JP2003112038A - 無機微粒子分散液及びその製造方法 - Google Patents

無機微粒子分散液及びその製造方法

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JP2003112038A
JP2003112038A JP2002185920A JP2002185920A JP2003112038A JP 2003112038 A JP2003112038 A JP 2003112038A JP 2002185920 A JP2002185920 A JP 2002185920A JP 2002185920 A JP2002185920 A JP 2002185920A JP 2003112038 A JP2003112038 A JP 2003112038A
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glycol
alkylene glycol
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Shiro Motoyoshi
嗣郎 源吉
Minoru Hanazaki
実 花崎
Yuji Kawamura
祐司 河村
Minoru Okada
岡田  稔
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Maruo Calcium Co Ltd
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性が良好で、有機成分との相溶性の良好
な無機微粒子分散液を提供する。 【解決手段】 無機微粒子が、α、βモノエチレン性不
飽和カルボン酸又はその塩を主要構成単量体とする重合
体をアルキレングリコールを含有する溶剤に溶解してな
る分散剤により、アルキレングリコール中に分散されて
なる無機微粒子分散液である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機微粒子分散液に関
し、更に詳しくは、特定の分散剤を用いて、顔料等の無
機微粒子(以下、多くの場合単に微粒子と記す)をエチ
レングリコール等のアルキレングリコール中に分散させ
てなる微粒子分散液及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、微粒子、特に二酸化チタン、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等の微粒
子は、ゴム、プラスチック、紙、塗料等の填料又は顔料
として広く大量に使用されている。例えば製紙業界にお
いては、タルク、カオリンと共に大量の炭酸カルシウム
が使用されているが、塗工紙の表面光沢を重視するため
分散性の良好な炭酸カルシウムが要求されており、凝集
体粒子が多く水中への分散が困難な炭酸カルシウムの粉
体に替えて、炭酸カルシウムメーカーが調製した高濃度
水系分散体が分散液姿で製紙メーカーに供給され使用さ
れるようになっている。この炭酸カルシウムの高濃度水
系分散液は、ポリアクリル酸ソーダの水溶液等の良好な
分散剤が市販されているため、その調製は容易である。
【0003】前記した微粒子の内、特に粒子径の均一
性、分散性に極めて留意して調製された微粒子、例えば
アルコキシシラン等を加水分解して調製される合成シリ
カ、特定の分散度を有する合成炭酸カルシウムを特定の
条件下において粉砕して調製される炭酸カルシウム、高
度な遠心分級を繰り返し調製されるカオリン等の微粒子
は、オーディオテープ、ビデオテープ等の磁気テープ等
の材料として使用されるポリエステルフィルムのブロッ
キング防止剤として使用されている。これらの無機化合
物はポリエステル中での分散性を良くするため、微粒子
のグリコール分散液を調製し、ポリエステルの製造工程
に添加することが行われるが、これら微粒子はグリコー
ル中での分散性及び分散安定性が良好であるとはいえ
ず、微粒子を懸濁させたグリコールを長期間保存した場
合、微粒子が沈降沈澱し、固いハードケーキを形成して
再分散が困難となること、さらにグリコール中やポリエ
ステルの製造時に無機化合物が凝集してしまうという欠
点もある。ポリマー中に凝集粗大粒子が存在すると、ポ
リエステル繊維の紡糸時に糸切れの原因となったり、フ
ィルムにおいては粗大突起、フィッシュアイ等の原因と
なり、特に磁気テープ用フィルムに使用する場合には、
ドロップアウトやS/N比の低下を引き起こすため、凝
集粗大粒子の生成しない微粒子の分散技術の開発が待た
れている。
【0004】また、ポリエステルフィルムにおいては、
その滑り性や耐削れ性がフィルムの製造工程及び各用途
における加工工程の作業性の良否、さらにはその製品品
質の良否を左右する大きな要因となっている。これら滑
り性や耐削れ性が不充分な場合、例えばポリエステルフ
ィルム表面に磁性層を塗布し、磁気テープとして用いる
