JP5958015B2 - スズ含有触媒を用いたカルボニル化合物の酸化物の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、周期表3族、13族、14族及び15族から選択された金属元素を含む化合物の存在下、ケトン化合物と過酸化水素とを反応させて、エステル化合物又はラクトン化合物を製造する方法が示され、さらに実施例では、シクロへキサノンからのε−カプロラクトンの合成法が開示されている。
また、特許文献2には、例えば、タングステン、モリブデンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む金属含有メソポアシリケートを使用した反応例等が開示されている。
さらに、非特許文献3では、例えば、スズを担持したベータゼオライト(HZSM−5)などの金属触媒を用いた酸化反応方法について報告されている。
そこで、取り扱いが難しい有機過酸の使用を避けるために、例えば、特許文献2、特許文献3及び非特許文献3などに記載の様々な酸化系が開発されてきている。しかしながら、これらの方法においても、例えば、使用する金属触媒が高価であるというコスト面での問題や、希少金属であるという工業的使用に対して供給安定性の問題や、さらには製造に使用する前に特殊な触媒調製を行う必要があるという煩雑な調製面での問題等から、工業的な製造においては、実用性が高い製造方法とは言い難かった。
さらに、工業的使用を考えた場合、例えば、経済性(コスト)や、廃棄物の削減という環境問題等も考慮し、反応触媒がリサイクル再使用できるかどうかも重要な課題であった。
[2] 下記一般式(1)で示されるスズ含有触媒の存在下、下記一般式(6)で示される環状カルボニル化合物と過酸化物とを反応させることを特徴とする、下記一般式(7)で示されるラクトン化合物、及び下記一般式(8)で示されるヒドロキシカルボン酸化合物、及び一般式(9)で示されるジカルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物の製造方法。
[3]一般式(1)で示されるスズ含有触媒として、下記一般式(1a)で示されるスズ含有触媒を使用する、前記[1]又は[2]に記載の酸化物の製造方法。
[4] 一般式(1a)で示されるスズ含有触媒が、四塩化スズ、テトラアルコキシスズ、スズ酸塩、又はスズの有機酸塩を加水分解して調製された触媒である、前記[3]に記載の酸化物の製造方法。
[5] 前記[1]又は[2]の反応終了後に回収して得られるスズ含有リサイクル触媒を、繰り返し前記[1]又は[2]に記載のスズ含有反応触媒として使用する、請求項1又は2に記載の酸化物の製造方法。
さらに、例えば、一般式(2)で示されるカルボニル化合物として、一般式(6)で示される環状カルボニル化合物を使用した場合、本発明の反応によって得られる一般式(7)で示されるラクトン化合物、及び下記一般式(8)で示されるヒドロキシカルボン酸化合物及び一般式(9)で示されるジカルボン酸化合物は、いずれも、アルキレンジオールの合成原料として使用することもできる。すなわち、本発明は、アルキレンジオール製造用原料の製造方法でもある。さらに、本発明の製造方法によれば、使用したスズ含有触媒が意外にも失活することなくリサイクル使用できることから経済的にも好適なカルボニル化合物の酸化物の製造方法である。
本発明の過酸化反応で使用される反応触媒としては、下記一般式(1)で示されるスズ含有触媒が使用される。
また、一般式(1)の炭素原子数1〜24の炭化水素基は、置換基を有してもよい。そこで、前記炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の1つ以上が、例えば、フッ素原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基、及び/又は炭素数1〜6のジアルキルアミノ基などで置換されていてもよい。また、これらの置換基の個数は限定されないが、一般式(1)で示されるスズ含有触媒の炭素原子数は100を越えない。
本発明に使用される一般式(1)で示されるスズ含有触媒のうち、主に一般式(1a)で示されるスズ含有触媒は、例えば、一般式(1d)で示されるスズ酸化合物を水溶液中にて加水分解する方法により製造することができる(下記、反応式<I>参照)。
また、一般式(1d)で示されるスズ酸化合物は、単独で使用しても、又は複数種類使用してもいずれであってもよい。
本発明に使用される一般式(1)で示されるスズ含有触媒のうち、主に一般式(1a)で示されるスズ含有触媒は、例えば、一般式(1e)で示されるスズアルコキシド化合物を水溶液中にて加水分解する方法により製造することができる(下記、反応式<II>参照)。
また、一般式(1e)で示されるスズ酸化合物は、単独で使用しても、又は複数種類使用してもいずれであってもよい。
本発明に使用される一般式(1)で示されるスズ含有触媒のうち、主に一般式(1a)から一般式(1c)で表されるスズ含有触媒は、例えば、一般式(9)で示される炭化水素基(R)を含有してもよいハロゲン化スズ化合物を水溶液中にて加水分解する方法により製造することができる(下記、反応式<III>参照)。
上記より、一般式(1f)で示されるハロゲン化スズとしては、好ましくはSnCl4、RSnCl3、及び、RSn(=O)Clからなる群より選ばれる一種以上のハロゲン化スズである。
前記加水分解法において、使用される水溶液は、本発明の前記加水分解反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、有機溶媒との混合溶液であってもよい。
本発明に使用される一般式(1a)で示されるスズ含有触媒は、例えば、一般式(10)で示されるカルボン酸スズ化合物を過酸化物の存在下にて処理する方法(方法4−1)、又は一般式(10)で示されるカルボン酸スズ化合物を、過酸化物と前記一般式(2)又は一般式(6)で示されるカルボニル化合物の存在下で処理する方法(方法4−2)を行うことで取得することができる(下記、反応式<IV>参照)。
本発明で使用される一般式(5)で示されるカルボン酸スズ化合物において、R3における炭素原子数1から24の炭化水素基は、前記一般式(1)のRおける炭化水素基の定義と同じである。
