JP6752060B2 - 無機顔料用高分子分散剤 - Google Patents

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Description

本開示は、無機顔料用高分子分散剤、スラリー組成物、及びキットに関する。
無機顔料を含有するスラリー組成物は、シート状に成形されることにより、電子機器分野におけるセラミックス電子部品の製造に使用されている。とりわけ高度な電子機器分野におけるエレクトロセラミック部品の製造において、無機顔料を含有するスラリー組成物から製造される焼成前のセラミックス成形品であるセラミックシート(「グリーンシート」とも呼ばれる)が好適に用いられる。特に、バインダー樹脂を含むスラリー組成物中において無機顔料は凝集しやすく、電気信頼性向上の観点から、無機顔料の高い分散性が要求される。
特許文献1は、酸基に二塩基酸を有する構成単位及びポリエチレングリコール鎖を有する構成単位等を含む3つの構成単位からなる無機顔料用高分子分散剤を開示する。特許文献2は、酸基を有する構成単位及びポリエチレングリコール鎖を有する構成単位等を含む3つの構成単位からなる無機顔料用高分子分散剤を開示する。
特開2007−261911号公報 国際公開第2010/024186明細書
エレクトロセラミックス部品の一種である積層セラミックコンデンサにおいては、電子機器の小型化、高性能化の要求に伴い、無機顔料の小粒径化やセラミックスシートの薄膜化が進められている。しかし、無機顔料の小粒径化やセラミックシートの薄膜化によって、無機粒子の良好な分散性が得られにくく電気信頼性が悪化するといった問題や、セラミックシートの強度(以下、「シート強度」ともいう)不足によるハンドリング性が悪化するといった問題が大きくなっている。
本開示は、無機顔料の良好な分散性を確保しつつ、セラミックシートのシート強度を向上可能な無機顔料用高分子分散剤及びスラリー組成物を提供する。
本開示は、一塩基酸、二塩基酸、無水二塩基酸及び二塩基酸モノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構成単位(a)、並びに、下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される化合物由来の構成単位から選ばれる少なくとも1つの構成単位(b)を含有する共重合体と、
オレフィン系脱泡剤、シリコーン系脱泡剤及びアクリル系脱泡剤から選ばれる少なくとも1種の脱泡剤と、を含む、非水系溶媒中で用いる無機顔料用高分子分散剤(以下、「本開示に係る分散剤」ともいう)に関する。
[式(I)中、R1、R2、R3及びR5は同一又は異なり、水素原子、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R4は炭素数2以上4以下のアルカンジイル基を示し、X1は酸素原子及びNHから選ばれる少なくとも1種を示し、nは平均付加モル数を示し、1以上140以下である。]
11O(AO)m12 (II)
[式(II)中、R11は炭素数1以上18以下の炭化水素基を示し、R12は炭素数2以上5以下の不飽和炭化水素基を示し、AOは炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基の1種又は2種以上を示し、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1以上100以下である。]
本開示は、非水系溶媒と、無機顔料と、本開示に係る分散剤と、を含む、スラリー組成物に関する。
本開示は、非水系溶媒と、
無機顔料と、
一塩基酸、二塩基酸、無水二塩基酸及び二塩基酸モノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構成単位(a)、並びに、下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される化合物由来の構成単位から選ばれる少なくとも1つの構成単位(b)を含有する共重合体と、
オレフィン系脱泡剤、シリコーン系脱泡剤及びアクリル系脱泡剤から選ばれる少なくとも1種の脱泡剤と、を含む、スラリー組成物に関する。
[式(I)中、R1、R2、R3及びR5は同一又は異なり、水素原子、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R4は炭素数2以上4以下のアルカンジイル基を示し、X1は酸素原子及びNHから選ばれる少なくとも1種を示し、nは平均付加モル数を示し、1以上140以下である。]
11O(AO)m12 (II)
[式(II)中、R11は炭素数1以上18以下の炭化水素基を示し、R12は炭素数2以上5以下の不飽和炭化水素基を示し、AOは炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基の1種又は2種以上を示し、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1以上100以下である。]
本開示は、本開示に係る分散剤が容器に収納された容器入り分散剤を含む、キットに関する。
本開示によれば、無機顔料の良好な分散性を確保しつつ、セラミックシートのシート強度を向上可能な無機顔料用高分子分散剤及びスラリー組成物を提供できるという効果を奏しうる。
図1は、脱泡剤を含む実施例1のスラリー組成物から形成されたセラミックシートの断面図の一例である。 図2は、脱泡剤を含まない比較例1のスラリー組成物から形成されたセラミックシートの断面図の一例である。
通常、無機顔料及び分散剤を含むスラリー組成物から形成されたセラミックシートの内部には、図2に示すように、目視では確認できない大きさの空隙、例えば、スラリー組成物中の50〜500nmの微細な気泡に起因すると考えられる空隙が存在する。そして、本発明者は、シートのさらなる薄膜化とシート強度の確保を両立するためには、セラミックシートの内部に存在する前記空隙を減少させることが重要であり、空隙を減少させるには、これまで問題となっていなかったスラリー組成物中の微細な気泡を除去することが重要であることを見出した。さらに、本発明者は、特定の構成単位を有する共重合体、及び特定の脱泡剤を含有する分散剤を用いることにより、非水系溶媒中において無機顔料の良好な分散性(以下、単に「分散性」ともいう)を実現でき、さらに、シート強度を向上できることを見出した。本開示において、「無機顔料の良好な分散性を実現する」とは、無機顔料を一次粒子径の状態又はそれに近い状態に分散でき、さらに好ましくは、バインダー樹脂を添加しても、良好な分散性が維持できることをいう。本開示において、「シート強度の向上」とは、無機顔料及び分散剤を含むスラリー組成物から形成されたセラミックシートの破断応力が向上することをいう。
すなわち、本開示に係る分散剤は、一塩基酸、二塩基酸、無水二塩基酸及び二塩基酸モノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構成単位(a)、並びに、前記式(I)で表される構成単位及び前記式(II)で表される化合物由来の構成単位から選ばれる少なくとも1つの構成単位(b)を含有する共重合体と、オレフィン系脱泡剤、シリコーン系脱泡剤及びアクリル系脱泡剤から選ばれる少なくとも1種の脱泡剤と、を含む、非水系溶媒中で用いる無機顔料用高分子分散剤に関する。本開示に係る分散剤によれば、非水系溶媒中における無機顔料の良好な分散性を確保しつつ、セラミックシートのシート強度を向上できうる。したがって、本開示に係る分散剤は、非水系溶媒中への無機顔料の分散に好適に用いられる。
