JP2013251208A - 導電ペースト - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、導電粉末、セラミック粉末の分散性を大幅に改善することができ、かつ、優れた接着性を有する導電ペーストに関する。
積層セラミックコンデンサ等の積層型の電子部品は、特許文献1又は特許文献2に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造される。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミル等により均一に混合し、脱泡することで一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。得られたセラミックスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の支持体面に流延成形し、加熱等により有機溶剤等の揮発成分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミル等により均一に混合し、脱泡することで一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。得られたセラミックスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の支持体面に流延成形し、加熱等により有機溶剤等の揮発成分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次に、得られたセラミックグリーンシート上に、パラジウム、銀、ニッケル等の導電材を含有する電極層用ペーストを所定パターンで印刷する。得られた印刷後のセラミックグリーンシートを複数枚重ねて積層し、プレス切断工程を経てセラミックグリーンチップを得る。そして、得られたセラミックグリーンチップ中に含まれるバインダー成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面等に外部電極を形成する工程を経て積層電子部品を製造する。
近年では、積層セラミックコンデンサの高容量化に伴い、導電層及び誘電体層の薄膜化が進んでおり、導電層及び誘電体層ともに厚さ1μm以下の積層セラミックコンデンサも製造されている。
このような導電層の薄膜化が進んだ結果、導電層の作製に使用される導電ペーストについても、導電粉末の微細化が進み、分散不良が生じやすくなるという問題が生じていた。その結果、積層体を圧着させる際に導電ペーストに含まれる粗粉の飛び出しが生じて、誘電体層を突き破ってしまい、ショートが発生するという問題が顕著になっていた。
また、導電ペーストとセラミックグリーンシートとは、焼結時に収縮挙動差があることから、焼成の際に構造欠陥が発生するという問題もあった。更に、導電ペーストに含まれるNi等の導電粉末は、一般的にセラミックシートに比べて早く焼結することから、内部電極の焼結が進みすぎることで、内部電極の電気的な連続性が無くなり、いわゆる電極切れに伴う静電容量の低下等の不具合が発生する場合があった。
このような導電層の薄膜化が進んだ結果、導電層の作製に使用される導電ペーストについても、導電粉末の微細化が進み、分散不良が生じやすくなるという問題が生じていた。その結果、積層体を圧着させる際に導電ペーストに含まれる粗粉の飛び出しが生じて、誘電体層を突き破ってしまい、ショートが発生するという問題が顕著になっていた。
また、導電ペーストとセラミックグリーンシートとは、焼結時に収縮挙動差があることから、焼成の際に構造欠陥が発生するという問題もあった。更に、導電ペーストに含まれるNi等の導電粉末は、一般的にセラミックシートに比べて早く焼結することから、内部電極の焼結が進みすぎることで、内部電極の電気的な連続性が無くなり、いわゆる電極切れに伴う静電容量の低下等の不具合が発生する場合があった。
これらの問題に対して、導電ペーストにセラミック材料を添加し、導電粉末の焼結を遅らせる手法が取られている。しかしながら、セラミック材料の添加によって、分散性が更に悪化し、導電粉末の焼結を遅らせることが出来ないだけでなく、焼結速度にムラが生じたり、構造欠陥が増加したりするという問題が新たに生じていた。
また、特許文献3には、有機バインダーと相溶性を持つ溶剤で湿潤された金属粒子又は金属化合物粒子を含む導電ペースト用金属粒子含有組成物が開示されている。このような導電ペースト用金属粒子含有組成物では、金属粒子の凝集を防止して、電子部品の信頼性及び歩留を著しく向上させ得るとしている。しかしながら、このような方法では、金属粒子又は金属化合物粒子を湿潤させる際に水分が残留してしまい、電気特性を悪化させてしまうという問題があった。
更に、特許文献4には、湿潤させた金属粒子とセラミックス粒子を含むスラリーに衝突力を付与し金属粒子を微粒化し、金属粒子を高度に分散する方法が記載されている。
しかしながら、このような方法では分散エネルギーが少ない場合、微細な金属粒子を充分に分散することが出来ず、過度なエネルギーをかけた場合金属粒子が砕けてしまい均一なペーストを製造できないといった問題点があった。
また、特許文献3には、有機バインダーと相溶性を持つ溶剤で湿潤された金属粒子又は金属化合物粒子を含む導電ペースト用金属粒子含有組成物が開示されている。このような導電ペースト用金属粒子含有組成物では、金属粒子の凝集を防止して、電子部品の信頼性及び歩留を著しく向上させ得るとしている。しかしながら、このような方法では、金属粒子又は金属化合物粒子を湿潤させる際に水分が残留してしまい、電気特性を悪化させてしまうという問題があった。
更に、特許文献4には、湿潤させた金属粒子とセラミックス粒子を含むスラリーに衝突力を付与し金属粒子を微粒化し、金属粒子を高度に分散する方法が記載されている。
しかしながら、このような方法では分散エネルギーが少ない場合、微細な金属粒子を充分に分散することが出来ず、過度なエネルギーをかけた場合金属粒子が砕けてしまい均一なペーストを製造できないといった問題点があった。
