JP2006131445A - 塗工用ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】 導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末の分散性に優れ、高い塗工性、印刷性を発現することができ、かつ、極めて優れた接着性を有する塗工用ペーストを提供することを目的とする。
【解決手段】 変性ポリビニルアセタール樹脂からなるバインダー樹脂、有機溶剤及び無機粉末を含有する塗工用ペーストであって、変性ポリビニルアセタール樹脂は、5万以下の分子量のものの割合が15重量%以上である塗工用ペースト。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末の分散性に優れ、高い塗工性、印刷性を発現することができ、かつ、極めて優れた接着性を有する塗工用ペーストに関する。
近年、種々の分野において導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末をバインダー樹脂に分散させたペーストを塗工した後、焼成することにより、精密な導電膜、セラミック膜、ガラス膜等を調製する方法が行われており、例えば、このようなペーストを使用した積層セラミックコンデンサ等の積層型の電子部品は、特許文献1又は特許文献2に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、有機溶剤にポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂、セラミック原料粉末、可塑剤、分散剤等を添加し、均一に混合することにより、得られたセラミックスラリー組成物を離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の支持体面に流延成形して、支持体を剥離してセラミックグリーンシートを得る。次いで、得られたセラミックグリーンシート上に、パラジウムやニッケル等の導電粉末を分散させた導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して製造した積層体に脱脂処理を行った後、焼成したセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結する工程を経て積層セラミックコンデンサが製造される。
また、無機粉末をバインダー樹脂に分散させたペーストは、プラズマディスプレイパネルの製造にも利用されており、例えば、特許文献3及び特許文献4に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、ガラス基板に表示電極、バス電極を形成し、更に誘電体層、MgO層を形成することで前面ガラス基板を作製する。次いで、別のガラス基板にデータ電極、誘電体層を形成した後、更にバリアリブ、蛍光体層を形成することで背面ガラス基板を作製する。そして、前面ガラス基板と背面ガラス基板とを張り合わせ、排気、放電ガスを封入し、プリント基板を実装する工程を経て、プラズマディスプレイパネルが製造される。
ここで、背面ガラス基板に形成されるバリアリブは、ガラス粉末をバインダー樹脂及び溶剤に分散したガラスペーストを塗布した後、露光、現像することによりパターンを形成し、サンドブラストにて切削して、焼成することにより製造されている。
このように積層セラミックコンデンサやプラズマディスプレイパネルを製造する際に用いる導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末を担持するためのバインダー樹脂としては、従来は主にエチルセルロース樹脂が用いられていた。エチルセルロースをバインダー樹脂とするペーストは塗工性に優れ、とりわけスクリーン印刷等の塗工方法も採用できることから、精密な形状の塗膜を容易に形成することができる。しかしながら、積層セラミックコンデンサを製造するための導電ペーストや、セラミックペーストのバインダー樹脂として、エチルセルロースを用いた場合、ポリビニルアセタール樹脂を原料とするセラミックグリーンシートとの接着性が劣るため、いわゆるデラミネーションと呼ばれる層間剥離が発生しやすかった。更に、エチルセルロースは熱分解性が劣ることから、脱脂処理しても焼成後にカーボン成分が残留し、電気特性を損なうといった問題点もあった。
一方、プラズマディスプレイパネルのバリアリブを製造するためのガラスペーストのバインダー樹脂としてエチルセルロースを用いた場合、エチルセルロースは耐アルカリ性に劣
り、ガラスとの接着力も低いことから、現像工程にて剥離が生じ、バリアリブが所望するパターンに形成されないという問題点があった。
これに対して、ポリビニルアセタール樹脂等のポリビニル系樹脂を塗工用ペーストのバインダー樹脂として用いることが検討されている。ポリビニルアセタール樹脂は、セラミックグリーンシートとの接着力に優れ、耐アルカリ性を有することから、積層セラミックコンデンサを製造するための導電ペースト又はセラミックペーストや、プラズマディスプレイパネルのバリアリブを製造するためのガラスペーストのバインダー樹脂として用いれば、層間剥離の発生を抑制することができる。
しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂として用いた場合、塗工性が低下し、特にスクリーン印刷法により塗工しようとすると、糸引きや目詰まりといった問題を生じ、結果的に版離れが悪くなったり、厚み精度が落ちたりして、パターンを鮮明に描画できずに生産歩留まりを低下させるという問題点があった。
また、ポリビニルアセタール樹脂を用いることで、導電層とセラミック体との間のデラミネーションの問題は改善されるものの、焼成前のセラミックペーストやガラスペーストと非塗工体との接着性については、依然として低く、焼成工程において剥離が発生したりすることがあった。
