JP2019127419A - セラミック分散剤、及びそれを含有するセラミックスラリー組成物、並びにセラミック成形体 - Google Patents

セラミック分散剤、及びそれを含有するセラミックスラリー組成物、並びにセラミック成形体 Download PDF

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【課題】セラミック粉末の分散性に優れ、高強度のセラミックシートを製造可能なセラミック分散剤を提供すること。【解決手段】水酸基価から算出される平均重合度が2〜20のポリグリセリンと炭素数が8〜22の脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含むセラミック分散剤を非水系溶媒中で用いることにより、上記の課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、セラミック分散剤、及びそれを含有するセラミックスラリー組成物、並びにセラミック成形体に関するものである。
セラミック材料を含むセラミックスラリー組成物から得られるセラミック成形体は、電子機器の用途でセラミックス電子部品の製造に使用される。特に、セラミック材料としてチタン酸バリウムを含むセラミックスラリー組成物から成形されるセラミックシート(「グリーンシート」ともいう。)がよく用いられる。シート成形のためにポリビニルアセタール樹脂などのバインダー樹脂が添加されるが、バインダー樹脂を含むセラミックスラリー組成物はチタン酸バリウムの凝集が生じやすい。チタン酸バリウムの凝集が生じたセラミックスラリー組成物を用いてセラミックシートを形成すると、チタン酸バリウムの偏在化が生じ、焼成後の均質性が損なわれ、結果として電子機器製品の電気信頼性の低下を招く。そのため、チタン酸バリウムの分散性に優れたセラミックスラリー組成物が求められる。また、セラミックシートを離型フィルムから剥離するときのハンドリング性を向上するため、強度に優れたセラミックシートが求められる。
特許文献1は、セラミック粉末と、ブチラール系樹脂を主成分とするバインダー樹脂と、溶剤と、ポリカルボン酸系分散剤とを含むグリーンシート用塗料を開示しており、グリーンシートを薄層化した場合であっても、シート特性に優れ、グリーンシートを支持体から剥離する際の剥離特性を向上させることができる。
特許文献2は、特定の共重合体からなる高分子分散剤によって覆われたセラミック粒子で構成されたセラミック原料粉末と、バインダー成分と、溶剤とを含むセラミックスラリーに所定の形状を付与することによって得られたセラミック成形体を開示しており、凝集しやすい微粒のセラミック原料粉末を用いても凝集が抑制され、充填率の高いセラミック成形体とすることができ、ショート不良や絶縁不良などの不良発生率を大幅に低減できる。
特許文献3は、特定のアニオン性共重合体である高分子分散剤、非水系溶媒、特定の水酸基価と重量平均分子量であるポリビニルブチラール及びチタン酸バリウムを含有するセラミックシート成形用スラリー組成物を開示しており、チタン酸バリウムの分散性に優れた高強度なセラミックシートを製造可能である。
特開2012−184124号公報 国際公開第2010/024188号 特開2013−193912号公報
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴って、積層型セラミックス電子部品の小型化、大容量化が進んでおり、チタン酸バリウムの小粒径化が求められている。しかしながら、チタン酸バリウムの小粒径化を進めるほど、チタン酸バリウムの分散性不良が顕著に発生する様になった。その結果、セラミックシートの強度不足によるハンドリング性悪化の問題は大きくなっている。従来の技術では、これらの課題に対する効果は不十分であった。
本発明は、セラミックスラリー組成物中における、セラミック粉末の分散性に優れ、高強度のセラミックシートを製造可能なセラミック分散剤、及びセラミックスラリー組成物、並びにセラミック成形体を提供する。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、水酸基価から算出される平均重合度が2〜20のポリグリセリンと炭素数が8〜22の脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルをセラミック分散剤として用いることにより、上記の課題を解決でき、優れた機能を有するセラミックスラリー組成物、並びにセラミックシートを提供できることを見出した。
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合したセラミックスラリー組成物は、セラミック粉末の分散性に優れ、高強度でハンドリング性が良好なセラミックシートを製造することができる。
以下、実施形態に基づいて本発明を説明するが、本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、変更等が加えられた形態も本発明に属する。なお、範囲を表す表記「〜」は、上限と下限を含むものである。
本発明の実施形態の一例として、セラミック粉末、バインダー樹脂、セラミック分散剤、非水系溶媒を含有するセラミックスラリー組成物が挙げられる。前記セラミック分散剤は、親水性の水酸基を有する構成単位と疎水性のアルキル基を有する構成単位とを含有するポリグリセリン脂肪酸エステルである。前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種を単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることにより、セラミック粉末の分散性に優れるセラミックスラリー組成物を提供できる。さらに、高強度でハンドリング性が良好なセラミックシートを成形できる。具体的には、セラミックシートを離型フィルムから剥離する際に、力を加えても破断しないセラミックシートを製造できる。また、分散剤として前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの他に、従来公知の分散剤を含有してもよい。