場合には、磁性層塗布時におけるコーティングロールと
フィルム表面との摩擦が激しく、またこれによるフィル
ム表面の摩耗も激しく、極端な場合はフィルム表面への
しわ、擦傷等が発生する。また磁性層塗布後のフィルム
をスリットしてオーディオ、ビデオ、またはコンピュー
ター用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等
からの引出し、巻き上げその他の操作の際に、多くのガ
イド部、再生ヘッド等との間で摩耗が著しく生じ、擦
傷、歪の発生、さらにはポリエステルフィルム表面の削
れ等による白粉状物質を析出させる結果、磁気記録信号
の欠落、即ちドロップアウトの大きな原因となることが
多い。
【0005】これは、微粒子と有機成分であるポリエス
テルの親和性が充分でないため、延伸時等に粒子とポリ
エステルとの境界で剥離が発生し、ボイドが生成する。
このボイドがポリエステル中に存在すると、ポリエステ
ルフィルム同志あるいはポリエステルフィルムと他の基
材との接触により、ポリエステルフィルムの損傷等で粒
子がポリエステルフィルムから脱離しやすく、例えば前
述の様に磁気テープ用フィルムにおける白粉の発生やド
ロップアウトの原因となる。また粒子周辺に大きな空隙
が存在するため、ポリエステルフィルムの透明性を損な
うようになる。このため、微粒子とポリエステルとの親
和性の欠如は耐摩耗性、透明性の面で解決すべき問題で
あるとされている。
【0006】従って、前記したように、エチレングリコ
ール等のアルキレングリコール中に微粒子を分散させる
際に使用して好適な分散機能を有すると共に、好ましく
は有機成分と相溶性の良好な機能を有する分散剤の開発
が切望されていた。このような目的に、前記したような
製紙用の炭酸カルシウムに用いられるような公知の分散
剤、例えばポリアクリル酸ソーダの水溶液等を使用した
場合、「顔料ショック」と呼ばれる顔料粒子の凝集の危
険を回避することができず、高度な合成技術、粉砕分級
技術を用いて極度に分散調製された粒子が一瞬にして凝
集粗大粒子と化し、ポリエステルフィルム等のブロッキ
ング防止材として、用をなさないことになりかねない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
実情に鑑み、エチレングリコール等のアルキレングリコ
ール中に微粒子を分散させる際に好適な分散機能を有す
ると共に、好ましくは有機成分と相溶性の良好な機能を
有する分散剤に関し鋭意検討の結果、溶媒として、エチ
レングリコール等のアルキレングリコールを含有させた
ものを用いた分散剤が極めて良好な特性を有し、該分散
剤を用いて無機微粒子をアルキレングリコール中に分散
してなる無機微粒子分散液は、分散性が良好で、有機成
分との相溶性が良好であることを見出し、本発明を完成
した。
【0008】従って、本発明の目的は、エチレングリコ
ール等のアルキレングリコール中に、シリカ、カオリ
ン、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、その他の微粒子を分散させてなる、分散性が良好
で、有機成分との相溶性の良好な無機微粒子分散液を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の組成を
有する重合体及び/又は共重合体をアルキレングリコー
ルを含有する溶媒に溶解してなる分散剤を用いて、無機
微粒子を分散してなる無機微粒子分散液である。
【0010】即ち、本発明の第1は、無機微粒子が、
α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩を主
要構成単量体とする重合体をアルキレングリコールを含
有する溶剤に溶解してなる分散剤により、アルキレング
リコール中に分散されてなる無機微粒子分散液を内容と
するものである。
【0011】本発明の第2は、無機微粒子に、α、βモ
ノエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩を主要構成単
量体とする重合体をアルキレングリコールを含有する溶
剤に溶解してなる分散剤と、アルキレングリコールとを
添加し攪拌することを特徴とする無機微粒子分散液の製
造方法を内容とするものである。
【0012】本発明における、α、βモノエチレン性不
飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸等から選ばれるα、β不飽和モノカルボン
酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸等から選ばれ
るα、β不飽和ジカルボン酸を挙げることができる。
【0013】また、本発明における重合体は、α、βモ
ノエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩を主要構成単
量体とする重合体であり、α、βモノエチレン性不飽和
