JP6610069B2 - ソルダーレジスト用樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、配線基板、電子装置、および電子装置の製造方法 - Google Patents
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Description
熱硬化性樹脂と、
無機充填材と、
黒色顔料と、を含む、ソルダーレジスト用樹脂組成物であって、
前記黒色顔料が、黒色酸化チタンを含み、
前記無機充填材の含有量が、当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分中、50質量%以上90質量%以下である、
黒色のソルダーレジストに用いるソルダーレジスト用樹脂組成物が提供される。
前記キャリア基材上に配置された樹脂膜と、を備えており、
前記樹脂膜が、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、キャリア付樹脂膜が提供される。
前記基板上に形成された導電回路と、
前記基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜と、を含み、
前記ソルダーレジスト膜は、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、配線基板が提供される。
前記配線基板上に実装された電子素子と、を含み、
前記配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記ソルダーレジスト膜が、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置が提供される。
樹脂膜を前記基板上に配置する工程と、
前記樹脂膜に開口部を形成して、前記導電回路を露出させる工程と、
前記樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜を形成する工程と、
電子素子を、前記開口部に露出している前記導電回路と電気的に接続する工程と、
前記電子素子を封止する工程と、を含み、
前記樹脂膜は、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置の製造方法が提供される。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、黒色顔料と、を含むことができる。当該黒色顔料は、黒色酸化チタンを含むことができる。本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、黒色のソルダーレジストに用いることができる。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物について、以下詳述する。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。当該ソルダーレジスト用樹脂組成物をフィルム状とすることにより、本実施形態の樹脂シートを得ることができる。かかる樹脂シートを硬化させることにより、ソルダーレジスト膜が得られる。また、ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布膜を硬化させることにより、ソルダーレジスト膜を得てもよい。
本実施形態に係るエポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ソルダーレジスト膜の埋め込み性や、表面平滑性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、ソルダーレジスト膜の低線膨張化および高弾性率化を図ることもできる。また、配線基板の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージにおける耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、ソルダーレジスト膜の埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがとくに好ましい。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、充填材をさらに含んでもよい。
本実施形態に係る充填材としては、無機充填材を用いることができる。上記無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、シアネート樹脂(C)をさらに含むことができる。これにより、ソルダーレジスト膜について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
また、上記シアネート樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物と、フェノール類またはナフトール類と、を反応させて得ることができる。このようなシアネート樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、クレゾールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂などが挙げられる。上記シアネート樹脂は、一種または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ソルダーレジスト膜の低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、フェノールノボラック型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、またはナフトールアラルキル型シアネート樹脂を含むことがより好ましく、フェノールノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえば硬化促進剤(D)をさらに含むことができる。これにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
本実施形態に係る黒色酸化チタンは、TiO2と比較して、チタン原子に対して酸素原子が不足している亜酸化チタンを意味する。
本実施形態の黒色酸化チタンは、酸素欠陥を有するものであれば必ずしも制限されないが、TiOx(ただし、Xは、実数であり、かつ1以上、2未満を示す)という一般式で表すことができる。また、本実施形態において、上記Xの下限値は、例えば、1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。上記Xの上限値は、たとえば、2未満が好ましく、1.9以下がより好ましく、1.85以下がさらに好ましい。上記Xを下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。また、ソルダーレジスト用樹脂組成物中における黒色酸化チタンの分散性を向上させることができる。一方、上記Xを上限値以下とすることにより、YAGレーザー等のレーザーの捺印性を向上させることができる。本実施形態の黒色酸化チタンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、Ti2O3、Ti4O7、Ti5O9、およびTi6O11等が挙げられる。本実施形態の黒色顔料は、黒色酸化チタンとして、Ti4O7、Ti5O9、およびTi6O11のうちの少なくとも一つを含むことができる。
