JP7093288B2 - 水性エマルションの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体から得られる水性エマルション(C)の製造方法であって、
前記重合体に対して、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を0.1~50質量%含有するように、前記重合体を含む溶液又は前記重合体を含む水性エマルション(B)と前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を混合することを特徴とする、水性エマルション(C)の製造方法。
[2]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、側鎖のエチレン性不飽和基として、側鎖に下記式[I]で示される部分構造を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)である、前記[1]の水性エマルション(C)の製造方法。
[3]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、側鎖のエチレン性不飽和基として、下記式[II]または[III]で示される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)である、前記[1]または[2]の水性エマルション(C)の製造方法。
[4]前記重合体が、エチレン性不飽和単量体の重合体であり、エチレン性不飽和単量体の重合体がアクリル系単量体からなる構造単位を有する、前記[1]~[3]のいずれかの水性エマルションの製造方法。
[5]前記重合体を含む水性エマルション(B)が、乳化剤を用いてエチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水中に分散させ、乳化重合を行うことにより得られる、前記[1]~[4]のいずれかの水性エマルション(C)の製造方法。
[6]側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)と重合体とを含む水性エマルション(C)であって、前記重合体に対して、前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を0.1~50質量%含有し、前記重合体が、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体である水性エマルション(C)。
[7]前記[6]に記載の水性エマルション(C)が塗工されてなる塗工硬化物。
本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する。本発明では、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)と重合体とを含む水性エマルション(C)であって、前記重合体が、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体であることで、高エネルギー線や電磁波又は加熱による反応性に優れた水性エマルション(C)を提供することができる。
照射する高エネルギー線及び電磁波は特に限定されない。高エネルギー線としては、例えば電子線などが挙げられる。電磁波としては、マイクロ波、紫外線(UV)、可視光、赤外線などが挙げられる。中でもUVが好ましい。電磁波を照射する場合は、通常、電磁波によりラジカルを発生させるラジカル発生剤を添加する必要がある。
本発明で用いられる重合体を含む溶液又は重合体を含む水性エマルション(B)は、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を含むものである。当該重合体については、〔水性エマルション(C)〕において後述する。本発明で用いられる前記重合体を含む溶液又は前記重合体を含む水性エマルション(B)は、溶液(B)であってもよく、水性エマルション(B)であってもよいが、好ましくは水性エマルション(B)である。水性エマルション(B)である場合、好ましくは、前記重合体以外に、水及び分散剤を含む。水性エマルション(B)としては、例えば市販のSBRエマルション(日本エイアンドエル株式会社製SR-103)などを用いることができる。
本発明で得られる水性エマルション(C)は、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とする。本明細書では分散系中に均一に分散している固体粒子を分散質とし、分散質の凝集、沈降を防ぎ、安定に存在させるための助剤を分散剤とする。本発明では、前記重合体に対して、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を一定量含有するように、前記重合体を含む溶液又は前記重合体を含む水性エマルション(B)と前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を混合する。これにより、高エネルギー線や電磁波又は加熱による反応性を有し、耐水性に優れた水性エマルション(C)を提供できる。後述する実施例と比較例との対比から明らかなように、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水中に分散させ、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を分散剤として乳化重合を行った場合、得られる水性エマルションは、UV照射又は加熱による反応性を示さず、また溶出率と吸水率が高く耐水性に劣ることになる。これに対し、前記重合体を含む溶液に、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を添加して後乳化(強制乳化又は自己乳化)する方法や、前記重合体を含む水性エマルション(B)に、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を添加して混合する方法(後添加)を採用することにより、得られる水性エマルション(C)はUV照射又は加熱による反応性を有し、側鎖のエチレン性不飽和基が架橋されて耐水性に優れることになる。エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体の種類は特に限定されないが、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルであるアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルエチルおよびこれらの四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド系モノマー、スチレン、α-メチルスチレン、p-スチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体、その他N-ビニルピロリドン等が挙げられる。またジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体としては、上記した単量体の単独重合体または共重合体が利用でき、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体の共重合体であってもよい。これらの中でも、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルであるアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルエチル並びにこれらの四級化物などのエチレン性不飽和単量体を構造単位に含む重合体が好ましい。これらは単独の重合体でもよく、二種以上の共重合体でもよい。
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、合成例1~6で得られた変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の1H-NMRを、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温で測定した。ビニルアルコール構造の主鎖メチンプロトン由来のピーク(3.1~4.0ppm)からビニルアルコール単位の含有量を算出した。合成例1~5ではさらに、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0~7.5ppm)の積分値から側鎖に導入された変性部位の構造単位の含有量を算出した。
