JP5557555B2 - 無機顔料用高分子分散剤 - Google Patents
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Description
前記式(3)中、R7、R8及びR9は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、X3は酸素原子又はNHを示し、R10及びR11は炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基又はアリール基を示す。]
本発明における高分子分散剤における構成単位(a)は、下記一般式(1)で表される構成単位である。構成単位(a)はカルボキシル基又はそれが中和された基を有するものであり、塩基性無機顔料表面へ強く吸着することで、該高分子分散剤(共重合体)が塩基性無機顔料表面から脱離することを抑制する働きを有すると考えられる。
本発明における高分子分散剤における構成単位(b)は、下記一般式(2)で表される非イオン性のポリエステルモノマー由来の構成単位である。構成単位(b)は無機顔料粒子間に強い立体的斥力をもたらし、無機顔料粒子同士の凝集を抑制すると考えられる。
本発明における高分子分散剤における構成単位(c)は、下記一般式(3)で表される疎水性のモノマー(疎水性モノマー(c))由来の構成単位である。構成単位(c)は、構成単位(a)及び構成単位(b)と共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーに由来する構成単位であることが好ましい。構成単位(c)は疎水性であり、高分子分散剤により被覆された塩基性無機顔料が非水系溶媒中へ再溶出することを抑制していると考えられる。
本発明における高分子分散剤は、例えば、酸性モノマー(a)、非イオン性モノマー(b)、及び疎水性モノマー(c)を含むモノマー成分を溶液重合法で重合させるなど、公知の方法で得ることができる。本発明における一実施形態において、構成単位(a)の全構成単位中の割合(重量%)は、好ましくは、重合に用いる全モノマー成分における酸性モノマー(a)及び/又は重合後にカルボキシル基を付加できるモノマーの割合(重量%)と見なすことができる。また、構成単位(b)の全構成単位中の割合は、好ましくは、重合に用いる全モノマー成分における非イオン性モノマー(b)の割合(重量%)とみなすことができる。同様に、構成単位(c)の全構成単位中の割合は、好ましくは、重合に用いる全モノマー成分における疎水性モノマー(c)の割合(重量%)とみなすことができる。また、構成単位(c)の構成単位(b)に対する重量比(構成単位(c)/構成単位(b))は、好ましくは、重合に用いる全モノマー成分における疎水性モノマー(c)の非イオン性モノマー(b)に対する重量比とみなすことができる。したがって、本発明は、その他の態様において、本発明における高分子分散剤の製造方法であって、酸性モノマー(a)及び/又は重合後にカルボキシル基を付加できるモノマー、非イオン性モノマー(b)、並びに疎水性モノマー(c)を、それぞれ、前述した構成単位(a)、(b)、及び(c)の含有量で含むモノマー成分を重合させることを含むことを含む製造方法である。
また、本発明は、その他の態様として、分散方法であって、本発明における高分子分散剤を用いて塩基性無機顔料を非水系溶媒中で分散させる工程を含み、前記非水系溶媒の溶解度パラメータと本発明における高分子分散剤の構成単位(c)が由来するモノマー(疎水性モノマー(c))の溶解度パラメータとの差(Δsp)が2.0(MPa)1/2以上、好ましくは、3.0(MPa)1/2以上である分散方法を提供しうる。或いは、本発明は、分散方法であって、本発明における高分子分散剤を用いて塩基性無機顔料を非水系溶媒中で分散させる工程を含み、前記非水系溶媒の溶解度パラメータと本発明における高分子分散剤の構成単位(c)が由来するモノマー(疎水性モノマー(c))の溶解度パラメータとの差Δspが2.0(MPa)1/2以上、好ましくは、3.0(MPa)1/2以上となるように前記非水系溶媒を選択することを含む分散方法を提供しうる。前記分散工程は、例えば、塩基性無機顔料、本発明における高分子分散剤、及び非水系溶媒を、好ましくはジルコニアビーズと共に混合することを含む。当業者であれば、疎水性モノマー(c)の値に基づき、適切な非水系溶媒を選択できる。また、混合する塩基性無機顔料及び本発明における高分子分散剤の量は、後述するスラリー組成物における各成分の含有量の範囲内とすることができる。本発明における分散方法によれば、塩基性無機顔料を非水系溶媒に微細に分散させることができ、また、後述するスラリー組成物を製造することができる。
