JP2016131905A - 無機顔料用高分子分散剤 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3は、酸基を有する構成単位及びマクロモノマーを有する構成単位等を含む3つの構成単位からなる無機顔料用高分子分散剤を開示する。
本発明の共重合体は、式(1)で表される構成単位(a)を含有する。構成単位(a)は中和可能な酸性基を有し、無機顔料表面との静電相互作用により、共重合体分子が無機顔料表面に選択的に強く吸着すると考えられる。
本発明の共重合体は、式(2)で表される構成単位(b)を含有する。構成単位(b)は非イオン性基を有し、無機顔料粒子間に強い立体的斥力をもたらし、無機顔料粒子同士の凝集を抑制して高い分散性に寄与すると考えられる。
本発明の共重合体は、式(3)で表される構成単位(c)を含有する。構成単位(c)は非極性基を有するため、無機顔料表面に吸着した共重合体が非水系溶媒中へ再溶出することを抑制すると考えられる。さらに、構成単位(c)はイオン性基を有さないため、無機顔料表面に共重合体を留めつつ、共重合体分子形状の自由度を高めて、より均一に無機顔料を被覆するものと考えられる。
本発明の共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位(a)、(b)及び(c)以外のその他の構成単位を含んでもよい。本発明の共重合体の全構成単位中、前記その他の構成単位の含有量は、本発明の効果発現させる観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
本発明の共重合体は、例えば、モノマー(a)、(b)及び(c)を含むモノマー混合物を溶液重合法で重合させる等、公知の方法で得ることができる。溶液重合に用いられる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族;エタノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。溶媒の量は、モノマー全量100質量部に対し、好ましくは50質量部以上1000質量部以下である。
本発明の共重合体において、構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(c)の配列は、ランダム、ブロック、グラフト等のいずれでもよく、共重合体の製造容易性の観点から、好ましくはランダム及びブロックから選ばれる少なくとも1種であり、分散性向上の観点から、より好ましくはランダムである。本発明の共重合体において、全構成単位中の構成単位(a)の質量比は、重合に用いるモノマー全量に対する、モノマー(a)と、重合後に中和可能な酸性基を付加できるモノマーと、前記酸性基との合計量の質量比と見なすことができる。全構成単位中の構成単位(b)の質量比は、重合に用いるモノマー全量に対する、モノマー(b)と、重合後に非イオン性基を導入できるモノマーと、前記非イオン性基との合計量の質量比と見なすことができる。全構成単位中の構成単位(c)の質量比は、重合に用いるモノマー全量に対する、モノマー(c)と、重合後に非極性基を導入できるモノマーと、前記非極性基との合計量の質量比と見なすことができる。構成単位(b)に対する構成単位(c)の質量比[(c)/(b)]は、[前記全構成単位中の構成単位(c)の質量比/前記全構成単位中の構成単位(b)の質量比]と見なすことができる。
本発明で使用できる非水系溶媒の溶解度パラメータ(単位:[(MPa)1/2])は、無機顔料の分散性向上、及び上記高分子分散剤との相溶性の観点から、好ましくは20以上、より好ましくは21以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは26以下である。本発明において、非水系溶媒の溶解度パラメータは、Fedorsの方法[R.F.Fedors. Polym. Eng. Sci.,14,147(1974)]により計算された値をいう。
一般に、無機顔料の表面は酸点及び塩基点の両者を有する。非水系溶媒中における酸点及び塩基点の量は、逆滴定法で求めることが可能である。逆滴定法とは、あらかじめ濃度が既知である塩基性試薬(又は酸性試薬)を一定の割合で無機顔料と混合し、十分に中和させた後、遠心分離機等で、固液分離させ、その上澄み液を滴定し、減少した塩基性試薬の量(又は酸性試薬の量)から酸量(又は塩基量)を求める方法である。本発明において塩基量及び酸量は下記により求められる。
無機顔料2gを精秤(試料量)し、0.01N 酢酸−トルエン/エタノール(容量比 48/52)溶液30mLに入れ、超音波洗浄器(Branson社製「1510J−MT」)で1時間分散処理し、分散液を得る。24時間静置後、前記分散液の一部を遠心分離機(日立社製「CP−56G」)を用いて、25,000rpm、60分の条件で遠心分離する。分離した上層の液体部10mLをフェノールフタレイン指示薬が添加されているトルエン/エタノール溶媒(容量比 2/1)20mLに加え、0.01N 水酸化カリウム−エタノール溶液にて中和滴定する。この時の滴定量をX(mL)、0.01N 酢酸−トルエン/エタノール(容量比 48/52)10mLを中和するのに必要な滴定量をB(mL)、試料量をS(g)とすると、以下の式で、塩基量が求められる。
塩基量(μmol/g)=30×(B−X)/S
