JP2013187022A - 導電ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】デラミネーションの発生を抑制することができ、かつ、印刷性に優れた導電ペーストを提供する。
【解決手段】スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂と、導電性粉末と、有機溶剤とを含有する導電ペーストであって、前記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が300〜3300であり、特定のアセチル基を有する構成単位と、特定の水酸基を有する構成単位と、特定のアセタール基を有する構成単位とを有し、更に、末端に特定のスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する導電ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、デラミネーションの発生を抑制することができ、かつ、印刷性に優れた導電ペーストに関する。
近年、種々の電子機器に搭載される電子部品の小型化、積層化が進んでおり、多層回路基板、積層コイル、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品が広く使用されている。
なかでも、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、セラミックスラリーを得る。次いで、このセラミックスラリーを離型処理した支持体面に流延して、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に、内部電極を形成するための導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製する。更に、積層体中に含まれるバインダー樹脂等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成してセラミック焼結体とし、セラミック焼結体の端面に外部電極を形成して、積層セラミックコンデンサを得る。
内部電極を形成するための導電ペーストとしては、例えば特許文献1に開示される導電性ペーストのように、電極を構成するパラジウム、ニッケル等の金属材料と、塗布面であるセラミックグリーンシートの表面に適合する有機溶剤と、エチルセルロース等のバインダー樹脂とを含有する導電ペーストが用いられている。しかしながら、近年の極めて薄膜化が進んだ積層セラミックコンデンサを、従来のエチルセルロースをバインダー樹脂とした導電ペーストを用いて製造した場合、ポリビニルブチラール樹脂等をバインダー樹脂としたセラミックグリーンシートと導電ペーストとの接着性が不充分であるため、デラミネーション(層間剥離)が発生しやすいという問題がある。
デラミネーションの発生を抑制するために、例えば、セラミックグリーンシートとの接着性に優れたポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とした導電ペーストを用いることが検討されている。しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とした導電ペーストでは、スクリーン印刷の際に糸曳き、目詰まり等が生じやすく、結果として、版離れが悪くなったり厚み精度が落ちたりして、パターンを鮮明に描画できずに生産歩留りを低下させるという問題がある。
特公平3−35762号公報
本発明は、デラミネーションの発生を抑制することができ、かつ、印刷性に優れた導電ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂と、導電性粉末と、有機溶剤とを含有する導電ペーストであって、前記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が300〜3300であり、下記式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位と、下記式(2)で表される水酸基を有する構成単位と、下記一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位とを有し、更に、末端に下記一般式(4)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する導電ペーストである。
Figure 2013187022
Figure 2013187022
Figure 2013187022
一般式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
Figure 2013187022
一般式(4)中、Rは水素原子又は金属元素を表し、Xは炭素数1〜6の炭化水素基を表す。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、所定の構造及び平均重合度を有するスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は導電性粉末に対する分散性に優れるため、該スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とすることにより、導電ペーストの印刷性が大幅に向上することを見出した。また、本発明者は、該スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を含有する導電ペーストはセラミックグリーンシートとの接着性に優れ、デラミネーションの発生を抑制できることも見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電ペーストは、スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は、下記式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位と、下記式(2)で表される水酸基を有する構成単位と、下記一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位とを有し、更に、末端に下記一般式(4)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する。
なお、末端にスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有するとは、主鎖の途中にはスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有さず、末端のみにスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有することを意味する。また、末端とは、主鎖の片方の末端であっても両方の末端であってもよく、主鎖とは、ポリビニルアセタール樹脂の分子構造における最も長い鎖を意味する。
Figure 2013187022
Figure 2013187022
Figure 2013187022
一般式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
Figure 2013187022
一般式(4)中、Rは水素原子又は金属元素を表し、Xは炭素数1〜6の炭化水素基を表す。金属元素は特に限定されず、スルホン酸基と塩を形成することのできる金属元素であればよいが、例えば、ナトリウム等が挙げられる。Xは、炭素数1〜6の炭化水素基であれば特に限定されないが、炭素数1〜3の炭化水素基が好ましく、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−がより好ましい。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂はスルホン酸基又はその塩を有するため、導電性粉末と相互作用を起こし、導電性粉末に対する分散性に優れる。このため、上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とすることにより、本発明の導電ペーストは糸曳きを抑制することができ、印刷性に優れる。また、上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とすることにより、本発明の導電ペーストはセラミックグリーンシートとの接着性に優れ、デラミネーションの発生を抑制することができる。
