JP2017043649A - 樹脂組成物、樹脂膜、回路基板および半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂膜、回路基板および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】黒色ソルダーレジスト膜を形成した際に、色むらの発生しづらい樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明の樹脂組成物は、ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、(A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、(B)黒色着色剤と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂膜、回路基板および半導体装置に関する。
従来、半導体装置を構成する回路基板に設けられるソルダーレジスト膜として、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜を使用することが検討されている。
ここで、近年、かかる回路基板の導体パターンのコントラストを見えにくくするため、あるいは、半導体装置の意匠性を高めるためにこのソルダーレジスト膜に黒色を呈させる試みがなされている。
これに関連して、特許文献1には、充分な黒色度を有しつつ解像性にも優れる黒色フォトソルダーレジストとして、カルボキシル基含有樹脂、光重合開始剤、希釈剤、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物、黒色着色剤、黒色着色剤以外の1種以上の着色剤を有する黒色ソルダーレジスト組成物が記載されている。
また、特許文献2は、柔軟性に優れ、紫外線領域の波長の透過率が高い黒色の硬化物が得られる黒色硬化性樹脂組成物として、カルボキシル基含有感光性樹脂と、光重合開始剤と、希釈剤と、エポキシ化合物と、ウレタン(メタ)アクリレートと、ペリレン系黒色着色剤と、を含有する黒色硬化性樹脂組成物が記載されている。
特開2008−257045号公報 特開2014−063091号公報
しかしながら、このような黒色を呈するソルダーレジスト用の樹脂組成物は、導体パターンの遮蔽や意匠性の向上を目的とする反面、硬化させた後、濃い黒色の箇所と黒色の薄れた箇所との色むらが目立ちやすい傾向がある。
このことから、半導体装置を長期使用する際であっても、この色むらの発生を抑制することが求められる。
このような事情を鑑み、本発明は、黒色ソルダーレジスト膜を形成した際に、色むらの発生しづらい樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明によれば、
ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
(A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、
(B)黒色着色剤と、
を含む、樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記の樹脂組成物を硬化してなる樹脂膜が提供される。
また、本発明によれば、上記の樹脂膜を備える回路基板が提供される。
また、本発明によれば、上記の回路基板を備える半導体装置が提供される。
本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として特定構造を有するエポキシ樹脂が含有される。これにより、ソルダーレジスト膜に含まれる黒色着色剤が、たとえば、酸素や水分などの外部環境の影響を受けづらくなり、結果として、黒色ソルダーレジスト膜としての、色むらが発生しづらくなる。
本実施形態に係るキャリア付樹脂組成物の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、適宜、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[樹脂組成物]
まず、本実施形態の樹脂組成物について説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、
ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
(A)ナフタレン型エポキシ樹脂またはナフチレンエーテル型エポキシ樹脂と、
(B)黒色着色剤と、
を含む。
以下、本実施形態の樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
((A)ナフタレン型エポキシ樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、(A)ナフタレン型エポキシ樹脂を含む。
この(A)ナフタレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中にナフタレン骨格を有するものをいう。(A)ナフタレン型エポキシ樹脂としては、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂などが好ましい。これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
かかる(A)ナフタレン型エポキシ樹脂は、ベンゼン環に比べナフタレン環のπ−πスタッキング効果が高いため、特に、低熱膨張性、低熱収縮性に優れ、更に、多環構造のため剛直効果が高く、ガラス転移温度が特に高いため、リフロー前後の熱収縮変化が小さい。また、本実施形態の樹脂組成物においては、上記のような特性も相俟って、樹脂組成物の硬化物が、外部環境の影響を受けにくくなる。そのため、黒色着色剤を用いた場合であっても、色むらの発生を抑制することができる。