本発明は、上記現状に鑑み、導電粉末、セラミック粉末の分散性を大幅に改善することができ、かつ、優れた接着性を有する導電ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、導電粉末、セラミック粉末、樹脂成分、下記式(1)に示す構造を有するカルボキシル基含有化合物、下記式(2)に示す構造を有し、かつ、分子内に1以上の水酸基を有するエステル化合物、及び、溶剤を含有する導電ペーストである。
式(1)において、R1はC、H又はOを有する構造単位を表し、nは1〜10の整数を表す。
式(2)において、R2及びR3はC、H又はOを有する構造単位を表す。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、導電粉末、セラミック粉末、樹脂成分及び溶剤を含有する導電ペーストにおいて、分散剤として所定の構造単位を有するカルボキシル基含有化合物及びエステル化合物を用いることで、導電粉末及びセラミック粉末の両方の分散性を大幅に改善することができ、かつ、優れた接着性を実現することが可能な導電ペーストとできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に記載の導電ペーストは、導電粉末を含有する。
上記導電粉末としては、通常の導電ペーストに用いられる焼結性を有する導電粉末であれば特に限定されず、例えば、ニッケル、銅、アルミ二ウム、銀、金、白金、パラジウム、半田、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。
上記導電粉末としては、通常の導電ペーストに用いられる焼結性を有する導電粉末であれば特に限定されず、例えば、ニッケル、銅、アルミ二ウム、銀、金、白金、パラジウム、半田、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。
上記導電粉末の平均粒子径の好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は10μmである。粒子径が0.01μm未満であると、導電ペースト中に均一に分散させることが困難となることがあり、10μmを超えると、形成される回路パターンの精度が低下することがある。
上記導電粉末の添加量は、用いる導電粉末の種類等により適宜選択されるが、上記樹脂成分100重量部に対して、100〜10000重量部が好ましい。上記導電粉末の含有量が100重量部未満であると、熱分解開始後の焼結時に体積収縮が大きくなり回路パターンにクラックが入りやすくなり、安定した導通が得られ難くなることがある。10000重量部を超えると、導電粉末の決着性が著しく低下し、パターン形成が困難となる。
本発明に記載の導電ペーストは、セラミック粉末を含有する。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げられる。なかでも、用いるセラミックグリーンシートに含有されるセラミック粉末と同一の成分からなることが好ましい。これらのセラミック粉末は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げられる。なかでも、用いるセラミックグリーンシートに含有されるセラミック粉末と同一の成分からなることが好ましい。これらのセラミック粉末は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セラミック粉末は微粒子形状であることが好ましく、特に粒子径が細かいものであることが好ましい。上記セラミック粉末の平均粒子径は5μm以下であることが好ましい。
上記セラミック粉末の添加量は、上記樹脂成分100重量部に対して100〜10000重量部が好ましい。上記セラミック粉末の含有量が100重量部未満であると、グリーンシートを焼結した際に残渣が多くなり、電気特性が悪化してしまうことがあり、上記セラミック粉末の含有量が10000重量部を超えると、セラミック粉末量に対して吸着する樹脂成分量が少ないため、充分な分散ができず、スラリーが不均一となって凝集しシートの電気特性を低下させてしまうこととなる。上記セラミック粉末の添加量の好ましい下限は250重量部、好ましい上限は3500重量部である。
本発明の導電ペーストは、下記式(1)に示す構造を有するカルボキシル基含有化合物、及び、下記式(2)に示す構造を有し、かつ、分子内に1以上の水酸基を有するエステル化合物の両者を含有する。
式(1)において、R1はC、H又はOを有する構造単位を表し、nは1〜10の整数を表す。
式(2)において、R2及びR3はC、H又はOを有する構造単位を表す。
上記カルボキシル基含有化合物は、カルボキシル基を有することから、カルボキシル基が導電粉末の表面に吸着することで、粒子間距離を増大させることができ、導電粉末を微細に分散させることができる。
上記カルボキシル基含有化合物のR1は、ナフタレンであることが好ましい。これにより、π−π相互作用によって、かさ高くなり、導電粉末間の距離が増大することで、微細に分散することができる。
上記カルボキシル基含有化合物のR1は、炭素数8以上の構造単位であることが好ましい。上記炭素数7以下であると、溶剤への溶解性が不充分となる。上記炭素数のより好ましい下限は10、好ましい上限は50である。
上記カルボキシル基含有化合物のnは、1〜10の整数であるが、特に2〜4が好ましい。
上記カルボキシル基含有化合物としては上記式(1)の構造を有するものであれば、特に限定されないが、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オクタン酸、ドコサン酸、オレイン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
これらのなかでも、2,3−ナフタレンジカルボン酸が特に好ましい。
これらのなかでも、2,3−ナフタレンジカルボン酸が特に好ましい。
上記エステル化合物は、R2及びR3がC、H又はOを有する構造単位である。また、分子内に1以上の水酸基を有する。これにより、セラミック粉末と水酸基が引力的相互作用を及ぼし、エステル化合物がセラミック粉末に吸着して、分散性を向上させることができる。
更に、上記エステル化合物は、カルボキシル基を有していてもよい。
更に、上記エステル化合物は、カルボキシル基を有していてもよい。
