JP2013193912A - セラミックシート成形用スラリー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、セラミックシート成形用スラリー組成物中における、チタン酸バリウムの分散性に優れ、高強度のセラミックシートを製造可能なセラミックシート成形用スラリー組成物を提供する。
【解決手段】本発明のセラミックシート成形用スラリー組成物は、高分子分散剤、非水系溶媒、ポリビニルブチラール、及びチタン酸バリウムを含有し、前記高分子分散剤が、酸性基を有する構成単位(a)と、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体であり、前記ポリビニルブチラールの、水酸基価が155〜270mgKOH/g、重量平均分子量が10万〜28万である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のセラミックシート成形用スラリー組成物は、高分子分散剤、非水系溶媒、ポリビニルブチラール、及びチタン酸バリウムを含有し、前記高分子分散剤が、酸性基を有する構成単位(a)と、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体であり、前記ポリビニルブチラールの、水酸基価が155〜270mgKOH/g、重量平均分子量が10万〜28万である。
【選択図】なし
Description
本発明は、セラミックシート成形用スラリー組成物に関する。
セラミックス材料を含有するスラリー組成物は、シート状に成形されることにより、電子機器分野におけるセラミックス電子部品の製造に使用される。とりわけ高度な電子機器分野におけるエレクトロセラミックス部品の製造において、セラミックス材料としてチタン酸バリウムを含有するスラリー組成物から製造される焼成前のセラミックス成形品であるセラミックシート(「グリーンシート」とも呼ばれる。)が、好適に用いられる。バインダー樹脂を含むスラリー組成物においては、チタン酸バリウムは凝集しやすく、電気信頼性の向上の観点からチタン酸バリウムの高い分散性が要求される。また、スラリー組成物を成形して得たセラミックシートを離型フィルムから剥離するときのハンドリング性の向上の観点から、セラミックシートには、高い強度が要求される。
特許文献1は、セラミック粉体と、特定の重合度とブチラール化度を有するポリビニルブチラールを含むバインダー樹脂と、可塑剤と、溶剤とを含有する、強度と接着性に優れるグリーンシート用塗料を開示している。
特許文献2は、特定の共重合体を含む分散剤によって覆われたセラミック粒子で構成されたセラミック原料粉末と、バインダー成分と、溶剤とを含むセラミックスラリーから得られた、ショート不良や絶縁不良を低減したセラミック成形体を開示している。
エレクトロセラミックス部品の一種である積層セラミックス電子部品においては、電子機器の小型化、高性能化が進められており、それに伴ってチタン酸バリウムの小粒径化、セラミックシートの薄膜化が進んでいる。しかし、チタン酸バリウムの小粒径化、セラミックシートの薄膜化によって、従来よりも、チタン酸バリウムの分散性不良による電気信頼性の悪化や、セラミックシートの強度不足によるハンドリング性悪化の問題が大きくなっている。しかしながら従来技術において、これらの課題に対する効果は不十分であった。
本発明は、セラミックシート成形用スラリー組成物中における、チタン酸バリウムの分散性に優れ、高強度のセラミックシートを製造可能なセラミックシート成形用スラリー組成物を提供する。
本発明のセラミックシート成形用スラリー組成物は、高分子分散剤、非水系溶媒、ポリビニルブチラール、及びチタン酸バリウムを含有し、
前記高分子分散剤が、酸性基を有する構成単位(a)と、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体であり、
前記ポリビニルブチラールの、水酸基価が155〜270mgKOH/g、重量平均分子量が10万〜28万である。
前記高分子分散剤が、酸性基を有する構成単位(a)と、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体であり、
前記ポリビニルブチラールの、水酸基価が155〜270mgKOH/g、重量平均分子量が10万〜28万である。
本発明によれば、チタン酸バリウムの分散性に優れ、高強度でハンドリング性が良好なセラミックシートを製造可能とする、セラミックシート成形用スラリー組成物を提供できる。本発明のセラミックシート成形用スラリー組成物は、チタン酸バリウムの分散性が優れることにより、ショート不良の発生が抑制され電気信頼性が向上した積層型セラミックス電子部品を提供でき、ハンドリング性が良好なセラミックシートの製造が可能であることによって、高品質の積層型セラミックス電子部品を効率よく製造できる。
本発明は、高分子分散剤、非水系溶媒、ポリビニルブチラール、及びチタン酸バリウムを含有し、前記高分子分散剤が、酸性基を有する構成単位(a)と、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体であり、前記ポリビニルブチラールの、水酸基価が155〜270mgKOH/g、重量平均分子量が10万〜28万である、セラミックシート成形用スラリー組成物(以下、「スラリー組成物」と略称する場合もある。)をセラミックシートの製造に用いることにより、スラリー組成物におけるチタン酸バリウムの分散性が優れ、高強度でハンドリング性が良好なセラミックシートの製造が可能であるという知見に基づく。
本発明の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、出願人は、以下の様に推定している。ポリビニルブチラールをバインダー樹脂として含むスラリー組成物は、例えば、高分子分散剤を含有する非水系溶媒にチタン酸バリウムを分散し、ポリビニルブチラールと、必要に応じて帯電防止剤や可塑剤等の任意成分を添加して製造される。本発明のスラリー組成物に含まれる酸性基とポリオキシアルキレン基を有するアニオン性高分子分散剤は、酸性基がチタン酸バリウム粒子表面に効率よく吸着し、さらにポリオキシアルキレン基がチタン酸バリウム粒子間に強い立体的斥力をもたらすことにより、スラリー組成物中においてチタン酸バリウム粒子の凝集抑制に優れた効果を発揮する。
一方、高分子バインダーであるポリビニルブチラールは、ポリビニルブチラールが有する水酸基と本発明の高分子分散剤が有する酸性基との水素結合形成により、セラミックシートの強度を向上させる一方で、スラリー組成物におけるチタン酸バリウム粒子の分散性を阻害する。しかしながら、本発明では、特定の水酸基価および重量平均分子量を有するポリビニルブチラールをバインダー樹脂として用いることにより、スラリー組成物におけるチタン酸バリウムの分散性を阻害することなく、セラミックシートの高い強度を発現する。但し、これらは推定であって、本発明は、これらメカニズムに限定されない。
本発明は、一つの態様において、高分子分散剤、非水系溶媒、ポリビニルブチラール及びチタン酸バリウムを含有するスラリー組成物であって、前記高分子分散剤が、酸性基を有する構成単位(a)と、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体であり、前記ポリビニルブチラールの水酸基価が155〜270mgKOH/gであって重量平均分子量が10万〜28万である、スラリー組成物(以下「本発明のスラリー組成物」ともいう。)に関する。本発明によれば、第一に、セラミックス材料であるチタン酸バリウムの分散性に優れるセラミックシート成形用スラリー組成物を提供できる。また、本発明によれば、第二に、本発明のスラリー組成物を用いれば、高強度でハンドリング性が良好なセラミックシートを成形できる。具体的には、セラミックシートを離型フィルムから剥離する際に、大きく伸びても破断しないセラミックシートを製造できる。