ナフトール型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII−1)、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂としては下記式(VII−2)、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂としては下記式(VII−3)(VII−4)(VII−5)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII−6)で示すことができ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
なお、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂とは、ナフタレン骨格が酸素原子を介して、他のアリーレン構造と結合した構造を有するエポキシ樹脂である。
上記のなかでも、低吸水、低熱膨張の観点から、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂およびナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2017043649
(nは平均1以上6以下の数を示し、Rはグリシジル基または炭素数1以上10以下の炭化水素基を示す。ただし、いずれか一方のRは、グリシジル基である。)
Figure 2017043649
Figure 2017043649
Figure 2017043649
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又はアラルキル基、又は、ナフタレン基、又はグリシジルエーテル基含有ナフタレン基を表し、o及びmはそれぞれ0〜2の整数であって、かつo又はmの何れか一方は1以上である。)
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂として、たとえば、以下の式(6)、(7)で示されるものを使用しても良い。
Figure 2017043649
Figure 2017043649
(A)ナフタレン型エポキシ樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることがさらに好ましい。(A)ナフタレン型エポキシ樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物から硬化物を得る際に、熱膨張性が低く、剛性が高く、耐熱性に優れる硬化物を与えやすくなる。
一方で、(A)ナフタレン型エポキシ樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。(A)ナフタレン型エポキシ樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物から硬化物を得た際に、黒色着色剤に対する外部環境からの影響を適切に緩和できる。また、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜について、適度な可撓性を付与することができる。
なお、熱硬化性樹脂組成物の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
(A')他のエポキシ樹脂
また、本実施形態の樹脂組成物は、上述の(A)ナフタレン型エポキシ樹脂以外にも、他のエポキシ樹脂を含ませることができる。
この(A')他のエポキシ樹脂としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
この(A')他のエポキシ樹脂を含ませる場合、エポキシ樹脂の総量(すなわち、前述の(A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、(A')他のエポキシ樹脂の含有量の総和)は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して8質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
また、このエポキシ樹脂の総量(すなわち、前述の(A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、(A')他のエポキシ樹脂の含有量の総和)は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂の量について、このように設定することより、ソルダーレジスト膜としての適度な柔軟性を発現することができる。
((B)黒色着色剤)
本実施形態の樹脂組成物は、(B)黒色着色剤を含む。
この(B)黒色着色剤としては、公知の黒色顔料や黒色染料等を使用することができる。この(B)黒色着色剤としては、たとえば黒色酸化チタン、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト、シアニンブラック、フェライト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。
これらのうち、ソルダーレジスト膜としての耐久性や絶縁性、使用可使時間等を考慮し、黒色顔料を(B)黒色着色剤として含ませることが好ましく、その中でも、黒色酸化チタンを(B)黒色着色剤として含ませることがより好ましい。
また、上記の(B)黒色着色剤は、複数種を組み合わせることもできる。
この黒色酸化チタンは、TiOに対してチタン原子対する酸素原子が不足している亜酸化チタンを意味する。
本実施形態の黒色酸化チタンは、酸素欠陥を有するものであれば必ずしも制限されないが、TiO(ただし、Xは、実数であり、かつ1以上、2未満を示す)という一般式で表すことができる。また、本実施形態において、上記Xの下限値は、例えば、1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。上記Xの上限値は、たとえば、2未満が好ましく、1.9以下がより好ましく、1.85以下がさらに好ましい。上記Xを下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。また、樹脂組成物中における黒色酸化チタンの分散性を向上させることができる。一方、上記Xを上限値以下とすることにより、YAGレーザー等のレーザーの捺印性を向上させることができる。
