JP2023147266A - セラミックグリーンシート用樹脂組成物、セラミックグリーンシート用スラリー組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents

セラミックグリーンシート用樹脂組成物、セラミックグリーンシート用スラリー組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Yuji Ohigashi
玲 水守
Rei Mizumori
伸一 奥野
Shinichi Okuno
和人 中村
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Abstract

【課題】有機溶剤に溶解した場合に微細な未溶解物を少なくして、信頼性に優れたセラミックコンデンサを作製可能なセラミックグリーンシート用樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリビニルアセタール樹脂と、下記式(1)で表される化合物Aとを含有する、セラミックグリーンシート用樹脂組成物。[化1]TIFF2023147266000015.tif7156式(1)中、R1及びR3は、それぞれ独立して、カルボキシル基又はその塩を表し、R2は単結合、2価の炭化水素基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する2価の基を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックグリーンシート用樹脂組成物に関する。
近年、種々の電子機器に搭載される電子部品の小型化、積層化が進んでおり、多層回路基板、積層コイル、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品が広く使用されている。
なかでも、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ビーズミル、ボールミル等の混合装置により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。このスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、またはSUSプレート等の支持体面に流延して、これを加熱等により、溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次に、得られたセラミックグリーンシート上に、内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製する。その後、積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行い、焼成して得られるセラミック焼結体の端面に外部電極を焼結する工程を経て積層セラミックコンデンサが得られる。
例えば、特許文献1には、セラミック・バインダーとして好適なポリビニルアセタール樹脂として、所定の重合度、ビニルエステル単位の含有率、アセタール化度を有し、アセトアルデヒドによりアセタール化された部分とブチルアルデヒドによってアセタール化された部分とのモル比が所定の範囲であるポリビニルアセタール樹脂が記載されている。
また、特許文献2には、所定の重合度、ビニルエステル単位の含有率、アセタール化度を有し、特定の構成単位を有するポリビニルアセタール樹脂が記載されている。
特開2011-236304号公報 国際公開第2012/023517号
一方、近年では、電子機器の多機能化、小型化に伴い、積層セラミックコンデンサは、大容量化小型化が求められている。このような要求に対応するためには、より微細な未溶解物を充分に除去する必要があるが、特許文献1及び2に記載のポリビニルアセタール樹脂であっても、より微細な未溶解物を充分に除去することができず、未溶解物を濾過等により除去する必要があり、生産性が低下するという問題がある。
本発明は、有機溶剤に溶解した場合に微細な未溶解物を少なくして、信頼性に優れたセラミックコンデンサを作製可能なセラミックグリーンシート用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本開示(1)は、ポリビニルアセタール樹脂と、下記式(1)で表される化合物Aとを含有する、セラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(2)は、式(1)中、Rが炭素数1~6の直鎖状アルキレン基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する炭素数1~6の直鎖状アルキレン基である、本開示(1)のセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(3)は、式(1)中、Rが炭素数1~4の直鎖状アルキレン基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する炭素数1~4の直鎖状アルキレン基である、本開示(1)又は(2)のセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(4)は、前記化合物Aの含有量が、重量基準で0.1ppm以上30ppm以下である、本開示(1)~(3)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(5)は、前記ポリビニルアセタール樹脂のN-メチルピロリドン溶媒を用いて測定された重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)に、前記化合物Aの炭素/酸素比(C/O)を乗じた値[(Mw/Mn)×C/O]が1.1以上7.0以下である、本開示(1)~(4)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(6)は、前記ポリビニルアセタール樹脂のN-メチルピロリドン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(NMP)、前記化合物Aの分子量M、化合物Aに含まれるカルボキシル基又はその塩の数nに基づき下記式により算出されるY値が8.1以上9.0以下である、本開示(1)~(5)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
Y=Log((Mz(NMP)1.5)÷M 0.2×n0.5
本開示(7)は、前記化合物Aにおけるカルボキシル基又はその塩の重量割合が0.5~1.0である、本開示(1)~(6)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(8)は、前記化合物Aが、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である、本開示(1)~(7)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(9)は、前記ポリビニルアセタール樹脂は、エタノール/トルエン混合溶液(重量比1:1)に5重量%で溶解した溶液の20℃における溶液粘度が50mPa・s以上である、本開示(1)~(8)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(10)は、前記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が1000以上である、本開示(1)~(9)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(11)は、前記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が1000以上10000未満であり、N-メチルピロリドン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(NMP)に対するテトラヒドロフラン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(THF)の比率(Mz(THF)/Mz(NMP))が5以下である、本開示(1)~(10)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(12)は、前記ポリビニルアセタール樹脂は、トルエンとエタノールを1:1の重量割合で混合した溶媒に0.2重量%の濃度で溶解したポリビニルアセタール樹脂溶液の粒子径分布をパーティクルカウンターを用いて測定したとき、直径0.5-1.0μmの粒子の数が20000個/10ml未満である、本開示(1)~(11)の何れかとの任意の組み合わせのセラミックグリーンシート用樹脂組成物である。
本開示(13)は、本開示(1)~(12)の何れかのセラミックグリーンシート用樹脂組成物と、チタン酸バリウムと、有機溶剤と、分散剤と、可塑剤とを含有する、セラミックグリーンシート用スラリー組成物である。
本開示(14)は、本開示(1)~(13)の何れかのセラミックグリーンシート用樹脂組成物を用いてなる、セラミックグリーンシートである。
本開示(15)は、本開示(14)のセラミックグリーンシートを用いてなる、積層セラミックコンデンサである。
以下に本発明を詳述する。
Figure 2023147266000001
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、カルボキシル基又はその塩を表し、Rは単結合、2価の炭化水素基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する2価の基を表す。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリビニルアセタール樹脂に対して、特定構造の化合物Aを添加した樹脂組成物とすることで、有機溶剤に溶解した場合に微細な未溶解物を少なくして、信頼性に優れたセラミックコンデンサを作製できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、通常、下記式(a-1)で表される水酸基を有する構成単位、下記式(a-2)で表されるアセチル基を有する構成単位、下記式(a-3)で表されるアセタール基を有する構成単位を有する。
Figure 2023147266000002
上記式(a-3)中、R1aは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