本明細書において「分散性」が高いとは、スラリー組成物中で分散しているチタン酸バリウム粒子の粒径(以下、「分散粒径」ともいう。)が小さいことをいい、その分散粒径が小さいほど、チタン酸バリウムの「分散性」が高いことになる。
本明細書においてセラミックシートの「強度」が高いとは、セラミックシートの引張試験において破断歪み(伸び)が大きいことをいい、その破断歪みが大きいほど「強度」が高いことになる。
[高分子分散剤]
本発明のスラリー組成物は、高分子分散剤として、酸性基を有する構成単位(a)とポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体を含有する。
本発明のスラリー組成物は、高分子分散剤として、酸性基を有する構成単位(a)とポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体を含有する。
前記構成単位(a)としては、酸性基を有する構成単位であれば特に限定されず、酸性基を有するモノマー(以下酸性モノマー(a)ともいう。)由来の構成単位や、重合後に中和可能な酸性基を付加できるモノマー由来の構成単位等が挙げられる。構成単位(a)が有する酸性基としては、チタン酸バリウム粒子表面に効率よく吸着して分散性を向上させる観点及び電気信頼性を向上させる観点、並びに焼成してセラミックス部品を製造した際に残留せず電気信頼性を向上させる観点から、有機酸性基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
構成単位(a)は、後述する構成単位(b)を形成するモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーに由来する構成単位であることが好ましい。前記酸性モノマー(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。それらの中でも、チタン酸バリウムの分散性向上の観点及び高分子分散剤への構成単位(a)への導入容易性向上の観点から、(メタ)アクリル酸及び(無水)マレイン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、メタクリル酸がさらに好ましい。
前記酸性モノマー(a)は陽イオンとの塩であっても良い。よって、チタン酸バリウムの分散性向上の観点及び高分子分散剤への構成単位(a)への導入容易性向上の観点から、(メタ)アクリル酸の塩及びマレイン酸の塩も好ましく、(メタ)アクリル酸の塩もより好ましく、メタクリル酸の塩もさらに好ましい。前記陽イオンとしては特に限定されず、Li+、Na+、K+、NH4 +及び有機アンモニウムイオン等が挙げられるが、焼成してセラミックス部品を製造した際に残留せず電気信頼性を向上させる観点から、NH4 +及び有機アンモニウムイオンが好ましい。
前記高分子分散剤を構成する全構成単位に対する構成単位(a)の割合は、分散性向上の観点から、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。また、分散性向上の観点から、60重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましく、45重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、本発明のスラリー組成物に含まれる高分子分散剤を構成する全構成単位に対する構成単位(a)の割合は、5〜60重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましく、15〜45重量%がさらに好ましい。
前記構成単位(b)としては、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位であれば特に限定されず、ポリオキシアルキレン基を有するマクロモノマー(以下マクロモノマー(b)ともいう。)由来の構成単位や、重合後にポリオキシアルキレン基を導入できるモノマー由来の構成単位等が挙げられる。構成単位(b)が有するポリオキシアルキレン基は、チタン酸バリウムの分散性向上の観点から、ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基が好ましく、ポリオキシエチレン基がより好ましい。
前記構成単位(b)は、前述した構成単位(a)を形成するモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーに由来する構成単位であることが好ましい。前記マクロモノマー(b)としては、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)(メタ)アクリレート、エトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(アルコキシ)ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート並びにポリエチレングリコールアリルエーテル等の(アルコキシ)ポリオキシアルキレンアリルエーテルが挙げられる。これらの中でも、チタン酸バリウムの分散性向上の観点から、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートがより好ましく、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートがさらに好ましい。
前記高分子分散剤における構成単位(b)が有するポリオキシアルキレン基におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数は、セラミックシート強度向上の観点から、3以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上がさらに好ましく、20以上がよりさらに好ましい。また、分散性向上の観点から、150以下が好ましく、100以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、上記平均付加モル数は、3〜150が好ましく、8〜150がより好ましく、12〜100がさらに好ましく、20〜100がよりさらに好ましい。
前記高分子分散剤を構成する全構成単位に対する構成単位(b)の割合は、分散性向上の観点から、10重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。また、分散性向上の観点から95重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましく、85重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、高分子分散剤を構成する全構成単位に対する構成単位(b)の割合は、10〜95重量%が好ましく、30〜90重量%がより好ましく、50〜85重量%がさらに好ましい。
