JP5291299B2 - 導電ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、塗工ペースト、導電ペースト、セラミックペースト等のバインダーとして用いた場合、加熱圧着工程において、変形が起こりにくい変性ポリビニルアセタール樹脂、該電子部品用樹脂組成物を用いた塗工ペースト、導電ペースト及びセラミックペーストに関する。
積層型の電子部品、例えば、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て製造される。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミル等により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。得られたセラミックスラリー組成物を、ドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の支持体面に塗工する。これを加熱等により溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製し、この積層体中に含まれるバインダー成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結する工程を経て積層セラミックコンデンサが得られる。
このとき用いられる導電ペーストとしては、通常、電極を構成するパラジウムやニッケル等の導電性金属材料、バインダー樹脂、及び、ターピネオール等の有機溶剤からなるものが使用されており、例えば、特許文献1及び特許文献2には、バインダー樹脂としてエチルセルロースを用いたものが開示されている。
また、近年では、積層セラミックコンデンサに更なる高容量化が求められており、より一層の多層化、薄膜化が検討されているが、このような積層セラミックコンデンサにおいては、セラミックグリーンシートの表面に所定のパターンで電極層が形成された領域と、電極層が形成されていない領域との間に生じた段差が累積することによって、積層体を圧着する工程で、均一に圧力を加えることができず、デラミネーションと呼ばれる層間剥離が発生したり、積層セラミックコンデンサの端部で誘電層及び又は導電層の変形が生じて平面とならず、信頼性や性能が低下したりするという問題があった。
特に、バインダー樹脂としてエチルセルロースを用いた場合、ポリビニルアセタール樹脂等を原料とするセラミックグリーンシートとの接着性に劣り、耐アルカリ性も低いことから、デラミネーションの問題を改善できなかった。また、エチルセルロースは熱分解性が低いことから、脱脂処理をしても焼成後にカーボン成分が残留し、電気特性を損なうという問題もあった。
また、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂を用いた場合も、スクリーン印刷等によりペーストを印刷する際に、糸引きや目詰まりといった問題を生じ、結果的に版離れが悪くなったり、厚み精度が落ちたりして、パターンを鮮明に描画できず、結果的に生産歩留まりを低下させるという欠点があった。
これに対して、発明者らは、特許文献3において、スクリーン印刷性に優れるポリビニルアセタール樹脂を開示している。しかしながら、例えば、積層セラミックコンデンサを製造するための導電ペーストに用いた場合、加熱圧着をする際に変形しやすく、得られる積層セラミックコンデンサの信頼性、性能の低下を招くという課題があった。このような課題は、小型化、高容量化が進む電子部品において一層顕著になってきており、加熱圧着の際に変形しにくいバインダー樹脂が求められていた。
特公平3−35762号公報 特公平4−49766号公報 特開2005−298792号公報
本発明は上記現状に鑑み、塗工ペースト、導電ペースト、セラミックペースト等のバインダーとして用いた場合、加熱圧着工程において、変形が起こりにくい変性ポリビニルアセタール樹脂、該電子部品用樹脂組成物を用いた塗工ペースト、導電ペースト及びセラミックペーストを提供することを目的とする。
本発明は、エチレン含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールをアルデヒドを用いてアセタール化してなる変性ポリビニルアセタール樹脂を用いてなる導電ペーストであって、前記アルデヒドは、アセトアルデヒドと、前記アセトアルデヒド以外のアルデヒドとからなり、前記アセトアルデヒド以外のアルデヒドは、ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、及び、2−エチルヘキシルアルデヒドらなる群から選択される少なくとも1種のアルデヒドとからなり、前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、全アセタール化度が65〜80モル%であり、かつ、全アセタール化部分に占めるアセトアルデヒドでアセタール化された部分が58〜80モル%である導電ペーストである。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の特性を有する変性ポリビニルアルコールを用いて得られ、アセタール化度、特にアセトアルデヒドでアセタール化された部分が所定の範囲内の変性ポリビニルアセタール樹脂を電子部品用のバインダー樹脂として用いることによって、加熱圧着工程の際に変形が極めて生じにくく、信頼性及び性能の高い電子部品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、エチレン含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールをアセタール化してなるものである。
上記変性ポリビニルアルコールのエチレン単位含有量の下限は1モル%、上限は20モル%である。上記変性ポリビニルアルコールは、エチレン単位を含有することによって、アセタール化して得られる変性ポリビニルアセタール樹脂の溶液粘度が増大するため、無機粉末の分散性や、塗工用のペーストとして用いた場合に塗膜の強度が向上する。
上記エチレン単位含有量が1モル%未満であると、導電粉末、セラミック粉末等の無機粉末の分散性、塗工ペーストの印刷性や塗膜の強度が低下する。20モル%を超えると、上記変性ポリビニルアルコールの水溶性が低下するため、アセタール化が困難になったり、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂の有機溶剤への溶解性が低下するため、塗工ペースト作製に支障が出たり、経時粘度安定性が低下する。好ましい下限は2モル%、好ましい上限は10モル%である。
上記変性ポリビニルアルコールのケン化度の下限は80モル%である。80モル%未満であると、変性ポリビニルアルコールの水溶性が悪化するためアセタール化が困難になり、また、水酸基量が少なくなるためアセタール化自体が困難になる。好ましい下限は85モル%である。
