JP6836941B2 - 導電ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、優れた印刷性を有し、表面平滑性及び強度の高い塗膜を形成することが可能な導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサに関する。
近年、種々の電子機器に搭載される電子部品の小型化、積層化が進んでおり、多層回路基板、積層コイル、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品が広く使用されている。
なかでも、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て製造されている。まず、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、エチルセルロース等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、セラミックスラリーを得る。次いで、このセラミックスラリーを離型処理した支持体面に流延して、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に、内部電極を形成するための導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製する。更に、積層体中に含まれるバインダー樹脂等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成してセラミック焼結体とし、セラミック焼結体の端面に外部電極を形成して、積層セラミックコンデンサを得る。
積層セラミックコンデンサの小型化及び高容量化に伴い、内部電極の薄層化、及び電極表面の平滑性が求められてきている。そこで、薄層かつ平滑な内部電極を形成するための導電ペーストとして、例えば特許文献1に開示される導電ペーストのように、粒径を制御した金属材料を用いることにより、電極表面を薄層かつ平滑化することができると記載されている。
しかしながら、これらは、バインダーとして、エチルセルロースを用いているため、塗膜の強度が弱く、少しの衝撃で割れや欠けが生じるなどの不具合があった。
上述の課題に対して、本発明者らは、ポリビニルアセタール樹脂を用いることで、導電ペースト塗膜の強度を上げることが出来ると考えた。
特許文献2では、セラミックグリーンシートへのシートアタックを防止するために低極性の有機溶剤が用いられている。しかしながら、このような低極性の有機溶剤と、従来のポリビニルアセタール樹脂とを導電ペーストのバインダーとして用いた場合、樹脂と有機溶剤との極性の違いにより、溶解性に非常に劣るため、無機粉の分散性が悪化し、良好な印刷性を得ることは困難であった。
そこで、本発明者らは、特定の構造を有するポリビニルアセタールを用いて、印刷性に優れた樹脂を開発した(特許文献3、4参照)。
しかしながら、樹脂の重合度が高い場合は、樹脂の溶解に長時間を要し、生産性に劣る。一方、樹脂の重合度を低減した場合は、高いレベルでの強度を得ることは出来なかった。
国際公開第2010/021202号 特開2005−243561号公報 特許第5767923号 特許第5809505号
本発明は、優れた印刷性を有し、表面平滑性及び強度の高い塗膜を形成することが可能な導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、積層セラミックコンデンサの電極に用いられる導電ペーストであって、ポリビニルアセタール樹脂と、有機溶剤と、導電性粉末とを含有し、前記ポリビニルアセタール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有し、かつ、平均重合度が810〜1600であり、前記ポリビニルアセタール樹脂は、重合度の異なる2種類以上の混合ポリビニルアルコール樹脂のアセタール化物であり、前記混合ポリビニルアルコール樹脂のうち、最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂は、カルボン酸未変性ポリビニルアルコール樹脂であり、前記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂以外のポリビニルアルコール樹脂は、下記式(1−1)で表される構成単位、及び、下記式(1−2)で表される構成単位から選択される少なくとも1種を有するカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂を含む導電ペーストである。
Figure 0006836941
上記式(1−1)中、R及びRは、それぞれ独立し、炭素数0〜10のアルキレン基、X及びXは、それぞれ独立し、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。上記式(1−2)中、R、R及びRは、それぞれ独立し、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、Rは炭素数0〜10のアルキレン基、Xは水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、導電ペーストのバインダー樹脂として、特定の構造を有するカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有し、特定の平均重合度を有するポリビニルアセタール樹脂を用い、該ポリビニルアセタール樹脂を構成する混合ポリビニルアルコール樹脂の構造を規定することにより、高い印刷性を有し、表面平滑性、強度に優れる導電ペーストが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電ペーストはポリビニルアセタール樹脂を含有する。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。なお、本明細書中、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂とは、カルボキシル基を有する構成単位を有するポリビニルアセタール樹脂を意味する。
更に、本明細書中、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂は、下記式(2−1)で表されるアセチル基を有する構成単位と、下記式(2−2)で表される水酸基を有する構成単位と、下記式(2−3)で表されるアセタール基を有する構成単位とに加えて、カルボキシル基を有する構成単位を有する樹脂を意味する。
Figure 0006836941
上記式(2−3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
本発明において、上記ポリビニルアセタール樹脂は、重合度の異なる2種類以上の混合ポリビニルアルコール樹脂のアセタール化物である。
また、上記混合ポリビニルアルコール樹脂は、最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂と、上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂以外のポリビニルアルコール樹脂とから構成される。
以下順に説明する。
上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂は、カルボン酸未変性ポリビニルアルコール樹脂である。また、上記カルボン酸未変性ポリビニルアルコール樹脂は、上記式(1−1)で表される構成単位及び上記式(1−2)で表される構成単位を何れも有しないものであることが好ましい。なお、上記式(1−1)で表される構成単位及び上記式(1−2)で表される構成単位については、後述する。
上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂として、カルボン酸未変性ポリビニルアルコール樹脂を用いることで、得られる導電ペーストを強度に優れたものとすることができる。
上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂の重合度は、好ましい下限が810、好ましい上限が3000である。重合度を810以上とすることで、得られる導電ペーストの強度を効果的に発現させることが出来る。重合度が3000以下とすることで、印刷性への影響を少なく抑えることが出来る。上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂の重合度のより好ましい下限は1200、より好ましい上限は2500である。なお、上記重合度は、個別のポリビニルアルコール樹脂の重合度を意味し、後述する平均重合度とは区別して使用する。
上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、好ましい下限が87.0モル%、好ましい上限が99.5モル%である。ケン化度を87.0モル%以上とすることで、得られるポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性を優れたものとすることが出来る。ケン化度を99.5モル%以下とすることで、ポリビニルアセタール樹脂を合成する際のハンドリングを良好なものとすることが出来る。上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂のケン化度のより好ましい下限は90.0モル%、より好ましい上限は99.0モル%である。
