JP5809505B2 - 導電ペースト - Google Patents
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Description
まず、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、セラミックスラリーを得る。次いで、このセラミックスラリーを離型処理した支持体面に流延して、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に、内部電極を形成するための導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製する。更に、積層体中に含まれるバインダー樹脂等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成してセラミック焼結体とし、セラミック焼結体の端面に外部電極を形成して、積層セラミックコンデンサを得る。
以下、本発明を詳述する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。本明細書中、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂とは、下記式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位と、下記式(2)で表される水酸基を有する構成単位と、下記一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位とに加えて、カルボキシル基を有する構成単位を有する樹脂を意味する。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコールを製造する方法として、例えば、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−1)で表される構成単位を有する場合には、一般式(4−1)で表される構成単位となるアクリル酸と、酢酸ビニルとを共重合させた後、ケン化する方法等が挙げられる。なお、アクリル酸の代わりにメタクリル酸を用いることもできる。また、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−2)で表される構成単位を有する場合には、一般式(4−2)で表される構成単位となるフマル酸等と、酢酸ビニルとを共重合させた後、ケン化する方法等が挙げられ、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−3)で表される構成単位を有する場合には、一般式(4−3)で表される構成単位となるイタコン酸等と、酢酸ビニルとを共重合させた後、ケン化する方法等が挙げられる。
上記アルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドのなかでは、アセトアルデヒド及びブチルアルデヒドを併用して用いることが好ましい。また、ブチルアルデヒドの添加量に対するアセトアルデヒドの添加量の比率(アセトアルデヒドの添加量/ブチルアルデヒドの添加量)は0.05〜0.6であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂が未変性ポリビニルアセタール樹脂等の他のポリビニルアセタール樹脂を含有する場合、上記ポリビニルアセタール樹脂中の上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、後述するポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量等を達成することができれば特に限定されないが、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は50重量%である。
平均重合度が1500未満であると、樹脂量を減らした場合には導電ペーストの粘度が低下し、印刷性又は貯蔵安定性が低下したり、デラミネーションが発生しやすくなったりしてしまう。平均重合度が3200を超えると、原料であるポリビニルアルコールを作製することが困難となったり、上記ポリビニルアセタール樹脂の溶剤に対する溶解性が低下したりしてしまう。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度の好ましい下限は1800、好ましい上限は3000であり、より好ましい下限は2000、より好ましい上限は2800である。
また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけの平均重合度を意味する。即ち、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が異なる平均重合度を有する複数の樹脂を含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、各樹脂の平均重合度にその樹脂の含有比率を掛け合わせることにより得られる各値を、合計することにより求められる。
特に、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂と未変性ポリビニルアセタール樹脂とを含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、下記式(5)により算出される。
A=B×(C/D) (5)
式(5)中、Aはポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量(モル%)を表し、Bはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量(モル%)を表し、Cはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の重量を表し、Dはポリビニルアセタール樹脂全体の重量を表す。
なお、アセトアセタール基とは、一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、R1がメチル基である場合のアセタール基である。また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール基量とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのアセトアセタール基量を意味する。
なお、ブチラール基とは、一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、R1がプロピル基である場合のアセタール基である。また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のブチラール基とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのアセトアセタール基量を意味する。
上記導電性粉末は特に限定されず、例えば、チタン酸バリウム、アルミナ、ニッケル、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げられる。これらの導電性粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機溶剤は特に限定されず、一般的に導電ペーストに用いられる有機溶剤を使用することができ、低極性溶剤であっても使用することができる。
