解質層を含む全固体二次電池用各種機能性膜の作製を可能としている。まず、硫化物系固体電解質スラリーについて説明する。
[硫化物系固体電解質スラリー]
本発明では、LiS−P系等の硫化物系固体電解質の出発原料として毒物及び劇物取締法で毒物に該当する硫化リン(P)を用いず、毒性の低い赤リンと硫黄を用い、これらを有機溶剤中で加熱及び超音波照射しながら反応させ、次いで硫化アルカリ粒子と反応させる簡便な工程を経て硫化物系固体電解質スラリーを製造する。以下、硫化物系固体電解質スラリーの製造に用いられる(a)硫化物系固体電解質スラリーの出発原料、(b)硫化物系固体電解質スラリーの有機溶剤、について詳細に説明する。
(a)硫化物系固体電解質スラリーの出発原料
本発明の硫化物系固体電解質スラリーの出発原料としては、(1)赤リン(P)粒子、(2)硫黄(S)粒子、(3)硫化アルカリ粒子、等が挙げられる。
(1)赤リン(P)粒子
単体リン(P)には、白リン(黄リン)、赤リン、紫リン、黒リン等の多くの同素体があり、ここで白リン(黄リン)は高い反応性を有するものの不安定な有毒物質であり、毒物及び劇物取締法の毒物に該当するため好ましい原料ではない。一方で、赤リン、紫リン、黒リンは皆安定で有害性は低いが、特に黒リンは反応性が極めて乏しいため、本発明の出発原料としての用途から判断すると、広く安価に得られる赤リンが最も好ましい。ただし、赤リンの反応性も決して高い訳ではないので、本発明では後述するような超音波ホモジナイザー等の超音波照射処理を加熱処理と併用している。
(2)硫黄(S)粒子
単体硫黄(S)にも多く同素体や結晶多形が存在するが、室温で安定な同素体はα硫黄(斜方硫黄;融点112.8℃、比重2.07、淡黄色斜方晶)であり、硫黄(S)粒子としてはα硫黄(斜方硫黄)粒子が好ましい。α硫黄(斜方硫黄)を加熱・昇温していくと、融点直上の温度では黄色の低粘性融体となるが、159.4℃以上ではオリゴマー化した直鎖状硫黄(暗赤色)を形成し急速に粘度増大して殆ど流動性を失う。
(3)硫化アルカリ粒子
本発明で用いられる硫化アルカリ粒子は、硫化物系固体電解質がリチウムイオン伝導性のLiS−P系等の場合は硫化リチウム(LiS)が好ましく、また、ナトリウムイオン伝導性のNaS−P系等の場合は硫化ナトリウム(NaS)が好ましい。
(b)硫化物系固体電解質スラリーの有機溶剤
硫化物系固体電解質スラリーの製造に用いる有機溶剤は、1−ブタノール(n−ブチルアルコール;NBA)、2−ブタノール(sec−ブチルアルコール;SBA)、イソブタノール(イソブチルアルコール;IBA)、1−ペンタノール(n−アミルアルコール)、2−ペンタノール(sec−アミルアルコール)、3−ペンタノール(1−エチル−1−プロパノール)、イソペンタノール(イソアミルアルコール)、1−ヘキサノール(n−ヘキシルアルコール)、1−ヘプタノール(n−ヘプチルアルコール)、1−オクタノール(n−オクチルアルコール)、2−エチル−1−ヘキサノール(2−エチルヘキシルアルコール)等のアルコール系有機溶剤であることが望ましい。上記のような適度に極性(親水性)を有するアルコール系有機溶剤は硫黄の溶解度が低くて有機溶剤中に硫黄粒子が完全溶解せずに存在するため、赤リン粒子との反応が進みやすくなる。中でも難揮発性でなく、硫黄(α硫黄[斜方硫黄]、融点112.8℃)の融点よりも沸点が低い、イソブタノール(イソブチルアルコール;IBA)(沸点:107.9℃)が好ましい。例えば、イソブチルアルコール(IBA)への硫黄の溶解度は、1.5wt%[107.9℃])と小さい値である。
炭化水素系有機溶剤のトルエン、キシレン、デカヒドロナフタレン(デカリン)等の硫黄の溶解度が高い有機溶剤は、それらの有機溶剤を用いた場合に硫黄が有機溶剤中に溶解・安定化して赤リンとの反応が進まないため好ましくない。例えば、トルエン(沸点:110.6℃)、デカヒドロナフタレン(沸点:187〜196℃)への硫黄の溶解度は、それぞれ28wt%[110.6℃]、10wt%[105℃]と大きな値である。