本実施形態の黒色酸化チタンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、Ti、Ti、Ti、およびTi11等が挙げられる。本実施形態の(B)黒色着色剤は、黒色酸化チタンとして、Ti、Ti、およびTi11のうちの少なくとも一つを含むことができる。
(B)黒色着色剤として黒色酸化チタンを用いる場合、黒色酸化チタンの平均粒径D50の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。黒色酸化チタンの平均粒径D50の上限値は、特に限定されないが、例えば、2.0以下が好ましく、1.9μm以下がより好ましく、1.8μm以下がさらに好ましい。
黒色酸化チタンの平均粒径D50を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。黒色酸化チタンの平均粒径D50を上記上限値以下とすることにより、黒色酸化チタンの分散性を高めることができる。この平均粒径D50の測定は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
(B)黒色着色剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。(B)黒色着色剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜として、充分に導体パターンを遮蔽できるだけの黒色を呈することができる。
一方で、(B)黒色着色剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。(B)黒色着色剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜について、適度な可撓性を付与することができる。
((C)硬化剤)
本実施形態の樹脂組成物は、(C)硬化剤を含むことが好ましい。
この(C)硬化剤は、エポキシ樹脂を効果的に硬化させることのできる材料の中から適宜選択することができる。より具体的に、この(C)硬化剤としては、たとえば重付加型の硬化剤を用いることができる。
重付加型の硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン;ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;フェノール樹脂、クレゾール樹脂、レゾルシン樹脂、キシレノール樹脂、ナフトール樹脂、ビスフェノールA樹脂、アラルキルフェノール樹脂、ビフェニルアラルキルフェノール樹脂等のフェノール樹脂;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。
これらの中でも、得られるソルダーレジスト膜としての、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、保存安定性等のバランスの点からフェノール樹脂を(C)硬化剤として用いることが好ましい。なお、このフェノール樹脂とは、フェノール性水酸基を有する樹脂を指し、この水酸基を備える芳香環はベンゼン環に限定されない。
なお、硬化性の点からこのフェノール樹脂は、水酸基当量が90g/eq以上250g/eq以下であることが好ましい。
これらの中でも、(C)硬化剤としてナフトール樹脂を含むことが好ましい。ナフトール樹脂は、ナフトール性水酸基を有し、かつ、エポキシ樹脂に対して硬化作用を有する硬化剤である。このナフトール樹脂としては、たとえば、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル型樹脂などが挙げられる、これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。また、ナフトール樹脂は、入手容易性、また、本実施形態の樹脂組成物の硬化物について、さらに剛性を持たせる観点から、下記式(1)であらわされるナフトールアラルキル型樹脂がより好ましい。
なお、ナフトールアラルキル型樹脂として市販されているものとしては、たとえば、新日鐵住金化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」および「SN395」、日本化薬社製の「NHN」および「CBN」等を挙げることができる。
Figure 2017043649
(上記一般式(1)式において、nは1以上15以下の整数であり、mはそれぞれ独立に1または2であり、lはそれぞれ独立に0または1であり、Rはそれぞれ独立にアルキル基、好ましくはメチル基である。)
(C)硬化剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。(C)硬化剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、得られるソルダーレジスト膜として、機械的強度を向上させることができる。
一方で、(C)硬化剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。(C)硬化剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜について、適度な可撓性を付与することができる。
((D)無機充填材)
本実施形態の樹脂組成物は、(D)無機充填材を含むことができる。(D)無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカを用いることがより好ましい。
本実施形態に係るシリカは、特に限定されないが、例えば、球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含んでもよい。ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、シリカは、たとえば、溶融球状シリカでもよい。
(D)無機充填材の平均粒径D50の下限値は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。(D)無機充填材の平均粒径D50の上限値は、とくに限定されないが、5.0μm以下が好ましく、3.0μm以下がより好ましく、2.0μm以下がさらに好ましい。
