JP4829518B2 - セラミックグリーンシート用セラミックペースト - Google Patents

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本発明は、充分な強度を有し、薄膜化することが可能なセラミックグリーンシートを得ることができるセラミックグリーンシート用セラミックペーストに関する。
積層セラミックコンデンサ等の積層型の電子部品は、特許文献1又は特許文献2に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造される。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミル等により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。得られたセラミックスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の支持体面に流延成形し、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を製造し、この積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結する工程を経て、積層セラミックコンデンサが得られる。
近年では、積層セラミックコンデンサの高容量化に伴い、セラミックグリーンシートの薄膜化が進んでおり、例えば、特許文献3には、重合度1200〜2400のポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、厚さ5μm以下のセラミックグリーンシートを作製する方法が開示されている。
しかしながら、セラミックグリーンシートの薄膜化が更に進むと、上記重合度のポリビニルアセタール樹脂では、充分な強度を有するセラミックグリーンシートが得られず、剥離時にセラミックグリーンシートが破損する等の問題があった。
これに対して、セラミックグリーンシート用セラミックペーストを作製する際に、ポリビニルアセタール樹脂の添加量を増加させることにより、セラミックグリーンシートの強度を向上させる方法が検討されている。しかしながら、この方法では、セラミックグリーンシート用セラミックペーストの粘度が高くなり過ぎるため、均一な薄膜を得ることが困難となったり、焼成工程での脱脂性が低下し、セラミックコンデンサの電気特性が低下したりする問題があった。
更に、高重合度のポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、セラミックグリーンシートの強度を向上させる方法が検討されている。しかしながら、この方法では、高重合度のポリビニルアルコールを原料とする必要があるため、使用できるポリビニルアセタール樹脂の種類が限られたり、水溶液の粘度が高くなるため、溶解工程に長時間を要するようになったり、アルデヒドや触媒が分散されにくくなるため、アセタール化が困難になったりする問題があった。
従って、近年の積層セラミックコンデンサの高容量化に伴うセラミックグリーンシートの薄膜化に対応するため、薄膜化した際に充分な強度を有するセラミックグリーンシートを得ることができるセラミックグリーンシート用セラミックペーストが必要とされていた。
特公平3−35762号公報 特公平4−49766号公報 特許第3193022号公報
本発明は、上記現状に鑑み、充分な強度を有し、薄膜化することが可能なセラミックグリーンシートを得ることができるセラミックグリーンシート用セラミックペーストを提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及びセラミック粉末を含有するセラミックグリーンシート用セラミックペーストであって、前記ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度が80モル%以上であり、かつ、重合度が500〜2400のポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、少なくともジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化してなるセラミックグリーンシート用セラミックペーストである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、セラミックペーストのバインダー樹脂として、ジアルデヒドによってアセタール化されたポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、分子間で架橋が生じ、溶液粘度が増加するため、得られるセラミックグリーンシートが充分な強度を有するものとなり、薄膜化が可能となることを見出した。
また、ポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、ジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化することにより、セラミックグリーンシート用セラミックペーストとした場合に、塗工性の悪化や溶媒に対する溶解性の低下等の問題が発生することを防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記ポリビニルアルコールのケン化度の下限は、80モル%である。80モル%未満であると、ポリビニルアルコールの水溶性が悪化するためアセタール化が困難になり、また、水酸基量が少なくなるためアセタール化自体が困難になる。好ましい下限は85モル%である。
上記ポリビニルアルコールは、例えば、ビニルエステルとエチレンの共重合体をケン化することにより得ることができる。上記ビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。なかでも、経済性の観点から酢酸ビニルが好適である。
上記ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体を共重合したものであってもよい。上記エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリルメタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とエチレンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端ポリビニルアルコールも用いることができる。
上記ポリビニルアルコールは、上記ビニルエステルとα−オレフィンとを共重合した共重合体をケン化したものであってもよい。また、更に上記エチレン性不飽和単量体を共重合させ、エチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有するポリビニルアルコールとしてもよい。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とα−オレフィンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端ポリビニルアルコールも用いることができる。上記α−オレフィンとしては特に限定されず、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、へキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルエチレン、シクロヘキシルプロピレン等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は3000である。500未満であると、ジアルデヒドによってアセタール化され分子間の架橋が生じても、充分な粘度を有するポリビニルアセタール樹脂が得られず、薄膜化した際のセラミックグリーンシートの強度が不充分となる。3000を超えると、水への溶解性が低下したり、水溶液の粘度が高くなり過ぎたりするため、アセタール化が困難となる。また、有機溶剤に溶解した際の粘度が高くなり過ぎるため、セラミック粉末の分散性やセラミックグリーンシート用セラミックペーストの塗工性が低下する。
なお、上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、原料であるポリビニルアルコールの重合度を用いる。2種以上のポリビニルアルコールを混合してポリビニルアセタール樹脂を得る場合には、これらの重合度の平均を用いる。
上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下で上記ポリビニルアルコールの水溶液に、ジアルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記ジアルデヒドとしては、アルデヒド基を2個有する化合物であれば特に限定されず、例えば、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。これらの中では、グリオキザール、グルタルアルデヒドが好ましい。
上記アセタール化においては、ジアルデヒドに加え、ジアルデヒド以外のアルデヒドを併用することが好ましい。
上記ジアルデヒド以外のアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、生産性と特性バランス等の観点から、アセトアルデヒド又はブチルアルデヒドが好適である。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アセタール化を行う場合におけるアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は80モル%である。40モル%未満であると、得られるポリビニルアセタール樹脂が有機溶剤に不溶となり、セラミックグリーンシート用セラミックペースト作製に支障となることがある。80モル%を超えると、残存水酸基が少なくなり、得られるポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれることがある。より好ましい下限は55モル%、より好ましい上限は70モル%である。