更に、積層セラミックコンデンサを製造する場合は、導電ペーストを塗工したセラミックグリーンシートを積層する際に、導電ペーストが塗工されている部分とされていない部分とでは段差が生じ、積層体をプレスするときにセラミックグリーンシートと導電層と剥離してデラミネーションの原因となったり、積層セラミックコンデンサの端部で誘電層や導電層が変形する原因となったりしていた。特に、近年は積層セラミックコンデンサに高容量化が求められており、更なる多層化、薄膜化が検討されていることから、より一層導電ペーストの塗工の有無による段差が生ずることが考えられる。
これに対して、特許文献5には、セラミックグリーンシート上に導電ペーストをスクリーン印刷した後、導電ペーストが塗工されていない部分に、セラミックペーストをスクリーン印刷等の方法により塗工することにより段差の発生を防止する方法が記載されている。しかしながら、このような方法では、導電ペーストの非塗工部分にセラミックペーストを印刷する工程を別途行う必要があるため、コストの面で問題があった。
特公平3−35762号公報 特公平4−49766号公報 特開平8−222135号公報 特開2002−63849号公報 特開2002−280250号公報
本発明は、上記現状に鑑み、導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末の分散性に優れ、少ないバインダー樹脂量であっても高い粘度を確保することができることから、極めて優れた塗工性、印刷性を発現することができ、かつ、極めて優れた接着性を有する塗工用ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、変性ポリビニルアセタール樹脂からなるバインダー樹脂、有機溶剤及び無機粉末を含有する塗工用ペーストであって、前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、5万以下の分子量のものの割合が15重量%以上である塗工用ペーストである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、バインダー樹脂として変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた場合であっても、該変性ポリビニルアセタール樹脂として特定の分子量分布を有する樹脂を含有するものを使用することにより、セラミックグリーンシート等との接着性に優れるペーストが得られること、及び、塗工性やスクリーン印刷を行う際の印刷性に優れる塗工用ペーストが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の塗工用ペーストは、変性ポリビニルアセタール樹脂からなるバインダー樹脂を含有する。
上記バインダー樹脂は、5万以下の分子量のものの下限が15重量%である。上記範囲内の分子量を有する樹脂を多く含有することにより、熱圧着工程において、樹脂の軟化が容易化され、接着性に優れたペーストを得ることができる。また、焼成前における接着性についても大幅に向上し、焼成工程等において剥離が生じることを防止できる。好ましい下限は20重量%であり、より好ましい下限は23重量%である。5万を超える分子量のものの割合が多くなると、熱に対する樹脂の安定性が増すことから、接着性が低下する。
上記バインダー樹脂は、変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリルメタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及び、そのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和単量体に由来する成分等を含有するもの等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有することにより、ペーストの経時粘度安定性等を付与することができ、塗工性、スクリーン印刷性に優れたバインダー樹脂とすることができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位からなることが好ましい。上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、一般式(1)で表されるビニルエステル単位、一般式(2)で表されるビニルアルコール単位、一般式(3)で表されるα−オレフィン単位及び一般式(4)で表されるアセタール単位からなる。また、各構成単位の比率やR、Rの選択、又は、nの選択により、粘度、チキソトロピー性等の諸性質を調整して優れた塗工性を発揮させることができ、とりわけスクリーン印刷性にも優れたペーストを得ることができる。
Figure 2006131445
式中、Rは、炭素数1〜20の直鎖又は枝分かれ状のアルキル基を表し、Rは、水素、炭素数1〜20の直鎖、枝分かれ状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。また、nは1〜8の整数を表す。更に、変性ポリビニルアセタール樹脂中、一般式(3)で表される構造単位の含有量は1〜20モル%、一般式(4)で表される構造単位の含有量は30〜78モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(1)で表されるビニルエステル単位の含有量としては特に限定されない。
また、上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(2)で表されるビニルアルコール単位の含有量の好ましい下限は20モル%、好ましい上限は30モル%である。20モル%未満であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性が劣り、塗工用ペーストのバインダー樹脂として用いることができないことがあり、30モル%を超えると、導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の分散性が劣ることがある。より好ましい上限は27モル%である。