上記炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記式(a-1)で表される水酸基を有する構成単位の含有量(以下「水酸基量」)は、樹脂の強靭性を向上できることから、18モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、22モル%以上が更に好ましい。また、溶剤溶解性をより向上できることから、50モル%以下が好ましく、39モル%以下がより好ましく、38モル%以下が更に好ましい。
上記水酸基量は、例えば、NMRにより測定することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記式(a-2)で表されるアセチル基を有する構成単位の含有量(以下「アセチル基量」)は、高粘度化を抑制できることから、0.5モル%以上が好ましく、0.6モル%以上がより好ましく、1モル%以上が更に好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂の柔軟性が上がりすぎることがなく、ハンドリング性を向上できることから、20モル%以下が好ましく、16モル%以下がより好ましく、13モル%以下が更に好ましい。
上記アセチル基量は、例えば、NMRにより測定することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記式(a-3)で表されるアセタール基を有する構成単位の含有量(以下「アセタール基量」)は、溶剤への溶解性をより向上できることから、45モル%以上が好ましく、47モル%以上がより好ましく、49モル%以上が更に好ましい。また、樹脂の強靭性を向上できることから、80モル%以下が好ましく、78モル%以下がより好ましく、76モル%以下が更に好ましい。
上記アセタール基量は、例えば、NMRにより測定することができる。
なお、アセタール基量の計算方法については、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基がポリビニルアルコールの2個の水酸基をアセタール化して得られることから、アセタール基を有する構成単位を、水酸基を有する構成単位2個分として換算して数える方法を採用することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、(a-1)、(a-2)、(a-3)の構成単位に加えて、他の構成単位を有していても良い。他の構成単位としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキレンオキサイド基、アミド基等の官能基を有する構成単位やエチレン単位を有していてもよい。
上記カルボキシル基を有する構成単位としては、下記式(b-1)で表される構成単位、下記式(b-2)で表される構成単位、下記式(b-3)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2023147266000003
上記式(b-1)中、R1b及びR2bは、それぞれ独立し、炭素数0~10のアルキレン基を表し、X1b及びX2bは、それぞれ独立し、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記式(b-1)中、R1b及びRb2で表されるアルキレン基の炭素数の好ましい下限は0、好ましい上限は5、より好ましい下限は1、より好ましい上限は3である。
上記R1b及びR2bは、同一のものでもよく、異なるものでもよいが、異なるものが好ましい。また少なくとも何れかが単結合であることが好ましい。
上記炭素数0~10のアルキレン基としては、例えば、単結合、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状アルキレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1-メチルペンチレン基、1,4-ジメチルブチレン基等の分岐アルキレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等の環状アルキレン基等が挙げられる。なかでも、単結合、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、単結合、メチレン基、エチレン基がより好ましい。
上記(b-1)中、X1b及びX2bのうち少なくとも何れかが金属原子である場合、該金属原子としては、例えば、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記式(b-1)で表される構成単位は、α-ジカルボキシモノマーに由来するものであることが好ましい。α-ジカルボキシモノマーとしては、例えば、メチレンマロン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸、2-メチレンアジピン酸、2-メチレンセバシン酸等のラジカル重合性不飽和二重結合を有するジカルボン酸やその金属塩又はそのメチルエステルが挙げられる。なかでも、イタコン酸やその金属塩又はそのメチルエステルが好ましく用いられる。
なお、本明細書中、α-ジカルボキシモノマーとは、α位炭素に2つのカルボキシル基を有するモノマーを表す。
上記式(b-2)中、R3b、R4b及びR5bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表し、R6bは、炭素数0~10のアルキレン基を表し、X3bは、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記式(b-2)中、R3b、R4b及びR5bで表されるアルキル基の炭素数の好ましい下限は1、好ましい上限は5、より好ましい上限は3である。
3b、R4b、R5bは、同一のものでもよく、異なるものでもよいが、同一のものがより好ましい。また、R3b、R4b及びR5bは水素原子であることが好ましい。
上記炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、2,2-ジメチルプロピル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐アルキル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基等の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(b-2)中のR6bとしては、上記式(b-1)中のR1b及びR2bで例示したものと同様のものが挙げられ、なかでも、単結合、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、単結合、メチレン基、エチレン基がより好ましく、単結合が更に好ましい。
上記式(b-2)中、X3bが金属原子である場合、該金属原子としては、例えば、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記式(b-2)で表される構成単位はモノカルボキシモノマーに由来するものが好ましい。モノカルボキシモノマーとしては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、オレイン酸等のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸やその金属塩又はそのメチルエステル等が挙げられる。なかでも、クロトン酸やその金属塩又はそのメチルエステルが好ましく用いられる。
上記式(b-3)中、R7b及びR9bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表し、R8b及びR10bは、炭素数0~10のアルキレン基を表し、X4b及びX5bは、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記式(b-3)中、R7b及びR9bで表されるアルキル基の炭素数の好ましい下限は1、好ましい上限は5、より好ましい上限は3である。
上記R7b及びR9bは、同一のものでもよく、異なるものでもよいが、同一のものがより好ましい。
上記式(b-3)中のR7b及びR9bとしては、上記式(b-2)中のR3b、R4b及びR5bで例示したものと同様のものが挙げられ、なかでも、水素原子が好ましい。
上記式(b-3)中のR8b及びR10bとしては、上記式(b-1)中のR1b及びR2bで例示したものと同様のものが挙げられ、なかでも、単結合、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、単結合、メチレン基、エチレン基がより好ましく、単結合が更に好ましい。
上記式(b-3)中、X4b及びX5bが金属原子である場合、該金属原子としては、例えば、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記スルホン酸基を有する構成単位としては、下記式(c)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2023147266000004
式(c)中、R1cは、炭素数0~10のアルキレン基を表し、X1cは、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記式(c)中のR1cとしては、上記式(b-1)中のR1b及びR2bで例示したものと同様のものが挙げられ、なかでも、単結合、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、単結合、メチレン基、エチレン基がより好ましく、単結合、メチレン基が更に好ましい。
上記式(c)中、X1cが金属原子である場合、該金属原子としては、例えば、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記アルキレンオキサイド基を有する構成単位としては、下記式(d)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2023147266000005
式(d)中、Rd1は、炭素数2~6のアルキレンオキサイド基を有する基を表す。
上記炭素数2~6のアルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、へキシレンオキサイド基が挙げられる。
上記式(d)で表されるアルキレンオキサイド基を有する構成単位としては、例えば、ポリエチレングリコール等の複数のエチレンオキサイド基を有するもの、エチレンオキサイド基を単独で有するもの、異なるアルキレンオキサイド基を有するもの等が挙げられる。
上記アルキレンオキサイド基を有する構成単位は、下記式(e-1)で表されるエチレンオキサイド基を有する構成単位、又は、下記式(e-2)で表されるエチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基とを有する構成単位であることが好ましい。
