JP6461175B2 - 有機カルボニル化合物の酸化方法 - Google Patents
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Description
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および場合により溶剤を含む液状混合物を準備するステップと、
(ii)前記液状混合物中の式(I)の化合物と過酸化水素とをスズ含有のゼオライト材料を含む触媒の存在下で反応させることで、式(II)
を含み、前記式中、R1およびR2は、互いに独立して、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル残基、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル残基、アリールもしくはヘテロアリール残基、または水素原子であるが、但し、R1およびR2は、同時に水素原子ではなく、ここでR1もR2も水素原子ではない場合に、R1およびR2は、カルボニル基もしくはカルボキシル基と一緒になって環を形成し、その式(I)の化合物は
式(I)の化合物
式(I)
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および場合により溶剤を含む液状混合物を準備するステップと、
(ii)前記液状混合物中の式(I)の化合物と過酸化水素とをスズ含有のゼオライト材料を含む触媒の存在下で反応させることで、式(II)
を含み、前記式中、R1、R2および前記カルボニル炭素原子によって形成された環は、4〜20個の、好ましくは4〜18個の、より好ましくは5〜16個の炭素原子を、好ましくは5、6、8、12、15もしくは16個の炭素原子を有する、前記方法に関する。
有機カルボニル化合物の化学的性質に応じて、該有機カルボニル化合物は、ステップ(ii)で採用される反応条件下で液状であると考えられる。この場合に、該反応は溶剤を添加することなく行われ、そしてステップ(i)において溶剤を含まない液状混合物が準備されると考えられる。好ましくは、ステップ(ii)による反応のために、少なくとも1種の溶剤が使用され、そしてステップ(i)においては、溶剤を含有する液状混合物が準備される。従って、本発明は、
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および溶剤を含む液状混合物を準備するステップ
を含む、前記方法に関する。
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および極性溶剤、好ましくは極性非プロトン性溶剤を含む液状混合物を準備するステップ
を含む、前記方法に関する。
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、およびアセトニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、プロピオニトリル、1,4−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルアセテート、ブチルアセテート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、およびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される極性溶剤を含み、その際、前記溶剤は、より好ましくは1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの2種もしくは3種の混合物である液状混合物を準備するステップ
を含む、前記方法に関する。
ステップ(i)で使用される過酸化水素は、あらゆる考えられる方法に従って製造してよい。過酸化水素は、硫酸をペルオキソ二硫酸へと陽極酸化によって同時に陰極で水素を発生しつつ転化させることによって得られると考えられる。次いでそのペルオキソ二硫酸の加水分解により、ペルオキソ一硫酸を経て過酸化水素と硫酸に導かれ、こうして硫酸が再度得られる。元素からの過酸化水素の製造も考えられる。特定の製造方法に応じて、前記過酸化水素は、例えば水性の過酸化水素溶液の形で、または水性/メタノール性の過酸化水素溶液の形で、好ましくは水性の過酸化水素溶液の形で使用することができる。水性の過酸化水素溶液が使用される場合に、該溶液の過酸化水素に関する含量は、好ましくは20質量%から90質量%までの範囲であり、好ましくは30質量%から85質量%までの範囲であり、より好ましくは40質量%から75質量%までの範囲である。
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、およびアセトニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、プロピオニトリル、1,4−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルアセテート、ブチルアセテート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、およびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される極性溶剤を含み、その際、前記溶剤は、より好ましくは1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの2種もしくは3種の混合物である液状混合物を準備するステップ
を含み、その際、ステップ(i)で前記液状混合物を準備するために、過酸化水素は、ステップ(i)において、過酸化水素水溶液の全質量に対して、20質量%から90質量%までの範囲の、好ましくは30質量%から85質量%までの範囲の、より好ましくは40質量%から75質量%までの範囲の過酸化水素濃度を有する過酸化水素水溶液の形で使用され、ここで前記過酸化水素水溶液は、更に1×10-6:1から250×10-6:1までの範囲の、好ましくは5×10-6:1から50×10-6:1までの範囲のナトリウムの過酸化水素に対するモル比でナトリウムを含む、前記方法に関する。
ステップ(i)によれば、前記液状混合物は、式(I)の化合物に加えて、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩を含む。
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、およびアセトニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、プロピオニトリル、1,4−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルアセテート、ブチルアセテート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、およびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される極性溶剤を含み、その際、前記溶剤は、より好ましくは1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの2種もしくは3種の混合物である液状混合物を準備するステップ
を含み、その際、ステップ(i)で前記液状混合物を準備するために、過酸化水素は、ステップ(i)において、過酸化水素水溶液の全質量に対して、30質量%から80質量%までの範囲の、より好ましくは35質量%から75質量%までの範囲の、より好ましくは40質量%から70質量%までの範囲の過酸化水素濃度を有する過酸化水素水溶液の形で使用され、ここで前記過酸化水素水溶液は、更に1×10-6:1から250×10-6:1までの範囲の、好ましくは5×10-6:1から50×10-6:1までの範囲のナトリウムの過酸化水素に対するモル比でナトリウムを含み、かつ
前記少なくとも1種のカリウム塩は、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、過塩素酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機カリウム塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、脂肪族飽和カルボン酸、例えば好ましくは1個から6個までの、より好ましくは1個から5個までの、より好ましくは1個から4個までの、より好ましくは1個から3個までの炭素原子を有するモノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、好ましくは2個から6個までの、より好ましくは2個から4個までの炭素原子を有するジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、好ましくは4個から10個までの炭素原子を有するトリカルボン酸、例えばクエン酸もしくはイソクエン酸またはプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、テトラカルボン酸のカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の有機カリウム塩、および前記少なくとも1種の無機カリウム塩の少なくとも1種と前記少なくとも1種の有機カリウム塩の少なくとも1種との組み合わせからなる群から選択され、その際、前記少なくとも1種のカリウム塩は、より好ましくは、硝酸カリウム、リン酸二水素カリウム、ギ酸カリウム、およびそれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される、前記方法に関する。
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の溶解されたカリウム塩、および場合により溶剤を含む液状混合物を準備するステップ
を含み、その際、ステップ(i)で準備される液状混合物中の少なくとも1種のカリウム塩の濃度は、ステップ(i)で準備される液状混合物中での少なくとも1種のカリウム塩の溶解限度の10%から100%までの範囲である、前記方法に関する。
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および極性溶剤を含む液状混合物を準備するステップ
を含み、その際、ステップ(i)で準備される液状混合物中に含まれるカリウムの、過酸化水素に対するモル比は、25×10-6:1から1000×10-6:1までの、好ましくは100×10-6:1から600×10-6:1までの、より好ましくは250×10-6:1から450×10-6:1までの範囲である、前記方法に関する。