東ソー株式会社製サイズ排除高速液体クロマトグラフィー装置「HLC-8320GPC」を用い、変性ポリビニルアルコール樹脂の数平均分子量(Mn)を測定した。測定条件は以下の通りである。
カラム:東ソー株式会社製HFIP系カラム「GMHHR-H(S)」2本直列接続
標準試料:ポリメチルメタクリレート
溶媒及び移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム-HFIP溶液(濃度20mM)
流量:0.2mL/min
温度:40℃
試料溶液濃度:0.1wt%(開口径0.45μmフィルターでろ過)
注入量:10μL
検出器:RI
光ラジカル発生剤である2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシメトキシ)-2-メチルプロピオフェノン(HEMP)をエマルション(C)中のビニルアルコール系重合体に対して1質量%添加したエマルション(C)を40℃で16時間乾燥して、厚さが約0.5mmの皮膜(UV照射前)を作製した。作製した皮膜(UV照射前)に、UV照射量がそれぞれ5000mJ/cm2と10000mJ/cm2になるように、UV(トスキュア、365nm、照射強度25mW/cm2)を照射した。
UV照射後の皮膜の質量[W4]を測定後、沸騰水中に1時間浸漬し、沸騰水から取り出して、40℃で12時間真空乾燥した後に質量[W3]を測定した。以下の式に従って煮沸条件下における溶出率を算出した。そして、この溶出率を耐水性の指標とした。本数値が低いほど反応性が高く、耐水性も高いことを意味する。
溶出率(質量%)=100×([W4]-[W3])/[W4]
上記に従い皮膜(UV照射前)を作製し、UV(トスキュア、365nm、照射強度25mW/cm2、照射量10000mJ/cm2)を照射した。UV照射後の皮膜を25℃、60%RHで一週間調湿し、調湿後の皮膜0.3gを用いてハロゲン水分計(メトラートレド製)で測定しつつ、150℃で加熱して水分の減少が平衡状態になるまで維持し、加熱中に気化した水分を定量した。以下の式から吸水率(質量%)を求めた。
吸水率(質量%)=100×[加熱中に気化した水分]/[加熱前の皮膜の質量]
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、ジメチルスルホキシド(DMSO)450質量部/メタクリル酸メチル(MMA)450質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA28-98)100質量部、酢酸ナトリウム1.8質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、3時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にメタクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)[PVOH-A]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、ジメチルスルホキシド(DMSO)450質量部/メタクリル酸メチル(MMA)450質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA28-98)100質量部、酢酸ナトリウム1.8質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、6時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にメタクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)[PVOH-B]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/メタクリル酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5-88)160質量部、酢酸ナトリウム2.3質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、8時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にメタクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)[PVOH-C]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO450質量部/3,3-ジメチル-4-ペンテン酸メチル450質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA28-98)160質量部、ナトリウムメトキシド1.8質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、6時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖に3,3-ジメチル-4-ペンテン酸由来のアシル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)[PVOH-D]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/メタクリル酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5-88)160質量部、酢酸ナトリウム2.3質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、1時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にメタクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)[PVOH-F]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール50質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03質量部を添加し重合を開始した。60℃で150分重合した後、冷却して重合を停止した。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(濃度16.6%)を得た。次に、このメタノール溶液60.2質量部にメタノール6.0質量部を加え、さらに、0.42質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度10%)を添加して、40℃でけん化を行った。反応中に生成したゲル状物を粉砕機にて粉砕し、粉砕物を反応器に戻して40℃のまま計60分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル100質量部と水10質量部を加えて残存するアルカリを中和した。内容物を濾別して白色固体を得、これにメタノール1000gを加えて1時間加熱還流した。メタノールを入れ替えて同様の操作を3回繰り返した後、得られた白色固体を40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、高重合度のポリビニルアルコール樹脂[PVOH-G]を得た。結果を表1に示す。
市販のSBRエマルション(日本エイアンドエル株式会社製SR-103)100部に対して、合成例1で得られたPVOH-Aの10%水溶液24部を添加して撹拌した。実施例1で得られた水性エマルション(C)は、分散質であるスチレン-ブタジエン共重合体に対してPVOH-Aを5%含有していた。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水158質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王製、商品名:ネオペレックスG-15)37.5部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル100質量部、アクリル酸ブチル(n-BA)100質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、水性エマルション(B)を得た。得られた水性エマルション(B)50部に、合成例1で得られたPVOH-Aの10%水溶液12.5部を添加して撹拌した。実施例2で得られた水性エマルション(C)は、分散質であるMMA-BA共重合体に対してPVOH-Aを5%含有していた。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水158質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王製、商品名:ネオペレックスG-15)37.5部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル100質量部、アクリル酸ブチル(n-BA)100質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、水性エマルション(B)を得た。得られた水性エマルション(B)50部に、合成例2で得られたPVOH-Bの10%水溶液12.5部を添加して撹拌した。実施例3で得られた水性エマルション(C)は、分散質であるMMA-BA共重合体に対してPVOH-Bを5%含有していた。