このような範囲に設定することで、ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性をさらに向上させることができる。
また、(D)無機充填材は粒径の異なる複数種の無機充填材を組み合わせたものであっても構わない。
なお、(D)無機充填材の平均粒径D50は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
また、本実施形態の(D)無機充填材としては、シランカップリング剤等により表面処理が行われていても構わない。これにより、樹脂組成物全体に対する親和性を向上させることができる。
(D)無機充填材の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。(D)無機充填材の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。また、ソルダーレジスト膜を低線膨張化および高弾性率化させ、得られる半導体パッケージの反り低減に寄与することも可能である。
一方で、(D)無機充填材の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましい。(D)無機充填材の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト膜の埋め込み性をより効果的に向上させることが可能となる。
((E)フェノキシ樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は(E)フェノキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、ソルダーレジスト膜としての柔軟性を付与することができる。
(E)フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、およびトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される一種または二種以上の骨格を有するものが挙げられる。(E)フェノキシ樹脂の末端はフェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。
(E)フェノキシ樹脂として市販されているものとしては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「1256」、「4250」(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、東都化成社製の「FX280」、「FX293」、ジャパンエポキシレジン社製の「YL7553BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」等が挙げられる。
(E)フェノキシ樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。(E)フェノキシ樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜の耐湿性や柔軟性を効果的に向上させることができる。
一方で、(E)フェノキシ樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。(E)フェノキシ樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト膜の機械的強度の向上を図ることができる。
((F)硬化促進剤)
本実施形態の樹脂組成物は、たとえば(F)硬化促進剤をさらに含むことができる。これにより、樹脂組成物の硬化性をさらに向上させることができる。
本実施形態に係る(F)硬化促進剤としては、エポキシ樹脂の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類はとくに限定されない。本実施形態の(F)硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(TPP−K)、テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネートなどの四級ホスホニウム系化合物、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
(F)硬化促進剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.15質量%以上であることがさらに好ましい。(F)硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。
一方で、(F)硬化促進剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。(F)硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、ポリビニルブチラール等のエラストマー、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。
((S)溶剤)
本実施形態の樹脂組成物は、上述の成分を溶剤に溶解することで、ワニス状の樹脂組成物とすることができる。
この溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
樹脂組成物がワニス状である場合において、樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた樹脂組成物が得られる。
なお、ワニス状の樹脂組成物は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
このようなワニス状の樹脂組成物を得る場合、さらに、このワニス状の樹脂組成物をフィルム状とすることにより、樹脂シートを得ることができる。
この樹脂シートは、たとえばワニス状の樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。この樹脂シートとしては、溶剤含有率が樹脂組成物全体に対して5質量%以下である場合を指すことができる。本実施形態においては、たとえば100℃以上150℃以下、1分以上5分以下の条件で溶剤除去処理を行うことができる。