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、およびアセトニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、プロピオニトリル、1,4−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルアセテート、ブチルアセテート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、およびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される極性溶剤を含み、その際、前記溶剤は、より好ましくは1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの2種もしくは3種の混合物である液状混合物を準備するステップ
を含み、その際、ステップ(i)で前記液状混合物を準備するために、過酸化水素は、ステップ(i)において、過酸化水素水溶液の全質量に対して、30質量%から80質量%までの範囲の、より好ましくは35質量%から75質量%までの範囲の、より好ましくは40質量%から70質量%までの範囲の過酸化水素濃度を有する過酸化水素水溶液の形で使用され、ここで前記過酸化水素水溶液は、更に1×10-6:1から250×10-6:1までの範囲の、好ましくは5×10-6:1から50×10-6:1までの範囲のナトリウムの過酸化水素に対するモル比でナトリウムを含み、
前記少なくとも1種のカリウム塩は、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、過塩素酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機カリウム塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、脂肪族飽和カルボン酸、例えば好ましくは1個から6個までの、より好ましくは1個から5個までの、より好ましくは1個から4個までの、より好ましくは1個から3個までの炭素原子を有するモノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、好ましくは2個から6個までの、より好ましくは2個から4個までの炭素原子を有するジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、好ましくは4個から10個までの炭素原子を有するトリカルボン酸、例えばクエン酸もしくはイソクエン酸またはプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、テトラカルボン酸のカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の有機カリウム塩、および前記少なくとも1種の無機カリウム塩の少なくとも1種と前記少なくとも1種の有機カリウム塩の少なくとも1種との組み合わせからなる群から選択され、その際、前記少なくとも1種のカリウム塩は、より好ましくは、硝酸カリウム、リン酸二水素カリウム、ギ酸カリウム、およびそれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択され、かつ
ステップ(i)で準備される液状混合物中に含まれるカリウムの、過酸化水素に対するモル比は、25×10-6:1から1000×10-6:1までの、好ましくは100×10-6:1から600×10-6:1までの、より好ましくは250×10-6:1から450×10-6:1までの範囲である、前記方法に関する。
ステップ(ii)によれば、式(I)による化合物と過酸化水素とは、スズ含有のゼオライト材料を含む触媒の存在下で反応される。ステップ(ii)での反応をどのように、例えば回分方式で、半回分方式で、または連続方式で実施するかに応じて、前記ゼオライト材料は、そのままで、すなわち合成および任意の後処理から得られたゼオライト粉末のままで、または合成および任意の後処理から得られたゼオライト粉末を、該ゼオライト粉末に加えて更にバインダーを含んでよい成形物が得られる成形方法にかけることによって製造された成形物の形で使用することができる。
(a)SiO2およびB2O3を含むMWW骨格構造を有するホウ素含有のゼオライト材料(B−MWW)を準備するステップ、
(b)ステップ(a)で準備されたB−MWWを5.5から8までの範囲のpHを有する液体溶剤系で処理することによって前記B−MWWを脱ホウ素化するステップ、
(c)Snをステップ(b)から得られる脱ホウ素化されたB−MWW中に以下のステップ(c.1)〜(c.3)を含む方法によって導入するステップ、
(c.1)ステップ(ii)から得られる脱ホウ素化されたB−MWW、MWWテンプレート化合物、好ましくはピペリジン、ヘキサメチレンイミン、N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,5−ペンタンジアンモニウムイオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタン、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘプチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、およびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択されるMWWテンプレート化合物、およびスズ源を含有する水性合成混合物を調製するステップ、その際、前記合成混合物において、SnO2として計算されたSnの、SiO2として計算された脱ホウ素化されたB−MWW中に含まれるSiに対するモル比は、多くとも0.015:1であり;
(c.2)ステップ(c.1)から得られた合成混合物からMWW型の骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料を水熱合成することにより、MWW型の骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料をその母液中に得るステップ;
(c.3)ステップ(c.2)から得られたMWW型の骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料をその母液から分離するステップ;
(d)ステップ(c)から得られたMWW骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料を、高くても5のpHを有する水溶液で処理することによって、元素として計算して、かつSn−MWWの質量を基準として、高くても2質量%のSn含量を有するSn−MWWが得られ、場合により該Sn−MWWを前記水溶液から分離するステップ、
を含む、前記方法。
(a−1)ケイ素源、好ましくはアンモニアで安定化されたコロイダルシリカ、ホウ素源、好ましくはホウ酸、およびMWWテンプレート化合物、好ましくはピペリジン、ヘキサメチレンイミン、N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,5−ペンタンジアンモニウムイオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタン、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘプチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、およびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択されるMWWテンプレート化合物を含有する水性合成混合物からB−MWW前駆体を水熱合成することで、前記B−MWW前駆体をその母液中で得るステップ;
(a−2)前記B−MWW前駆体をその母液から分離するステップ、好ましくは前記ステップは、該B−MWW前駆体を乾燥するステップを含み、その際、前記乾燥は、好ましくは、100℃から180℃までの、より好ましくは110℃から140℃までの範囲の温度で行われ;
その際、ステップ(a−1)の合成混合物において、前記ホウ素源中に含まれるB2O3として計算されたBの、前記ケイ素源中に含まれるSiO2として計算されたSiに対するモル比は、好ましくは0.4:1から0.6:1までの、より好ましくは0.45:1から0.55:1までの、より好ましくは0.47:1から0.52:1までの範囲にあり、
前記MWWテンプレート化合物の、Si源中に含まれるSiO2として計算されたSiに対するモル比は、好ましくは0.8:1から1.7:1までの、より好ましくは1.0:1から1.5:1までの、より好ましくは1.1:1から1.3:1までの範囲にあり、かつ
H2Oの、ケイ素源中に含まれるSiO2として計算されたSiに対するモル比は、好ましくは12:1から20:1までの、より好ましくは13:1から18:1までの、より好ましくは14:1から16:1までの範囲にある、前記方法。
(a)X2O3およびYO2[式中、式中、Yは、Si、Ti、Zr、Geおよびそれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される四価の元素であり、かつXは、Al、B、In、Ga、Feおよびそれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される三価の元素である]を含む空の四面体骨格サイトを有するMWW骨格構造を有するゼオライト材料を準備するステップ、
(b)スズイオン源を固体形で準備するステップ、
(c)スズをステップ(a)で準備されたゼオライト材料中に、該ステップ(a)で準備されたゼオライト材料を、前記ステップ(b)で準備されたスズイオン源と固体イオン交換条件下で接触させることによって導入することで、MWW骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料を得るステップ、
を含む、前記方法。
(a.1)MWW骨格構造を有するゼオライト出発材料を準備するステップ、その際、該ゼオライト出発材料の骨格構造は、X2O3およびYO2を含み、かつX2O3:YO2のモル比は、少なくとも0.03:1であり、好ましくは0.03:1から0.09:1までの範囲であり、より好ましくは0.03:1から0.08:1までの範囲であり、より好ましくは0.03:1から0.07:1までの範囲であり;