上記エステル化合物のR2又はR3は、炭素数8以上の構造単位であることが好ましい。上記炭素数7以下であると、溶剤への溶解性が不充分となる。上記炭素数のより好ましい下限は10、好ましい上限は50である。
また、R2及びR3が直鎖状であることが好ましい。
また、R2及びR3が直鎖状であることが好ましい。
上記R2及びR3としては、水酸基の合計数が2以上であるものを用いることが好ましい。これにより、官能基の数が多くなり、導電粉末やセラミック粉末とより架橋しやすくなる。より好ましくは、水酸基の合計数が3以上である。
上記エステル化合物としては上記式(2)の構造を有するものであれば、特に限定されないが、グリセリルモノオレエイト、プロピレングリコールモノステアレイト、メチル−12−ヒドロキシステアレイト、ソルビタンモノラウレイト、グリセリルモノミリステイト、2−リノレオイルグリセロール等が挙げられる。
これらのなかでも、グリセリルモノオレエイトが特に好ましい。
これらのなかでも、グリセリルモノオレエイトが特に好ましい。
上記エステル化合物は、水酸基とカルボニル基の間の炭素数が4以下であることが好ましい。これにより、カルボニル基がセラミック粉末と近づくことで、その近くにある水酸基がセラミック表面に吸着する確立が高まり、分散性を向上させることができる。
上記エステル化合物の水酸基が複数ある場合、水酸基間の炭素数は4以下であることが好ましい。これにより、いずれかの水酸基がセラミック粉末と近づくことで、その近くにある水酸基がセラミック粉末の表面に吸着する確率が高まり、分散性を向上させることができる。
上記カルボキシル基含有化合物及びエステル化合物の含有量は、上記導電粉末及びセラミック粉末の合計量100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましい。上記カルボキシル基含有化合物及びエステル化合物の含有量が0.01重量部未満であると、導電粉末との架橋が不充分であり、樹脂成分と導電粉末の架橋を防ぐことができず増粘してしまうことがある。上記含有量が20重量部を超えると、過剰のカルボキシル基含有化合物及びエステル化合物が導電粉末と樹脂成分の吸着をも阻害するため、著しく分散性が低下することがある。上記より好ましくは0.1〜2重量部である。
本発明の導電ペーストは、樹脂成分を含有する。
上記樹脂成分としては、重合度が20〜400、水酸基量が20〜30モル%のポリビニルアセタール樹脂Aを含有することが好ましい。これにより、接着性が良好でかつ印刷に適した粘度の導電ペーストを調製することができる。
また、上記樹脂成分は、更に、重合度が450〜4000、水酸基量が20〜30モル%のポリビニルアセタール樹脂Bを含有することが好ましい。これにより、溶剤に充分に溶解させることができ、セラミック粉末の表面に吸着させることが可能となる。
なお、特に「ポリビニルアセタール樹脂A」と「ポリビニルアセタール樹脂B」とを区別しない場合は、単に「ポリビニルアセタール樹脂」とする。
上記樹脂成分としては、重合度が20〜400、水酸基量が20〜30モル%のポリビニルアセタール樹脂Aを含有することが好ましい。これにより、接着性が良好でかつ印刷に適した粘度の導電ペーストを調製することができる。
また、上記樹脂成分は、更に、重合度が450〜4000、水酸基量が20〜30モル%のポリビニルアセタール樹脂Bを含有することが好ましい。これにより、溶剤に充分に溶解させることができ、セラミック粉末の表面に吸着させることが可能となる。
なお、特に「ポリビニルアセタール樹脂A」と「ポリビニルアセタール樹脂B」とを区別しない場合は、単に「ポリビニルアセタール樹脂」とする。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aは、重合度の好ましい下限が20、好ましい上限が400である。上記重合度が20未満であると、形成される導電層の強度が低くなる等の不具合が生じることがある。上記重合度が400を超えると、導電ペーストの粘度が増加し、凝集することによって分散安定性が低下し、焼結後の導電層の電気特性に悪影響を及ぼすことがある。より好ましい下限は150、より好ましい上限は350である。
本発明の導電ペーストにおいて、上記ポリビニルアセタール樹脂Aは、導電粉末及びセラミック粉末の合計量100重量部に対して含有量の好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記ポリビニルアセタール樹脂Aの含有量が0.01重量部未満であると、導電粉末量に対して吸着する樹脂量が少ないため、十分な分散ができず、スラリーが不均一となって凝集し電気特性を低下させてしまうことがある。上記ポリビニルアセタール樹脂Aの含有量が10重量部を超えると、焼結した際に残渣が多くなり、電気特性が悪化してしまうことがある。より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は8重量部である。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、重合度の好ましい下限が450、好ましい上限が4000である。上記重合度が450未満であると、粘度が低くなり過ぎ、印刷パターンがにじんでしまうことがある。上記重合度が4000を超えると、粘度が高くなりすぎてしまい、分散性が不充分となることがある。より好ましい下限は800、より好ましい上限は2000である。