これにより、樹脂組成物の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
なお、この樹脂シートを得るにあたって、樹脂組成物をキャリア基材に展開した上で、溶剤除去処理を行うことが好ましい。
樹脂組成物をキャリア基材に展開させる方法としては特に限定されないが、たとえばワニス状の樹脂組成物を、各種コーター装置を用いてキャリア基材に塗工する方法、スプレー装置を用いてワニス状の樹脂組成物をキャリア基材に噴霧塗工する方法などが挙げられる。
これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、ワニス状の樹脂組成物をキャリア基材に塗工し、これを乾燥することで樹脂シートを得る態様が好ましい。
これにより、ボイドがなく、均一な厚みを有する樹脂シートを得ることができる。
以上、各成分を配合することで、本実施形態の樹脂組成物を調製することができるが、本実施形態の樹脂組成物は、以下に示す特性を満たすことが好ましい。
すなわち、本実施形態の樹脂組成物は、硬化物の25℃における貯蔵弾性率が、たとえば7GPa以上である。これにより、樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜を備える回路基板のたわみ抑制や強度向上、この回路基板を備える半導体パッケージの反り抑制等を図ることが可能となる。
この貯蔵弾性率は、10GPa以上であることがより好ましい。
一方で、上記貯蔵弾性率の上限値は、とくに限定されないが、たとえば50GPaとすることができる。
なお、ここで樹脂硬化物から硬化物を得る条件としては、たとえば、200℃、1時間熱処理する条件を採用することができる。この硬化条件は、以下に示す各特性を評価する場合においても同様のものを採用することができる。
また、本実施形態において、樹脂組成物の硬化物はガラス転移温度(Tg)が、たとえば160℃以上である。これにより、樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜の耐熱性および耐リフロー性の向上等を図ることが可能となる。また、このようなガラス転移温度(Tg)とすることで、硬化物としての剛性を高めることができ、硬化物に含まれる黒色着色剤は、外部環境からの影響をより受けにくくなる。
この硬化物のガラス転移温度は、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、210℃以上であることがとくに好ましい。
一方で、硬化物のガラス転移温度の上限値は、とくに限定されないが、たとえば350℃とすることができる。
なお、樹脂組成物の硬化物の貯蔵弾性率とガラス転移温度は、たとえば動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行うことにより得られる測定結果から、算出することができる。動的粘弾性測定装置としては、とくに限定されないが、たとえばセイコーインスツルメンツ社製、DMS6100を用いることができる。
また、本実施形態の樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率の下限値は、特に限定されないが、例えば、1.0×1012Ω・cm以上が好ましく、5.0×1012Ω・cm以上がより好ましく、1.0×1013Ω・cm以上がさらに好ましく、5.0×1013Ω・cm以上がとくに好ましい。
上記硬化物の体積抵抗率の下限値は、特に限定されないが、例えば、1.0×1018Ω・cm以下が好ましく、5.0×1017Ω・cm以下がより好ましく、1.0×1017Ω・cm以下がさらに好ましい。
樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率を上記範囲内とすることにより、信頼性に優れた配線基板および電子装置の構造を実現することができる。
次に、キャリア付樹脂組成物100について説明する。
図1は、本実施形態に係るキャリア付樹脂組成物100の一例を示す断面図である。キャリア付樹脂膜100は、ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる。図1に示すように、キャリア付樹脂組成物100は、たとえばキャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられた樹脂シート10と、を備える。樹脂シート10は、本実施形態に係る樹脂組成物を用いて形成される。
キャリア付樹脂組成物100は、たとえばキャリア基材12上にワニス状の樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成した後、当該塗布膜に対して溶剤除去処理を行うことによって樹脂シート10を形成することにより製造することができる。溶剤除去処理は、たとえば塗布膜の溶剤含有率が塗布膜全体に対して5質量%以下となる条件で行われる。キャリア基材12は、とくに限定されないが、たとえば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリカーボネート;シリコーンシート;フッ素系樹脂;ポリイミド樹脂などのフィルムが挙げられる。金属箔としては、特に限定されないが、例えば、銅および銅系合金、アルミおよびアルミ系合金、鉄および鉄系合金、銀および銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などが挙げられる。
また、樹脂シート10の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上300μm以下とすることができる。これにより、ソルダーレジスト膜の形成に適した樹脂シート10を実現することができる。