(a.2)ステップ(a.1)で準備されたゼオライト出発材料を液体溶剤系で、好ましくは還流下に処理することによって空の四面体骨格サイトを生成させることで、0.03未満:1のX2O3:YO2のモル比を有するゼオライト材料を得るステップ、その際、前記液体溶剤系は、好ましくは、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2,3−ジオールおよびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、前記液体溶剤系は、より好ましくは水であり、より好ましくは前記液体溶剤系は、無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を含有せず、かつ前記処理は、好ましくは50℃から125℃までの範囲の、より好ましくは90℃から115℃までの範囲の、より好ましくは95℃から105℃までの範囲の温度で、かつ好ましくは6時間から20時間までの範囲の、より好ましくは7時間から17時間までの範囲の、より好ましくは8時間から12時間までの範囲の時間にわたり行われ;
(a.3)ステップ(a.2)から得られたゼオライト材料を、前記液体溶剤系から少なくとも部分的に分離するステップ、前記ステップは、場合により乾燥を含み、その乾燥は、好ましくは100℃から180℃までの範囲の、より好ましくは110℃から140℃までの範囲の温度で行われ;
(a.4)場合により、ステップ(a.3)から得られた分離されたゼオライト材料を、好ましくは400℃から800℃までの範囲の、より好ましくは600℃から700℃までの範囲の温度で焼成するステップ。
(iv)ステップ(c)から得られたゼオライト材料を熱処理にかけるステップ
を更に含む、前記方法。
(e)ステップ(c)または(d)から、好ましくはステップ(d)から得られたゼオライト材料を、高くても5のpHを有する水溶液で処理するステップ
を更に含む、前記方法。
(vi)ステップ(e)で得られたゼオライト材料を、好ましくは洗浄後に乾燥および焼成するステップ
を含み、その際、前記乾燥は、好ましくは90℃から180℃までの範囲の、好ましくは100℃から150℃までの範囲の温度で、1時間から24時間までの範囲の、好ましくは6時間から12時間までの範囲の時間にわたり行われ、かつ前記焼成は、好ましくは400℃から700℃までの範囲の、好ましくは450℃から600℃までの範囲の温度で、1時間から24時間までの範囲の、好ましくは6時間から12時間までの範囲の時間にわたり行われる、前記方法。
(a)X2O3およびYO2[式中、式中、Yは、Si、Ti、Zr、Geおよびそれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される四価の元素であり、かつXは、Al、B、In、Ga、Feおよびそれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される三価の元素である]を含む空の四面体骨格サイトを有するBEA骨格構造を有するゼオライト材料を準備するステップ、
(b)スズイオン源を固体形で準備するステップ、
(c)スズをステップ(a)で準備されたゼオライト材料中に、該ステップ(a)で準備されたゼオライト材料を、前記ステップ(b)で準備されたスズイオン源と固体イオン交換条件下で接触させることによって導入することで、BEA骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料を得るステップ、
(d)ステップ(c)から得られたゼオライト材料を熱処理にかけるステップ、
(e)ステップ(d)から得られた熱処理されたゼオライト材料を、高くても5のpHを有する水溶液で処理するステップ
を含む、前記方法。
(a.1)BEA骨格構造を有するゼオライト出発材料を準備するステップ、その際、該ゼオライト出発材料の骨格構造は、X2O3およびYO2を含み、かつX2O3:YO2のモル比は、0.02超:1であり、好ましくは少なくとも0.03:1であり、より好ましくは0.03:1から0.07:1までの範囲であり、より好ましくは0.03:1から0.06:1までの範囲であり、より好ましくは0.03:1から0.05:1までの範囲であり;
(a.2)ステップ(a.1)で準備されたゼオライト出発材料を液体溶剤系で、好ましくは還流下に処理することによって空の四面体骨格サイトを生成させることで、大きくても0.02:1のX2O3:YO2のモル比を有するゼオライト材料を得るステップ、その際、前記液体溶剤系は、好ましくは、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2,3−ジオールおよびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、前記液体溶剤系は、より好ましくは水であり、より好ましくは前記液体溶剤系は、無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を含有せず、かつ前記処理は、好ましくは50℃から125℃までの範囲の、より好ましくは90℃から115℃までの範囲の、より好ましくは95℃から105℃までの範囲の温度で、好ましくは6時間から20時間までの範囲の、より好ましくは7時間から17時間までの範囲の、より好ましくは8時間から12時間までの範囲の時間にわたり行われ;
(a.3)ステップ(a.2)から得られたゼオライト材料を、前記液体溶剤系から少なくとも部分的に分離するステップ、前記ステップは、場合により乾燥を含み;
(a.4)場合により、ステップ(a.3)から得られた分離されたゼオライト材料を、好ましくは400℃から700℃までの範囲の、より好ましくは450℃から550℃までの範囲の温度で、かつ1時間から10時間までの範囲の、より好ましくは3時間から6時間までの範囲の時間にわたり焼成するステップ。
(f)ステップ(e)で得られたゼオライト材料を、好ましくは洗浄後に乾燥および/または焼成するステップ
を含み、その際、前記乾燥は、好ましくは100℃から180℃までの範囲の、好ましくは120℃から150℃までの範囲の温度で、10時間から70時間までの範囲の、好ましくは15時間から25時間までの範囲の時間にわたり行われ、かつ前記焼成は、好ましくは550℃から700℃までの範囲の、好ましくは600℃から680℃までの範囲の温度で、1時間から10時間までの範囲の、好ましくは2時間から5時間までの範囲の時間にわたり行われる、前記方法。
本発明の酸化方法がステップ(ii)で行われる方式に応じて、スズ含有のゼオライト材料を含む触媒は、好ましくは粉末として、噴霧乾燥粉末として、または成形物として使用される。例えば、本発明の酸化方法が回分方式で実施される場合に、スズ含有のゼオライト材料を含む触媒を、粉末として、または噴霧乾燥粉末として使用することが好ましいことがある。例えば、本発明の酸化方法が半連続方式または連続方式で実施される場合に、スズ含有のゼオライト材料を含む触媒を、噴霧乾燥粉末として、または成形物として使用することが好ましいことがある。従って、本発明の酸化方法の具体的な方式に応じて、スズ含有のゼオライト系の粉末または噴霧乾燥粉末を、好ましくは前記実施形態によるスズ含有のゼオライト系の粉末または噴霧乾燥粉末を更に加工して、該粉末または該噴霧乾燥粉末を含む成形物を製造することが考えられる。
(A)スズ含有のゼオライト材料を含む成形可能な混合物であって、場合によりバインダーまたはバインダー前駆体を含む前記混合物を調製するステップ、
(B)ステップ(A)から得られた混合物を成形することで、スズ含有のゼオライト材料を含有する成形物を得るステップ、
(C)場合により、ステップ(B)で得られた成形物を乾燥および/または焼成するステップ
を含む方法によって製造される。
(A)スズ含有のゼオライト材料を含む成形可能な混合物であって、場合によりバインダーまたはバインダー前駆体を含む前記混合物を調製するステップ、
(B)ステップ(A)から得られた混合物を成形することで、スズ含有のゼオライト材料を含有する成形物を得るステップ、
(C)場合により、ステップ(B)で得られた成形物を乾燥および/または焼成するステップ、
(D)ステップ(B)または(C)から、好ましくはステップ(C)から得られた成形物を、5.5から8までの範囲のpHを有する水性系で処理するステップ、
(E)場合により、ステップ(D)から得られた成形物を乾燥および/または焼成するステップ、
を含む方法によって製造できる。
ステップ(ii)で採用される反応条件は特に制限されない。特に、ステップ(ii)による反応混合物の温度に関しては、式(II)の酸化された有機カルボニル化合物を得るのに適しているならば特段の制限は存在しない。特に、前記反応温度は、溶剤の存在もしくは不存在、または溶剤の化学的性質に依存することとなる。好ましくは、ステップ(i)による反応は、50℃から150℃までの範囲の、好ましくは70℃から120℃までの範囲の、より好ましくは90℃から110℃までの範囲の温度で行われる。
ステップ(ii)による反応の後に、式(II)の得られた化合物は、好ましくはステップ(ii)から得られた反応混合物から分離される。従って、本発明は、更に
(iii)式(II)の化合物をステップ(i)で得られた混合物から分離するステップ
を含む、前記方法に関する。
本発明によれば、スズ含有のゼオライト材料、好ましくはMWWまたはBEA骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料を含む触媒と、該触媒への添加剤として使用される少なくとも1種のカリウム塩との特定の組み合わせは、式(II)による有機化合物を式(I)の有機化合物から酸化剤として過酸化水素を用いて、かつ好ましくは溶剤の存在下に製造される酸化反応の予想外かつ優れた特性に導くことが判明した。従って、本発明は、また、スズ含有のゼオライト材料を含む触媒と少なくとも1種のカリウム塩とを含む触媒系であって、前記少なくとも1種のカリウム塩が、少なくとも1種の無機カリウム塩、少なくとも1種の有機カリウム塩、および少なくとも1種の無機カリウム塩と少なくとも1種の有機カリウム塩との組み合わせからなる群から選択される、前記触媒系に関する。
(i’)過酸化水素、前記少なくとも1種のカリウム塩、場合により溶剤、および式(I)
(ii’)好ましくは、前記液状混合物中の式(I)の化合物と過酸化水素とを、前記スズ含有のゼオライト材料を含む触媒の存在下に反応させることで、式(II)
参考例A:吸水率の測定
ゼオライト材料の吸水率は、TAインスツルメンツ社製のVTI SA機器でステップ等温プログラムに従って実行された水吸脱着等温線によって測定される。その実験は、前記機器の内側にある微量はかり皿上に置かれたサンプル材料に対して行われる1つの実行または一連の複数の実行からなるものであった。測定を開始する前に、サンプルの残留水分を、該サンプルを100℃(5℃/分の昇温加熱)にまで加熱し、それを窒素流下で6時間にわたり保持することによって除去した。乾燥プログラムの後に、セル中の温度を25℃にまで低下させ、測定の間、等温に保った。微量はかりを校正し、そして乾燥されたサンプルの重さを量った(最大の質量のずれ0.01質量%)。該サンプルによる吸水率は、乾燥サンプルの重さに対する重さの増大として測定した。まず、吸着曲線を、該サンプルがさらされる相対湿分(RH)(セル内部の雰囲気中の水の質量%として表現される)を高め、そして平衡したときのサンプルによる吸水率を測定することによって測定した。前記相対湿分(RH)を10質量%のステップで5%から85%にまで高め、各ステップでシステムはその相対湿分(RH)を制御し、サンプルの重さを、該サンプルを85質量%から5質量%にまで10%のステップでさらした後で平衡状態に達するまでサンプルの重さを監視し、該サンプルの重さ(吸水率)の変化を監視し、記録した。