Figure 2023147266000006
上記式(e-1)中、Re1及びRe2は、C及びOからなる群より選択される少なくとも1種を有する連結基又は単結合を表し、nは整数を表す。
上記Re1は、C及びOからなる群より選択される少なくとも1種を有する連結基又は単結合である。記Re1は炭素数1~10のアルキレン基、カルボニル基、酸素原子が好ましい。上記Re1としては、例えば、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、エーテル基、アリルエーテル基、アミド基等が挙げられる。
上記Re2は、C及びOからなる群より選択される少なくとも1種を有する連結基又は単結合である。上記Re2は炭素数1~10のアルキレン基、カルボニル基、酸素原子が好ましい。上記Re2としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、カルボニル基、エーテル基等が挙げられる。
更に、アルキレンオキサイドの繰り返し数である整数nは特に限定されないが、2~70が好ましく、5~50がより好ましい。
上記式(e-2)中、Re3、Re4及びRe5は、C及びOからなる群より選択される少なくとも1種を有する連結基又は単結合を表し、n及びnは整数を表す。
上記Re3、Re4及びRe5としては、上記式(e-1)中のRe1及びRe2として例示したものと同様のものが挙げられる。
また、アルキレンオキサイドの繰り返し数である整数n、nは特に限定されないが、nが1~40であることが好ましく、20~30であることがより好ましい。また、nが1~40であることが好ましく、20~30であることがより好ましい。
上記アミド基を有する構成単位としては、下記式(f)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2023147266000007
上記式(f)中、R1fは、炭素数1~10のアルキル基を表す。
上記式(f)中のR1fとしては、上記式(b-2)中のR3b、R4b及びR5bで例示したものと同様のものが挙げられ、なかでも、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基等の直鎖状アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記官能基を有する構成単位の含有量は、0モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましく、0.5モル%以上が更に好ましく、5モル%以下が好ましく、3モル%以下がより好ましい。
上記官能基を有する構成単位の含有量は、例えば、NMRにより測定することができる。
上記エチレン単位としては、下記式(g)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2023147266000008
上記ポリビニルアセタール樹脂において、上記エチレン単位の含有量(以下、「エチレン含有量」ともいう)は、1モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましく、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。上記エチレン含有量は、例えば、NMRにより測定することができる。
また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のエチレン含有量とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのエチレン含有量を意味する。即ち、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が異なるエチレン含有量を有する複数の樹脂を含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂のエチレン含有量は、各樹脂のエチレン含有量にその樹脂の含有比率を掛け合わせることにより得られる各値を、合計することにより求められる。
上記ポリビニルアセタール樹脂において、水酸基量に対するエチレン含有量の比(エチレン含有量/水酸基量)は、0.01以上が好ましく、1.0以下が好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、機械的強度を向上できることから、1000以上が好ましく、1300以上がより好ましい。また、溶剤溶解性や粘度の観点から、10000以下が好ましく、6000以下がより好ましく、4500以下が更に好ましく、3000以下がより更に好ましく、2000以下が特に好ましい。
なお、上記平均重合度は、原料ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度と同様である。原料ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して測定することができる。なお、原料ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度が異なる複数のポリビニルアルコールを用いる場合、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、以下の式に従って算出する。
Figure 2023147266000009
A、B、C、・・・:各ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度
a、b、c、・・・:各ポリビニルアルコール樹脂の配合重量割合(a+b+c+・・・=1)
上記ポリビニルアセタール樹脂は、エタノール/トルエン混合溶液(重量比1:1)に5重量%の濃度で溶解した溶液の20℃における溶液粘度が50mPa・s以上であることが好ましく、70mPa・s以上であることがより好ましく、80mPa・s以上であることが更に好ましく、10,000mPa・s以下であることが好ましく、1,000mPa・s以下であることがより好ましく、800mPa・s以下であることが更に好ましい。
重合度に応じて、上記粘度範囲となるように溶液濃度を調整することで、機械的強度の確保と、ハンドリング性を両立することができる。
上記粘度は、例えば、溶液温度20℃の条件でB型粘度計を用いることで測定することができる。
上記B型粘度計としては、例えば、東機産業社製、TVB-10形粘度計を用いることができる。また、粘度測定の際のローターや回転数は、溶液粘度によって適宜調整して測定することが好ましく、例えば、回転数0.3~100rpmの範囲で、SPINDLE No.M1~M4を用いて測定することが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、100,000以上が好ましく、120,000以上がより好ましく、150,000以上が更に好ましく、1,400,000以下が好ましく、1,200,000以下がより好ましく、1,000,000以下が更に好ましい。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂の数平均分子量(Mn)は、30,000以上が好ましく、40,000以上がより好ましく、50,000以上が更に好ましく、500,000以下が好ましく、400,000以下がより好ましく、300,000以下が更に好ましい。
更に、上記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1以上が好ましく、1.4以上がより好ましく、1.7以上が更に好ましく、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましい。
上記Mw、Mnは例えば、溶媒としてN-メチルピロリドンを用い、適切な標準(例えば、ポリスチレン標準)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。上記Mw、Mnを測定する際に用いるカラムとしては、例えば、TSKgel SuperHZM-H(東ソー製)等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、N-メチルピロリドン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(NMP)が150,000以上であることが好ましく、200,000以上であることがより好ましく、250,000以上であることが更に好ましく、3,000,000以下であることが好ましく、2,500,000以下であることがより好ましく、2,000,000以下であることが更に好ましい。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂は、テトラヒドロフラン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(THF)が300,000以上であることが好ましく、400,000以上であることがより好ましく、500,000以上であることが更に好ましく、5,000,000以下であることが好ましく、4,000,000以下であることがより好ましく、3,000,000以下であることが更に好ましい。
更に、上記ポリビニルアセタール樹脂は、有機溶剤に溶解した際に未溶解物が減少するという利点があることから、N-メチルピロリドン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(NMP)に対するテトラヒドロフラン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(THF)の比率(Mz(THF)/Mz(NMP))が1.05以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましく、1.2以上であることが更に好ましく、5.0以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましく、4.0以下であることが更に好ましい。
上記Mz(NMP)、Mz(THF)は、それぞれに対応する溶媒を用い、適切な標準(例えば、ポリスチレン標準)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。上記Mw、Mnを測定する際に用いるカラムとしては、例えば、TSKgel SuperHZM-H(東ソー製)等が挙げられる。