カルボン酸又はその塩の1種又は2種以上の単独重合体
又は共重合体、及びα、βモノエチレン性不飽和カルボ
ン酸又はその塩とそれらと共重合性を有する単量体との
共重合体が挙げられ、α、βモノエチレン性不飽和カル
ボン酸又はその塩と共重合性を有する単量体としては、
下記のものを挙げることができる; (a)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソブチル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキ
ルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル (b)メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメ
タクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシ
エチルメタクリレート等のアルコキシ基を有するアクリ
レート及びメタクリレート (c)シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート等のシクロヘキシル基を有するアクリレー
ト及びメタクリレート (d)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート等のα、βモノエチレン性不
飽和ヒドロキシエステル (e)ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリ
エチレングリコールモノメタクリレート、ポリピロピレ
ングリコールモノアクリレート、ポリピロピレングリコ
ールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリ
ピロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタク
リレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタク
リレート等のポリアルキレングリコールモノアクリレー
ト及びモノメタクリレート (f)酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエス
テル (g)スチレン、ビニルトルエン等のビニル系芳香族 (h)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽
和ニトリル (i)マレイン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等の
不飽和ジカルボン酸エステル (j)メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等
のビニルエーテル (k)ブタジエン、エチレン、プロピレン、n−ブテ
ン、イソブテン、n−ペンテン等の共役ジエン、オレフ
ィン。
【0014】α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸又
はその塩から選ばれる少なくとも1種と、該α、βモノ
エチレン性不飽和カルボン酸又はその塩と共重合性を有
するその他の単量体との共重合体において、該α、βモ
ノエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩の全単量体に
しめる割合は20重量%以上が好ましく、特に好ましく
は40重量%以上である。α、βモノエチレン性不飽和
カルボン酸又はその塩の量が20重量%未満、即ち、こ
れらと共重合性を有するその他の単量体の量が80重量
%を越えると微粒子の分散性が不充分になるおそれがあ
る。
【0015】上記α、βモノエチレン性不飽和カルボン
酸又はその塩と共重合性を有する単量体としては、ポリ
アルキレングリコールモノアクリレート又はモノメタク
リレートが好ましく、同様に80重量%以下で用いられ
るが、当該単量体の効果を充分に発揮させるためには5
重量%以上50重量%以下用いるのが好ましい。
【0016】また、重合物又は共重合体中に存在するカ
ルボキシル基は、微粒子の分散性改善の観点から、アル
カリ金属、アンモニウム、アミン等による完全中和塩又
は部分中和塩であることが好ましい。
【0017】さらにまた、本発明における重合体又は共
重合体の分子量は、微粒子の分散効果の観点から、50
000以下であるのが好ましく、粘度でいえば、40重
量%水溶液の粘度が5000cps 以下が好ましく、特に
好ましくは3000cps 以下(B型粘度計、25℃、ロ
ーター回転数60rpm )のものである。
【0018】また、本発明におけるアルキレングリコー
ルとしては、例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコー
ル、あるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができ、これらは単独又は2種
以上組み合わせて用いられる。本発明のアルキレングリ
コール含有分散剤が水溶性を損なわない観点からは、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール等の炭素数4以下のアルキレングリコールが好
ましく、中でもエチレングリコールが最も好ましい。
【0019】また、本発明における分散剤中の重合体1
00重量部に対するアルキレングリコールの割合は1重
量部以上であることが好ましく、10重量部以上が更に
好ましい。1重量部未満の場合、アルキレングリコール
中に懸濁された微粒子の分散効果が不充分になる場合が
あり、150重量部を越える場合、微粒子を充分に分散
させるには本発明の分散剤を多量に用いる必要が生じ、
その結果微粒子のアルキレングリコール分散液中の微粒
子濃度が大幅に低下することになるため好ましくない。
【0020】本発明における分散剤は、通常のビニル系
単量体の重合方法を用いる事により容易に調製可能であ
る。その調製方法の一例をあげると、α、βモノエチレ
ン性不飽和カルボン酸等の本発明に用いられる重合体の
構成成分になる重合性単量体である成分と、通常の重合
開始剤、例えば過硫酸カリの如き水溶性過硫酸塩を全単
量体に対して、例えば0.1〜10重量%を用い、エチ
レングリコール等のアルキレングリコールを含む溶媒、
例えば水とエチレングリコールの混合溶媒、もしくはエ
タノールの如きアルコールとエチレングリコールの混合
溶媒、あるいは水とエタノールとエチレングリコールの
混合溶媒中にて、ほぼ50〜150℃で1〜10時間程
度重合させ、重合終了後必要に応じて、水及びエタノー
ルの一部を減圧下にて留出させ、その後必要に応じてア
ルカリ金属塩、又はアンモニア水でpHを適宜調整するこ
とにより、容易に調製することができる。
【0021】また、アルキレングリコールの添加時期に
関しては、上記調製方法に示すように、重合開始前の溶
媒に添加してもよいが、重合開始前の溶媒にアルキレン
グリコールを添加しないで重合反応を行ない、重合反応
終了後エチレングリコール等のアルキレングリコールを
後添加してもさしつかえない。更にまた、上記重合性単
量体を重合してなるパウダーをアルキレングリコールに
溶解して調製してもよい。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらにより何ら制約を受けるもの
ではない。以下の記載における光透過式粒度分布測定機
による粒子径の計測は、下記の要領で測定計算されたも
のである。 測定機種:島津製作所製 SA−CP3 測定方法: 溶媒:イオン交換水にポリアクリル酸ソーダ0.004
重量%溶解させた水溶液 予備分散:超音波分散100秒 測定温度:25.0℃±2.5℃ 計測方法:以下の計算例の通りとする。 DP1:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−
CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな粒
子径側から起算した重量累計25%の時の粒子径(μ
m) DP2:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−
CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな粒
子径側から起算した重量累計50%の時の粒子径(μ
m) DP3:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−
CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな粒
子径側から起算した重量累計75%の時の粒子径(μ
m) 上記粒度分布測定結果から計算したDP1,2,3は以
下の通りとなる。 DP1=0.80+(28.0−25.0)×(1.0
0−0.80)÷(28.0−18.0)=0.86 DP2=0.50+(58.0−50.0)×(0.6
0−0.50)÷(58.0−42.0)=0.55 DP3=0.30+(82.0−75.0)×(0.4
0−0.30)÷(82.0−72.0)=0.37
【0023】参考例1:無機微粒子の調製 無機微粒子(合成球状シリカ)を、下記の要領で調製し
た。水81.0gにNaOH0.006gを溶解し、シ
リカゾルを2.3g加え、さらにエタノール100gを
加えて攪拌し、得られた混合系を35℃に維持した。こ
の混合系にアンモニアガスを導入してpHを11.5にコ
ントロールしながら、エタノール600gと水540g
との混合液、28%エチルシリケート320gを同時に
16時間かけて徐々に添加した。走査型電子顕微鏡写真
測定結果から、得られた粒子は0.2μmの粒子径を有
する球状シリカであった。
【0024】参考例2:分散剤の調製 単量体としてアクリル酸100重量部を、重合開始剤と
