JP7457487B2 - 導電ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサに関する。
近年、種々の電子機器に搭載される電子部品の小型化、積層化が進んでおり、多層回路基板、積層コイル、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品が広く使用されている。
なかでも、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て製造されている。まず、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、エチルセルロース等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、セラミックスラリーを得る。次いで、このセラミックスラリーを離型処理した支持体面に流延して、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に、内部電極を形成するための導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製する。更に、積層体中に含まれるバインダー樹脂等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成してセラミック焼結体とし、セラミック焼結体の端面に外部電極を形成して、積層セラミックコンデンサを得る。
積層セラミックコンデンサの小型化及び高容量化に伴い、内部電極の薄層化、及び電極表面の平滑性が求められてきている。そこで、薄層かつ平滑な内部電極を形成するための導電ペーストとして、例えば特許文献1に開示される導電ペーストのように、粒径を制御した金属材料を用いることにより、電極表面を薄層かつ平滑化することができると記載されている。
また、特許文献2では、セラミックグリーンシートへのシートアタックを防止するために低極性の有機溶剤が用いられている。
国際公開第2010/021202号 特開2005-243561号公報
しかしながら、特許文献1においては、バインダーとしてエチルセルロースを用いているため、塗膜の強度が弱く、少しの衝撃で割れや欠けが生じるなどの不具合がある。また、特許文献2においては、低極性の有機溶剤と、従来のポリビニルアセタール樹脂とを導電ペーストのバインダーとして用いた場合、樹脂と有機溶剤との極性の違いにより、溶解性に非常に劣るため、無機粉の分散性が悪化し、良好な印刷性を得ることは困難である。
更に、これらの導電ペーストは、接着性が低いという問題がある。加えて、導電ペーストを用いて塗膜を作製する際に、時間の経過に伴って導電ペーストの粘度が高くなることが、作業性を低下させる原因となることを見出した。
本発明は、上記課題に鑑みて、優れた分散性、印刷性を有し、印刷後に高い接着性を得ることができるとともに、経時的な粘度の変化が少ない導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、積層セラミックコンデンサの電極を形成するために用いられる導電ペーストであって、変性ポリビニルアセタール樹脂と、有機溶剤と、導電性粉末とを含有し、前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含み、前記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位の含有量が0.01~14モル%であり、水酸基量が19~35モル%、重合度が220~1800である導電ペーストである。以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、導電ペーストのバインダー樹脂として、特定の構造を所定の割合で有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有し、更に変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度、水酸基量を所定範囲内とすることで、分散性、印刷性を向上させることができることを見出した。また、該変性ポリビニルアセタール樹脂を用いることで、高い接着性を得ることができ、かつ、経時的な粘度の変化が少ない導電ペーストとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電ペーストは変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含むものである。本発明において側鎖とは、主鎖から分岐している分子鎖のことをいう。従って、主鎖自体にアルキル変性基が組み込まれている場合は、本発明に含まれない。
上記側鎖にアルキル変性基を有することで、特徴的なレオロジー特性を発現し、優れた増粘効果を得ることができる。なお、上記アルキル変性基は、1種のアルキル変性基からなるものであってもよく、2種以上のアルキル変性基からなるものであってもよい。
上記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位は、アルキル変性基が主鎖炭素に直接又は連結基を介して結合している構造であることが好ましく、アルキル変性基が構成単位中の1つの主鎖炭素と直接又は連結基を介して結合している構造であることが好ましい。上記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位としては、特に下記式(1)で表される構成単位であることが好ましい。
下記式(1)で表される構成単位を有することで、特徴的なレオロジー特性を発現し、優れた増粘効果が得られる利点がある。
Figure 0007457487000001
式(1)中、Rは炭素数4~25のアルキル基、Rは単結合、O、COO、又は、CONHを表す。
上記Rは、炭素数4~25のアルキル基である。上記Rの炭素数が上記範囲内であることで、水溶液とした場合に、性状を保ちつつ、優れた増粘効果、塗工性及び粒子分散性を得ることが出来る。上記炭素数は8~20であることが好ましく、8~15であることがより好ましく、8~12であることがさらに好ましく、8~10であることがさらにより好ましい。また、上記Rは、炭素数が異なる2種以上のアルキル基を併用したものであってもよい。