本開示の効果が発現するメカニズムの詳細は不明であるが以下のことが推定される。
まず、本開示に係る分散剤中の共重合体は、構成単位(a)が酸性基を有することから、無機顔料表面に強く吸着し、構成単位(b)は無機顔料粒子間に強い立体的斥力をもたらすことで分散基として機能し、無機顔料粒子の良好な分散性を発現すると考えられる。そして、構成単位(a)の無機顔料表面に対する強い吸着は、無機顔料表面と共重合体との界面における剥離や破断も抑制するため、シート強度が向上すると考えられる。
さらに、本開示に係る分散剤中の特定の脱泡剤は、これまで問題となっていなかったスラリー組成物中の微細な気泡を除去できると考えられる。すなわち、本開示に係る分散剤を用いたスラリー組成物からセラミックシートを形成すると、セラミックシートの内部の空隙を減少させることができ、セラミックシートの強度が向上すると考えられる。但し、これらは推定であって、本開示は、これらメカニズムに限定されなくてもよい。
[構成単位(a)]
本開示に係る分散剤に含まれる前記共重合体は、一塩基酸、二塩基酸、無水二塩基酸及び二塩基酸モノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、「モノマー(a)」ともいう)由来の構成単位(a)を含む。構成単位(a)は、中和可能な酸性基を有し、無機顔料表面との相互作用により、共重合体分子が無機顔料表面に選択的に強く吸着すると考えられる。本開示において、構成単位(a)とは、重合後の化学修飾によってモノマー(a)由来の構成単位となるものを含む概念である。前記化学修飾としては、カルボキシ基、リン酸基、スルホ基等の導入、加水分解、エステル化等が挙げられる。
構成単位(a)は、共重合体の分子設計及び製造容易性の観点から、モノマー(a)の重合により得られる構成単位が好ましい。
モノマー(a)としては、シート強度向上及び共重合体の製造容易性の観点から、エチレン性二重結合を有するモノマーが好ましく、構成単位(b)及び構成単位(c)を形成するモノマーと共重合可能なエチレン性二重結合を有するモノマーがより好ましく、一塩基酸、二塩基酸、無水二塩基酸及び二塩基酸モノエステルから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。モノマー(a)は、単独でも、二種以上併用してもよい。
前記一塩基酸としては、シート強度向上及び共重合体の製造容易性の観点から、カルボキシル基を1つ有する化合物が好ましく、メタクリル酸及びアクリル酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
前記二塩基酸としては、シート強度向上及び共重合体の製造容易性の観点から、カルボキシ基を2つ有する化合物が好ましく、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
前記無水二塩基酸としては、例えば、2つのカルボキシ基を有する二塩基酸由来の酸無水物が挙げられ、シート強度向上及び共重合体の製造容易性の観点から、ジカルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水シトラコン酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
前記二塩基酸モノエステルとしては、例えば、前記二塩基酸が有する2つの酸基のうち1つの酸基がエステル化された構造を有するものが挙げられ、シート強度向上及び共重合体の製造容易性の観点から、2つのカルボキシ基のうち1つのカルボキシ基がアルコールでエステル化された構造を有するものが好ましく、マレイン酸、イタコン酸及びシトラコン酸から選ばれる少なくとも1種の二塩基酸とアルコールとのモノエステルがより好ましい。前記アルコールとしては、シート強度向上の観点から、脂肪族アルコールが好ましく、炭素数1以上8以下の脂肪族アルコールがより好ましく、炭素数1以上3以下の脂肪族アルコールが更に好ましく、メタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも1種が更により好ましく、エタノールが更により好ましい。
前記二塩基酸モノエステルの具体例としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノイソブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)、マレイン酸モノラウリル、マレイン酸モノステアリル、マレイン酸モノイソステアリル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノイソブチル、イタコン酸モノオクチル、イタコン酸モノ(2−エチルヘキシル)、イタコン酸モノラウリル、イタコン酸モノステアリル、イタコン酸モノイソステアリル、シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノブチル、シトラコン酸モノイソブチル、シトラコン酸モノオクチル、シトラコン酸モノ(2−エチルヘキシル)、シトラコン酸モノラウリル、シトラコン酸モノステアリル、シトラコン酸モノイソステアリル、フタル酸モノメチル、フタル酸モノエチル、フタル酸モノプロピル、フタル酸モノブチル、フタル酸モノオクチル、フタル酸モノ(2−エチルヘキシル)、フタル酸モノラウリル、フタル酸モノステアリル、フタル酸モノイソステアリル等が挙げられる。
本開示における共重合体の全構成単位中の構成単位(a)の含有量は、シート強度向上の観点から、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上が更に好ましく、5重量%超が更により好ましく、8重量%以上が更により好ましく、12重量%以上が更により好ましく、そして、シート強度向上の観点から、66重量%未満が好ましく、60重量%以下がより好ましく、50重量%以下が更により好ましい。
[構成単位(b)]
本開示に係る分散剤に含まれる共重合体は、下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される化合物由来の構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位(b)を含有する。構成単位(b)は非イオン性基を有し、無機顔料粒子間に強い立体的斥力をもたらし、無機顔料粒子同士の凝集を抑制して高い分散性に寄与すると考えられる。
