JP6741687B2 - メロナールの調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シトラールの酸化方法、特にバイヤー・ビリガー酸化用触媒としてスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒の存在下に過酸化水素を用いたシトラールのバイヤー・ビリガー型酸化方法に関する。
有機化合物の酸化反応、特にバイヤー・ビリガー反応は、容易に利用可能なカルボニル化合物をより複雑で価値ある生成物に変換するためにかなり興味深い。
過酸化水素及びスズ含有多孔質物質を用いたシトラール(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール)の化学選択的酸化が開発されたことは、Cormaら、Journal of Catalysis 234(2005) 96-100に記載されている。触媒の合成は、例えば長い合成時間、HF、高価な鋳型剤などの結晶化助剤を使用する必要性によって例示されるように、非常に複雑であり、それらのすべてがスケールアップを困難にすることに留意すべきである。さらに、特に、Cormaらにおいて、実験を実施するのに使用されたシトラールは市販品、特にAldrich社から購入した製品であったことが明確に記載されている。Aldrich社によって提供されるシトラール製品はすべて、ゲラニアール(trans-シトラール;シトラールのE-異性体)及びネラール(cis-シトラール;シトラールのZ-異性体)の1:1混合物であることに留意すべきである。したがって、文献にどの式が示されているのかに関わりなく、Cormaらの当業者に対する直接的で明白な教示は、明確にゲラニアールとネラールのみの1:1混合物に限定され、当業者はあらゆる式を前記ゲラニアールとネラールの1:1混合物を表すものと解釈する。
国際公開第2014/068134号には、過酸化水素及び触媒としてスズ含有ゼオライト材料を用いたシトラールの酸化が記載されている。ゲラニアール(trans-シトラール)とネラール(cis-シトラール)の1:1混合物はシトラール出発物質として使用される。
シトラールの酸化から得られるバイヤー・ビリガー酸化生成物である2,6-ジメチル-5-ヘプテナール(メロナールとも呼ばれる)は、商業的に興味深い生成物であるので、調製方法を改良することが絶えず求められている。特に、高い選択性を示す方法を提供することが絶えず求められている。さらに、反応時間は工業規模の方法において関心事である。
国際公開第2014/068134号
Cormaら、Journal of Catalysis 234(2005) 96-100
したがって、本発明の目的は、先行技術による方法の不利な点を示さず、バイヤー・ビリガー酸化生成物への高い選択性が達成される、過酸化水素を用いたシトラールのバイヤー・ビリガー酸化方法を提供することであった。
本発明の別の目的は、先行技術による方法の不利な点を示さず、短い反応時間を実現することができる、過酸化水素を用いたシトラールのバイヤー・ビリガー酸化方法を提供することであった。
驚くべきことに、出発物質として、50%を超えるtrans-シトラール、すなわちゲラニアールを含有するシトラールが使用されれば、上記の難点を解決できることが明らかになった。
したがって、本発明は、式(III)の化合物を調製する方法、好ましくは液相方法であって、
(i)式(I)の化合物
(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、式(II)の化合物
及び場合により式(III)の化合物を含む反応混合物を得る工程
を含む方法に関する。
方法
市販のシトラールは、モル比1:1のゲラニアールとネラールの混合物である。本発明によれば、50%を超えるトランス異性体を含む式(I)の化合物が使用される、すなわち式(I)の化合物の50%超が式(Ia)の化合物として存在し、50%未満が式(Ib)の化合物として存在する。
式(I)の化合物の50%超を式(Ia)の化合物として含むこれらの混合物は、いずれかの考え得る任意の方法に従って調製することができ、ゲラニアールとネラールの1:1混合物の分留など蒸留が好ましいことがある。
(i)によれば、式(I)の化合物の少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%が式(Ia)の化合物として存在することが好ましい。より好ましくは、式(I)の化合物の少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%が式(Ia)の化合物として存在する。したがって、(i)において使用される式(I)の化合物の少なくとも98%は式(Ia)の化合物からなり、(i)において使用される式(I)の化合物の最大でも2%は式(Ib)の化合物からなることが好ましい。考え得る実施形態によれば、(i)において使用される式(I)の化合物の少なくとも99%は式(Ia)の化合物からなり、(i)において使用される式(I)の化合物の最大でも1%は式(Ib)の化合物からなり、又は(i)において使用される式(I)の化合物の少なくとも99.5%は式(Ia)の化合物からなり、(i)において使用される式(I)の化合物の最大でも0.5%は式(Ib)の化合物からなり、又は(i)において使用される式(I)の化合物の少なくとも99.9%は式(Ia)の化合物からなり、(i)において使用される式(I)の化合物の最大でも0.01%は式(Ib)の化合物からなる。
バイヤー・ビリガー酸化触媒として、スズ含有モレキュラーシーブが使用されることが好ましい。BET比表面積、細孔容積、細孔容積分布、チャネル、結晶化度などの化学組成及び物理的特性に関しては、本発明の方法を実施することができることを条件として特定の制限は存在しない。好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブは、ミクロ孔若しくはメソ孔、又はミクロ孔及びメソ孔を含む。ミクロ孔及び/又はメソ孔に加えて、スズ含有モレキュラーシーブはマクロ孔も含むことができる。本発明の文脈において、用語「ミクロ孔」とは直径2nm未満の細孔に関し、用語「メソ孔」とは直径2〜50ナノメートルの細孔に関し、用語「マクロ孔」とは直径が50ナノメートルを超える細孔に関する。
スズ含有モレキュラーシーブがメソポーラスモレキュラーシーブを含む又はそれからなる場合、スズ含有モレキュラーシーブは、例えばK. S. W. Sing, D. H. Everett, R. A. W. Haul, L. Moscou, R. A. Pierotti, J. Rouquerol, T. Siemieniewska, Reporting Physisorption Data for Gas/Solid Systems with Special Reference to the Determination of Surface Area and Porosity (Recommendations 1984) Pure & Appl. Chem. 57(1985) 603-619に定義されるようなIV型のN2吸着等温線を示すことが好ましい。スズ含有モレキュラーシーブがメソポーラスモレキュラーシーブを含む又はそれからなる場合、スズ含有モレキュラーシーブがMCM-41を含み、好ましくはそれからなることが好ましいことがある。
好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブはマイクロポーラスモレキュラーシーブを含み、好ましくはそれからなる。そのようなマイクロポーラスモレキュラーシーブは、例えばスズ含有金属有機構造体(MOF)材料又はスズ含有ゼオライト材料を含んでもよい。より好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブがスズ含有ゼオライト材料を含み、好ましくはそれからなる。
スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型は、本発明の方法を実施することができることを条件として、どんな特定の制限にも影響を受けない。一般に、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型は、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、CHI、CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、ITY、ISV、ITE、ITG、ITH、ITN、ITR、ITT、ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、PAR、PAU、PCR、PHI、PON、PUN、RHO、RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、SSO、SSY、STF、STI、STT、STW、SVR、SVV、SZR、TER、THO、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、WEN、YUG、ZON、それらの2つ以上の混合物、及びそれらの2つ以上の混合型からなる群から選択することができる。
好ましくは、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型は、BEA、MWW、MFI、それらの2つ以上の混合物、及びそれらの2つ以上の混合型からなる群から選択される。より好ましくは、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型は、BEA、MWW、それらの混合物、及びそれらの混合型からなる群から選択される。より好ましくは、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型は、構造型BEAを含み、より好ましくはそれからなる。骨格構造、特に骨格構造型BEAの定義に関して、Baerlocherら、Atlas of Zeolite Framework Structures, Sixth Revised Edition, Elsevier, Amsterdam(2007)、特にpp 72-73にそれぞれの定義が示されている。
したがって、本発明は、
(i)式(I)の化合物(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、式(II)の化合物及び場合により式(III)の化合物を含む反応混合物を得る工程
を含む、上記に定義した方法に関する。
好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブの骨格構造の少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%が、Sn、O、H、4価の元素Y、及び場合により3価の元素Xからなる。より好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブの骨格構造の少なくとも99重量%、より好ましくは少なくとも99.5重量%、より好ましくは少なくとも99.9重量%が、Sn、O、H、4価の元素Y、及び場合により3価の元素Xからなる。
4価の元素Yに関して、それがモレキュラーシーブの骨格に存在することは、YO2の存在と呼ばれることもあり、特定の制限は存在しない。好ましくは、YはSi、Ge、Ti、及びZrの1つ以上を含み、より好ましくはそれである。より好ましくは、YはSiを含み、より好ましくはSiである。3価の元素Xに関して、それがモレキュラーシーブの骨格に存在することは、X2O3の存在と呼ばれることもあり、特定の制限は存在しない。好ましくは、XはAlでない。好ましくは、XはB、In、Ga、及びFeの1つ以上を含み、より好ましくはそれである。より好ましくは、YはBを含み、より好ましくはBである。好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブはAlを含まない。ここで、用語「Alを含まない」とは、スズ含有モレキュラーシーブがそれらから調製される出発物質の不純物によって、又はスズ含有モレキュラーシーブを調製するのに使用されるAl含有モレキュラーシーブからのAlの不完全な除去によって存在するAlを微量のみ含むスズ含有モレキュラーシーブの化学組成を指す。
スズ含有モレキュラーシーブのスズ含有量に関して、この含有量は、0.1〜20重量%の範囲、より好ましくは0.5〜18重量%の範囲、より好ましくは0.75〜17重量%の範囲、より好ましくは1〜16重量%の範囲、より好ましくは1.5〜15重量%の範囲、より好ましくは2〜14重量%の範囲であることが好ましい。好ましい範囲は、例えば8〜14重量%、より好ましくは10〜14重量%である。
したがって、本発明はまた、
(i)式(I)の化合物(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、スズ含有量がスズ含有モレキュラーゼオライト材料の全重量に対して2〜14重量%の範囲である骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、反応混合物を得る工程
を含む、上記に定義した方法にも関する。
好ましくは、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%が、Sn、O、H、Si、及び場合によりBからなる。より好ましくは、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%、より好ましくは少なくとも99.5重量%、より好ましくは少なくとも99.9重量%が、Sn、O、H、Si、及び場合によりBからなる。
好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブ、好ましくはスズ含有ゼオライト材料、より好ましくは骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造において、B2O3:SiO2のモル比は、最大でも0.01:1、好ましくは0.001:1〜0.01:1の範囲、より好ましくは0.001:1〜0.003:1の範囲である。