前記高分子分散剤は、構成単位(a)及び構成単位(b)以外の構成単位を含んでいてもよい。前記構成単位(a)及び構成単位(b)以外の構成単位としては、(メタ)アクリル酸エステル等の不飽和単量体由来の構成単位が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられ、分散性及びセラミックシート強度向上の観点から、メチル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。さらに、分散性向上の観点からはメチル(メタ)アクリレートがより好ましく、セラミックシート強度向上の観点からはステアリル(メタ)アクリレートがより好ましい。
前記高分子分散剤を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a)及び構成単位(b)以外の構成単位の割合は、分散性向上の観点から、30重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。また、高分子分散剤を構成する全構成単位に対する、構成単位(a)の割合と構成単位(b)の割合との合計は、分散性向上の観点から、70重量%以上が好ましく、75重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。
前記高分子分散剤を構成する、各構成単位の配列は、ランダム、ブロック、又はグラフトのいずれであっても良い。前記高分子分散剤の重量平均分子量は、セラミックシートの強度向上の観点から、2000以上が好ましく、4000以上がより好ましく、7000以上がさらに好ましく、8000以上がよりさらに好ましく、20000以上がよりさらに好ましく、40000以上がよりさらに好ましい。また、スラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散性向上の観点から、200000以下が好ましく、120000以下がより好ましく、60000以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、前記高分子分散剤の重量平均分子量は、2000〜200000が好ましく、4000〜120000がより好ましく、7000〜60000がさらに好ましく、8000〜60000がよりさらに好ましく、20000〜60000がよりさらに好ましく、40000〜60000がよりさらに好ましい。
本発明のスラリー組成物中の前記高分子分散剤の含有量は、スラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散性向上の観点から、チタン酸バリウム100重量部に対する重量部として、スラリー組成物の調製に用いられるチタン酸バリウムのBET比表面積[単位m2/g]を5で割った値の、0.3倍以上が好ましく、0.4倍以上がより好ましい。また、本発明のスラリー組成物中の前記高分子分散剤の含有量は、セラミックシートの離型フィルムからの剥離性向上の観点から、チタン酸バリウム100重量部に対する重量部として、前記チタン酸バリウムのBET比表面積[単位m2/g]を5で割った値の、1.5倍以下が好ましく、1.2倍以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、本発明のスラリー組成物中の前記高分子分散剤の含有量は、チタン酸バリウム100重量部に対する重量部として、前記チタン酸バリウムのBET比表面積[単位m2/g]を5で割った値の、0.3〜1.5倍が好ましく、0.4〜1.2倍がより好ましい。
例えば、スラリー組成物の調製に用いられるチタン酸バリウムのBET比表面積が20m2/gであれば、本発明のスラリー組成物中の高分子分散剤の含有量は、スラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散性向上の観点から、チタン酸バリウム100重量部に対して1.2重量部以上が好ましく、より好ましくは1.6重量部以上である。また、セラミックシートの離型フィルムからの剥離性向上の観点から、チタン酸バリウム100重量部に対して6.0重量部以下が好ましく、より好ましくは4.8重量部以下である。前記チタン酸バリウムのBET比表面積がその他の値の場合には、同様に計算して高分子分散剤の好ましい含有量を決定できる。
[非水系溶媒]
本発明のスラリー組成物は、非水系溶媒を含有する。前記非水系溶媒としては非水系(有機溶剤)であれば特に限定されない。前記非水系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−オクタノール、ジアセトンアルコール、ターピネオール、ブチルカルビトール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ナフサ、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トルエン、キシレン、ピリジン等の芳香族類が挙げられる。
本発明のスラリー組成物は、非水系溶媒を含有する。前記非水系溶媒としては非水系(有機溶剤)であれば特に限定されない。前記非水系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−オクタノール、ジアセトンアルコール、ターピネオール、ブチルカルビトール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ナフサ、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トルエン、キシレン、ピリジン等の芳香族類が挙げられる。
前記非水系溶媒としては、本発明のスラリー組成物に含有されるポリビニルブチラールの溶解性の向上の観点から、アルコール類及びセロソルブ類が好ましく、アルコール類がより好ましく、メタノール、エタノール及び2−プロパノールがさらに好ましく、エタノールがよりさらに好ましい。さらに、スラリー組成物から非水系溶媒を穏やかに除去して均質なセラミックシートを成形する観点から、沸点の異なる2種以上の有機溶剤の混合物が好ましく、アルコール類及びセロソルブ類と共沸しにくい他の有機溶剤と、アルコール類及びセロソルブ類との混合物がより好ましい。前記アルコール類及びセロソルブ類と共沸しにくい他の有機溶剤としては、炭化水素類及び芳香族類が好ましく、芳香族類がより好ましく、トルエンがさらに好ましい。これらの観点を総合すると、非水系溶媒としては芳香族類とアルコール類の混合物が好ましく、トルエンとエタノールとの混合物がより好ましい。非水系溶媒におけるトルエンとエタノールの容積比(トルエン/エタノール)は、同様の観点から、10/90〜75/25が好ましく、25/75〜65/35がより好ましく、40/60〜55/45がさらに好ましい。
[チタン酸バリウム]
本発明のスラリー組成物は、セラミックス材料としてチタン酸バリウムを含有する。本発明のスラリー組成物の調製に用いられるチタン酸バリウムとしては、分散性向上の観点、セラミックシートの剥離性向上の観点及びスラリー組成物調製の容易性の観点から、粉末であることが好ましい。前記チタン酸バリウムのBET比表面積に基づく平均粒径は、セラミックシートの剥離性向上の観点から5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、20nm以上がさらに好ましく、35nm以上がよりさらに好ましい。また、分散性向上の観点から、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、120nm以下がさらに好ましく、80nm以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、前記チタン酸バリウムの平均粒径は、5〜300nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、20〜120nmがさらに好ましく、35〜80nmがよりさらに好ましい。