上記混合ポリビニルアルコール樹脂は、上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂以外のポリビニルアルコール樹脂を含有する。
また、上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂以外のポリビニルアルコール樹脂は、上記式(1−1)で表される構成単位、及び、上記式(1−2)で表される構成単位から選択される少なくとも1種を有するカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂を含む。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂は、上記式(1−1)で表される構成単位、及び、上記式(1−2)で表される構成単位から選択される少なくとも1種を有する。上記構成単位を有するカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂を用いることで、得られるカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂は、低極性の有機溶剤に溶解し、なおかつ導電ペーストの構成材料の一つである導電性粉末とのなじみを改善することができるので、印刷後の電極表面を平滑化することができる。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂が、上記式(1−1)で表される構成単位を有する場合、構成単位中の2つのカルボキシル基が主鎖の炭素を挟む位置に存在するので、得られる導電ペーストは導電性粉末との間で適度な相互作用を持ち、貯蔵安定性をも改善することができる。
上記式(1−1)中、R及びRは、それぞれ独立し、炭素数0〜10のアルキレン基を表し、X及びXは、それぞれ独立し、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記式(1−1)中、R及びRで表されるアルキレン基の炭素数を10以下とすることで、カルボキシル基による凝集を防止して、低極性溶剤への溶解性を高くすることができる。R及びRで表されるアルキレン基の炭素数の好ましい下限は0、好ましい上限は5、より好ましい下限は1、より好ましい上限は3である。
上記R及びRは、同一のものであってもよく、異なったものであってもよいが、異なっているものが好ましい。また少なくとも何れかが炭素数0のアルキレン基であることが好ましい。
上記炭素数0〜10のアルキレン基としては、例えば、炭素数0のアルキレン基、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基(n−プロピレン基)、テトラメチレン基(n−ブチレン基)、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状アルキレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等の環状アルキレン基等が挙げられる。なかでも、炭素数0のアルキレン基、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、炭素数0のアルキレン基、メチレン基、エチレン基がより好ましい。
上記X及びXのうち少なくとも何れかが金属原子である場合、該金属原子としては、例えば、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記式(1−1)で表される構成単位は、α−ジカルボキシモノマーに由来するものであることが好ましい。α−ジカルボキシモノマーとしては、例えば、メチレンマロン酸、イタコン酸、2−メチレングルタル酸、2−メチレンアジピン酸、2−メチレンセバシン酸等のラジカル重合性不飽和二重結合を有するジカルボン酸やその金属塩又はそのメチルエステルが挙げられる。なかでも、イタコン酸が好ましく用いられる。
なお、本明細書中、α−ジカルボキシモノマーとは、α位炭素に2つのカルボキシル基を有するモノマーを表す。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂が、上記式(1−2)で表される構成単位を有する場合、溶剤溶解性をより優れたものとすることができる。
上記式(1−2)中、R、R及びRは、それぞれ独立し、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは、炭素数0〜10のアルキレン基を表し、Xは、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記式(1−2)中、R、R及びRのうち少なくとも1つが炭素数1〜10のアルキル基である場合、該アルキル基の炭素数が10を超えると立体障害により原料合成時の重合が起こりにくくなる。R、R及びRで表されるアルキル基の炭素数の好ましい下限は1、好ましい上限は5、より好ましい上限は3である。
及びRは、同一のものであってもよく、異なったものであってもよいが、同一のものがより好ましい。また、R、R及びRは水素原子であることが好ましい。
上記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(1−2)中、Rで表されるアルキレン基の炭素数を10以下とすることで、カルボキシル基による凝集を防止して、樹脂が低極性溶剤に溶解しやすくなる。Rで表されるアルキレン基の炭素数の好ましい下限は0、好ましい上限は5、より好ましい下限は1、より好ましい上限は3である。
上記式(1−2)中のRとしては、上記式(1−1)中のR及びRで例示したものと同様のものが挙げられ、なかでも、炭素数0のアルキレン基、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、炭素数0のアルキレン基、メチレン基、エチレン基がより好ましく、炭素数0のアルキレン基が更に好ましい。
上記Xが金属原子である場合、該金属原子としては、例えば、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記式(1−2)で表される構成単位はモノカルボキシモノマーに由来するものが好ましい。モノカルボキシモノマーとしては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、オレイン酸等のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸やその金属塩又はそのメチルエステル等が挙げられる。なかでも、クロトン酸が好ましく用いられる。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂は、単独で用いてもよく、また、異なるものを混合して用いてもよい。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂を合成する方法としては特に限定されないが、例えば、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が上記式(1−1)で表される構成単位を有する場合には、上記式(1−1)で表される構成単位となるα−ジカルボキシモノマーと、酢酸ビニルとを共重合させることによって得られたポリ酢酸ビニルをケン化する方法が挙げられる。なかでも、上記ポリ酢酸ビニルを共重合により作製する際に用いるα−ジカルボキシモノマーがメチルエステルであると、ケン化前に酢酸ビニル由来のアセチル基を加水分解することがないので、後のケン化工程でポリビニルアルコール樹脂を作製する際により高ケン化とすることができ、好ましい。更に、ケン化工程において、添加する水酸化ナトリウム量を削減することができることから、ポリビニルアルコール樹脂、ひいてはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のナトリウムイオン含有量を減少させることが可能となる。
上記α−ジカルボキシモノマーがメチルエステルであった場合でも、後のケン化工程によって、加水分解が行われるため、得られるポリビニルアルコール樹脂はエステルを含まないカルボン酸単位をもつものとなる。
なお、上記式(1−1)で表される構成単位となるα−ジカルボキシモノマーのうち、X、Xが水素原子又は金属原子であるモノマーを用いた場合、ケン化時に酢酸ビニル由来アセチル基の加水分解に消費される水酸化ナトリウムの量が多くなることから、得られるカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂は、ナトリウムイオン含有量が比較的多いものとなることがある。