したがって、本発明はまた、
(i)式(I)の化合物(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、スズ含有量がスズ含有モレキュラーゼオライト材料の全重量に対して2〜14重量%の範囲である骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、反応混合物を得る工程であって、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%はSn、O、H、Si、及び場合によりBからなる工程
を含む、上記に定義した方法にも関する。
したがって、本発明はまた、
(i)式(I)の化合物(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、スズ含有量がスズ含有モレキュラーゼオライト材料の全重量に対して2〜14重量%の範囲である骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、反応混合物を得る工程であって、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%はSn、O、H、Si、及びBからなり、ここで、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造において、B2O3:SiO2のモル比は0.001:1〜0.01:1の範囲である工程
を含む、上記に定義した方法にも関する。
スズ含有モレキュラーシーブ、好ましくはスズ含有ゼオライト材料、より好ましくは骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を調製することができる調製方法に関して、特定の制限は存在しない。特に骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料に関して、ゼオライト材料の調製方法は、固体イオン交換法で適切なゼオライト材料出発物質にスズを組み込む工程を含むことが好ましい。そのような適切なゼオライト材料出発物質は、例えば四面体骨格の空席を有するゼオライト材料とすることができ、それらの部位において、好ましくは固体イオン交換法でスズが組み込まれる。
BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料を調製する好ましい方法及びBEA骨格構造を有する好ましいスズ含有ゼオライト材料は、示される従属関係及び参照関係に従って以下の実施形態及び実施形態の組合せにより以下に記載される。
1. BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料を調製する方法であって、
(a)X2O3及びYO2を含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料を用意する工程であって、ここで、YはSi、Ti、Zr、Ge、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される4価の元素であり、XはAl、B、In、Ga、Fe、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される3価の元素であり、前記BEA骨格構造は四面体骨格の空席を有する工程、
(b)固体の形のスズイオン源を用意する工程、
(c)(a)において用意されたゼオライト材料を(b)において用意されたスズイオン源と固体イオン交換条件下で接触させることによって、(a)において用意されたゼオライト材料にスズを組み込み、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料を得る工程、
(d)(c)から得られたゼオライト材料を熱処理にかける工程、
(e)場合により、(d)から得られた熱処理されたゼオライト材料を最大でも5のpHを有する水溶液で処理する工程
を含む方法。
2. YがSiであり、XがBである、実施形態1に記載の方法。
3. (a)によれば、四面体骨格の空席を有するBEA骨格構造を有するゼオライト材料が、
(a.1) BEA骨格構造を有するゼオライト出発物質を用意する工程であって、ここで、ゼオライト出発物質の骨格構造はX2O3及びYO2を含み、X2O3:YO2のモル比は0.02:1より大きく、好ましくは少なくとも0.03:1、より好ましくは0.03:1〜0.07:1、より好ましくは0.03:1〜0.06:1、より好ましくは0.03:1〜0.05:1の範囲である工程、
(a.2)(a.1)において用意されたゼオライト出発物質を液体溶媒系で、好ましくは還流下に処理することによって、四面体骨格の空席を作り出し、X2O3:YO2のモル比が最大でも0.02:1であるゼオライト材料を得る工程であって、ここで、液体溶媒系は、好ましくは水、メタノール、エタノール、プロパノール、エタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、プロパン-1,2,3-トリオール、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは水であり、より好ましくは無機若しくは有機酸、又はその塩を含有せず、ここで、処理は、好ましくは50〜125℃、より好ましくは90〜115℃、より好ましくは95〜105℃の範囲の温度にて、好ましくは6〜20時間、より好ましくは7〜17時間、より好ましくは8〜12時間の範囲で実施される工程、
(a.3)(a.2)から得られたゼオライト材料を液体溶媒系から少なくとも部分分離し、場合により乾燥を含む工程、
(a.4) 場合により、(a.3)から得られた分離されたゼオライト材料を好ましくは400〜700℃、より好ましくは450〜550℃の範囲の温度にて、好ましくは1〜10時間、より好ましくは3〜6時間の範囲でか焼する工程
を含む方法で用意される、実施形態1又は2に記載の方法。
4. (a)において用意されたゼオライト材料の骨格構造において、X2O3:YO2のモル比が、最大でも0.02:1、好ましくは最大でも0.01:1、より好ましくは0.0005:1〜0.01:1、より好ましくは0.0009:1〜0.003:1の範囲である、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
5. (a)において用意されたゼオライト材料の骨格構造の少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%が、X2O3及びYO2からなる、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
6. (b)において用意されたスズイオン源が、スズ(II)アルコキシド、スズ(IV)アルコキシド、有機酸のスズ(II)塩、有機酸のスズ(IV)塩、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するスズ(II)アルコキシド、1〜4個の炭素原子を有するスズ(IV)アルコキシド、1〜6個の炭素原子を有する有機酸のスズ(II)塩、1〜6個の炭素原子を有する有機酸のスズ(IV)塩、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、ここで、より好ましくは、(ii)において用意されたスズイオン源は酢酸スズ(II)である、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
7. (c)によれば、ゼオライト材料と接触させているスズイオン源に含有されているスズ対ゼオライト材料の四面体骨格の空席のモル比は最大でも1:1である、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
8. (c)において、(a)において用意されたゼオライト材料を(b)において用意されたスズイオン源と固体イオン交換条件下で接触させることは、(a)において用意されたゼオライト材料とスズイオン源を混合する工程を含む、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
9. (c)において、ゼオライト材料が、スズイオン源と2分〜5時間、好ましくは5分〜3時間、より好ましくは10分〜2時間の範囲で混合される、実施形態8に記載の方法。
10. 混合が、撹拌下に100〜1000W、好ましくは200〜800W、より好ましくは300〜600Wの範囲の撹拌エネルギー入力で実施される、実施形態8又は9に記載の方法。
11. ゼオライト材料をスズイオン源と共に摩砕する前にゼオライト材料を粉砕及び/若しくは摩砕する工程、又はゼオライト材料をスズイオン源と共に摩砕する前にスズイオン源を粉砕及び/若しくは摩砕する工程、又はゼオライト材料をスズイオン源と共に摩砕する前にゼオライト材料を粉砕及び/若しくは摩砕する工程とゼオライト材料をスズイオン源と共に摩砕する前にスズイオン源を粉砕及び/若しくは摩砕する工程を含む、実施形態8から10のいずれかに記載の方法。
12. ゼオライト材料及びスズイオン源を場合により懸濁液の形で混練する工程を含む、実施形態8から10のいずれかに記載の方法。
13. (d)による熱処理がか焼を含み、ここで、か焼は好ましくは400〜700℃、より好ましくは450〜650℃、より好ましくは500〜600℃の範囲の温度にて、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜8時間、より好ましくは3〜6時間の範囲で、好ましくは酸素を含む雰囲気中で少なくとも一部実施され、ここで、(d)による熱処理は、好ましくは不活性ガス雰囲気中で一部実施される、実施形態1から11のいずれかに記載の方法。
14. (e)において、水溶液が、好ましくはシュウ酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される有機酸を含み、かつ/又は好ましくはリン酸、硫酸、塩酸、硝酸、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される無機酸を含み、無機酸はより好ましくは硝酸である、実施形態1から13のいずれかに記載の方法。
15. (e)において、水溶液が、0〜5、好ましくは0〜3.5、より好ましくは0〜2の範囲のpHを有する、実施形態1から14のいずれかに記載の方法。
16. (d)において、熱処理された材料が、20〜130℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは90〜110℃の範囲の温度において水溶液で処理される、実施形態1から15のいずれかに記載の方法。
17. (d)において、熱処理されたゼオライト材料が、水溶液で10分〜40時間、好ましくは30分〜30時間、より好ましくは1〜25時間の範囲で処理される、実施形態1から16のいずれかに記載の方法。
18. (d)において、熱処理されたゼオライト材料が、水溶液対熱処理されたゼオライト材料の重量比2:1〜50:1、好ましくは8:1〜40:1、より好ましくは10:1〜35:1の範囲にて、水溶液で処理される、実施形態1から17のいずれかに記載の方法。
19. (f) (e)から、場合により(e)から得られたゼオライト材料を場合により洗浄した後に乾燥及び/又はか焼する工程であって、ここで、乾燥は、好ましくは100〜180℃、好ましくは120〜150℃の範囲の温度にて、10〜70時間、好ましくは15〜25時間の範囲で実施され、か焼は、好ましくは550〜700℃、好ましくは600〜680℃の範囲の温度にて、1〜10時間、好ましくは2〜5時間の範囲で実施される工程をさらに含む、実施形態1から18のいずれかに記載の方法。
20. (g)(d)又は(e)又は(f)、好ましくは(f)から得られたBEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料を造形し、成形物を得る工程、
(h)(g)から得られた成形物を乾燥及び/又はか焼する工程、
(j) 場合により、(g)又は(h)、好ましくは(h)から得られた成形物を水処理にかける工程であって、ここで、水処理は、成形物をオートクレーブ中、自生圧力下で100〜200℃の範囲の温度にて液体水で処理する工程を含む工程、
(k) 場合により、(j)から得られた水処理された成形物を乾燥及び/又はか焼する工程
をさらに含む、実施形態1から19のいずれかに記載の方法。
21. (j)が、
(j.1)BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料と最大でも5のpHを有する水溶液を含む混合物を調製する工程、
(j.2)結合剤又はその前駆体、好ましくはシリカ結合剤又はその前駆体、好ましくは造孔剤、及び場合により可塑剤を(j.1)から得られた混合物に添加する工程、
(j.3)(j.2)から得られた混合物を造形処理にかける工程
を含む、実施形態20に記載の方法。
22. (k)が、
(k.1)(j)から得られた成形物を75〜200℃、好ましくは90〜170℃、より好ましくは100〜150℃の範囲の温度で乾燥する工程、
(k.2)(k.1)から得られた乾燥させた成形物を400〜650℃、好ましくは450〜600℃、より好ましくは475〜550℃の範囲の温度でか焼する工程
を含む、実施形態20又は21に記載の方法。
23. 実施形態1から19又は20から22のいずれかによる方法で得ることができる又は得られるBEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料。