上記有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等のテルピネオール及びその誘導体等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
・カルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)
・カルボン酸変性ポリビニルアルコールB(平均重合度2500、カルボキシル基量2.0モル%)
・カルボン酸変性ポリビニルアルコールC(平均重合度1700、カルボキシル基量1.0モル%)
・カルボン酸変性ポリビニルアルコールD(平均重合度2500、カルボキシル基量1.0モル%)
・カルボン酸変性ポリビニルアルコールE(平均重合度1700、カルボキシル基量1.2モル%)
・カルボン酸変性ポリビニルアルコールF(平均重合度2500、カルボキシル基量1.2モル%)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
カルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)50gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3300)50gとを、純水1000gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し、溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、塩酸(濃度35重量%)90gとアセトアルデヒド15gとn−ブチルアルデヒド55gとを添加した。液温を10℃に下げ、この温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を40℃、3時間保持して反応を完了させ、中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2650、アセチル基量1.2モル%、残存水酸基量20.0モル%、アセトアセタール基量18.4モル%、ブチラール基量59.9モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂7.5重量部をテルピネオール92.5重量部で溶解することにより、樹脂溶液を得た。導電性粉末としてニッケル粉100重量部、チタン酸バリウム25重量部と、テルピネオール50重量部とを混合させた後、得られた樹脂溶液を添加及び混合し、三本ロールにて分散させることにより、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)50gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度2000)50gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2000、アセチル基量1.0モル%、残存水酸基量19.7モル%、アセトアセタール基量18.3モル%、ブチラール基量60.5モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)10gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3300)90gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度3170、アセチル基量0.8モル%、残存水酸基量19.6モル%、アセトアセタール基量18.5モル%、ブチラール基量61.0モル%、カルボキシル基量0.1モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)5gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3000)95gとを用い、アルデヒドとしてアセトアルデヒド4gとn−ブチルアルデヒド66gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2950、アセチル基量1.4モル%、残存水酸基量19.2モル%、アセトアセタール基量5.2モル%、ブチラール基量74.15モル%、カルボキシル基量0.05モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)5gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3000)95gとを用い、アルデヒドとしてアセトアルデヒド25gとn−ブチルアルデヒド55gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2950、アセチル基量1.1モル%、残存水酸基量19.3モル%、アセトアセタール基量29.5モル%、ブチラール基量49.85モル%、カルボキシル基量0.05モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールE(平均重合度1700、カルボキシル基量1.2モル%)50gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3300)50gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2500、アセチル基量0.9モル%、残存水酸基量20.4モル%、アセトアセタール基量18.3モル%、ブチラール基量59.8モル%、カルボキシル基量0.6モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールF(平均重合度2500、カルボキシル基量1.2モル%)50gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3300)50gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2900、アセチル基量1.2モル%、残存水酸基量19.8モル%、アセトアセタール基量18.5モル%、ブチラール基量59.9モル%、カルボキシル基量0.6モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)50gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度1000)50gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1500、アセチル基量1.0モル%、残存水酸基量20.1モル%、アセトアセタール基量18.4モル%、ブチラール基量60.0モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールA(平均重合度2000、カルボキシル基量1.0モル%)100gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2000、アセチル基量1.4モル%、残存水酸基量19.9モル%、アセトアセタール基量18.2モル%、ブチラール基量59.5モル%、カルボキシル基量1.0モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