本発明のスラリー組成物は、セラミックス材料としてチタン酸バリウムを含有する。本発明のスラリー組成物の調製に用いられるチタン酸バリウムとしては、分散性向上の観点、セラミックシートの剥離性向上の観点及びスラリー組成物調製の容易性の観点から、粉末であることが好ましい。前記チタン酸バリウムのBET比表面積に基づく平均粒径は、セラミックシートの剥離性向上の観点から5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、20nm以上がさらに好ましく、35nm以上がよりさらに好ましい。また、分散性向上の観点から、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、120nm以下がさらに好ましく、80nm以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、前記チタン酸バリウムの平均粒径は、5〜300nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、20〜120nmがさらに好ましく、35〜80nmがよりさらに好ましい。
なお、本明細書において、本発明のスラリー組成物の調製に用いられるチタン酸バリウムの平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)は、チタン酸バリウムを粒子径R(m)の球と仮定して、窒素吸着法により測定されたBET比表面積S(m2/g)及びチタン酸バリウムの比重ρ(6.0g/cm3)を用いて、求めることができる。すなわち、BET比表面積は単位重量当たりの表面積であるので、チタン酸バリウムの表面積をA(m2)、重量をW(g)とすると、
S(m2/g) =A(m2)/W(g)
=[4×π×(R/2)2]/[4/3×π×(R/2)3×ρ×106]
=6/(R×ρ×106)
の関係式が求められる。粒子径の単位をmからnmに変換すると、前記関係式は、R(nm)=6000/(S×ρ)となり、平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)を求めることができる。例えば、チタン酸バリウムのBET比表面積が20(m2/g)であれば、その平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)は、50nmとなる。
S(m2/g) =A(m2)/W(g)
=[4×π×(R/2)2]/[4/3×π×(R/2)3×ρ×106]
=6/(R×ρ×106)
の関係式が求められる。粒子径の単位をmからnmに変換すると、前記関係式は、R(nm)=6000/(S×ρ)となり、平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)を求めることができる。例えば、チタン酸バリウムのBET比表面積が20(m2/g)であれば、その平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)は、50nmとなる。
本発明のスラリー組成物中のチタン酸バリウムの含有量(スラリー組成物中の固形分濃度)は、電気信頼性向上の観点から、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらに好ましい。また、分散性向上の観点から、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、上記チタン酸バリウムの含有量(スラリー組成物中の固形分濃度)は、10〜50重量%が好ましく、より好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%である。
[ポリビニルブチラール]
本発明のスラリー組成物は、バインダー樹脂として、水酸基価が155〜270mgKOH/gであって重量平均分子量が10万〜28万であるポリビニルブチラールを含有する。
本発明のスラリー組成物は、バインダー樹脂として、水酸基価が155〜270mgKOH/gであって重量平均分子量が10万〜28万であるポリビニルブチラールを含有する。
前記ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドでアセタール化することによって得られる。アセタール化の方法は特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアルコールを温水に溶解し、このポリビニルアルコール水溶液にブチルアルデヒド及び酸触媒を加え、撹拌しながらアセタール化反応を進行させ、次いで、反応温度を上げて熟成し、反応を完結させた後、中和、洗浄、乾燥を行う方法等が挙げられる。
本発明のスラリー組成物に含まれるポリビニルブチラールの水酸基価は、セラミックシートの強度向上の観点から155mgKOH/g以上であり、好ましくは200mgKOH/g以上であり、より好ましくは230mgKOH/g以上である。また、スラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散性向上の観点から、270mgKOH/g以下であり、好ましくは250mgKOH/g以下であり、より好ましくは240mgKOH/g以下である。これらの観点を総合すると、本発明のスラリー組成物に用いられるポリビニルブチラールの水酸基価は、155〜270mgKOH/gであり、好ましくは200〜250mgKOH/gであり、より好ましくは230〜240mgKOH/gである。
本発明のスラリー組成物に含まれるポリビニルブチラールの重量平均分子量は、セラミックシートの強度向上の観点から10万以上であり、好ましくは14万以上であり、より好ましくは16万以上である。また、スラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散性向上の観点から、28万以下であり、好ましくは25万以下であり、より好ましくは22万以下であり、さらに好ましくは20万以下であり、よりさらに好ましくは17万以下である。これらの観点を総合すると、本発明のスラリー組成物に用いられるポリビニルブチラールの重量平均分子量は、10万〜28万であり、好ましくは14万〜25万であり、より好ましくは14万〜22万であり、さらに好ましくは16万〜20万であり、よりさらに好ましくは16万〜17万である。
本発明のスラリー組成物に用いられるポリビニルブチラールは、水酸基価が155〜270mgKOH/gであって重量平均分子量が10万〜28万であるポリビニルブチラールであれば、適宜製造したものであってもよいし、市販品であってもよい。前記ポリビニルブチラールの市販品としては、積水化学工業社製エスレックBシリーズの「BL−5Z」、電気化学工業社製デンカブチラールシリーズの「#3000−1」、「#3000−2」及び「#4000−2」等が挙げられる。