して過硫酸アンモン3重量部を用い、溶剤としてエタノ
ール70重量部、プロピレングリコール79重量部、水
32.2重量部の混合溶媒中にて、常法によりアクリル
酸の重合を行った。重合温度は80℃、アクリル酸と過
硫酸アンモンは、約5時間で溶媒中に滴下した。重合終
了後、殆どのエタノールを除去し、中和剤として48重
量%NaOH水溶液115.8重量部を加えpHを7.5
に調製し、ポリアクリル酸ソーダの重合体溶液からなる
分散剤を得た。本参考例で得られたアルキレングリコー
ル含有分散剤の物性を表2に示す。
【0025】参考例3〜6:分散剤の調製 単量体、重合開始剤、溶媒、中和剤、重合温度を表1に
示す条件とした他は参考例2に準じて重合反応を行っ
た。本参考例で得られたアルキレングリコール含有分散
剤の物性を表2に示す。
【0026】参考例7:分散剤の調製 参考例2の条件の内、重合開始前の溶媒にプロピレング
リコールを添加しないで重合反応を行ない、NaOH添
加後の重合体溶液にプロピレングリコールを後添加混合
した以外は、参考例2と同様条件にてポリアクリル酸ソ
ーダの重合体溶液からなる分散剤を得た。本参考例で得
られたアルキレングリコール含有分散剤の物性を表2に
示す。
【0027】比較参考例1〜4:分散剤の調製 単量体、重合開始剤、溶媒、中和剤、重合温度を表3に
示す条件とした他は参考例2に準じて重合反応を行っ
た。本比較参考例で得られたアルキレングリコールを含
有しない分散剤の物性を表3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表1、表3の単量体組成、重合開始剤、溶
剤、中和剤中の単位の記載されていない数字は、総て重
量部を表している。また表1、表3中の略号の詳細を以
下に示す。 AA・・・アクリル酸、 MMA・・・メタクリル
酸、ITA・・・イタコン酸、 MA・・・アクリル
酸メチル AN・・・アクリロニトリル、PGMMA・・・ポリエ
チレングリコールモノメタクリレート(分子量:約40
0) St・・・スチレン、 VAC・・・酢酸ビニル APS・・・過硫酸アンモア、AIBN・・・アゾビス
イソブチロニトリル EtOH・・・エチルアルコール、H2 O・・・水 IPA・・・イソプロピルアルコール、MeOH・・・
メチルアルコール PG・・・プロピレングリコール、EG・・・エチレン
グリコール DEG・・・ジエチレングリコール、NaOH・・・水
酸化ナトリウム NH4 OH・・水酸化アンモニウム チオ・・・分子量調整剤 粘度・・・濃度40%、25℃、B型粘度計による測定
【0032】実施例1 前記参考例1によって得られた球状シリカとエタノール
と水の混合系に、参考例2で得られたアルキレングリコ
ール含有分散剤を、重合体として球状シリカ固形分あた
り、3.0重量%添加し攪拌後、エチレングリコールを
投入し、ロータリーエバポレーターを用いてフラッシン
グし、該混合系から水とエタノールを除去せしめ、水の
残存率が0.4%、球状シリカの固形分濃度が20.0
重量%のエチレングリコール分散液を得た。本実施例1
で得られた球状シリカのエチレングリコール分散液の粒
度分布測定結果を表4に示す。表4の粒度分布測定結果
から、本実施例1で得られた球状シリカのエチレングリ
コール分散液は、非常に良好な分散性を有していること
がわかる。
【0033】実施例2〜6 実施例1に使用したアルキレングリコール含有分散剤
を、表4に示すアルキレングリコール含有分散剤に変更
した他は同様にして、球状シリカの固形分濃度が20重
量%のエチレングリコール分散液を得た。本実施例2〜
6で得られた球状シリカのエチレングリコール分散液の
粒度分布測定結果を表4に示す。表4の粒度分布測定結
果から、本実施例2〜6で得られた球状シリカのエチレ
ングリコール分散液は、非常に良好な分散性を有してい
ることがわかる。
【0034】比較例1〜4 実施例1に使用したアルキレングリコール含有分散剤
を、表4に示すアルキレングリコール含有分散剤に変更
した他は同様にして、球状シリカの固形分濃度が20重
量%のエチレングリコール分散液を得た。本比較例1〜
4で得られた球状シリカのエチレングリコール分散液の
粒度分布測定結果を表4に示す。表4の粒度分布測定結
果から、本比較例1〜4で得られた球状シリカのエチレ
ングリコール分散液は、凝集体粒子を含有しており分散
性は不良であった。
【0035】
【表4】
【0036】分散性テスト 実施例1、2、3、4、5、6及び比較例1、2、3、
4で調製した球状シリカのエチレングリコール分散液を
エチレングリコールでさらに希釈し、各々の10重量%
希釈液を調製した。これらの10重量%希釈液の調製直
後及び24時間静置後、0.8μmのメンブランフィル
ター(ミリポア社製)を2kg/cm2 の条件で加圧濾過
し、その通過量を測定した。測定結果を表5に示す。表
5の結果から、各実施例で調製した球状シリカのエチレ