ここで、本実施形態において、上記黒色酸化チタンの含有量は、黒色顔料および着色剤の含有量に含まれるものではなく、上記充填材の含有量に含まれるものと定義する。すなわち、上記充填材の含有量は、上記無機充填材の含有量と黒色酸化チタンの含有量の合計値を示すものとする。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえば、上記黒色顔料以外の着色剤(E)をさらに含むことができる。本実施形態の着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、顔料(黒色顔料を除く)、および色素から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、開口部の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことができるが、緑色染料を含めてもよい。当該緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、硬化剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
本実施形態の樹脂シートは、たとえばワニス状のソルダーレジスト用樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シートは、溶剤含有率がソルダーレジスト用樹脂組成物全体に対して5重量%以下と定義することができる。本実施形態においては、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、熱硬化性樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
本実施形態において、ワニス状のソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえば溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
本実施形態に係る樹脂シートは、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物から得られたフィルムを含むことができる。本実施形態において、樹脂シートは、シート形状でもよく、巻き取り可能なロール形状でもよい。かかる樹脂シートを硬化することによりソルダーレジスト膜を得ることができる。また、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布膜を硬化させることにより、ソルダーレジスト膜を得てもよい。
本実施形態においては、たとえばTMA(熱分析装置)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定することにより得られる線膨張係数の、25〜50℃における平均を算出して、これをガラス転移温度未満における上記線膨張係数とすることができる。
上記キャリア基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜100μmとしてもよく、10〜70μmとしてもよい。これにより、樹脂シートを製造する際の取り扱い性が良好であり好ましい。
本実施形態に係る配線基板について説明する。
図1は、実施形態における配線基板20の構造の例を示す模式図である。
本実施形態の配線基板は、基板(コア基板22)と、基板上に形成された導電回路(導電体パターン24)と、基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜(絶縁性樹脂膜10)と、を含むことができる。当該ソルダーレジスト膜は、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を硬化させることにより得られる。例えば、上記ソルダーレジスト膜は、本実施形態の樹脂シートの硬化物で構成することができる。
上記コア基板22は、熱硬化性樹脂からなるものとすることができる。コア基板22はリジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の1つの表面(最外面)に設けられた導電体パターン24は、反対側の表面(最外面)に設けられた導電体パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホール(不図示)を介して互いに電気的に接続されている。
次に、本実施形態に係る半導体パッケージ102について説明する。
図2は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の電子装置(半導体パッケージ102)は、上記配線基板(配線基板20)と、配線基板上に実装された電子素子(半導体素子60)と、を含むことができる。すなわち、当該電子装置は半導体装置として利用できる。この配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置されたソルダーレジスト膜(下層側の絶縁性樹脂膜10)が、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を硬化して得られたものとすることができる。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、これに限定されず、ワイヤボンディングやTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
次に、配線基板20の製造方法について説明する。
本実施形態に係る配線基板20の製造方法は、コア基板22を準備する工程、絶縁膜を積層する工程、開口部28を形成する工程、およびデスミア処理する工程をこの順に含む。コア基板22を準備する工程では、少なくともひとつの最外面に導電体パターン24が設けられたコア基板22を準備する。絶縁膜を積層する工程では、コア基板22および導電体パターン24上に最外層の絶縁膜を積層する。開口部28を形成する工程では、絶縁膜の所定の領域に導電体パターン24の一部を露出させる。デスミア処理する工程では、絶縁膜の表面をデスミア処理する。開口部28を形成する工程は、絶縁膜のうち、開口部28とする領域にレーザー光を照射する工程を含む。
なお、めっき処理の前に、必要に応じて、露出した導電体パターン24の導電部を洗浄する工程や、粗化する工程を行っても良い。
本実施形態の電子装置(半導体パッケージ102)の製造方法は、導電回路(導電パターン24)が一面に形成された基板(コア基板22)を準備する工程と、樹脂膜(上記絶縁膜)を基板上に配置する工程と、樹脂膜に開口部を形成して、導電回路を露出させる工程と、樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜(絶縁性樹脂膜10)を形成する工程と、電子素子を、開口部に露出している導電回路と電気的に接続する工程と、電子素子(半導体素子60)を封止する工程と、を含むことができる。当該樹脂膜は、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなることが好ましい。すなわち、当該樹脂膜は、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布膜、または上記樹脂シートにより構成してもよい。また、本実施形態において、上記樹脂膜は、基板(コア基板22)の両面にそれぞれ形成されており、少なくとも電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された樹脂膜が、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなることが好ましい。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 熱硬化性樹脂と、
無機充填材と、
黒色顔料と、を含む、ソルダーレジスト用樹脂組成物であって、
前記黒色顔料が、黒色酸化チタンを含む、黒色のソルダーレジストに用いるソルダーレジスト用樹脂組成物。
2. 前記黒色酸化チタンが、TiO x (ただし、Xは1以上、2未満を示す)で表される、1.に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
3. 前記黒色酸化チタンのD 50 が、0.1μm以上2.0μm以下である、1.または2.に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