上記変性ポリビニルアルコールは、エチレン単位含有量が上記範囲内で、かつ、ケン化度が80モル%以上であれば、上記変性ポリビニルアルコールを単独で用いてもよく、又は、2種以上の変性ポリビニルアルコールを混合して、全体としてエチレン単位含有量が上記範囲内で、かつ、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールに調整してから用いてもよい。
上記変性ポリビニルアルコールは、ビニルエステルとエチレンの共重合体をケン化することにより得ることができる。上記ビニルエステルとしては特に限定されず、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。なかでも、経済的観点から酢酸ビニルが好ましい。
上記変性ポリビニルアルコールは、エチレンのみによって変性されたものが好ましい。エチレンのみによって変性された変性ポリビニルアルコールは、水溶性に優れ、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂を有機溶剤に溶解した溶液は、経時粘度安定性に優れる。エチレン以外の共単量体により上記変性ポリビニルアルコールを更に変性する場合には、上記共単量体の含有量の好ましい上限は2.0モル%である。2.0モル%を超えると、水溶性が悪化し、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂を有機溶剤に溶解した溶液の経時粘度安定性に劣ることがある。
上記変性ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体を共重合したものでもよい。上記エチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリルメタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とエチレンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
上記変性ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は300、好ましい上限は2400である。300未満であると、充分な強度を有する塗膜が得られず、クラック等が入り易い。2400を超えると、水溶性が低下したり、水溶液の粘度が高くなり過ぎたりするためアセタール化が困難となることがある。
上記変性ポリビニルアルコールを使用する場合、エチレン含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールを使用することが必要であるが、エチレン含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の上記範囲内であれば、上記変性ポリビニルアルコールを単独で使用してもよく、あるいは、2種以上の変性ポリビニルアルコールを混合したり、変性ポリビニルアルコールと未変性ポリビニルアルコールを混合したりして、最終的に得られる変性ポリビニルアセタール樹脂のエチレン含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上となるようにしてもよい。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記変性ポリビニルアルコールをアセタール化してなるものである。上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、酸触媒の存在下でポリビニルアルコールの水溶液、アルコール溶液、水/アルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
本発明では、上記アセタール化にアセトアルデヒドを用いる。上記アセトアルデヒド以外のアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂の全アセタール化度の下限は65モル%、上限は80モル%である。65モル%未満であると、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂が水溶性となり、有機溶剤に不溶となるため、ペースト作製の支障となることがある。80モル%を超えると、残存水酸基が少なくなり、変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ、ペースト印刷時の塗膜強度が低下することがある。好ましい下限は70モル%、好ましい上限は80モル%である。
なお、本明細書において、全アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、全アルデヒドでアセタール化された水酸基数の割合のことであり、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用して全アセタール化度のモル%を算出する。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、全アセタール化部分に占めるアセトアルデヒドでアセタール化された部分(以下、AA部分ともいう)の下限が35モル%、上限が80モル%である。35モル%未満であると、変性ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度が低くなり、熱圧着時に変形しやすくなる。80モル%を超えると、残存水酸基が少なくなり、変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ、ペースト印刷時の塗膜強度が低下することがある。
好ましい下限は40モル%、好ましい上限は80モル%である。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂の製造方法としては特に限定されず、例えば、上記変性ポリビニルアルコールを水に溶解し、塩酸等の酸触媒の存在で、所定の割合のアルデヒドを添加しアセタール化した後、水酸化ナトリウム等のアルカリで中和し、水洗、乾燥を行う方法が挙げられる。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂を、有機溶剤に溶解し、導電粉末、セラミック粉末等の無機粉末を分散させることで、無機粉末が極めて良好に分散された塗工ペーストを得ることができる。このようにして得られたペーストは、加熱圧着工程において、変形が起こりにくく、電子部品の製造に好適に用いられる。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、単独でバインダー樹脂として用いてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等との混合樹脂をバインダー樹脂として用いてもよい。上記混合樹脂とする場合、例えば、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂との混合樹脂では、バインダー樹脂全体に占める上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は30重量%である。30重量%未満であると、充分な溶液粘度が得られないことがある。