なお、末端ではなく主鎖の途中にスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有するポリビニルアセタール樹脂では、スルホン酸基量が多くなるため、導電性粉末との相互作用が強くなりすぎて導電ペーストの作製自体が困難となったり、溶剤に対する溶解性が低下して導電ペーストの印刷性が低下したり、脱脂処理後の残渣が多くなったりしてしまう。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度の下限が300、上限が3300である。平均重合度が300未満であると、導電ペーストの粘度が低下し、印刷性又は貯蔵安定性が低下する。平均重合度が3300を超えると、スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の溶剤に対する溶解性が低下し、導電ペーストに糸曳き等が生じやすくなって印刷性が低下する。平均重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は3000であり、より好ましい下限は800、より好ましい上限は2500である。
なお、スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、原料であるポリビニルアルコールの平均重合度から求められる。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂における各構成単位の割合は特に限定されないが、上記式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合は、0.1〜5.0モル%であることが好ましい。上記式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合は、15〜30モル%であることが好ましい。上記一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位の割合は、70〜85モル%であることが好ましい。
なお、アセタール基を有する構成単位の割合の計算方法としては、スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基をアセタール化して得られたものであることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用する。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は、アセトアセタール基量の好ましい上限が30モル%である。なお、アセトアセタール基とは、一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、Rがメチル基である場合のアセタール基である。
アセトアセタール基量が30モル%を超えると、上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎるため、導電ペーストが硬くなり、印刷性が低下することがある。アセトアセタール基量のより好ましい上限は27モル%であり、更に好ましい上限は25モル%である。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂のブチラール基量に対するアセトアセタール基量の比率(アセトアセタール基量/ブチラール基量)は、好ましい上限が0.6である。なお、ブチラール基とは、一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、Rがプロピル基である場合のアセタール基である。
アセトアセタール基量/ブチラール基量の値が0.6を超えると、上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎるため、導電ペーストが硬くなり、印刷性が低下することがあり、また、低極性溶剤に対する溶解性が低下し、低極性溶剤を用いた場合には導電ペーストに糸曳き等が生じやすくなって印刷性が低下することがある。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は、スルホン酸末端ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することで得ることができる。
上記アセタール化反応は、従来公知の方法で行うことができる。上記アルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドのなかでは、アセトアルデヒド及びブチルアルデヒドを併用して用いることが好ましい。また、ブチルアルデヒドの添加量に対するアセトアルデヒドの添加量の比率(アセトアルデヒドの添加量/ブチルアルデヒドの添加量)は0.6以下であることが好ましい。
上記スルホン酸末端ポリビニルアルコールを製造する方法として、例えば、スルホン酸基を有する連鎖移動剤を酢酸ビニル等のモノマーと重合又は共重合させた後、ケン化する方法等が挙げられる。
上記スルホン酸基を有する連鎖移動剤は重合体又は共重合体の末端に結合することから、上記スルホン酸基を有する連鎖移動剤を用いることにより、スルホン酸末端ポリビニルアルコールを得ることができる。上記スルホン酸末端ポリビニルアルコールは、末端のみにスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有するためスルホン酸基量が少なく、元素分析にて元素比率を確認した場合、硫黄元素比率が低くなる。上記スルホン酸末端ポリビニルアルコールの硫黄元素比率は、通常0.3%以下であり、0.1%以下であることが好ましい。
上記スルホン酸末端ポリビニルアルコールは、末端のみにスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有するため、分子中に存在する硫黄原子は最大2個である。分子中に存在する硫黄原子数は下記式(a)により計算することができ、下記式(a)で計算した数値の好ましい下限は0.1、好ましい上限は2.0であり、より好ましい下限は0.2、より好ましい上限は1.5である。
硫黄原子数=(硫黄元素比率÷32)×(平均重合度×44) (a)
上記スルホン酸基を有する連鎖移動剤として、例えば、メルカプトメタンスルホン酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸等が挙げられる。これらのスルホン酸基を有する連鎖移動剤のなかでは、連鎖移動剤としての効果が高いことから、メルカプトメタンスルホン酸が好ましい。
上記スルホン酸基を有する連鎖移動剤の使用量は、酢酸ビニル等のモノマー100重量部に対する好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が1重量部である。使用量が0.01重量部未満であると、スルホン酸末端ポリビニルアルコールが得られないことがある。使用量が1重量部を超えると、連鎖移動剤が重合体又は共重合体の成長反応を阻害することがある。使用量のより好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は0.5重量部である。
本発明の導電ペーストにおいては、バインダー樹脂として上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を単独で用いてもよいし、既存の未変性又は変性ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂等の他の樹脂と混合して用いてもよい。
なお、上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を既存の未変性又は変性ポリビニルアセタール樹脂と混合して用いる場合、上述した平均重合度とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけの平均重合度、即ち、各ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度にそのポリビニルアセタール樹脂の含有比率を掛け合わせることにより得られる各値を、合計することにより求められる平均重合度を意味する。
本発明の導電ペーストは、導電性粉末を含有する。