本実施形態においては、たとえば次のようにしてキャリア付樹脂組成物100を用いてソルダーレジスト膜を形成することができる。まず、回路基板の導体回路パターンが設けられた面上に、樹脂シート10が回路基板と対向するようキャリア付樹脂組成物100を貼付する。キャリア付樹脂組成物100の貼付は、たとえばキャリア付樹脂組成物100を回路基板上に積層した後、これを真空加熱加圧成形することにより行うことができる。次いで、キャリア基材12を、樹脂シート10から剥離する。次いで、回路基板上に残存した樹脂シート10を熱硬化させる。これにより、回路基板上に、導体回路パターンを覆うように、本実施形態の樹脂組成物を硬化して得られる樹脂膜(ソルダーレジスト膜)が形成されることとなる。
次に、半導体装置102について説明する。
図2は、本実施形態に係る半導体装置102の一例を示す断面図である。図2に示すように、半導体装置102は、回路基板20を備えており、この回路基板20は樹脂膜26(ソルダーレジスト膜)を備えている。樹脂膜26は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物により構成される。ここで、本実施形態の樹脂膜26は黒色を呈するものであるが、これに対して、特定のエポキシ樹脂が配合されるため、この黒色の変色が抑制されている。樹脂膜26の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上300μm以下とすることができる。
半導体装置102は、たとえば回路基板20と、回路基板20上に搭載された半導体素子60と、を備えている。また、半導体素子60は、たとえばダイアタッチ材62を介して回路基板20上に搭載される。図2においては、コア基材22の一面と、当該一面と反対側の他面と、に導体回路パターン24が設けられてなる回路基板20が例示されている。この場合、コア基材22の上記一面および上記他面それぞれに、導体回路パターン24を覆うように、樹脂膜26が形成されることとなる。
コア基材22は、たとえば繊維基材に樹脂組成物を含浸してなる樹脂基材である。コア基材22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上1000μm以下とすることができる。なお、本実施形態においては、コア基材22の上記一面および上記他面の少なくとも一方に、一または二以上のビルドアップ層が積層されていてもよい。この場合、樹脂膜26は、最上層のビルドアップ層上に形成されることとなる。
樹脂膜26には、導体回路パターン24を露出させる開口部28が形成される。半導体素子60と回路基板20を接続するボンディングワイヤ50は、たとえば開口部28に露出した導体回路パターン24へボンディングされる。また、回路基板20に外部接続端子である半田ボール30が設けられる例においては、半田ボール30は、たとえば開口部28に露出した導体回路パターン24上に形成される。開口部28は、たとえばレーザー照射またはリソグラフィ処理によって形成される。
半導体素子60とボンディングワイヤ50は、たとえば封止樹脂40によって封止することもできる。封止樹脂40は、たとえばエポキシ樹脂組成物を用いて形成することができる。
半導体装置102は、たとえば次のようにして形成される。まず、コア基材22の上記一面上および上記他面上に導体回路パターン24を形成する。次いで、コア基材22の上記一面上および上記他面上それぞれに、樹脂膜26を形成する。樹脂膜26は、たとえば上述のキャリア付樹脂組成物100を用いて形成することができる。次いで、樹脂膜26に、レーザー照射によって開口部28を形成する。なお、露光および現像によるリソグラフィ処理によって開口部28を形成する場合には、樹脂膜26を熱硬化させる前に露光および現像を行って開口部28を形成した後、樹脂を熱硬化させ、樹脂膜26を形成させることとなる。また、開口部28を形成した後、回路基板の上記一面および上記他面に対してデスミア処理およびプラズマ処理を施すことができる。これにより得られた回路基板20の一面に、ダイアタッチ材62を介して半導体素子60を搭載する。次いで、半導体素子60と、回路基板20の上記一面側に設けられ、かつ開口部28から露出した導体回路パターン24と、をボンディングワイヤ50によって接続させる。次いで、半導体素子60とボンディングワイヤ50を封止樹脂40により封止する。その後、回路基板20の上記一面とは反対の他面側に設けられ、開口部28から露出した導体回路パターン24上に、半田ボール30を形成する。本実施形態においては、たとえばこのようにして半導体装置102を製造することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
(樹脂組成物の調製)
各実施例および各比較例について、ワニス状の樹脂組成物を調製した。樹脂組成物は、表1に従い配合された各成分の原料を溶剤であるメチルエチルケトンに溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌することにより得た。表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。なお、表1中における配合割合は各成分の固形分比率(質量%)を、それぞれ示しており、これらの各成分をすべて合わせた上で、樹脂組成物の固形分含有量が60質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解させている。
なお、無機充填材1はフェニルアミノシランで、無機充填材はビニルシランで表面処理をしたものを用いた。また、フェノキシ樹脂1は固形分30%の製品を用いているが、表1には、フェノキシ樹脂として固形分換算した量が示されている。
(A)ナフタレン型エポキシ樹脂
ナフタレン型エポキシ樹脂1:4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)
ナフタレン型エポキシ樹脂2:ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−6000)
(A')他のエポキシ樹脂
エポキシ樹脂1:ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)
エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER828EL)