B.1 MWW骨格構造を有するゼオライト材料の結晶化度
本発明によるゼオライト材料の結晶化度は、XRD分析によって測定した。データは、Cu−X線源とエネルギー分散型点検出器を備えた標準的なブラッグ−ブレンターノ型の回折計を使用して収集した。2°から70°までの角度範囲(2シータ)は0.02°のステップサイズで走査し、その一方で、可変発散スリットは、照射されたサンプルの長さが一定の20mmとなるように調節される。次いで、それらのデータをTOPAS V4ソフトウェアを使用して解析する。その際、複数の先鋭な回折ピークが、以下の出発パラメータ:空間群P6/mmmにおいてa=14.4オングストロームおよびc=25.2オングストロームを有する単位胞を含めたPawleyフィッティングを使用してモデル化される。これらを抽出することでデータをフィッティングする。線形のバックグラウンドがモデル化される。独立したピークを、以下の位置8.4°、22.4°、28.2°および43°に挿入する。これらは、非晶質分の説明のために使用される。晶質分は、非晶質分についての強度に対する晶質シグナルの強度を表している。
本発明によるゼオライト材料の結晶化度は、XRD解析によってUser Manual DIFFRAC.EVA Version 3,第105頁(Bruker AXS GmbH,カールスルーエ)に記載されるEVA法を使用して測定された。それぞれのデータは、標準的なBruker D8 Advance Diffractometer Series IIにおいてSol−X検出器を用いて、2°から50°までの2シータで、可変スリット(V20)を使用し、0.02°の2シータのステップサイズおよび2.4s/ステップのスキャン速度を使用して収集した。デフォルトパラメータは、バックグラウンド/非晶質分を推定するために使用した(曲率=1、閾値=1)。
FT−IR(フーリエ変換赤外)測定は、Nicolet 6700分光計で実施した。粉末化された材料を、添加剤を全く用いずに自己支持性のペレットへと圧縮した。該ペレットを、FT−IR機器中に位置する高真空(HV)セル中に導入した。測定前に、サンプルを高真空(10-5mbar)中で300℃で3時間にわたり前処理した。該セルを50℃に冷却した後にスペクトルを収集した。該スペクトルは、2cm-1の解像度で4000cm-1から800cm-1までの範囲で記録した。得られたスペクトルを、x軸上に波数(cm-1)を有し、かつy軸上に吸収(任意の単位、a.u.)を有するプロットで表す。ピーク高さおよびこれらのピーク間の比率の定量的測定のために、ベースライン校正を行った。3000cm-1から3900cm-1までの領域での変化を解析し、多重サンプルの比較のために、参照として1800±5cm-1でのバンドを取得した。
参考例1.1:水熱合成によるスズの導入を介したMWW骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料の製造
参考例1.1.1:水熱合成によるスズの導入を介したMWW骨格構造を有する0.46質量%のSn含量を有するスズ含有のゼオライト材料の製造
(i)B−MWWの製造
480kgの脱イオン水を容器中に準備した。70rpm(1分間あたりの回転数)で撹拌しながら、166kgのホウ酸を室温で水中に懸濁した。該懸濁液を、室温で更に3時間にわたり撹拌した。引き続き、278kgのピペリジンを添加し、そして該混合物を更に1時間にわたり撹拌した。得られた溶液に、400kgのLudox(登録商標)AS−40を添加し、そして得られた混合物を室温で更に1時間にわたり70rpmで撹拌した。最終的に得られた混合物を、結晶化容器へと移し、170℃へと5時間にわたり自圧下で撹拌(50rpm)しながら加熱した。170℃の温度を実質的に一定に120時間にわたり維持した。この120時間の間に、該混合物は50rpmで撹拌した。引き続き、該混合物を50℃〜60℃の温度に冷却した。B−MWW前駆体を含有する水性懸濁液は、pH検知電極での測定により測定された11.3のpHを有するものであった。前記懸濁液から、B−MWW前駆体を濾過によって分離した。次いで濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が700マイクロシーメンス/cm未満の導電性となるまで洗浄した。こうして得られた濾過ケークを、噴霧塔中で以下の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥にかけた:
乾燥ガス、ノズルガス: 工業用窒素
乾燥ガスの温度:
− 噴霧塔の温度(入口): 235℃
− 噴霧塔の温度(出口): 140℃
ノズル:
− 上部コンポーネントノズル: 供給業者Gerig:サイズ0
− ノズルガス温度: 室温
− ノズルガス圧力: 1bar
作動モード: 窒素直接式(nitrogen straight)
使用装置: 1つのノズルを備えた噴霧塔
構成: 噴霧塔−フィルタ−スクラバ
ガス流量: 1500kg/h
フィルタ材料: Nomex(登録商標)ニードルフェルト20m2
フレキシブルチューブポンプを介して計量供給: SP VF 15(供給業者:Verder)。
脱イオン水9kgおよび例1の(i)により得られた焼成されたゼオライト600gを、100℃で250rpmでの撹拌下に10時間にわたり還流させた。得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料を、濾過により懸濁液から分離し、そして4lの脱イオン水で室温において洗浄した。濾過後に、濾過ケークを120℃の温度で16時間にわたり乾燥させた。MWW骨格構造を有する乾燥されたゼオライト材料は、B2O3:SiO2のモル比0.0020:1を有するものであった。
776.25gの脱イオン水をガラスビーカー中に準備し、375gのピペリジンを撹拌しながら添加した。この懸濁液に、1.45gのSn(OAc)2(Sn(II)アセテート)を添加し、そして該懸濁液を更に10分間にわたり撹拌した。前記(ii)により得られたゼオライト材料172.4gを、その混合物に添加し、そして室温で20分間(200rpm)にわたり撹拌した。次いで得られた懸濁液をオートクレーブ中に充填した。該混合物を、170℃の温度で撹拌(100rpm)しながら48時間にわたり処理した。その後に、オートクレーブを室温にまで冷やし、そして得られたゼオライト材料を室温での濾過により懸濁液から分離し、そして脱イオン水で、洗浄水が200マイクロシーメンス/cm未満の導電性となるまで洗浄した。濾過後に、濾過ケークを120℃で16時間にわたり乾燥させた。乾燥されたゼオライト材料は、40質量%のSi含量と0.42質量%のSn含量を有していた。
前記(iii)により得られたゼオライト173.4gを、丸底フラスコ中に準備し、0から1までの範囲のpHを有する30質量%のHNO3水溶液5202gを添加した。該混合物を100℃の温度で20時間(200rpm)の時間にわたり還流下で撹拌した。該懸濁液を濾過し、そして濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が約7のpHを有するまで洗浄した。得られたゼオライト材料を、120℃で16時間にわたり乾燥させ、そして550℃へと加熱(1分間あたり2℃)し、引き続き550℃で10時間にわたり加熱することによって焼成した。乾燥および焼成されたゼオライト材料は、47質量%のSi含量と0.46質量%のSn含量を有し、XRDにより測定された26.91オングストロームのcパラメータを有していた。XRDにより測定された該ゼオライト材料の結晶化度は、89%であった。更に、該ゼオライト材料は、DIN66131に準じて測定された520m2/gのBET表面積およびDIN66131に準じて測定された713m2/gのラングミュア表面積を有していた。更に、得られたゼオライト材料は、(6.6±0.1)°、(7.1±0.1)°、(7.9±0.1)°、(9.6±0.1)°、(12.8±0.1)°、(14.4±0.1)°、(14.7±0.1)°、(15.8±0.1)°、(19.3±0.1)°、(20.1±0.1)°、(21.7±0.1)°、(21.9±0.1)°、(22.6±0.1)°、(22.9±0.1)°、(23.6±0.1)°、(25.1±0.1)°、(26.1±0.1)°、(26.9±0.1)°、(28.6±0.1)°および(29.1±0.1)°の2シータ回折角でのピークを含むX線回折パターンを有していた。
(i)B−MWWの製造
480kgの脱イオン水を容器中に準備した。70rpm(1分間あたりの回転数)で撹拌しながら、166kgのホウ酸を室温で水中に懸濁した。該懸濁液を、室温で更に3時間にわたり撹拌した。引き続き、278kgのピペリジンを添加し、そして該混合物を更に1時間にわたり撹拌した。得られた溶液に、400kgのLudox(登録商標)AS−40を添加し、そして得られた混合物を室温で更に1時間にわたり70rpmで撹拌した。最終的に得られた混合物を、結晶化容器へと移し、170℃へと5時間にわたり自圧下で撹拌(50rpm)しながら加熱した。170℃の温度を実質的に一定に120時間にわたり維持した。この120時間の間に、該混合物は50rpmで撹拌した。引き続き、該混合物を50℃〜60℃の温度に冷却した。B−MWWを含有する水性懸濁液は、pH検知電極での測定により測定された11.3のpHを有していた。前記懸濁液から、B−MWWを濾過によって分離した。次いで濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が500マイクロシーメンス/cm未満の導電性となるまで洗浄した。こうして得られた濾過ケークを、噴霧塔中で以下の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥にかけた:
乾燥ガス、ノズルガス: 工業用窒素
乾燥ガスの温度:
− 噴霧塔の温度(入口): 235℃
− 噴霧塔の温度(出口): 140℃
ノズル:
− 上部コンポーネントノズル: 供給業者Gerig:サイズ0
− ノズルガス温度: 室温
− ノズルガス圧力: 1bar
作動モード: 窒素直接式
使用装置: 1つのノズルを備えた噴霧塔
構成: 噴霧塔−フィルタ−スクラバ
ガス流量: 1500kg/h
フィルタ材料: Nomex(登録商標)ニードルフェルト20m2
フレキシブルチューブポンプを介して計量供給: SP VF 15(供給業者:Verder)。