攪拌機、滴下ロート、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にメチルエチルケトン500部、メタクリル酸メチル131.6部、アクリル酸ブチル236.8部を仕込み、窒素置換した。一方滴下ロートに、それぞれ窒素置換したメチルエチルケトン157.9部、メタクリル酸メチル157.9部およびアゾビスイソブチロニトリル0.4部を仕込んだ。重合容器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加え、メチルメタクリレートの消費速度に合わせて、滴下ロートよりモノマーを滴下した。モノマー滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル1.4部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加え、更に2時間熟成後、アゾビスイソブチロニトリル0.7部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加え、4時間反応を続けて、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル共重合体のメチルエチルケトン溶液(B)(固形分43.3%)を得た。該共重合体のメチルエチルケトン溶液(B)100部に、合成例3で得られたPVOH-Cの10%水溶液を100部加え、強制乳化法(機械的せん断力による乳化法)によりMMA-BA共重合体の水性エマルション(C)を得た。実施例4で得られた水性エマルション(C)は、分散質であるMMA-BA共重合体に対してPVOH-Cを23%含有していた。
市販のSBRエマルション(日本エイアンドエル株式会社製SR-103)100部に対して、合成例4で得られたPVOH-Dの10%水溶液96部を添加して攪拌した。実施例5で得られた水性エマルション(C)は、分散質であるスチレン-ブタジエン共重合体に対してPVOH-Dを20%含有していた。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水158質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王製、商品名:ネオペレックスG-15)37.5部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル100質量部、アクリル酸ブチル(n-BA)100質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、水性エマルション(B)を得た。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水158質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王製、商品名:ネオペレックスG-15)37.5部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル100質量部、アクリル酸ブチル(n-BA)100質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、水性エマルション(B)を得た。得られた水性エマルション(B)50部に、市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA28-98)であるPVOH-Eの10%水溶液12.5部を添加して撹拌した。比較例2で得られた水性エマルションは、分散質であるMMA-BA共重合体に対してPVOH-Eを5%含有していた。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例5で得られたPVOH-Fを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液質量10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル(n-BA)50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。比較例3で得られた水性エマルションにおいて、分散質であるMMA-BA共重合体に由来する成分を100質量部とした際、PVOH-Fに由来する成分は15質量部である。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水158質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王製、商品名:ネオペレックスG-15)37.5部、0.1%過硫酸カリウム水溶液質量10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル100質量部、アクリル酸ブチル(n-BA)100質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、水性エマルション(B)を得た。得られた水性エマルション(B)50部に、合成例6で得られたPVOH-Gの10%水溶液12.5部を添加して攪拌した。比較例4で得られた水性エマルションは、分散質であるMMA-BA共重合体に対してPVOH-Gを5%含有していた。
市販のSBRエマルション(日本エイアンドエル株式会社製SR-103)100部に対して、合成例6で得られたPVOH-Gの10%水溶液48部を添加して攪拌した。比較例5で得られた水性エマルションは、分散質であるスチレン-ブタジエン共重合体に対してPVOH-Gを10%含有していた。
Claims (6)
- エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体から得られる水性エマルション(C)の製造方法であって、
前記重合体に対して、側鎖のエチレン性不飽和基として、側鎖に下記式[I]で示される部分構造を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を0.1~50質量%含有するように、前記重合体を含む溶液又は前記重合体を含む水性エマルション(B)と前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を混合することを特徴とする、水性エマルション(C)の製造方法。
- 前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、側鎖のエチレン性不飽和基として、下記式[II]または[III]で示される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)である、請求項1に記載の水性エマルション(C)の製造方法。
- 前記重合体が、エチレン性不飽和単量体の重合体であり、エチレン性不飽和単量体の重合体がアクリル系単量体からなる構造単位を有する、請求項1または2に記載の水性エマルション(C)の製造方法。
- 前記重合体を含む水性エマルション(B)が、乳化剤を用いてエチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水中に分散させ、乳化重合を行うことにより得られる、請求項1~3のいずれか一項に記載の水性エマルション(C)の製造方法。
- 請求項5に記載の水性エマルション(C)が塗工されてなる塗工硬化物。
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