式(I)中、R1、R2、R3及びR5は同一又は異なり、水素原子、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R4は炭素数2以上4以下のアルカンジイル基を示し、X1は酸素原子及びNHから選ばれる少なくとも1種を示し、nは平均付加モル数を示し、1以上140以下である。シート強度向上、分散性向上及び共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、R1及びR2は、水素原子及びメチル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水素原子がより好ましく、R3は、水素原子及びメチル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、メチル基がより好ましい。R4は、同様の観点から、エタンジイル基及びプロパンジイル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エタンジイル基又はエタンジイル基とプロパンジイル基との混合がより好ましく、エタンジイル基が更に好ましく、R5は、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、メチル基がより好ましく、X1は、酸素原子が好ましい。nは、分散性向上の観点から、1以上であって、2以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましく、そして、シート強度向上の観点から、140以下であって、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、25以下が更に好ましい。
11O(AO)m12 (II)
式(II)中、R11は炭素数1以上18以下の炭化水素基を示し、前記炭化水素基は直鎖状、分枝状及び環状のいずれの形態であってもよい。R11としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられ、シート強度向上、分散性向上及び共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、炭素数1以上4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
式(II)中、R12は炭素数2以上5以下の不飽和炭化水素基を示し、前記不飽和炭化水素基は直鎖状及び分枝状のいずれの形態であってもよい。R12としては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、メタリル基、3−ブテニル基等が挙げられ、シート強度向上、分散性向上及び共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、炭素数3以上4以下の不飽和炭化水素基が好ましく、アリル基及びメタリル基から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
式(II)中、AOは炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を示し、前記オキシアルキレン基は直鎖状及び分枝状のいずれの形態であってもよい。AOは1種であっても、2種以上であってもよい。AOが2種以上のとき、その付加形式はランダム状であっても、ブロック状であってもよい。AOとしては、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられる。AOは、シート強度向上、分散性向上及び共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、オキシエチレン(EO)基、オキシプロピレン(PO)基、又は、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との組み合わせ(EOPO)が好ましい。
式(II)中、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数(AOが2種以上のとき、全てのAOに含まれるオキシアルキレン基の平均付加モル数の合計数)を示し、シート強度向上、分散性向上及び共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、1以上100以下であり、好ましくは10以上60以下である。
構成単位(b)としては、非イオン性基を有するモノマー(以下、「モノマー(b)」ともいう)由来の構成単位や、重合後に非イオン性基を導入して得られる構成単位等が挙げられ、共重合体の製造容易性の観点から、モノマー(b)由来の構成単位が好ましい。非イオン性基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基が挙げられる。
モノマー(b)としては、シート強度向上、分散性向上及び構成単位(b)の導入の容易性の観点から、下記式(III)で表されるモノマー(以下、「モノマー(b1)」ともいう)及び上述の式(II)で表される化合物(以下、「モノマー(b2)」ともいう)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、モノマー(b1)がより好ましい。モノマー(b)は、単独でも、二種以上併用してもよい。
式(III)中、R1、R2、R3、R4、R5、X1、及びnは、上述の式(I)で表される構成単位と同様とすることができる。
モノマー(b1)としては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、3−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中でも、シート強度向上及び分散性向上の観点から、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートがより好ましい。本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を意味する。同様に、「(メタ)アクリルアミド」とは、アクリルアミド及びメタクリルアミドから選ばれる少なくとも1種を意味する。
モノマー(b2)としては、例えば、R11O(AO)mHで表されるポリオキシアルキレン誘導体にR12で示される不飽和炭化水素基が導入された化合物、R12O(AO)mHで表されるポリオキシアルキレン誘導体にR11で示される炭化水素基が導入された化合物等が挙げられる。
11O(AO)mHで表されるポリオキシアルキレン誘導体にR12で示される不飽和炭化水素基が導入された化合物は、例えば、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を加え、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、塩化メタリル、臭化メタリル等のモノハロゲン化不飽和炭化水素とのエーテル化反応により得られる。R12O(AO)mHで表されるポリオキシアルキレン誘導体にR11で示される炭化水素基が導入された化合物は、例えば、ポリオキシアルキレンモノアリルエーテル、又はポリオキシアルキレンモノメタリルエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を加え、塩化メチル、臭化メチル、塩化ブチル、臭化ブチル等のモノハロゲン化炭化水素とのエーテル化反応により得られる。
モノマー(b2)の具体例としては、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアリルエーテル等が挙げられる。