24. X2O3及びYO2を含むBEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料であって、ここで、Yは、Si、Ti、Zr、Ge、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される4価の元素であり、好ましくはSiであり、Xは、B、In、Ga、Fe、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される3価の元素であり、好ましくはBであり、ここで、骨格構造は、スズをさらに含み、ここで、ゼオライト材料の骨格構造において、X2O3:YO2、好ましくはB2O3:SiO2のモル比は最大でも0.02:1、好ましくは最大でも0.01:1、より好ましくは0.0005:1〜0.01:1、より好ましくは0.0009:1〜0.003:1の範囲であり、ここで、ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%はX、Y、O、H、及びスズからなり、好ましくはB、Si、O、及びスズからなり、ここで、スズ含有ゼオライト材料は水吸着が最大でも12重量%、好ましくは最大でも10重量%である、スズ含有ゼオライト材料。
25. スズ含有量が、スズ含有ゼオライト材料の全重量に対して0.1〜20重量%の範囲、好ましくは0.5〜18重量%の範囲、より好ましくは1〜16重量%の範囲、より好ましくは2〜14重量%の範囲である、実施形態24に記載のスズ含有ゼオライト材料。
26. 200〜220nmの範囲で最大値を示すUV/Visスペクトルを有する、実施形態24又は25に記載のスズ含有ゼオライト材料。
27. XRDスペクトルが、2θ値(21.5±0.2)°、(22.6±0.2)°、(25.5±0.2)°、(26.6±0.2)°、(28.8±0.2)°、(29.7±0.2)°、(32.2±0.2)°、(34.0±0.2)°、(37.9±0.2)°においてピークを示す、実施形態24から26のいずれかに記載のスズ含有ゼオライト材料。
28. 請求項1から19のいずれかに記載の方法で得ることができる又は得られる、実施形態24から27のいずれかに記載のスズ含有ゼオライト材料。
29. 成形物中に含まれ、前記成形物は、好ましくは結合剤、好ましくはシリカ結合剤をさらに含む、実施形態24から28のいずれかに記載のスズ含有ゼオライト材料。
したがって、本発明はまた、式(III)の化合物を調製する方法であって、
(i)式(I)の化合物(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、反応混合物を得る工程であって、前記触媒は、固体イオン交換法でBEA骨格構造を有し、四面体骨格の空席を有するゼオライト材料にスズを組み込む工程を含む方法で得ることができる又は得られる骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含み、ここで、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料は、好ましくはスズ含有量がスズ含有モレキュラーゼオライト材料の全重量に対して2〜14重量%の範囲であり、ここで、好ましくは骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%は、Sn、O、H、Si、及びBからなり、ここで、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造において、B2O3:SiO2のモル比は、好ましくは0.001:1〜0.01:1の範囲である工程
を含む方法にも関する。
したがって、本発明はまた、式(III)の化合物を調製する方法であって、ここで、構造型BEAを含み、好ましくはそれからなるスズ含有ゼオライト材料は、
(a)X2O3及びYO2を含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料を用意する工程であって、ここで、YはSi、Ti、Zr、Ge、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される4価の元素、好ましくはSiであり、XはB、In、Ga、Fe、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される3価の元素、好ましくはBであり、前記BEA骨格構造は四面体骨格の空席を有する工程、
(b)固体の形のスズイオン源、好ましくは酢酸スズ(II)を用意する工程、
(c)(a)において用意されたゼオライト材料を(b)において用意されたスズイオン源と固体イオン交換条件下で接触させることによって、好ましくは(a)において用意されたゼオライト材料とスズイオン源を混合し、(a)において用意されたゼオライト材料とスズイオン源の混合物を粉砕及び/又は摩砕することを含むことによって、(a)において用意されたゼオライト材料にスズを組み込み、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料を得る工程、
(d)(c)から得られたゼオライト材料を熱処理にかけ、好ましくは(c)から得られたゼオライト材料を好ましくは400〜700℃の範囲の温度でか焼することを含む工程、
(e)場合により、(d)から得られた熱処理されたゼオライト材料を最大でも5のpH、より好ましくは0〜2の範囲のpHを有する水溶液で処理する工程
を含み、場合により、さらに
(f)(e)から得られたゼオライト材料を場合により洗浄した後に乾燥及び/又はか焼する工程であって、ここで、乾燥は、好ましくは100〜180℃の範囲の温度にて、10〜70時間の範囲で実施され、か焼は、好ましくは550〜700℃の範囲の温度にて、1〜10時間の範囲で実施される工程
を含む方法で得ることができる又は得られ、
ここで、(a)によれば、四面体骨格の空席を有するBEA骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは
(a.1)BEA骨格構造を有するゼオライト出発物質を用意する工程であって、ここで、ゼオライト出発物質の骨格構造はX2O3及びYO2を含み、X2O3:YO2のモル比は0.02:1より大きく、好ましくは0.03:1〜0.05:1の範囲である工程、
(a.2)(a.1)において用意されたゼオライト出発物質を液体溶媒系で、好ましくは還流下に処理することによって、四面体骨格の空席を作り出し、X2O3:YO2のモル比が最大でも0.02:1であるゼオライト材料を得る工程であって、ここで、液体溶媒系は好ましくは水であり、より好ましくは無機若しくは有機酸、又はその塩を含有せず、ここで、処理は、好ましくは50〜125℃の範囲の温度にて、好ましくは6〜20時間の範囲で実施される工程、
(a.3)(a.2)から得られたゼオライト材料を液体溶媒系から少なくとも部分分離し、場合により乾燥を含む工程、
(a.4)場合により、(a.3)から得られた分離後のゼオライト材料を好ましくは400〜700℃の範囲の温度にて、好ましくは1〜10時間の範囲でか焼する工程
を含む方法で用意される方法にも関する。
(i)によれば、式(I)の化合物は過酸化水素で酸化される。一般に、適切な過酸化水素源が使用されると考えることができる。したがって、(i)による反応混合物において、過酸化水素は適切にインサイツで形成されると考えることができる。好ましくは、過酸化水素は過酸化水素を含有する水溶液として使用される。好ましくは、水溶液は、水溶液の全重量に対して25〜85重量%の範囲、より好ましくは25〜80重量%の範囲、より好ましくは25〜75重量%の範囲の量の過酸化水素を含有する。好ましくは反応混合物に含有される溶媒に応じて、過酸化水素の水溶液中の濃度が25〜55重量%の範囲又は25〜45重量%の範囲又は25〜35重量%の範囲など比較的低いとき、1つを超える液相が存在することが明らかになった。1つを超える液相の存在が通常プロセス設計を複雑にする傾向があるので、水溶液は水溶液の全重量に対して65〜75重量%の範囲の量の過酸化水素を含有することが好ましい。
好ましくは、(i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対過酸化水素のモル比は、少なくとも1:1、より好ましくは10:1〜1:1の範囲、より好ましくは9:1〜1:1の範囲、より好ましくは8:1〜1:1の範囲、より好ましくは7:1〜1:1の範囲、より好ましくは6:1〜1:1の範囲、より好ましくは5:1〜1:1の範囲、より好ましくは4:1〜1:1の範囲、より好ましくは3:1〜1:1の範囲である。より好ましくは、(i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対過酸化水素のモル比は、1.3:1〜1.2:1又は1.2:1〜1.1:1又は1.1:1〜1:1の範囲など2:1〜1:1の範囲、より好ましくは1.5:1〜1:1の範囲、より好ましくは1.3:1〜1:1の範囲である。
好ましくは、(i)における酸化は、溶媒中で実施される。溶媒の化学的性質に関して、本発明の方法を実施することができることを条件として特定の制限は存在しない。好ましくは、溶媒は有機溶媒を含み、より好ましくはそれである。より好ましくは、溶媒は、アルコール、エステル、エーテル、場合により適切に置換されたアルカン、ニトリルの1つ以上を含み、より好ましくはそれである。
溶媒は、1つ以上のアルコール、好ましくは1つ以上のC4アルコール、1つ以上のC5アルコール、1つ以上のC6アルコール、1つ以上のC7アルコール、1つ以上のC8アルコール、1つ以上のC9アルコール、又はそれらの2つ以上の混合物を含み、好ましくはそれからなることが好ましいことがある。好ましくは、1つ以上のアルコールは、tert-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、n-ペンタノール、3-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、3-ヘプタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-オクタノール、1-オクタノール、2,4,4-トリメチル-1-ヘキサノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2-プロピル-1-ヘプタノール、及び2-プロピル-5-メチル-1-ヘキサノールの1つ以上を含み、好ましくはそれからなる。より好ましくは、1つ以上のアルコールは、2-エチル-1-ヘキサノール及び3-ヘプタノールの1つ以上を含み、好ましくはそれからなる。
したがって、本発明はまた、式(III)の化合物を調製する方法であって、
(i)式(I)の化合物(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、2-エチル-1-ヘキサノール及び3-ヘプタノールの1つ以上を含み、好ましくはそれからなる溶媒中、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、反応混合物を得る工程
を含む方法にも関する。
したがって、本発明はまた、式(III)の化合物を調製する方法であって、
(i)式(I)の化合物(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、2-エチル-1-ヘキサノール及び3-ヘプタノールの1つ以上を含み、好ましくはそれからなる溶媒中、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、反応混合物を得る工程であって、前記触媒は、固体イオン交換法でBEA骨格構造を有し、四面体骨格の空席を有するゼオライト材料にスズを組み込む工程を含む方法で得ることができる又は得られる骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料を含み、ここで、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料は、好ましくはスズ含有量がスズ含有モレキュラーゼオライト材料の全重量に対して2〜14重量%の範囲であり、ここで、好ましくは骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%は、Sn、O、H、Si、及びBからなり、ここで、骨格構造型BEAのスズ含有ゼオライト材料の骨格構造において、B2O3:SiO2のモル比は、好ましくは0.001:1〜0.01:1の範囲である工程
を含む方法にも関する。
(i)において使用される溶媒の量に関して、本発明の方法を実施することができることを条件として特定の制限は存在しない。好ましくは、(i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対溶媒の重量比は最大でも1:2である。より好ましくは、(i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対溶媒の重量比は、1:4〜1:3.5又は1:3.5〜1:3又は1:3〜1:2.5又は1:2.5〜1:2の範囲など1:10〜1:2の範囲、より好ましくは1:9〜1:2の範囲、より好ましくは1:8〜1:2の範囲、より好ましくは1:7〜1:2の範囲、より好ましくは1:6〜1:2の範囲、より好ましくは1:5〜1:2の範囲、より好ましくは1:4〜1:2の範囲である。
(i)における酸化が実施される温度は、(i)において使用される溶媒に依存することがある。好ましくは、溶媒は、(i)における酸化を、30〜90℃の範囲、より好ましくは35〜85℃の範囲、より好ましくは40〜80℃の範囲、より好ましくは45〜70℃の範囲、より好ましくは50〜60℃の範囲の反応混合物の温度で実施することができるように選択される。したがって、(i)における酸化は、好ましくは30〜90℃の範囲、より好ましくは35〜85℃の範囲、より好ましくは40〜80℃の範囲、より好ましくは45〜70℃の範囲、より好ましくは50〜60℃の範囲、例えば50〜55℃又は55〜60℃の範囲の反応混合物の温度で実施される。