無機顔料2gを精秤(試料量)し、0.01N n−ブチルアミン−トルエン/エタノール(容量比 48/52)溶液30mLに入れ、超音波洗浄器(Branson社製「1510J−MT」)で1時間分散処理し、分散液を得る。24時間静置後、前記分散液の一部を遠心分離機(日立社製「CP−56G」)を用いて、25,000rpm、60分の条件で遠心分離する。分離した上層の液体部10mLをブロムクレゾールグリーン指示薬が添加されているトルエン/エタノール溶媒(容量比 2/1)20mLに加え、0.01N 塩酸−エタノール溶液にて中和滴定する。この時の滴定量をX(mL)、0.01N n−ブチルアミン−トルエン/エタノール(容量比 48/52)10mLを中和するのに必要な滴定量をB(mL)、サンプル量をS(g)とすると、以下の式で、酸量が求められる。
酸量(μmol/g)=30×(B−X)/S
無機顔料の平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)は、無機顔料粒子を粒子径R(m)の球と仮定して、窒素吸着法により測定されたBET比表面積S(m2/g)、無機微粒子の密度ρ(g/cm3)を用いて、求めることができる。すなわち、BET比表面積は単位質量当たりの表面積であるので、表面積をA(m2)、粒子の質量をW(g)とすると、
S=A/W
=[4×π×(R/2)2]/[4/3×π×(R/2)3×ρ×106]
=6/(R×ρ×106)
の関係式が得られる。粒子径の単位をnmに変換すると、
R(nm)=6000/(S×ρ)
となり、平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)求めることができる。例えば、チタン酸バリウム(密度6.0 g/cm3)のBET比表面積が5.0(m2/g)であれば、その平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)は、200nmとなる。
本発明のスラリー組成物は、無機顔料、非水系溶媒及び本発明の分散剤を混合し、好ましくは分散する工程を有する方法により、製造することができる。前記工程は、無機顔料、非水系溶媒及び本発明の分散剤を、メディアと共に混合する工程を含む。前記メディアの形状は好ましくはビーズであり、その粒径は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは3mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。前記メディアの材質は、好ましくはアルミナ又はジルコニア、より好ましくはジルコニアである。スラリー組成物を製造する際に混合する無機顔料、非水系溶媒及び本発明の分散剤の好適な量は、後述するスラリー組成物における各成分の含有量と同様である。以上の製造方法により、無機顔料を非水系溶媒に分散させることができ、分散性及びシート強度に優れるスラリー組成物を製造することができる。
本発明の分散剤を用いれば、非水系溶媒に無機顔料が分散したスラリー組成物を得ることができる。したがって、本発明のスラリー組成物は無機顔料、非水系溶媒及び本発明の分散剤を含有する。スラリー組成物における無機顔料の含有量は、分散性向上の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。無機顔料100質量部に対する本発明の分散剤に由来する共重合体の含有量は、分散性向上の観点から、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、シート強度の向上の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。「本発明の分散剤に由来する共重合体」とは、本発明の分散剤に含有される共重合体をいう。
<3> 共重合体の全構成単位中、構成単位(a)の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは5質量%超、更に好ましくは8質量%以上、更に好ましくは12質量%以上である、<1>又は<2>に記載の無機顔料用高分子分散剤。
<4> 共重合体の全構成単位中、構成単位(a)の含有量が、好ましくは66質量%未満、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、更に好ましくは35質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である、<1>から<3>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<5> 共重合体の全構成単位中、構成単位(a)の含有量が、好ましくは5質量%超66質量%未満である、<1>から<4>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<6> 式(2)中のnが、1以上であり、好ましくは2以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上である、<1>から<5>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<7> 式(2)中のnが、140以下であり、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましく25以下である、<1>から<6>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<8> 共重合体の全構成単位中、構成単位(b)の含有量が、好ましくは4質量%超、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%である、<1>から<7>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<9> 