エポキシ樹脂3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER−807)
(B)黒色着色剤
黒色着色剤1:黒色酸化チタン(赤穂化学社製、SBM−7701、平均粒径0.2〜0.4μm)
黒色着色剤2:アントラキノン系化合物を含む染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)
(C)硬化剤
硬化剤1:ナフトール樹脂(東都化成社製、SN485)
(D)無機充填材
無機充填材1:球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SC4050、平均粒径1μm)
無機充填材2:ナノシリカ(株式会社アドマテックス製、YA050C−HHA 平均粒径50〜65nm)
(E)フェノキシ樹脂
フェノキシ樹脂1:フェノキシ樹脂(三菱化学社製、YX6954BH30、固形分30%)
(F)硬化促進剤
硬化促進剤1:1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成社製、1B2PZ)
硬化促進剤2:(4一メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート(北興化学工業社製、TPTP−SCN)
ポリビニルブチラール樹脂:ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、KS−1)
(キャリア付樹脂組成物の作製)
各実施例および各比較例について、得られた樹脂組成物をキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、厚さ30μmの樹脂シートを形成した。これにより、シート状のキャリア付樹脂組成物を得た。
(貯蔵弾性率、ガラス転移温度)
各実施例および各比較例について、得られたキャリア付樹脂組成物からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅8mm×長さ50mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、DMS6100)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行った。次いで、得られた測定結果から、25℃における貯蔵弾性率(GPa)とガラス転移温度(℃)とを算出した。なお、ガラス転移温度は、tanδのピーク値から判定した。結果を表1に示す。
(体積抵抗率)
上記で得られたキャリア付樹脂組成物について、200℃、1時間熱処理を行い、樹脂組成物の硬化物を得た。
この硬化物を用い、JIS K 6911に準拠して体積抵抗率の測定を行った。測定試料は実施例および比較例から得られた硬化物から10cm×10cmになるように切り出したものを用いた。結果を表1に示す。
(色むら発生有無)
実施例および比較例で得られた樹脂組成物について、完全硬化させ硬化物を得、この硬化物から、一辺20mmの正方形のサンプルを作製した。
このサンプルについて、大気中で、湿度85%、温度85℃の条件で2000時間静置し、色むらの発生の有無を確認した。結果を表1に示す。
なお、評価は以下に基づいて行った。
◎:目視では色むらが確認できない。
○:わずかに色むらが確認できるが、製品品質上問題ない程度である。
×:色むらが観察される。
Figure 2017043649
表1に示されるように、実施例の樹脂組成物を用いた場合は、樹脂組成物の硬化物としての黒色が十分に保持され、色むらの発生が抑制されている。これにより、配線基板、半導体装置等の設計の幅を拡充することができる。
本発明の樹脂組成物は、黒色ソルダーレジスト膜としての色むらの発生を抑制できるものであり、種々の配線基板、半導体装置の設計に資する。
100 キャリア付樹脂組成物
102 半導体装置
10 樹脂シート
12 キャリア基材
20 回路基板
22 コア基材
24 導体回路パターン
26 樹脂膜
28 開口部
30 半田ボール
40 封止樹脂
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材

Claims (11)

  1. ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
    (A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、
    (B)黒色着色剤と、
    を含む、樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
    さらに(C)硬化剤を含む、樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の樹脂組成物であって、
    前記(C)硬化剤はフェノール樹脂を含む、樹脂組成物。
  4. 請求項2または3に記載の樹脂組成物であって、
    前記(C)硬化剤はナフトール樹脂を含む、樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
    前記(B)黒色着色剤は黒色酸化チタンを含む、樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
    さらに(D)無機充填材を含む、樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
    さらに(E)フェノキシ樹脂を含む、樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
    当該樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が160℃以上である、樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化してなる樹脂膜。
  10. 請求項9に記載の樹脂膜を備える回路基板。
  11. 請求項10に記載の回路基板を備える半導体装置。
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