本開示に係る分散剤に含まれる共重合体の全構成単位中の構成単位(b)の含有量は、分散性向上の観点から、好ましくは4重量%超、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは15重量%以上、更に好ましくは20重量%以上であり、そして、シート強度向上の観点から、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下である。
[構成単位(c)]
本開示に係る分散剤に含まれる共重合体は、式(IV)で表される構成単位(c)をさらに含有することができる。構成単位(c)は非極性基を有するため、無機顔料表面に吸着した共重合体が非水系溶媒中へ再溶出することを抑制すると考えられる。さらに、構成単位(c)はイオン性基を有さないため、無機顔料表面に共重合体を留めつつ、共重合体の分子形状の自由度を高めてより均一に無機顔料を被覆するものと考えられる。
式(IV)において、R6、R7、及びR8は同一又は異なり、水素原子、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、X3は酸素原子及びNHから選ばれる少なくとも1種を示し、R9及びR10は炭素数1以上30以下の炭化水素基を示す。分散性向上及び共重合体への構成単位(c)の導入の容易性の観点から、R6及びR7は、水素原子及びメチル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水素原子がより好ましく、X3は、酸素原子が好ましい。R8は、シート強度向上及び分散性向上の観点から、水素原子及びメチル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水素原子がより好ましい。X2は、シート強度向上の観点からは、−C(=O)X39が好ましく、そして、分散性向上の観点からは、−R10が好ましい。R9は、シート強度向上及び分散性向上の観点から、脂肪族炭化水素基が好ましく、分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基がより好ましい。R9の炭素数は、シート強度向上の観点から、1以上であって、5以上が好ましく、12以上がより好ましく、16以上が更に好ましく、そして、共重合体の製造容易性の観点から、22以下が好ましく、18以下がより好ましい。R9としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、分岐ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられ、シート強度向上及び分散性向上の観点から、ステアリル基及び分岐ステアリル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、分岐ステアリル基がより好ましい。R10は、シート強度向上、分散性向上及び入手容易性の観点から、芳香族炭化水素基が好ましい。R10の炭素数は、シート強度の向上の観点から、1以上であって、5以上が好ましく、そして、共重合体の製造容易性の観点から、22以下が好ましく、18以下がより好ましい。R10としては、シート強度向上及び分散性向上の観点から、フェニル基がより好ましい。
構成単位(c)としては、例えば、非極性基を有するモノマー(以下、「モノマー(c)」ともいう)由来の構成単位、及び重合後に非極性基を導入して得られる構成単位等が挙げられ、共重合体の製造容易性の観点から、モノマー(c)由来の構成単位が好ましい。非極性基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、アリール基等の炭化水素基が挙げられる。
モノマー(c)としては、シート強度向上、分散性向上及び構成単位(c)の導入の容易性の観点から、式(V)で表されるモノマーが好ましい。
式(V)中、R6、R7、R8、R9、R10、及びX3は、上述の式(IV)で表される構成単位(c)と同様とすることができる。
モノマー(c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、分岐ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のエステル化合物;ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物;1−デセン、1−オクタデセン等のα―オレフィン;及びこれらのアルキル鎖が分岐しているもの;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げられる。これらの中でも、シート強度向上及び分散性向上の観点から、メチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、分岐ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、分岐ステアリル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
構成単位(c)の溶解度パラメータ(単位:[(MPa)1/2])は、共重合体の製造容易性の観点から、12.0以上が好ましく、14.5以上がより好ましく、15.0以上が更に好ましく、そして、シート強度向上の観点から、20.0以下が好ましく、17.0以下がより好ましく、16.2以下が更に好ましく、15.8以下が更により好ましい。本開示において、構成単位(c)の溶解度パラメータ(以下、「Sp1値」ともいう)とは、Hansenの方法により計算された値をいう。すなわち、前記Sp1値は、特開2004−196719号公報 段落[0013]に記載の、三次元溶解度パラメータから算出したδに相当する。各三次元溶解度パラメータは、DW.VanKrevelen、「Properties of Polymers.、3rd ed.、Elsevier、New York.、1990年、Ch.7」に記載された原子団のモル引力定数を用いて、構成単位(c)を構成する各原子団毎のモル引力定数を足し合わせることで計算できる。
本開示に係る分散剤に含まれる共重合体が構成単位(c)を含有する場合、該共重合体の全構成単位中の構成単位(c)の含有量は、シート強度向上の観点から、5重量%以上が好ましく、10重量%超がより好ましく、15重量%以上が更に好ましく、そして、シート強度向上及び分散性向上の観点から、75重量%以下が好ましく、70重量%未満がより好ましく、65重量%以下が更に好ましく、55重量%以下が更により好ましい。
[その他の構成単位]
本開示に係る分散剤に含まれる共重合体は、本開示の効果を損なわない範囲で、構成単位(a)、(b)及び(c)以外のその他の構成単位を含んでもよい。本開示における共重合体の全構成単位中、前記その他の構成単位の含有量は、本開示の効果を発現させる観点から、好ましくは10重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。
[共重合体の製造]
本開示に係る分散剤に含まれる共重合体は、モノマー(a)、(b)及び(c)を含むモノマー混合物を溶液重合法で重合させる等、公知の方法で得ることができる。溶液重合に用いられる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族;エタノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;等が挙げられる。溶媒の量は、モノマー全量100重量部に対し、好ましくは50重量部以上1000重量部以下である。
