JP5996874B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、被覆材料、例えば、フレキシブルプリント配線板等の回路基板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆材料に適した熱硬化性組成物、及びこれを硬化させた硬化物を被覆したフレキシブルプリント配線板等の被覆形成品に関するものである。
回路基板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用される。そのはんだ付けランドを除く回路部分には、熱硬化性樹脂組成物を塗工することで、永久保護被膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、回路基板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。塗工した熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる際に、基板の熱による損傷の防止、導体回路の酸化防止のために、低温で熱硬化させることが求められている。
一方で、近年、電子機器の小型化、内部構造の複雑化等が進んだことから、やわらかい構造を有するフレキシブルプリント配線板にソルダーレジストが使用されている。この場合、フレキシブルプリント配線板用の基板は、従来の基板よりも耐熱性が低下するので、塗工する熱硬化性樹脂組成物には、さらなる低温硬化性が求められている。また、フレキシブルプリント配線板にやわらかい構造を与えるために、ソルダーレジスト膜には、塗膜硬度やはんだ耐熱性だけでなく、耐屈曲性、低反り性も求められている。
そこで、特許文献1に、低温硬化性、低応力性能、屈曲性に優れた熱硬化性樹脂組成物が提案されている。
しかし、特許文献1の熱硬化性樹脂組成物では、熱硬化には120℃以上を要するので、基板の熱による損傷と導体回路の酸化を十分に防止することはできず、また、塗膜硬度、はんだ耐熱性、柔軟性、低反り性等の特性においてさらに改良するべき必要があった。
特開2008−255249
上記事情に鑑み、本発明の目的は、低温での熱硬化であっても、印刷性、耐屈曲性(柔軟性)、低反り性、塗膜硬度、はんだ耐熱性等の各種特性に優れた硬化物を形成できる熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の態様は、(A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。(B)成分である「液状のポリアルキレンカーボネートジオール」とは、常温常圧(25℃、1気圧)下にて液体であるポリアルキレンカーボネートジオールを意味する。
本発明の態様は、(A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、前記(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールが、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対し、1質量部〜60質量部配合されていることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、(A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、前記(C)ブロックイソシアネートが、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対し、1質量部〜60質量部配合されていることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(C)ブロックイソシアネートのブロック剤が、ジメチルピラゾール及び/またはマロン酸ジエチルであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、さらに、(D)硬化促進剤を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、(A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、(E)カルボキシル基含有樹脂と、を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。本発明の態様は、さらに、(F)酸無水物を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、上記熱硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。また、本発明の態様は、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化膜を有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板である。
本発明の態様によれば、(A)エポキシ樹脂と(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと(C)ブロックイソシアネートとを含有することにより、従来よりも低温の熱硬化処理であっても、印刷性、耐屈曲性(柔軟性)、低反り性、硬度及びはんだ耐熱性に優れた硬化膜を形成できる熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の態様によれば、従来よりも低温の熱硬化処理であっても、印刷性、耐屈曲性(柔軟性)、低反り性、硬度及びはんだ耐熱性に優れた硬化物を得ることができ、また、従来よりも低温の熱硬化処理であっても、印刷性、耐屈曲性、低反り性、硬度及びはんだ耐熱性に優れた硬化被膜を有するフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
本発明の態様によれば、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールが、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部〜60質量部配合されていることにより、従来よりも低温の熱硬化処理であっても、硬化物の耐屈曲性、低反り性、硬度、はんだ耐熱性を損なうことなく、印刷性がさらに向上する。
本発明の態様によれば、(C)ブロックイソシアネートが、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部〜60質量部配合されていることにより、従来よりも低温の熱硬化処理であっても、硬化物の印刷性、耐屈曲性、はんだ耐熱性を損なうことなく、低反り性と硬度がさらに向上する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の態様によれば、(C)ブロックイソシアネートのブロック剤が、ジメチルピラゾール及び/またはマロン酸ジエチルであることにより、硬化物の耐屈曲性、硬度、はんだ耐熱性がより向上する。