共重合体の全構成単位中、構成単位(b)の含有量が、好ましくは65質量%以下、より好ましくは55質量%未満、更に好ましくは45質量%以下である、<1>から<8>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<10> 共重合体の全構成単位中、構成単位(b)の含有量が、好ましくは4質量%超55質量%未満である、<1>から<9>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<11> 式(3)中のR12の炭素数が、1以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上である、<1>から<10>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<12> 式(3)中のR12の炭素数が、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である、<1>から<11>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<13> 式(3)中のR13の炭素数が、1以上であり、好ましくは5以上である、<1>から<12>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<14> 式(3)中のR13の炭素数が、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である、<1>から<13>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<15> 式(3)におけるR12及びR13の炭素数が、好ましくは5以上30以下である、<1>から<14>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<16> 構成単位(c)の溶解度パラメータ(単位:[(MPa)1/2])が、好ましくは12.0以上、より好ましくは14.5以上、更に好ましくは15.0以上である、<1>から<15>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<17> 構成単位(c)の溶解度パラメータ(単位:[(MPa)1/2])が、好ましくは20.0以下、より好ましくは17.0以下、更に好ましくは16.2以下、更に好ましくは15.8以下である、<1>から<16>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<18> 共重合体の全構成単位中、構成単位(c)の含有量が、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%超、更に好ましくは40質量%以上である、<1>から<17>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<19> 共重合体の全構成単位中、構成単位(c)の含有量が、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%未満、更に好ましくは65質量%以下、更に好ましくは55質量%以下である、<1>から<18>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<20> 共重合体の全構成単位中、構成単位(c)の含有量が、好ましくは30質量%超70質量%未満である、<1>から<19>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<21> 共重合体における構成単位(b)に対する構成単位(c)の質量比[(c)/(b)]が、0.7超であり、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、更により好ましくは1.0以上である、<1>から<20>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<22> 共重合体における構成単位(b)に対する構成単位(c)の質量比[(c)/(b)]が、7.5以下であり、好ましくは3.7以下、より好ましくは2.2以下、更に好ましくは1.5以下である、<1>から<21>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<23> 構成単位(b)に対する構成単位(c)の質量比[(c)/(b)]が、好ましくは0.7超2.2以下である、<1>から<22>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<24> 共重合体の重量平均分子量が、1000以上であり、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上、更に好ましくは7000以上である、<1>から<23>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<25> 共重合体の重量平均分子量が、50000未満であり、好ましくは40000以下、より好ましくは20000以下、更に好ましくは10000以下である、<1>から<24>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<26> 無機顔料が、好ましくは塩基性無機顔料、より好ましくは複合酸化物、より好ましくはチタン酸バリウムである、<1>から<25>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