本発明の方法4−2で使用される、一般式(2)又は一般式(6)で示されるカルボニル化合物とその使用量は、後述の≪本発明の酸化物の製造方法≫に記載のカルボニル化合物と同じ種類であり、また同じ使用量である。
また、本発明で使用される過酸化物及びその使用量は、後述の≪本発明の酸化物の製造方法≫に記載の過酸化物と同義のものが使用される。
本発明の酸化物の製造方法は、例えば、前記一般式(1)で示されるスズ含有触媒の存在下、一般式(2)で示されるカルボニル化合物と過酸化物とを反応させて、一般式(3)で示されるエステル化合物の製造することができる(反応式<V>)。
また、一般式(2)中、R1は、置換基を有していても良い炭素原子数1から24の炭化水素基を示し、R2は、水素原子、置換基を有していても良い炭素原子数1から24の炭化水素基を示す。さらに、R1及びR2は、結合して環状構造を形成していてもよい。一般式(3)中、R1及びR2は、前記一般式(2)のR1及びR2の定義と同じである。
本発明の製造原料であるカルボニル化合物は、下記一般式(2)で示されるケトン又はアルデヒド基を有する化合物である。
また、一般式(2)で示されるカルボニル化合物は、R1及びR2は結合して環状構造を形成してもよく、すなわち、下記一般式(6)で示される環状カルボニル化合物であってもよい。
より好ましくはメチルシクロヘキシルケトン、2,3−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−エチレンジオキベンズアルデヒド、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−メチレンジオキシアセトフェノン、3,4−メチレンジオキシアセトフェノン、2,3−エチレンジオキシアセトフェノン、3,4−エチレンジオキシアセトフェノン、シクロプロパノン、シクロペンタノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロドデカノンである。
本発明で使用される過酸化物は、過酸化水素、過硫酸、過硫酸アルカリ塩化合物、過硫酸アルカリ土類塩化合物からなる群から少なくとも1種以上が選ばれる。また、本発明で使用される過酸化物は、水又は後述の有機溶媒に溶解又は懸濁させて使用してもよい。なお、前記過酸化物は、例えば、市販品をそのまま使用しても、また任意の公知の方法により製造して用いてもよい。
本発明で使用されるスズ含有触媒は、前記一般式(1)で示されるスズ成分を含有する組成物である。また、本発明のスズ含有触媒は、単独又は複数種類を混合して使用しても良い。さらに、前記反応触媒は、そのまま使用しても、例えば、水、後述の有機溶媒或いはこれらの混合溶媒に溶解又は懸濁させて使用しても良い。
本発明のスズ含有触媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、一般式(2)で示されるカルボニル化合物1モルに対して、0.001モル以上2.0モル以下であり、好ましくは0.001モル以上1.0モル未満、より好ましくは0.003モル以上1.0モル未満、特に好ましくは0.004モル以上0.5モル以下である。
本発明の酸化反応は、無溶媒で行うことも、また反応溶媒の存在下にて行うこともできる。また、その反応系は、均一系或いは不均一系のどちらでもよく、更に、均一系の場合、単相系であっても、例えば、水−有機相からなる二相系のような多相系であってもどちらの場合でもあってもよい。
前記反応溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、一般式(1)で示される環状ケトン化合物1gに対して、好ましくは、0.1〜1000gであり、より好ましくは0.3〜750g、特に好ましくは0.5〜500gである。
本発明の反応では、添加物として、例えば、リン酸、リン酸塩化合物、界面活性剤などを加えて、本発明の反応を行なってもよい。
本発明の過酸化反応は、例えば、大気中又は不活性ガス雰囲気にて行われる。また、本発明のスズ含有触媒、前記一般式(2)で示されるカルボニル化合物(又は一般式(6)で示される環状カルボニル化合物)、過酸化物、及び反応溶媒の混合順序は特に限定されない。しかしながら、危険性を有する過酸化物が、反応時に確実に消費され、反応終了後に過剰に残存しないように、前記一般式(2)で示されるカルボニル化合物(又は一般式(6)で示される環状カルボニル化合物)、スズ含有触媒、及び反応溶媒との混合物に、反応温度条件下にて過酸化物を加えていく態様が望ましい。反応時に、過酸化物が確実に消費されるように、攪拌しながら反応を行うことが好ましい。
本発明の反応温度は、好ましくは0℃〜150℃、更に好ましくは10℃〜120℃、より好ましくは20℃〜100℃、特に好ましくは60℃〜90℃であり、反応圧力は、特に限定されない。また、上記反応においては、反応系のpHにより、過酸化物が分解されるため反応自体が進みにくくなる場合がある。したがって、反応系のpHは、好ましくは6.0〜10.5、より好ましくは8.0〜9.5で実施する。なお、本発明の反応の進行は、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)等の分析手段により確認しながら行うことが望ましい。
本発明は、上記のような酸化反応条件下で過酸化反応を行うことにより、一般式(2)で示される様々なカルボニル化合物と過酸化物から、効率よく一般式(3)で示されるエステル化合物、及び一般式(7)で示されるラクトン化合物などの酸化物が得られる。