なお、本明細書において、アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、アセタール化された水酸基数の割合のことであり、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を算出する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、上記ケン化度が80モル%以上のポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、少なくとも上記ジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化することにより得ることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ジアルデヒドを添加することにより、分子間架橋が生じ、セラミックペーストとした場合に粘度が増大するため、得られるセラミックグリーンシートが充分な強度を有するものとなり、薄膜化が可能となる。また、上記範囲の割合でジアルデヒドを添加することによって、塗工性等に優れるセラミックグリーンシート用セラミックペーストを得ることができる。
なお、本明細書においてビニルアルコール単位とは、下記一般式(1)で表される単位を意味する。
0.005モル%未満であると、粘度を増加させる効果が充分に現れず、充分な強度を有するセラミックグリーンシートが得られない。2モル%を超えると、分子間架橋が過密になり、得られるポリビニルアセタール樹脂が有機溶剤に不溶となる。好ましい下限は0.01モル%、好ましい上限は1モル%である。
Figure 0004829518
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、上記ポリビニルアセタール樹脂のみをバインダー樹脂としてもよく、上記ポリビニルアセタール樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等との混合樹脂をバインダー樹脂としてもよい。上記混合樹脂とする場合、バインダー樹脂全体に占める上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は30重量%である。30重量%未満であると、充分な強度を有するセラミックグリーンシートが得られないことがある。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおける上記ポリビニルアセタール樹脂を含有するバインダー樹脂の配合量としては特に限定されないが、セラミック粉末100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、セラミックグリーンシート用セラミックペーストの成膜性能が劣ることがあり、50重量部を超えると、脱脂、焼成後にカーボン成分が残留しやすくなることがある。より好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、α−テルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、セラミック粉末を含有する。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げられる。これらのセラミック粉末は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストの製造方法としては特に限定されず、ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤、セラミック粉末及び必要に応じて添加する各種添加剤をボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合することにより、セラミックグリーンシート用セラミックペーストを得ることができる。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いることにより、塗工粘度、強度に優れ、厚さが2μm以下のセラミックグリーンシートを作製することができる。
このようなセラミックグリーンシートもまた、本発明の一つである。
本発明のセラミックグリーンシートを用いることにより、高容量の積層セラミックコンデンサを作製することができる。
このような積層セラミックコンデンサもまた、本発明の一つである。
本発明によれば、有機溶剤に溶解した際の粘度が高く、容易に作製することができるポリビニルアセタール樹脂を含有し、充分な強度を有し、薄膜化することが可能なセラミックグリーンシートを得ることができるセラミックグリーンシート用セラミックペーストが提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
重合度1500、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール193gを純水2900gに加え、90℃で約2時間攪拌し溶解した。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20g、n−ブチルアルデヒド115g、グルタルアルデヒド0.2gを添加し、液温を15℃に冷却、保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を40℃で3時間保持して反応を完了させ、中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度を測定したところ、65モル%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂8重量部を、トルエン15重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート10重量部を加え、攪拌溶解した。得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミックグリーンシート用セラミックペーストを得た。
得られたセラミックグリーンシート用セラミックペーストを、コーターを用いて乾燥後の厚みが2μmとなるように離形処理したポリエステルフィルム上に塗工し、常温で1時間風乾した後、熱風乾燥機にて80℃で3時間乾燥し、続いて120℃で2時間乾燥してセラミックグリーンシートを得た。
(実施例2)
重合度2400、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール193g、n−ブチルアルデヒド130g、グルタルアルデヒド0.15gを用いた以外は実施例1と同様の方法により、ポリビニルブチラール樹脂を得た。得られたポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%であった。
得られたポリビニルブチラール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。
(実施例3)
重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール185g、ブチルアルデヒド63g、アセトアルデヒド45g、グルタルアルデヒド0.2gを用いた以外は実施例1と同様の方法により、ポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は68モル%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。
(比較例1)
バインダー樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックB「BH−S」、重合度1700、積水化学工業社製)10重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。
なお、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックB「BH−S」、重合度1700、積水化学工業社製)の原料として使用したポリビニルアルコールのケン化度は95モル%であった。
また、ブチラール化度は75モル%であった。
(比較例2)
バインダー樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックB「BX−3」、重合度2000、積水化学工業社製)10重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。
なお、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックB「BX−3」、重合度2000、積水化学工業社製)の原料として使用したポリビニルアルコールのケン化度は98モル%であった。
また、ブチラール化度は66モル%であった。
(評価)
実施例1〜3及び比較例1、2で得られたセラミックグリーンシートをポリエステルフィルムから剥離し、セラミックグリーンシートの状態を目視にて観察し、以下の基準で強度を評価した。
結果は、表1に示した。
○:セラミックグリーンシートに、切れや破れは観察されなかった。
×:セラミックグリーンシートの一部に、破れが観察された。
Figure 0004829518
本発明によれば、充分な強度を有し、薄膜化することが可能なセラミックグリーンシートを得ることができるセラミックグリーンシート用セラミックペーストが提供できる。

Claims (4)

  1. ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及びセラミック粉末を含有するセラミックグリーンシート用セラミックペーストであって、
    前記ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度が80モル%以上であり、かつ、重合度が500〜2400のポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、少なくともジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化してなる
    ことを特徴とするセラミックグリーンシート用セラミックペースト。
  2. ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度が40〜80モル%であることを特徴とする請求項1記載のセラミックグリーンシート用セラミックペースト。
  3. 請求項1又は2記載のセラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなることを特徴とするセラミックグリーンシート。
  4. 請求項3記載のセラミックグリーンシートを用いてなることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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