また、一方で、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノール(別名:モノエタノールアミン)、3−アミノ−1−プロパノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、ジエタノールアミン等のアミン系有機溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1、3−オクチレングリコール等のグリコール系有機溶剤、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のように親水性が高い極性有機溶剤を用いた場合は、これらの有機溶剤が、(2)硫黄(S)粒子、(3)硫化アルカリ粒子のいずれか、あるいは両方と錯体形成等の反応を生じ、最終的に得られる硫化物系固体電解質スラリー中に、濃紺色、濃褐色、黒色等の副反応性生物を生じて目的とする硫化物系固体電解質スラリーが得られないため好ましくない。
上記と同様に、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系有機溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系有機溶剤を用いた場合にも、これらの有機溶剤と(2)硫黄(S)粒子や(3)硫化アルカリ粒子のいずれか、あるいは両方との副反応性生物が生じて目的とする硫化物系固体電解質スラリーが得られないため好ましくない。
[硫化物系固体電解質スラリーの製造方法]
硫化物系固体電解質スラリーは、上記(a)硫化物系固体電解質スラリーの出発原料((1)赤リン(P)粒子、(2)硫黄(S)粒子、(3)硫化アルカリ粒子)、及び(b)硫化物系固体電解質スラリーの有機溶剤、を用いて、例えば、以下の工程で製造することができる。
すなわち、赤リン(P)粒子、硫黄(S)粒子、硫化アルカリ粒子をアルコール系有機溶剤中で80〜120℃で20〜120分間程度の加熱及び超音波照射しながら反応させる。尚、反応性の低い赤リンを効率よく反応させるという観点からすると、赤リン(P)粒子と硫黄(S)粒子だけを最初にアルコール系有機溶剤中で80〜120℃で20〜60分間程度の加熱及び超音波照射しながら反応させた後、次に硫化アルカリ粒子と80〜120℃で20〜60分間程度の加熱及び超音波照射しながら反応させることが好ましい。
加熱温度が80℃よりも低いと反応が十分に進行せず、120℃よりも高いと赤リン(P)粒子と硫黄(S)粒子の反応の生成物が溶融して塊りを形成し易くなり、微細な粒子としての反応生成物が得られなくなる恐れがある。
超音波照射の条件としては、出発原料同士の反応を促進させるという観点からすると、超音波のエネルギー密度が高いことが望ましく、例えば超音波ホモジナイザーを用いる場合、超音波ホモジナイザーの出力として、処理液に対し2W(ワット)/g以上、好ましくは5W(ワット)/g以上、更に好ましくは10W(ワット)/g以上であることが望ましい。
硫化物系固体電解質スラリー中の硫化物系固体電解質の含有量は、特に限定はされないが、製造効率や取り扱いを考慮すると15〜40質量%が好ましい。硫化物系固体電解質スラリーの外観は、硫化物系固体電解質の含有量にもよるが明黄褐色で粘調な液体であり、前述の通り、そのまま、スクリーン印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の汎用の各種塗布方法を用いて基材上に塗布・乾燥することで硫化物系固体電解質層を形成できる。
尚、硫化物系固体電解質スラリーには、その製造工程のいずれかで、必要に応じて少量の有機バインダーを添加しても良い。有機バインダーを加えることで、硫化物系固体電解質スラリーを塗布・乾燥して得られる硫化物系固体電解質層の密着性や柔軟性を向上できる場合がある。
硫化物系固体電解質スラリーの粘度は、上記各種塗布方法にもよるが、厚さ:数十〜数百μmで均一な塗布膜を得るためのスラリーの塗布性の観点からは、1000〜100000mPa・s(25℃)が好ましく、5000〜50000mPa・s(25℃)の粘度であれば、均一な膜厚を得ることができるので特に好ましい。
[硫化物系固体電解質粉末]
本発明の硫化物系固体電解質粉末は、前述の硫化物系固体電解質スラリーから有機溶剤を除去することで得ることができる。具体的には、窒素ガスや不活性ガス(アルゴンガス、ヘリウムガス)雰囲気中で、硫化物系固体電解質スラリーを乾燥温度80〜200℃程度で、30分間〜数時間の間乾燥し、有機溶剤を除去することで、非晶質(アモルファス)の硫化物系固体電解質粉末を得ることができる。必要に応じ、窒素ガスや不活性ガス雰囲気中で250〜350℃の加熱処理を追加で施して結晶化させ、硫化物系固体電解質のリチウムイオン伝導度をより一層向上させる処理を行っても良い。
