JP2017043649A - 樹脂組成物、樹脂膜、回路基板および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、近年、かかる回路基板の導体パターンのコントラストを見えにくくするため、あるいは、半導体装置の意匠性を高めるためにこのソルダーレジスト膜に黒色を呈させる試みがなされている。
また、特許文献2は、柔軟性に優れ、紫外線領域の波長の透過率が高い黒色の硬化物が得られる黒色硬化性樹脂組成物として、カルボキシル基含有感光性樹脂と、光重合開始剤と、希釈剤と、エポキシ化合物と、ウレタン(メタ)アクリレートと、ペリレン系黒色着色剤と、を含有する黒色硬化性樹脂組成物が記載されている。
このことから、半導体装置を長期使用する際であっても、この色むらの発生を抑制することが求められる。
ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
(A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、
(B)黒色着色剤と、
を含む、樹脂組成物が提供される。
まず、本実施形態の樹脂組成物について説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、
ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
(A)ナフタレン型エポキシ樹脂またはナフチレンエーテル型エポキシ樹脂と、
(B)黒色着色剤と、
を含む。
以下、本実施形態の樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、(A)ナフタレン型エポキシ樹脂を含む。
この(A)ナフタレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中にナフタレン骨格を有するものをいう。(A)ナフタレン型エポキシ樹脂としては、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂などが好ましい。これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
なお、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂とは、ナフタレン骨格が酸素原子を介して、他のアリーレン構造と結合した構造を有するエポキシ樹脂である。
上記のなかでも、低吸水、低熱膨張の観点から、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂およびナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
一方で、(A)ナフタレン型エポキシ樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。(A)ナフタレン型エポキシ樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物から硬化物を得た際に、黒色着色剤に対する外部環境からの影響を適切に緩和できる。また、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜について、適度な可撓性を付与することができる。
なお、熱硬化性樹脂組成物の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
また、本実施形態の樹脂組成物は、上述の(A)ナフタレン型エポキシ樹脂以外にも、他のエポキシ樹脂を含ませることができる。
この(A')他のエポキシ樹脂としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、このエポキシ樹脂の総量(すなわち、前述の(A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、(A')他のエポキシ樹脂の含有量の総和)は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂の量について、このように設定することより、ソルダーレジスト膜としての適度な柔軟性を発現することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、(B)黒色着色剤を含む。
この(B)黒色着色剤としては、公知の黒色顔料や黒色染料等を使用することができる。この(B)黒色着色剤としては、たとえば黒色酸化チタン、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト、シアニンブラック、フェライト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。
これらのうち、ソルダーレジスト膜としての耐久性や絶縁性、使用可使時間等を考慮し、黒色顔料を(B)黒色着色剤として含ませることが好ましく、その中でも、黒色酸化チタンを(B)黒色着色剤として含ませることがより好ましい。
また、上記の(B)黒色着色剤は、複数種を組み合わせることもできる。
本実施形態の黒色酸化チタンは、酸素欠陥を有するものであれば必ずしも制限されないが、TiOx(ただし、Xは、実数であり、かつ1以上、2未満を示す)という一般式で表すことができる。また、本実施形態において、上記Xの下限値は、例えば、1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。上記Xの上限値は、たとえば、2未満が好ましく、1.9以下がより好ましく、1.85以下がさらに好ましい。上記Xを下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。また、樹脂組成物中における黒色酸化チタンの分散性を向上させることができる。一方、上記Xを上限値以下とすることにより、YAGレーザー等のレーザーの捺印性を向上させることができる。
本実施形態の黒色酸化チタンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、Ti2O3、Ti4O7、Ti5O9、およびTi6O11等が挙げられる。本実施形態の(B)黒色着色剤は、黒色酸化チタンとして、Ti4O7、Ti5O9、およびTi6O11のうちの少なくとも一つを含むことができる。
黒色酸化チタンの平均粒径D50を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。黒色酸化チタンの平均粒径D50を上記上限値以下とすることにより、黒色酸化チタンの分散性を高めることができる。この平均粒径D50の測定は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
一方で、(B)黒色着色剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。(B)黒色着色剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜について、適度な可撓性を付与することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、(C)硬化剤を含むことが好ましい。
この(C)硬化剤は、エポキシ樹脂を効果的に硬化させることのできる材料の中から適宜選択することができる。より具体的に、この(C)硬化剤としては、たとえば重付加型の硬化剤を用いることができる。
なお、硬化性の点からこのフェノール樹脂は、水酸基当量が90g/eq以上250g/eq以下であることが好ましい。