作製したポリビニルアセタール樹脂の代わりに、エチルセルロースを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料として未変性ポリビニルアルコール(平均重合度2500)100gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2500、アセチル基量1.1モル%、残存水酸基量19.4モル%、アセトアセタール基量17.7モル%、ブチラール基量61.8モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールB(平均重合度2500、カルボキシル基量2.0モル%)100gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2500、アセチル基量1.1モル%、残存水酸基量19.1モル%、アセトアセタール基量18.3モル%、ブチラール基量59.5モル%、カルボキシル基量2.0モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールB(平均重合度2500、カルボキシル基量2.0モル%)10gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度4000)90gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度3850、アセチル基量1.0モル%、残存水酸基量18.8モル%、アセトアセタール基量19.1モル%、ブチラール基量60.9モル%、カルボキシル基量0.2モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールC(平均重合度1700、カルボキシル基量1.0モル%)10gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度1200)90gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1250、アセチル基量1.0モル%、残存水酸基量18.9モル%、アセトアセタール基量18.6モル%、ブチラール基量61.4モル%、カルボキシル基量0.1モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールD(平均重合度2500、カルボキシル基量1.0モル%)50gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3300)50gとを用い、アルデヒドとしてn−ブチルアルデヒド70gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2900、アセチル基量1.0モル%、残存水酸基量19.1モル%、アセトアセタール基量0モル%、ブチラール基量79.4モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
原料としてカルボン酸変性ポリビニルアルコールD(平均重合度2500、カルボキシル基量1.0モル%)50gと未変性ポリビニルアルコール(平均重合度3300)50gを用い、アルデヒドとしてアセトアルデヒド40gとn−ブチルアルデヒド30gとを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度2900、アセチル基量1.1モル%、残存水酸基量19.0モル%、アセトアセタール基量53.0モル%、ブチラール基量26.4モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
実施例、参考例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、又は、エチルセルロースについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)溶解性評価
ポリビニルアセタール樹脂又はエチルセルロース10重量部を低極性のジヒドロターピネオール90重量部に溶解し、得られた溶液を下記の基準により評価した。
○:溶液が無色透明であった
×:溶液に白濁が見られた
実施例、参考例及び比較例で得られた導電ペーストについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)印刷性評価
スクリーン印刷機(MT−320TV、マイクロテック社製)とスクリーン版(320mm×320mm)とを用いて、平滑なガラス板上に乾燥塗膜の厚みが1μmになるように導電ペーストのスクリーン印刷を行った。印刷面を目視又は拡大顕微鏡で観察し、擦れ傷の数を調べ、下記の基準により評価した。
○:印刷面の擦れ傷が1箇所以下であった
×:印刷面に擦れ傷が2箇所以上認められた
スクリーン印刷機(MT−320TV、マイクロテック社製)とスクリーン版(320mm×320mm)とを用いて、平滑なガラス板上に乾燥塗膜の厚みが1μmになるように導電ペーストのスクリーン印刷を行った。印刷面を目視又は拡大顕微鏡で観察し、印刷面の端の形状を確認し、下記の基準により評価した。
○:印刷面の端の糸状印刷部分が1箇所以下であった
×:印刷面の端に糸状印刷部分が2箇所以上認められた
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックB「BM−S」、重合度800)10重量部を、トルエン30重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート3重量部を加え、攪拌溶解した。得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(堺化学工業社製「BT−01(平均粒径0.3μm)」)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミックスラリーを得た。得られたセラミックスラリーを、離型処理したポリエステルフィルム上に乾燥塗膜の厚みが約5μmになるように塗布し、常温で1時間風乾し、熱風乾燥機を用いて80℃で3時間、続いて120℃で2時間乾燥させてセラミックグリーンシートを得た。
スクリーン印刷機(MT−320TV、マイクロテック社製)とスクリーン版(320mm×320mm)とを用いて、実施例、参考例及び比較例で得られた導電ペーストを上記で得られたセラミックグリーンシート上に10cm×10cmの正方形にスクリーン印刷した。得られたシートを5cm角に切断し、これを100枚積層して圧力150kg/cm2、10分間の熱圧着条件で圧着し、セラミックグリーンシート積層体を得た。得られたセラミックグリーンシート積層体を窒素雰囲気で、昇温速度3℃/分で450℃まで昇温し、5時間保持後、更に昇温速度5℃/分で1350℃まで昇温し、10時間保持し、セラミック焼結体を得た。得られた焼結体を半分に割り、シート状態を観察してデラミネーションの発生率を評価し、下記の基準により評価した。
○:デラミネーションの発生率が5%未満であった
×:デラミネーションの発生率が5%以上であった
Claims (2)
- カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有するポリビニルアセタール樹脂と、導電性粉末と、有機溶剤とを含有する導電ペーストであって、
前記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が1500〜3200(ただし、1500を除く)、カルボキシル基量が0.05〜1モル%、アセトアセタール基量が5〜30モル%であり、カルボキシル基量に対するアセトアセタール基量の比率が10〜600である
ことを特徴とする導電ペースト。 - ポリビニルアセタール樹脂は、ブチラール基量に対するアセトアセタール基量の比率が0.05〜0.6であることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
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