そこで、本発明で製造される酸化物である、一般式(3)で示されるエステル化合物、及び一般式(7)で示されるラクトン化合物としては、例えば、ギ酸シクロへキシルエステル、ギ酸フェニルエステル、ギ酸(2,3−メチレンジオキシベンジル)エステル、ギ酸(3,4−メチレンジオキシベンジル)エステル、ギ酸(2,3−エチレンジオキシベンジル)エステル、ギ酸(3,4−エチレンジオキシベンジル)エステル、酢酸シクロへキシルエステル、酢酸フェニルエステル、酢酸(2,3−メチレンジオキシベンジル)エステル、酢酸(3,4−メチレンジオキシベンジル)エステ、酢酸(2,3−エチレンジオキシベンジル)エステル、酢酸(3,4−エチレンジオキシベンジル)エステル、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチル−ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−プロピル−ε−カプロラクトン、α−エチル−ε−カプロラクトン、β−エチル−ε−カプロラクトン、γ−エチル−ε−カプロラクトン、α−エチル−ε−メチル−ε−カプロラクトン、α−エチル−ε−ブチル−ε−カプロラクトン、α−エチル−ε−イソプロピル−ε−カプロラクトン、α−エチル−ε−イソブチル−ε−カプロラクトン、α−エチル−ε−tert−ブチル−ε−カプロラクトン、α−プロピル−ε−カプロラクトン、α−ブチル−ε−カプロラクトン、α−ブチル−ε−メチル−ε−カプロラクトン、α−ブチル−ε−プロピル−ε−カプロラクトン、α−イソプロピル−ε−カプロラクトン、α−イソプロピル−ε−メチル−ε−カプロラクトン、α−イソプロピル−ε−プロピル−ε−カプロラクトン、α−イソプロピル−ε−ブチル−ε−カプロラクトン、α−イソプロピル−ε−tert−ブチル−ε−カプロラクトン、α−イソブチル−ε−カプロラクトン、α−イソブチル−ε−メチル−ε−カプロラクトン、α−イソブチル−ε−プロピル−ε−カプロラクトン、α−イソブチル−ε−ブチル−ε−カプロラクトン、α−イソブチル−ε−イソプロピル−ε−カプロラクトン、α−イソブチル−ε−tert−ブチル−ε−カプロラクトン、α−tert−ブチル−ε−カプロラクトン、β−tert−ブチル−ε−カプロラクトン、γ−tert−ブチル−ε−カプロラクトン、α−tert−ブチル−ε−メチル−ε−カプロラクトン、α−tert−ブチル−ε−プロピル−ε−カプロラクトン、α−tert−ブチル−ε−ブチル−ε−カプロラクトン、α,β−ジメチル−ε−カプロラクトン、α,γ−ジメチル−ε−カプロラクトン、α,δ−ジメチル−ε−カプロラクトン、α,ε−ジメチル−ε−カプロラクトン、β,γ−ジメチル−ε−カプロラクトン、β,δ−ジメチル−ε−カプロラクトン、α,β−ジエチル−ε−カプロラクトン、α,γ−ジエチル−ε−カプロラクトン、α,δ−ジエチル−ε−カプロラクトン、α,ε−ジエチル−ε−カプロラクトン、β,γ−ジエチル−ε−カプロラクトン、β,δ−ジエチル−ε−カプロラクトン、α,ε−ジプロピル−ε−カプロラクトン、α,ε−ジブチル−ε−カプロラクトン、α,ε−ジイソプロピル−ε−カプロラクトン、α,ε−ジイソブチル−ε−カプロラクトン、α,ε−ジtert−ブチル−ε−カプロラクトン等が挙げられる。
本発明の製造法では、上記のような酸化物がさらに反応中で加水分解した、例えば、前記一般式(4)で示されるカルボン酸化合物、前記一般式(5)で示される水酸基を含有する化合物、又は前記一般式(8)で示されるヒドロキシカルボン酸化合物のような加水分解物、及びこのヒドロキシカルボン酸化合物が、さらに過酸化反応された一般式(9)で示されるジカルボン酸化合物が精製する(反応式<VI>)。
さらに、本発明の製造方法によれば、例えば、一般式(6)で示される環状カルボニル化合物並びにその加水分解物である上記一般式(8)で示されるヒドロキシカルボン酸化合物及び/又はこのヒドロキシカルボン酸化合物が、さらに過酸化反応を受けた一般式(9)で示されるジカルボン酸化合物が、一度に併産できる場合がある。これらの一般式(6)で示される環状カルボニル化合物、一般式(8)で示されるヒドロキシカルボン酸化合物、及び一般式(9)で示されるジカルボン酸化合物は、それぞれ単独に、またこれらの混合物を、水素化分解することでアルキレンジオールを製造することができる。
従って、本発明の製造方法は、上記一般式(6)で示される環状カルボニル化合物、一般式(8)で示されるヒドロキシカルボン酸化合物、及び一般式(9)で示されるジカルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキレンジオール製造用原料の製造方法でもある。
使用カラム:TC−WAX(GL Science製);0.53mmI.D.×30m,膜厚1μm
分析温度:開始温度:60℃(5分間保持)→(昇温速度:7℃/min)→終了温度:220℃(12分間保持)。
注入口:スプリットレス,250℃
検出器:FID,250℃
内部標準物質:アニソール
カラム:ODS−80TsQA φ4.6mm×250mm(TOSOH製)+Unision C−18 φ4.6mm×100mm(Imtact製)
溶離液:アセトニトリル/20mM NaH2PO4水溶液;Vol/Vol)=5/95(リン酸でpH=3.0に調整)。
カラム温度:40℃
検出器:210nm
流量:1.0ml/min
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にスズ酸ナトリウム1.00g(3.749mmol)、水100gを加え、室温で1mol/L塩酸7.5ml(7.5mmol)を滴下した。反応液を25℃で1時間攪拌した。その後、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として0.608g(白色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に水100gを加え、室温でテトラーt−ブトキシスズ1.00g(2.432mmol)を滴下した。反応液を25℃で1時間攪拌した。その後、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として0.420g(白色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に水20mlを加え、25℃で反応液のpHが2.5から3.5の範囲で、四塩化スズ五水和物3.00g(8.555mmol)を水34mlに溶解した水溶液と1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。反応液を25℃で30分間攪拌した。