脱イオン水1590kgおよび前記(i)から得られた焼成された材料106kgを、100℃で70rpmでの撹拌下に10時間にわたり還流させた。得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料を、濾過により懸濁液から分離し、そして150lの脱イオン水で4回、室温において洗浄した。濾過後に、濾過ケークを120℃で16時間にわたり乾燥させた。MWW骨格構造を有する乾燥されたゼオライト材料は、0.04質量%のB含量、42質量%のSi含量、およびDIN66131に準じて測定された462m2/gのBET比表面積を有していた。
776.25gの脱イオン水をガラスビーカー中に準備し、375gのピペリジンを撹拌しながら添加した。この懸濁液に、25gのピペリジン中に予め溶解された2.5gのSn(IV)ブトキシドを添加し、その懸濁液を更に10分間にわたり撹拌した。前記(ii)により得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料172.4gを、その混合物に添加し、そして室温で60分間(200rpm)にわたり撹拌した。次いで得られた懸濁液をオートクレーブ中に充填した。該混合物を、170℃の温度で撹拌(100rpm)しながら120時間にわたり処理した。その後に、オートクレーブを室温にまで冷やし、そして得られたゼオライト材料を室温での濾過により懸濁液から分離し、そして脱イオン水で、洗浄水が200マイクロシーメンス/cm未満の導電性となるまで洗浄した。濾過後に、濾過ケークを120℃の温度で16時間にわたり乾燥させた。乾燥されたゼオライト材料は、40質量%のSi含量と0.42質量%のSn含量を有していた。
前記(iii)から得られたスズ含有のゼオライト174gを、丸底フラスコ中に準備し、0から1までの範囲のpHを有する30質量%のHNO3水溶液5220kgを添加した。該混合物を100℃の温度で20時間(200rpm)の時間にわたり撹拌した。該懸濁液を濾過し、次いで濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が約7のpHを有するまで洗浄した。得られたゼオライト材料を、120℃で16時間にわたり乾燥させ、そして550℃へと加熱(2K/分)し、引き続き550℃で10時間にわたり加熱することによって焼成した。乾燥および焼成されたゼオライト材料は、49質量%のSi含量と0.46質量%のSn含量を有し、XRDにより測定された27.1オングストロームのcパラメータを有していた。XRDにより測定された該ゼオライト材料の結晶化度は、86%であった。更に、該ゼオライト材料は、DIN66131に準じて測定された521m2/gのBET表面積およびDIN66131に準じて測定された695m2/gのラングミュア表面積を有していた。
前記(iv)から得られた焼成された140gのゼオライト材料および8.4gのWalocelを、エッジミル中で5分間にわたり混練した。混練の間に、82.6gのLudox(登録商標)AS−40を連続的に添加した。10分後に、150mlの脱イオン水の添加を開始した。更に30分後に、混練物を30mlの脱イオン水の添加によって調整した。50分間の総混練時間後に、前記混練物は押出可能であり、該混練物を、100barから150barまでの圧力で1分間の間で押出した。得られたストランドを、120℃で8時間にわたり炉内で乾燥させ、そして500℃で5時間にわたり焼成した。137.2gの白色のストランドが得られ、それは1.7mmの直径を有していた。前記ストランドの形態の乾燥および焼成された材料は、46質量%のSi含量、0.41質量%のSn含量、および0.01質量%のTOCを有していた。XRDにより測定された該ゼオライト材料の結晶化度は、78%であった。更に、前記ストランドは、DIN66131に準じて測定された412m2/gのBET表面積、および水銀多孔度測定法によって測定された0.91ml/gの細孔容積を有していた。
参考例1.2.1:固体イオン交換によるスズの導入を介したMWW骨格構造を有する12.8質量%のSn含量を有するスズ含有のゼオライト材料の製造
(i)B−MWWの製造
480kgの脱イオン水を容器中に準備した。70rpm(1分間あたりの回転数)で撹拌しながら、166kgのホウ酸を室温で水中に懸濁した。該懸濁液を、室温で更に3時間にわたり撹拌した。引き続き、278kgのピペリジンを添加し、そして該混合物を更に1時間にわたり撹拌した。得られた溶液に、400kgのLudox(登録商標)AS−40を添加し、そして得られた混合物を室温で更に1時間にわたり70rpmで撹拌した。最終的に得られた混合物を、結晶化容器へと移し、170℃で5時間にわたり自圧下で撹拌(50rpm)しながら加熱した。170℃の温度を実質的に一定に120時間にわたり維持した。この120時間の間に、該混合物は50rpmで撹拌した。引き続き、該混合物を50℃〜60℃の温度に冷却した。B−MWWを含有する水性懸濁液は、pH検知電極での測定により測定された11.3のpHを有していた。前記懸濁液から、B−MWWを濾過によって分離した。次いで濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が500マイクロシーメンス/cm未満の導電性となるまで洗浄した。こうして得られた濾過ケークを、噴霧塔中で以下の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥にかけた:
乾燥ガス、ノズルガス: 工業用窒素
乾燥ガスの温度:
− 噴霧塔の温度(入口): 235℃
− 噴霧塔の温度(出口): 140℃
ノズル:
− 上部コンポーネントノズル: 供給業者Gerig:サイズ0
− ノズルガス温度: 室温
− ノズルガス圧力: 1bar
作動モード: 窒素直接式
使用装置: 1つのノズルを備えた噴霧塔
構成: 噴霧塔−フィルタ−スクラバ
ガス流量: 1500kg/h
フィルタ材料: Nomex(登録商標)ニードルフェルト20m2
フレキシブルチューブポンプを介して計量供給: SP VF 15(供給業者:Verder)。
脱イオン水1590kgおよび前記2.1により得られた焼成された材料106kgを、100℃で70rpmでの撹拌下に10時間にわたり還流させた。得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料を、濾過により懸濁液から分離し、そして150lの脱イオン水で4回、室温において洗浄した。濾過後に、濾過ケークを120℃で16時間にわたり乾燥させた。MWW型の骨格構造を有する乾燥されたゼオライト材料は、0.04質量%のB含量、42質量%のSi含量、XRDにより測定された82%の結晶化度、および462m2/gのBET比表面積を有していた。
前記(ii)により得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料30gを、ミキサー(ミル型のMicroton MB550)中で8.9gのSn(OAc)2(スズ(II)アセテート、CAS番号:638−39−1、Sigma−Aldrich)と一緒に添加した。それらの2種の成分を15分間にわたり14000rpm(1分間あたりの回転数)の撹拌速度で一緒に粉砕した。その後に、こうして得られた粉末10.8gを磁器製の入れ物へと移し、120℃で10時間にわたり乾燥させた。
硝酸(30質量%)330gおよび前記(iii)から得られた乾燥されたゼオライト材料11gを、撹拌しながら0.5lのガラス製丸底フラスコ中に添加した。容器中の混合物を100℃に加熱し、この温度で自圧下に撹拌(200rpm)しながら20時間にわたり保持した。こうして得られた混合物を次いで、1時間にわたり50℃未満の温度に冷却した。冷却された混合物を濾過にかけ、その濾過ケークを脱イオン水で、pH7に達するまで洗浄した。その濾過ケークを120℃で10時間にわたり乾燥させ、550℃で10時間にわたり焼成した(昇温加熱2K/分)。Sn含量12.6質量%、Si含量36.5質量%、およびTOC0.1質量%未満を有するゼオライト材料が得られた。DIN66131に準じて測定されたBET比表面積は385m2/gであり、XRDにより測定された結晶化度は87%であった。
(i)B−MWWの製造
480kgの脱イオン水を容器中に準備した。70rpm(1分間あたりの回転数)で撹拌しながら、166kgのホウ酸を室温で水中に懸濁した。該懸濁液を、室温で更に3時間にわたり撹拌した。引き続き、278kgのピペリジンを添加し、そして該混合物を更に1時間にわたり撹拌した。得られた溶液に、400kgのLudox(登録商標)AS−40を添加し、そして得られた混合物を室温で更に1時間にわたり70rpmで撹拌した。最終的に得られた混合物を、結晶化容器へと移し、170℃へと5時間にわたり自圧下で撹拌(50rpm)しながら加熱した。170℃の温度を実質的に一定に120時間にわたり維持した。この120時間の間に、該混合物は50rpmで撹拌した。引き続き、該混合物を50℃〜60℃の温度に冷却した。B−MWWを含有する水性懸濁液は、pH検知電極での測定により測定された11.3のpHを有していた。前記懸濁液から、B−MWWを濾過によって分離した。次いで濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が500マイクロシーメンス/cm未満の導電性となるまで洗浄した。こうして得られた濾過ケークを、噴霧塔中で以下の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥にかけた:
乾燥ガス、ノズルガス: 工業用窒素
乾燥ガスの温度:
− 噴霧塔の温度(入口): 235℃
− 噴霧塔の温度(出口): 140℃
ノズル:
− 上部コンポーネントノズル: 供給業者Gerig:サイズ0
− ノズルガス温度: 室温
− ノズルガス圧力: 1bar
作動モード: 窒素直接式
使用装置: 1つのノズルを備えた噴霧塔
構成: 噴霧塔−フィルタ−スクラバ
ガス流量: 1500kg/h
フィルタ材料: Nomex(登録商標)ニードルフェルト20m2
フレキシブルチューブポンプを介して計量供給: SP VF 15(供給業者:Verder)。
脱イオン水1590kgおよび前記(i)により得られた焼成された材料106kgを、100℃で70rpmでの撹拌下に10時間にわたり還流させた。得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料を、濾過により懸濁液から分離し、そして150lの脱イオン水で4回、室温において洗浄した。濾過後に、濾過ケークを120℃の温度で16時間にわたり乾燥させた。MWW型の骨格構造を有する乾燥されたゼオライト材料は、0.04質量%のB含量、42質量%のSi含量、XRDにより測定された82%の結晶化度、および462m2/gのBET比表面積を有していた。
