JP2019127419A - セラミック分散剤、及びそれを含有するセラミックスラリー組成物、並びにセラミック成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編集、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法、2013年版」に準じて算出される。
HLB=20(1−S/N)
本発明のセラミックスラリー組成物は、非水系溶媒(有機溶剤)を含有する。非水系溶媒としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−オクタノール、ジアセトンアルコール、ターピネオール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ナフサ、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、トルエン、キシレン、ピリジン等の芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル等のエステル類、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で使用しても、2種類以上を使用してもよい。
本発明のセラミック粉末とは、酸化物、非酸化物の種類や化学組成、結晶構造、微構造組織、形状、製造工程を精密に制御して製造されたファインセラミックスを指す。例としては、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられ、中でも、チタン酸バリウムが好ましい。これらのセラミック粉末は、単独で使用しても、2種類以上を使用してもよい。
本発明のセラミックスラリー組成物に用いられるバインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
本発明のセラミックスラリー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、帯電防止剤、潤滑剤、分散助剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のセラミックスラリー組成物を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル、セラミック粉末、非水系溶媒及び前記バインダー樹脂をロッキングミル、ボールミル等の各種混合機を用いて混合する方法が挙げられる。なお混合工程は、例えば、非水系溶媒に分散剤とセラミック粉末を分散する一次分散工程と、前記一次分散工程で得られた分散液に、バインダー樹脂と、必要に応じて帯電防止剤や可塑剤等のその他の成分と非水系溶媒をさらに添加してこれらを混合する二次分散工程とを含むことができる。
本発明のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミック成形体としては特に制限はなく、テープ成形法、押出成形法、鋳込み成形法、ゲルキャスティング成形法等の従来公知の成形方法により作製される成形体が挙げられる。
本発明のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミックシートの製造方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いて製造することができる。例えば、セラミックスラリー組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)等の剥離性の支持体上に流延成形し、加熱等により溶剤等を留去させた後、支持体から剥離する方法等が挙げられる。
デカグリセリン584.2gとイソステアリン酸239.3gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)を得た。
(実施例1)
実施例1のセラミックスラリー組成物は、次のようにして調製した。ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)0.15g、及びセラミック粉末としてチタン酸バリウム粉末(平均粒径100nm、BT−01、堺化学工業株式会社製)10gを、直径1mmのジルコニアビーズ 30gと共に50mLの容器に入れ、これらにトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:50/50)を加えてチタン酸バリウムの濃度を50重量%に調整し、ロッキングミル(回転数 600r/min)にて室温で分散処理を1時間行った。
実施例1にて使用したPGFE1の代わりに、PGFE2〜7を使用した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
実施例1にて使用したPGFE1を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
実施例1にて使用したPGFE1の代わりに、分散剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB:15.0)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
実施例1にて使用したPGFE1の代わりに、分散剤としてポリカルボン酸系高分子分散剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
(実施例8)
実施例8のセラミックスラリー組成物は、次のようにして調製した。実施例1のセラミックスラリー組成物に、ポリビニルブチラール(水酸基価230mgKOH/g、重量平均分子量5万〜6万)1.0g、可塑剤(トリエチレングリコール2−エチルヘキサノエート)0.5g、及びトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:50/50)を加えて、チタン酸バリウムの濃度をセラミックスラリー組成物に対して33重量%に調整し、ロッキングミル(回転数 600r/min)にて室温で0.5時間混合した。
実施例8にて使用した実施例1のセラミックスラリー組成物の代わりに、実施例2〜7、及び比較例1〜3のセラミックスラリー組成物を使用した以外は、実施例8と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
実施例1〜14及び比較例1〜6のセラミックスラリー組成物を用いて、セラミックスラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散粒径の測定を行った。分散粒径測定に使用する粒径測定装置として、動的光散乱法の原理に基づいている粒度分布測定装置(ゼータサイザーナノZS、株式会社マルバーン社製)を使用した。前記セラミックスラリー組成物0.2gと、トルエン/エタノール混合溶媒(容積比:50/50)とを混合し、チタン酸バリウムの濃度が2重量%になるように調整した。この混合液を測定液として光路長10mmの硝子セルに1.2mL採取し、測定部に入れて、分散粒径として体積中位粒径(D50)を測定した。測定パラメータとして、分散質の屈折率は2.400を、分散媒の屈折率は1.426を、測定液粘度は0.750を、それぞれ使用した。D50の値が小さいほど、チタン酸バリウムの分散性は良好であると評価できる。結果を下記表2、3に示す。
(実施例15)
実施例8のセラミックスラリー組成物を、フィルムアプリケーター(ギャップ350μm)を用いて、PETフィルムに塗工し、室温にて1時間乾燥し、セラミックシートを成形した。
実施例8のセラミックスラリー組成物の代わりに、実施例9のセラミックスラリー組成物を使用した以外は、実施例15と同様の方法でセラミックシートを成形した。
実施例8のセラミックスラリー組成物の代わりに、比較例6のセラミックスラリー組成物を使用した以外は、実施例15と同様の方法でセラミックシートを成形した。
実施例15、16及び比較例7のセラミックシートの破断応力を測定した。試験片は、セラミックシートを60mm×10mmの長方形に裁断したものを用いた。セラミックシートをPETフィルムから剥離する前に、セラミックシートとPETフィルムとからなる積層体の厚みを計測し、PETフィルム自身の厚みとの差分より、セラミックシートの厚みを求めた。セラミックシートをPETフィルムから剥離し、オートグラフ(AG−IS、株式会社島津製作所製)に装着されたロードセルにチャック間隔を30mmとして取り付け、5mm/分の試験速度で引っ張り、試験片の破断時の破断応力を測定した。破断応力の値が大きいほど、シート強度が良好であると評価できる。評価の結果を表4に示す。なお、セラミックシートの厚みは平均0.06mmであった。
Claims (5)
- 水酸基価から算出される平均重合度が2〜20のポリグリセリンと炭素数が8〜22の脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、非水系溶媒中で用いるセラミック分散剤。
- 請求項1に記載のセラミック分散剤、セラミック粉末、及び非水系溶媒を含有することを特徴とするセラミックスラリー組成物。
- 更にバインダー樹脂として水酸基価120〜270mgKOH/gのポリビニルブチラール樹脂を含むことを特徴とする請求項2に記載のセラミックスラリー組成物。
- 請求項2又は3に記載のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミック成形体。
- 請求項2又は3に記載のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミックシート。
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CN111454066A (zh) * | 2020-03-20 | 2020-07-28 | 肇庆市欧陶新型材料有限公司 | 一种含多胺环氧加成物多甲叉膦酸盐陶瓷水质适应性解胶剂 |
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CN111454066B (zh) * | 2020-03-20 | 2022-02-11 | 肇庆市欧陶新型材料有限公司 | 一种含多胺环氧加成物多甲叉膦酸盐陶瓷水质适应性解胶剂 |
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