本発明における高分子分散剤を用いれば、非水系溶媒に塩基性無機顔料が分散したスラリー組成物を得ることができる。したがって、本発明は、スラリー組成物であって、非水系溶媒、塩基性無機顔料、及び高分子分散剤を含有し、前記高分子分散剤が、本発明における高分子分散剤であるスラリー組成物を提供できる。本発明におけるスラリー組成物によれば、後述するとおり、塩基性無機顔料の微細な分散を好ましくは実現できる。
本発明で使用できる非水系溶媒は非水系(有機溶剤)であれば特に限定されないが、塩基性無機顔料の微分散性向上、及び前記高分子分散剤との相溶性の観点から、溶解度パラメータが20〜30(MPa)1/2であるものが好ましく、21〜26(MPa)1/2であるものがさらに好ましい。具体的には、キシレン(18.2)、酢酸エチル(18.2)、トルエン(18.3)、テトラハイドロフラン(18.5)、メチルエチルケトン(19.3)、アセトン(19.7)、ブチルセロソルブ(20.2)、ジメチルホルムアミド(24.7)、n−プロパノール(24.9)、エタノール(26.2)、ジメチルスルホキシド(26.4)、n−ブタノール(28.7)、メタノール(29.7)などの有機溶剤が挙げられる。( )内の数値は、溶解度パラメータである。本明細書において、モノマーの溶解度パラメータとはFedorsの方法[R.F.Fedors. Polym. Eng. Sci.,14,147(1974)]により計算された値をいう。
一般に、無機顔料の表面は酸点、塩基点の両方をもっている。非水系溶媒中における酸及び塩基の強度は逆滴定法で求めることが可能であり、分散させたい無機顔料が酸性であるか塩基性であるか同定することができる。逆滴定法とは、あらかじめ濃度が既知である塩基性試薬(又は酸性試薬)を一定の割合で無機顔料と混合し、十分に中和させた後に遠心分離機などで固液分離させ、その上澄み液を滴定し、減少した塩基性試薬の量(又は酸性試薬の量)から酸量(又は塩基量)を求める方法である。本発明において塩基量及び酸量は下記により求められる。
無機顔料2gを精秤(サンプル量)し、1/100N 酢酸−トルエン/エタノール(容量比48:52)溶液30mLに入れ、超音波洗浄器(Branson社製、型式1510J−MT)で1時間分散処理する。24時間静置後、無機顔料分散液溶液の一部を遠心分離機(日立社製型式CP−56G)を用いて、25,000rpm、60分の条件で固液分離する。分離した液体部10mLをフェノールフタレイン指示薬が添加されているトルエン/エタノール溶剤(容量比2:1)20mLに加えた後、1/100N 水酸化カリウム−エタノール溶液にて中和滴定する。この時の滴定量をXmL、1/100N 酢酸−トルエン/エタノール(容量比48:52)10mLを中和するのに必要な滴定量をBmL、サンプル量をSgとすると、以下の式で、塩基量が求められる。
塩基量(μmol/g)=30×(B−X)/S
無機顔料2gを精秤(サンプル量)し、1/100N n−ブチルアミン−トルエン/エタノール(容量比48:52)溶液30mLに入れ、超音波洗浄器(Branson社製、型式1510J−MT)で1時間分散処理する。24時間静置後、無機顔料溶液の一部を遠心分離機(日立社製型式CP−56G)を用いて、25,000rpm、60分の条件で固液分離する。分離した液体部10mLをブロムクレゾールグリーン指示薬が添加されているトルエン/エタノール溶剤(容量比2:1)20mLに加えた後、1/100N 塩酸−エタノール溶液にて中和滴定する。この時の滴定量をXmL、1/100N n−ブチルアミン−トルエン/エタノール(容量比48:52)10mLを中和するのに必要な滴定量をBmL、サンプル量をSgとすると、以下の式で、酸量が求められる。
酸量(μmol/g)=30×(B−X)/S
S(m2/g)=A(m2)/W(g)
=[4×π×(R/2)2]/[4/3×π×(R/2)3×ρ×106]
=6/(R×ρ×106)
の関係式が求められる。粒子径の単位を変換すると、
R(nm)=6000/(S×ρ)
の式となり、平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)求めることができる。例えば、チタン酸バリウム(比重6.0)のBET比表面積が5.0(m2/g)であれば、その平均粒径(BET比表面積に基づく平均粒径)は、200nmとなる。