本発明のスラリー組成物中におけるポリビニルブチラールの含有量は、バインダー機能発揮の観点から、チタン酸バリウム100重量部に対して2重量部以上が好ましく、4重量部以上がより好ましく、6重量部以上がさらに好ましく、8重量部以上がよりさらに好ましい。また、分散性の向上及びスラリー組成物の粘度を低下させてシートを成形しやすくする観点から、チタン酸バリウム100重量部に対して20重量部以下が好ましく、18重量部以下がより好ましく、15重量部以下がさらに好ましく、12重量部以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、本発明のスラリー組成物中におけるポリビニルブチラールの含有量は、チタン酸バリウム100重量部に対して2〜20重量部が好ましく、4〜18重量部がより好ましく、6〜15重量部がさらに好ましく、8〜12重量部がよりさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明のスラリー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等のバインダー樹脂、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、分散助剤等の低分子化合物等の添加剤を含有してもよい。
本発明のスラリー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等のバインダー樹脂、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、分散助剤等の低分子化合物等の添加剤を含有してもよい。
上記可塑剤としては特に限定されないが、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸ジエステル、ジオクチルアジペート等のアジピン酸ジエステル、トリエチレングリコール2−エチルヘキシル等のアルキレングリコールジエステル等が挙げられる。なかでも、揮発性が低く、シートの柔軟性を保ちやすいことから、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジオクチルフタレートが好適である。本発明のスラリー組成物における前記可塑剤の含有量は、セラミックシートの柔軟性向上の観点から、ポリビニルブチラール100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましく、15重量部以上がさらに好ましい。また、セラミックシートの離型フィルムからの剥離性向上の観点から、ポリビニルブチラール100重量部に対して40重量部以下が好ましく、30重量部以下がより好ましく、25重量部以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、スラリー組成物における前記可塑剤の含有量は、ポリビニルブチラール100重量部に対して5〜40重量部が好ましく、10〜30重量部がより好ましく、15〜25重量部がさらに好ましい。
上記帯電防止剤としては特に限定されないが、セラミックシートの剥離性向上の観点からカチオン性の帯電防止剤が好ましい。前記カチオン性の帯電防止剤としては、例えば、アルキルイミダゾリン、アルキルイミダゾール等の含窒素複素環を有する化合物が挙げられる。本発明のスラリー組成物における前記帯電防止剤の含有量は、セラミックス部品の電気信頼性向上の観点から、チタン酸バリウム100重量部に対して0.05重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましい。また、セラミックシートの強度を維持する観点からチタン酸バリウム100重量部に対して2.0重量部以下が好ましく、1.5重量部以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、スラリー組成物における前記帯電防止剤の含有量は、チタン酸バリウム100重量部に対して0.05〜2.0重量部が好ましく、0.5〜1.5重量部がより好ましい。
[スラリー組成物]
本発明のスラリー組成物は、非水系溶媒、前記高分子分散剤、チタン酸バリウム及び前記ポリビニルブチラールを含有する。各成分の含有量は上述を参照して決定できる。本発明のスラリー組成物は、例えば、非水系溶媒、前記高分子分散剤、チタン酸バリウム及び前記ポリビニルブチラールを混合する工程を含む製造方法によって製造できる。好ましくは、非水系溶媒に、前記高分子分散剤の存在下でチタン酸バリウムを分散する工程(一次分散工程)を経て、チタン酸バリウムの分散液を得、得られた前記分散液に前記ポリビニルブチラールと、必要に応じて、帯電防止剤や可塑剤等のその他の成分と非水系溶媒とをさらに添加して、これらを混合する工程(二次分散工程)を経て、本発明のスラリー組成物を得る。
本発明のスラリー組成物は、非水系溶媒、前記高分子分散剤、チタン酸バリウム及び前記ポリビニルブチラールを含有する。各成分の含有量は上述を参照して決定できる。本発明のスラリー組成物は、例えば、非水系溶媒、前記高分子分散剤、チタン酸バリウム及び前記ポリビニルブチラールを混合する工程を含む製造方法によって製造できる。好ましくは、非水系溶媒に、前記高分子分散剤の存在下でチタン酸バリウムを分散する工程(一次分散工程)を経て、チタン酸バリウムの分散液を得、得られた前記分散液に前記ポリビニルブチラールと、必要に応じて、帯電防止剤や可塑剤等のその他の成分と非水系溶媒とをさらに添加して、これらを混合する工程(二次分散工程)を経て、本発明のスラリー組成物を得る。
前記一次分散工程では、例えば、高分子分散剤、チタン酸バリウム、及び非水系溶媒を、ジルコニアビーズ等と共に混合する。各成分の含有量は上述を参照して決定できる。これらの混合には、例えば、ボールミル等を用いることができる。ボールミルによる処理時間は、24〜120時間が好ましい。一次分散工程で得られる分散液におけるチタン酸バリウムの濃度は、20〜80重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましい。
前記二次分散工程では、例えば、一次分散工程で得られた分散液、ポリビニルブチラール、その他の成分、及び濃度調整のための非水系溶媒を、一次分散工程で得られた分散液に含まれるジルコニアビーズ等と共に混合する。これらの混合には、例えば、ボールミル等を用いることができる。ボールミルによる処理時間は、0.5〜3時間が好ましい。ボールミルによる処理後、ジルコニアビーズ等を濾過により取り除き、スラリー組成物を得る。二次分散工程における非水系溶媒の添加量は、スラリー組成物中のチタン酸バリウムの濃度が、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%となるように決定する。
1.スラリー組成物(実施例1〜10、比較例1〜16)の調製と評価
[高分子分散剤]
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物の調製には下記表1の高分子分散剤A1〜A12を使用した。なお、高分子分散剤A1〜A8は、下記の条件で合成した。また、各高分子分散剤の不揮発分の測定及び重量平均分子量の測定は、下記条件で行った。
[高分子分散剤]
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物の調製には下記表1の高分子分散剤A1〜A12を使用した。なお、高分子分散剤A1〜A8は、下記の条件で合成した。また、各高分子分散剤の不揮発分の測定及び重量平均分子量の測定は、下記条件で行った。
〔アニオン性高分子分散剤A1の製造例〕