[共重合体]
本開示における共重合体を構成する各構成単位の配列は、ランダム、ブロック、又はグラフトのいずれでもよい。
本発明の共重合体の重量平均分子量は、シート強度向上及び分散性向上の観点から、1000以上であり、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上、更に好ましくは7000以上であり、そして、シート強度向上、分散性向上及び共重合体の製造容易性の観点から、50000未満であり、好ましくは40000以下、より好ましくは20000以下、更に好ましくは10000以下である。重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定できる。
[脱泡剤]
本開示に係る分散剤は、オレフィン系脱泡剤、シリコーン系脱泡剤及びアクリル系脱泡剤から選ばれる少なくとも1種の脱泡剤を含む。
オレフィン系脱泡剤としては、例えば、オレフィン、α―オレフィン等のオレフィン誘導体を含むポリオレフィン等が挙げられ、オレフィン系脱泡剤の市販品としては、エボニック社製「Airex922」、共栄社化学社製「フローレンAC−2300C」等が挙げられる。
シリコーン系脱泡剤としては、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルジョン型、自己乳化型等が挙げられる。通常、オイル型は、溶剤や添加剤を含まない100%シリコーンオイルであり、オイルコンパウンド型は、シリコーンオイルにシリカ微粉末を配合したものであり、溶液型は、シリコーンオイルを溶媒で希釈したものである。エマルジョン型は、シリコーンオイルとシリカ微粉末とを含有するオイルコンパウンドと称される組成物を、乳化剤を用いて水に乳化したもので、従来の水系農薬製剤(水性懸濁製剤等)の消泡剤として用いられている。そして、通常、シリコーンオイルとシリカ微粉末と変性シリコーンオイルとを含有し、水に加えて攪拌するだけで容易に乳化状態となるシリコーン系消泡剤が、自己乳化型シリコーン系消泡剤と称される。シリコーン系脱泡剤の市販品としては、エボニック社製「Airex991」、サンノプコ社製「ダッポーSN−359」、旭化学工業社製「Asahi Silicone AF105」等が挙げられる。
アクリル系脱泡剤としては、例えば、アクリル骨格やメタアクリル骨格を含むアクリル系樹脂及びビニル系樹脂等が挙げられる、アクリル系脱泡剤の市販品としては、共栄社化学社製「ポリフローNo.90」等が挙げられる。
本開示に係る分散剤中の脱泡剤の含有量は、シート強度向上の観点から、共重合体100重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、1.0重量部以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、80重量部以下が好ましく、70重量部以下がより好ましく、60重量部以下が更に好ましい。
[その他の成分]
本開示に係る分散剤は、さらにその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、溶媒、可塑剤、帯電防止剤、バインダー樹脂等が挙げられる。本開示に係る分散剤の使用形態としては、例えば、固体状態、液体状態が挙げられ、液体状態の分散剤の溶媒としては、非水系溶媒を用いることができる。
[分散剤の調製]
本開示に係る分散剤は、前記共重合体及び前記脱泡剤、並びに必要に応じてその他の成分を公知の方法で混合することにより調製できる。
[スラリー組成物]
本開示に係るスラリー組成物は、例えば、非水系溶媒、無機顔料、及び上述した本開示に係る分散剤を配合することによって製造できる。前記配合において、本開示に係る分散剤に代えて、前記共重合体と前記脱泡剤とを配合することによっても本開示に係るスラリー組成物を製造できる。よって、本開示に係るスラリー組成物としては、例えば、少なくとも非水系溶媒、無機顔料、及び本開示に係る分散剤を配合してなる組成物、並びに、少なくとも非水系溶媒、無機顔料、前記共重合体、及び前記脱泡剤を配合してなる組成物が挙げられる。したがって、本開示は、非水系溶媒、無機顔料、及び本開示に係る分散剤を含むスラリー組成物、又は、非水系溶媒、無機顔料、前記共重合体、及び前記脱泡剤を含むスラリー組成物に関する。本開示に係るスラリー組成物によれば、無機顔料の良好な分散性を確保しつつ、シート強度に優れるセラミックシートを製造可能である。
本開示に係るスラリー組成物中の無機顔料の含有量(固形分)は、分散性向上の観点から、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。
本開示に係るスラリー組成物中の、本開示に係る分散剤に由来する共重合体の含有量、及び、本開示に係るスラリー組成物中の共重合体は、分散性向上の観点から、無機顔料100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上であり、そして、シート強度向上の観点から、無機顔料100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。「本開示に係る分散剤に由来する共重合体」とは、本開示に係る分散剤に含有される共重合体をいう。
本開示に係るスラリー組成物中の、本開示に係る分散剤に由来する脱泡剤の含有量、及び、本開示に係るスラリー組成物中の脱泡剤の含有量は、シート強度向上の観点から、無機顔料100重量部に対して、好ましくは0.0001重量部以上、より好ましくは0.001重量部以上、更に好ましくは0.01重量部以上であり、そして、同様の観点から、無機顔料100重量部に対して、好ましくは5.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下、更に好ましくは1.5重量部以下である。「本開示に係る分散剤に由来する脱泡剤」とは、本開示に係る分散剤に含有される脱泡剤をいう。
[非水系溶媒]
非水系溶媒の溶解度パラメータ(単位:[(MPa)1/2])は、無機顔料の分散性向上、及び分散剤との相溶性の観点から、好ましくは20以上、より好ましくは21以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは26以下である。本開示において、非水系溶媒の溶解度パラメータ(以下、「Sp2値」ともいう)は、Fedorsの方法[R.F.Fedors. Polym. Eng. Sci.,14,147(1974)]により計算された値をいう。前記Sp2値は、2種以上の非水系溶媒を用いて調整することができる。2種以上の非水系溶媒を含む混合溶媒のSp2値は、前記方法により求めることもできるが、簡便な方法として、混合溶媒の各成分の溶解度パラメータと体積分率とから計算して求めることもできる。例えば、トルエンとエタノールとを体積分率50:50で混合した場合、そのSp2値は、(18.3)×0.5+(26.2)×0.5=22.3となる。