本発明の導電ペーストにおいて、上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、導電粉末及びセラミック粉末の合計量100重量部に対して含有量の好ましい下限が2重量部、好ましい上限が20重量部である。上記ポリビニルアセタール樹脂Bの含有量が2重量部未満であると、接着性が不充分となることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂Bの含有量が20重量部を超えると、焼結した際、残渣が多くなってしまうことがある。より好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は12重量部である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の好ましい下限は20モル%、好ましい上限は30モル%である。上記水酸基量が20モル%未満であると、導電粉末の凝集を引き起こすため、導電層の電気特性に悪影響を与えることがあり、上記水酸基量が30モル%を超えると、接着力が低下してしまうことがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度の好ましい下限が70モル%、好ましい上限が80モル%である。上記アセタール化度が70モル%未満であると、溶剤への溶解性が著しく低下し、スラリーの凝集を引き起こすため、電気特性に悪影響を与えることがあり、上記アセタール化度が80モル%を超えるポリビニルアセタール樹脂は、接着力が低下してしまうことがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂において、アセチル単位の含有量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は25モル%である。上記範囲を超えると、原料のポリビニルアルコール樹脂の溶解性が低下し、アセタール化反応が困難となる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アルデヒドによりポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することで得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アルデヒドによりポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することで得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、酸触媒の存在下でポリビニルアルコールの水溶液、アルコール溶液、水/アルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アセタール化に用いるアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒドとブチルアルデヒドとをそれぞれ単独で用いるか、又は、アセトアルデヒドとブチルアルデヒドとを併用することが好ましい。
上記酸触媒としては特に限定されず、有機酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。
上記アセタール化の反応を停止するために、アルカリによる中和を行うことが好ましい。上記アルカリとしては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
また、上記中和工程の前後に、水等を用いて得られたポリビニルアセタール樹脂を洗浄することが好ましい。なお、洗浄水中に含まれる不純物の混入を防ぐため、洗浄は純水で行うことがより好ましい。
また、上記中和工程の前後に、水等を用いて得られたポリビニルアセタール樹脂を洗浄することが好ましい。なお、洗浄水中に含まれる不純物の混入を防ぐため、洗浄は純水で行うことがより好ましい。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステルの重合体をケン化することで得られるポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。上記ビニルエステルは、経済的にみると、酢酸ビニルであることがより好ましい。
上記ポリビニルアルコール樹脂はまた、上記ビニルエステルとα−オレフィンとの共重合体をケン化することで得られるポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
上記α−オレフィンとして、例えば、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、へキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルエチレン、シクロヘキシルプロピレンが挙げられる。なかでも、エチレンが好ましい。
また、上記ポリビニルアルコール樹脂として、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、上記ビニルエステルとエチレンとを共重合し、その後、ケン化することで得られる末端変性ポリビニルアルコール樹脂を用いてもよい。
上記α−オレフィンとして、例えば、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、へキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルエチレン、シクロヘキシルプロピレンが挙げられる。なかでも、エチレンが好ましい。
また、上記ポリビニルアルコール樹脂として、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、上記ビニルエステルとエチレンとを共重合し、その後、ケン化することで得られる末端変性ポリビニルアルコール樹脂を用いてもよい。
上記ポリビニルアルコール樹脂を共重合する際、上記α−オレフィンの含有量は、好ましい下限が1モル%、好ましい上限が20モル%である。上記α−オレフィンの含有量が1モル%未満であると、α−オレフィンを添加する効果を得ることができないことがある。上記α−オレフィンの含有量が20モル%を超えると、得られるポリビニルアルコール樹脂の水への溶解性が低下するためにアセタール化反応を行うことが困難になったり、得られるポリビニルアセタール樹脂の疎水性が強くなりすぎ、有機溶剤に対する溶解性が低下したりすることがある。
上記ポリビニルアルコール樹脂はまた、本発明の効果を損なわない範囲で、上記ビニルエステル及び上記α−オレフィンに加えて、その他のエチレン性不飽和単量体を共重合することで得られるポリビニルアルコール樹脂であってもよい。
上記その他のエチレン性不飽和単量体として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
上記その他のエチレン性不飽和単量体として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