還流管、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコ(反応槽)を窒素置換し、初期仕込原料としてステアリルメタクリレート(SMA:新中村化学社製「NKエステル S」) 6.75g、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレート(PEGMA23:新中村化学社製 NK−エステル TM−230G、エチレンオキサイドの平均付加モル数 23) 31.5g、メタクリル酸(MAA:和光純薬工業社製) 6.75g及びエタノール(和光純薬工業製) 27.0gを反応槽内に仕込み、以降、反応槽内を窒素雰囲気とし、槽内温度(仕込み原料の温度)を65℃に加熱した。槽内温度が65℃に到達した後、開始剤溶液として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65:和光純薬工業社製) 1.35gとエタノール 11.25gとの混合物を反応槽内に添加した。次いで、滴下原料としてSMA 60.75g、PEGMA23 283.5g、MAA 60.75g、エタノール 243.0g及びV−65 12.15gの混合液を3時間かけて反応槽内に滴下し、槽内温度65℃で3時間熟成した後、室温まで冷却した。その後、濃度調整溶媒としてエタノールを反応槽内に添加し、アニオン性高分子分散剤A1のエタノール溶液を得た。高分子分散剤A1溶液の不揮発分は55.3重量%で、高分子分散剤A1の重量平均分子量は54100であった。
還流管、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコ(反応槽)を窒素置換し、初期仕込原料としてステアリルメタクリレート(SMA:新中村化学社製「NKエステル S」) 6.75g、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレート(PEGMA23:新中村化学社製 NK−エステル TM−230G、エチレンオキサイドの平均付加モル数 23) 31.5g、メタクリル酸(MAA:和光純薬工業社製) 6.75g及びエタノール(和光純薬工業製) 27.0gを反応槽内に仕込み、以降、反応槽内を窒素雰囲気とし、槽内温度(仕込み原料の温度)を65℃に加熱した。槽内温度が65℃に到達した後、開始剤溶液として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65:和光純薬工業社製) 1.35gとエタノール 11.25gとの混合物を反応槽内に添加した。次いで、滴下原料としてSMA 60.75g、PEGMA23 283.5g、MAA 60.75g、エタノール 243.0g及びV−65 12.15gの混合液を3時間かけて反応槽内に滴下し、槽内温度65℃で3時間熟成した後、室温まで冷却した。その後、濃度調整溶媒としてエタノールを反応槽内に添加し、アニオン性高分子分散剤A1のエタノール溶液を得た。高分子分散剤A1溶液の不揮発分は55.3重量%で、高分子分散剤A1の重量平均分子量は54100であった。
〔高分子分散剤A2〜A8〕
下記表2に示す原料及び仕込量にて実施した以外は、前記高分子分散剤A1の製造例と同様の方法にて、アニオン性高分子分散剤A2〜A6並びにノニオン性高分子分散剤A7及びA8を製造した。得られた高分子分散剤溶液の不揮発分についても、下記表2に記載した。
下記表2に示す原料及び仕込量にて実施した以外は、前記高分子分散剤A1の製造例と同様の方法にて、アニオン性高分子分散剤A2〜A6並びにノニオン性高分子分散剤A7及びA8を製造した。得られた高分子分散剤溶液の不揮発分についても、下記表2に記載した。
〔高分子分散剤A9〜A12〕
高分子分散剤A9の「アジスパー PB−821」は、ポリアリルアミンのアミノ基の一部が環状エステル重合体及び脂肪酸のカルボン酸基と反応してアミド又は塩を形成した構造を持つカチオン性高分子分散剤である。また、高分子分散剤A10〜A12の「ソルスパース」シリーズは、ポリエチレンイミンのアミノ基の一部が環状エステル重合体及び脂肪酸のカルボン酸基と反応してアミド又は塩を形成した構造を持つカチオン性高分子分散剤である。高分子分散剤A9〜A12の分子量は、表1に示した通りである。
高分子分散剤A9の「アジスパー PB−821」は、ポリアリルアミンのアミノ基の一部が環状エステル重合体及び脂肪酸のカルボン酸基と反応してアミド又は塩を形成した構造を持つカチオン性高分子分散剤である。また、高分子分散剤A10〜A12の「ソルスパース」シリーズは、ポリエチレンイミンのアミノ基の一部が環状エステル重合体及び脂肪酸のカルボン酸基と反応してアミド又は塩を形成した構造を持つカチオン性高分子分散剤である。高分子分散剤A9〜A12の分子量は、表1に示した通りである。
〔不揮発分の測定〕
高分子分散剤溶液の不揮発分は、下記の条件のもと、JIS K0067 4.1 第3法に従って測定した。なお、乾燥時間は2時間とした。
試料量:2g(乾燥無水硫酸ナトリウム添加量:10g)
試験温度:105℃
試験圧力:8kPa
高分子分散剤溶液の不揮発分は、下記の条件のもと、JIS K0067 4.1 第3法に従って測定した。なお、乾燥時間は2時間とした。
試料量:2g(乾燥無水硫酸ナトリウム添加量:10g)
試験温度:105℃
試験圧力:8kPa
〔重量平均分子量の測定〕
高分子分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により以下の測定条件で測定した。下記カラム内には、溶離液を毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに、試料溶液100μLを注入して測定を行った。試料の重量平均分子量は、予め作成した検量線に基づき算出した。検量線の作成には、以下の単分散ポリスチレンを標準試料として用いた。
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
測定条件
試料溶液:(不揮発分として)0.3wt% N,N−ジメチルホルムアミド溶液
溶離液:H3PO4 60mmol/L 及び LiBr 50mmol/L を加えたN,N−ジメチルホルムアミド溶液
カラム:α−M + α−M(東ソー社製)
検出器:示差屈折率
検量線:東ソー社製ポリスチレン 5.26×102、1.02×105、8.42×106;西尾工業社製ポリスチレン 4.0×103、3.0×104、9.0×105(数字はそれぞれ重量平均分子量)
高分子分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により以下の測定条件で測定した。下記カラム内には、溶離液を毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに、試料溶液100μLを注入して測定を行った。試料の重量平均分子量は、予め作成した検量線に基づき算出した。検量線の作成には、以下の単分散ポリスチレンを標準試料として用いた。
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
測定条件
試料溶液:(不揮発分として)0.3wt% N,N−ジメチルホルムアミド溶液
溶離液:H3PO4 60mmol/L 及び LiBr 50mmol/L を加えたN,N−ジメチルホルムアミド溶液
カラム:α−M + α−M(東ソー社製)
検出器:示差屈折率
検量線:東ソー社製ポリスチレン 5.26×102、1.02×105、8.42×106;西尾工業社製ポリスチレン 4.0×103、3.0×104、9.0×105(数字はそれぞれ重量平均分子量)