また、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂が上記式(1−2)で表される構成単位を有する場合には、上記式(1−2)で表される構成単位となるモノカルボキシモノマーと、酢酸ビニルとを共重合させることによって得られたポリ酢酸ビニルをケン化する方法が挙げられる。更に、ポリビニルアルコール樹脂をメルカプトプロピオン酸等のカルボキシル基を有する化合物と反応させて後変性する方法等も挙げられる。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、好ましい下限が300、好ましい上限が900である。重合度を300以上とすることで、得られる導電ペーストの貯蔵安定性を優れたものとすることが出来る。重合度を900以下とすることで、得られる導電ペーストの粘度を印刷に適したものとすることが出来る。上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂の重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は800である。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、好ましい下限が87.0モル%、好ましい上限が99.5モル%である。ケン化度を87.0モル%以上とすることで、得られる導電ペーストの溶剤溶解性を優れたものとすることが出来る。ケン化度を99.5モル%以下とすることで、ポリビニルアセタール樹脂を合成する際のハンドリングを良好なものとすることが出来る。上記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂のケン化度のより好ましい下限は90.0モル%、より好ましい上限は99.0モル%である。
上記混合ポリビニルアルコール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂と、最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂との重合度の差の好ましい下限が600である。上記混合ポリビニルアルコールの重合度の差が600以上であると、それぞれの効果をより効果的に発現させることが出来る。なお、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂、最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂が複数種からなる場合は、最も差が小さくなる場合の差を重合度差とする。
上記混合ポリビニルアルコール樹脂において、上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂とカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂との混合比としては、重量比で10:90〜90:10が好ましい。上記混合比が上述の範囲内である場合、混合比率の大きな成分の特性が強く現れたり、混合比率の小さな成分の特性が充分に現れなくなったりすることを防止できる。
なお、上記混合ポリビニルアルコール樹脂は、上記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂及びカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂以外のポリビニルアルコールを含有するものであってもよい。
本発明において、上記混合ポリビニルアルコール樹脂のアセタール化物は、混合ポリビニルアルコール樹脂をアセタール化反応することで得られる。
上記アセタール化反応としては特に限定されず、従来公知の方法で行うことができる。例えば、酸触媒の存在下でポリビニルアルコールの水溶液、アルコール溶液、水/アルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドのなかでは、ブチルアルデヒドを単独で用いるか、またはアセトアルデヒドとブチルアルデヒドを組み合わせて用いることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂に加えて、他のポリビニルアセタール樹脂を含有してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂が、他のポリビニルアセタール樹脂を含有する場合、上記ポリビニルアセタール樹脂中の上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、後述するポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量等を達成することができれば特に限定されないが、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は90重量%であり、より好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は85重量%であり、特に好ましい下限は15重量%、特に好ましい上限は80重量%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、下限が810、上限が1600である。平均重合度が810以上であることで、導電ペーストの強度を高め、必要な粘度を付与することができる。平均重合度が1600以下であることで、上記ポリビニルアセタール樹脂の有機溶剤に対する溶解性が向上し、導電ペーストに糸曳き等が生じにくくなることで、印刷性、表面平滑性に優れるものとなる。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度の好ましい下限は900、好ましい上限は1500であり、より好ましい下限は1000、より好ましい上限は1400であり、更に好ましい下限は1050、更に好ましい上限は1350である。
本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、原料であるポリビニルアルコール樹脂の平均重合度から求められる。
また、本明細書中、ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度とは、ポリビニルアルコール樹脂全体の見かけの平均重合度を意味する。即ち、重合度の異なる2種類以上の混合ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、各ポリビニルアルコール樹脂の重合度にその樹脂の含有比率を掛け合わせることにより得られる各値を、合計することにより求められる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、好ましい下限が0.05モル%、好ましい上限が1モル%である。カルボキシル基量が0.05モル%以上であることで、上記ポリビニルアセタール樹脂がカルボキシル基を有することによる効果が充分に発揮され、導電ペーストの印刷性、表面平滑性が向上したり、貯蔵安定性を改善したりできる。カルボキシル基量を1モル%以下とすることで、上記ポリビニルアセタール樹脂の有機溶剤に対する溶解性を向上させ、カルボキシル基と導電性粉末の相互作用が適度なものとなるため、導電ペーストを作製することが容易となる。上記ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量のより好ましい下限は0.07モル%、より好ましい上限は0.8モル%であり、更に好ましい下限は0.1モル%、更に好ましい上限は0.6モル%である。
本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量とは、ポリビニルアセタール樹脂の構成単位全体に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合を意味する。例えば、上記式(1−1)で表される構成単位にはカルボキシル基が2つ存在しているが、1つの構成単位に存在するカルボキシル基の数にかかわらず、ポリビニルアセタール樹脂の構成単位全体に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合を、カルボキシル基量とする。
また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのカルボキシル基量を意味する。即ち、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が異なるカルボキシル基量を有する複数の樹脂を含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、各樹脂のカルボキシル基量にその樹脂の含有比率を掛け合わせることにより得られる各値を、合計することにより求められる。
特に、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂と未変性ポリビニルアセタール樹脂とを含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、下記式(3)により算出される。
A=B×(C/D) (3)