<27> 非水系溶媒、無機顔料、及び<1>から<26>のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤を含有する、スラリー組成物。
<28> 好ましくはさらにバインダー樹脂を含有する、<27>に記載のスラリー組成物。
<29> 無機顔料100質量部に対する無機顔料用高分子分散剤に由来する共重合体の含有量が、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である、<27>又は<28>に記載のスラリー組成物。
<30> 無機顔料100質量部に対する無機顔料用高分子分散剤に由来する共重合体の含有量が、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である、<27>から<29>のいずれかに記載のスラリー組成物。
<31> スラリー組成物における無機顔料の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である、<27>から<30>のいずれかに記載のスラリー組成物。
<32> スラリー組成物における無機顔料の含有量が、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である、<27>から<31>のいずれかに記載のスラリー組成物。
ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)法を用いた。試料をN,N−ジメチルホルムアミドで希釈し、試料の固形分濃度0.3質量%の溶液を調製して試料溶液とし、その100μLを測定に供した。N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸とリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、GPC〔装置:東ソー株式会社製「HLC−8120GPC」、検出器:示差屈折計(装置付属)、カラム:東ソー株式会社製「TSK−GEL α−M」×2本、カラム温度:40℃、溶離液流速:1mL/min〕により、測定した。標準物質としては、ポリスチレン(東ソー株式会社製:分子量 5.26×102、1.02×105、8.42×106;西尾工業株式会社製:分子量 4.0×103、3.0×104、9.0×105)を用いた。
シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを入れ、そこに試料1gを量り採り、ガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥した。乾燥後の質量を秤り、次式より得られた値を固形分とした。
固形分(質量%)={[(乾燥後の質量−(シャーレの重さ+ガラス棒の重さ+無水硫酸ナトリウムの質量))]/試料の質量}×100
粒径測定装置として、光子相関法(動的光散乱法)の原理に基づく粒度分布測定機(シスメックス社製「ゼータサイザーナノZS」)を使用した。非水系スラリー組成物 0.025gと、分散媒としてトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52) 2mLとを混合して得られた液をサンプルとし、光路長10mmの硝子セルに1.2mL採取し、測定部に入れて測定した。測定パラメータとして、粒子の屈折率、分散媒の屈折率及びサンプル粘度を入力した。例えば、無機顔料がチタン酸バリウムの場合、粒子の屈折率を2.40とした。分散媒の屈折率は1.423、サンプル粘度は0.752とした。散乱強度の頻度分布が50%となる粒径をD50、90%となる粒径をD90とした。
フィルムアプリケーター(ギャップ50μm)を用い、シリコーン処理された離型フィルム(帝人デュポンフィルム社製「ピューレックス A31」)にスラリー組成物を塗工し、60℃にて16時間乾燥し、セラミックシートを成形した。乾燥後のセラミックシートの厚みは5μmであった。得られたセラミックシートを、前記離型フィルムとともにスーパーダンベル(ダンベル社製「SDK−2493」、)を取り付けたレバー式試料裁断機(ダンベル社製「SD型」)を用いて裁断して、離型フィルムを剥離したシートを試験片とし、引っ張り試験用治具を装着した卓上型精密試験機(島津製作所社製「オートグラフ EZ−Test」)を用いて、シートが破断した時の破断応力をシート強度とした。破断応力が高いほど、シート強度は良好である。
・St:スチレン(NSスチレンモノマー社製)(Sp値:15.5)
・MMA:メチルメタクリレート(三菱瓦斯化学社製)(Sp値:16.4)
・SMA:ステアリルメタクリレート(新中村化学工業社製「NKエステル S」)(Sp値:16.0)
・i−SMA:分岐ステアリルメタクリレート(新中村化学工業社製「NKエステル S−1800M」)(Sp値:15.7)
・SA:ステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製「STA」)(Sp値:15.9)
・PEG(2)MA:メトキシポリエチレングリコール(2モル)メタクリレート(新中村化学工業社製「NK−エステル M−20G」)
・PEG(13)MA:メトキシポリエチレングリコール(13モル)メタクリレート(新中村化学工業社製「NK−エステル M―130G」)
・PEG(23)MA:メトキシポリエチレングリコール(23モル)メタクリレート(新中村化学工業社製「NK−エステル TM―230G」)
・PEG(90)MA:メトキシポリエチレングリコール(90モル)メタクリレート(日油社製「ブレンマー PME−4000」)
・PEG(120)MA:メトキシポリエチレングリコール(120モル)メタクリレート(花王社製、品番:化学工業製品中間体)