上記導電性粉末は特に限定されず、例えば、チタン酸バリウム、アルミナ、ニッケル、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げられる。これらの導電性粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂と上記導電性粉末との配合比は特に限定されないが、上記導電性粉末100重量部に対する上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の配合量の好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の配合量が0.1重量部未満であると、導電ペーストにおける導電性粉末の分散性が低下し、印刷性が低下したり、デラミネーションが発生しやすくなったりすることがある。上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の配合量が20重量部を超えると、導電ペーストにおける導電性粉末の密度が低くなり、導電性が低下することがある。上記導電性粉末100重量部に対する上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の配合量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の導電ペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤は特に限定されず、一般的に導電ペーストに用いられる有機溶剤を使用することができ、低極性溶剤であっても使用することができる。
上記有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等のテルピネオール及びその誘導体等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機溶剤の配合量は特に限定されないが、上記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は100重量部、好ましい上限は10000重量部である。配合量が100重量部未満であると、導電ペーストの粘度が高くなり、印刷性が低下することがある。配合量が10000重量部を超えると、導電ペーストにおいてスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の性能が充分に発揮されないことがある。配合量のより好ましい下限は200重量部、より好ましい上限は5000重量部である。
本発明の導電ペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤等を適宜含有してもよい。
本発明の導電ペーストを製造する方法は特に限定されず、例えば、スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂、導電性粉末、有機溶剤及び必要に応じて添加される他の成分を、ボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の導電ペーストの用途は特に限定されないが、例えば、セラミックグリーンシート上に本発明の導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製した後、脱脂処理を行い、焼成してセラミック焼結体とし、更に、セラミック焼結体の端面に外部電極を形成することにより、積層セラミックコンデンサを得ることができる。本発明の導電ペーストは、上述のようなスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を含有することにより、セラミックグリーンシートとの接着性に優れ、デラミネーションの発生を抑制することができ、また、糸曳きを抑制することができ、印刷性にも優れる。
本発明によれば、デラミネーションの発生を抑制することができ、かつ、印刷性に優れた導電ペーストを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
撹拌機、温度計、還流冷却管及び滴下漏斗を備えたセパラブルフラスコに、酢酸ビニル2000g、メルカプトメタンスルホン酸4g、メタノール220g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6gを入れ、窒素ガスにてバブリングした後、60℃で5時間重合させた。次いで、重合反応液中にメタノール蒸気を吹込んで未反応モノマーを除去した後、重合体の30℃、25%のメタノール溶液を調製した。このメタノール溶液2740gに、2.2Nの水酸化ナトリウムのメタノール溶液18gを添加することにより、粒子を作製した。得られた粒子をメタノールで洗浄し、乾燥することにより、白色のスルホン酸末端ポリビニルアルコール(平均重合度1500、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.1モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.9モル%、末端に一般式(4)(R=Na、X=−CH−)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する)を得た。
なお、得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.49%、H:9.08%、O:36.38%、S:0.05%であったことから、スルホン酸基又はその塩の存在が確認された。また、メルカプトメタンスルホン酸は連鎖移動剤として重合体又は共重合体の末端に結合することから、スルホン酸末端ポリビニルアルコールが得られたものと判断した。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコール100gを純水1000gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸90gとn−ブチルアルデヒド63gとアセトアルデヒド7gを添加し、液温を10℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を40℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1500、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.1モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合21.4モル%、一般式(3)(R=メチル基)で表されるアセタール基を有する構成単位の割合7.9モル%、一般式(3)(R=プロピル基)で表されるアセタール基を有する構成単位の割合69.6モル%、末端に一般式(4)(R=Na、X=−CH−)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する)の白色粉末を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂10重量部を、テルピネオール90重量部で溶解することにより、樹脂溶液を得た。導電性粉末としてのニッケル粉100重量部、チタン酸バリウム25重量部を、テルピネオール50重量部に混合し、その後、得られた樹脂溶液を添加、混合し、三本ロールにて分散させることにより、導電ペーストを得た。
(実施例2)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
メルカプトメタンスルホン酸4g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6gの代わりに、メルカプトメタンスルホン酸12g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコール(平均重合度300、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.7モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.3モル%、末端に一般式(4)(R=Na、X=−CH−)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する)を得た。