上記ポリビニルアルコール樹脂を共重合する際、上記その他のエチレン性不飽和単量体の含有量は、好ましい下限が1モル%、好ましい上限が30モル%である。上記その他のエチレン性不飽和単量体の含有量が1モル%未満であると、その他のエチレン性不飽和単量体を添加する効果を得ることができないことがある。上記その他のエチレン性不飽和単量体の含有量が30モル%を超えると、得られるポリビニルアセタール樹脂の接着性、塗膜強度、熱分解性等の性質が低下することがある。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、ケン化度の好ましい下限が80モル%である。上記ケン化度が80モル%未満であると、得られるポリビニルアルコールの水への溶解性が低下するためにアセタール化反応を行うことが困難になることがあり、また、上記ポリビニルアルコール樹脂の水酸基量が少ないとアセタール化反応自体の進行が困難になることがある。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、重合度の好ましい下限が20、好ましい上限が4000である。上記重合度が20未満であると粘度が低く印刷パターンがにじんでしまうことがある。上記重合度が4000を超えると、導電ペーストの粘度が増加し、凝集することによって分散安定性が低下し、焼結後のグリーンシートの電気特性に悪影響を及ぼすことがある。
上記樹脂成分としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、エチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレンオキサイド等の樹脂を含有してもよい。
本発明の導電ペーストには、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、充填剤等を適宜添加してもよく、場合によってはアクリル樹脂やウレタン樹脂等の他樹脂を少量添加してもよい。
本発明のセラミックペーストは溶剤を含有する。
上記溶剤は特に限定されず、例えば、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、セルソルブ系溶剤、テルピネオール系溶剤、アセテート系溶剤等が挙げられる。
上記溶剤は特に限定されず、例えば、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、セルソルブ系溶剤、テルピネオール系溶剤、アセテート系溶剤等が挙げられる。
上記ケトン系溶剤は特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。
上記アルコール系溶剤は特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素系溶剤は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記エステル系溶剤は特に限定されず、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記セルソルブ系溶剤は特に限定されず、例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が挙げられる。
上記アルコール系溶剤は特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素系溶剤は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記エステル系溶剤は特に限定されず、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記セルソルブ系溶剤は特に限定されず、例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が挙げられる。
上記テルピネオール系溶剤は特に限定されず、例えば、α−テルピネオール等が挙げられる。
上記アセテート系溶剤は特に限定されず、例えば、ジヒドロターピニルアセテート、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。
なかでも、ジヒドロターピニルアセテートは極性が低いため、カルボキシル基含有化合物中のカルボキシル基が溶剤になじみにくく、粉末との相互作用が高まり、より効率的に表面に吸着することが出来る。
これらの溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アセテート系溶剤は特に限定されず、例えば、ジヒドロターピニルアセテート、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。
なかでも、ジヒドロターピニルアセテートは極性が低いため、カルボキシル基含有化合物中のカルボキシル基が溶剤になじみにくく、粉末との相互作用が高まり、より効率的に表面に吸着することが出来る。
これらの溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の導電ペーストを製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記導電粉末、セラミック粉末、樹脂成分、カルボキシル基含有化合物、エステル化合物、溶剤、及び、必要に応じて添加する各種添加剤をボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の導電ペーストを作製する場合、上記導電粉末、セラミック粉末、樹脂成分、カルボキシル基含有化合物、エステル化合物及び溶剤を添加、混合して導電粉末分散液を作製する工程、上記ポリビニルアセタール樹脂及び溶剤を添加、混合して樹脂溶液を作製する工程、及び、上記セラミック分散液に樹脂溶液を添加する工程を有する方法を用いることが好ましい。
このように、導電粉末分散液と樹脂溶液とを別々に作製、混合する方法を用いることで、一括で混合する方法と比較して、導電粉末、セラミック粉末の凝集を抑えることができ、それに伴ってポリビニルアセタール樹脂が凝集し、分散性が低下することを妨げることができる。