上記一般式(2)で表されるビニルアルコール単位が2以上連続している場合、隣り合う水酸基がトランス位にある割合の好ましい下限は60%である。60%以上である場合には、分子内の水酸基間の相互作用に比べて、分子間の水酸基間の相互作用が大きくなり、導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等との親和性が向上して、これらの分散性が向上
する。より好ましい下限は70%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(3)で表されるα−オレフィン単位の含有量の好ましい下限は1モル%、好ましい上限は20モル%である。1モル%未満であると、得られる塗工用ペーストの熱分解性が劣ることがあり、20モル%を超えると、変性ポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性が劣り塗工用ペーストのバインダー樹脂として用いることができなかったり、塗工用ペーストのバインダー樹脂の経時粘度安定性が悪化したりする。より好ましい下限は2モル%、より好ましい上限は10モル%である。更に好ましい上限は8モル%である。
上記α−オレフィン単位としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等に由来する単位が挙げられる。なかでも、エチレンに由来するエチレン単位であることが好適である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、一般式(3)で表されるα−オレフィン単位が連続する場合、該連続するα−オレフィン単位の数の好ましい上限は10である。10を超えると、変性ポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性が劣り塗工用ペーストのバインダー樹脂として用いることができないことがある。
上記一般式(4)で表されるアセタール単位において、Rは、CH及び/又はCであることが好ましい。CH及び/又はCは、溶剤溶解性に優れ、粘度安定性が高いことから、塗工用ペーストの生産性が向上するからである。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、一般式(4)で表されるアセタール単位の含有量の好ましい下限は30モル%、好ましい上限は78モル%である。30モル%未満であると、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂が有機溶剤に不溶となり、ペースト作製に支障となる。78モル%を超えると、残存水酸基が少なくなって得られる変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ、ペースト印刷時の塗膜強度が低下することがある。より好ましい下限は55モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、一般式(4)で表されるアセタール単位が2以上連続している場合、隣り合うアセタール基がトランス位にある割合の好ましい下限は30%、好ましい上限は70%である。30%未満であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性が劣り塗工用ペーストのバインダー樹脂として用いることができないことがあり、70%を超えると、アセタール結合が解離しやすくなり、粘度の変化が大きくなる等、保存安定性が劣ることがある。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、更に、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリルメタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有してもよい。これらのエチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有することにより、上記変性ポリビニルアセタール樹脂に経時粘度安定性等を付与することができる。ただし、これらのエチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有する場合であっても、その含有量は2.0モル%未満であることが好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度としては特に限定はされないが、好ましい下限は300、好ましい上限は2400である。300未満であると、スクリーン印刷して得られた塗膜の強度が劣り、クラック等が入りやすくなることがあり、2400を超えると、塗工用ペーストの粘度が高くなりすぎて、ハンドリング性が低下することがある。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、α−オレフィン単位の含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上である変性ポリビニルアルコールをアセタール化することにより製造することができる。
上記変性ポリビニルアルコールは、ビニルエステルとα−オレフィンとを共重合した共重合体をケン化することにより得ることができる。この場合に用いるビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、なかでも経済的な観点から酢酸ビニルが好適である。また、上記エチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有する変性ポリビニルアセタールを得る場合には、更にエチレン性不飽和単量体を共重合させる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とα−オレフィンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