本発明で使用されるポリグリセリンは、水酸基価から算出される平均重合度が2〜20のポリグリセリンであり、好ましくは平均重合度が6〜15のものを使用する。ポリグリセリンの具体例としては、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンなどが挙げられ、市販品としては、ジグリセリンS、ポリグリセリン#310、R−PG3、ポリグリセリン#500、ポリグリセリン#750(何れも阪本薬品工業株式会社製)を用いることができる。ここで、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)、及び(式2)から平均重合度が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編集、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法、2013年版」に準じて算出される。
また、前記の水酸基価から算出される平均重合度が2〜20のポリグリセリンにおいては、平均重合度が2であるジグリセリンを除いて、一般には、分子量分布を有する組成物が使用されるが、これらの異なる分子量分布を有するポリグリセリンを2種以上混合してもよく、ポリグリセリン混合物の水酸基価から算出される平均重合度が2〜20であれば、平均重合度が2未満、及び20を超えるポリグリセリンも使用できる。
本説明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは10〜15であり、さらに好ましくは12.5〜14.5である。ここで、HLBは、エステルのけん化価(S)と脂肪酸中和価(N)から算出されるグリフィンの式に基づいて算出されるHLBである。具体的には、次式からHLBが算出される。
HLB=20(1−S/N)
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、好ましくは炭素数8〜22の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸の少なくとも一種であり、直鎖、又は分岐を問わない。脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5’−トリメチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸などが挙げられる。中でも、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸が好ましい。なお、使用する脂肪酸はこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いても、又、2種以上併用しても良い。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、ジグリセリンカプリレート、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンイソステアレート、ジグリセリンベヘネート、ジグリセリンエルケート、テトラグリセリンカプリレート、テトラグリセリンラウレート、テトラグリセリンステアレート、テトラグリセリンオレート、テトラグリセリンイソステアレート、テトラグリセリンベヘネート、テトラグリセリンエルケート、ヘキサグリセリンカプリレート、ヘキサグリセリンラウレート、ヘキサグリセリンステアレート、ヘキサグリセリンオレート、ヘキサグリセリンイソステアレート、ヘキサグリセリンベヘネート、ヘキサグリセリンエルケート、デカグリセリンカプリレート、デカグリセリンラウレート、デカグリセリンステアレート、デカグリセリンオレート、デカグリセリンイソステアレート、デカグリセリンベヘネート、デカグリセリンエルケートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
本発明で使用するポリグリセリン脂肪酸エステルは以下に例示する公知のエステル化反応により合成することができる。例えば、ポリグリセリンと脂肪酸に水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒を加えた後、エステル化反応を常圧もしくは減圧下において行い、仕込んだ脂肪酸のほとんど全てがエステル化するまで反応させ、遊離の脂肪酸がほとんどなくなるまで十分に反応させる。但し、これに限定されるものではない。
本発明のセラミックスラリー組成物中の前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、分散性向上の観点から、セラミック粉末100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましい。また、セラミックシートの離型フィルムからの剥離性向上の観点から、5重量部以下が好ましく、3重量部以下がより好ましい。
(非水系溶媒)
本発明のセラミックスラリー組成物は、非水系溶媒(有機溶剤)を含有する。非水系溶媒としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−オクタノール、ジアセトンアルコール、ターピネオール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ナフサ、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、トルエン、キシレン、ピリジン等の芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル等のエステル類、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で使用しても、2種類以上を使用してもよい。
(セラミック粉末)
本発明のセラミック粉末とは、酸化物、非酸化物の種類や化学組成、結晶構造、微構造組織、形状、製造工程を精密に制御して製造されたファインセラミックスを指す。例としては、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられ、中でも、チタン酸バリウムが好ましい。これらのセラミック粉末は、単独で使用しても、2種類以上を使用してもよい。
セラミック粉末の平均粒径は、セラミックシートの剥離性向上の観点から、5nm以上が好ましく、分散性向上の観点から、300nm以下が好ましい。