前記(ii)により得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料120gを、ミキサー(ミル型のMicroton MB550)中で34gのSn(OAc)2(スズ(II)アセテート、CAS番号:638−39−1、Sigma−Aldrich)と一緒に添加した。それらの2種の成分を15分間にわたり14000rpm(1分間あたりの回転数)の撹拌速度で一緒に粉砕した。その後に、こうして得られた粉末28gを磁器製の入れ物へと移し、スタティックオーブン(static oven)中で3時間にわたり500℃で2K/分の加熱速度で焼成した。焼成された粉末は、以下の元素組成:Sn 11.5質量%、Si 35質量%、およびTOC0.1質量%未満を有していた。DIN66131に準じて測定されたBET比表面積は392m2/gであり、XRDにより測定された結晶化度は79%であった。
硝酸(30質量%)1800gおよび前記(iii)から得られた焼成されたゼオライト材料60gを、撹拌しながら2.0lのガラス製丸底フラスコ中に添加した。容器中の混合物を100℃に加熱し、この温度で自圧下に撹拌(200rpm)しながら20時間にわたり保持した。こうして得られた混合物を次いで、1時間にわたり50℃未満の温度に冷却した。冷却された混合物を濾過にかけ、その濾過ケークを脱イオン水で、pH7に達するまで洗浄した。その濾過ケークを120℃で10時間にわたり乾燥させ、550℃で5時間にわたり焼成した(昇温加熱2K/分)。Sn含量12.3質量%、Si含量37質量%、およびTOC0.1質量%未満を有する材料が得られた。DIN66131に準じて測定されたBET比表面積は400m2/gであり、XRDにより測定された結晶化度は84%であった。
(i)B−BEAの製造
209kgの脱イオン水を容器中に準備した。120rpm(1分間あたりの回転数)で撹拌しながら、355kgのテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを添加し、その懸濁液を室温で10分間にわたり撹拌した。その後に、61kgのホウ酸を水中に懸濁し、その懸濁液を室温で更に30分間にわたり撹拌した。引き続き、555kgのLudox(登録商標)AS−40を添加し、そして得られた混合物を室温で更に1時間にわたり70rpmで撹拌した。液状のゲルは、pH電極での測定により測定された11.8のpHを有していた。最終的に得られた混合物を、結晶化容器へと移し、160℃で6時間にわたり7.2barの圧力下で撹拌(140rpm)しながら加熱した。引き続き、該混合物を室温に冷却した。その混合物を再び160℃へと6時間以内で加熱し、更に55時間にわたり140rpmで撹拌した。該混合物を室温に冷却し、引き続き該混合物を160℃の温度で更に45時間にわたり140rpmで撹拌しながら加熱した。380kgのこの懸濁液へと7800kgの脱イオン水を添加した。その懸濁液を70rpmで撹拌し、100kgの10質量%のHNO3水溶液を添加した。この懸濁液から、BEA骨格構造を有するホウ素含有のゼオライト材料を濾過により分離した。次いで濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が150マイクロシーメンス/cm未満の導電性となるまで洗浄した。こうして得られた濾過ケークを、窒素流中での乾燥にかけた。
乾燥ガス、ノズルガス: 工業用窒素
乾燥ガスの温度:
− 噴霧塔の温度(入口): 235℃
− 噴霧塔の温度(出口): 140℃
ノズル:
− 上部コンポーネントノズル: 供給業者Gerig:サイズ0
− ノズルガス温度: 室温
− ノズルガス圧力: 1bar
作動モード: 窒素直接式
使用装置: 1つのノズルを備えた噴霧塔
構成: 噴霧塔−フィルタ−スクラバ
ガス流量: 1500kg/h
フィルタ材料: Nomex(登録商標)ニードルフェルト20m2
フレキシブルチューブポンプを介して計量供給: SP VF 15(供給業者:Verder)。
840kgの脱イオン水を、還流冷却器を備えた容器中に準備した。40rpmで撹拌しながら、前記(i)から得られた噴霧乾燥および焼成されたゼオライト材料28kgを使用した。引き続き、前記容器を閉じ、還流冷却器を稼働させた。撹拌速度を70rpmに高めた。70rpmで撹拌しながら、該容器の内容物を1時間以内で100℃に加熱し、この温度で20時間にわたり保持した。次いで、その容器の内容物を50℃未満の温度に冷却した。得られたBEA骨格構造を有する脱ホウ素化されたゼオライト材料を、2.5barの窒素圧下で濾過により懸濁液から分離し、そして脱イオン水で4回、室温において洗浄した。濾過後に、濾過ケークを窒素流中で6時間にわたり乾燥させた。得られた脱ホウ素化されたゼオライト材料を、前記5.1に記載の条件下で噴霧乾燥にかけた。得られたゼオライト材料は、B2O3:SiO2のモル比0.002未満、吸水率15質量%、XRDにより測定された結晶化度48%、およびDIN66131によって測定されたBET比表面積489m2/gを有していた。
前記(ii)から得られたBEA骨格構造を有する脱ホウ素化されたゼオライト材料25gを、ミキサー(ミル型のMicroton MB550)へと5.5gのスズ(II)アセテート(Sn(OAc)2[CAS番号:638−39−1])と一緒に添加し、その混合物を14000rpm(1分間あたりの回転数)で15分間にわたり粉砕した。粉砕後に、該混合物を磁器製のカゴへと移し、空気中550℃で5時間にわたり2K/分の昇温加熱で焼成した。得られた粉末材料は、Sn含量9.6質量%、ケイ素(Si)含量38質量%、および0.1質量%未満のTOCを有していた。DIN66131によって測定されたBET比表面積は423m2/gであり、XRDにより測定される結晶化度は51%であり、かつ吸水率は18質量%であった。紫外/可視スペクトルは、2つの極大を示し、一番目が200nmの波長であり、二番目が約250nmの波長であった。FT−IRスペクトルにおいて、3701cm-1から3741cm-1の間に極大を有する一番目の吸収帯と、3600cm-1から3690cm-1の間に極大を有する二番目の吸収との間の強度比は、1.49であった。
前記(iii)から得られたゼオライト10gを、丸底フラスコ中に準備し、0から1までの範囲のpHを有する30質量%のHNO3水溶液300gを添加した。該混合物を100℃の温度で20時間(200rpm)の時間にわたり撹拌した。該懸濁液を濾過し、そして濾過ケークを脱イオン水で室温において、洗浄水が約7のpHを有するまで洗浄した。得られたゼオライト材料を、120℃で10時間にわたり乾燥させ、そして550℃へと加熱(2K/分)し、引き続き550℃で10時間にわたり加熱することによって焼成した。乾燥および焼成されたゼオライト材料は、36質量%のSi含量、9.3質量%のSn含量を有し、XRDにより測定された結晶化度53%を有していた。更に、該ゼオライト材料は、DIN66131に準じて測定された380m2/gのBET比表面積、および吸水率6質量%を有していた。紫外/可視スペクトルは、2つの極大を示し、一番目が208nmの波長であり、二番目が約250nmの波長であった。FT−IRスペクトルにおいて、3701cm-1から3741cm-1の間に極大を有する一番目の吸収帯と、3600cm-1から3690cm-1の間に極大を有する二番目の吸収との間の強度比は、0.93であった。
一般的手順
100mlのガラスフラスコ容器に、1.5gのシクロヘキサノン、参考例1.1.1により得られたSn含量0.46質量%を有する1.2gのゼオライト材料、および45gのジクロロエタンを装入した。該混合物を加熱還流させた(95℃)。0.5gのH2O2の水溶液(70質量%)を添加し、その反応を4時間にわたり撹拌した。室温に冷却した後に、その溶液を濾過し、そしてシクロヘキサノンと過酸化水素に対するε−カプロラクトンについての選択性に関して、ジ−n−ブチルエーテルを内部標準として用いて定量的GC分析によって分析した。
例1.1は、前記一般的手順に従って実施した。その際、過酸化水素の水溶液は追加的に1モルのH2O2当たりに360マイクロモルのKH2PO4を含有した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
例1.2は、前記一般的手順に従って実施した。その際、過酸化水素の水溶液は追加的に1モルのH2O2当たりに360マイクロモルのKNO3を含有した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
例1.3は、前記一般的手順に従って実施した。その際、過酸化水素の水溶液は追加的に1モルのH2O2当たりに360マイクロモルのKCO2Hを含有した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
比較例1.3は、前記の例1の一般的な手順に記載されるようにして実施した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
一般的手順
温度調節用のジャケットを備えた管形反応器(長さ:1.4m、内径:7mm)に、前記参考例1.1.2により得られた触媒15gを1.7mmの直径を有するストランドの形で装入した。その反応容積の残りを、不活性材料(ステアタイト球、直径2mm、該反応器の下端に約5cmの高さまで、残りは該反応器の上端)で満たした。該反応器を、伝熱媒体、つまり水およびエチレングリコールの混合物を前記ジャケット中に通過させることによって温度調節した。該伝熱媒体を、前記ジャケットの下端で、それが反応器内容物に対して並流方式で流れるように供給した。該ジャケットの入口での伝熱媒体の温度が反応温度として定義される。伝熱媒体の流速は、入口温度と出口温度の間の差が大きくても1Kであるように調節した。反応器中の圧力を、適切な圧力調節弁によって制御し、20bar(絶対圧力)で一定に維持した。反応器供給流は、計量型ポンプを使用することによって計量供給した。前記供給流は、アセトニトリル(93.6質量%)、シクロヘキサノン(2.5質量%)、40質量%の濃度を有する過酸化水素水溶液(3.9質量%)(流速:40g/時間)の混合物からなるものであった。使用された条件下で供給物は液状であり、1つの液相だけしか存在しなかった。実験は連続方式で実施した。実行の開始時に(t=0が定義され、そのときに計量型ポンプが始動される)、反応温度を90℃に定めた。ある一定の時間後に(通常は操業中4時間以内に)定常状態に至った。圧力制御弁の後の反応器排出液を、回収し、秤量し、そして内部標準としてジ−n−ブチルエーテルを使用したGCによって分析した。
例2は、前記一般的手順に記載のように実施した。その際、供給流の製造のために使用される過酸化水素溶液は追加的にリン酸二水素カリウムを1モルの過酸化水素当たりに360マイクロモルのKH2PO4の量で含有した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