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコにメチルメタクリルレート4.50g、プラクセルFM−5(ダイセル化学社製;メタクリル酸のカプロラクトン5モル付加物)8.25g、メタクリル酸2.25g、エタノール9.75gを仕込み、窒素置換し、65℃に加熱する。槽内が65℃に到達後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)0.45g、エタノール3.75gの混合物を添加した。その後、メチルメタクリルレート40.50g、プラクセルFM−5 74.25g、メタクリル酸20.25g、エタノール87.75g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.05gの混合液を3時間かけて滴下した。65℃で3hr攪拌後、冷却した。濃度調整のためにエタノールを添加し、高分子分散剤Aのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は51.2重量%で、高分子分散剤の重量平均分子量は50000であった。なお、高分子分散剤溶液の不揮発分は、以下のようにして測定した。シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを量り取り、そこに高分子分散剤(サンプル)溶液2gを入れ、ガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥する。乾燥後の重さを量り、次式より得られた値を不揮発分とした。
不揮発分={[サンプル量−(乾燥後の重さ−(シャーレの重さ+ガラス棒の重さ+無水硫酸ナトリウムの重さ))]/サンプル量}×100
製造例1のプラクセルFM−5をプラクセルFM−2D(ダイセル化学社製;メタクリル酸のカプロラクトン重付加物)に変更した以外は、同様な操作で、高分子分散剤Bのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は44.6%で、高分子分散剤の重量平均分子量は110000であった。
製造例1のプラクセルFM−5(ダイセル化学社製;メタクリル酸のカプロラクトン重付加物)をプラクセルFM−3(ダイセル化学社製;メタクリル酸のカプロラクトン重付加物)に変更した以外は、同様な操作で、高分子分散剤Cのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は45.5%で、高分子分散剤の重量平均分子量は63000であった。
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコにメチルメタクリルレート2.25g、プラクセルFM−5 10.50g、メタクリル酸2.25g、エタノール9.75gを仕込み、窒素置換し、65℃に加熱する。槽内が65℃に到達後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45g、エタノール3.75gの混合物を添加した。その後、メチルメタクリルレート20.25g、プラクセルFM−5 94.50g、メタクリル酸20.25g、エタノール87.75g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.05gの混合液を3時間かけて滴下した。65℃で3hr攪拌後、冷却した。濃度調整のためにエタノールを添加し、高分子分散剤Dのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は45.6重量%で、高分子分散剤の重量平均分子量は38000であった。
製造例4のエタノールをイソプロパノールに変更した以外は、同様な操作で、高分子分散剤Eのイソプロパノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は45.5%で、高分子分散剤の重量平均分子量は63000であった。
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコにステアリルメタクリレート(新中村化学社製 NK−エステル S)2.25g、プラクセルFM−3 10.50g、メタクリル酸2.25g、エタノール9.75gを仕込み、窒素置換し、65℃に加熱する。槽内が65℃に到達後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45g、エタノール3.75gの混合物を添加した。その後、メタクリル酸ステアリル20.25g、プラクセルFM−3 94.50g、メタクリル酸20.25g、エタノール87.75g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.05gの混合液を3時間かけて滴下した。65℃で3hr攪拌後、冷却した。濃度調整のためにエタノールを添加し、高分子分散剤Fのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は47.3重量%で、高分子分散剤の重量平均分子量は48000であった。