上記式(3)中、Aはポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量(モル%)を表し、Bはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量(モル%)を表し、Cはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の重量を表し、Dはポリビニルアセタール樹脂全体の重量を表す。
上記式(3)においてBで表されるカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、上述したポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量等を達成することができれば特に限定されないが、好ましい下限が0.03モル%、好ましい上限が4モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂が、アセトアセタール基を含有する場合、アセトアセタール基量の好ましい上限は25モル%である。アセトアセタール基量が25モル%を超えると、上記ポリビニルアセタール樹脂の低極性の有機溶剤に対する溶解性が低下し、導電ペーストの作製が困難になる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール基量のより好ましい上限は22モル%であり、更に好ましい上限は20モル%である。
なお、アセトアセタール基とは、上記式(2−3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、Rがメチル基である場合のアセタール基である。また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール基量とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのアセトアセタール基量を意味する。
上記ポリビニルアセタール樹脂が、ブチラール基を含有する場合、ブチラール基量の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は80モル%である。ブチラール基量を40モル%以上とすることで、残存水酸基量が多くなりすぎることを防止して、ポリビニルアセタール樹脂の低極性溶剤への溶解性を改善することができる。80モル%以下とすることで、残存水酸基量が多くなり、得られる導電ペーストの粘度が高くなるため、貯蔵安定性を改善することができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のブチラール基量のより好ましい下限は50モル%、より好ましい上限は70モル%である。
なお、ブチラール基とは、上記式(2−3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、Rがプロピル基である場合のアセタール基である。また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のブチラール基量とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのブチラール基量を意味する。
上記ポリビニルアセタール樹脂において、水酸基量の好ましい下限は16モル%、好ましい上限は25モル%である。上記水酸基量を16モル%以上とすることで、導電性粉末の凝集を防止して、得られた導電ペーストの分散性が改善し、平滑な印刷塗膜を得ることができ、上記水酸基量を25モル%以下とすることで、本発明で用いられる低極性の有機溶剤への溶解性を向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量のより好ましい下限は17モル%、より好ましい上限は23モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂において、アセチル基量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は5モル%である。上記アセチル基量を0.1モル%以上とすることで、アセタール化反応が容易となり、5モル%以下とすることで、本発明で用いられる低極性の有機溶剤への溶解性が向上する。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量の好ましい下限は0.2モル%、好ましい上限は2.5モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂において、水酸基量に対するアセチル基量の比の好ましい下限は0.01、好ましい上限は0.15である。水酸基量に対するアセチル基量の比が上記範囲であることで、上記ポリビニルアセタール樹脂は後述する低極性の有機溶剤に溶解することが可能となる。水酸基量に対するアセチル基量の比が0.01以上、または0.15以下とすることで、低極性の有機溶剤への溶解性を向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量に対するアセチル基量の比のより好ましい下限は0.03、より好ましい上限は0.13である。
上記ポリビニルアセタール樹脂において、上記カルボキシル基量、アセタール化度、水酸基量及びアセチル基量の合計量は99.1モル%以上であることが好ましい。
上記合計量が99.1モル%以上であることで、他の構成単位の含有量が少なくなり、本発明の効果をより一層好適に発現することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ナトリウムイオンの含有量が50ppm未満であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂のナトリウムイオンの含有量が50ppm未満であると、導電ペーストは、導電性に優れるものになるとともに、経時での大幅な粘度変化も起こりにくいものとすることができる。
本発明の導電ペーストは、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記ポリビニルアセタール樹脂に加えて、アクリル樹脂、エチルセルロース等の他の樹脂を含有してもよい。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、カルボキシル基の効果により、通常のポリビニルアセタール樹脂に比べて、他の樹脂との相溶性にも優れる。
本発明の導電ペーストは、導電性粉末を含有する。
上記導電性粉末は特に限定されず、例えばニッケル、アルミニウム、銀、銅、銀塩およびこれらの合金等からなる粉末が挙げられる。これらの導電性粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの中では、導電性に優れていることから、ニッケルが好ましい。
上記ニッケル粉末の平均粒子径は、50〜300nmであり、かつ、形状が略球状であることが好ましい。平均粒子径を50nm以上とすることで、ニッケル粉末の比表面積が小さくなり、凝集したニッケル粉末の分散性が向上する。平均粒子径を300nm以下とすることで、印刷後の表面を平滑にすることができる。なお、略球状とは、真球形状のほか、球形に近い形状の粒子も含む。
上記導電性粉末の配合量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は100重量部、好ましい上限は10000重量部である。上記導電性粉末の配合量を100重量部以上とすることで、導電ペーストにおける上記導電性粉末の密度を高めることができ、導電性を向上することができる。上記導電性粉末の配合量が10000重量部を超えると、導電ペーストにおける上記導電性粉末の分散性が低下し、印刷性が低下することがある。上記導電性粉末の配合量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対するより好ましい下限が200重量部、より好ましい上限が5000重量部である。
本発明の導電ペーストは、上記導電性粉末に加えて、さらにセラミック粉末を含有することが好ましい。セラミック粉末を含有することで、焼成する際の導電性粉末の収縮挙動を、セラミックグリーンシートと合わせやすくなる。
上記セラミック粉末としては特に限定されないが、グリーンシートに用いられるチタン酸バリウムが好ましい。セラミック粉末の粒径としては特に限定されないが、上記導電性粉末の粒径よりも小さいものであることが好ましく、具体的には30nm〜200nmであることが好ましい。
本発明の導電ペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤は一般的に導電ペーストに用いられる有機溶剤を使用することができるが、特にシートアタック現象を防止するためには、セラミックグリーンシートに含まれるポリビニルブチラール樹脂を膨潤または溶解させない、非相溶の低極性の有機溶剤であり、その溶解度パラメータは8.0〜11.0(cal/cm0.5であることが好ましい。なお、溶解度パラメータは、Fedors法によって計算したものを用いる。