非水系溶媒としては、キシレン(18.2)、酢酸エチル(18.2)、トルエン(18.3)、テトラハイドロフラン(18.5)、メチルエチルケトン(19.3)、アセトン(19.7)、ブチルセロソルブ(20.2)、2−プロパノール(23.5)、ジメチルホルムアミド(24.7)、1−プロパノール(24.9)、エタノール(26.2)、ジメチルスルホキシド(26.4)、1−ブタノール(28.7)、メタノール(29.7)等の有機溶媒から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。前記( )内の数値は、溶解度パラメータである。
[無機顔料]
一般に、無機顔料の表面は酸点及び塩基点の両者を有する。非水系溶媒中における酸点及び塩基点の量は、逆滴定法で求めることが可能である。逆滴定法とは、あらかじめ濃度が既知である塩基性試薬(又は酸性試薬)を一定の割合で無機顔料と混合し、十分に中和させた後、遠心分離機等で、固液分離させ、その上澄み液を滴定し、減少した塩基性試薬の量(又は酸性試薬の量)から酸量(又は塩基量)を求める方法である。本開示において塩基量及び酸量は下記により求められる。
(1)塩基量の求め方
約2gの無機顔料を精秤し、その重量をS(g)とする。前記精秤した無機顔料と、0.01N 酢酸−トルエン/エタノール(容量比 48/52)溶液30mLとを、ガラス製試料瓶に入れ、超音波洗浄器(Branson社製「1510J−MT」)で1時間分散処理し、分散液を得る。24時間静置後、前記分散液を遠心分離機(日立社製「CP−56G」)を用いて、25,000rpm、60分の条件で遠心分離する。分離した上層の液体部10mLを、フェノールフタレイン指示薬が添加されているトルエン/エタノール溶媒(容量比 2/1)20mLに加え、0.01N 水酸化カリウム−エタノール溶液にて中和滴定する。このときの滴定量をX(mL)、0.01N 酢酸−トルエン/エタノール(容量比 48/52)10mLを中和するのに必要な滴定量をB(mL)とすると、以下の式で、塩基量が求められる。
塩基量(μmol/g)=30×(B−X)/S
(2)酸量の求め方
約2gの無機顔料を精秤し、その重量をS(g)とする。前記精秤した無機顔料と、0.01N n−ブチルアミン−トルエン/エタノール(容量比 48/52)溶液30mLとを、ガラス製試料瓶に入れ、超音波洗浄器(Branson社製「1510J−MT」)で1時間分散処理し、分散液を得る。24時間静置後、前記分散液を遠心分離機(日立社製「CP−56G」)を用いて、25,000rpm、60分の条件で遠心分離する。分離した上層の液体部10mLを、ブロムクレゾールグリーン指示薬が添加されているトルエン/エタノール溶媒(容量比 2/1)20mLに加え、0.01N 塩酸−エタノール溶液にて中和滴定する。このときの滴定量をX(mL)、0.01N n−ブチルアミン−トルエン/エタノール(容量比 48/52)10mLを中和するのに必要な滴定量をB(mL)とすると、以下の式で、酸量が求められる。
酸量(μmol/g)=30×(B−X)/S
本開示における無機顔料としては、シート強度向上及び分散性向上の観点から、塩基性無機顔料が好ましい。塩基性無機顔料とは、上記定義の塩基量が上記定義の酸量よりも大きな値をもつ無機顔料をいう。塩基性無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の複合酸化物;等が挙げられる、セラミックシートの特性を向上させる観点から、複合酸化物が好ましく、チタン酸バリウムがより好ましい。
本開示における無機顔料のBET比表面積に基づく平均粒径(以下、「BET換算粒径」ともいう)は、分散性向上の観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、150nm以下が好ましく、125nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましい。無機顔料のBET換算粒径は、以下のようにして測定される。
無機顔料のBET比表面積に基づく平均粒径の測定方法
無機顔料のBET換算粒径は、無機顔料粒子を粒子径R(m)の球と仮定して、窒素吸着法により測定されたBET比表面積S(m2/g)、無機微粒子の密度ρ(g/cm3)を用いて、求めることができる。すなわち、BET比表面積は単位重量当たりの表面積であるので、表面積をA(m2)、粒子の重量をW(g)とすると、
S=A/W
=[4×π×(R/2)2]/[4/3×π×(R/2)3×ρ×106
=6/(R×ρ×106
の関係式が得られる。粒子径の単位をnmに変換すると、
R(nm)=6000/(S×ρ)
となり、BET換算粒径を求めることができる。例えば、チタン酸バリウム(密度6.0 g/cm3)のBET比表面積が5.0(m2/g)であれば、そのBET換算粒径は、200nmとなる。
本開示に係るスラリー組成物は、本開示の効果を損なわない範囲で、バインダー樹脂、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、分散助剤等の低分子化合物等の添加剤を含有してもよく、シート強度向上の観点から、バインダー樹脂を含有することが好ましい。
前記バインダー樹脂としては、シート強度向上及びセラミックシートの性能向上の観点から、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。前記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、非水系溶媒への溶解性及びシート強度向上の観点から、55モル%以上が好ましく、65モル%以上がより好ましく、そして、セラミックシートの強度向上の観点から、80モル%以下が好ましく、75モル%以下がより好ましい。
本開示に係るスラリー組成物中のバインダー樹脂の含有量は、シート強度向上の観点から、無機顔料100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、4重量部以上がより好ましく、6重量部以上が更に好ましく、そして、分散性向上の観点から、無機顔料100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましく、12重量部以下が更に好ましい。本開示に係るスラリー組成物が本開示に係る分散剤を含有することで、少ないバインダー樹脂量でもシート強度に優れるセラミックシートを得ることができる。
上記帯電防止剤としては、シートの剥離性向上の観点から、カチオン性の帯電防止剤が好ましい。前記カチオン性の帯電防止剤としては、例えば、アルキルイミダゾリン、アルキルイミダゾール等の含窒素複素環を有する化合物やイオン液体が挙げられる。本開示に係るスラリー組成物における帯電防止剤の含有量は、シートの剥離性向上及びセラミックシートの性能向上の観点から、無機顔料100重量部に対して、好ましくは0.05重量部以上が、より好ましくは0.1重量部以上であり、そして、セラミックシートの剥離性を維持する観点から、無機顔料100重量部に対して、好ましくは2.0重量部以下、より好ましくは1.5重量部以下である。
[スラリー組成物の製造方法]