なお、上記Rは、アルキル変性基に該当する。
上記炭素数4~25のアルキル基としては、例えば、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
上記炭素数4~25のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
上記直鎖状のアルキル基としては、例えばn-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル基、n-オクタデシル基、n-エイコシル基、n-ドコシル基等が挙げられる。
上記分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチルヘキシル基、1-メチルヘプチル基、1-メチルオクチル基、1-メチルノニル基、1-メチルデシル基、1-メチルウンデシル基、1-メチルドデシル基等が挙げられる。また、1-メチルトリデシル基、1-メチルテトラデシル基、1-メチルヘプタデシル基、1-メチルヘキサデシル基、1-メチルペンタデシル基、1-メチルオクタデシル基、1-メチルエイコシル基等が挙げられる。
更に、2以上の炭素数を有するアルキル基が1位の炭素原子に置換しているアルキル基(例えば、1-エチルデシル基、1-プロピルノニル基、1-ブチルオクチル基、1-ペンチルヘプチル基、1-オクチルデシル基など)等が挙げられる。
また、分岐鎖状のアルキル基において、分岐している位置は1位の炭素原子に限られず、2位以上の炭素原子であってもよい。例えば、メチル基が2位以上の炭素原子に置換しているアルキル基としては、2-メチルウンデシル、3-メチルウンデシル、4-メチルウンデシル基等が挙げられる。
本発明において、上記アルキル変性基(R)は、分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、上記アルキル変性基は、分岐鎖状のアルキル基を含む2種以上のアルキル基からなるものであってもよく、分岐鎖状のアルキル基のみからなるものであってもよい。
上記アルキル変性基は、分岐鎖状のアルキル基を含む2種以上のアルキル基からなるものである場合、上記分岐鎖状のアルキル基の比率は全変性基量に対して40~100%であることが好ましい。
更に、上記アルキル変性基が直鎖状のアルキル基と分岐鎖状のアルキル基とから構成されている場合は、両者の比(直鎖状のアルキル基:分岐鎖状のアルキル基)は、50:50~20:80であることが好ましい。
加えて、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の主鎖炭素鎖に相当する部分の分子量と、上記アルキル変性基(R)に相当する部分の分子量との比(アルキル変性基分子量/主鎖炭素鎖分子量)は、7.5~15であることが好ましい。なお、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の主鎖炭素鎖に相当する部分の分子量、及び、上記アルキル変性基(R)に相当する部分の分子量は、NMRによって測定することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂における上記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位の含有量(アルキル変性単位量)の下限は0.01モル%、上限は14モル%である。上記アルキル変性単位量を0.01モル%以上とすることで優れた増粘効果、塗工性及び粒子分散性を得ることができる。上記アルキル変性単位量を14モル%以下とすることで水溶液とした場合に性状を安定させることができる。上記含有量の好ましい下限は0.5モル%、好ましい上限は12モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基を有する構成単位、アセチル基を有する構成単位、アセタール基を有する構成単位を有する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記水酸基を有する構成単位を有する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂における上記水酸基を有する構成単位の含有量(水酸基量)の下限は19モル%、上限は35モル%である。上記水酸基量を19モル%以上とすることで、溶剤溶解性を維持することができ、35モル%以下とすることで、粘度安定性を維持することができる。
上記水酸基量の好ましい下限は20モル%であり、好ましい上限は25モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記アセチル基を有する構成単位を有する。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂における上記アセチル基を有する構成単位の含有量(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は20モル%である。上記アセチル基量を0.1モル%以上とすることで、粘度安定性を維持することができ、上記アセチル基量を20モル%以下とすることで、粘度安定性を維持することができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.3モル%、より好ましい上限は10モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記アセタール基を有する構成単位を有する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂における上記アセタール基を有する構成単位の含有量(アセタール化度)は40モル%以上、80モル%以下であることが好ましい。上記アセタール化度を40モル%以上とすることで、粘度安定性や柔軟性を向上させることができる。上記アセタール化度を80モル%以下とすることで、溶剤溶解性を維持することができる。より好ましくは45~75モル%である。