本発明の硫化物系固体電解質粉末は、比較的高いリチウムイオン伝導度(1.7×10−6〜2.5×10−5S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa])と、非常に低い電子伝導度(2.0×10−10〜7.5×10−9S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa])を有する。
[硫化物系固体電解質層を含む全固体二次電池用各種機能性膜の作製方法]
次に、全固体二次電池用の機能性膜(正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層)の製造方法について詳細に説明する。まず、硫化物系固体電解質層の一つの作製方法は、前述のように得られた硫化物系固体電解質粉末を窒素ガスや不活性ガス(アルゴンガス、ヘリウムガス)雰囲気中で加圧プレス成型して板状、箔状にする方法であり、通常10MPa(約100kg/cm)〜400MPa(約4トン/cm)の圧力で行われる。
硫化物系固体電解質層のもう一つの作製方法は、前段の硫化物系固体電解質スラリーからの硫化物系固体電解質粉末の製造と同様に、硫化物系固体電解質スラリーを塗布し、乾燥(必要に応じ追加の加熱処理)する方法である。硫化物系固体電解質スラリーの塗布は、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の各種塗布法を用いて行うことができる。
ここで、硫化物系固体電解質層以外の全固体二次電池用機能性膜である正極活物質層と負極活物質層の作製方法は、上述の硫化物系固体電解質スラリーの塗布・乾燥(必要に応じ追加の加熱処理)による硫化物系固体電解質層と同様に行うことができる。すなわち、硫化物系固体電解質スラリーの代わりに、硫化物系固体電解質スラリーに正極活物質粒子、または負極活物質粒子を配合・分散させた正極活物質層形成用スラリー、または、負極活物質層形成用スラリーを用いるだけでよい。この方法で得られる正極活物質層、または負極活物質層は、硫化物系固体電解質からなるマトリックス中に正極活物質粒子、または負極活物質粒子が分散した膜構造を有し、それぞれ正極活物質層、または負極活物質層として機能する。
本発明に係る硫化物系固体電解質スラリーやそのスラリーから得られる硫化物系固体電解質層、及び硫化物系固体電解質粉末は、簡便かつ安価な方法で得られるため、全固体二次電池に適用することで、その薄型化・小型化、低コスト化、高性能化に大きく貢献することができるものである。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[硫化物系固体電解質スラリーの作製]
赤褐色粉末状の赤リン[P](分子量=30.97)0.449g、黄色粉末状の硫黄[S](分子量=32.06)1.163g、イソブチルアルコール(IBA;沸点:107.9℃)5.0gを混合し、窒素ガス雰囲気中で約110℃に加温しながら30分間超音波照射処理(超音波ホモジナイザー;出力50W、振幅40μm)して赤リンと硫黄を反応させ、次に、淡黄白色粉末状の硫化リチウム[LiS](分子量=45.94)1.0g、イソブチルアルコール(IBA)3.0gを混合して均一になるまで良く攪拌し、更に上記と同様の窒素ガス雰囲気中で約110℃に加温しながら30分間超音波照射処理を施して反応させた後室温まで冷却して、リチウム、リン、硫黄を含有する実施例1に係る硫化物系固体電解質スラリー(粘度:12000mPa・s(25℃);粘調な明るい黄褐色の液体;硫化物系固体電解質含有量:25質量%)を作製した(配合したリチウム、リン、硫黄を硫化リチウム[LiS]と硫化リン[P]に換算した場合には、硫化リチウム[LiS]:硫化リン[P]=75:25[モル比])。尚、硫化物系固体電解質スラリーの粘度は、スラリー温度25℃で、B型粘度計を用いて測定した。
[硫化物系固体電解質粉末の作製]