特に、上記ポリビニルアセタール樹脂は、ハンドリング性と機械的強度を両立し、未溶解物を低減するという利点があることから、平均重合度が1000以上10000未満であり、Mz(THF)/Mz(NMP)が1.05以上5.0以下であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、トルエンとエタノールを1:1の重量割合で混合した溶媒に0.2重量%の濃度で溶解したポリビニルアセタール樹脂溶液の粒子径分布をパーティクルカウンターを用いて測定したとき、直径0.5-1.0μmの粒子の数が、20000個/10ml未満であることが好ましく、15000個/10ml未満であることがより好ましい。下限は特に限定されず、例えば0個/10ml以上であってもよく、100個/10ml以上であってもよい。上記範囲とすることで、スラリーの均一性が良好となり、より平滑なグリーンシートを作製することができ、クラック等のシート欠陥が生じにくくなるため、絶縁破壊が起こりにくくなる。すなわち信頼性が向上するという利点がある。
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は、94重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましく、96重量%以上が更に好ましく、99.99重量%以下が好ましく、99.5重量%以下がより好ましく、99重量%以下が更に好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、通常、ポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより製造することができる。
上記ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂をアルカリ、酸、アンモニア水等によりけん化することにより製造された樹脂等の従来公知のポリビニルアルコール樹脂を用いることができる。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、完全けん化されていてもよいが、少なくとも主鎖の1カ所にメソ、ラセモ位に対して2連の水酸基を有するユニットが最低1ユニットあれば完全けん化されている必要はなく、部分けん化ポリビニルアルコール樹脂であってもよい。また、上記ポリビニルアルコール樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂、部分けん化エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂等、ビニルアルコールと共重合可能なモノマーとビニルアルコールとの共重合体も用いることができる。
上記ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、80モル%以上が好ましく、88モル%以上がより好ましく、99.4モル%以下が好ましく、99モル%以下がより好ましい。
上記アセタール化は、公知の方法を用いることができ、水溶媒中、水と水との相溶性のある有機溶媒との混合溶媒中、あるいは有機溶媒中で行うことが好ましい。
上記水との相溶性のある有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤を用いることができる。
上記有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤、芳香族有機溶剤、脂肪族エステル系溶剤、ケトン系溶剤、低級パラフィン系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、アミン系溶剤等が挙げられる。
上記アルコール系有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、安息香酸メチル等が挙げられる。
上記脂肪族エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。
上記低級パラフィン系溶剤としては、ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン等が挙げられる。
上記エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
上記アミド系溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトアニリド等が挙げられる。
上記アミン系溶剤としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n-ブチルアミン、ジn-ブチルアミン、トリn-ブチルアミン、アニリン、N-メチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン等が挙げられる。
これらは、単体で用いることもできるし、2種以上の溶媒を混合で用いることもできる。これらのなかでも、樹脂に対する溶解性及び精製時の簡易性の観点から、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。
上記アセタール化は、酸触媒の存在下において行うことが好ましい。
上記酸触媒は特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いられてもよく、2種以上の化合物を併用してもよい。なかでも、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、硝酸が特に好ましい。
上記アセタール化は、上記化合物Aの存在下において行うことが好ましい。
上記化合物Aとしては、具体的には、後述する化合物を用いることができる。
上記化合物Aの存在下にてアセタール化を行うことで、均一なアセタール化反応をすることができる。
上記化合物Aの添加量は、ポリビニルアルコール樹脂に対して5,000ppm以上が好ましく、10,000ppm以上がより好ましく、15,000ppm以上が更に好ましく、250,000ppm以下が好ましく、200,000ppm以下がより好ましく、180,000ppm以下が更に好ましい。
上記アセタール化に用いられるアルデヒドとしては、炭素数1~10の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族基を有するアルデヒドが挙げられる。これらのアルデヒドとしては、従来公知のアルデヒドを使用できる。上記アセタール化反応に用いられるアルデヒドは、特に限定されるものではなく、例えば、脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド等が挙げられる。
上記脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、n-ヘプチルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、アミルアルデヒド等が挙げられる。
上記芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β-フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。
これらのアルデヒドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルデヒドとしては、なかでも、アセタール化反応性に優れ、生成する樹脂に充分な内部可塑効果をもたらし、結果として良好な柔軟性を付与することができるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、n-ノニルアルデヒドが好ましい。また、耐衝撃性及び金属との接着性に特に優れる接着剤組成物を得られることから、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドがより好ましい。
上記アルデヒドの添加量としては、目的とするポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量にあわせて適宜設定することができる。
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物は、下記式(1)で表される化合物Aを含有する。
上記化合物Aを含有することで、有機溶剤に溶解した場合に微細な未溶解物を少なくすることができる。
Figure 2023147266000010
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、カルボキシル基又はその塩を表し、Rは単結合、2価の炭化水素基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する2価の基を表す。上記塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。R及びRは同一のものでもよく、異なるものでもよいが、同一のものが好ましい。
上記2価の炭化水素基としては、炭素数1~6の直鎖状アルキレン基、炭素数3~6の分岐アルキレン基、炭素数2~6の直鎖状アルケニレン基、炭素数3~6の分岐アルケニレン基、炭素数3~6のシクロアルキレン基、炭素数3~6のシクロアルケニレン基、炭素数6の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
なかでも、炭素数1~4の直鎖状アルキレン基、炭素数3~4の分岐アルキレン基が好ましく、炭素数1~3の直鎖状アルキレン基がより好ましい。
上記2価の基としては、2価の炭化水素基が挙げられる。
上記炭化水素基としては、炭素数1~6の直鎖状アルキレン基、炭素数3~6の分岐アルキレン基、炭素数2~6の直鎖状アルケニレン基、炭素数3~6の分岐アルケニレン基、炭素数3~6のシクロアルキレン基、炭素数3~6のシクロアルケニレン基、炭素数6の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
なかでも、炭素数1~4の直鎖状アルキレン基、炭素数3~4の分岐アルキレン基が好ましく、炭素数1~3の直鎖状アルキレン基がより好ましい。
炭素数1~6の直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
炭素数3~6の分岐アルキレン基としては、1-メチルエチレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基、2-メチルペンタメチレン基等が挙げられる。
炭素数2~6の直鎖状アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基等が挙げられる。
炭素数3~6の分岐アルケニレン基としては、イソプロペニレン基、1-エチルエテニレン基、2-メチルプロペニレン基、2,2-ジメチルブテニレン基、3-メチル-2-ブテニレン基、3-エチル-2-ブテニレン基等が挙げられる。