なお、本明細書において、アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、ブチルアルデヒドでアセタール化された水酸基数の割合のことである。また、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を算出する。
また、上記変性ポリビニルアセタール樹脂におけるアセトアルデヒドでアセタール化されたアセトアセタール基の含有量は4.5モル%以上、40.0モル%以下(好ましくは40.0モル%未満)であることが好ましく、4.5モル%以上、38.0モル%以下であることが好ましい。上記範囲内とすることで、溶剤溶解性を維持、優れた粘度特性を得ることができる。
更に、上記変性ポリビニルアセタール樹脂におけるブチルアルデヒドでアセタール化されたブチルアセタール基の含有量は20.0モル%以上、70.0モル%以下であることが好ましく、24.0モル%以上、67.0モル%以下(好ましくは67.0モル%未満)であることがより好ましい。上記範囲内とすることで、溶剤溶解性を維持、優れた粘度特性を得ることができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂における上記アセタール化度と、上記アルキル変性単位量の合計量[アセタール化度+アルキル変性単位量]は46~80モル%であることが好ましい。上記範囲内とすることで、溶剤溶解性を維持して、優れた粘度特性を得ることができる。上記アセタール化度+アルキル変性単位量は、48~79モル%であることがより好ましい。加えて、上記アセタール化度+アルキル変性単位量(アセタールアルキル合計量)と、水酸基量との比(アセタールアルキル合計量/水酸基量)は、1.5~4.0であることが好ましい。
また、上記変性ポリビニルアセタール樹脂における疎水性官能基の合計量[アセタール化度+アルキル変性単位量+アセチル基量]は、65~85モル%であることが好ましい。
更に、上記疎水性官能基の合計量(疎水性官能基量)と、水酸基量(親水性官能基量)との比(疎水性官能基量/親水性官能基量)は、2~5であることが好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度の下限は220、好ましい上限は1800である。上記重合度が220以上であることで、工業的に生産が容易となる。上記重合度が1800以下であることで、溶液粘度が適度なものとなり、工業的に製造することが可能となる。上記重合度の好ましい下限は250、好ましい上限は1500である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂を製造する方法としては、側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含むポリビニルアルコールを用意し、その後アセタール化する方法、側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含まないポリビニルアルコールをアセタール化した後、アルキル変性基を付加する方法等が挙げられる。
より具体的には、上記式(1)で表される構成単位を予め有するポリビニルアルコールを用意し、その後アセタール化する方法、上記式(1)で表される構成単位を有しないポリビニルアルコールをアセタール化した後、上記式(1)で表される構成単位のR、Rに相当する部分を付加する方法等が挙げられる。
上記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含むポリビニルアルコールを作製する方法としては、例えば、ビニルドデシルエーテル等のビニルアルキルエーテルと酢酸ビニルとを共重合した後、得られた共重合体のアルコール溶液に酸またはアルカリを添加してケン化する方法等が挙げられる。また、アルキル変性基を付加する方法により、上記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含むポリビニルアルコールを作製してもよい。
また、上記アルキル変性基を付加する方法としては、例えば、グラフト重合等が挙げられる。
上記アルキル変性基を付加する方法により、上記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含むポリビニルアルコールを作製する方法としては、以下の方法が挙げられる。
例えば、ポリビニルアルコールと、ドデシルアクリレート等のアクリルアクリレートとを酢酸エチルに加えてグラフト重合させることにより、アルキル変性基を有する構成単位を含むポリビニルアルコール(グラフト共重合体)を得る方法等が挙げられる。
上記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含まないポリビニルアルコール(以下、単にポリビニルアルコールともいう)は、例えば、ビニルエステルとエチレンの共重合体をケン化することにより得ることができる。上記ビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。なかでも、経済性の観点から酢酸ビニルが好適である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体を共重合したものであってもよい。上記エチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等が挙げられる。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル-(3-アクリルアミド-3-ジメチルプロピル)-アンモニウムクロリド、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩等が挙げられる。更に、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とエチレンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
本発明の導電ペーストは、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記変性ポリビニルアセタール樹脂に加えて、アクリル樹脂、エチルセルロース等の他の樹脂を含有してもよい。