(i)における第1の反応ステップで、式(I)の化合物及び触媒を好ましくは溶媒と共に上記の温度に加熱し、混合物がこの温度に到達すると、好ましくは水溶液の形の過酸化水素をこの温度で混合物に添加することが好ましいことがある。(i)における酸化は2つを超える反応温度で実施することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、(i)における酸化はバッチ方式で実施される。この実施形態において、(i)において使用される触媒は、好ましくは粉末又は噴霧粉末又は噴霧顆粒として使用される。噴霧時に、少なくとも1つの結合剤及び/又は少なくとも1つの結合剤前駆体が添加され、次いで噴霧粉末又は噴霧顆粒に含まれることが可能である。適切な結合剤は、成形物と関連して以下に記載され、好ましくは連続反応において使用される。このバッチ方式の実施形態によれば、触媒の少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも91重量%、より好ましくは少なくとも92重量%、より好ましくは少なくとも93重量%、より好ましくは少なくとも94重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも96重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%はスズ含有モレキュラーシーブからなることがさらに好ましい。さらに、この実施形態によれば、(i)における酸化は、3〜600分の範囲、好ましくは30〜500分の範囲、より好ましくは60〜400分の範囲で実施されることが好ましい。さらに、この実施形態によれば、(i)における酸化は、1〜25分の範囲、好ましくは2〜20分の範囲、より好ましくは3〜15分の範囲で実施されることが好ましいことがある。
本発明の考え得る実施形態によれば、(i)における酸化は連続方式で実施される。この実施形態によれば、スズ含有モレキュラーシーブをベースにして調製された成形物を使用することが好ましい。そのような前記成形物を調製する方法において、スズ含有モレキュラーシーブは、場合により別の改変後に適切に造形され、場合により後処理される。例えば、上記の実施形態の(g)における造形では、スズ含有モレキュラーシーブを少なくとも1つの結合剤及び/又は少なくとも1つの結合剤前駆体、並びに場合により少なくとも1つの造孔剤及び/又は少なくとも1つの可塑剤と混合することができる。そのような結合剤の例は、例えばSiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2若しくはMgOなどの金属酸化物又は粘土又はこれらの酸化物の2つ以上の混合物、あるいはSi、Al、Ti、Zr、及びMgの少なくとも2つの混合酸化物である。粘土鉱物、及び例えばα-、β-、γ-、δ-、η-、κ-、χ-若しくはθ-アルミナなどの天然又は合成により製造されたアルミナ、及び例えばギブス石、バイヤライト、ベーム石若しくは擬ベーム石などのそれらの無機若しくは有機金属前駆体化合物、又は例えばアルミニウムトリイソプロピレートなどのトリアルコキシアルミネートは、Al2O3結合剤として特に好ましい。考え得る別の結合剤は、極性及び非極性部分を有する両親媒性化合物並びにグラファイトとすることができる。別の結合剤は、例えばモンモリロナイト、カオリン、メタカオリン、ヘクトライト、ベントナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライト又はアナキサイト(anaxite)など例えば粘土とすることができる。これらの結合剤は、そういうものとして、あるいは噴霧乾燥若しくは噴霧造粒及び/又はか焼時において所望の結合剤を形成する適切な前駆体化合物の形で使用することができる。そのような結合剤前駆体の例は、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシチタネート、テトラアルコキシジルコネート、又は異なる2つ以上のテトラアルコキシシランの混合物若しくは異なる2つ以上のテトラアルコキシチタネートの混合物若しくは異なる2つ以上のテトラアルコキシジルコネートの混合物、又は少なくとも1つのテトラアルコキシシランと少なくとも1つのテトラアルコキシチタネート若しくは少なくとも1つのテトラアルコキシシランと少なくとも1つのテトラアルコキシジルコネート若しくは少なくとも1つのテトラアルコキシチタネートと少なくとも1つのテトラアルコキシジルコネートの混合物、又は少なくとも1つのテトラアルコキシシランと少なくとも1つのテトラアルコキシチタネートと少なくとも1つのテトラアルコキシジルコネートの混合物である。本発明の文脈において、SiO2を完全に若しくは一部含み、又はSiO2がそれから形成されるSiO2前駆体である結合剤が好ましいことがある。この文脈では、コロイダルシリカもいわゆる「湿式法」シリカもいわゆる「乾式法」シリカも使用することができる。特に好ましくは、このシリカは非晶質シリカであり、シリカ粒子のサイズは、例えば5〜100nmの範囲であり、シリカ粒子の表面積は50〜500m2/gの範囲である。コロイダルシリカは、好ましくはアルカリ性及び/又はアンモニア性溶液、より好ましくはアンモニア性溶液として、とりわけ、例えばLudox(登録商標)、Syton(登録商標)、Nalco(登録商標)又はSnowtex(登録商標)として市販されている。Snowtexudoxcaは、好ましくはアルカリ性及び/又はアンモニア性溶液として、とりわけ、例えばHi-Sil(登録商標)、Ultrasil(登録商標)、Vulcasil(登録商標)、Santocel(登録商標)、Valron-Estersil(登録商標)、Tokusil(登録商標)又はNipsil(登録商標)として市販されている。Hi-SilasとしてのNipsilstersilleは、アルカリ性溶液として、とりわけ、例えばAerosil(登録商標)、Reolosil(登録商標)、Cab-O-Sil(登録商標)、Fransil(登録商標)又はArcSilica(登録商標)として市販されている。本発明において、とりわけコロイダルシリカのアンモニア性溶液が好ましい。造孔剤としては、ポリマー、例えば高分子量ビニル化合物、例えばポリエチレンオキシドのようなポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド及びポリエステル、炭水化物、例えばセルロース若しくはメチルセルロースのようなセルロース誘導体、又は糖若しくは天然繊維が挙げられるが、これらに限定されない。別の適切な造孔剤は、例えばパルプ又はグラファイトとすることができる。達成される細孔特性に関して望むなら、2つ以上の造孔剤の混合物を使用することができる。特に好ましい実施形態において、造孔剤は上述のように(h)及び/又は(k)に従ってか焼により除去される。成形物におけるスズ含有モレキュラーシーブの量対結合剤の量の比については、一般的に自由に選択することができる。一般に、スズ含有モレキュラーシーブ対結合剤の重量比は、20:1〜1:20、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは1:1〜1:10の範囲である。スズ含有モレキュラーシーブをベースにして成形物を調製するために、少なくとも1つのペースト化剤を使用して、成形用混合物の加工性を改善することができる。考え得るペースト化剤は、例えばセルロース、例えばメチルセルロースなどのセルロース誘導体、及び例えばバレイショデンプンなどのデンプンのような炭水化物、壁紙用プラスター、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリイソブテン又はポリテトラヒドロフランなど、とりわけ有機、特に親水性ポリマーである。ペースト化剤としての水、アルコール若しくはグリコール、又はそれらの混合物、例えば水とアルコール若しくは水とグリコールの混合物、例えば水とメタノール若しくは水とエタノール若しくは水とプロパノール若しくは水とプロピレングリコールの混合物などの使用を挙げることができる。好ましくは、セルロース、セルロース誘導体などの炭水化物、水、及びこれらの化合物の2つ以上の混合物、例えば水とセルロース又は水とセルロース誘導体がペースト化剤として使用される。本発明による方法の特に好ましい実施形態において、少なくとも1つのペースト化剤は乾燥及び/又はか焼によって除去される。
一般に、プロセス条件は、(i)における酸化が、酸化時における過酸化水素転化率が少なくとも60〜80%の範囲、例えば少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%となるように実施されるように選択されることが好ましい。特に、(i)における酸化時に、反応混合物の温度及び反応時間は、酸化時における過酸化水素転化率が少なくとも60〜80%の範囲となるように選択されることが好ましい。
(i)における酸化により、バイヤー・ビリガー酸化の主生成物として、式(II)の化合物を含む反応混合物が得られる。
さらに、(i)から得られる反応混合物は式(III)の化合物も含むことがある。式(III)の化合物は、
式(II)のエノールホルメートから直接の加水分解により形成することができるので、本発明の文脈において記載されているメロナールへの選択値は、(i)から得られた反応混合物に含有される式(II)の化合物と式(III)の化合物の合計に対する選択値を指す。
メロナールは主要生成物であるので、(i)の後に、式(II)の化合物を適切に加水分解して、式(III)の化合物を含有する混合物を得ることが好ましい。したがって、本発明はまた、式(III)の化合物を調製する方法であって、
(i)式(I)の化合物
(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、式(II)の化合物
及び場合により式(III)の化合物を含む反応混合物を得る工程であって、
(i)の後に、式(II)の化合物及び場合により式(III)の化合物を含む混合物を加水分解条件に付し、したがって式(II)の化合物を加水分解して、式(III)の化合物を含有する混合物を得る工程
を含む方法にも関する。好ましくは、式(II)の化合物及び場合により式(III)の化合物を含む混合物を加水分解条件に付す前に、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を前記混合物から適切に分離する。好ましくは、式(II)の化合物及び場合により式(III)の化合物を含む混合物を加水分解条件に付す前に、より好ましくは、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を前記混合物から適切に分離する前に、(i)から得られた反応混合物を、好ましくは5〜40℃の範囲、より好ましくは8〜20℃の範囲、より好ましくは10〜15℃の範囲の温度に冷却する。好ましくは、式(II)の化合物を加水分解した後、加水分解から得られた混合物から、式(III)の化合物を適切に分離する。
したがって、本発明はまた、
(ii)好ましくは、(i)から得られた混合物から、バイヤー・ビリガー触媒、好ましくはスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を分離する工程、
(iii)式(II)の化合物を加水分解して、式(III)の化合物を含有する混合物を得る工程、
(iv)好ましくは、(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離する工程
をさらに含む、上記に定義した方法にも関する。
したがって、本発明はまた、
(ii) (i)から得られた混合物から、バイヤー・ビリガー触媒、好ましくはスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を分離する工程、
(iii)式(II)の化合物を加水分解して、式(III)の化合物を含有する混合物を得る工程、
(iv) (iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離する工程
をさらに含む、上記に定義した方法にも関する。
(ii)による分離に関して、特定の制限は存在しない。例えば、本発明の方法がバッチ方式で実施される場合、分離は、(i)から得られた混合物を濾過に付すことを含み、好ましくはそれからなることが好ましい。相分離法などの他の分離方法も選択肢である。一般に、それぞれ得られた濾過ケークに含有される触媒は場合により適切に再生された後、(i)における触媒として再使用されると考えられる。
(iii)における加水分解は、式(III)の化合物を導く任意の方法で実施することができる。好ましくは、(iii)における加水分解のために、(i)、好ましくは(ii)から得られた混合物に塩基水溶液を添加する。好ましくは、塩基水溶液は無機塩基の水溶液、より好ましくは水酸化物の水溶液、より好ましくはアルカリ金属水酸化物の水溶液、より好ましくは水酸化ナトリウムの水溶液である。好ましくは、水酸化ナトリウム水溶液は、水酸化ナトリウムを水酸化ナトリウム水溶液の全重量に対して1〜25重量%の範囲、好ましくは2〜20重量%の範囲、より好ましくは5〜15重量%の範囲の量で含有する。好ましくは、塩基水溶液が反応混合物に5〜40℃の範囲、好ましくは8〜20℃の範囲、より好ましくは10〜15℃の範囲の反応混合物の温度で添加される。
(i)における酸化及び好ましくは(ii)における分離から得られた反応混合物に塩基水溶液を添加することによって、式(III)の化合物を含有する有機相及び水相が得られる。したがって、(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離することは、有機相を水相から分離することを含むことが好ましく、式(III)の化合物を含む有機相は、好ましくは水を含む洗浄剤で好ましくは適切に洗浄される。より好ましくは、洗浄剤の少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも99重量%、より好ましくは少なくとも99.9重量%は水からなる。前記洗浄は適切な任意の温度で実施することができ、洗浄剤の温度は、好ましくは5〜40℃の範囲、より好ましくは10〜30℃の範囲、より好ましくは15〜25℃の範囲である。
水相から分離され、好ましくは洗浄された有機相はそのようなものとして使用されると一般的に考え得るが、式(III)の化合物は有機相から適切に分離されることが好ましい。この分離に関して、式(III)の化合物が分離された形で得られることを条件として、特定の制限は存在しない。好ましくは、前記式(III)の化合物を有機相から分離することは蒸留、好ましくは分留を含む。
混合物