本発明のセラミックスラリー組成物中のセラミック粉末の含有量(セラミックスラリー組成物中の固形分濃度)は、電気信頼性向上の観点から、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらに好ましい。また、シート形成時のセラミックスラリー組成物のハンドリング性向上の観点から、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらに好ましい。
(バインダー樹脂)
本発明のセラミックスラリー組成物に用いられるバインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
上記ポリビニルブチラール樹脂の水酸基価は、セラミックシートの強度向上の観点から、120mgKOH/g以上が好ましく、150mgKOH/g以上がより好ましく、セラミック粉末の分散性向上の観点から、270mgKOH/g以下が好ましく、250mgKOH/g以下がより好ましい。また、重量平均分子量は、セラミックシートの強度向上の観点から、5万以上が好ましく、セラミックスラリー組成物中におけるセラミック粉末の分散性向上の観点から、28万以下が好ましく、20万以下がより好ましい。
本発明のセラミックスラリー組成物中におけるバインダー樹脂の含有量は、バインダー機能向上の観点から、セラミック粉末100重量部に対して2重量部以上が好ましく、4重量部以上がより好ましく、8重量部以上がさらに好ましい。また、分散性向上とシート形成時のセラミックスラリー組成物のハンドリング性向上の観点から、20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましく、12重量部以下がさらに好ましい。
(その他の成分)
本発明のセラミックスラリー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、帯電防止剤、潤滑剤、分散助剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
(セラミックスラリー組成物)
本発明のセラミックスラリー組成物を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル、セラミック粉末、非水系溶媒及び前記バインダー樹脂をロッキングミル、ボールミル等の各種混合機を用いて混合する方法が挙げられる。なお混合工程は、例えば、非水系溶媒に分散剤とセラミック粉末を分散する一次分散工程と、前記一次分散工程で得られた分散液に、バインダー樹脂と、必要に応じて帯電防止剤や可塑剤等のその他の成分と非水系溶媒をさらに添加してこれらを混合する二次分散工程とを含むことができる。
(セラミック成形体)
本発明のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミック成形体としては特に制限はなく、テープ成形法、押出成形法、鋳込み成形法、ゲルキャスティング成形法等の従来公知の成形方法により作製される成形体が挙げられる。
(セラミックシート)
本発明のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミックシートの製造方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いて製造することができる。例えば、セラミックスラリー組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)等の剥離性の支持体上に流延成形し、加熱等により溶剤等を留去させた後、支持体から剥離する方法等が挙げられる。
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、今回使用したポリグリセリンは、テトラグリセリン(製品名:R−PG3、阪本薬品工業株式会社、平均重合度4)、ヘキサグリセリン(製品名:ポリグリセリン#500、阪本薬品工業株式会社製、平均重合度6)、デカグリセリン(製品名:ポリグリセリン#750、阪本薬品工業株式会社製、平均重合度10)、ペンタデカグリセリン(平均重合度15)である。
(ポリグリセリン脂肪酸エステルの合成)
デカグリセリン584.2gとイソステアリン酸239.3gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)を得た。
デカグリセリン557.9gとオレイン酸264.8gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE2)を得た。
デカグリセリン599.2gとステアリン酸225.0gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE3)を得た。
デカグリセリン497.5gとイソステアリン酸322.7gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE4)を得た。
デカグリセリン521.0gとオレイン酸300.2gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE5)を得た。
ペンタデカグリセリン580.3gとイソステアリン酸243.1gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE6)を得た。
ヘキサグリセリン584.2gとイソステアリン酸239.3gを反応容器に入れ、窒素気流下にて240℃でエステル化反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE7)を得た。
合成したポリグリセリン脂肪酸エステルを表1に示した。
Figure 2019127419
1.一次分散液(実施例1〜7、比較例1〜3)の調製
(実施例1)
実施例1のセラミックスラリー組成物は、次のようにして調製した。ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)0.15g、及びセラミック粉末としてチタン酸バリウム粉末(平均粒径100nm、BT−01、堺化学工業株式会社製)10gを、直径1mmのジルコニアビーズ 30gと共に50mLの容器に入れ、これらにトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:50/50)を加えてチタン酸バリウムの濃度を50重量%に調整し、ロッキングミル(回転数 600r/min)にて室温で分散処理を1時間行った。