本発明の導電ペーストは、導電性粉末を含有する。
上記導電性粉末は特に限定されず、例えばニッケル、アルミニウム、銀、銅およびこれらの合金等からなる粉末が挙げられる。これらの導電性粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの中では、導電性に優れていることから、ニッケルが好ましい。
上記導電性粉末の平均粒子径は、50~300nmであり、かつ、形状が略球状であることが好ましい。平均粒子径が50nm以上であると、導電性粉末の比表面積を好適なものとして、導電性粉末の分散性を向上させることができる。平均粒子径が300nm以下であると、印刷後の表面平滑性を向上させることができる。なお、略球状とは、真球形状のほか、球形に近い形状の粒子も含む。
上記導電性粉末の配合量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は100重量部、好ましい上限は10000重量部である。上記導電性粉末の配合量が100重量部以上であると、導電ペーストにおける上記導電性粉末の密度を充分な範囲として、導電性に優れたものとすることができる。上記導電性粉末の配合量が10000重量部以下であると、導電ペーストにおける上記導電性粉末の分散性を向上させることができ、印刷性に優れたものとすることができる。上記導電性粉末の配合量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対するより好ましい下限が200重量部、より好ましい上限が5000重量部である。
本発明の導電ペーストは、上記導電性粉末に加えて、更に、セラミック粉末を含有することが好ましい。セラミック粉末を含有することで、焼成する際の導電性粉末の収縮挙動を、セラミックグリーンシートと合わせやすくなる。
上記セラミック粉末としては特に限定されないが、グリーンシートに用いられるチタン酸バリウムが好ましい。セラミック粉末の平均粒子径としては特に限定されないが、上記導電性粉末の平均粒子径よりも小さいものであることが好ましく、具体的には30nm~200nmであることが好ましい。
本発明の導電ペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤は一般的に導電ペーストに用いられる有機溶剤を使用することができるが、特にシートアタック現象を防止するためには、セラミックグリーンシートに含まれるポリビニルブチラール樹脂を膨潤又は溶解させない、非相溶の低極性の有機溶剤であり、その溶解度パラメータは8.5~14.0(cal/cm0.5であることが好ましい。なお、溶解度パラメータは、Fedors法によって計算したものを用いる。
上記有機溶剤としては、例えば、ジヒドロテルピネオール、ターピニルアセテート、イソボニルアセテート、ジヒドロターピニルアセテート、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピニルメチルエーテル等のテルピネオール誘導体が挙げられる。
また、上記有機溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット等の炭化水素溶剤、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテルおよびエステルが挙げられる。なかでも、ジヒドロテルピネオール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機溶剤の配合量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は100重量部、好ましい上限は10000重量部である。上記有機溶剤の配合量が100重量部以上であると、導電ペーストの粘度を好適な範囲として、印刷性を向上させることができる。上記有機溶剤の配合量が10000重量部以下であると、導電ペーストにおいて上記ポリビニルアセタール樹脂の性能を充分に発揮させることができる。上記有機溶剤の配合量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対するより好ましい下限が200重量部、より好ましい上限が5000重量部である。
本発明の導電ペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、分散剤、界面活性剤等を適宜含有してもよい。
上記可塑剤としては特に限定されないが、例えば、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸ジエステル、ジオクチルアジペート等のアジピン酸ジエステル、トリエチレングリコール2-エチルヘキシル等のアルキレングリコールジエステル等が挙げられる。
上記分散剤としては特に限定されないが、例えば、脂肪酸、脂肪族アミン、アルカノールアミド、リン酸エステルが好適である。また、シランカップリング剤等を配合してもよい。
上記脂肪酸としては特に限定されず、例えば、ベヘニン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヤシ脂肪酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ硬化脂肪酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。なかでも、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好適である。
上記脂肪族アミンとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アルキル(ヤシ)アミン、アルキル(硬化牛脂)アミン、アルキル(牛脂)アミン、アルキル(大豆)アミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミドとしては特に限定されず、例えば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
上記リン酸エステルとしては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