一般に、本発明はまた、本発明による方法で得ることができる又は得られる混合物、好ましくは本発明の方法のステップ(i)から得ることができる又は得られる反応混合物にも関する。
本発明によれば、式(I)の化合物の50%超が式(Ia)の化合物として存在する式(I)の化合物の使用は、式(Ia)の化合物と式(Ib)の化合物の1:1混合物の使用のみに関する先行技術の教示に優る利点を示すことが明らかになった。新規性及び進歩性のある方法の出発物質は、(i)におけるバイヤー・ビリガー酸化の出発混合物として使用される混合物である。
したがって、本発明はまた、この混合物、特に式(I)の化合物及びバイヤー・ビリガー酸化触媒を含む混合物であって、
式(I)の化合物の50%超、好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%は、式(Ia)の化合物として存在し、
バイヤー・ビリガー酸化触媒は、好ましくはスズ含有モレキュラーシーブ、好ましくは以上に定義するスズ含有モレキュラーシーブ、より好ましくは以上に定義するスズ含有ゼオライト材料、より好ましくは以上に定義する骨格構造型BEAを有するスズ含有ゼオライト材料、より好ましくは以上に定義する固体イオン交換法で骨格構造型BEAを有するゼオライト材料にスズを組み込む工程を含む方法で得ることができる又は得られる骨格構造型BEAを有するスズ含有ゼオライト材料を含む混合物にも関する。好ましくは、この混合物は溶媒、より好ましくは以上に記載される溶媒をさらに含む。前記混合物において、式(I)の化合物対溶媒の重量比は、好ましくは1:10〜1:2の範囲、好ましくは1:5〜1:2の範囲、より好ましくは1:4〜1:2の範囲である。
使用
上述のように、式(I)の化合物の50%超が式(Ia)の化合物として存在する式(I)の化合物の使用は、式(Ia)の化合物と式(Ib)の化合物の1:1混合物の使用のみに関する先行技術の教示に優る利点を示すことが明らかになった。
したがって、本発明はまた、式(I)の化合物
であって、その50%超、好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%は式(Ia)の化合物
として存在する式(I)の化合物の使用であって、そのバイヤー・ビリガー酸化を、その最大で50%が式(Ia)の化合物として存在する式(I)の化合物の、その他の点では同一の酸化条件の各バイヤー・ビリガー酸化と比較して、選択性を高め、かつ/又は反応時間を短縮し、式(III)の化合物を調製するため
の使用にも関する。
さらに、本発明はまた、上記の出発混合物、特に式(I)の化合物及びバイヤー・ビリガー酸化触媒を含む混合物の使用であって、
式(I)の化合物の50%超、好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%は式(Ia)の化合物として存在し、
バイヤー・ビリガー酸化触媒は、好ましくはスズ含有モレキュラーシーブ、好ましくは以上に定義するスズ含有モレキュラーシーブ、より好ましくは以上に定義するスズ含有ゼオライト材料、より好ましくは以上に定義する骨格構造型BEAを有するスズ含有ゼオライト材料、より好ましくは以上に定義する固体イオン交換法で骨格構造型BEAを有するゼオライト材料にスズを組み込む工程を含む方法で得ることができる又は得られる骨格構造型BEAを有するスズ含有ゼオライト材料を含む使用にも関する。好ましくは、この混合物は溶媒、より好ましくは以上に記載される溶媒をさらに含む。前記混合物において、式(I)の化合物対溶媒の重量比は、式(I)の化合物の最大でも50%が式(Ia)の化合物として存在する式(I)の化合物の、その他の点では同一の酸化条件の各バイヤー・ビリガー酸化と比較して、式(I)の化合物のバイヤー・ビリガー酸化の選択性を高め、かつ/又は反応時間を短縮し、式(III)の化合物を調製するため、
好ましくは1:10〜1:2の範囲、好ましくは1:5〜1:2の範囲、より好ましくは1:4〜1:2の範囲である。
さらに、本発明はまた、式(II)の化合物を調製するための
及び/又は式(III)の化合物を調製するための
前記出発混合物の使用にも関する。
本発明を、示される従属関係及び参照関係に従って以下の実施形態及び実施形態の組合せによりさらに例示する。
1. 式(III)の化合物を調製する方法、好ましくは液相方法であって、
(i)式(I)の化合物
(その50%超が式(Ia)の化合物として存在する)
を、バイヤー・ビリガー触媒、好ましくはスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、式(II)の化合物
及び場合により式(III)の化合物を含む反応混合物を得る工程
を含む方法。
2. (i)において、式(I)の化合物の少なくとも55%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が式(Ia)の化合物として存在する、実施形態1に記載の方法。
3. (i)において、式(I)の化合物の少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%が式(Ia)の化合物として存在する、実施形態1又は2に記載の方法。
4. (i)において、スズ含有モレキュラーシーブが、ミクロ孔若しくはメソ孔、又はミクロ孔及びメソ孔を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
5. (i)において、スズ含有モレキュラーシーブが、メソポーラスモレキュラーシーブを含み、好ましくはそれからなる、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
6. スズ含有モレキュラーシーブが、MCM-41を含み、好ましくはそれからなる、実施形態5に記載の方法。
7. (i)において、スズ含有モレキュラーシーブが、スズ含有マイクロポーラスモレキュラーシーブを含み、好ましくはそれからなる、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
8. スズ含有マイクロポーラスモレキュラーシーブがスズ含有ゼオライト材料である、実施形態7に記載の方法。
9. (i)において、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型が、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、CHI、CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、ITY、ISV、ITE、ITG、ITH、ITN、ITR、ITT、ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、PAR、PAU、PCR、PHI、PON、PUN、RHO、RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、SSO、SSY、STF、STI、STT、STW、SVR、SVV、SZR、TER、THO、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、WEN、YUG、ZON、それらの2つ以上の混合物、及びそれらの2つ以上の混合型からなる群から選択される、実施形態8に記載の方法。
10. (i)において、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型が、BEA、MWW、MFI、それらの2つ以上の混合物、及びそれらの2つ以上の混合型からなる群から選択される、実施形態7から9のいずれか1つに記載の方法。
11. (i)において、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型が、構造型BEAを含み、好ましくはそれからなる、実施形態7から10のいずれか1つに記載の方法。
12. スズ含有モレキュラーシーブの骨格構造の少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%が、Sn、O、H、4価の元素Y、及び場合により3価の元素Xからなる、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
13. スズ含有モレキュラーシーブの骨格構造の少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%、より好ましくは少なくとも99.9重量%が、Sn、O、H、4価の元素Y、及び場合により3価の元素Xからなる、実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
14. Yが、Si、Ge、Ti、及びZrの1つ以上を含み、好ましくはそれであり、より好ましくはSiを含み、より好ましくはそれである、実施形態13に記載の方法。
15. Xが、B、In、Ga、及びFeの1つ以上を含み、好ましくはそれであり、Yが、より好ましくはBを含み、より好ましくはそれである、実施形態13又は14に記載の方法。
16. XがAlでない、実施形態13から15のいずれか1つに記載の方法。
17. スズ含有モレキュラーシーブのスズ含有量が、スズ含有モレキュラーシーブの全重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜18重量%、より好ましくは2〜14重量%の範囲である、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
18. スズ含有モレキュラーシーブのスズ含有量が、スズ含有モレキュラーシーブの全重量に対して8〜14重量%の範囲、好ましくは10〜14重量%の範囲である、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
19. スズ含有モレキュラーシーブが、スズ含有ゼオライト材料を含み、好ましくはそれからなり、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型が、構造型BEAを含み、好ましくはそれからなる、実施形態18に記載の方法。
20. スズ含有ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%、より好ましくは少なくとも99.9重量%が、Sn、O、H、Si、及び場合によりBからなる、実施形態19に記載の方法。
21. スズ-ゼオライト材料の骨格構造において、B2O3:SiO2のモル比が、最大でも0.01:1、好ましくは0.001:1〜0.01:1の範囲、より好ましくは0.001:1〜0.003:1の範囲である、実施形態20に記載の方法。
22. 構造型BEAを含み、好ましくはそれからなるスズ含有ゼオライト材料が、
(a)X2O3及びYO2を含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料を用意する工程であって、ここで、YはSi、Ti、Zr、Ge、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される4価の元素、好ましくはSiであり、XはB、In、Ga、Fe、及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される3価の元素、好ましくはBであり、前記BEA骨格構造は四面体骨格の空席を有する工程、
(b)固体の形のスズイオン源、好ましくは酢酸スズ(II)を用意する工程、
(c)(a)において用意されたゼオライト材料を(b)において用意されたスズイオン源と固体イオン交換条件下で接触させることによって、好ましくは(a)において用意されたゼオライト材料とスズイオン源を混合し、(a)において用意されたゼオライト材料とスズイオン源の混合物を粉砕及び/又は摩砕することによって、(a)において用意されたゼオライト材料にスズを組み込み、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料を得る工程、
(d)(c)から得られたゼオライト材料を熱処理にかけ、好ましくは(c)から得られたゼオライト材料を好ましくは400〜700℃の範囲の温度でか焼することを含む工程、
(e)場合により、(d)から得られた熱処理されたゼオライト材料を最大でも5のpH、より好ましくは0〜2の範囲のpHを有する水溶液で処理する工程
を含み、場合により、さらに
(f)(e)から得られたゼオライト材料を場合により洗浄した後に乾燥及び/又はか焼する工程であって、ここで、乾燥は、好ましくは100〜180℃の範囲の温度にて、10〜70時間の範囲で実施され、か焼は、好ましくは550〜700℃の範囲、100〜180℃の範囲の温度にて実施される工程
を含む方法で得ることができる又は得られ、
ここで、(a)によれば、四面体骨格の空席を有するBEA骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは
(a.1)BEA骨格構造を有するゼオライト出発物質を用意する工程であって、ここで、ゼオライト出発物質の骨格構造はX2O3及びYO2を含み、X2O3:YO2のモル比は0.02:1より大きく、好ましくは0.03:1〜0.05:1の範囲である工程、
(a.2)(a.1)において用意されたゼオライト出発物質を液体溶媒系で、好ましくは還流下に処理することによって、四面体骨格の空席を作り出し、X2O3:YO2のモル比が最大でも0.02:1であるゼオライト材料を得る工程であって、ここで、液体溶媒系は好ましくは水であり、より好ましくは無機若しくは有機酸、又はその塩を含有せず、ここで、処理は、好ましくは50〜125℃の範囲の温度にて、好ましくは6〜20時間の範囲で実施される工程、
(a.3)(a.2)から得られたゼオライト材料を液体溶媒系から少なくとも部分分離し、場合により乾燥を含む工程、
(a.4)場合により、(a.3)から得られた分離されたゼオライト材料を、好ましくは400〜700℃の範囲の温度にて、好ましくは1〜10時間の範囲でか焼する工程
を含む方法で用意される、実施形態19から21のいずれか1つに記載の方法。