なお、導電粉末分散液と樹脂溶液とを別々に作製、混合する方法を用いる場合、上記セラミック分散液にポリビニルアセタール樹脂Aを添加することが好ましい。
このように、導電粉末分散液と樹脂溶液とを別々に作製、混合する方法を用いることで、一括で混合する方法と比較して、導電粉末、セラミック粉末の凝集を抑えることができ、それに伴ってポリビニルアセタール樹脂が凝集し、分散性が低下することを妨げることができる。
なお、導電粉末分散液と樹脂溶液とを別々に作製、混合する方法を用いる場合、上記セラミック分散液にポリビニルアセタール樹脂Aを添加することが好ましい。
本発明の導電ペーストの用途は特に限定されないが、例えば、セラミックグリーンシート上に本発明の導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製した後、脱脂処理を行い、焼成してセラミック焼結体とし、更に、セラミック焼結体の端面に外部電極を形成することにより、積層セラミックコンデンサを得ることができる。本発明の導電ペーストを用いることで、セラミックグリーンシートとの優れた接着性を実現可能となり、ショート、電極切れ等の発生を抑制することができ、また、焼成の際に構造欠陥が発生することを抑制することができる。
本発明によれば、導電粉末、セラミック粉末の分散性を大幅に改善することができ、かつ、優れた接着性を有する導電ペーストを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(ポリビニルアセタール樹脂(A)の合成)
重合度230、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール280重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸340重量部、n−ブチルアルデヒド200重量部、アセトアルデヒド20重量部を添加し、液温を1℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を25℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(A)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度を測定したところ、ブチラール化度は70モル%、アセトアセタール化度は7モル%であった。このポリビニルアセタール樹脂(A)をポリビニルアセタール樹脂(A1)とした。
また、表1に示す原材料、条件とした以外はポリビニルアセタール樹脂(A1)と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(A2)、(A3)を合成した。
重合度230、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール280重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸340重量部、n−ブチルアルデヒド200重量部、アセトアルデヒド20重量部を添加し、液温を1℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を25℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(A)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度を測定したところ、ブチラール化度は70モル%、アセトアセタール化度は7モル%であった。このポリビニルアセタール樹脂(A)をポリビニルアセタール樹脂(A1)とした。
また、表1に示す原材料、条件とした以外はポリビニルアセタール樹脂(A1)と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(A2)、(A3)を合成した。
(ポリビニルアセタール樹脂(B)の合成)
重合度1700、ケン化度99モル%、エチレン変性度4モル%のポリビニルアルコール280重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸340重量部、n−ブチルアルデヒド210重量部を添加し、液温を10℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を40℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(B)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度を測定したところ、ブチラール化度は77モル%であった。このポリビニルアセタール樹脂(B)をポリビニルアセタール樹脂(B1)とした。
また、表1に示す原材料、条件とした以外はポリビニルアセタール樹脂(B1)と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(B2)、(B3)を合成した。
重合度1700、ケン化度99モル%、エチレン変性度4モル%のポリビニルアルコール280重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸340重量部、n−ブチルアルデヒド210重量部を添加し、液温を10℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を40℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(B)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度を測定したところ、ブチラール化度は77モル%であった。このポリビニルアセタール樹脂(B)をポリビニルアセタール樹脂(B1)とした。
また、表1に示す原材料、条件とした以外はポリビニルアセタール樹脂(B1)と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(B2)、(B3)を合成した。
(実施例1)