炭素数3~6のシクロアルキレン基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
炭素数3~6のシクロアルケニレン基としては、シクロペンテニレン基、2,4-シクロペンタジエニレン基、シクロヘキセニレン基等が挙げられる。
炭素数6の芳香族炭化水素基としては、1,2-フェニレン等が挙げられる。
としては、より具体的には、単結合、メチレン基、トリメチレン基、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、1,2-ジヒドロキシエチレン基、2-ヒドロキシ,2-カルボキシトリメチレン基が好ましく、ヒドロキシエチレン基、1,2-ジヒドロキシエチレン基、2-ヒドロキシ,2-カルボキシトリメチレン基がより好ましい。
上記化合物Aは、酸素原子数に対する炭素原子数の割合(C/O)が0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.7以上であることが更に好ましく、1.5以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましく、1.0以下であることが更に好ましい。
上記化合物Aは、未溶解物を少なくできるという利点があることから、カルボキシル基又はその塩の重量割合が0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、1.0以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましい。
上記化合物Aの分子量Mは、90以上が好ましく、130以上がより好ましく、150以上が更に好ましく、10000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、500以下が更に好ましい。
上記化合物Aとしては、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、イソクエン酸、メバロン酸、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸等やこれらの塩が挙げられる。なかでも、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、これらの塩が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、これらの塩がより好ましい。
前記ポリビニルアセタール樹脂のN-メチルピロリドン溶媒を用いて測定された重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)に、前記化合物Aの炭素/酸素比(C/O)を乗じた値[(Mw/Mn)×C/O]が1.1以上であることが好ましく、1.4以上であることが好ましく、7.0以下であることが好ましく、4.0以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、スラリーの均一性が良好となり、より平滑なグリーンシートを作製することができ、クラック等のシート欠陥が生じにくくなるため、絶縁破壊が起こりにくくなる。すなわち信頼性が向上するという利点がある。
上記ポリビニルアセタール樹脂のN-メチルピロリドン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(NMP)、上記化合物Aの分子量M、上記化合物Aに含まれるカルボキシル基又はその塩の数nに基づき下記式により算出されるY値が8.1以上であることが好ましく、8.3以上であることがより好ましく、9.0以下であることが好ましく、8.9以下であることがより好ましい。上記範囲とすることで、機械的強度を維持しつつ、未溶解物を少なくすることができる。
Y=Log((Mz(NMP)1.5)÷M 0.5×n0.5
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物における上記化合物Aの含有量は、微細な未溶解物をより少なくする観点から、重量基準で0.1ppm以上が好ましく、0.5ppm以上がより好ましく、1.0ppm以上が更に好ましく、30ppm以下が好ましく、25ppm以下がより好ましく、20ppm以下が更に好ましく、15ppm以下が更により好ましく、6ppm以下が特に好ましい。
上記化合物Aの含有量は、例えば、イオンクロマトグラフィーにより測定することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂に対して、0.1ppm以上が好ましく、0.5ppm以上がより好ましく、1.0ppm以上が更に好ましく、25ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましく、15ppm以下が更に好ましい。
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない限り、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、消泡剤等の成分を含有していてもよい。
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、ポリビニルアルコールを上記化合物Aの存在下でアルデヒドによってアセタール化することで、ポリビニルアセタール樹脂と化合物Aとを含有するセラミックグリーンシート用樹脂組成物とすることができる。また、例えば、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドによってアセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂に対して、上記化合物A、及び、その他必要に応じて添加される添加剤を添加して混合してセラミックグリーンシート用樹脂組成物とすることができる。
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物、有機溶剤、無機微粒子、分散剤、可塑剤等を混合することで無機微粒子分散スラリー組成物を作製することができる。
上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類が挙げられる。また、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。更に、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2-エチルヘキシル、酪酸2-エチルヘキシル等のエステル類等が挙げられる。また、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。特に、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類及びこれらの混合溶剤が塗工性、乾燥性の面から見て好ましい。なかでも、エタノールとトルエンの混合溶剤やメチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤がより好ましい。
上記無機微粒子分散スラリー組成物中の上記有機溶剤の含有量は、用いられるポリビニルアセタール樹脂の種類等によって設定されるものであって、特に限定されるものではないが、あまり少ないと、混錬に必要な溶解性を発揮しにくい。また、あまり多いと、スラリー組成物の粘度が低くなり過ぎてセラミックグリーンシートを作製する際のハンドリング性が悪くなることがある。このため、有機溶剤の含有量は好ましくは20重量%以上80重量%以下である。
上記無機微粒子分散スラリー組成物は、無機微粒子を含有する。
上記無機微粒子は特に限定されず、例えば、セラミック粉末、ガラス粉末、金属微粒子等が挙げられる。
上記セラミック粉末は特に限定されず、セラミックの製造に使用される金属または非金属の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、または硫化物等の粉末が挙げられる。その具体例として、Li、K、Mg、B、Al、Si、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Ga、In、Y、ランタノイド、アクチノイド、Ti、Zr、Hf、Bi、V、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Co、Ni等の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、硫化物等が挙げられる。これらのセラミック粉末は、単独で用いても、または2種類以上の混合物として用いてもよい。
例えば、チタン酸バリウム、窒化アルミ(AlN)、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、アルミナ(Al2O3)、酸化銅(CuO)、及びスピネル系化合物、フェライト、ジルコニア、ジルコン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ランタン、チタン酸ネオジウム、チタン酸ジルコン鉛、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ホウ素、錫酸バリウム、錫酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ムライト、ステアタイト、コーディエライト、フォルステライト等が挙げられる。
上記ガラス粉末は特に限定されず、例えば、酸化ビスマスガラス、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、亜鉛ガラス、ボロンガラス等のガラス粉末や、CaO-Al-SiO系、MgO-Al-SiO系、LiO-Al-SiO系等の各種ケイ素酸化物のガラス粉末等が挙げられる。
また、上記ガラス粉末として、SnO-B-P-Al混合物、PbO-B-SiO混合物、BaO-ZnO-B-SiO混合物、ZnO-Bi-B-SiO混合物、Bi-B-BaO-CuO混合物、Bi-ZnO-B-Al-SrO混合物、ZnO-Bi-B混合物、Bi-SiO混合物、P-NaO-CaO-BaO-Al-B混合物、P-SnO混合物、P-SnO-B混合物、P-SnO-SiO混合物、CuO-P-RO混合物、SiO-B-ZnO-NaO-LiO-NaF-V混合物、P-ZnO-SnO-RO-RO混合物、B-SiO-ZnO混合物、B-SiO-Al-ZrO混合物、SiO-B-ZnO-RO-RO混合物、SiO-B-Al-RO-RO混合物、SrO-ZnO-P混合物、SrO-ZnO-P混合物、BaO-ZnO-B-SiO混合物等も用いることができる。なお、Rは、Zn、Ba、Ca、Mg、Sr、Sn、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される元素である。