・MAA:メタクリル酸(三菱瓦斯化学社製「GE−110」)
・MPD:3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(旭化学工業社製「1−チオグリセロール」)
・V−65B:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)
還流管、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、「初期仕込み用モノマー」としてMAA 6.75g、PEG(90)MA 18.0g、St 20.25g、MPD 1.8g及びエタノール(キシダ化学社製、試薬) 27.0gを仕込み、フラスコ内を撹拌しながら窒素置換し、80℃まで昇温した。フラスコ内を80℃で撹拌しながら、「開始剤液」としてV−65B 1.35g及びエタノール 12.15gの混合液をフラスコ内に添加し、次いで、「滴下用モノマー液」としてMAA 60.75g、PEG(90)MA 162g、St 182.25g、MPD 16.2g、V−65B 12.15g及びエタノール 243.0gの混合液を、3時間かけてフラスコ内に滴下した。更に80℃で3時間攪拌し、冷却した。濃度調整のためにエタノールをフラスコ内に添加し、高分子分散剤溶液を得た。固形分は55.9質量%、重量平均分子量は8200であった。
「初期仕込み用モノマー」、「開始剤液」及び「滴下用モノマー液」の組成をそれぞれ表1の記載に従って変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により、高分子分散剤溶液を得た。固形分及び重量平均分子量は、表1に示した通りである。
チタン酸バリウム粉末(BET比表面積15m2/g)36gと、含有する共重合体(固形分)換算で0.6gに相当する高分子分散溶液と、直径1mmのジルコニアビーズ50gと、ジルコニアビーズを除いた成分中のチタン酸バリウムの含有量が50質量%になる量のトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)とを、容量100mLのポリエチレン製容器に入れ、卓上型ボールミル(アズワン社製「ビッグローターBR−2」)を用い、室温、120r/minの条件で96時間分散処理を行った。次いで、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製「エスレック BM−2」;ブチラール化度68モル%、水酸基量31モル%、分子量約5万) 2.8gと、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート 0.56gと、アルキルイミダゾリン(花王社製「ホモゲノール L−95」) 0.2gと、チタン酸バリウムの含有量がスラリー組成物に対して30質量%になる量のトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:48/52)とを、前記容器に加え、前記卓上型ボールミルを用い、室温、120r/minの条件で2時間分散処理を行った。ジルコニアビーズを200メッシュナイロン濾過で取り除き、スラリー組成物を得た。
得られたスラリー組成物を用い、粒径(D50及びD90)の測定、及びシート強度の評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (10)
- 式(1)で表される構成単位(a)、式(2)で表される構成単位(b)、及び式(3)で表される構成単位(c)を含有し、構成単位(b)に対する構成単位(c)の質量比[(c)/(b)]が0.7超7.5以下であり、重量平均分子量が1000以上50000未満である共重合体を含む、非水系溶媒中で用いる無機顔料用高分子分散剤。
- 共重合体の全構成単位中、構成単位(c)の含有量が、30質量%超70質量%未満である、請求項1に記載の無機顔料用高分子分散剤。
- 共重合体の全構成単位中、構成単位(a)の含有量が、5質量%超66質量%未満である、請求項1又は2に記載の無機顔料用高分子分散剤。
- 共重合体の全構成単位中、構成単位(b)の含有量が、4質量%超55質量%未満である、請求項1から3のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
- 式(3)におけるR12及びR13の炭素数が、5以上30以下である、請求項1から4のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
- 構成単位(b)に対する構成単位(c)の質量比[(c)/(b)]が、0.7超2.2以下である、請求項1から5のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
- 無機顔料が、複合酸化物である、請求項1から6のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤。
- 非水系溶媒、無機顔料、及び請求項1から7のいずれかに記載の無機顔料用高分子分散剤を含有するスラリー組成物。
- さらにバインダー樹脂を含有する、請求項8に記載のスラリー組成物。
- 無機顔料100質量部に対する前記無機顔料用高分子分散剤に由来する共重合体の含有量が、10質量部以下である、請求項8又は9に記載のスラリー組成物。
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2015
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