23. (i)において、過酸化水素が過酸化水素を含有する水溶液として使用され、ここで、水溶液は、水溶液の全重量に対して好ましくは25〜85重量%の範囲、より好ましくは25〜80重量%の範囲、より好ましくは25〜75重量%の範囲の量の過酸化水素を含有する、実施形態1から22のいずれか1つに記載の方法。
24. 水溶液が、水溶液の全重量に対して65〜75重量%の範囲の量の過酸化水素を含有する、実施形態23に記載の方法。
25. (i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対過酸化水素のモル比が、10:1〜1:1の範囲、好ましくは5:1〜1:1の範囲、より好ましくは3:1〜1:1の範囲である、実施形態1から24のいずれか1つに記載の方法。
26. (i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対過酸化水素のモル比が、2:1〜1:1の範囲、好ましくは1.5:1〜1:1の範囲、より好ましくは1.3:1〜1:1の範囲である、実施形態1から25のいずれか1つに記載の方法。
27. (i)における酸化が、溶媒中、好ましくは有機溶媒中、好ましくはアルコール、エステル、エーテル、場合により適切に置換されたアルカン、ニトリルの1つ以上を含む有機溶媒中で実施される、実施形態1から26のいずれか1つに記載の方法。
28. 溶媒が、1つ以上のアルコール、好ましくは1つ以上のC4アルコール、1つ以上のC5アルコール、1つ以上のC6アルコール、1つ以上のC7アルコール、1つ以上のC8アルコール、1つ以上のC9アルコール、又はそれらの2つ以上の混合物を含み、好ましくはそれからなる、実施形態27に記載の方法。
29. 1つ以上のアルコールが、tert-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、n-ペンタノール、3-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、3-ヘプタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-オクタノール、1-オクタノール、2,4,4-トリメチル-1-ヘキサノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2-プロピル-1-ヘプタノール、及び2-プロピル-5-メチル-1-ヘキサノールの1つ以上を含み、好ましくはそれからなる、実施形態27又は28に記載の方法。
30. 1つ以上のアルコールが、2-エチル-1-ヘキサノール及び3-ヘプタノールの1つ以上を含み、好ましくはそれからなる、実施形態27から29のいずれか1つに記載の方法。
31. 1つ以上のアルコールが2-エチル-1-ヘキサノールを含み、好ましくはそれからなる、実施形態27から30のいずれか1つに記載の方法。
32. 1つ以上のアルコールが3-ヘプタノールを含み、好ましくはそれからなる、実施形態27から31のいずれか1つに記載の方法。
33. (i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対溶媒の重量比が、1:10〜1:2の範囲、好ましくは1:5〜1:2の範囲である、実施形態27から32のいずれか1つに記載の方法。
34. (i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対溶媒の重量比が1:4〜1:2の範囲である、実施形態27から33のいずれか1つに記載の方法。
35. (i)における酸化が、30〜90℃の範囲、好ましくは40〜80℃の範囲、より好ましくは50〜60℃の範囲の反応混合物の温度で実施される、実施形態1から34のいずれか1つに記載の方法。
36. (i)における酸化がバッチ方式で実施される、実施形態1から35のいずれか1つに記載の方法。
37. 触媒が粉末又は噴霧粉末として使用される、実施形態1から36のいずれか1つ、好ましくは実施形態36に記載の方法。
38. 触媒の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%がスズ含有モレキュラーシーブからなる、実施形態37に記載の方法。
39. (i)における酸化が、3〜600分の範囲、好ましくは30〜500分の範囲、より好ましくは60〜400分の範囲で実施される、実施形態1から38のいずれか1つ、好ましくは実施形態36から38のいずれか1つに記載の方法。
40. (i)における酸化が、1〜25分の範囲、好ましくは2〜20分の範囲、より好ましくは3〜15分の範囲で実施される、実施形態1から39のいずれか1つ、好ましくは実施形態36から39のいずれか1つに記載の方法。
41. (i)における酸化が連続方式で実施される、実施形態1から35のいずれか1つに記載の方法。
42. 触媒が、スズ含有モレキュラーシーブ及び好ましくは結合剤を含有する成形物として使用される、実施形態41に記載の方法。
43. 結合剤が、シリカ結合剤を含み、好ましくはそれである、実施形態42に記載の方法。
44. スズ含有モレキュラーシーブが、成形物に粉末又は噴霧粉末として含有される、実施形態42又は43に記載の方法。
45. (i)における酸化が、酸化時における過酸化水素転化率が少なくとも60〜80%の範囲になるように実施される、実施形態1から44のいずれか1つに記載の方法。
46. (i)における酸化時に、反応混合物の温度及び反応時間が、酸化時における過酸化水素転化率が少なくとも60〜80%の範囲になるように選択される、実施形態1から45のいずれか1つに記載の方法。
47. (ii)好ましくは、(i)から得られた混合物から、バイヤー・ビリガー触媒、好ましくはスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を分離する工程、
(iii)式(II)の化合物を加水分解して、式(III)の化合物を含む混合物を得る工程、
(iv)好ましくは、(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離する工程
をさらに含む、実施形態1から46のいずれか1つ、好ましくは実施形態1から44のいずれか1つに記載の方法。
48. (ii)において、分離が、(i)から得られた混合物を濾過に付す工程を含み、好ましくはそれからなる、実施形態47に記載の方法。
49. (iii)において、加水分解が、(i)における酸化及び好ましくは(ii)における分離から得られた反応混合物に塩基水溶液を添加することによって実施され、式(III)の化合物を含有する有機相及び水相が得られる、実施形態48に記載の方法。
50. 塩基水溶液が水酸化ナトリウム水溶液を含み、好ましくはそれである、実施形態49に記載の方法。
51. 水酸化ナトリウム水溶液が、水酸化ナトリウムを水酸化ナトリウム水溶液の全重量に対して1〜25重量%の範囲、好ましくは2〜20重量%の範囲、より好ましくは5〜15重量%の範囲の量で含有する、実施形態50に記載の方法。
52. (iii)において、塩基水溶液が反応混合物に5〜40℃の範囲、好ましくは8〜20℃の範囲、より好ましくは10〜15℃の範囲の反応混合物の温度で添加される、実施形態48から51のいずれか1つに記載の方法。
53. (iv)において、(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離することが、有機相を水相から分離することを含む、実施形態48から52のいずれか1つに記載の方法。
54. 有機相が、好ましくは水を含む洗浄剤で洗浄される、実施形態48から53のいずれか1つ、好ましくは実施形態53に記載の方法。
55. 洗浄剤の少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも99重量%、より好ましくは少なくとも99.9重量%が水からなる、実施形態54に記載の方法。
56. 洗浄が、5〜40℃の範囲、好ましくは10〜30℃の範囲、より好ましくは15〜25℃の範囲の洗浄剤の温度で実施される、実施形態54又は55に記載の方法。
57. 式(III)の化合物が、有機相、好ましくは水相から分離された有機相、より好ましくは洗浄された有機相から分離される、実施形態48から56のいずれか1つ、好ましくは実施形態53から56のいずれか1つ、より好ましくは実施形態54から56のいずれか1つに記載の方法。
58. 式(III)の化合物を有機相から分離することが蒸留、好ましくは分留を含む、実施形態57に記載の方法。
59. 実施形態1から46のいずれか1つに記載の方法で得ることができる又は得られる混合物。
60. 実施形態48から58のいずれか1つに記載の方法で得ることができる又は得られる混合物。
61. 式(I)の化合物及びバイヤー・ビリガー酸化触媒を含む混合物であって、
式(I)の化合物の50%超は式(Ia)の化合物として存在する、
混合物。
62. 触媒が、スズ含有モレキュラーシーブ、好ましくは実施形態4から21のいずれか1つに記載のスズ含有モレキュラーシーブを含む、実施形態61に記載の混合物。
63. 溶媒をさらに含む、実施形態61又は62に記載の混合物。
64. 溶媒が、1つ以上のアルコール、好ましくは実施形態28から32のいずれか1つに記載のアルコールを含み、好ましくはそれからなる、実施形態63に記載の混合物。
65. 混合物において、式(I)の化合物対溶媒の重量比が1:10〜1:2の範囲、好ましくは1:5〜1:2の範囲、より好ましくは1:4〜1:2の範囲である、実施形態63又は64に記載の混合物。
66. 式(I)の化合物
であって、その50%超が式(Ia)の化合物
として存在する式(I)の化合物の使用、又は実施形態61から65のいずれか1つに記載の混合物の使用であって、式(III)の化合物
を調製するための式(I)の化合物のバイヤー・ビリガー酸化を、その最大で50%が式(Ia)の化合物として存在する式(I)の化合物の、その他の点では同一の酸化条件の各バイヤー・ビリガー酸化と比較して、選択性を高めるための使用。
67. 式(I)の化合物
であって、その50%超が式(Ia)の化合物
として存在する式(I)の化合物の使用、又は実施形態61から65のいずれか1つに記載の混合物の使用であって、式(III)の化合物
を調製するための式(I)の化合物のバイヤー・ビリガー酸化を、その最大で50%が式(Ia)の化合物として存在する式(I)の化合物の、その他の点では同一の酸化条件の各バイヤー・ビリガー酸化と比較して、式(I)の化合物のバイヤー・ビリガー酸化の反応時間を短縮するための使用。
68. バイヤー・ビリガー酸化が、スズ含有モレキュラーシーブ、好ましくは実施形態4から21のいずれか1つに記載のスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を使用して実施される、実施形態66又は67に記載の使用。
69. バイヤー・ビリガー酸化が、過酸化水素を使用して実施される、実施形態66から68のいずれか1つに記載の使用。
70. 実施形態61から65のいずれか1つに記載の混合物の、式(II)の化合物
を調製するための使用。
71. 実施形態61から65のいずれか1つに記載の混合物の、式(III)の化合物
を調製するための使用。
以下の参考例及び実施例により、本発明をさらに例示する。
参考例1:水吸収の決定
水吸着/脱着等温線を、TA Instruments社のVTI SA計器で段階等温線プログラムに従って行った。実験は、計器の内側の微量天秤パンに置かれた試料材料に対して行われた1回のラン又は一連のランからなるものであった。測定を開始する前に、試料を100℃に加熱し(加熱勾配5℃/分)、それを窒素流下で6時間保持することによって試料の残留水分を除去した。乾燥プログラム後に、セル中の温度を25℃に下げ、測定時において等温を維持した。微量天秤を較正し、乾燥した試料の重量を計測した(最大質量偏差0.01重量%)。試料による水吸収を乾燥試料の重量に比べて重量の増加として測定した。まず、試料が曝露される相対湿度(RH)(セルの内側の雰囲気中の水の重量%として表す)を上げ、試料の水吸収を平衡として測定することによって、吸着曲線を測定した。RHを1段階10重量%で5%から85%に上げ、各段階で、システムがRHを制御し、試料を1段階10%で85重量%から5重量%に曝露し、試料の重量の変化(水吸収)を観測し、記録した後、平衡状態に到達するまで試料重量を観測した。
参考例2:結晶化度の決定
本発明によるゼオライト材料の結晶化度は、Bruker AXS GmbH社(Karlsruhe)のUser Manual DIFFRAC.EVA Version 3、105頁に記載されているEVA方法を用いて、XRD分析により決定した。各データを、Sol-X検出器を使用した標準Bruker D8 Advance Diffractometer Series IIにより、2°〜50°(2θ)において可変スリット(V20)、ステップ角度0.02°(2θ)及び走査速度2.4秒/ステップで収集した。デフォルトのパラメータを使用して、バックグラウンド/非晶質含有量を推定した(曲率=1、閾値=1)。
参考例3:FT-IR測定
FT-IR(フーリエ変換赤外)測定をNicolet 6700分光計で行った。粉末物質をプレスして、いずれの添加剤も使用することなく自己支持性ペレットを作製した。ペレットを、FT-IR装置中に置かれた高真空(HV)セルに導入した。測定する前に、試料を高真空(10-5ミリバール)にて3時間、300℃で前処理した。セルを50℃に冷却した後、スペクトルを収集した。スペクトルは、4000〜800cm-1の範囲において分解能2cm-1で記録した。得られたスペクトルは、x軸に波数(cm-1)、y軸に吸光度(任意単位、a.u.)を示すプロットで表される。ピーク高さ及びこれらのピーク間の比を定量するのに、ベースライン補正を実施した。3000〜3900cm-1領域における変化を分析し、複数の試料を比較するのに、基準として1880±5cm-1におけるバンドを使用した。
参考例4:成形物の破砕強度の決定