特に、PbO-B-SiO混合物のガラス粉末や、鉛を含有しないBaO-ZnO-B-SiO混合物又はZnO-Bi-B-SiO混合物等の無鉛ガラス粉末が好ましい。
上記金属微粒子は特に限定されず、例えば、銅、ニッケル、パラジウム、鉄、白金、金、銀、アルミニウム、タングステンやこれらの合金等からなる粉末等が挙げられる。
また、金属錯体のほか、種々のカーボンブラック、カーボンナノチューブ等を使用してもよい。また、ITO、FTO、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化タングステン、ランタンストロンチウムマンガナイト、ランタンストロンチウムコバルトフェライト、イットリウム安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリア、酸化ニッケル、ランタンクロマイト等も使用することができる。
上記無機微粒子分散スラリー組成物における上記無機微粒子の含有量としては特に限定されないが、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましい。上記範囲とすることで、充分な粘度を有し、優れた塗工性を有するものとでき、また、無機微粒子の分散性に優れるものとできる。
上記無機微粒子分散スラリー組成物は、可塑剤を含有していてもよい。
上記可塑剤としては、例えば、例えば、アジピン酸モノメチル、アジピン酸ジ(ブトキシエチル)、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールジヘキサノエート、アセチルクエン酸トリエチル、セチルクエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ブチル化ベンジル、アジピン酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、トリプロピオニン、ペンタエリスリトールテトラアセテート、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DOP)、トリアセチン等が挙げられる。
なかでも、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、フタル酸ブチル化ベンジル、アジピン酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、トリプロピオニン、ペンタエリスリトールテトラアセテート、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル等が好ましい。
上記可塑剤の沸点は240℃以上であることが好ましく、390℃未満であることが好ましい。上記沸点を240℃以上とすることで、乾燥工程で蒸発しやすくなり、成形体への残留を防止できる。また、390℃未満とすることで、残留炭素が生じることを防止できる。なお、上記沸点は、常圧での沸点をいう。
上記無機微粒子分散スラリー組成物における上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、0.1重量%以上であることが好ましく、0.2重量%以上であることがより好ましく、3重量%以下であることが好ましく、2.5重量%以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることで、可塑剤の焼成残渣を少なくすることができる。
上記無機微粒子分散スラリー組成物は、分散剤を含有していてもよい。
上記分散剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪族アミン、アルカノールアミド、リン酸エステル、低重合度のポリビニルアセタール樹脂が好適である。また、シランカップリング剤等を配合してもよい。
上記脂肪酸としては特に限定されず、例えば、ベヘニン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヤシ脂肪酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ硬化脂肪酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。なかでも、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好適である。
上記脂肪族アミンとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アルキル(ヤシ)アミン、アルキル(硬化牛脂)アミン、アルキル(牛脂)アミン、アルキル(大豆)アミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミドとしては特に限定されず、例えば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
上記リン酸エステルとしては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
上記低重合度のポリビニルアセタール樹脂としては、無機微粒子の分散性向上の観点から、平均重合度が500以下のものが好ましく、400以下のものがより好ましく、300以下のものが更に好ましい。
上記無機微粒子分散スラリー組成物の粘度は特に限定されないが、20℃においてB型粘度計を用いプローブ回転数を5rpmに設定して測定した場合の粘度が0.1Pa・s以上であることが好ましく、100Pa・s以下であることが好ましい。
上記粘度を0.1Pa・s以上とすることで、ダイコート印刷法等により塗工した後、得られる無機微粒子分散シートが所定の形状を維持することが可能となる。また、上記粘度を100Pa・s以下とすることで、ダイの塗出痕が消えない等の不具合を防止して、印刷性に優れるものとできる。
上記無機微粒子分散スラリー組成物を作製する方法は特に限定されず、従来公知の攪拌方法が挙げられ、具体的には、例えば、上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物、上記無機微粒子、必要に応じて添加される有機溶剤、可塑剤及びその他の成分をビーズミル等で攪拌する方法等が挙げられる。
上記無機微粒子分散スラリー組成物において、無機微粒子としてチタン酸バリウム等のセラミック粉末を用いることでセラミックグリーンシート用スラリー組成物とすることができる。
上記セラミックグリーンシート用樹脂組成物と、チタン酸バリウムと、分散剤と、可塑剤とを含有するセラミックグリーンシート用スラリー組成物もまた本発明の1つである。
上記無機微粒子分散スラリー組成物を、片面離型処理を施した支持フィルム上に塗工し、有機溶剤を乾燥させ、シート状に成形することで、無機微粒子分散シートを製造することができる。
特に、無機微粒子としてチタン酸バリウム等のセラミック粉末を用いることでセラミックグリーンシートを製造することができる。
上記セラミックグリーンシート用スラリー組成物を用いてなるセラミックグリーンシートもまた本発明の1つである。
また、上記セラミックグリーンシートを誘電体グリーンシートとして用いて積層セラミックコンデンサを作製することができる。
上記セラミックグリーンシートを用いてなる積層セラミックコンデンサもまた本発明の1つである。
上記無機微粒子分散シートは、厚みが0.5μm以上であることが好ましく、3μm以下であることが好ましい。
上記無機微粒子分散シートを製造する際に用いる支持フィルムは、耐熱性及び耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーター、ブレードコーターなどによって支持フィルムの表面に無機微粒子分散スラリー組成物を塗布することができ、得られる無機微粒子分散シート形成フィルムをロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。
上記支持フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレン等の含フッ素樹脂、ナイロン、セルロース等が挙げられる。
上記支持フィルムの厚みは、例えば、20μm以上であることが好ましく、100μm以下であることが好ましい。
また、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましく、これにより、転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
また、上記無機微粒子分散スラリー組成物、無機微粒子分散シートを、誘電体グリーンシート、電極ペーストに用いることで積層セラミックコンデンサを製造することができる。
上記積層セラミックコンデンサの製造方法は、上記無機微粒子分散シートに導電ペーストを印刷、乾燥して、誘電体グリーンシートを作製する工程、及び、前記誘電体グリーンシートを積層する工程を有することが好ましい。
上記導電ペーストは、導電粉末を含有するものである。
上記導電粉末の材質は、導電性を有する材質であれば特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅及びこれらの合金等が挙げられる。これらの導電粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記導電ペーストに使用されるバインダー樹脂、有機溶剤としては、上記無機微粒子分散スラリー組成物と同様のものを用いることができる。
上記導電ペーストを印刷する方法は特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法、ダイコート印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
上記積層セラミックコンデンサの製造方法では、上記導電ペーストを印刷した誘電体グリーンシートを積層し、脱脂、焼成後、外部電極を設置することで積層セラミックコンデンサが得られる。