その後、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として1.369g(白色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液30.6ml(61.2mmol)を加え、25℃で四塩化スズ五水和物3.57g(10.185mmol)を水10mlに溶解した水溶液を滴下した。反応液を25℃で30分間攪拌した。1mol/L塩酸20.4ml(20.4mmol)を滴下した。反応液を25℃で30分間攪拌した。その後、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として1.6532g(白色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に酢酸スズ(II)2.00g(8.446mmol)、水20mlを加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液8.5ml(17.00mmol)を加えた。反応液を25℃で3時間攪拌した。3mol/L硫酸を反応液のpHが3.5なるまで滴下した。反応液を25℃で30分間攪拌した。その後、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として1.1867g(黄褐色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に酢酸スズ(II)2.00g(8.446mmol)、水15ml、アセトニトリル15mlを加え、反応液を75℃で4時間攪拌した。その後、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として1.2126g(黒灰色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に酢酸スズ(IV)2.00g(5.636mmol)、水15ml、アセトニトリル15mlを加え、反応液を75℃で4時間攪拌した。その後、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として0.9240g(白色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン20.00g(0.204mol)、アセトニトリル80g、60%過酸化水素11.46g(0.204mol)、酢酸スズ(II)4.827g(0.020mol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として3.833g(白色固体)取得した。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に酢酸スズ(II)2.414g(10.194mmol)アセトニトリル40g、60%過酸化水素8.597g(152.91mmol)、を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、反応液中の不溶物をろ過し、ろ物を減圧下乾燥することで、目的物である一般式(1)で示されるスズ含有触媒を、前記一般式(1a)のスズ含有触媒として1.8021g(白色固体)取得した。
*2:不活性ガス溶融−赤外線吸収法。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にε−カプロラクトン(0.20g、東京化成製)、精製水(8ml)、8M水酸化ナトリウム水溶液(2ml)を加え、100℃の油浴中で1時間攪拌し、反応させた。反応終了後、得られた反応液を冷却し、3M硫酸水溶液を用いて、当該反応液のpHを2.5〜3.0とし、6−ヒドロキシヘキサン酸の水溶液を得た。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例1のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は33.8%、ε−カプロラクトンの収率は22.8%、選択率は67.5%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は3.7%、選択率は11.0%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は0.8%、選択率は2.4%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、80.9%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例2のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は38.0%、ε−カプロラクトンの収率は24.2%、選択率は63.7%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は4.9%、選択率は12.9%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は1.0%、選択率は2.6%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、79.2%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例3のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は36.1%、ε−カプロラクトンの収率は24.3%、選択率は67.3%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は4.4%、選択率は12.2%(シクロ0ヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は1.3%、選択率は3.6%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、83.1%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例4のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は34.7%、ε−カプロラクトンの収率は22.7%、選択率は65.4%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は4.1%、選択率は11.8%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は1.0%、選択率は2.9%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、80.1%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例5のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は28.7%、ε−カプロラクトンの収率は18.3%、選択率は63.8%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は4.3%、選択率は15.0%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は0.7%、選択率は2.4%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、81.2%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例6のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は22.5%、ε−カプロラクトンの収率は14.2%、選択率は63.1%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は2.7%、選択率は12.0%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は0.5%、選択率は2.2%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、77.3%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例7のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は45.2%、ε−カプロラクトンの収率は27.8%、選択率は61.5%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は9.4%、選択率は20.8%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は1.7%、選択率は3.8%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、86.1%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は33.8%、ε−カプロラクトンの収率は23.9%、選択率は70.7%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は4.2%、選択率は12.4%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は0.9%、選択率は2.7%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、85.5%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン2.00g(20.2mmol)に、60%過酸化水素1.388g(24.5mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.38g(約2mmol)を加え、70℃にて8時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は52.3%、ε−カプロラクトンの収率は7.7%、選択率は14.7%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は33.6%、選択率は64.3%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は2.7%、選択率は5.2%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、84.2%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.867g(15.3mmol)、実施例9のスズ含有触媒0.19g(約1mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は40.5%、ε−カプロラクトンの収率は25.7%、選択率は63.5%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は7.7%、選択率は19.0%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は1.6%、選択率は4.0%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、86.5%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にクロヘキサノン2.00g(20.4mmol)に、アセトニトリル8g、60%過酸化水素1.719g(30.6mmol)、メタスズ酸0.38g(三津和化学薬品社製、2.25mmol)及び酢酸1.224g(20.4mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は34.7%、ε−カプロラクトンの収率は27.5%、選択率は79.3%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は2.8%、選択率は8.1%