上記界面活性剤としては、特に限定されないが、陰イオン系界面活性剤としては、カルボン酸系として脂肪酸のナトリウム塩等、スルホン酸系として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウム、アルキルポリオキシ硫酸塩等、リン酸系としてはモノアルキルリン酸塩等が挙げられる。陽イオン系界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩やジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等があげられ、両性界面活性剤としてはアルキルジメチルアミンオキシドやアルキルカルボキシベタイン等が挙げられる。また、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等が挙げられる。
上記分散剤や界面活性剤は、ペーストまたは樹脂溶液の経時粘度上昇抑制にも効果がある。
本発明の導電ペーストを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記変性ポリビニルアセタール樹脂、上記導電性粉末、上記有機溶剤及び必要に応じて添加される他の成分を、ボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の導電ペーストをセラミックグリーンシート上に印刷プロセスにより塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製した後、脱脂処理を行い、焼成してセラミック焼結体とし、更にセラミック焼結体の端面に外部電極を形成することにより、積層セラミックコンデンサを得ることができる。上記印刷プロセスとしては、スクリーン印刷やダイコート、グラビアオフセット等を用いることができる。このような積層セラミックコンデンサもまた本発明の1つである。
本発明の導電ペーストを印刷する方法としては特に限定されないが、上述したようなスクリーン印刷やダイコート、グラビア印刷等の印刷プロセスにて行うことができる。その際の最適な粘度は、各印刷プロセスによって異なるため、適宜調整すればよいが、例えばスクリーン印刷であれば、シェアレート10000s-1の時の粘度が0.5~1.0Pa・sであることが好ましく、例えばグラビア印刷であればシェアレート10000s-1の時の粘度が0.05~0.5Pa・sであることが好ましい。
本発明によれば、優れた分散性、印刷性を有し、印刷後に高い接着性を得ることができるとともに、経時的な粘度の変化が少ない導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(アルキル変性基含有ポリビニルアルコールAの合成)
攪拌機、温度計、滴下ロート及び還流冷却器を付したフラスコ中に、酢酸ビニル1000重量部、ドデシルビニルエーテル10重量部及びメタノール300重量部を添加し、系内の窒素置換を行った後、温度を60℃まで昇温した。この系に2,2-アゾビスイソブチロニトリル1.1重量部を添加し、重合を開始した。重合開始から5時間で重合を停止した。重合停止時の系内の固形分濃度は53重量%であり、全モノマーに対する重合収率は65重量%であった。減圧下に未反応のモノマーを除去した後、共重合体の45重量%メタノール溶液を得た。得られた共重合体は酢酸ビニル単位99.9モル%、ビニルドデシルエーテル単位0.1モル%を含有することが未反応のモノマーの定量より確認された。
この共重合体のメタノール溶液100重量部を40℃で攪拌しながら、3%のNaOHメタノール溶液25重量部を添加して、よく混合した後に放置した。30分後、固化したポリマーを粉砕機で粉砕し、メタノールで洗浄後、乾燥してポリマー粉末を得た(以下、これをアルキル変性基含有ポリビニルアルコールAと称する)。
なお、得られたアルキル変性基含有ポリビニルアルコールAは、上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C1225、R=O)を有し、重合度250、ケン化度98.7モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]0.1モル%であった。
(ポリビニルアセタール樹脂A1の合成)
上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C1225、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールA350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。
この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてアセトアルデヒド16.8重量部、n-ブチルアルデヒド71.8重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂A1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂A1をDMSO-d(ジメチルスルホキサシド)に溶解し、13C-NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて水酸基量、アセタール化度、アセチル基量、アルキル変性基含有量を測定した。結果は、水酸基量は20モル%、アセタール化度(アセトアセタール基量)は11.8モル%、アセタール化度(ブチルアセタール基量)は66.8モル%、アセチル基量は1.3モル%、アルキル変性基含有量[表中の変性基含有量]は0.1モル%であった。なお、Rについては、直鎖状アルキル(n-ドデシル基)のみからなり、分岐鎖状アルキルの比率は0%であった。
(ポリビニルアセタール樹脂A2~A33の合成)
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂A2~A33を合成した。
(ポリビニルアセタール樹脂B1の合成)