製造例6のステアリルメタクリレートをスチレンに変更した以外は、同様な操作で、高分子分散剤Gのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は41.3%で、高分子分散剤の重量平均分子量は37000であった。
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコにメチルメタクリルレート4.50g、プラクセルFM−3 6.00g、メタクリル酸4.50g、エタノール9.75gを仕込み、窒素置換し、65℃に加熱する。槽内が65℃に到達後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45g、エタノール3.75gの混合物を添加した。その後、メチルメタクリルレート40.50g、プラクセルFM−3 54.00g、メタクリル酸40.50g、エタノール87.75g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.05gの混合液を3時間かけて滴下した。65℃で3hr攪拌後、冷却した。濃度調整のためにエタノールを添加し、高分子分散剤Fのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は40.2重量%で、高分子分散剤の重量平均分子量は34000であった。
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコにメチルメタクリルレート4.50g、プラクセルFM−5 3.75g、メタクリル酸6.75g、エタノール9.75gを仕込み、窒素置換し、65℃に加熱する。槽内が65℃に到達後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45g、エタノール3.75gの混合物を添加した。その後、メチルメタクリルレート40.50g、プラクセルFM−5 33.75g、メタクリル酸60.75g、エタノール87.75g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.05gの混合液を3時間かけて滴下した。65℃で3hr攪拌後、冷却した。濃度調整のためにエタノールを添加し、高分子分散剤Iのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は45.1重量%で、高分子分散剤の重量平均分子量は37000であった。
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコにメチルメタクリルレート1.50g、プラクセルFM−3 5.25g、メタクリル酸8.25g、エタノール9.75gを仕込み、窒素置換し、65℃に加熱する。槽内が65℃に到達後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45g、エタノール3.75gの混合物を添加した。その後、メチルメタクリルレート13.50g、プラクセルFM−3 47.25g、メタクリル酸74.25g、エタノール87.75g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.05gの混合液を3時間かけて滴下した。65℃で3hr攪拌後、冷却した。濃度調整のためにエタノールを添加し、高分子分散剤Jのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は41.8重量%で、高分子分散剤の重量平均分子量は40000であった。
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコにプラクセルFM−3 12.75g、メタクリル酸2.25g、エタノール9.75gを仕込み、窒素置換し、65℃に加熱する。槽内が65℃に到達後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45g、エタノール3.75gの混合物を添加した。その後、プラクセルFM−3 114.75g、メタクリル酸20.25g、エタノール87.75g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.05gの混合液を3時間かけて滴下した。65℃で3hr攪拌後、冷却した。濃度調整のためにエタノールを添加し、高分子分散剤Kのエタノール溶液を得た。高分子分散剤溶液の不揮発分は43.4重量%で、高分子分散剤の重量平均分子量は65000であった。
溶離液を毎分1mlの流速で流し、40℃の高温槽中でカラムを安定させた。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行った。試料の分子量は、予め作成した検量線に基づき算出した。検量線の作成には、以下の単分散ポリスチレンを標準試料として用いた。