本開示は、前記非水系溶媒、前記無機顔料及び本開示に係る分散剤を配合する工程、又は、前記非水系溶媒、前記無機顔料、前記共重合体、及び前記脱泡剤を配合する工程を含む、スラリー組成物の製造方法(以下、「本開示に係るスラリー製造方法」ともいう)に関する。本開示に係るスラリー製造方法は、前記配合工程で得られる混合液を脱気する脱気工程をさらに含んでもよい。本開示に係るスラリー製造方法によれば、無機顔料の分散性が良好で、シート強度に優れるセラミックシートを製造可能なスラリー組成物が得られうる。前記配合は、例えば、ロールミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、ディスパー、ホモミキサー、ジェットミル、サンドミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の混合器を用いて行うことができる。本開示に係るスラリー製造方法における各成分の配合量は、上述のスラリー組成物における各成分の含有量と同様とすることができる。
[キット]
本開示は、スラリー組成物を製造するためのキットであって、本開示に係る分散剤が容器に収納された容器入り分散剤を含む、キット(以下、「本開示に係るキット」ともいう)に関する。本開示に係るキットとしては、例えば、本開示に係る分散剤と、前記非水系溶媒と、前記無機顔料とが、相互に混合されていない状態で保存されており、これらが使用時に混合されるキットが挙げられる。本開示に係るキットによれば、無機顔料の分散性が良好で、シート強度に優れるセラミックシートを製造可能なスラリー組成物が得られうる。
以下、実施例により本開示を説明する。以下の実施例において、「ポリアルキレングリコール(Xモル)」とする表記におけるXは、当該アルキレングリコールのアルキレンオキシド平均付加モル数を示す。重量平均分子量、固形分及びスラリー組成物の分散性の評価、シート強度の評価の測定は、以下の方法により行った。
1.共重合体の調製
表1に示す共重合体A1〜A6の調製には、下記原料を用いたSp値の記載のあるものは、該原料が重合により共重合体の構成単位となった場合の、Hansenの方法により計算された溶解度パラメータ(単位:[(MPa)1/2])である。
<モノマー(a)>
・無水マレイン酸:三井化学社製「ムスイマレインサン ペレット KG」
・MAA:メタクリル酸(三菱瓦斯化学社製「GE−110」)
<モノマー(b)>
・PEGMA23:メトキシポリエチレングリコール(23モル)メタクリレート(新中村化学工業社製「NK−エステル TM―230G」)
・PEGMA40:メトキシポリエチレングリコール(40モル)メタクリレート(新中村化学工業社製「NKエステル M−450G」)
・アリルエーテルEO:ポリオキシエチレンアリルエーテル(式(5)中、R11:メチル基、R12:アリル基、m:33)、日油社製「ブレンマー PKA-5010」(EO平均付加モル数:33)
・アリルエーテルEOPO:ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアリルエーテル(式(5)中、R11:メチル基、R12:アリル基、m:32)、日油社製「ブレンマー PKA-5016」(EO平均付加モル数:16、PO平均付加モル数:16)
<モノマー(c)>
・i−SMA:分岐ステアリルメタクリレート(新中村化学工業社製「NKエステル S−1800M」)(Sp1値:15.7)
・St:スチレン(NSスチレンモノマー社製)(Sp1値:15.5)
・MMA:メチルメタクリレート(三菱瓦斯化学社製)(Sp1値:16.6)
<重合連鎖移動剤>
・MPD:3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(旭化学工業社製「1−チオグリセロール」)
<重合開始剤>
・V−65B:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)
[共重合体A1の製造例]
還流管、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、初期仕込み用モノマー(a)である無水マレイン酸 6.75g、初期仕込み用モノマー(b)であるPEGMA23 31.5g、初期仕込み用モノマー(c)であるi-SMA 6.75g、MPD 2.25g及びエタノール(キシダ化学社製、試薬) 27.0gを仕込み、フラスコ内を撹拌しながら窒素置換し、80℃に加熱した。フラスコ内温度が80℃に到達後、V−65B 1.35g及びエタノール 12.15gの混合液をフラスコ内に添加した。その後、滴下用モノマー液(a)である無水マレイン酸 60.75g、滴下用モノマー液(b)であるPEGMA23 283.5g、滴下用モノマー液(c)であるi-SMA 60.75g、MPD 16.20g、V−65B 12.15g及びエタノール 243.0gの混合液を3時間かけてフラスコ内に滴下した。更に80℃で3時間熟成した後、室温まで冷却した。濃度調整のためにエタノールをフラスコ内に添加し、共重合体A1溶液を得た。
[共重合体A2〜A6の製造例]
表1に示した構成単位となるように初期仕込み用モノマー液(a)〜(c)、及び滴下用モノマー液(a)〜(c)を変更したこと、及び、共重合体の分子量を表1に示す値に調節するために、MPDの添加量を調節したこと以外は、前記共重合体A1と同様にして、共重合体A2〜A6溶液を製造した。
[重量平均分子量の測定]
共重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)法を用いて行った。すなわち、試料をN,N−ジメチルホルムアミドで希釈し、試料の固形分濃度0.3重量%の溶液を調製して試料溶液とし、その100μLを測定に供した。N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸とリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、GPC〔装置:東ソー株式会社製「HLC−8120GPC」、検出器:示差屈折計(装置付属)、カラム:東ソー株式会社製「TSK−GEL α−M」×2本、カラム温度:40℃、溶離液流速:1mL/min〕により、測定した。標準物質としては、単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製:分子量 5.26×102、1.02×105、8.42×106;西尾工業株式会社製:分子量 4.0×103、3.0×104、9.0×105)を用いた。
2.分散剤の調製
表2に示す分散剤1〜16は、表1に示す共重合体A1〜A6、及び、下記脱泡剤B1〜B8を、表2に示す組合せで混合することにより得た。各分散剤中の共重合体の含有量(固形分)、及び脱泡剤の含有量(対共重合体)を表2に示した。
<脱泡剤>
・B1:オレフィン系(エボニック社製「Airex922」)
・B2:オレフィン系(共栄社化学社製「フローレンAC−2300C」)
・B3:シリコーン系(エボニック社製「Airex991」)
・B4:シリコーン系(サンノプコ社製「ダッポーSN−359」)
・B5:シリカ+シリコーン系(旭化学工業社製「Asahi Silicone AF105」)
・B6:アクリル系(共栄社化学社製「ポリフローNo.90」)
・B7:ビニルエーテル系(共栄社化学社製「フローレンAC−903」)
・B8:ポリエーテル系(花王社製「消泡剤No.8」)
[固形分の測定]
共重合体の固形分は、以下のようにして測定した。シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを入れ、そこに試料1gを量り採り、ガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥した。乾燥後の重量を秤り、次式より得られた値を固形分とした。