上記変性ポリビニルアルコールのケン化度の下限は80モル%である。80モル%未満であると、変性ポリビニルアルコールの水への溶解性が悪くなるためアセタール化反応が困難になり、また、水酸基量が少ないとアセタール化反応自体が困難となる。
上記変性ポリビニルアルコールを用いる場合、α−オレフィン含有量が1〜20モル%の範囲の変性ポリビニルアルコールを使用することが必要であるが、α−オレフィン含有量が1〜20モル%の範囲であれば、上記変性ポリビニルアルコールを単独で使用してもよく、最終的に得られた変性ポリビニルアセタール樹脂のα−オレフィン含有量が1〜20モル%となるならば、変性ポリビニルアルコールと未変性ポリビニルアルコールを混合して用いてもよい。また、ケン化度においては、アセタール化する際の変性ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%以上であれば、それを該変性ポリビニルアルコール単独、又は、ケン化度80モル%以上の変性ポリビニルアルコールとケン化度80モル%未満の変性ポリビニルアルコールを混合して、全体としてケン化度を80モル%以上に調整してから用いてもよい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記変性ポリビニルアルコールをアセタール化することにより製造することができる。アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下で上記変性ポリビニルアルコールの水溶液に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アセタール化に用いるアルデヒドとしては特に限定されず、例えばホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒド又はブチルアルデヒドが、生産性と特性バランス等の点で好適である。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アセタール化のアセタール化度は、単独アルデヒド、混合アルデヒドのいずれを用いる場合でも、全アセタール化度で30〜78モル%の範囲が好ましい。全アセタール化度が30モル%未満では樹脂が水溶性となり、有機溶剤に不溶となり、ペースト作製に支障となる。全アセタール化度が78モル%を超えると、残存水酸基が少なくなって変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ、ペースト印刷時の塗膜強度が低下することがある。
なお、本明細書において、アセタール化度の計算方法としては、変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を計算する。
本発明の塗工用ペーストに用いられるバインダー樹脂は、単独からなるものであってもよく、セルロース系樹脂等の通常バインダー樹脂として用いられる樹脂との混合樹脂であってもよい。この場合、上記ポリビニル系樹脂の含有量の好ましい下限は30重量%である。
本発明の塗工用ペーストは、無機粉末を含有する。
上記無機粉末としては、例えば、導電粉末、セラミック粉末及びガラス粉末等が挙げられる。
上記無機粉末として導電粉末を用いる場合、本発明の塗工用ペーストは導電ペーストとして使用することができる。
上記導電粉末としては充分な導電性を示すものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅やこれらの合金等からなる微粒子等が挙げられる。これらの金属材料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機粉末として導電粉末を用いる場合の上記バインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、導電粉末100重量部に対して好ましい下限は3重量部、好ましい上限は25重量部である。3重量部未満であると、導電ペーストの成膜性能が劣ることがあり、25重量部を超えると、脱脂・焼成後にカーボン成分が残留しやすくなる。より好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は15重量部である。
上記無機粉末としてセラミック粉末を用いる場合、本発明の塗工用ペーストはセラミックペーストとして使用することができる。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げられる。なかでも、用いるセラミックグリーンシートに含有されるセラミック粉末と同一の成分からなることが好ましい。これらのセラミック粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機粉末としてセラミック粉末を用いる場合のバインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、上記セラミック粉末100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、セラミックペーストの成膜性能が劣ることがあり、50重量部を超えると、脱脂・焼成後にカーボン成分が残留しやすくなる。より好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記無機粉末としてガラス粉末を用いる場合、本発明の塗工用ペーストはガラスペーストとして使用することができる。