4. 前記黒色酸化チタンの含有量が、前記ソルダーレジスト用樹脂組成物全体に対して、1重量%以上、10重量%以下である、1.から3.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
5. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む、1.から4.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
6. 前記エポキシ樹脂が、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含む、5.に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
7. 前記熱硬化性樹脂が、シアネート樹脂を含む、1.から6.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
8. 黒色染料をさらに含む、1.から7.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
9. 前記無機充填材が、シリカを含む、1.から8.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
10. 160℃以上の加熱処理により硬化させる工程に用いる、1.から9.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
11. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率が、1.0×10 14 Ω・cm以上、1.0×10 18 Ω・cm以下である、1.から10.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
12. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の30℃における貯蔵弾性率が7Gpa以上である、1.から11.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
13. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、160℃以上である、1.から12.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
14. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度未満における線膨張係数が30ppm/℃以下である、1.から13.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
15. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のL*値が30以下である、1.から14.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
16. キャリア基材と、
前記キャリア基材上に配置された樹脂膜と、を備えており、
前記樹脂膜が、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、キャリア付樹脂膜。
17. 基板と、
前記基板上に形成された導電回路と、
前記基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜と、を含み、
前記ソルダーレジスト膜は、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、配線基板。
18. 17.に記載の配線基板と、
前記配線基板上に実装された電子素子と、を含み、
前記配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記ソルダーレジスト膜が、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置。
19. 導電回路が一面に形成された基板を準備する工程と、
樹脂膜を前記基板上に配置する工程と、
前記樹脂膜に開口部を形成して、前記導電回路を露出させる工程と、
前記樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜を形成する工程と、
電子素子を、前記開口部に露出している前記導電回路と電気的に接続する工程と、
前記電子素子を封止する工程と、を含み、
前記樹脂膜は、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置の製造方法。
20. 前記樹脂膜は、前記基板の両面にそれぞれ形成されており、
少なくとも前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記樹脂膜が、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、19.に記載の電子装置の製造方法。
各実施例および各比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を調整した。まず、表1に従い配合された各成分の原料(黒色酸化チタン除く)を溶剤1に溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌することによりワニスを得た。その後、得られたワニス中に黒色酸化チタンを配合し、超音波分散方式により1時間攪拌することにより、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
熱硬化性樹脂1:ナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EXA−7320)
熱硬化性樹脂2:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)
熱硬化性樹脂3:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、YX4000HK)
熱硬化性樹脂4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学製、jER828EL)
熱硬化性樹脂5:ナフタレンジオール型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4032D)
(充填材)
充填材1:シリカ(アドマテックス社製、SC4050KNR、平均粒径1μm、5μmカット)
(シアネート樹脂)
シアネート樹脂1:フェノールノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製、Primaset PT−30)
(硬化剤)
硬化剤1:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−53195)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:下記一般式(2)に該当するオニウム塩化合物のリン系触媒(住友ベークライト社製、C05−MB)
黒色染料1:アントラキノン系化合物を含む染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)
黒色顔料1:黒色酸化チタン(赤穂化学社製、TM−HPE、平均粒径0.2〜0.4μm)
黒色顔料2:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA600)
(カップリング剤)
カップリング剤1:エポキシシラン型カップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)
(レベリング剤)
レベリング剤1:レベリング剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−361N)