次に、この硫化物系固体電解質スラリーを窒素ガス雰囲気中でまず110℃程度に加熱し有機溶剤を揮発・除去を進め、最終的には窒素ガス雰囲気中で180℃で30分間加熱し有機溶剤を除去して、実施例1に係る硫化物系固体電解質粉末(粉体色:黄白色)を得た(配合したリチウム、リン、硫黄を硫化リチウム[LiS]と硫化リン[P]に換算した場合には、硫化リチウム[LiS]:硫化リン[P]=75:25[モル比])。X線回折測定の結果、上記硫化物系固体電解質粉末は非晶質(アモルファス)であった。
[特性評価]
次に、作製した硫化物系固体電解質粉末のリチウムイオン伝導度と電子伝導度の諸特性を測定し、その結果を表1に示す。尚、リチウムイオン伝導度の評価は、図3に示すように、100MPa(約1トン/cm)の圧力でプレスし直径6mmの硫化物系固体電解質粉末ペレット10を得て、そのペレットの両面にステンレス電極(ステンレスシリンダー棒8)が数MPa(数十kg/cm)程度に軽く押し当てられた状態で、交流インピーダンス測定(電圧5mV、周波数1〜1MHz)を行い、その結果からリチウムイオン伝導度を求めた。図4に交流インピーダンス測定の測定結果を示す。また、同様の構成で、直流電流測定(印加直流電圧:1V)を行い、電子伝導度を求めた。図5に直流電流測定の測定結果を示すが、ステンレス電極はリチウムイオンに対しブロッキング電極(非活性化電極)として作用するため、測定電流値は時間と共に低下し、最終的には電子伝導度の部分だけの電流値に収束するため、その値から電子伝導度を求めた。
また、上記100MPa(約1トン/cm)の圧力でのプレスでは硫化物系固体電解質粉末ペレットの緻密性が低い(相対密度=約70%程度)ため、図3において、400MPa(約4トン/cm)の圧力でプレスし、より緻密性の高い(相対密度=90〜95%程度)硫化物系固体電解質粉末ペレット10(直径6mm)も作製し、同様にリチウムイオン伝導度、および電子伝導度を求めた。
<実施例2>
[硫化物系固体電解質粉末の作製]
実施例1で得られた硫化物系固体電解質粉末をアルゴン雰囲気中でステンレス密閉容器に入れ、260℃で60分間加熱し熱処理を施して、実施例2に係る硫化物系固体電解質粉末(粉体色:黄土色)を得た(配合したリチウム、リン、硫黄を硫化リチウム[LiS]と硫化リン[P]に換算した場合には、硫化リチウム[LiS]:硫化リン[P]=75:25[モル比])。X線回折測定の結果、上記硫化物系固体電解質粉末は結晶化しており、Li3.20.96結晶が主成分であった。
[特性評価]
次に、作製した硫化物系固体電解質粉末の諸特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示す。
<実施例3>
[硫化物系固体電解質スラリーの作製]
赤褐色粉末状の赤リン[P](分子量=30.97)0.428g、黄色粉末状の硫黄[S](分子量=32.06)1.107g、イソブチルアルコール(IBA;沸点:107.9℃)6.0gを混合し、窒素ガス雰囲気中で約110℃に加温しながら90分間超音波照射処理(超音波ホモジナイザー;出力50W、振幅40μm)して赤リンと硫黄を反応させ、次に、淡黄白色粉末状の硫化リチウム[LiS](分子量=45.94)0.952g、イソブチルアルコール(IBA)2.0gを混合して均一になるまで良く攪拌し、更に上記と同様の窒素ガス雰囲気中で約110℃に加温しながら210分間超音波照射処理を施して反応させた後室温まで冷却して、リチウム、リン、硫黄を含有する実施例3に係る硫化物系固体電解質スラリー(粘度:54000mPa・s(25℃);粘調な明るい黄褐色の液体;硫化物系固体電解質含有量:25質量%)を作製した(配合したリチウム、リン、硫黄を硫化リチウム[LiS]と硫化リン[P]に換算した場合には、硫化リチウム[LiS]:硫化リン[P]=75:25[モル比])。尚、硫化物系固体電解質スラリーの粘度は、スラリー温度25℃で、B型粘度計を用いて測定した。
[硫化物系固体電解質粉末の作製]
次に、この硫化物系固体電解質スラリーを窒素ガス雰囲気中でまず110℃程度に加熱し有機溶剤を揮発・除去を進め、更に窒素ガス雰囲気中で180℃で30分間加熱し有機溶剤を除去し、最終的にアルゴン雰囲気にしたステンレス密閉容器中で、260℃で120分間加熱し熱処理を施して、実施例3に係る硫化物系固体電解質粉末(粉体色:桃白色)を得た(配合したリチウム、リン、硫黄を硫化リチウム[LiS]と硫化リン[P]に換算した場合には、硫化リチウム[LiS]:硫化リン[P]=75:25[モル比])。X線回折測定の結果、上記硫化物系固体電解質粉末は結晶化しており、Li3.20.96結晶が主成分であった。