本発明の文脈において記載される破砕強度は、破砕強度試験機Z2.5/TS1S(供給業者Zwick GmbH & Co., D-89079 Ulm(ドイツ))により決定されたものと理解されるものとする。この試験機の原理及びその操作については、それぞれの取扱いハンドブック「Register 1:Betriebsanleitung / Sicherheitshandbuch fur die Material-Prufmaschine Z2.5/TS1S」、version 1.5、2001年12月、Zwick GmbH & Co. Technische Dokumentation(August-Nagel-Strasse 11, D-89079 Ulm, Germany)に記載されている。前記試験機で、実施例5に記載されている直径1.5mmの所与のストランドを、ストランドが破砕するまで、直径3mmのプランジャーを介して増大する力に付す。ストランドが破砕する力をストランドの破砕強度と呼ぶ。試験機には、水平固定台が装備され、その上にストランドが配置される。垂直方向に自由に移動可能なプランジャーが、ストランドを固定台に対して動かす。装置を予備力(preliminary force)0.5N、予備力下におけるせん断速度10mm/分及びその後の試験速度1.6mm/分で操作した。垂直に移動可能なプランジャーを力ピックアップ用のロードセルに連結し、測定時に、調査対象の成形物(ストランド)が配置されている固定回転台の方に移動させ、したがってストランドを台に対して動かす。プランジャーをストランドにそれらの縦軸と直角に適用した。実験の制御は、測定の結果を記録及び評価するコンピューターにより実施した。得られた値は、いずれの場合にも10本のストランドの平均測定値である。
参考例5:固相イオン交換によるスズ含有モレキュラーシーブ(BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料)の調製
参考例5.1:スズ含有量が12.4重量%である、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料
下記の参考例5.3.2に記載されているBEA骨格構造を有する脱ホウ素化ゼオライト材料50.0gを酢酸スズ(II)(Sn(OAc)2[CAS-No:638-39-1])14.2gと一緒に混練機に加え、混合物をまず乾式混合し、次いで混練機を使用して、混合物をすりつぶしながら脱イオン水50mlと混ぜ合わせ、得られた混合物を15分間混練した。混練した後、混合物を60℃で終夜乾燥した。その後、乾燥した混合物を窒素下で500℃の温度に加熱し(加熱勾配:2K/分)、500℃で3時間維持した後、続けて空気下において500℃で3時間か焼した。得られた粉末材料は、Sn含有量が12.4重量%、ケイ素(Si)含有量が35重量%、B含有量が0.03重量%未満、TOCが0.1重量%未満であった。DIN 66131で測定されたBET比表面積は443m2/gであり、結晶化度はXRDで決定して45%であり、水吸収は12重量%であった。
参考例5.2:スズ含有量が1.1重量%である、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料
5.2.1 BEA骨格構造を有するホウ素含有ゼオライト材料の調製
脱イオン水259gを容器に用意した。120rpm(毎分の回転数)で撹拌下、水酸化テトラエチルアンモニウム440gを添加し、懸濁液を室温で10分間撹拌した。その後、ホウ酸75.6gを懸濁させ、懸濁液を室温でもう30分撹拌した。その後、Ludox(登録商標) AS-40を687.9g添加し、得られた混合物を室温でもう1時間撹拌した。最後に得られた混合物を結晶化容器に移し、160℃に加熱し、140rpmで120時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、その後脱イオン水(混合物の量の2倍)を添加し、pH 10.0の混合物を得た。HNO3水溶液(10重量%HNO3)を添加することによって、この混合物をpH 7〜8に調整した。混合物を濾過に付し、濾過ケークを、洗液の伝導率が150マイクロジーメンス未満になるまで脱イオン水で洗浄した。こうして得られた濾過ケークを空気下において120℃で2時間乾燥した後、続けて空気下において490℃で5時間か焼した(加熱勾配:2K/分)。か焼した材料は、B含有量が0.89重量%、Si含有量が47重量%、全炭素含有量(TOC)が0.1重量%未満、結晶化度がXRDで決定して42%、BET比表面積がDIN 66131で決定して257m2/gであった。
5.2.2 脱ホウ素化及び四面体の空席の形成
脱イオン水2,100gを4lの撹拌容器に通した。撹拌下に、上記の参考例5.2.1から得られた材料140gを添加し、得られた混合物を100℃に加熱した。混合物をこの温度で還流下に10時間維持した。次いで、混合物を室温に冷却した。冷却した混合物を濾過に付し、濾過ケークを脱イオン水で洗浄した。こうして得られた濾過ケークを空気下において120℃で12時間乾燥した後(加熱勾配:3K/分)、続けて空気下において550℃で5時間か焼した(加熱勾配:2K/分)。か焼した材料は、B含有量が0.15重量%、Si含有量が49重量%、全炭素含有量(TOC)が0.1重量%未満であった。
5.2.3 固相イオン交換によるスズの組込み
上記の参考例5.2.2に記載されているBEA骨格構造を有する脱ホウ素化ゼオライト材料25gを酢酸スズ(II)(Sn(OAc)2[CAS-No:638-39-1])1.02gと一緒に混合器(ミル型Microton MB550)に加え、混合物を14,000r.p.m.(毎分の回転数)で15分間摩砕した。摩砕した後、混合物を磁器製かごに移し、500℃でN2下で3時間、続いて空気下で3時間、空気中で加熱勾配2K/分でか焼した。得られた粉末材料は、Sn含有量が1.1重量%、ケイ素(Si)含有量が47重量%、B含有量が0.1重量%未満、TOCが0.1重量%未満であった。BET比表面積はDIN 66131で測定して170m2/gであった。
参考例5.3:スズ含有量が13.1重量%である、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料
5.3.1 BEA骨格構造を有するホウ素含有ゼオライト材料の調製
脱イオン水209kgを容器に用意した。120rpm(毎分の回転数)で撹拌下、水酸化テトラエチルアンモニウム355kgを添加し、懸濁液を室温で10分間撹拌した。その後、ホウ酸61kgをその水に懸濁させ、懸濁液を室温でもう30分撹拌した。その後、Ludox(登録商標) AS-40を555kg添加し、得られた混合物を70rpmで室温にてもう1時間撹拌した。この液体ゲルのpHは、pH電極を用いた測定により決定して11.8であった。最後に得られた混合物を結晶化容器に移し、圧力7.2バールで撹拌下(140rpm)、160℃に6時間以内で加熱した。その後、混合物を室温に冷却した。混合物を再び160℃に6時間以内で加熱し、140rpmでさらに55時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、その後混合物を140rpmで撹拌下、160℃の温度でさらに45時間加熱した。脱イオン水7800kgをこの懸濁液380kgに添加した。懸濁液を70rpmで撹拌し、10重量%HNO3水溶液100kgを添加した。この懸濁液から、BEA骨格構造を有するホウ素含有ゼオライト材料を濾過により分離した。次いで、濾過ケークを、洗液の伝導率が150マイクロジーメンス/cm未満になるまで室温にて脱イオン水で洗浄した。こうして得られた濾過ケークを窒素気流中で予備乾燥した。こうして得られたゼオライト材料については、脱イオン水を使用して懸濁液の全重量に対して固形分15重量%の水性懸濁液を調製した後、噴霧塔中、以下の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥した。
乾燥用ガス、ノズルガス:工業用窒素(technical nitrogen)
乾燥用ガス温度:
-噴霧塔温度(入口):235℃
-噴霧塔温度(出口):140℃
ノズル:
- 上部成分ノズル(top-component nozzle):供給業者Gerig;サイズ0
- ノズルガス温度:室温
- ノズルガス圧力:1バール
操作モード:窒素直流
使用装置:ノズル1つを備えた噴霧塔
構成:噴霧塔-フィルター-スクラバー
ガス流量:1,500kg/時
フィルター材料:Nomex(登録商標)ニードルフェルト20m2
可撓管(flexible tube pump)ポンプによる送液:SP VF 15(供給業者:Verder)
噴霧塔は垂直に配置された長さ2,650mm、直径1,200mmのシリンダーを含み、そのシリンダーは底部において円錐状に細くなっているものであった。円錐の長さは600mmであった。シリンダーの頭部に、噴霧手段(2成分ノズル)を配置した。噴霧乾燥した材料を、噴霧塔の下流のフィルターで乾燥用ガスから分離し、次いで乾燥用ガスをスクラバーに通した。懸濁液をノズルの内側開口部に通し、ノズルガスを、開口部を取り囲むリング形状スリットに通した。次いで、噴霧乾燥した材料を500℃で5時間か焼した。か焼した材料は、B2O3:SiO2のモル比が0.045、全炭素含有量(TOC)が0.08重量%、結晶化度がXRDで決定して56%、BET比表面積がDIN 66131で決定して498m2/gであった。
5.3.2 脱ホウ素化及び四面体の空席の形成
脱イオン水840kgを、還流冷却器を装備した容器に用意した。40rpmで撹拌下、以上の5.1に記載の噴霧乾燥し、か焼したゼオライト材料28kgを使用した。その後、容器を閉じ、還流冷却器を稼働させた。撹拌速度を70rpmに上げた。70rpmで撹拌下、容器の内容物を1時間以内に100℃に加熱し、この温度で20時間維持した。次いで、容器の内容物を50℃未満の温度に冷却した。得られたBEA骨格構造を有する脱ホウ素化ゼオライト材料を、圧力2.5バールの窒素下で濾過することによって懸濁液から分離し、室温にて脱イオン水で4回洗浄した。濾過した後、濾過ケークを窒素気流中で6時間乾燥した。得られた脱ホウ素化ゼオライト材料を脱イオン水に再懸濁した後、5.3.1に記載されている条件下で噴霧乾燥した。水性懸濁液の固形分は、懸濁液の全重量に対して15重量%であった。得られたゼオライト材料は、B2O3:SiO2のモル比が0.002未満、水吸収が15重量%、結晶化度がXRDで決定して48%、BET比表面積がDIN 66131で決定して489m2/gであった。
5.3.3 固相イオン交換によるスズの組込み
参考例5、セクション5.3.2に記載されているBEA骨格構造を有する脱ホウ素化ゼオライト材料50gを酢酸スズ(II)(Sn(OAc)2[CAS-No:638-39-1])14.2gと一緒に混合器(ミル型Microton MB550)に加え、混合物を14,000r.p.m.(毎分の回転数)で15分間摩砕した。摩砕した後、混合物を磁器製かごに移し、500℃でN2下で3時間、続いて空気下で3時間、空気中で加熱勾配2K/分でか焼した。得られた粉末材料は、Sn含有量が13.1重量%、ケイ素(Si)含有量が38重量%、TOCが0.1重量%未満であった。DIN 66131で測定されたBET比表面積は442m2/gであり、結晶化度はXRDで決定して44%であり、水吸収は11.5重量%であった。UV/Visスペクトルは2つの最大値を示し、1つは波長200nmに存在し、250nm辺りにショルダーを示すものであった。FT-IRスペクトルにおいて、3701〜3741cm-1に最大値を示す第1の吸着バンドと3600〜3690cm-1に最大値を示す第2の吸着バンドとの強度比は1.62であった。
参考例5.4:スズ含有量が12.0重量%である、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料
上記の参考例5.3.2に記載されているBEA骨格構造を有する脱ホウ素化ゼオライト材料50gを酢酸スズ(II)(Sn(OAc)2[CAS-No:638-39-1])14.2gと一緒に混合器(ミル型Microton MB550)に加え、混合物を14,000r.p.m.(毎分の回転数)で15分間摩砕した。摩砕した後、混合物を磁器製かごに移し、空気中、500℃にて加熱勾配2K/分で3時間か焼した。
得られた粉末材料は、Sn含有量が12.0重量%、ケイ素(Si)含有量が35重量%、TOCが0.1重量%未満であった。DIN 66131で測定されたBET比表面積は391m2/gであり、結晶化度はXRDで決定して44%であり、水吸収は15重量%であった。UV/Visスペクトルは2つの最大値を示し、1つは波長200nmに存在し、250nm辺りにショルダーを示すものであった。FT-IRスペクトルにおいて、3701〜3741cm-1に最大値を示す第1の吸着バンドと3600〜3690cm-1に最大値を示す第2の吸着バンドとの強度比は1.32であった。
参考例5.5:スズ含有量が12.4重量%である、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料
上記の参考例5.3.2に記載されているBEA骨格構造を有する脱ホウ素化ゼオライト材料50gを酢酸スズ(II)(Sn(OAc)2[CAS-No:638-39-1])14.2gと一緒に、オーブン中に置かれているボールミル(ボール17個、全重量904g)に加え、混合物を80r.p.m.のボールミルで15分間摩砕した。ボールミルで摩砕した後、混合物を前記オーブン中、加熱勾配2K/分で500℃の温度に加熱し、500℃で3時間維持した。
得られた粉末材料は、Sn含有量が12.4重量%、ケイ素(Si)含有量が35.5重量%、B含有量が0.03重量%未満、TOCが0.1重量%であった。BET比表面積はDIN 66131で測定して426m2/gであった。
[実施例1]
BEA骨格構造を有し、スズ充填率12.4重量%であるゼオライト材料を用いた、シトラール(式(I)の化合物)のtert-ブタノール溶媒中における過酸化水素によるバイヤー・ビリガー酸化
1Lのガラス製フラスコに、下記の表1に記載されているシトラール(122.5g)、上記の参考例5.1によるゼオライト材料(8.75g、Sn充填率=12.4重量%)及びtert-ブタノール(367.5g)を加え、65℃に加熱した。次いで、過酸化水素水溶液(70重量/重量%、29.75g)を添加し、反応混合物を撹拌した。室温に冷却した後、得られた溶液を濾過し、濾液をGCで内部標準としてジオキサンを使用して分析した。