上記ガラス粉末としては特に限定されず、例えば、酸化鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化カルシウム系ガラス、酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系ガラス、酸化鉛−酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系ガラス等が挙げられる。これらのガラス粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化アルミニウム等を併用してもよい。
上記ガラス粉末の平均粒径の好ましい下限は0.05μm、好ましい上限は10μmである。0.05μm未満であると、プラズマディスプレイパネルのバリアリブ用のガラスペーストとして用いた場合に、焼成時にバリアリブが倒壊してしまうことがあり、10μmを超えると、緻密なバリアリブを作製することが困難となる。
上記無機粉末としてガラス粉末を用いる場合のバインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、上記ガラス粉末100重量部に対して好ましい下限は2重量部、好ましい上限は40重量部である。2重量部未満であると、ガラス粉末を確実に結着することができないことがあり、40重量部を超えると、脱脂・焼成後にカーボン成分が残留しやすくなる。より好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は25重量部である。
本発明の塗工用ペーストは、変性ポリビニルアセタール樹脂からなるバインダー樹脂を含有し、更に、変性ポリビニルアセタール樹脂は特定の分子量のものの割合が多いことから、積層セラミックコンデンサを作製する際の導電ペースト又はセラミックペーストのバインダーとしたときに、セラミックグリーンシートとの親和性が高くデラミネーションの発生を抑えることができる。また、耐アルカリ性に優れることから、PDPのバリアリブを作製する際のガラスペーストのバインダーとしたときに、現像工程でも剥離が生じることがなく所望するパターンを形成することができる。更に、得られるペーストは、極めて優れた塗工性、とりわけスクリーン印刷性を発現することができる。
本発明の塗工用ペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、α−テルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の塗工用ペーストは、更に、分散剤を含有してもよい。
上記分散剤としては特に限定されないが、例えば、脂肪酸、脂肪族アミン、アルカノールアミド、リン酸エステルが好適である。
上記脂肪酸としては特に限定されず、例えば、ベヘニン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヤシ脂肪酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ硬化脂肪酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。なかでも、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好適である。
上記脂肪族アミンとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アルキル(ヤシ)アミン、アルキル(硬化牛脂)アミン、アルキル(牛脂)アミン、アルキル(大豆)アミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミドとしては特に限定されず、例えば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
上記リン酸エステルとしては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
本発明の塗工用ペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の塗工用ペーストを製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記変性ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤、及び、導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末をブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法が挙げられる。
本発明の塗工用ペーストをスクリーン印刷等の方法により塗工することにより、無機粉体を含有する極めて精密な塗膜を形成することができる。
本発明は導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末の分散性に優れ、高い塗工性、印刷性を発現することができ、かつ、極めて優れた接着性を有する塗工用ペーストに関する。
本発明を更に詳しく説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
エチレン含有量5モル%、ケン化度99モル%の変性ポリビニルアルコール193gを純水2900gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を28℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn−ブチルアルデヒド115gとを添加し、液温を20℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、5時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を、DMSO―d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度及び水酸基量を測定したところ、ブチラール化度は71モル%で、水酸基量は23モル%であった。分子量及び分子量分布の測定は、島津製作所製 LC−10Aを用い、カラムには昭和電工社製HFIP−806M(2本)を直列につないで行った。測定条件は、温度40℃、試料は0.05重量%ヒドロキシフルオロイソプロパノール(HFIP)溶液(0.45μmのフィルターで濾過したもの)、注入量は100μL、キャリア溶媒としては1L当たりトリフルオロ酢酸ナトリウム(TFA)を0.68g含むHFIPを用いた。校正試料として標準ポリメチルメタクリレートを用いて換算した結果、5万以下の分子量を有する樹脂の割合は30重量%であった。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を塗工用ペーストのバインダー樹脂とした。