なお、得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.26%、H:9.04%、O:36.45%、S:0.25%であったことから、スルホン酸基又はその塩の存在が確認された。また、メルカプトメタンスルホン酸は連鎖移動剤として重合体又は共重合体の末端に結合することから、スルホン酸末端ポリビニルアルコールが得られたものと判断した。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(実施例3)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
メルカプトメタンスルホン酸4g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6gの代わりに、メルカプトメタンスルホン酸2g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコール(平均重合度3300、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.9モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.1モル%、末端に一般式(4)(R=Na、X=−CH−)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する)を得た。
なお、得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.55%、H:9.07%、O:36.35%、S:0.03%であったことから、スルホン酸基又はその塩の存在が確認された。また、メルカプトメタンスルホン酸は連鎖移動剤として重合体又は共重合体の末端に結合することから、スルホン酸末端ポリビニルアルコールが得られたものと判断した。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(実施例4)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
メルカプトメタンスルホン酸4gの代わりに、2−メルカプトエタンスルホン酸4gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコール(平均重合度1900、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.6モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.4モル%、末端に一般式(4)(R=H、X=−CH−CH−)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する)を得た。
なお、得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.53%、H:9.09%、O:36.34%、S:0.04%であったことから、スルホン酸基又はその塩の存在が確認された。また、メルカプトメタンスルホン酸は連鎖移動剤として重合体又は共重合体の末端に結合することから、スルホン酸末端ポリビニルアルコールが得られたものと判断した。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(実施例5)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコールを得た。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
n−ブチルアルデヒド63gとアセトアルデヒド7gの代わりに、n−ブチルアルデヒド70gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(実施例6)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコールを得た。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
n−ブチルアルデヒド63gとアセトアルデヒド7gの代わりに、n−ブチルアルデヒド43gとアセトアルデヒド27gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(実施例7)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコールを得た。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
n−ブチルアルデヒド63gとアセトアルデヒド7gの代わりに、n−ブチルアルデヒド54gとアセトアルデヒド6gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(比較例1)
作製したスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の代わりに、エチルセルロースを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(比較例2)
作製したスルホン酸末端ポリビニルアルコールの代わりに、未変性ポリビニルアルコール(平均重合度1500、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.1モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.9モル%)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(比較例3)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
メルカプトメタンスルホン酸4g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6gの代わりに、メルカプトメタンスルホン酸16g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.6gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコール(平均重合度200、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合2.2モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合97.8モル%、末端に一般式(4)(R=Na、X=−CH−)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する)を得た。
なお、得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.10%、H:9.02%、O:36.52%、S:0.36%であったことから、スルホン酸基又はその塩の存在が確認された。また、メルカプトメタンスルホン酸は連鎖移動剤として重合体又は共重合体の末端に結合することから、スルホン酸末端ポリビニルアルコールが得られたものと判断した。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(比較例4)
(1.スルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
メルカプトメタンスルホン酸4g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6gの代わりに、メルカプトメタンスルホン酸1.5g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.25gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、スルホン酸末端ポリビニルアルコール(平均重合度3600、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.8モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.1モル%、末端に一般式(4)(R=Na、X=−CH−)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する)を得た。