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は1.4%、選択率は4.0%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、91.4%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にクロヘキサノン2.00g(20.4mmol)に、アセトニトリル8g、60%過酸化水素1.719g(30.6mmol)、メタスズ酸0.38g(三津和化学薬品社製、2.25mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は15.3%、ε−カプロラクトンの収率は10.5%、選択率は68.6%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は1.5%、選択率は9.8%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は0.6%、選択率は3.9%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は82.4%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン2.00g(20.4mmol)に、60%過酸化水素1.146g(20.4mmol)、ブチルスズヒドロキシドオキシド0.426g(東京化成工業製、2.04mmol)、及び酢酸1.224g(20.4mmol)を加え、70℃にて8時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は94.4%、ε−カプロラクトンの収率は1.9%、選択率は2.0%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は87.0%、選択率は92.2%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は4.9%、選択率は5.1%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、99.3%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、60%過酸化水素1.146g(20.4mmol)、トリフェニルスズヒドロキシド0.374g(ALDRICH製、1.02mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は28.5%、ε−カプロラクトンの収率は14.3%、選択率は50.2%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は6.1%、選択率は21.4%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は1.0%、選択率は3.6%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、75.2%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロブタノン1.43g(20.4mmol)に、60%過酸化水素1.723g(30.6mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.380g(約2mmol)、アセトニトリル8gを加え、55〜60℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロブタノンの転化率は98.7%、ブチロラクトンの収率は69.2%、選択率は70.1%(シクロブタノンの使用量基準)、4−ヒドロキシブタン酸の収率は12.3%、選択率は12.4%(シクロブタノンの使用量基準)であり、ブチロラクトンと4−ヒドロキシブタン酸の合計の選択率(シクロブタノンの使用量基準)は、82.5%、反応収率は81.5%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に3−ペンタノン1.72g(20.0mmol)に、60%過酸化水素2.268g(40.0mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.426g(約2mmol)、トルエン8g、及び酢酸1.20g(20.0mmol)を加え、70℃にて6時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、3−ペンタノンの転化率は42.5%、プロピオン酸エチルの収率は36.8%、選択率は86.6%(3−ペンタノンの使用量基準)、プロピオン酸の収率は2.7%、選択率は6.4%(3−ペンタノンの使用量基準)であり、プロピオン酸エチルとプロピオン酸の合計の選択率(3−ペンタノンの使用量基準)は、92.9%、反応収率は39.5%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器に3,4−メチレンジオキシアセトフェノン1.64g(10.0mmol)に、60%過酸化水素1.134g(20.0mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.186g(約1mmol)、トルエン4g、及び酢酸0.600g(10.0mmol)を加え、45℃にて10時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、3,4−メチレンジオキシアセトフェノンの転化率は58.8%、酢酸(3,4−メチレンジオキシフェニル)エステルの選択率は87.8%(5−アセチル−1,3−ベンゾジオキソールの使用量基準)、反応収率は51.6%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキシルメチルケトン1.26g(10.0mmol)に、60%過酸化水素1.134g(20.0mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.186g