導電粉末としてニッケル微粒子(三井金属社製、「2020SS」)100重量部に対して、得られたバインダー樹脂7重量とα−テルピネオール60重量部とを加え、三本ロールで混練して導電ペーストを得た。混練は光学顕微鏡にて凝集物(未解砕物)が認められ
なくなるまでロールを通した。
セラミック粉末として平均粒子径0.3μmのチタン酸バリウム(堺化学工業社製、「BT−03」)100重量部に対して、得られたバインダー樹脂7重量とα−テルピネオール60重量部とを加え、ボールミルを用いて48時間混練してセラミックペーストを得た。
ガラス粉末として酸化鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系ガラス粉末(それぞれの組成:66重量%、5重量%、24重量%、5重量%)100重量部に対して、得られたバインダー樹脂5重量部とα−テルピネオール30重量部とを加え、ボールミルで混合することでガラスペーストを得た。
(実施例2)
5万以下の分子量の割合が80重量%である以外、ブチラール化度、水酸基量が実施例1と同じ変性ポリビニルアセタール樹脂を合成し、5万以下の分子量の割合が30重量%であるエチレン変性していないポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業製、エスレックB「BH−S」)と5万以下の分子量の割合が70重量%となるようにして混合し、得られた混合樹脂を塗工用ペーストのバインダー樹脂として、導電ペースト、セラミックペースト及びガラスペーストを得た。
(比較例1)
市販のエチルセルロース(ダウケミカル社製、「STD45型」)を塗工用ペーストのバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様にして、導電ペースト、セラミックペースト及びガラスペーストを得た。
(比較例2)
5万以下の分子量のものの割合が70重量%であるエチレン変性していないポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックB「BM−S」)を塗工用ペーストのバインダー樹脂として用いた以外は、導電ペースト、セラミックペースト及びガラスペーストを得た。
(評価)
実施例1、2及び比較例1、2で作製した導電ペースト、セラミックペースト及びガラスペーストについて、以下の方法により評価を行った。なお、導電ペーストを作製する際の混練回数は、実施例1、2は3回、比較例1〜3は5回とした。
結果は表1に示した。
(1)導電ペーストの評価
(1−1)導電ペーストのスクリーン印刷性の評価
300メッシュのポリエステル版を用いて、20本/cmのラインパターンを連続して印刷したときに、印刷に不具合が発生したときの回数をカウントした。
(1−2)セラミックグリーンシート積層体の熱分解性
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業製、エスレックB「BM−S」、重合度800)10重量部を、トルエン30重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート3重量部を加え、攪拌溶解した。得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(堺化学工業製「BT−01(平均粒径0.3μm)」)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミックスラリー組成物を得た。得られたセラミックスラリー組成物を、離型処理したポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚みが約5μmになるように塗布し、常温で1時間風乾し、熱
風乾燥機、80℃で3時間、続いて120℃で2時間乾燥させてセラミックグリーンシートを得た。
セラミックグリーンシートを5cm角の大きさに切断し、これに得られた導電ペーストをスクリーン印刷したものを100枚積重ね、温度70℃、圧力150kg/cm、10分間の熱圧着条件で圧着して、セラミックグリーンシート積層体を得た。
得られたセラミックグリーンシート積層体を窒素雰囲気で、昇温速度3℃/分で450℃まで昇温し、5時間保持後、更に昇温速度5℃/分で1350℃まで昇温し、10時間保持してセラミック焼結体を得た。得られたセラミック焼結体について目視にて観察し、以下の基準によりセラミックグリーンシート積層体の熱分解性を評価した。
○:均一に焼結されており、セラミックパウダー以外のものは認められない
△:シート内に黒色の点状のものが一部まれに確認される
×:シート内に黒色の点状のものがかなり多く確認される
(1−3)接着性及びデラミネーション発生の評価
導電ペーストを、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の厚さ10μm、1cm角の大きさとなるように塗工し、この上に評価(1−2)で作製したセラミックグリーンシートを積層し、温度80℃、圧力39kg/cmの条件で3秒間熱圧着して積層体を作製した。得られた積層体を、加温時粘着力測定機(フジコビアン社製、FCL009型)を用いて、0.49mm/秒の速度で引き剥がしたときの剥離強度を測定した。