なお、ナフトールアラルキル型樹脂として市販されているものとしては、たとえば、新日鐵住金化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」および「SN395」、日本化薬社製の「NHN」および「CBN」等を挙げることができる。
一方で、(C)硬化剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。(C)硬化剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜について、適度な可撓性を付与することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、(D)無機充填材を含むことができる。(D)無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカを用いることがより好ましい。
このような範囲に設定することで、ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性をさらに向上させることができる。
また、(D)無機充填材は粒径の異なる複数種の無機充填材を組み合わせたものであっても構わない。
なお、(D)無機充填材の平均粒径D50は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
一方で、(D)無機充填材の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましい。(D)無機充填材の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト膜の埋め込み性をより効果的に向上させることが可能となる。
本実施形態の樹脂組成物は(E)フェノキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、ソルダーレジスト膜としての柔軟性を付与することができる。
(E)フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、およびトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される一種または二種以上の骨格を有するものが挙げられる。(E)フェノキシ樹脂の末端はフェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。
(E)フェノキシ樹脂として市販されているものとしては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「1256」、「4250」(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、東都化成社製の「FX280」、「FX293」、ジャパンエポキシレジン社製の「YL7553BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」等が挙げられる。
一方で、(E)フェノキシ樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。(E)フェノキシ樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト膜の機械的強度の向上を図ることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、たとえば(F)硬化促進剤をさらに含むことができる。これにより、樹脂組成物の硬化性をさらに向上させることができる。
一方で、(F)硬化促進剤の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。(F)硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
本実施形態の樹脂組成物には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、ポリビニルブチラール等のエラストマー、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、上述の成分を溶剤に溶解することで、ワニス状の樹脂組成物とすることができる。
この溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
なお、ワニス状の樹脂組成物は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
この樹脂シートは、たとえばワニス状の樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。この樹脂シートとしては、溶剤含有率が樹脂組成物全体に対して5質量%以下である場合を指すことができる。本実施形態においては、たとえば100℃以上150℃以下、1分以上5分以下の条件で溶剤除去処理を行うことができる。
これにより、樹脂組成物の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
樹脂組成物をキャリア基材に展開させる方法としては特に限定されないが、たとえばワニス状の樹脂組成物を、各種コーター装置を用いてキャリア基材に塗工する方法、スプレー装置を用いてワニス状の樹脂組成物をキャリア基材に噴霧塗工する方法などが挙げられる。
これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、ワニス状の樹脂組成物をキャリア基材に塗工し、これを乾燥することで樹脂シートを得る態様が好ましい。
これにより、ボイドがなく、均一な厚みを有する樹脂シートを得ることができる。
この貯蔵弾性率は、10GPa以上であることがより好ましい。
一方で、上記貯蔵弾性率の上限値は、とくに限定されないが、たとえば50GPaとすることができる。
なお、ここで樹脂硬化物から硬化物を得る条件としては、たとえば、200℃、1時間熱処理する条件を採用することができる。この硬化条件は、以下に示す各特性を評価する場合においても同様のものを採用することができる。
この硬化物のガラス転移温度は、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、210℃以上であることがとくに好ましい。
一方で、硬化物のガラス転移温度の上限値は、とくに限定されないが、たとえば350℃とすることができる。
上記硬化物の体積抵抗率の下限値は、特に限定されないが、例えば、1.0×1018Ω・cm以下が好ましく、5.0×1017Ω・cm以下がより好ましく、1.0×1017Ω・cm以下がさらに好ましい。
樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率を上記範囲内とすることにより、信頼性に優れた配線基板および電子装置の構造を実現することができる。
図1は、本実施形態に係るキャリア付樹脂組成物100の一例を示す断面図である。キャリア付樹脂膜100は、ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる。図1に示すように、キャリア付樹脂組成物100は、たとえばキャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられた樹脂シート10と、を備える。樹脂シート10は、本実施形態に係る樹脂組成物を用いて形成される。
また、樹脂シート10の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上300μm以下とすることができる。これにより、ソルダーレジスト膜の形成に適した樹脂シート10を実現することができる。