ングリコール分散液は、比較例で調製した球状シリカの
エチレングリコール分散液と比較して、フィルター濾過
性が良好であり、且つ、経時における2次凝集粗大粒子
発生によるフィルターの目詰まりも無く、経時分散性が
良好であることが確認される。
【0037】
【表5】
【0038】応用例 ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコ
ール70重量部を酢酸マンガン4水和物0.035部を
触媒として常法どおりエステル交換せしめた後、実施例
1で調製された球状シリカのエチレングリコール分散液
を球状シリカ濃度がポリマーに対し4000ppm になる
ように攪拌下添加した。その後、高温真空下にて常法通
り重縮合反応を行ない、極限粘度0.630のポリエチ
レンテレフタレートを得た。このポリマーを290℃で
溶解押し出し、90℃で縦方向に3.5倍、130℃で
横方向に3.5倍延伸した後、220℃で熱処理し、1
5μmの厚さのフィルムを作成した。このフィルムをA
STM−DO1894−63Tに準じて測定した。得ら
れたフィルムの最大表面粗さは0.106μmであっ
た。
【0039】比較応用例 比較例1で調製された球状シリカのエチレングリコール
分散液を用いた他は応用例と同様に操作した。得られた
フィルムの最大表面粗さは0.250μmであり、粗大
突起が目立つものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/02 C08L 33/02 33/14 33/14 C09C 1/00 C09C 1/00 C09D 17/00 C09D 17/00 (72)発明者 河村 祐司 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 岡田 稔 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 4D077 AA03 AB04 AB05 AB06 AC05 BA07 CA12 DD18X DE09X DE10X 4F070 AA29 AA30 AC15 AC16 AC20 AC22 AC23 AC36 AE28 CA02 CA03 CA11 CB04 CB12 4G065 AA02 AA03 AA05 AB05Y AB13X AB17X AB30X BA07 BB06 CA11 DA06 EA01 4J002 BG011 BG071 DE136 DE236 DG056 DJ016 DJ036 DJ046 EC047 FD206 FD207 GK00 4J037 AA09 AA10 AA18 AA22 AA27 CB04 CC16 CC25 DD23 DD24 EE28 EE43 EE48

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機微粒子が、α、βモノエチレン性不
    飽和カルボン酸又はその塩を主要構成単量体とする重合
    体をアルキレングリコールを含有する溶剤に溶解してな
    る分散剤により、アルキレングリコール中に分散されて
    なる無機微粒子分散液。
  2. 【請求項2】 無機微粒子がシリカ、カオリン、タル
    ク、二酸化チタン、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムか
    ら選ばれる請求項1記載の無機微粒子分散液。
  3. 【請求項3】 α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸
    又はその塩の全構成単量体中にしめる割合が20重量%
    以上である請求項1記載の無機微粒子分散液。
  4. 【請求項4】 α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸
    の塩が、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩か
    ら選択される少なくとも1種の塩である請求項1記載の
    無機微粒子分散液。
  5. 【請求項5】 溶剤中のアルキレングリコールの含有量
    が重合体100重量部あたり1重量部以上150重量部
    以下である請求項1記載の無機微粒子分散液。
  6. 【請求項6】 重合体がポリアルキレングリコールモノ
    アクリレート又はモノメタクリレートを構成単量体とす
    る共重合体である請求項1記載の無機微粒子分散液。
  7. 【請求項7】 無機微粒子に、α、βモノエチレン性不
    飽和カルボン酸又はその塩を主要構成単量体とする重合
    体をアルキレングリコールを含有する溶剤に溶解してな
    る分散剤と、アルキレングリコールとを添加し攪拌する
    ことを特徴とする無機微粒子分散液の製造方法。
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