〔HLBの算出方法〕
ノニオン性高分子分散剤のHLBは、デイビスの式に基づいて算出した。具体的には、次式より得られた値をHLBとした。算出したノニオン性高分子分散剤のHLBは、上記表1に記載した。
HLB=7+(親水基の基数の総和−親油基の基数の総和)
ノニオン性高分子分散剤のHLBは、デイビスの式に基づいて算出した。具体的には、次式より得られた値をHLBとした。算出したノニオン性高分子分散剤のHLBは、上記表1に記載した。
HLB=7+(親水基の基数の総和−親油基の基数の総和)
[ポリビニルブチラール]
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物の調製には下記表3のポリビニルブチラールB1〜B10を使用した。使用したポリビニルブチラールB1〜B10の水酸基価と重量平均分子量を下記表3にまとめる。
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物の調製には下記表3のポリビニルブチラールB1〜B10を使用した。使用したポリビニルブチラールB1〜B10の水酸基価と重量平均分子量を下記表3にまとめる。
〔水酸基価の測定方法〕
ポリビニルブチラールの水酸基価は、JIS K0070 7.2に従って測定した。
ポリビニルブチラールの水酸基価は、JIS K0070 7.2に従って測定した。
〔重量平均分子量の測定方法〕
ポリビニルブチラールの重量平均分子量は、トルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)の0.3wt%溶液を試料溶液とする他は、前記高分子分散剤の重量平均分子量の測定方法に記載の方法と同様に行った。
ポリビニルブチラールの重量平均分子量は、トルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)の0.3wt%溶液を試料溶液とする他は、前記高分子分散剤の重量平均分子量の測定方法に記載の方法と同様に行った。
[スラリー組成物の調製]
〔実施例1のスラリー組成物の調製〕
実施例1のスラリー組成物は、次のようにして調製した。チタン酸バリウム粉末(BET比表面積20m2/g、BET比表面積より計算した平均粒径50nm、塩基量90μmol/g、酸量10μmol/g) 16g、及び高分子分散剤A1 0.6g(不揮発分)を、直径1mmのジルコニアビーズ 50gと一緒に100mLの容器に入れ、これらにトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)を加えて、チタン酸バリウムの濃度が50重量%になるように調整し、卓上型ボールミル(回転数80r/min)にて室温で分散処理を96時間行った。次いで、ポリビニルブチラールB1 1.6g、可塑剤(ビス(2−エチルヘキシル)フタレート) 0.32g、帯電防止剤(アルキルイミダゾリン,「ホモゲノール L−95」花王社製) 0.16g及びトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)を加えて、チタン酸バリウムの濃度がスラリー組成物に対して33.4重量%になるように調整し、卓上型ボールミル(回転数80r/min)にて室温で2時間混合した後、ジルコニアビーズを濾過で取り除き、実施例1のスラリー組成物を得た(下記表4参照)。
〔実施例1のスラリー組成物の調製〕
実施例1のスラリー組成物は、次のようにして調製した。チタン酸バリウム粉末(BET比表面積20m2/g、BET比表面積より計算した平均粒径50nm、塩基量90μmol/g、酸量10μmol/g) 16g、及び高分子分散剤A1 0.6g(不揮発分)を、直径1mmのジルコニアビーズ 50gと一緒に100mLの容器に入れ、これらにトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)を加えて、チタン酸バリウムの濃度が50重量%になるように調整し、卓上型ボールミル(回転数80r/min)にて室温で分散処理を96時間行った。次いで、ポリビニルブチラールB1 1.6g、可塑剤(ビス(2−エチルヘキシル)フタレート) 0.32g、帯電防止剤(アルキルイミダゾリン,「ホモゲノール L−95」花王社製) 0.16g及びトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)を加えて、チタン酸バリウムの濃度がスラリー組成物に対して33.4重量%になるように調整し、卓上型ボールミル(回転数80r/min)にて室温で2時間混合した後、ジルコニアビーズを濾過で取り除き、実施例1のスラリー組成物を得た(下記表4参照)。
〔実施例2〜4及び比較例1〜6のスラリー組成物の調製〕
ポリビニルブチラールB1に換えて下記表4に記載のポリビニルブチラールを用いること以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2〜4及び比較例1〜6のスラリー組成物を調製した。
ポリビニルブチラールB1に換えて下記表4に記載のポリビニルブチラールを用いること以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2〜4及び比較例1〜6のスラリー組成物を調製した。
〔実施例5〜6及び比較例7〜10のスラリー組成物の調製〕
高分子分散剤A1に換えて高分子分散剤A4を用いること、及びポリビニルブチラールB1に換えて下記表5に記載のポリビニルブチラールを用いること以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5〜6及び比較例7〜10のスラリー組成物を調製した。
高分子分散剤A1に換えて高分子分散剤A4を用いること、及びポリビニルブチラールB1に換えて下記表5に記載のポリビニルブチラールを用いること以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5〜6及び比較例7〜10のスラリー組成物を調製した。
〔実施例7〜10及び比較例11〜16のスラリー組成物の調製〕
高分子分散剤A1に換えて下記表6に記載の高分子分散剤を用いること、及びポリビニルブチラールB1に換えてポリビニルブチラールB3を用いること以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7〜10及び比較例11〜16のスラリー組成物を調製した。
高分子分散剤A1に換えて下記表6に記載の高分子分散剤を用いること、及びポリビニルブチラールB1に換えてポリビニルブチラールB3を用いること以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7〜10及び比較例11〜16のスラリー組成物を調製した。
[分散粒径の測定]
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物を用いて、スラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散粒径の測定を行った。分散粒径測定に使用する粒径測定装置として、光子相関法(動的光散乱法)の原理に基づいているシスメックス社製の粒度分布測定機「ゼータサイザーナノZS」を使用した。前記スラリー組成物0.03gと、トルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)5.0gとを混合し、この混合液を測定液として光路長10mmの硝子セルに1.2mL採取し、測定部に入れて、分散粒径として体積中位粒径(D50)を測定した。この結果を下記表4〜6に示す。D50の値が小さいほど、チタン酸バリウムの分散性は良好である。また、測定パラメータとして、分散質の屈折率は2.40を、分散媒の屈折率は1.491を、測定液粘度は0.752を、それぞれ使用した。