[特性評価]
次に、作製した硫化物系固体電解質粉末の諸特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示す。
尚、リチウムイオン伝導度の評価は、図6に示すように、150MPa(約1.5トン/cm)の圧力でプレスし直径8mmの硫化物系固体電解質粉末ペレット10を得て、そのペレットの両面にステンレス電極(ステンレスシリンダー棒8)が数MPa(数十kg/cm)程度に軽く押し当てられた状態で、交流インピーダンス測定(電圧10mV、周波数1〜1MHz)を行い、その結果からリチウムイオン伝導度を求めた。図7に交流インピーダンス測定の測定結果を示す。また、同様の構成で、直流電流測定(印加直流電圧:1V)を行い、実施例1と同様の手法で電子伝導度を求めた。図8に直流電流測定の測定結果を示す。
また、上記150MPa(約1.5トン/cm)の圧力でのプレスでは硫化物系固体電解質粉末ペレットの緻密性が低い(相対密度=約75%程度)ため、図3において、400MPa(約4トン/cm)の圧力でプレスし、より緻密性の高い(相対密度=90〜95%程度)硫化物系固体電解質粉末ペレット10(直径6mm)も作製し、同様にリチウムイオン伝導度、および電子伝導度を求めた。
<実施例4>
[硫化物系固体電解質層の作製]
実施例1に係る硫化物系固体電解質スラリー(粘度:12000mPa・s(25℃);粘調な明るい黄褐色の液体;硫化物系固体電解質含有量:25質量%)を、窒素ガス雰囲気中でステンレスシート上にドクターブレードを用い塗布し、雰囲気はそのままに、まず110℃程度に加熱し有機溶剤を揮発・除去を進め、最終的に180℃で30分間加熱し有機溶剤を除去して、硫化物系固体電解質スラリー乾燥膜を得た。この硫化物系固体電解質スラリー乾燥膜を有するステンレスシートを2本の金属ロールによるロールプレス(ニップ幅=0.5mm、面圧力=400MPa(約4トン/cm)を行い、ステンレスシート上に形成された硫化物系固体電解質層(層厚:200μm、硫化リチウム[LiS]:硫化リン[P]=75:25[モル比])を得た。X線回折測定の結果、上記硫化物系固体電解質層は非晶質(アモルファス)であった。また、膜厚バラツキは200μm±5μmの範囲内に収まっていた。
[特性評価]
次に、上記硫化物系固体電解質層が形成されたステンレスシートを直径8mmに切り出した試料を、図6の硫化物系固体電解質粉末ペレット10に代えて設置し、その試料の両面にステンレス電極(ステンレスシリンダー棒8)が数MPa(数十kg/cm)程度に軽く押し当てられた状態とした以外は実施例3と同様に行い、作製した硫化物系固体電解質層のリチウムイオン伝導度と電子伝導度の諸特性を測定した。リチウムイオン伝導度と電子伝導度の測定結果は、実施例1において400MPa(約4トン/cm)の圧力でプレスした硫化物系固体電解質粉末ペレット10の測定結果をほぼ同等であった。
<比較例1>
[硫化物系固体電解質スラリーの作製]
イソブチルアルコール(IBA)の代わりにトルエン(沸点:110.6℃)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、まず赤リンと硫黄の反応を試みたが、硫黄がトルエンに完全溶解してトルエン中で安定化したため、ほとんど反応しなかった。次に、実施例1と同様に硫化リチウムと反応させた後室温まで冷却して、リチウム、リン、硫黄を含有する比較例1に係るスラリーを作製した。このスラリーは、硫黄を溶解したトルエン中に赤リン粉末と硫化リチウム粉末を含有するスラリーであり、室温に放置すると、赤リン粉末と硫化リチウム粉末の混合物からなる赤褐色沈殿と透明な上澄み液(トルエン)に分離し、かつ、液中から黄色の硫黄粒子が析出し、実施例1のような硫化物系固体電解質は合成されなかった。
上述のように、硫化物系固体電解質スラリーが得られなかったため、粉末の作製、及び粉末の特性評価は行わなかった。
Figure 2014209430
実施例1と比較例1の比較から、有機溶剤として、硫黄の溶解度の小さいイソブチルアルコールを用いた実施例1では、硫化物系固体電解質スラリーが得られたのに対し、硫黄の溶解度の大きいトルエンを用いた比較例1では、硫化物系固体電解質スラリーが得られないことが確認できる。