上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C17、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールB350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールBは、重合度500、ケン化度80.2モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]0.1モル%である。
この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてアセトアルデヒド15.0重量部、n-ブチルアルデヒド45.1重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂B1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂B1をDMSO-d(ジメチルスルホキサシド)に溶解し、13C-NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて水酸基量、アセタール化度、アセチル基量、アルキル変性基含有量を測定した。結果は、水酸基量は30モル%、アセタール化度(アセトアセタール基量)は10.0モル%、アセタール化度(ブチルアセタール基量)は40.1モル%、アセチル基量は19.8モル%、アルキル変性基含有量は0.1モル%であった。なお、Rについては、直鎖状アルキル(オクチル基)のみからなり、分岐鎖状アルキルの比率は0%であった。
(ポリビニルアセタール樹脂B2~B5の合成)
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂B1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂B2~B5を合成した。
(ポリビニルアセタール樹脂C1の合成)
上記式(1)で表される分岐鎖状アルキル変性基(R=C1225[1-エチルデシル基]、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールC350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールCは、重合度500、ケン化度92.9モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]5モル%である。
この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてアセトアルデヒド11.3重量部、n-ブチルアルデヒド61.6重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂C1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂C1をDMSO-d(ジメチルスルホキサシド)に溶解し、13C-NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて水酸基量、アセタール化度、アセチル基量、アルキル変性基含有量を測定した。結果は、水酸基量は25モル%、アセタール化度(アセトアセタール基量)は6.3モル%、アセタール化度(ブチルアセタール基量)は56.6モル%、アセチル基量は7.1モル%、アルキル変性基含有量は5モル%であった。なお、Rについては、分岐鎖状アルキル(1-エチルデシル基)のみからなり、直鎖状アルキルの比率は0%であった。
(ポリビニルアセタール樹脂C2~C6の合成)
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂C1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂C2~C6を合成した。
(ポリビニルアセタール樹脂D1の合成)
上記式(1)で表される分岐鎖状アルキル変性基(R=C17[1-エチルヘキシル基]、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールC350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールDは、重合度1000、ケン化度92.0モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]1モル%である。
この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてアセトアルデヒド24.8重量部、n-ブチルアルデヒド51.2重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂D1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂D1をDMSO-d(ジメチルスルホキサシド)に溶解し、13C-NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて水酸基量、アセタール化度、アセチル基量、アルキル変性基含有量を測定した。結果は、水酸基量は25モル%、アセタール化度(アセトアセタール基量)は19.8モル%、アセタール化度(ブチルアセタール基量)は46.2モル%、アセチル基量は8.0モル%、アルキル変性基含有量は1モル%であった。なお、Rについては、分岐鎖状アルキル(1-エチルヘキシル基)のみからなり、直鎖状アルキルの比率は0%であった。
(ポリビニルアセタール樹脂D2の合成)
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂D1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂D2を合成した。
(ポリビニルアセタール樹脂E1の合成)
未変性ポリビニルアルコールE(重合度500、ケン化度86.6モル%)350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてアセトアルデヒド25.0重量部、n-ブチルアルデヒド51.6重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂E1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂E1の水酸基量、アセタール化度、アセチル基量を表1に示す。