本発明によれば、有機溶剤に溶解した場合に微細な未溶解物を少なくして、信頼性に優れたセラミックコンデンサを作製可能なセラミックグリーンシート用樹脂組成物を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度3,300、ケン化度99モル%)200gに純水2300gを加え、90℃で2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃冷却し、これに濃度35重量%の塩酸181gとリンゴ酸3.2g(16000ppm)とn-ブチルアルデヒド160gとを添加してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、40℃で3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂及びリンゴ酸を含有するセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。溶解および水洗にはイオン交換水を使用した。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO-D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、H-NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、アセタール基量、アセチル基量、水酸基量は表1の通りであった。
また、イオンクロマトグラフィーによりセラミックグリーンシート用樹脂組成物中のリンゴ酸の含有量を確認したところ、重量基準で2.9ppmであった。なお、測定機器としては、イオンクロマトグラフィーシステムICS900(Thermo Fisher Scientific社製、カラム:Ionpac AS22(4φ×250mm)、検出器:電気伝導度計)を用いた。
(実施例2)
リンゴ酸に代えて酒石酸を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例3)
リンゴ酸に代えてクエン酸32g(160000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例4)
リンゴ酸に代えてクエン酸0.2g(1000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例5)
リンゴ酸に代えてクエン酸2g(10000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例6)
リンゴ酸に代えてシュウ酸3.0g(15000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例7)
リンゴ酸に代えてタルトロン酸3.0g(15000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例8)
リンゴ酸に代えてマロン酸3.2g(16000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例9)
リンゴ酸に代えてグルタル酸3.2g(16000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例1)
リンゴ酸を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例2)
リンゴ酸に代えてペンタエリスリトールテトラアセテート3.2g(16000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例3)
リンゴ酸に代えてメタノール10g(50000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例4)
ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度5000、ケン化度99モル%)171g、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度300、ケン化度99モル%)29gを用い、リンゴ酸に代えて酢酸3.2g(16000ppm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例10)
ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度1,700、ケン化度99モル%)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例11)
リンゴ酸に代えて酒石酸6.4g(32000ppm)を用いた以外は実施例10と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例12)
リンゴ酸の添加量を12.8g(64000ppm)とした以外は実施例10と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例13)
リンゴ酸80g(400000ppm)を用いた以外は実施例10と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例14)
ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度300、ケン化度99モル%)40g、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度500、ケン化度99モル%)13g、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度2,400、ケン化度99モル%)40g、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度3,300、ケン化度99モル%)107gを用い、リンゴ酸に代えてグルタル酸3.2g(16000ppm)を用いた以外は実施例10と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例15)
ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度300、ケン化度99モル%)50g、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度500、ケン化度99モル%)11g、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度2,400、ケン化度99モル%)56g、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度4,500、ケン化度99モル%)83gを用い、リンゴ酸に代えてグルタル酸3.2g(16000ppm)を用いた以外は実施例10と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例16)
ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度1,700、ケン化度99モル%)200gに純水2300gを加え、90℃で2時間攪拌し溶解させた。この溶液を20℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸181gと酒石酸6.4g(32000ppm)とn-ブチルアルデヒド160gとを添加し、昇温速度0.3℃/分で昇温させ(昇温時間150分)、65℃に昇温し、65℃で2時間保持してアセタール化反応を行った後、反応を完了させた以外は、実施例10と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例5)
リンゴ酸を添加しなかった以外は実施例10と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例17)
ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度800、ケン化度99モル%)を用い、リンゴ酸に代えて酒石酸6.4g(32000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例6)
酒石酸を添加しなかった以外は実施例17と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例18)
(カルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂の作製)
酢酸ビニル及びクロトン酸をモル比99.85:0.15としてラジカル重合開始剤の存在下、常法により共重合させることにより得られた酢酸ビニル共重合体30重量部をメタノール60重量部に溶解させた。次いで、45重量%水酸化ナトリウム水溶液0.4重量部を加えて1時間攪拌した後、濃酢酸で中和し、析出した生成物をメタノールで洗浄した。これにより、式(b-2)で表される構成単位(式(b-2)中、R3bがメチル基、R4bが水素原子、R5bが水素原子、R6bが単結合、X3bが水素原子)を有するカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂を得た。JIS K6726に基づいて測定した結果、残存アセチル基量は5.5モル%、平均重合度は1600であった。また、FT-IRにて測定した結果、カルボキシル基を有する構成単位の含有量(カルボキシル基量)は0.1モル%であった。
得られたカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂300gに純水3000gを加え、90℃で2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸270gとn-ブチルアルデヒド240gを用い、リンゴ酸に代えて酒石酸6.4g(32000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例7)
酒石酸を添加しなかった以外は実施例18と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(実施例19)
上記式(g)で表されるエチレン単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度1,700、エチレン含有量4.0モル、残存アセチル基量1.0モル%)193gを純水2900gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させ、この溶液を28℃に冷却し、濃度35重量%の塩酸200gとn-ブチルアルデヒド125g、リンゴ酸に代えて酒石酸6.4g(32000ppm)を用い、液温を20℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた後に液温を30℃で5時間保持して反応を完了させた以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
(比較例8)