更に、この焼結体を常温まで冷却した後、半分に割り、ちょうど50層付近のシートの状態を電子顕微鏡で観察し、セラミック層と導電層とのデラミネーションの有無観察し、以下の基準により接着性を評価した。
○:デラミネーションなし
×:デラミネーションあり
(2)セラミックペーストの評価
(2−1)セラミックペーストのスクリーン印刷性の評価
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックB「BM−S」、重合度800)10重量部を、トルエン30重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート3重量部を加え、攪拌溶解した。得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(堺化学工業社製「BT−03(平均粒径0.3μm)」)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミックスラリー組成物を得た。得られたスラリー組成物を、離型処理したポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚みが約10μmになるように塗布し、常温で1時間風乾し、熱風乾燥機、80℃で3時間、続いて120℃で2時間乾燥させてセラミックグリーンシートを得た。
スクリーン印刷機(ミノグループ社製、ミノマットY−3540)とSXスクリーン版(SX300B)とを用いて、セラミックペーストをセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷し、印刷面を目視又は拡大顕微鏡で観察し、以下の基準によりスクリーン印刷性を評価した。
〇:印刷面に糸状のセラミックペーストが全く認められなかった
×:印刷面に糸状のセラミックペーストが認められた
(2−2)接着性の評価
セラミックペーストを、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さ10μm、1cm角の大きさとなるように塗工し、この上に評価(1−2)で作製したセラミックグリーンシートを積層し、温度80℃、圧力39kg/cmの条件で3秒間熱圧着して
積層体を作製した。得られた積層体の両面にクラフトテープを貼り、剥離試験を行った際の剥離状態を観察し、以下の基準で評価した。
〇:セラミックペースト又はセラミックグリーンシート側に転写が認められた
×:セラミックペースト又はセラミックグリーンシート側に転写が認められなかった
(2−3)デラミネーションの有無
ニッケル粉末(三井金属社製、2020SS)100重量部に対してバインダー樹脂7重量部とα−テルピネオール60重量部とを加え混合した後、三本ロールで混練して導電ペーストを調製した。
評価(2−1)と同様の方法により作製したセラミックグリーンシートを5cm角の大きさに切断し、これに得られた導電ペーストをスクリーン印刷により塗工した。次いで、セラミックグリーンシート上の導電ペーストが塗工されていない部分に、スクリーン印刷によりセラミックペーストを塗工した。
塗工されたセラミックグリーンシートを100枚積重ね、温度70℃、圧力150kg/cm、10分間の熱圧着条件で圧着して、セラミックグリーンシート積層体を得た。
得られたセラミックグリーンシート積層体を窒素雰囲気で、昇温速度3℃/分で450℃まで昇温し、5時間保持後、更に昇温速度5℃/分で1350℃まで昇温し、10時間保持して積層セラミックコンデンサを得た。
得られた積層セラミックコンデンサを常温まで冷却した後、半分に割り、ちょうど50層付近のシートの状態を電子顕微鏡で観察し、デラミネーションの発生の有無を評価した。
(3)ガラスペーストの評価
(3−1) 接着性の評価
ガラスペーストをガラス基板上に塗工し、100℃で60分乾燥した。乾燥後、感光性レジストフィルムをラミネートし、次いで1mmピッチのパターンを介して250mJ/cmで露光した。ついで、0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液に浸漬し、300秒間塗膜の状態を観察し、以下の基準により評価した。
〇:塗膜に変化が認められなかった。
×:レジスト膜の剥離や、ガラス膜の一部の剥離が認められた。
Figure 2006131445
本発明によれば、導電粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末の分散性に優れ、高い塗工性、印刷性を発現することができ、かつ、極めて優れた接着性を有する塗工用ペーストを提供できる。

Claims (4)

  1. 変性ポリビニルアセタール樹脂からなるバインダー樹脂、有機溶剤及び無機粉末を含有する塗工用ペーストであって、
    変性ポリビニルアセタール樹脂は、5万以下の分子量のものの割合が15重量%以上である
    ことを特徴とする塗工用ペースト。
  2. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位からなることを特徴とする請求項1記載の塗工用ペースト。
    Figure 2006131445
    式中、Rは、炭素数1〜20の直鎖又は枝分かれ状のアルキル基を表し、Rは、水素、炭素数1〜20の直鎖、枝分かれ状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。また、nは1〜8の整数を表す。更に、変性ポリビニルアセタール樹脂中、一般式(3)で表される構造単位の含有量は1〜20モル%、一般式(4)で表される構造単位の含有量は30〜78モル%である。
  3. 一般式(2)で表される構造単位の含有量が20〜30モル%であることを特徴とする請求項2記載の塗工用ペースト。
  4. は、CH及び/又はCであることを特徴とする請求項2又は3記載の塗工用ペースト。
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