比較例2は、前記の例2の一般的な手順に記載されるようにして実施した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
一般的手順
100mlのガラスフラスコ容器に、3gのシクロヘキサノン、参考例1.2.1により得られたSn含量12.8質量%を有する0.1gのゼオライト材料、および90gのジクロロエタンを装入した。該混合物を加熱還流させた(95℃)。0.98gのH2O2の水溶液(70質量%)を添加し、その反応を4時間にわたり撹拌した。室温に冷却した後に、その溶液を濾過し、そしてシクロヘキサノンと過酸化水素に対するε−カプロラクトンについての選択性に関して、ジ−n−ブチルエーテルを内部標準として用いて定量的GC分析によって分析した。
実施例3は、前記一般的手順に記載されるように実施した。その際、過酸化水素の水溶液は追加的に1モルのH2O2当たりに360マイクロモルのKH2PO4を含有した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
比較例3は、前記の実施例3の一般的な手順に記載されるようにして実施した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
一般的手順
100mlのガラスフラスコ容器に、1.5gのシクロヘキサノン、参考例1.2.2により得られたSn含量12.3質量%を有する0.1gのゼオライト材料、および45gの1,2−ジクロロエタンを装入した。該混合物を加熱還流させた(95℃)。0.49gのH2O2の水溶液(70質量%)を添加し、その反応を4時間にわたり撹拌した。室温に冷却した後に、その溶液を濾過し、そしてシクロヘキサノンと過酸化水素に対するε−カプロラクトンについての選択性に関して、ジ−n−ブチルエーテルを内部標準として用いて定量的GC分析によって分析した。
実施例4は、前記一般的手順に記載されるように実施した。その際、過酸化水素の水溶液は追加的に1モルのH2O2当たりに360マイクロモルのKCO2Hを含有した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
比較例4は、前記の実施例4の一般的な手順に記載されるようにして実施した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
一般的手順
100mlのガラスフラスコ容器に、1.5gのシクロヘキサノン、参考例2により得られたSn含量9.6質量%を有する1gのゼオライト材料、および45gの1,4−ジオキサンを装入した。該混合物を加熱還流させた(95℃)。0.5gのH2O2の水溶液(70質量%)を添加し、その反応を4時間にわたり撹拌した。室温に冷却した後に、その溶液を濾過し、そしてシクロヘキサノンと過酸化水素に対するε−カプロラクトンについての選択性に関して、ジ−n−ブチルエーテルを内部標準として用いて定量的GC分析によって分析した。
実施例5は、前記一般的手順に記載されるように実施した。その際、過酸化水素の水溶液は追加的に1モルのH2O2当たりに360マイクロモルのKH2PO4を含有した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
比較例5は、前記の実施例5の一般的な手順に記載されるようにして実施した。シクロヘキサノンと過酸化水素に対する、ε−カプロラクトンについての選択性を以下の第1表に示す。
− Nature 412(2001),第423頁〜第425頁
− Journal of Catalysis 234(2005),第96頁〜第100頁
− US5,968,473
− US6,306,364
− Microporous and Mesoporous Materials 165(2013),第210頁〜第218頁
− WO03/074422A1
− US7,326,401B2
− M.A.Camblor,A.Corma,M.−J.Diaz−Cabanas and Ch.Baerlocher,J.Phys.Chem.B102(1998)第44頁〜第51頁
Claims (35)
- 式(I)
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および場合により溶剤を含む液状混合物を準備するステップ、
(ii)前記液状混合物中の式(I)の化合物と過酸化水素とをスズ含有のゼオライト材料を含む触媒の存在下で反応させることで、式(II)
を含み、前記式中、R1およびR2は、互いに独立して、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル残基、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル残基、アリールもしくはヘテロアリール残基、または水素原子であるが、但し、R1およびR2は、同時に水素原子ではないものとし、ここでR1もR2も水素原子ではない場合に、R1およびR2は、カルボニル基もしくはカルボキシル基と一緒になって環を形成してよく、その式(I)の化合物は
- 請求項1に記載の方法であって、R1およびR2は、互いに独立して、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル残基、2〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル残基、4〜20個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール残基、または水素原子であり、かつR1もR2も水素原子ではない場合に、R1およびR2は、カルボニル基またはカルボキシル基と一緒になって、4〜20個の炭素原子を有する環を形成してよい、前記方法。
- 請求項1または2に記載の方法であって、前記式(I)の化合物は、少なくとも1つのC−C二重結合を含む、前記方法。
- 請求項3に記載の方法であって、前記式(I)の化合物は、前記カルボニル基に対してα位にC−C二重結合を含む、前記方法。
- 請求項4に記載の方法であって、式中、R1は、前記カルボニル基に対してα位にC−C二重結合を含み、かつR2は水素原子である、前記方法。
- 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法であって、前記スズ含有のゼオライト材料は、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOG、BPH、BRE、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、CHI、CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EMT、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFR、ISV、ITE、ITH、ITW、IWR、IWW、JBW、KFI、LAU、LEV、LIO、LOS、LOV、LTA、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MMFI、MFS、MON、MOR、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MWW、NAB、NAT、NEES、NON、NPO、OBW、OFF、OSI、OSO、PAR、PAU、PHI、PON、RHO、RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBS、SBT、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN SFO、SGT、SOD、SSY、STF、STI、STT、TER、THO、TON、TSC、UEI、UFI、UOZ、USI、UTL、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、WEN、YUG、ZON、およびこれらの骨格構造の2種以上の混合型の骨格構造からなる群から選択される骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料、またはこれらのスズ含有のゼオライト材料の2種以上の混合物である、前記方法。
- 請求項6に記載の方法であって、前記スズ含有のゼオライト材料は、BEA、MWWおよびこれらの骨格構造の混合型の骨格構造からなる群から選択される骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料、またはこれらのスズ含有のゼオライト材料の2種以上の混合物である、前記方法。
- 請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法であって、前記スズ含有のゼオライト材料は、該スズ含有のゼオライト材料の全質量に対して、0.1質量%から25質量%までの範囲のスズ含量を有する、前記方法。
- 請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(ii)による反応の開始時点で、スズ含有のゼオライト材料の過酸化水素に対する質量比が、0.01:1から5:1までの範囲である、前記方法。
- 請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(ii)による反応の開始時点で、過酸化水素の式(I)による化合物に対するモル比が、0.1:1から5:1までの範囲である、前記方法。
- 請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(ii)において、前記式(I)の化合物が溶剤の存在下で反応される方法において、
(i)式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および溶剤を含む液状混合物を準備するステップ
を含む、前記方法。 - 請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法であって、前記少なくとも1種のカリウム塩は、少なくとも1種の無機カリウム塩、少なくとも1種の有機カリウム塩、および少なくとも1種の無機カリウム塩と少なくとも1種の有機カリウム塩との組み合わせからなる群から選択される、前記方法。
- 請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法であって、前記少なくとも1種のカリウム塩は、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、過塩素酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機カリウム塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、脂肪族飽和カルボン酸のカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の有機カリウム塩、および前記少なくとも1種の無機カリウム塩の少なくとも1種と前記少なくとも1種の有機カリウム塩の少なくとも1種との組み合わせからなる群から選択される、前記方法。