上記有機溶剤としては、例えば、テルピネオール(ターピネオール)、ジヒドロテルピネオール(ジヒドロターピネオール)、ターピニルアセテート、イソボルニルアセテート、ジヒドロターピネオールアセテート(ジヒドロターピニルアセテート)、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピニルメチルエーテル等のテルピネオール誘導体、ミネラルスピリット等の炭化水素溶剤、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテルおよびエステルが挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機溶剤の配合量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は100重量部、好ましい上限は10000重量部である。上記有機溶剤の配合量を100重量部以上とすると、導電ペーストの粘度が低くなり、印刷性を向上することができる。上記有機溶剤の配合量を10000重量部以下とすることで、導電ペーストにおいて上記ポリビニルアセタール樹脂の性能を充分に発揮させることが可能となる。上記有機溶剤の配合量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対するより好ましい下限が200重量部、より好ましい上限が5000重量部である。
本発明の導電ペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、分散剤、界面活性剤等を適宜含有してもよい。
上記可塑剤としては特に限定されないが、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸ジエステル、ジオクチルアジペート等のアジピン酸ジエステル、トリエチレングリコール2−エチルヘキシル等のアルキレングリコールジエステル等が挙げられる。
上記分散剤としては特に限定されないが、例えば、脂肪酸、脂肪族アミン、アルカノールアミド、リン酸エステルが好適である。また、シランカップリング剤等を配合してもよい。
上記脂肪酸としては特に限定されず、例えば、ベヘニン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヤシ脂肪酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ硬化脂肪酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。なかでも、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好適である。
上記脂肪族アミンとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アルキル(ヤシ)アミン、アルキル(硬化牛脂)アミン、アルキル(牛脂)アミン、アルキル(大豆)アミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミドとしては特に限定されず、例えば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
上記リン酸エステルとしては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
上記界面活性剤としては、特に限定されないが、陰イオン系界面活性剤としては、カルボン酸系として脂肪酸のナトリウム塩等、スルホン酸系として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウム、アルキルポリオキシ硫酸塩等、リン酸系としてはモノアルキルリン酸塩等があげられる。陽イオン系界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩やジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等があげられ、両性界面活性剤としてはアルキルジメチルアミンオキシドやアルキルカルボキシベタイン等があげられ、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等があげられる。
上記分散剤や界面活性剤は、ペーストまたは樹脂溶液の経時粘度上昇抑制にも効果がある。
本発明の導電ペーストを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有するポリビニルアセタール樹脂、上記導電性粉末、上記有機溶剤及び必要に応じて添加される他の成分を、ボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の導電ペーストをセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷やダイコート、グラビアオフセット等の印刷プロセスにより塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製した後、脱脂処理を行い、焼成してセラミック焼結体とし、更にセラミック焼結体の端面に外部電極を形成することにより、積層セラミックコンデンサを得ることができる。このような積層セラミックコンデンサもまた本発明の1つである。
本発明の導電ペーストを印刷する方法としては特に限定されないが、上述したようなスクリーン印刷やダイコート、グラビア印刷等の印刷プロセスにて行うことができる。その際の最適な粘度は、各印刷プロセスによって異なるため、適宜調整すればよいが、例えばスクリーン印刷であれば、シェアレート10000s−1の時の粘度が0.5〜1.0Pa・sであることが好ましく、例えばグラビア印刷であればシェアレート10000s−1の時の粘度が0.05〜0.5Pa・sであることが好ましい。
本発明の導電ペーストは、上述のようなカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有するポリビニルアセタール樹脂を含有することにより、低極性の有機溶剤を用いても印刷後の表面を平滑にすることができるので、積層セラミックコンデンサの薄層化が可能であり、かつ、優れた導電性を得ることができる。
また、本発明の導電ペーストは、使用するポリビニルアセタール樹脂がナトリウムイオン含有量の非常に少ないものであるため、銀塩のバインダーとしても好適に用いることができる。
上記銀塩としては、有機銀塩が使用される。上記有機銀塩としては特に限定されず、例えば、メルカプト基、チオン基又はカルボキシル基を有する有機化合物の銀塩、ベンゾトリアゾール銀等が挙げられる。具体的には、メルカプト基又はチオン基を有する化合物の銀塩、3−メルカプト−4−フェニル1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカプト−ベンツイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアゾールの銀塩、1−フェニル−5−メルカプトテトラチアゾールの銀塩、2−メルカプトベンゾチアゾールの銀塩、チオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩のようなジチオカルボン酸の銀塩、チオアミド銀、チオピリジン銀塩ジチオヒドロキシベンゾールの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、メルカプトオキサジアゾールの銀塩、脂肪族カルボン酸の銀塩:カプリン酸銀、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、ベヘン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロイン酸銀、リノール酸銀、オレイン酸銀、ヒドロキシステアリン酸銀、アジピン酸銀、セバシン酸銀、こはく酸銀、酢酸銀、酪酸銀、樟脳酸銀等、芳香族カルボン酸銀、チオンカルボン酸銀、チオエーテル基を有する脂肪族カルボン酸銀、テトラザインデンの銀塩、S−2−アミノフェニルチオ硫酸銀、含金属アミノアルコール、有機酸金属キレートなどが挙げられる。
本発明によれば、優れた印刷性を有し、表面平滑性及び強度の高い塗膜を形成することが可能な導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G(重合度300、カルボキシル基量1.0モル%、アセチル基量2.2モル%、下記一般式(4−1)で表される構成単位(Xはナトリウムイオン)を有する)50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A(重合度2400、アセチル基量1.3モル%)50gとを、純水1000gに加えて90℃の温度で約2時間攪拌し、溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、塩酸(濃度35重量%)90gとアセトアルデヒド25gとn−ブチルアルデヒド55gとを溶液に添加した。液温を10℃に下げ、この温度を保持してアセタール化反応を行った。反応を完了させたのち、中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1350、アセチル基量1.8モル%、残存水酸基量21.3モル%、アセトアセタール基量23.0モル%、ブチラール基量53.5モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。