(導電粉末分散液の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂(A1)0.2重量部に対して、分散剤として2,3−ナフタレンジカルボン酸0.5重量部及びグリセリルモノオレエイト0.5重量部をジヒドロターピニルアセテート12重量部に加え、攪拌溶解した。次いで、ニッケル粉(JFEミネラル社製、「NFP201X」)100重量部、チタン酸バリウム粉(堺化学工業社製、「BT−01」)25重量部を加え、3本ロールミルを用いて攪拌し、導電粉末分散液を得た。
(導電粉末分散液の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂(A1)0.2重量部に対して、分散剤として2,3−ナフタレンジカルボン酸0.5重量部及びグリセリルモノオレエイト0.5重量部をジヒドロターピニルアセテート12重量部に加え、攪拌溶解した。次いで、ニッケル粉(JFEミネラル社製、「NFP201X」)100重量部、チタン酸バリウム粉(堺化学工業社製、「BT−01」)25重量部を加え、3本ロールミルを用いて攪拌し、導電粉末分散液を得た。
(樹脂溶液の作製)
ポリビニルアセタール樹脂(B1)10重量部をジヒドロターピニルアセテート100重量部に加え、攪拌溶解することにより、樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアセタール樹脂(B1)10重量部をジヒドロターピニルアセテート100重量部に加え、攪拌溶解することにより、樹脂溶液を作製した。
(導電ペーストの作製)
得られた導電粉末分散液に樹脂溶液を添加し3本ロールにて90分間攪拌することにより、導電ペーストを得た。
得られた導電粉末分散液に樹脂溶液を添加し3本ロールにて90分間攪拌することにより、導電ペーストを得た。
(実施例2〜13、比較例1〜10)
表2に示すポリビニルアセタール樹脂、添加剤を用いた以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを作製した。
表2に示すポリビニルアセタール樹脂、添加剤を用いた以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを作製した。
(1)分散性評価
(分散性評価溶液の作製)
得られた導電ペースト0.1重量部を、ジヒドロターピニルアセテート10重量部に添加し、超音波分散機(エスエヌディ社製 US−303)にて10分間撹拌することにより、分散評価用溶液を作製した。
(分散性評価溶液の作製)
得られた導電ペースト0.1重量部を、ジヒドロターピニルアセテート10重量部に添加し、超音波分散機(エスエヌディ社製 US−303)にて10分間撹拌することにより、分散評価用溶液を作製した。
(分散性評価)
得られた分散評価用溶液について、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所社製、LA−910)を用いて粒度分布測定を行い、最大粒子径ピークの位置、及び、平均粒子径を測定した。また、平均粒子径について以下の基準で評価した。
得られた分散評価用溶液について、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所社製、LA−910)を用いて粒度分布測定を行い、最大粒子径ピークの位置、及び、平均粒子径を測定した。また、平均粒子径について以下の基準で評価した。
(判定基準)
◎ 2.5μm未満
○ 2.5μm以上、3.5μm未満
△ 3.5μm以上、4.5μm未満
× 4.5μm以上
◎ 2.5μm未満
○ 2.5μm以上、3.5μm未満
△ 3.5μm以上、4.5μm未満
× 4.5μm以上
(2)表面粗さ
(導電ペーストからなる薄膜の作製)
離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、得られた導電ペーストを乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗工、乾燥して導電ペーストからなる薄膜を作製した。
(導電ペーストからなる薄膜の作製)
離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、得られた導電ペーストを乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗工、乾燥して導電ペーストからなる薄膜を作製した。
(表面粗さ測定)
得られた薄膜についてJIS B 0601(1994)に基づいて表面粗さRaを測定し、表面粗さを評価した。一般に、導電ペーストの分散性が高いほど、薄膜の表面粗さは小さくなる。
得られた薄膜についてJIS B 0601(1994)に基づいて表面粗さRaを測定し、表面粗さを評価した。一般に、導電ペーストの分散性が高いほど、薄膜の表面粗さは小さくなる。
(判定基準)
◎ 0.04μm未満
○ 0.04μm以上、0.06μm未満
△ 0.06μm以上、0.08μm未満
× 0.08μm以上
◎ 0.04μm未満
○ 0.04μm以上、0.06μm未満
△ 0.06μm以上、0.08μm未満
× 0.08μm以上
(3)接着性
(セラミックグリーンシートの作製)
100重量部のチタン酸バリウムの粉末(堺化学工業社製、「BT−01」)を、楠本化成社製「ED216」1重量部、エタノール20重量部及びトルエン20重量部の混合溶剤に加え、ビーズミル(アイメックス社製、「レディーミル」)にて180分間撹拌することにより、セラミック分散液を作製した。
次いでポリビニルアセタール樹脂(B3)8重量部、エタノール50重量部及びトルエン50重量部を攪拌溶解することにより、得られた樹脂溶液をセラミック分散液に添加し、ビーズミルにて90分間攪拌することにより、スラリー組成物を得た。
離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、得られたスラリー組成物を乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗工、乾燥してセラミックグリーンシートを作製した。
(セラミックグリーンシートの作製)