固形分(重量%)={[(乾燥後の重量−(シャーレの重さ+ガラス棒の重さ+無水硫酸ナトリウムの重量))]/試料の重量}×100
3.スラリー組成物の調製
表3に示す実施例1〜4、9〜13、参考例5〜8及び比較例1〜3のスラリー組成物の調製は、表2に示す分散剤1〜13を用いて以下のようにして行った。
すなわち、無機顔料であるチタン酸バリウム粉末(BET比表面積 15m2/g、BET換算粒径 75nm) 36gと、分散剤 0.36gと、直径1mmのジルコニアビーズ 50gと、ジルコニアビーズを除いた成分中のチタン酸バリウムの含有量が50重量%になる量のトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)とを、容量100mLのポリエチレン製容器に入れ、卓上型ボールミル(アズワン社製「ビッグローター BR−2」)を用い、室温、120r/minの条件で96時間分散処理を行った。次いで、バインダー樹脂であるポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製「エスレック BM−2」;ブチラール化度68モル%、水酸基量31モル%、分子量約5万) 2.8gと、可塑剤であるジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(花王社製「ビニサイザー 80」)0.56gと、帯電防止剤であるアルキルイミダゾリン(花王社製「ホモゲノール L−95」) 0.2gと、チタン酸バリウムの含有量がスラリー組成物に対して30重量%になる量のトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)とを、前記容器に加え、前記卓上型ボールミルを用い、室温、120r/minの条件で2時間分散処理を行った。ジルコニアビーズを200メッシュナイロン濾過で取り除き、実施例1〜4、9〜13、参考例5〜8及び比較例1〜3のスラリー組成物を得た(表3)。各スラリー組成物中における、分散剤に由来する共重合体の含有量、及び、分散剤に由来する脱泡剤の含有量を表3に示した。
4.分散性及びシート強度の評価
得られたスラリー組成物を用い、分散性の評価及びシート強度の評価を行った。結果を表3に示す。
[スラリー組成物の分散性の評価(粒径の測定]
粒径測定装置として、光子相関法(動的光散乱法)の原理に基づく粒度分布測定機(シスメックス社製「ゼータサイザーナノZS」)を使用した。スラリー組成物 0.025gと、分散媒としてトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52) 2mLとを混合して得られた液をサンプルとし、光路長10mmの硝子セルに1.2mL採取し、測定部に入れて測定した。測定パラメータとして、粒子の屈折率、分散媒の屈折率及びサンプル粘度を入力した。例えば、無機顔料がチタン酸バリウムの場合、粒子の屈折率を2.40とした。分散媒の屈折率は1.423、サンプル粘度は0.752とした。散乱強度の頻度分布が90%となる粒径をD90とした。D90の値が小さいほど、分散性に優れると評価できる。
[シート強度の評価(破断応力の測定)]
フィルムアプリケーター(ギャップ50μm)を用い、シリコーン処理された離型フィルム(帝人デュポンフィルム社製「ピューレックス A31」)にスラリー組成物を塗工し、60℃にて16時間乾燥し、セラミックシートを成形した。乾燥後のセラミックシートの厚みは、2.0μmであった。得られたセラミックシートを、前記離型フィルムとともにスーパーダンベル(ダンベル社製「SDK−2493」、)を取り付けたレバー式試料裁断機(ダンベル社製「SD型」)を用いて裁断して、離型フィルムを剥離したシートを試験片とし、引っ張り試験用治具を装着した卓上型精密試験機(島津製作所社製「オートグラフ EZ−Test」)を用いて、シートが破断した時の破断応力を測定した。破断応力の値が大きいほど、シート強度に優れると評価できる。シート強度の観点から、破断応力(単位:MPa)は、好ましくは20.0以上、より好ましくは25.0以上、更に好ましくは26.0以上、更に好ましくは27.0以上である。
表3に示すとおり、実施例1〜4、9〜13及び参考例5〜8のスラリー組成物は、分散性が良好であった。実施例1〜4、9〜13及び参考例5〜8のスラリー組成物から得られたセラミックシートは、優れたシート強度を示していた。
さらに、実施例1及び比較例1のスラリー組成物を用いて形成されたセラミックシートの断面を透過型電子顕微鏡で観察した。実施例1のスラリー組成物から得られたセラミックシートでは、図1の矢印部分に示されるように、シート内部に空隙がほとんど無いと判断した。一方、比較例1のスラリー組成物から得られたセラミックシートでは、図2の矢印部分に示されるように、白い球状のようなものがたくさん確認され、シート内部に複数の空隙があると判断した。これらの断面観察の結果と、表2の実施例1と比較例1との結果を考慮すると、シート内部の空隙を減少させることが、シート強度の向上に有効であると考えられた。
以上説明したとおり、本発明は、例えば、非水系溶媒における塩基性無機顔料を含有するスラリー組成物の製造工程及びセラミックシートの製造工程に有用である。

Claims (4)

  1. 非水系溶媒と、
    平均粒径が1nm以上150nm以下である無機顔料と、
    一塩基酸、二塩基酸、無水二塩基酸及び二塩基酸モノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構成単位(a)、並びに、下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される化合物由来の構成単位から選ばれる少なくとも1つの構成単位(b)を含有する共重合体と、
    オレフィン系脱泡剤、を含む、スラリー組成物。
    [式(I)中、R1、R2、R3及びR5は同一又は異なり、水素原子、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R4は炭素数2以上4以下のアルカンジイル基を示し、X1は酸素原子及びNHから選ばれる少なくとも1種を示し、nは平均付加モル数を示し、1以上140以下である。]
    11O(AO)m12 (II)
    [式(II)中、R11は炭素数1以上18以下の炭化水素基を示し、R12は炭素数2以上5以下の不飽和炭化水素基を示し、AOは炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基の1種又は2種以上を示し、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1以上100以下である。]
  2. 少なくとも前記非水系溶媒、前記無機顔料、前記共重合体、及び前記脱泡剤を配合してなる、請求項に記載のスラリー組成物。
  3. 前記無機顔料が、塩基性無機顔料である、請求項1又は2に記載のスラリー組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスラリー組成物をシート状に成形してなる焼成前のセラミックス成形品。
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