(ポリビニルアセタール樹脂F1の合成)
上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C1021、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールF350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂F1を合成した。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールFは、重合度1500、ケン化度95.4モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]1モル%である。
(ポリビニルアセタール樹脂G1の合成)
上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C1633、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールG350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂G1を合成した。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールGは、重合度1000、ケン化度93.4モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]13モル%である。
(ポリビニルアセタール樹脂G2の合成)
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂G1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂G2を合成した。
(ポリビニルアセタール樹脂H1の合成)
上記式(1)で表される分岐鎖状アルキル変性基(R=C1633[4-ヘキシルデシル基]、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールH350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂H1を合成した。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールHは、重合度500、ケン化度87.9モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]1モル%である。
(ポリビニルアセタール樹脂I1の合成)
上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールI 350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂I1を合成した。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールIは、重合度500、ケン化度87.9モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]1モル%である。
(ポリビニルアセタール樹脂J1の合成)
上記式(1)で表される分岐鎖状アルキル変性基(R=C3061[2-デシルイコシル 基]、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールJ 350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂J1を合成した。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールJは、重合度250、ケン化度93.9モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]0.1モル%である。
(ポリビニルアセタール樹脂K1の合成)
上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C11、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールK350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂K1を合成した。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールKは、重合度1500、ケン化度95.8モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]0.005モル%である。
(ポリビニルアセタール樹脂L1の合成)
下記式(2)で表されるスルホン酸基を有する構成単位を有するスルホン酸基含有ポリビニルアルコールL350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂L1を合成した。なお、スルホン酸基含有ポリビニルアルコールLは、重合度1000、ケン化度95.5モル%、下記式(2)で表されるスルホン酸基を有する構成単位の含有量[スルホン酸基含有量]1モル%である。
Figure 0007457487000002
(ポリビニルアセタール樹脂M1の合成)
上記式(1)で表される直鎖状アルキル変性基(R=C1531、R=O)を有する構成単位を有するアルキル変性基含有ポリビニルアルコールM350重量部を用い、表1に示すアルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂M1を合成した。なお、アルキル変性基含有ポリビニルアルコールM1は、重合度1000、ケン化度98.1モル%、上記式(1)で表されるアルキル変性基を有する構成単位の含有量[アルキル変性基含有量]1モル%である。
Figure 0007457487000003
(実施例1)