上記有機溶剤としては、本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。
上記無機粉末として、導電粉末を用いる場合、上記塗工ペーストは導電ペーストとして使用することができる。このようにして得られた導電ペーストは、加熱圧着工程において、変形が起こりにくく、電子部品の製造に好適に用いられる。
このような導電ペーストもまた、本発明の1つである。
上記導電粉末としては充分な導電性を示すものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅、これらの合金等からなる粉末が挙げられる。これらの導電粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機粉末として、セラミック粉末を用いる場合、上記塗工ペーストはセラミックペーストとして使用することができる。得られたセラミックペーストは、加熱圧着工程において、変形が起こりにくく、積層セラミックコンデンサ等を製造する際に、導電ペーストをスクリーン印刷した後に生じる段差を埋める目的で、導電層が形成されていない部分に塗工するセラミックペーストとしても好適に用いることができる。
このようなセラミックペーストもまた、本発明の1つである。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
本発明の塗工ペースト、導電ペースト及びセラミックペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、可塑剤、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
本発明の導電ペースト及びセラミックペーストを製造する方法としては特に限定されず、例えば、本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及び無機粉末をブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法が挙げられる。
本発明によれば、塗工ペースト、導電ペースト、セラミックペースト等のバインダーとして用いた場合、加熱圧着工程において、変形が起こりにくい変性ポリビニルアセタール樹脂、該電子部品用樹脂組成物を用いた塗工ペースト、導電ペースト及びセラミックペーストが提供できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の合成)
重合度1700、エチレン含有量10モル%、ケン化度97モル%の変性ポリビニルアルコール293gを純水3000gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を28℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸220gとブチルアルデヒド68g、アセトアルデヒド90gを添加し、液温を8℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を30℃、5時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を DMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化度を測定したところ、全アセタール化度は72モル%であった。また、全アセタール化部分に占めるアセトアルデヒドでアセタール化された部分は58モル%であった。
この樹脂のガラス転移温度を示差操作熱量計(DSC)にて測定したところ、95℃であった。
(導電ペーストの作製)
導電粉末としてのニッケル粉末(2020SS、三井金属社製)100重量部、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂5重量部、溶剤としてジヒドロターピニルアセテート(日本テルペン社製)60重量部を混合した後、3本ロールで混練して導電ペーストを得た。
(比較例1)
実施例1の(変性ポリビニルアセタール樹脂の合成)において、重合度1700、エチレン含有量10モル%、ケン化度98モル%の変性ポリビニルアルコール193g、及び、n−ブチルアルデヒド135gを用いた以外は実施例1と同様にして、変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。なお、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂の全アセタール化度は72モル%であった。また、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度を示差操作熱量計(DSC)にて測定したところ、64℃であった。
また、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(評価)
得られた導電ペーストについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(変形率)
実施例及び比較例にて得られた導電ペーストを、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにPET上に塗工し、乾燥した。このシートを5cm角に切断し、90℃でプレスを行い(プレス圧:100g/cm)、変形率(プレス後の面積/プレス前の面積×100)を求めた。
Figure 0005291299
本発明によれば、導電ペースト、セラミックペースト等のバインダーとして用いた場合、加熱圧着工程において、変形が起こりにくいポリビニルアセタール樹脂、該電子部品用樹脂組成物を用いた導電ペースト及びセラミックペーストを提供することができる。

Claims (1)

  1. エチレン含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールをアルデヒドを用いてアセタール化してなる変性ポリビニルアセタール樹脂を用いてなる導電ペーストであって、
    前記アルデヒドは、アセトアルデヒドと、前記アセトアルデヒド以外のアルデヒドとからなり、前記アセトアルデヒド以外のアルデヒドは、ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、及び、2−エチルヘキシルアルデヒドらなる群から選択される少なくとも1種のアルデヒドとからなり、
    前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、全アセタール化度が65〜80モル%であり、かつ、全アセタール化部分に占めるアセトアルデヒドでアセタール化された部分が58〜80モル%である
    ことを特徴とする導電ペースト。
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