- 請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法であって、前記少なくとも1種のカリウム塩は、硝酸カリウム、リン酸二水素カリウム、ギ酸カリウム、およびそれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される、前記方法。
- 請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(i)で準備される液状混合物中の少なくとも1種のカリウム塩の濃度は、ステップ(i)で準備される液状混合物中での前記少なくとも1種のカリウム塩の溶解限度の少なくとも10%である、前記方法。
- 請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(i)で準備される液状混合物において、前記少なくとも1種のカリウム塩中に含まれるカリウムの、過酸化水素に対するモル比は、25×10-6:1から1000×10-6:1までの範囲である、前記方法。
- 請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(i)で準備される液状混合物において、カリウムの過酸化水素に対するモル比は、25×10-6:1から1000×10-6:1までの範囲である、前記方法。
- 請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(i)で準備される液状混合物が、1×10-6:1から250×10-6:1までの範囲のナトリウムの過酸化水素に対するモル比でナトリウムを含有する、前記方法。
- 請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(i)において、前記過酸化水素は、過酸化水素水溶液として使用され、前記過酸化水素水溶液は、該過酸化水素水溶液の全質量に対して、20質量%から90質量%までの範囲の過酸化水素濃度を有する、前記方法。
- 請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(ii)において、前記反応は、50℃から150℃までの範囲の温度で行われる、前記方法。
- 請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(ii)において、前記反応は回分方式で行われる、前記方法。
- 請求項21に記載の方法であって、ステップ(ii)において、前記反応は、1時間から10時間までの範囲の時間にわたり行われる、前記方法。
- 請求項21または22に記載の方法であって、ステップ(ii)において、前記反応は、開放系において還流下で行われる、前記方法。
- 請求項21から23までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(ii)において、前記触媒は、粉末として、または噴霧乾燥粉末として使用される、前記方法。
- 請求項1から24までのいずれか1項に記載の方法であって、ステップ(ii)において、前記反応は連続方式で行われる、前記方法。
- 請求項25に記載の方法であって、ステップ(i)において、前記液状混合物は、式(I)の化合物、過酸化水素、少なくとも1種の少なくとも部分的に溶解されたカリウム塩、および場合により溶剤を含む液状供給流として準備され、かつステップ(ii)において、ステップ(i)で準備された液状供給流は、スズ含有のゼオライト材料を含む触媒を含む酸化反応器中に通過され、そして前記液状供給流を酸化反応器中で酸化反応条件に供することで、式(II)の化合物、前記少なくとも1種のカリウム塩の少なくとも一部、場合により式(I)の化合物、および場合により溶剤を含む反応混合物が得られる、前記方法。
- 請求項25または26に記載の方法であって、前記触媒は、スズ含有のゼオライト材料およびバインダーを含む成形物として使用され、その際、前記スズ含有のゼオライト材料は、前記成形物中に含まれる、前記方法。
- 請求項1から27までのいずれか1項に記載の方法であって、更に
(iii)式(II)の化合物をステップ(ii)から得られた混合物から分離するステップ
を含む、前記方法。 - 請求項28に記載の方法であって、ステップ(iii)による分離は、蒸留段階を、場合により相分離段階の後に含む、前記方法。
- スズ含有のゼオライト材料を含む触媒と少なくとも1種のカリウム塩とを含む触媒系であって、前記少なくとも1種のカリウム塩が、少なくとも1種の無機カリウム塩、少なくとも1種の有機カリウム塩、および少なくとも1種の無機カリウム塩と少なくとも1種の有機カリウム塩との組み合わせからなる群から選択される、前記触媒系であり、式(I)
- 請求項30に記載の触媒系であって、前記少なくとも1種のカリウム塩は、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、過塩素酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機カリウム塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、脂肪族飽和カルボン酸のカリウム塩から選択される少なくとも1種の有機カリウム塩、および前記少なくとも1種の無機カリウム塩の少なくとも1種と前記少なくとも1種の有機カリウム塩の少なくとも1種との組み合わせからなる群から選択される、前記触媒系。
- 請求項30または31に記載の触媒系であって、前記スズ含有のゼオライト材料は、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOG、BPH、BRE、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、CHI、CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EMT、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFR、ISV、ITE、ITH、ITW、IWR、IWW、JBW、KFI、LAU、LEV、LIO、LOS、LOV、LTA、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MMFI、MFS、MON、MOR、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MWW、NAB、NAT、NEES、NON、NPO、OBW、OFF、OSI、OSO、PAR、PAU、PHI、PON、RHO、RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBS、SBT、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN SFO、SGT、SOD、SSY、STF、STI、STT、TER、THO、TON、TSC、UEI、UFI、UOZ、USI、UTL、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、WEN、YUG、ZON、およびこれらの骨格構造の2種以上の混合型の骨格構造からなる群から選択される骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料、またはこれらのスズ含有のゼオライト材料の2種以上の混合物であり、かつ前記スズ含有のゼオライト材料は、該スズ含有のゼオライト材料の全質量に対して、0.1質量%から25質量%までの範囲のスズ含量を有する、前記触媒系。
- 少なくとも1種のカリウム塩の、式(I)
- 請求項33に記載の使用であって、前記スズ含有のゼオライト材料は、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOG、BPH、BRE、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、CHI、CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EMT、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFR、ISV、ITE、ITH、ITW、IWR、IWW、JBW、KFI、LAU、LEV、LIO、LOS、LOV、LTA、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MMFI、MFS、MON、MOR、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MWW、NAB、NAT、NEES、NON、NPO、OBW、OFF、OSI、OSO、PAR、PAU、PHI、PON、RHO、RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBS、SBT、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN SFO、SGT、SOD、SSY、STF、STI、STT、TER、THO、TON、TSC、UEI、UFI、UOZ、USI、UTL、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、WEN、YUG、ZON、およびこれらの骨格構造の2種以上の混合型の骨格構造からなる群から選択される骨格構造を有するスズ含有のゼオライト材料、またはこれらのスズ含有のゼオライト材料の2種以上の混合物であり、かつ前記スズ含有のゼオライト材料は、0.1質量%から25.0質量%までの範囲のスズ含量を有する、前記使用。
- 請求項33または34に記載の使用であって、前記少なくとも1種のカリウム塩は、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、過塩素酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機カリウム塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、脂肪族飽和カルボン酸のカリウム塩から選択される少なくとも1種の有機カリウム塩、および前記少なくとも1種の無機カリウム塩の少なくとも1種と前記少なくとも1種の有機カリウム塩の少なくとも1種との組み合わせからなる群から選択される、前記使用。
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