結果を下記の表1に示す。
実施例1の結果
実施例1から、式(Ia)の化合物の含有量が50%を超える式(I)の化合物を使用すると、過酸化水素に基づく選択性及び式(I)の化合物に基づく選択性は両方とも大幅に上がり、式(I)の化合物の転化率は、式(Ia)の化合物の含有量が50%又は50%未満の式(I)の化合物が使用された比較例の範囲に残ったままであることがはっきりとわかる。
実施例E1.1に関して、式(I)の化合物の転化率は比較例の転化率より低く、選択性は明らかに最高値を示したことに留意すべきである。特に、反応の工業用途にとって決定的なパラメータを表すのはこれらの選択値であることに留意すべきである。
[実施例2]
BEA骨格構造を有する異なるスズ含有ゼオライト材料を用いた、trans-シトラール(式(Ia)の化合物)のメチルtert-ブチルエーテル溶媒中における過酸化水素によるバイヤー・ビリガー酸化
各ランの触媒については、1Lのガラス製フラスコに、trans-シトラール(式(Ia)の化合物)の含有量が98%であるシトラール(式(I)の化合物)122.5g、下記の表2に示す触媒、及び溶媒メチルtert-ブチルエーテルを加え、50℃に加熱した。次いで、過酸化水素水溶液(70重量/重量%)を、混合物中に式(Ia)の化合物が過酸化水素に対して1.3モル当量存在するように添加した。触媒の量は、いずれの実験においても式(I)の化合物に対して6.6重量%であった。反応混合物を撹拌し、いずれの実験においても反応を150分間実施した。室温まで冷却した後、溶液を濾過し、濾液をGCで内部標準としてジオキサンを使用して分析した。
結果を下記の表2に示す。
実施例2の結果
実施例2から、Cormaら、Journal of Catalysis 234(2005) 96-100による調製方法の不利な点を回避する簡単な方法に従って調製された、バイヤー・ビリガー酸化において使用されたスズ含有モレキュラーシーブはすべて、価値ある生成物メロナールへの有利な選択性を導くことがわかる。表に記載のいくつかの選択値は表1に記載のいくつかの選択値より低くみえることがあるが、異なるプロセス条件で異なる溶媒及び異なる触媒が使用されているので、表1及び2の選択値を相互に比較することはできないことに留意しなければならない。実施例1は直接比較を可能にし、したがって当技術分野において教示された1:1混合物の使用と比較してtrans型のシトラールを出発物質として使用する利点を例示し、実施例2は、様々な触媒によって例示された発明概念の一般妥当性を示す。
引用文献
- Cormaら、Journal of Catalysis 234(2005) 96-100
- 国際公開第2014/068134号
- Baerlocherら、Atlas of Zeolite Framework Structures, Sixth Revised Edition, Elsevier, Amsterdam(2007) pp 72-73
- K. S. W. Sing, D. H. Everett, R. A. W. Haul, L. Moscou, R. A. Pierotti, J. Rouquerol, T. Siemieniewska, Reporting Physisorption Data for Gas/Solid Systems with Special Reference to the Determination of Surface Area and Porosity(Recommendations 1984) Pure & Appl. Chem. 57(1985) 603-619
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
式(III)の化合物を調製する方法であって、
(i)式(I)の化合物
であって、その50%超が式(Ia)の化合物
として存在する式(I)の化合物を、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、式(II)の化合物
及び場合により式(III)の化合物を含む反応混合物を得る工程
を含む、上記方法。
[実施形態2]
(i)において、式(I)の化合物の少なくとも95%が式(Ia)の化合物として存在する、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
(i)において、スズ含有モレキュラーシーブがスズ含有ゼオライト材料であり、スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型が好ましくはBEA、MWW、MFI、それらの2つ以上の混合物、及びそれらの2つ以上の混合型の群から選択され、より好ましくは構造型BEAを含む、実施形態1又は2に記載の方法。
[実施形態4]
スズ含有モレキュラーシーブのスズ含有量が、スズ含有モレキュラーシーブの全重量に対して0.1〜20重量%の範囲、好ましくは2〜14重量%の範囲である、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
[実施形態5]
(i)において、過酸化水素が、水溶液の全重量に対して25〜85重量%の範囲、好ましくは65〜75重量%の範囲の過酸化水素を含有する水溶液として使用される、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
[実施形態6]
(i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対過酸化水素のモル比が10:1〜1:1の範囲、好ましくは5:1〜1:1の範囲、より好ましくは3:1〜1:1の範囲である、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
[実施形態7]
(i)における酸化が、溶媒中、好ましくは有機溶媒中、好ましくはアルコール、エステル、エーテル、場合により適切に置換されたアルカン、及びニトリルの1つ以上を含む有機溶媒中で実施される、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
[実施形態8]
溶媒が、1つ以上のアルコールを含み、好ましくはtert-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、n-ペンタノール、3-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、3-ヘプタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-オクタノール、1-オクタノール、2,4,4-トリメチル-1-ヘキサノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2-プロピル-1-ヘプタノール、及び2-プロピル-5-メチル-1-ヘキサノールの1つ以上を含み、より好ましくは2-エチル-1-ヘキサノール及び3-ヘプタノールの1つ以上を含むアルコールを含む、又は1つ以上のエーテル、好ましくはメチルtert-ブチルエーテルを含む、実施形態7に記載の方法。
[実施形態9]
(i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対溶媒の重量比が、1:10〜1:2の範囲、好ましくは1:5〜1:2の範囲、より好ましくは1:4〜1:2の範囲である、実施形態7又は8に記載の方法。
[実施形態10]
(i)における酸化が、30〜90℃の範囲、好ましくは40〜80℃の範囲、より好ましくは50〜60℃の範囲の反応混合物の温度で実施される、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
[実施形態11]
(ii)好ましくは、(i)から得られた混合物から、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を分離する工程、
(iii)式(II)の化合物を加水分解して、式(III)の化合物を含有する混合物を得る工程、及び
(iv)好ましくは、(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離する工程
をさらに含む、実施形態1から10のいずれかに記載の方法。
[実施形態12]
(iii)において、加水分解が、(i)における酸化から得られた、好ましくは(ii)における分離によって得られた反応混合物に塩基水溶液を添加して、式(III)の化合物を含有する有機相及び水相を得ることによって実施され、(iv)において、(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離することが、有機相を水相から分離することを含み、式(III)の化合物が有機相から分離される、実施形態11に記載の方法。
[実施形態13]
実施形態1から10のいずれかに記載の方法で得ることができる又は得られる混合物。
[実施形態14]
式(I)の化合物
及びスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を含む混合物であって、
式(I)の化合物の50%超は式(Ia)の化合物として存在し、
混合物が好ましくは溶媒をさらに含む、上記混合物。
[実施形態15]
式(I)の化合物
であって、その50%超が式(Ia)の化合物
として存在する式(I)の化合物の使用、又は実施形態14に記載の混合物の使用であって、式(III)の化合物
を調製するための式(I)の化合物のバイヤー・ビリガー酸化を、その最大で50%が式(Ia)の化合物として存在する式(I)の化合物の、その他の点では同一の酸化条件の各バイヤー・ビリガー酸化と比較して、選択性を高め、かつ/又は反応時間を増加させるための使用。

Claims (18)

  1. 式(III)の化合物を調製する方法であって、
    (i)式(I)の化合物
    であって、その50%超が式(Ia)の化合物
    として存在する式(I)の化合物を、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒の存在下に過酸化水素で酸化して、式(II)の化合物
    及び場合により式(III)の化合物を含む反応混合物を得る工程
    を含む、上記方法。
  2. (i)において、式(I)の化合物の少なくとも95%が式(Ia)の化合物として存在する、請求項1に記載の方法。
  3. (i)において、スズ含有モレキュラーシーブがスズ含有ゼオライト材料であ、請求項1又は2に記載の方法。
  4. スズ含有ゼオライト材料の骨格構造型がBEA、MWW、MFI、それらの2つ以上の混合物、及びそれらの2つ以上の混合型の群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. スズ含有モレキュラーシーブのスズ含有量が、スズ含有モレキュラーシーブの全重量に対して0.1〜20重量%の範囲ある、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (i)において、過酸化水素が、水溶液の全重量に対して25〜85重量%の範囲の量の過酸化水素を含有する水溶液として使用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対過酸化水素のモル比が10:1〜1:1の範囲ある、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. (i)における酸化が、溶媒中実施される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 溶媒が、1つ以上のアルコールを含、又は1つ以上のエーテル含む、請求項8に記載の方法。
  10. (i)における酸化の初めに、式(I)の化合物対溶媒の重量比が、1:10〜1:2の範囲ある、請求項8又は9に記載の方法。
  11. (i)における酸化が、30〜90℃の範囲反応混合物の温度で実施される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (iii)式(II)の化合物を加水分解して、式(III)の化合物を含有する混合物を得る工程さらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. (ii)(i)から得られた混合物から、スズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を分離する工程
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. (iv)(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離する工程
    をさらに含む、請求項12又は13に記載の方法。
  15. (iii)において、加水分解が、(i)における酸化から得られた反応混合物又は場合により(ii)における分離によって得られた反応混合物に塩基水溶液を添加して、式(III)の化合物を含有する有機相及び水相を得ることによって実施され、
    場合により(iv)において、(iii)から得られた混合物から式(III)の化合物を分離することが、有機相を水相から分離することを含み、
    式(III)の化合物が有機相から分離される、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 式(I)の化合物
    及びスズ含有モレキュラーシーブを含む触媒を含む混合物であって、
    式(I)の化合物の50%超は式(Ia)の化合物
    として存在する、上記混合物。
  17. 混合物が溶媒をさらに含む、請求項16に記載の混合物。
  18. 式(I)の化合物
    であって、その50%超が式(Ia)の化合物
    として存在する式(I)の化合物の使用、又は請求項16又は17に記載の混合物の使用であって、式(III)の化合物
    を調製するための使用
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