100重量部のチタン酸バリウムの粉末(堺化学工業社製、「BT−01」)を、楠本化成社製「ED216」1重量部、エタノール20重量部及びトルエン20重量部の混合溶剤に加え、ビーズミル(アイメックス社製、「レディーミル」)にて180分間撹拌することにより、セラミック分散液を作製した。
次いでポリビニルアセタール樹脂(B3)8重量部、エタノール50重量部及びトルエン50重量部を攪拌溶解することにより、得られた樹脂溶液をセラミック分散液に添加し、ビーズミルにて90分間攪拌することにより、スラリー組成物を得た。
離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、得られたスラリー組成物を乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗工、乾燥してセラミックグリーンシートを作製した。
(接着力測定)
上記(2)で得られた導電ペーストからなる薄膜と、得られたセラミックグリーンシートについて、加温時粘着力測定器(フジコピアン社製、「FCL011」)を用いて、温度80℃、圧力0.2MPa、10秒間の熱圧着条件における両者の接着力を測定した。
上記(2)で得られた導電ペーストからなる薄膜と、得られたセラミックグリーンシートについて、加温時粘着力測定器(フジコピアン社製、「FCL011」)を用いて、温度80℃、圧力0.2MPa、10秒間の熱圧着条件における両者の接着力を測定した。
(判定基準)
◎ 120g/cm2以上
○ 90g/cm2以上、120g/cm2未満
△ 60g/cm2以上、90g/cm2未満
× 60g/cm2未満
◎ 120g/cm2以上
○ 90g/cm2以上、120g/cm2未満
△ 60g/cm2以上、90g/cm2未満
× 60g/cm2未満
本発明によれば、導電粉末、セラミック粉末の分散性を大幅に改善することができ、かつ、優れた接着性を有する導電ペーストを提供することができる。
Claims (6)
- R1、及び、R2又はR3は炭素数8以上の構造単位であることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
- R1は、ナフタレンであることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
- 導電粉末及びセラミック粉末の合計量100重量部に対して、カルボキシル基含有化合物及びエステル化合物を0.01〜20重量部含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の導電ペースト。
- 樹脂成分は、重合度が20〜400、水酸基量が20〜30モル%のポリビニルアセタール樹脂A、及び、重合度が450〜4000、水酸基量が20〜30モル%のポリビニルアセタール樹脂Bを含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電ペースト。
- ポリビニルアセタール樹脂Aの添加量は、導電粉末及びセラミック粉末の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項5記載の導電ペースト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012126573A JP2013251208A (ja) | 2012-06-01 | 2012-06-01 | 導電ペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012126573A JP2013251208A (ja) | 2012-06-01 | 2012-06-01 | 導電ペースト |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015002250A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | 日揮触媒化成株式会社 | 積層セラミックコンデンサ内部電極層形成用ペーストおよび積層セラミックコンデンサ |
KR20160016612A (ko) * | 2014-07-31 | 2016-02-15 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 도전성 페이스트 |
WO2020121599A1 (ja) * | 2018-12-13 | 2020-06-18 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 導電性ペースト |
CN114503220A (zh) * | 2019-09-25 | 2022-05-13 | 株式会社则武 | 导电性糊剂和使用其的电子部件的制造方法 |
-
2012
- 2012-06-01 JP JP2012126573A patent/JP2013251208A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016035914A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-17 | 住友金属鉱山株式会社 | 導電性ペースト |
KR102410080B1 (ko) * | 2014-07-31 | 2022-06-16 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 도전성 페이스트 |
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CN113168930A (zh) * | 2018-12-13 | 2021-07-23 | 株式会社则武 | 导电性糊剂 |
TWI819103B (zh) * | 2018-12-13 | 2023-10-21 | 日商則武股份有限公司 | 導電性膠 |
CN113168930B (zh) * | 2018-12-13 | 2023-12-12 | 株式会社则武 | 导电性糊剂 |
CN114503220A (zh) * | 2019-09-25 | 2022-05-13 | 株式会社则武 | 导电性糊剂和使用其的电子部件的制造方法 |
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