(溶剤)
溶剤1:メチルエチルケトン
各実施例および各比較例について、得られた熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、厚さ30μmの熱硬化性樹脂膜を形成した。これにより、キャリア付樹脂膜を得た。
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離して、厚さ30μmの樹脂シートを作製した。当該樹脂シートをサンプルとした。
コニカミノルタセンシング社製Color Reader CR−13(測定モード:透過、測定回数:n=3)を用い、L1 *値、a1 *値、b1 *値を測定した。CIE1976L*a*b*表色系の数値への変換は装置本体が行い、CIE1976L*a*b*表色系のデータを得た。
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離して、厚さ30μmの樹脂シートを作製した。当該樹脂シートをサンプルとした。
体積抵抗率はJIS K 6911に準拠して行った。試験片は実施例および比較例から得られたサンプルから10cm×10cmになるように切り出したものを用いた。
ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を分散調合し、サンプルを得る。(i)分散直後のサンプル、または(ii)調合後から48時間経過したサンプルをグラインドゲージに入れて、ゲージを引いた。これにより分散状態を判定した。下記の評価基準の結果を表1に示した。
評価基準:
10μmより深い部分でフィラーのひっかかりがない:○(合格)
引っかかりがある:×(不合格)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅8mm×長さ50mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、DMS6100)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行った。次いで、得られた測定結果から、ガラス転移温度(℃)と、30℃における貯蔵弾性率(GPa)を算出した。ガラス転移温度は、tanδのピーク値から判定した。結果を表1に示す。
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅4mm×長さ20mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、TMA(TAインスツルメンツ(株)製)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で線膨張係数の測定を行った。次いで、50〜75℃における測定結果の平均を算出し、これをガラス転移温度未満における線膨張係数(ppm/℃)とした。結果を表1に示す。
20 配線基板
22 コア基板
24 導電体パターン
28 開口部
30 覆う半田ボール
30 半田ボール
40 封止樹脂層
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
242 ライン
244 ランド
246 めっき膜
Claims (19)
- 熱硬化性樹脂と、
無機充填材と、
黒色顔料と、を含む、ソルダーレジスト用樹脂組成物であって、
前記黒色顔料が、黒色酸化チタンを含み、
前記無機充填材の含有量が、当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分中、50質量%以上90質量%以下である、
黒色のソルダーレジストに用いるソルダーレジスト用樹脂組成物。 - 前記黒色酸化チタンが、TiOx(ただし、Xは1以上、2未満を示す)で表される、請求項1に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記黒色酸化チタンのD50が、0.1μm以上2.0μm以下である、請求項1または2に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記黒色酸化チタンの含有量が、当該ソルダーレジスト用樹脂組成物全体に対して、1重量%以上、10重量%以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が、シアネート樹脂を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 黒色染料をさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記無機充填材が、シリカを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 160℃以上の加熱処理により硬化させる工程に用いる、請求項1から8のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率が、1.0×1014Ω・cm以上、1.0×1018Ω・cm以下である、請求項1から9のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の30℃における貯蔵弾性率が7Gpa以上である、請求項1から10のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、160℃以上である、請求項1から11のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度未満における線膨張係数が30ppm/℃以下である、請求項1から12のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のL*値が30以下である、請求項1から13のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- キャリア基材と、
前記キャリア基材上に配置された樹脂膜と、を備えており、
前記樹脂膜が、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、キャリア付樹脂膜。 - 基板と、
前記基板上に形成された導電回路と、
前記基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜と、を含み、
前記ソルダーレジスト膜は、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、配線基板。 - 請求項16に記載の配線基板と、
前記配線基板上に実装された電子素子と、を含み、
前記配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記ソルダーレジスト膜が、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置。 - 導電回路が一面に形成された基板を準備する工程と、
樹脂膜を前記基板上に配置する工程と、
前記樹脂膜に開口部を形成して、前記導電回路を露出させる工程と、
前記樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜を形成する工程と、
電子素子を、前記開口部に露出している前記導電回路と電気的に接続する工程と、
前記電子素子を封止する工程と、を含み、
前記樹脂膜は、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置の製造方法。 - 前記樹脂膜は、前記基板の両面にそれぞれ形成されており、
少なくとも前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記樹脂膜が、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、請求項18に記載の電子装置の製造方法。
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