Figure 0006836941
(導電ペーストの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂20重量部をジヒドロテルピネオールアセテート80重量部で溶解することにより、樹脂溶液を得た。導電性粉末としてニッケル粉90重量部、チタン酸バリウム10重量部と、ジヒドロテルピネオールアセテート50重量部とを混合させた後、得られた樹脂溶液を混合し、三本ロールにて分散させることにより、導電ペーストを得た。
(実施例2)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G70gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A30gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、n−ブチルアルデヒド80gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度930、アセチル基量1.9モル%、残存水酸基量22.1モル%、ブチラール基量75.3モル%、カルボキシル基量0.7モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例3)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G10gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂D(重合度900、アセチル基量2.7モル%)90gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度840、アセチル基量2.7モル%、残存水酸基量21.5モル%、アセトアセタール基量23.5モル%、ブチラール基量52.3モル%、カルボキシル基量0.1モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例4)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J(重合度800、カルボキシル基量1.0モル%、アセチル基量1.8モル%、上記一般式(4−1)で表される構成単位(Xはナトリウムイオン)を有する)70gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A30gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、アセトアルデヒド20gとn−ブチルアルデヒド65gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1280、アセチル基量1.7モル%、残存水酸基量22.0モル%、アセトアセタール基量18.5モル%、ブチラール基量57.2モル%、カルボキシル基量0.7モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例5)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J90gと未変性ポリビニルアルコール樹脂A10gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度960、アセチル基量1.8モル%、残存水酸基量20.8モル%、アセトアセタール基量23.9モル%、ブチラール基量52.7モル%、カルボキシル基量0.9モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例6)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J10gと未変性ポリビニルアルコール樹脂D90gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、n−ブチルアルデヒド80gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度890、アセチル基量2.6モル%、残存水酸基量21.3モル%、ブチラール基量76.0モル%、カルボキシル基量0.1モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例7)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J90gと未変性ポリビニルアルコール樹脂D10gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度810、アセチル基量1.9モル%、残存水酸基量22.7モル%、アセトアセタール基量22.8モル%、ブチラール基量51.7モル%、カルボキシル基量0.9モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例8)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J10gと未変性ポリビニルアルコール樹脂C(重合度1400、アセチル基量1.7モル%)90gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1340、アセチル基量1.7モル%、残存水酸基量20.5モル%、アセトアセタール基量23.2モル%、ブチラール基量54.5モル%、カルボキシル基量0.1モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例9)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J90gと未変性ポリビニルアルコール樹脂C10gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度860、アセチル基量1.8モル%、残存水酸基量21.9モル%、アセトアセタール基量22.7モル%、ブチラール基量52.7モル%、カルボキシル基量0.9モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例10)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂H(重合度500、カルボキシル基量1.0モル%、アセチル基量2.0モル%、上記一般式(4−1)で表される構成単位(Xはナトリウムイオン)を有する)10gと未変性ポリビニルアルコール樹脂B(重合度1700、アセチル基量2.0モル%)90gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1580、アセチル基量2.0モル%、残存水酸基量21.5モル%、アセトアセタール基量22.3モル%、ブチラール基量54.1モル%、カルボキシル基量0.1モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例11)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂H50gと未変性ポリビニルアルコール樹脂B50gを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、アセトアルデヒド15gとn−ブチルアルデヒド70gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1100、アセチル基量2.0モル%、残存水酸基量20.9モル%、アセトアセタール基量13.4モル%、ブチラール基量63.2モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例12)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂H70gと未変性ポリビニルアルコール樹脂B30gを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、アセトアルデヒド5gとn−ブチルアルデヒド75gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度860、アセチル基量2.0モル%、残存水酸基量22.2モル%、アセトアセタール基量4.6モル%、ブチラール基量70.5モル%、カルボキシル基量0.7モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例13)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂N(重合度500、カルボキシル基量1.0モル%、アセチル基4.5モル%、下記一般式(4−2)で表される構成単位(Xはナトリウムイオン)を有する)30gと未変性ポリビニルアルコール樹脂B70gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1340、アセチル基量2.8モル%、残存水酸基量22.4モル%、アセトアセタール基量23.6モル%、ブチラール基量51.0モル%、カルボキシル基量0.3モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