(約1mmol)、トルエン4g、及び酢酸0.600g(10.0mmol)を加え、70℃にて6時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキシルメチルケトンの転化率は92.7%、酢酸シクロヘキシルエステルの選択率は92.2%(シクロヘキシルメチルケトンの使用量基準)、反応収率は85.5%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキシルメチルケトン1.26g(10.0mmol)に、60%過酸化水素1.134g(20.0mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.186g(約1mmol)、アセトニトリル4g、及び酢酸0.600g(10.0mmol)を加え、70℃にて6時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキシルメチルケトンの転化率は79.4%、酢酸シクロヘキシルエステルの選択率は82.9%(シクロヘキシルメチルケトンの使用量基準)、反応収率は65.8%であった。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン2.00g(20.4mmol)に、60%過酸化水素1.735g(30.6mmol)、実施例8のスズ含有触媒0.38g(約2mmol)、アセトニトリル8g、及び酢酸1.224g(20.4mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、スズ含有触媒をろ過にて回収した。回収したスズ含有触媒に、シクロヘキサノン2.00g(20.4mmol)に、60%過酸化水素1.735g(30.6mmol)、アセトニトリル8g、及び酢酸1.224g(20.4mmol)を加え、70℃にて4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、スズ含有触媒をろ過にて回収した。同反応操作によるスズ含有触媒の繰り返し使用を合計4回行った。各反応で得られたろ液は分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)を行い、シクロヘキサノンの転化率、ε−カプロラクトンの収率、選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率、選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率、選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)を測定した。以下、表2にそれらの結果を纏めた。
攪拌装置、温度計を備えたガラス製容器にシクロヘキサノン1.00g(10.2mmol)に、アセトニトリル4g、60%過酸化水素0.573g(10.2mmol)、塩化スズ(II)0.097g(0.5mmol)を加え、70℃にて6時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過にて取り除いた。次いで、得られたろ液を分析(GC;内部標準法、HPLC;絶対検量線法)したところ、シクロヘキサノンの転化率は60.4%、ε−カプロラクトンの収率は2.5%、選択率は4.1%(シクロヘキサノンの使用量基準)、6−ヒドロキシヘキサン酸の収率は12.9%、選択率は21.4%(シクロヘキサノンの使用量基準)、アジピン酸の収率は3.9%、選択率は6.5%(シクロヘキサノンの使用量基準)であり、ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸及びアジピン酸の合計の選択率(シクロヘキサノンの使用量基準)は、32.0%であった。
Claims (1)
- 無溶媒、或いは、水、アセトニトリル、アセトン、1,4−ジオキサン、プロピオン酸エチル、及びトルエンからなる群より選ばれる少なくとも1種を溶媒として、
一般式(1)で示されるスズ含有触媒のみを使用し、
下記一般式(2)で示されるカルボニル化合物である、無置換又は置換基を有しても良い、シクロヘキシルカルボアルデヒド、メチルシクロヘキシルケトン、ベンズアルデヒド、アセトフェノン、2,3−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−エチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−メチレンジオキシアセトフェノン、3,4−メチレンジオキシアセトフェノン、2,3−エチレンジオキシアセトフェノン若しくは3,4−エチレンジオキシアセトフェノン、又は下記一般式(6)で示される環状カルボニル化合物である、無置換又は置換基を有しても良い、シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロノナノン、シクロデカノン、シクロドデカノン若しくはシクロウンデカノンと、
過酸化水素とを反応させて、
(i)一般式(2)で示されるカルボニル化合物の場合は、対応する一般式(3)で示されるエステル化合物、一般式(4)で示されるカルボン酸化合物及び一般式(5)で示される水酸基を含有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物、及び
(ii)一般式(6)で示される環状カルボニル化合物の場合は、対応する一般式(7)で示されるラクトン化合物、一般式(8)で示されるヒドロキシカルボン酸化合物、及び一般式(9)で示されるジカルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物
を製造する方法。
R基の個数で0〜3の実数を示す。また、yは酸素原子の個数を示し、0〜1の実数であ
る。さらに、zは水酸基の個数を示し、0〜4の実数である。但し、x、y及びzの合計
数は4を超えない。なお、一般式(1)で示されるスズ成分を含有する反応触媒の炭素原
子数は100を越えない。)
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