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物を用いて、スラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散粒径の測定を行った。分散粒径測定に使用する粒径測定装置として、光子相関法(動的光散乱法)の原理に基づいているシスメックス社製の粒度分布測定機「ゼータサイザーナノZS」を使用した。前記スラリー組成物0.03gと、トルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)5.0gとを混合し、この混合液を測定液として光路長10mmの硝子セルに1.2mL採取し、測定部に入れて、分散粒径として体積中位粒径(D50)を測定した。この結果を下記表4〜6に示す。D50の値が小さいほど、チタン酸バリウムの分散性は良好である。また、測定パラメータとして、分散質の屈折率は2.40を、分散媒の屈折率は1.491を、測定液粘度は0.752を、それぞれ使用した。
2.セラミックシートの成形と評価
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物を用いてセラミックシートを成形し、該セラミックシートの伸びの測定を行った。
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物を用いてセラミックシートを成形し、該セラミックシートの伸びの測定を行った。
[セラミックシートの成形]
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物を、フィルムアプリケーター(ギャップ50μm)を用いて、シリコーン処理された離型フィルム(帝人デュポン社製ピューレックス)に塗工し、60℃にて16時間乾燥し、セラミックシートを成形した。なお、乾燥後のセラミックシートの厚みは5〜8μmであった。
実施例1〜10及び比較例1〜16のスラリー組成物を、フィルムアプリケーター(ギャップ50μm)を用いて、シリコーン処理された離型フィルム(帝人デュポン社製ピューレックス)に塗工し、60℃にて16時間乾燥し、セラミックシートを成形した。なお、乾燥後のセラミックシートの厚みは5〜8μmであった。
[破断歪み(伸び)の測定]
セラミックシートをJIS K6251に規定されたダンベル状1号形に裁断する。セラミックシートを離型フィルムから剥離する前に、セラミックシートと離型フィルムとからなる積層体の厚みを計測し、離型フィルム自身の厚みとの差分より、セラミックシートの厚みを求める。次に、剥離したセラミックシートを卓上型精密試験機(島津製作所社製オートグラフEZ−TEST)に装着されたロードセルに取り付け、6cm/分の試験速度で引っ張り、試験片の破断時の破断歪(伸び)を測定する。この結果を下記表4〜6に示す。この破断歪み(伸び)の値が大きいほど、セラミックシートの強度は高い。
セラミックシートをJIS K6251に規定されたダンベル状1号形に裁断する。セラミックシートを離型フィルムから剥離する前に、セラミックシートと離型フィルムとからなる積層体の厚みを計測し、離型フィルム自身の厚みとの差分より、セラミックシートの厚みを求める。次に、剥離したセラミックシートを卓上型精密試験機(島津製作所社製オートグラフEZ−TEST)に装着されたロードセルに取り付け、6cm/分の試験速度で引っ張り、試験片の破断時の破断歪(伸び)を測定する。この結果を下記表4〜6に示す。この破断歪み(伸び)の値が大きいほど、セラミックシートの強度は高い。
前記表4に示すとおり、比較例1〜6のうち、スラリー組成物中のチタン酸バリウムの分散粒径を示すD50の値が小さい比較例1,2及び5については、破断歪み(伸び)の測定値が顕著に小さく、一方、破断歪み(伸び)の測定値が大きい比較例3,4及び6では、D50の値が顕著に大きい。即ち、比較例1〜6では、スラリー組成物におけるチタン酸バリウムの高分散性と、高強度なセラミックシートの成形の両立はなされていない。これに対して、実施例1〜4においては、D50の値が小さく、且つ、破断歪み(伸び)の測定値が大きく、スラリー組成物におけるチタン酸バリウムの高分散性と、高強度なセラミックシートの成形の両立がなされていることが示された。
また、前記表5に示すとおり、比較例7〜10のうち、スラリー組成物中のチタン酸バリウムの分散粒径を示すD50の値が小さい比較例7及び9については、破断歪み(伸び)の測定値が顕著に小さく、一方、破断歪み(伸び)の測定値が大きい比較例8及び10では、D50の値が顕著に大きい。即ち、比較例7〜10では、スラリー組成物におけるチタン酸バリウムの高分散性と、高強度なセラミックシートの成形の両立はなされていない。これに対して、実施例5〜6においては、D50の値が小さく、且つ、破断歪み(伸び)の測定値が大きく、スラリー組成物におけるチタン酸バリウムの高分散性と、高強度なセラミックシートの成形の両立がなされていることが示された。
前記表6に示す通り、実施例3、5及び7〜10のスラリー組成物においては、比較例11〜16と比較して、チタン酸バリウムの分散粒径を示すD50が低減して分散性が向上した。本発明におけるスラリー組成物に用いる高分子分散剤としては、アニオン性の高分子分散剤が優れていることが示された。
本発明は、セラミックス成形を行う分野、例えば、セラミックス電子部品の製造に関する分野に有用である。
Claims (6)
- 高分子分散剤、非水系溶媒、ポリビニルブチラール、及びチタン酸バリウムを含有し、
前記高分子分散剤が、酸性基を有する構成単位(a)と、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)とを含有するアニオン性共重合体であり、
前記ポリビニルブチラールの、水酸基価が155〜270mgKOH/g、重量平均分子量が10万〜28万である、セラミックシート成形用スラリー組成物。 - 前記ポリビニルブチラールの水酸基価が、200〜270mgKOH/gである請求項1に記載のセラミックシート成形用スラリー組成物。
- 前記ポリビニルブチラールの重量平均分子量が、10万〜22万である請求項1又は2に記載のセラミックシート成形用スラリー組成物。
- 前記ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)の該ポリオキシアルキレン基が、ポリオキシエチレン基である、請求項1〜3いずれかの項に記載のセラミックシート成形用スラリー組成物。
- 前記ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)の該ポリオキシアルキレン基の平均付加モル数が、3〜150である、請求項1〜4いずれかの項に記載のセラミックシート成形用スラリー組成物。
- 前記酸性基を有する構成単位(a)が、(メタ)アクリル酸又はその塩に由来の構成単位である、請求項1〜5いずれかの項に記載のセラミックシート成形用スラリー組成物。
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