各実施例(実施例1〜4)から、本発明の硫化物系固体電解質粉末は、毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とする簡便な製造工程により低コストで得られ、かつ比較的高いリチウムイオン伝導度(1.7×10−6〜2.5×10−5S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa])と非常に低い電子伝導度(2.0×10−10〜7.5×10−9S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa])を有するため全固体二次電池の各種機能性層に適用できることが確認された。
また、実施例4から、本発明の硫化物系固体電解質スラリーは適度の粘度(12000mPa・s(25℃))を有しているため、ドクターブレードコーティング法等の汎用の塗布方法により均一な膜厚で基板上に塗布することが可能なため、塗布法という簡便な方法で、膜厚バラツキの小さい硫化物系固体電解質層(膜厚:200μm±5μm)を容易に得ることができる。
本発明による硫化物系固体電解質スラリー、硫化物系固体電解質粉末、硫化物系固体電解質層の製造方法によれば、毒性の低い赤リンと硫黄を出発原料とし、かつ特殊な製造装置を必要としない簡便な製造工程を有するため、上記硫化物系固体電解質スラリー、硫化物系固体電解質粉末等を安価に製造することが可能であり、得られた硫化物系固体電解質層や硫化物系固体電解質粉末を適用した全固体二次電池は、薄型化・小型化、低コスト化、高性能化が実現できるため、携帯電話やノートPC等の携帯機器や自動車・バイク等の二次電池への応用促進が期待できる。
1 正極集電体
2 正極活物質層
3 固体電解質層
4 負極活物質層
5 負極集電体
6 保護容器または保護フィルム
7 正極・負極兼用集電体
8 ステンレスシリンダー棒(φ6mm、またはφ8mm)
9 絶縁スリーブ(フッ素樹脂)
10 硫化物系固体電解質粉末ペレット
11 ステンレスホルダー

Claims (9)

  1. 有機溶剤中で、少なくとも赤リン(P)粒子、硫黄(S)粒子、硫化アルカリ粒子を加熱及び超音波照射しながら順次または同時に反応させる工程を含むことを特徴とする硫化物系固体電解質スラリーの製造方法。
  2. 赤リン(P)粒子と硫黄(S)粒子を最初に加熱及び超音波照射しながら反応させた後、硫化アルカリ粒子と加熱及び超音波照射しながら反応させることを特徴とする請求項1に記載の硫化物系固体電解質スラリーの製造方法。
  3. 前記有機溶剤がアルコール系有機溶剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の硫化物系固体電解質スラリーの製造方法。
  4. 前記硫化アルカリが硫化リチウム(LiS)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫化物系固体電解質スラリーの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製法で得られる硫化物系固体電解質スラリーから有機溶剤を除去することを特徴とする硫化物系固体電解質粉末の製造方法。
  6. 請求項5に記載の硫化物系固体電解質粉末の製造方法で得られ、リチウムイオン伝導度が1.7×10−6〜2.5×10−5S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa]、電子伝導度が2.0×10−10〜7.5×10−9S(ジーメンス)/cm[プレス圧力:400MPa]を有することを特徴とする硫化物系固体電解質粉末。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の製法で得られる硫化物系固体電解質スラリーを塗布・乾燥することを特徴とする硫化物系固体電解質層の製造方法。
  8. 前記硫化物系固体電解質スラリーの粘度が1000〜100000mPa・s(25℃)である請求項7に記載の硫化物系固体電解質層の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の硫化物系固体電解質層の製造方法で得られることを特徴とする硫化物系固体電解質層。
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