(実施例2〜7)
実施例1にて使用したPGFE1の代わりに、PGFE2〜7を使用した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
(比較例1)
実施例1にて使用したPGFE1を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
(比較例2)
実施例1にて使用したPGFE1の代わりに、分散剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB:15.0)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
(比較例3)
実施例1にて使用したPGFE1の代わりに、分散剤としてポリカルボン酸系高分子分散剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
2.二次分散液(実施例8〜14、比較例4〜6)の調製
(実施例8)
実施例8のセラミックスラリー組成物は、次のようにして調製した。実施例1のセラミックスラリー組成物に、ポリビニルブチラール(水酸基価230mgKOH/g、重量平均分子量5万〜6万)1.0g、可塑剤(トリエチレングリコール2−エチルヘキサノエート)0.5g、及びトルエン/エタノール混合溶媒(容積比:50/50)を加えて、チタン酸バリウムの濃度をセラミックスラリー組成物に対して33重量%に調整し、ロッキングミル(回転数 600r/min)にて室温で0.5時間混合した。
(実施例9〜14、比較例4〜6)
実施例8にて使用した実施例1のセラミックスラリー組成物の代わりに、実施例2〜7、及び比較例1〜3のセラミックスラリー組成物を使用した以外は、実施例8と同様の方法でセラミックスラリー組成物を調製した。
(分散粒径の測定)
実施例1〜14及び比較例1〜6のセラミックスラリー組成物を用いて、セラミックスラリー組成物中におけるチタン酸バリウムの分散粒径の測定を行った。分散粒径測定に使用する粒径測定装置として、動的光散乱法の原理に基づいている粒度分布測定装置(ゼータサイザーナノZS、株式会社マルバーン社製)を使用した。前記セラミックスラリー組成物0.2gと、トルエン/エタノール混合溶媒(容積比:50/50)とを混合し、チタン酸バリウムの濃度が2重量%になるように調整した。この混合液を測定液として光路長10mmの硝子セルに1.2mL採取し、測定部に入れて、分散粒径として体積中位粒径(D50)を測定した。測定パラメータとして、分散質の屈折率は2.400を、分散媒の屈折率は1.426を、測定液粘度は0.750を、それぞれ使用した。D50の値が小さいほど、チタン酸バリウムの分散性は良好であると評価できる。結果を下記表2、3に示す。
Figure 2019127419
Figure 2019127419
実施例1〜7、8〜14に示したPGFE1〜7は一次分散、二次分散共に、分散剤を含有しない比較例1、4、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いた比較例2、5に比べてD50が小さく、分散性に優れていた。
3.セラミックシート(実施例15、16、比較例7)の成形
(実施例15)
実施例8のセラミックスラリー組成物を、フィルムアプリケーター(ギャップ350μm)を用いて、PETフィルムに塗工し、室温にて1時間乾燥し、セラミックシートを成形した。
(実施例16)
実施例8のセラミックスラリー組成物の代わりに、実施例9のセラミックスラリー組成物を使用した以外は、実施例15と同様の方法でセラミックシートを成形した。
(比較例7)
実施例8のセラミックスラリー組成物の代わりに、比較例6のセラミックスラリー組成物を使用した以外は、実施例15と同様の方法でセラミックシートを成形した。
(破断応力の測定)
実施例15、16及び比較例7のセラミックシートの破断応力を測定した。試験片は、セラミックシートを60mm×10mmの長方形に裁断したものを用いた。セラミックシートをPETフィルムから剥離する前に、セラミックシートとPETフィルムとからなる積層体の厚みを計測し、PETフィルム自身の厚みとの差分より、セラミックシートの厚みを求めた。セラミックシートをPETフィルムから剥離し、オートグラフ(AG−IS、株式会社島津製作所製)に装着されたロードセルにチャック間隔を30mmとして取り付け、5mm/分の試験速度で引っ張り、試験片の破断時の破断応力を測定した。破断応力の値が大きいほど、シート強度が良好であると評価できる。評価の結果を表4に示す。なお、セラミックシートの厚みは平均0.06mmであった。
Figure 2019127419
実施例15、16に示した様に、PGFE1、2は、ポリカルボン酸系高分子分散剤を用いた比較例7に比べてセラミックシートの破断応力が大きく、セラミックスラリー組成物におけるチタン酸バリウムの高分散性と、高強度なセラミックシートの成形の両立がなされていることが示された。このことから、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルは、セラミック分散剤として優れていることが示された。

Claims (5)

  1. 水酸基価から算出される平均重合度が2〜20のポリグリセリンと炭素数が8〜22の脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、非水系溶媒中で用いるセラミック分散剤。
  2. 請求項1に記載のセラミック分散剤、セラミック粉末、及び非水系溶媒を含有することを特徴とするセラミックスラリー組成物。
  3. 更にバインダー樹脂として水酸基価120〜270mgKOH/gのポリビニルブチラール樹脂を含むことを特徴とする請求項2に記載のセラミックスラリー組成物。
  4. 請求項2又は3に記載のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミック成形体。
  5. 請求項2又は3に記載のセラミックスラリー組成物を用いて得られるセラミックシート。
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