図2は、本実施形態に係る半導体装置102の一例を示す断面図である。図2に示すように、半導体装置102は、回路基板20を備えており、この回路基板20は樹脂膜26(ソルダーレジスト膜)を備えている。樹脂膜26は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物により構成される。ここで、本実施形態の樹脂膜26は黒色を呈するものであるが、これに対して、特定のエポキシ樹脂が配合されるため、この黒色の変色が抑制されている。樹脂膜26の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上300μm以下とすることができる。
半導体素子60とボンディングワイヤ50は、たとえば封止樹脂40によって封止することもできる。封止樹脂40は、たとえばエポキシ樹脂組成物を用いて形成することができる。
各実施例および各比較例について、ワニス状の樹脂組成物を調製した。樹脂組成物は、表1に従い配合された各成分の原料を溶剤であるメチルエチルケトンに溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌することにより得た。表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。なお、表1中における配合割合は各成分の固形分比率(質量%)を、それぞれ示しており、これらの各成分をすべて合わせた上で、樹脂組成物の固形分含有量が60質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解させている。
なお、無機充填材1はフェニルアミノシランで、無機充填材はビニルシランで表面処理をしたものを用いた。また、フェノキシ樹脂1は固形分30%の製品を用いているが、表1には、フェノキシ樹脂として固形分換算した量が示されている。
ナフタレン型エポキシ樹脂1:4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)
ナフタレン型エポキシ樹脂2:ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−6000)
エポキシ樹脂1:ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)
エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER828EL)
エポキシ樹脂3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER−807)
黒色着色剤1:黒色酸化チタン(赤穂化学社製、SBM−7701、平均粒径0.2〜0.4μm)
黒色着色剤2:アントラキノン系化合物を含む染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)
硬化剤1:ナフトール樹脂(東都化成社製、SN485)
無機充填材1:球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SC4050、平均粒径1μm)
無機充填材2:ナノシリカ(株式会社アドマテックス製、YA050C−HHA 平均粒径50〜65nm)
フェノキシ樹脂1:フェノキシ樹脂(三菱化学社製、YX6954BH30、固形分30%)
硬化促進剤1:1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成社製、1B2PZ)
硬化促進剤2:(4一メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート(北興化学工業社製、TPTP−SCN)
各実施例および各比較例について、得られた樹脂組成物をキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、厚さ30μmの樹脂シートを形成した。これにより、シート状のキャリア付樹脂組成物を得た。
各実施例および各比較例について、得られたキャリア付樹脂組成物からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅8mm×長さ50mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、DMS6100)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行った。次いで、得られた測定結果から、25℃における貯蔵弾性率(GPa)とガラス転移温度(℃)とを算出した。なお、ガラス転移温度は、tanδのピーク値から判定した。結果を表1に示す。
上記で得られたキャリア付樹脂組成物について、200℃、1時間熱処理を行い、樹脂組成物の硬化物を得た。
この硬化物を用い、JIS K 6911に準拠して体積抵抗率の測定を行った。測定試料は実施例および比較例から得られた硬化物から10cm×10cmになるように切り出したものを用いた。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られた樹脂組成物について、完全硬化させ硬化物を得、この硬化物から、一辺20mmの正方形のサンプルを作製した。
このサンプルについて、大気中で、湿度85%、温度85℃の条件で2000時間静置し、色むらの発生の有無を確認した。結果を表1に示す。
なお、評価は以下に基づいて行った。
◎:目視では色むらが確認できない。
○:わずかに色むらが確認できるが、製品品質上問題ない程度である。
×:色むらが観察される。
102 半導体装置
10 樹脂シート
12 キャリア基材
20 回路基板
22 コア基材
24 導体回路パターン
26 樹脂膜
28 開口部
30 半田ボール
40 封止樹脂
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
Claims (11)
- ソルダーレジスト膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
(A)ナフタレン型エポキシ樹脂と、
(B)黒色着色剤と、
を含む、樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
さらに(C)硬化剤を含む、樹脂組成物。 - 請求項2に記載の樹脂組成物であって、
前記(C)硬化剤はフェノール樹脂を含む、樹脂組成物。 - 請求項2または3に記載の樹脂組成物であって、
前記(C)硬化剤はナフトール樹脂を含む、樹脂組成物。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
前記(B)黒色着色剤は黒色酸化チタンを含む、樹脂組成物。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
さらに(D)無機充填材を含む、樹脂組成物。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
さらに(E)フェノキシ樹脂を含む、樹脂組成物。 - 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が160℃以上である、樹脂組成物。 - 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化してなる樹脂膜。
- 請求項9に記載の樹脂膜を備える回路基板。
- 請求項10に記載の回路基板を備える半導体装置。
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