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
測定条件:試料溶液 0.5wt%N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液
溶離液 :60mmol/L H3PO4,50mmol/L LiBr/ DMF
カラム :α−M + α−M(東ソー社製)
検出器 :示差屈折率
検量線 :東ソー社製 5.26×102、1.02×105、8.42×106;西尾工業社製 4.0×103、3.0×104、9.0×105(数字はそれぞれ分子量)
前記製造例で合成した高分子分散剤A〜Kを用い、塩基性無機顔料であるチタン酸バリウム粉A(BET比表面積5m2/g)及びチタン酸バリウム粉B(BET比表面積10m2/g)の30%スラリー組成物を以下のように調整した。なお、BET比表面積に基づく平均粒径は、チタン酸バリウム粉Aが200nmであり、チタン酸バリウム粉Bが100nmであった。
チタン酸バリウム粉末36g、前記製造例1〜11で合成した高分子分散剤A〜K0.3gを直径1mmのジルコニアビーズ150gと一緒に、250mLの容器に入れ、トルエン/エタノール=48/52(容積比)の混合溶媒を加えて、チタン酸バリウムの固形分濃度が30%になるように調整した。次いで、容器をペイントシェーカー(浅田鉄工社製)で1時間振とうし、解砕及び分散させ、スラリー組成物を得た。このスラリー組成物の粒径を以下のように測定し、D50(体積分布で50%となる粒径)及びD90(体積分布で90%となる粒径)より分散性能を評価した。D50の値が、チタン酸バリウムの平均粒径に近く、D90/D50比が小さいものは粒径分が狭く、分散性が優れていることを示す。
前記製造例1、4で合成した高分子分散剤A、Dの添加量を0.7gに、チタン酸バリウム粉Aをチタン酸バリウム粉Bに変更した以外は、同様な操作で、スラリー組成物を得た。
スラリー組成物における塩基性無機顔料の粒径測定に使用する粒径測定装置として、光子相関法(動的光散乱法)の原理に基づいているシスメックス社製の粒度分布測定機ゼータサイザーナノZSを使用した。塩基性無機顔料、高分子分散剤及び非水系溶媒からなる非水系スラリーを、2mLの溶剤に0.1ml滴滴下し、希釈する。この希釈液を光路長10mmの硝子セルに1.2mL採取し、測定部に入れる。また、測定パラメータとして、無機顔料粒子の屈折率、分散媒(有機溶剤)の屈折率および粘度を入力する必要がある。例えば、無機顔料がチタン酸バリウムの場合、粒子屈折率2.40を用いた。分散媒としてトルエン/エタノール=48/52(容積比)混合溶剤を使用し、分散媒屈折率1.423、サンプル粘度0.752を用いた。
高分子分散剤A〜Hを用いた実施例1〜10のスラリー組成物、高分子分散剤I〜Kを用いた比較例1〜3のスラリー組成物の結果を下記表1に示す。実施例1〜10のスラリー組成物は、(c)成分/(b)成分重量比が、0.05〜0.85の範囲にある高分子分散剤A〜Hを用いたものである。
Claims (5)
- 下記一般式(1)で表される構成単位(a)を全構成単位中5〜40重量%、下記一般式(2)で表される構成単位(b)を全構成単位中35〜90重量%、及び、下記一般式(3)で表される構成単位(c)を構成単位(b)に対する重量比(構成単位(c)/構成単位(b))が0.05〜0.85で含有する共重合体からなる、無機顔料用高分子分散剤。
前記式(3)中、R7、R8及びR9は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、X3は酸素原子又はNHを示し、R10及びR11は炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基又はアリール基を示す。] - 前記共重合体の重量平均分子量が3000〜150000である、請求項1記載の無機顔料用高分子分散剤。
- 請求項1又は2に記載の無機顔料用高分子分散剤を用いて塩基性無機顔料を非水系溶媒中で分散させることを含む分散方法であって、前記非水系溶媒の溶解度パラメータと前記無機顔料用高分子分散剤の構成単位(c)が由来するモノマーの溶解度パラメータとの差(Δsp)が2.0(MPa)1/2以上である、分散方法。
- 非水系溶媒、塩基性無機顔料、及び請求項1又は2に記載の無機顔料用高分子分散剤を含有するスラリー組成物。
- 前記塩基性無機顔料が、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、及びジルコン酸カルシウムからなる群から選択される無機化合物である、請求項4記載のスラリー組成物。
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