(導電ペーストの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂A1を10重量部秤量し、ジヒドロテルピネオール(溶解度パラメータ10.1(cal/cm0.5)90重量部で溶解することにより、樹脂溶液を得た。導電性粉末としてニッケル粉(平均粒子径200nm)180重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径100nm)20重量部と、ジヒドロテルピネオール50重量部とを混合させた後、得られた樹脂溶液を混合し、三本ロールにて分散させることにより、導電ペーストを得た。
(実施例2~35、比較例1~21)
表2に示すポリビニルアセタール樹脂(樹脂種、添加量)とした以外は、実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
<評価>
実施例、比較例で得られた導電ペーストについて以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)剥離力
得られた導電ペーストをPET基板上に、乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗工、乾燥し、電極シートからなる試験片を得た。
このサンプルを縦10cm、横5cmに切り出し、長辺側を厚み2mmのアクリル板に両面テープで貼り付けた。試験片の電極表面に幅18mmのテープ(商品名:セロテープ(登録商標)No.252(積水化学工業社製)(JIS Z1522規定))を貼り付け、90°方向に300mm/minの速度でテープを剥離したときの剥離力(N)をAUTOGRAPH(島津製作所社製、「AGS-J」)を用いて計測した。
○:剥離力が8.0N超
△:剥離力が8.0μm以下5.0μm超
×:剥離力が5.0μm以下
(2)分散性(表面粗さ)評価
スクリーン印刷機とスクリーン版、印刷ガラス基板を用いて、温度23℃、湿度50%の環境下にて導電ペーストの印刷を行い、100℃30分の条件下で送風オーブンにて溶剤乾燥を行った。なお、スクリーン印刷機、スクリーン版、印刷ガラス基板として以下のものを用いた。
スクリーン印刷機(MT-320TV、マイクロテック社製)
スクリーン版(東京プロセスサービス社製、ST500、乳剤2μm、2012パターン、スクリーン枠320mm×320mm)
印刷ガラス基板(ソーダーガラス、150mm×150mm、厚み1.5mm)
得られた導電ペーストの印刷パターンを用いて、表面粗さ計(サーフコム、東京精密社製)にて10か所測定し、下記の基準により評価した。
○:10か所の平均の表面粗さRaが5.0μm未満
△:10か所の平均の表面粗さRaが5.0μm以上9.0μm未満
×:10か所の平均の表面粗さRaが9.0μm以上
(3)印刷性(糸切れ性)
キャピラリーブレークアップ方式レオメータ(Thermo Fisher Scientific社製;HAAKE CaBER1)を用いて、実施例及び比較例で得られた導電ペーストに対して5cm/sの速さで伸長せん断を与えた際に、完全にペーストが分断するまでの時間を測定した。
○:2秒未満
△:2秒以上5秒未満
×:5秒以上
(4)経時粘度安定性
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂溶液の製造直後と、温度20±5℃、湿度45~55%で30日保管した後の粘度変化率「[保管後の粘度-製造直後の粘度]×100/[製造直後の粘度]」を算出し、以下の基準で評価した。
○:粘度変化率が150%未満
△:粘度変化率が150%以上200%未満
×:粘度変化率が200%以上
なお、粘度は、回転レオメータ(Thermo Fisher Scientific社製;HAAKE Rheo Stress 3000)を用いて、以下の測定条件でCR ローテーション時間依存測定モードにて、せん断速度:1[1/s]での粘度を測定した。
<測定条件>
回転する円盤:平板
回転する円盤の直径:35mm
ギャップ:0.5mm
Figure 0007457487000004
本発明によれば、印優れた分散性、印刷性を有し、印刷後に高い接着性を得ることができるとともに、経時的な粘度の変化が少ない導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサを提供することができる。

Claims (7)

  1. 積層セラミックコンデンサの電極を形成するために用いられる導電ペーストであって、
    変性ポリビニルアセタール樹脂と、有機溶剤と、導電性粉末とを含有し、
    前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、側鎖にアルキル変性基を有する構成単位を含み、前記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位の含有量が0.01~14モル%であり、水酸基量が19~35モル%、重合度が220~1800であり、
    前記側鎖にアルキル変性基を有する構成単位は、下記式(1)で表される構成単位である
    ことを特徴とする電ペースト。
    Figure 0007457487000005
    式(1)中、Rは炭素数4~25のアルキル基、Rは単結合、O、COO、又は、CONHを表す。
  2. アセタール化度が40~80モル%であることを特徴とする請求項1載の導電ペースト。
  3. アセチル基量が0.1~20モル%であることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
  4. 導電性粉末はニッケルからなることを特徴とする請求項1、2記載の導電ペースト。
  5. 更に、セラミック粉末を含有することを特徴とする請求項1、2、3記載の導電ペースト。
  6. 有機溶剤は、溶解度パラメータが8.5~14.0(cal/cm0.5であることを特徴とする請求項1、2、3、4記載の導電ペースト。
  7. 請求項1、2、3、4、5記載の導電ペーストを用いて得られることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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