なお、得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.53%、H:9.06%、O:36.39%、S:0.02%であったことから、スルホン酸基又はその塩の存在が確認された。また、メルカプトメタンスルホン酸は連鎖移動剤として重合体又は共重合体の末端に結合することから、スルホン酸末端ポリビニルアルコールが得られたものと判断した。
(2.スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(比較例5)
(1.スルホン酸変性ポリビニルアルコールの作製)
酢酸ビニル2000gの代わりに、酢酸ビニル1994g、2−プロペン−1−スルホン酸6gを使用し、かつ、メルカプトメタンスルホン酸4gを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、スルホン酸変性ポリビニルアルコール(平均重合度1800、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.7モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.1モル%、下記式(5)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位の割合0.2モル%)を得た。
なお、得られたスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.40%、H:9.06%、O:36.39%、S:0.15%であった。
Figure 2013187022
(2.スルホン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸変性ポリビニルアルコールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(比較例6)
(1.スルホン酸変性及びスルホン酸末端ポリビニルアルコールの作製)
酢酸ビニル2000gの代わりに、酢酸ビニル1994g、2−プロペン−1−スルホン酸6gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、スルホン酸変性及びスルホン酸末端ポリビニルアルコール(平均重合度1500、式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位の割合1.5モル%、式(2)で表される水酸基を有する構成単位の割合98.3モル%、上記式(5)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位の割合0.2モル%)を得た。
なお、得られたスルホン酸変性及びスルホン酸末端ポリビニルアルコールを元素分析にて元素比率を確認すると、C:54.33%、H:9.07%、O:36.41%、S:0.19%であった。
(2.スルホン酸変性及びスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂の作製)
得られたスルホン酸変性及びスルホン酸末端ポリビニルアルコールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、表1に示す樹脂特性のスルホン酸変性及びスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を得た。
(3.導電ペーストの作製)
得られたスルホン酸変性及びスルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(評価1)
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、又は、エチルセルロースについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)溶解性評価
ポリビニルアセタール樹脂又はエチルセルロース10重量部を低極性のジヒドロターピネオール90重量部に溶解し、得られた溶液を下記の基準により評価した。
○:溶液が無色透明であった
×:溶液に白濁が見られた
(評価2)
実施例及び比較例で得られた導電ペーストについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)印刷性評価
スクリーン印刷機(MT−320TV、マイクロテック社製)とスクリーン版(320mm×320mm)とを用いて、平滑なガラス板上に乾燥塗膜の厚みが1μmになるように導電ペーストのスクリーン印刷を行った。印刷面を目視又は拡大顕微鏡で観察し、擦れ傷の数を調べ、下記の基準により評価した。
○:印刷面の擦れ傷が1箇所以下であった
×:印刷面に擦れ傷が2箇所以上認められた
(2)糸曳き評価
スクリーン印刷機(MT−320TV、マイクロテック社製)とスクリーン版(320mm×320mm)とを用いて、平滑なガラス板上に乾燥塗膜の厚みが1μmになるように導電ペーストのスクリーン印刷を行った。印刷面を目視又は拡大顕微鏡で観察し、印刷面の端の形状を確認し、下記の基準により評価した。
○:印刷面の端の糸状印刷部分が1箇所以下であった
×:印刷面の端に糸状印刷部分が2箇所以上認められた
(3)接着性評価
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックB「BM−S」、重合度800)10重量部を、トルエン30重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート3重量部を加え、攪拌溶解した。得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(堺化学工業社製「BT−01(平均粒径0.3μm)」)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミックスラリーを得た。得られたセラミックスラリーを、離型処理したポリエステルフィルム上に乾燥塗膜の厚みが約5μmになるように塗布し、常温で1時間風乾し、熱風乾燥機を用いて80℃で3時間、続いて120℃で2時間乾燥させてセラミックグリーンシートを得た。
スクリーン印刷機(MT−320TV、マイクロテック社製)とスクリーン版(320mm×320mm)とを用いて、実施例及び比較例で得られた導電ペーストを上記で得られたセラミックグリーンシート上に10cm×10cmの正方形にスクリーン印刷した。得られたシートを5cm角に切断し、これを100枚積層して圧力150kg/cm、10分間の熱圧着条件で圧着し、セラミックグリーンシート積層体を得た。得られたセラミックグリーンシート積層体を窒素雰囲気で、昇温速度3℃/分で450℃まで昇温し、5時間保持後、更に昇温速度5℃/分で1350℃まで昇温し、10時間保持し、セラミック焼結体を得た。得られた焼結体を半分に割り、シート状態を観察してデラミネーションの発生率を評価し、下記の基準により評価した。
○:デラミネーションの発生率が5%未満であった
×:デラミネーションの発生率が5%以上であった
Figure 2013187022
本発明によれば、デラミネーションの発生を抑制することができ、かつ、印刷性に優れた導電ペーストを提供することができる。

Claims (1)

  1. スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂と、導電性粉末と、有機溶剤とを含有する導電ペーストであって、
    前記スルホン酸末端ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が300〜3300であり、下記式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位と、下記式(2)で表される水酸基を有する構成単位と、下記一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位とを有し、更に、末端に下記一般式(4)で表されるスルホン酸基又はその塩を有する構成単位を有する
    ことを特徴とする導電ペースト。
    Figure 2013187022
    Figure 2013187022
    Figure 2013187022
    一般式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
    Figure 2013187022
    一般式(4)中、Rは水素原子又は金属元素を表し、Xは炭素数1〜6の炭化水素基を表す。
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