Figure 0006836941
(実施例14)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂N70gと未変性ポリビニルアルコール樹脂B30gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度860、アセチル基量3.8モル%、残存水酸基量21.7モル%、アセトアセタール基量22.5モル%、ブチラール基量51.4モル%、カルボキシル基量0.7モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例15)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂M(重合度500、カルボキシル基量0.5モル%、アセチル基量2.5モル%、上記一般式(4−1)で表される構成単位(Xはナトリウムイオン)を有する)70gと未変性ポリビニルアルコール樹脂B30gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、アセトアルデヒド10gとn−ブチルアルデヒド75gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度860、アセチル基量2.4モル%、残存水酸基量20.7モル%、アセトアセタール基量9.5モル%、ブチラール基量67.1モル%、カルボキシル基量0.4モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例16)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂M10gと未変性ポリビニルアルコール樹脂B90gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1580、アセチル基量2.1モル%、残存水酸基量21.0モル%、アセトアセタール基量23.3モル%、ブチラール基量53.6モル%、カルボキシル基量0.1モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例17)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J30gと、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G40gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A30gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1080、アセチル基量1.8モル%、残存水酸基量21.3モル%、アセトアセタール基量22.8モル%、ブチラール基量53.4モル%、カルボキシル基量0.7モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例18)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G30gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A30gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂D40gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、n−ブチルアルデヒド80gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1170、アセチル基量2.1モル%、残存水酸基量19.8モル%、ブチラール基量77.8モル%、カルボキシル基量0.3モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例19)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂C50gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、アセトアルデヒド6gとn−ブチルアルデヒド75gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度850、アセチル基量2.0モル%、残存水酸基量19.5モル%、アセトアセタール基量5.3モル%、ブチラール基量72.7モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、溶剤をジヒドロテルピネオールに変更した以外は、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例20)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂M50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂B50gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、n−ブチルアルデヒド80gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1100、アセチル基量2.3モル%、残存水酸基量21.1モル%、ブチラール基量76.3モル%、カルボキシル基量0.3モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、溶剤をジヒドロテルピネオールに変更した以外は、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(実施例21)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂M50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、アセトアルデヒド15gとn−ブチルアルデヒド70gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1450、アセチル基量1.9モル%、残存水酸基量20.4モル%、アセトアセタール基量11.9モル%、ブチラール基量65.5モル%、カルボキシル基量0.3モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、溶剤をジヒドロテルピネオールに変更した以外は、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(比較例1)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂L(重合度1700、カルボキシル基量1.0モル%、アセチル基量1.5モル%、上記一般式(4−1)で表される構成単位(Xはナトリウムイオン)を有する)50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂F(重合度500、アセチル基2.5モル%)50gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1100、アセチル基量2.0モル%、残存水酸基量20.8モル%、アセトアセタール基量23.9モル%、ブチラール基量52.8モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(比較例2)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J50gと未変性ポリビニルアルコール樹脂E(重合度800、アセチル基2.0モル%)50gとを用い、反応時に用いたアルデヒドをアセトアルデヒド5gとn−ブチルアルデヒド75gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(重合度800、アセチル基量1.9モル%、残存水酸基量21.5モル%、アセトアセタール基量4.5モル%、ブチラール基量71.6モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(比較例3)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J30gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A70gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1920、アセチル基量1.5モル%、残存水酸基量23.3モル%、アセトアセタール基量23.4モル%、ブチラール基量51.6モル%、カルボキシル基量0.3モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(比較例4)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂D50gとを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度600、アセチル基量2.5モル%、残存水酸基量22.1モル%、アセトアセタール基量24.1モル%、ブチラール基量50.9モル%、カルボキシル基量0.5モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(比較例5)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂K(重合度1500、カルボキシル基量1.0モル%、アセチル基量2.5モル%、上記一般式(4−1)で表される構成単位(Xはナトリウムイオン)を有する)100gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1500、アセチル基量2.5モル%、残存水酸基量20.5モル%、アセトアセタール基量22.6モル%、ブチラール基量53.4モル%、カルボキシル基量1.0モル%)の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(比較例6)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂J100gを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、n−ブチルアルデヒド80gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度800、アセチル基量1.8モル%、残存水酸基量21.7モル%、ブチラール基量75.5モル%、カルボキシル基量1.0モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
(比較例7)
実施例1において、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gと、未変性ポリビニルアルコール樹脂A50gの代わりに、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂L50gと、カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂G50gとを用い、アセタール化反応を行う際に用いるアルデヒドを、アセトアルデヒド15gとn−ブチルアルデヒド65gに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1000、アセチル基量1.9モル%、残存水酸基量23.5モル%、アセトアセタール基量11.1モル%、ブチラール基量62.5モル%、カルボキシル基量1.0モル%)の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、溶剤をジヒドロテルピネオールに変更した以外は、実施例1と同様にして導電ペーストを得た。
Figure 0006836941
<評価>
実施例、比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、導電ペーストについて以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)樹脂の溶剤溶解性
(a)実施例1〜18、比較例1〜6
実施例1〜18、比較例1〜6で得られたポリビニルアセタール樹脂10重量部を、常温で攪拌しながらジヒドロターピネオールアセテート90重量部に溶解した。溶解にかかった時間を、以下の基準にて評価した。
◎:溶解に要した時間が1時間未満
○:溶解に要した時間が1時間以上2時間未満
△:溶解に要した時間が2時間以上3時間未満
×:溶解に要した時間が3時間以上
(b)実施例19〜21、比較例7
実施例19〜21、比較例7で得られたポリビニルアセタール樹脂10重量部を、常温で攪拌しながらジヒドロターピネオール90重量部に溶解した。溶解にかかった時間を、以下の基準にて評価した。
◎:溶解に要した時間が1時間未満
○:溶解に要した時間が1時間以上2時間未満
△:溶解に要した時間が2時間以上3時間未満
×:溶解に要した時間が3時間以上
(2)引張弾性率評価
実施例、比較例で得られた導電ペーストシートを、JIS K 7113に準拠して、TENSILON(島津製作所社製、AUTOGRAPHcAGS−J)を用い、引張速度20mm/分の条件にて引張弾性率(Mpa)の測定を行い、以下の基準にて評価した。
○:1000Mpa以上
△:700Mpa以上1000Mpa未満
×:700Mpa未満
(3)ペースト塗膜強度評価
実施例、比較例で得られた導電ペーストを、ガラス板上に5μmの厚みで塗工し、100℃30分の条件下で送風オーブンにて溶剤乾燥を行った。得られた塗膜を用い、JIS K 5600−5−4に基づいて引っかき硬度(鉛筆法)を行い、下記の基準により評価した。
○:鉛筆硬度が9H以上
△:鉛筆硬度が7H以上9H未満
×:鉛筆硬度が7H未満
(4)表面粗さ
(3)ペースト塗膜強度評価に用いた塗膜と同様の方法で作製した塗膜を用いて、表面粗さ計(サーフコム、東京精密社製)にて10か所測定し、下記の基準により評価した。
◎:10か所の平均の表面粗さRaが0.150μm未満
○:10か所の平均の表面粗さRaが0.150μm以上0.175μm未満
△:10か所の平均の表面粗さRaが0.175μm以上0.200μm未満
×:10か所の平均の表面粗さRaが0.200μm以上
Figure 0006836941
本発明によれば、優れた印刷性を有し、表面平滑性及び強度の高い塗膜を形成することが可能な導電ペースト及び該導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサを提供することができる。

Claims (7)

  1. 積層セラミックコンデンサの電極に用いられる導電ペーストであって、
    ポリビニルアセタール樹脂と、有機溶剤と、導電性粉末とを含有し、
    前記ポリビニルアセタール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有し、かつ、平均重合度が810〜1600であり、
    前記ポリビニルアセタール樹脂は、重合度の異なる2種類以上の混合ポリビニルアルコール樹脂のアセタール化物であり、
    前記混合ポリビニルアルコール樹脂のうち、最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂は、カルボン酸未変性ポリビニルアルコール樹脂であり、
    前記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂と、前記カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂との重合度の差が600以上であり、
    前記最も重合度の高いポリビニルアルコール樹脂以外のポリビニルアルコール樹脂は、下記式(1−1)で表される構成単位、及び、下記式(1−2)で表される構成単位から選択される少なくとも1種を有するカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂を含むことを特徴とする導電ペースト。
    Figure 0006836941
    上記式(1−1)中、R及びRは、それぞれ独立し、炭素数0〜10のアルキレン基、X及びXは、それぞれ独立し、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。上記式(1−2)中、R、R及びRは、それぞれ独立し、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、Rは炭素数0〜10のアルキレン基、Xは水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
  2. カルボン酸未変性ポリビニルアルコール樹脂は、前記式(1−1)で表される構成単位、及び、前記式(1−2)で表される構成単位を何れも有しないことを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
  3. ポリビニルアセタール樹脂は、カルボキシル基量が0.05〜1モル%、水酸基量が16〜25モル%、アセチル基量が0.1〜5モル%、アセトアセタール基量が25モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
  4. 導電性粉末はニッケルからなることを特徴とする請求項1、2記載の導電ペースト。
  5. 更に、セラミック粉末を含有することを特徴とする請求項1、2、3記載の導電ペースト。
  6. 有機溶剤は、溶解度パラメータが8.0〜11.0(cal/cm0.5であることを特徴とする請求項1、2、3、4記載の導電ペースト。
  7. 請求項1、2、3、4、5記載の導電ペーストを用いて得られることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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