酒石酸を添加しなかった以外は実施例19と同様にしてセラミックグリーンシート用樹脂組成物を得た。
<評価>
得られたポリビニルアセタール樹脂及びセラミックグリーンシート用樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1~3に示した。
(1)Mw/Mn、Mz(THF)、Mz(NMP)
得られたポリビニルアセタール樹脂をN-メチルピロリドン(NMP)に0.05重量%の濃度で溶解させ、GPC装置HLC-8220(東ソー製)にて測定を行い、得られた測定結果から、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Z平均分子量Mz(NMP)を算出した。なお、カラムとして、カラムTSKgel SuperHZM-H(東ソー製)を用いた。
また、溶媒としてテトラヒドロフランを用い同様にしてZ平均分子量Mz(THF)を算出し、分子量分布(Mw/Mn)、Mz(THF)/Mz(NMP)を算出した。
(2)粒子径(直径)0.5~1.0μmの粒子の個数
得られたセラミックグリーンシート用樹脂組成物を重量比1:1のエタノール・トルエン混合溶液に対して0.2重量%となるように溶解した。得られた溶液10mlの粒子径分布をパーティクルカウンター(リオン社製、KS-42C)を用いて測定し、1ml当たりの粒子径(直径)0.5~1.0μmの粒子の個数を測定した。
(3)粒子個数低減率
実施例1~9、比較例2~4は比較例1を基準とし、実施例10~16は比較例5を基準とし、実施例17は比較例6を基準とし、実施例18は比較例7を基準とし、実施例19は比較例8を基準として、粒子個数低減率を算出した。
(4)溶液粘度
得られたポリビニルアセタール樹脂を重量比1:1のエタノール・トルエン混合溶液に対して5重量%となるように溶解し、粘度測定用サンプルを調製した。得られた粘度測定用サンプルについて、B型粘度計を用い、粘度測定を実施した。
なお、B型粘度計としては、TVB-10形粘度計(東機産業社製)を用い、回転数とローターは次の通りにして測定を行った。
実施例1~9、比較例1~4:回転数30rpm、SPINDLE No.M2
実施例10~16、比較例5:回転数30rpm、SPINDLE No.M1
実施例17、比較例6:回転数60rpm、SPINDLE No.M1
実施例18、比較例7:回転数30rpm、SPINDLE No.M1
実施例19、比較例8:回転数30rpm、SPINDLE No.M1
(5)セラミックグリーンシートの評価
(無機分散液の作製)
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業社製、BL-1)1重量部を、トルエン20重量部とエタノール20重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解した。次いで、100重量部のチタン酸バリウムの粉末(堺化学工業社製、BT01)を得られた溶液に添加し、ビーズミル(アイメックス社製 レディーミル)にて180分間撹拌することにより、無機分散液を作製した。
(樹脂溶液の作製)
実施例1~9、比較例1~3については、セラミックグリーンシート用樹脂組成物6重量部、可塑剤(積水化学工業社製、「G260」)1.6重量部を、エタノール46重量部とトルエン46重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解することにより、樹脂溶液を作製した。
他の実施例や比較例は、セラミックグリーンシート用樹脂組成物8重量部、可塑剤(積水化学工業社製、G260)2.1重量部を、エタノール45重量部とトルエン45重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解することにより、樹脂溶液を作製した。
(セラミックグリーンシートの作製)
得られた無機分散液に樹脂溶液を添加しビーズミルにて90分間攪拌することにより、セラミックグリーンシート用スラリー組成物を得た。
得られたセラミックグリーンシート用スラリー組成物を、コーターを用いて乾燥後の厚みが20μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗工した後、加熱乾燥させ、セラミックグリーンシートを作製した。
(5-1)
得られたセラミックグリーンシートについて、JIS K 7113に準拠して、引張試験機(島津製作所社製、AUTOGRAPH AGS-J)を用い、23℃環境下で、引張速度20mm/分の条件にて、破断点応力(MPa)の測定を行った。
(5-2)断面積1μm以上の欠陥数
得られたセラミックグリーンシートの表面において、14,000μmの視野を10か所ランダムに選定し、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス社製「VK-X100」)を用いて、1視野あたりの平均欠陥数を計数した。
なお、欠陥は、負荷面積率を80%としたときの突出谷部のうち、その断面積が1μm以上の部分とした。
(5-3)算術平均高さ(Sa)、最大高さ(Sz)
得られたセラミックグリーンシートの算術平均高さSa及び最大高さSzを、三次元表面粗計(菱化システム社製「VertScan2.0」)を用いて、ISO25178に準拠して評価した。
Figure 2023147266000011
Figure 2023147266000012
Figure 2023147266000013
本発明によれば、有機溶剤に溶解した場合に微細な未溶解物を少なくして、信頼性に優れたセラミックコンデンサを作製可能なセラミックグリーンシート用樹脂組成物を提供できる。

Claims (15)

  1. ポリビニルアセタール樹脂と、下記式(1)で表される化合物Aとを含有する、セラミックグリーンシート用樹脂組成物。
    Figure 2023147266000014
    式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、カルボキシル基又はその塩を表し、Rは単結合、2価の炭化水素基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する2価の基を表す。
  2. 式(1)中、Rが炭素数1~6の直鎖状アルキレン基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する炭素数1~6の直鎖状アルキレン基である、請求項1に記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  3. 式(1)中、Rが炭素数1~4の直鎖状アルキレン基又は水酸基、カルボキシル基及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する炭素数1~4の直鎖状アルキレン基である、請求項1に記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  4. 前記化合物Aの含有量が、重量基準で0.1ppm以上30ppm以下である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  5. 前記ポリビニルアセタール樹脂のN-メチルピロリドン溶媒を用いて測定された重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)に、前記化合物Aの炭素/酸素比(C/O)を乗じた値[(Mw/Mn)×C/O]が1.1以上7.0以下である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  6. 前記ポリビニルアセタール樹脂のN-メチルピロリドン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(NMP)、前記化合物Aの分子量M、化合物Aに含まれるカルボキシル基又はその塩の数nに基づき下記式により算出されるY値が8.1以上9.0以下である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
    Y=Log((Mz(NMP)1.5)÷M 0.2×n0.5
  7. 前記化合物Aにおけるカルボキシル基又はその塩の重量割合が0.5~1.0である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  8. 前記化合物Aが、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  9. 前記ポリビニルアセタール樹脂は、エタノール/トルエン混合溶液(重量比1:1)に5重量%で溶解した溶液の20℃における溶液粘度が50mPa・s以上である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  10. 前記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が1000以上である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  11. 前記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が1000以上10000未満であり、N-メチルピロリドン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(NMP)に対するテトラヒドロフラン溶媒を用いて測定されたZ平均分子量Mz(THF)の比率(Mz(THF)/Mz(NMP))が5以下である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  12. 前記ポリビニルアセタール樹脂は、トルエンとエタノールを1:1の重量割合で混合した溶媒に0.2重量%の濃度で溶解したポリビニルアセタール樹脂溶液の粒子径分布をパーティクルカウンターを用いて測定したとき、直径0.5-1.0μmの粒子の数が20000個/10ml未満である、請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物。
  13. 請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物と、チタン酸バリウムと、有機溶剤と、分散剤と、可塑剤とを含有する、セラミックグリーンシート用スラリー組成物。
  14. 請求項1~3の何れかに記載のセラミックグリーンシート用樹脂組成物を用いてなる、セラミックグリーンシート。
  15. 請求項14に記載のセラミックグリーンシートを用いてなる、積層セラミックコンデンサ。
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