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物について説明する。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物であり、上記各成分は、以下の通りである。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、硬化塗膜等の硬化物の架橋密度を上げて十分な硬度を付与するとともに、はんだ耐熱性を向上させるためのものである。エポキシ樹脂には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA型変性柔軟性エポキシ樹脂、核水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらのうち、耐屈曲性の点からビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオール
液状のポリアルキレンカーボネートジオールは、(A)成分であるエポキシ樹脂との相溶性に優れ、比較的低温の熱処理であってもイソシアネート化合物との反応が良好である点から、熱硬化性樹脂組成物に液状のポリアルキレンカーボネートジオールを配合することで、従来よりも10〜20℃程度低い温度(すなわち、約100〜約110℃)での熱硬化処理であっても、硬化塗膜の耐屈曲性(柔軟性)、低反り性及びはんだ耐熱性を損なうことなく、特に、硬化塗膜の硬度と印刷性が向上する、と考えられる。常温常圧(25℃、1気圧)下にて液体であるポリアルキレンカーボネートジオールであれば特に限定されず、いずれも使用可能である。ポリアルキレンカーボネートジオールは、例えば、アルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応によって製造することができる。アルキレングリコールの例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール及び1,10−デカンジオールなどの直鎖アルキレングリコール、並びにネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルキレングリコールなどが挙げられる。また、エステル交換反応に用いられる炭酸エステルの例としては、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、並びにジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
上記した液状のポリアルキレンカーボネートジオールのうち、エポキシ樹脂との相溶性の点から、数平均分子量500〜2500であって、融点が−5℃以下のものが好ましい。なお、固形のポリアルキレンカーボネートジオールを用いると、液状のポリアルキレンカーボネートジオールと比較してエポキシ樹脂との相溶性が低下して、熱硬化性樹脂組成物中に均一に分散させることができず、さらに、従来よりも10〜20℃低い温度で熱硬化処理すると、硬化塗膜の表面が平滑にならず、印刷性が劣ってしまう。
単独のアルキレングリコールと単独または2種以上の炭酸エステルから得られるポリアルキレンカーボネートジオールを使用してもよく、単独の炭酸エステルと2種以上のアルキレングリコールから得られるポリアルキレンカーボネートジオールを使用してもよい。また、2種類以上のアルキレングリコールと2種類以上の炭酸エステルから得られるポリアルキレンカーボネートジオールを使用してもよい。さらに、上記ポリアルキレンカーボネートジオールは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
液状のポリアルキレンカーボネートジオールの配合量は、適宜選択可能である。例えば、液状のポリアルキレンカーボネートジオールの配合量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、従来よりも低い温度での熱硬化処理であっても、硬化塗膜に確実に印刷性を付与する点で1.0質量部であり、硬化塗膜の印刷性とはんだ耐熱性を確実に向上させる点から5.0質量部が好ましく、さらに硬化塗膜の耐屈曲性と低反り性を確実に向上させる点から7.0質量部が特に好ましい。また、例えば、液状のポリアルキレンカーボネートジオールの配合量の上限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、従来よりも低い温度での熱硬化処理であっても、硬化塗膜の硬度の低下を防止する点から60質量部であり、硬化塗膜のはんだ耐熱性の低下を確実に防止する点から50質量部が好ましく、硬化塗膜の耐屈曲性、低反り性、硬度及びはんだ耐熱性をよりバランスよく向上させる点から45質量部が特に好ましい。
(C)ブロックイソシアネート
ブロックイソシアネートを配合することで、イソシアネート基が常温で熱硬化性樹脂組成物の他の成分と反応するのを抑えることができるため長期間の保存が可能となるうえ、従来よりも10〜20℃程度低い温度(すなわち、約100〜約110℃)での熱硬化処理であっても、硬化塗膜の耐屈曲性(柔軟性)、印刷性及びはんだ耐熱性を損なうことなく、特に、硬化塗膜の硬度と低反り性を向上させることができる。ブロックイソシアネートとは、イソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基にブロック剤を付加反応させて得られる反応生成物である。従って、ブロックイソシアネートは、イソシアネート基がブロック剤により保護されて不活性化されたものである。このブロックイソシアネートを所定温度にて加熱処理することにより、このブロック剤がイソシアネート基から解離、すなわち脱ブロックして、活性なイソシアネート基が再生される。
イソシアネ−ト化合物としては、1分子内に2個以上のイソシアネ−ト基を有するイソシアネ−トを挙げることができる。具体的には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト及び4,4′‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト及び4,4−ジフェニルジイソシアネ−トなどの芳香族イソシアネート、並びにジシクロヘプタントリイソシアネートなどの脂環式イソシアネートなどが挙げられる。
上記イソシアネートのうち、低反り性の点から、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体が好ましい。
ブロック剤としては、例えば、アセト酢酸エチル等の活性メチレン系ブロック剤、フェノール、クレゾール及びキシレノール等のフェノール系ブロック剤、ジメチルピラゾール等のピラゾール系ブロック剤、メタノール、エタノール、マロン酸ジエチル、乳酸メチル及び乳酸エチル等のアルコール系ブロック剤、メチルエチルケトンオキシム、ジアセチルモノオキシム及びシクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤、ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン及びチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤、コハク酸イミド等のイミド系ブロック剤、アニリン及びブチルアミン等のアミン系ブロック剤、イミダゾール及び2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤、並びにメチレンイミン及びプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤等が挙げられる。
上記ブロック剤のうち、硬化塗膜の耐屈曲性、硬度及びはんだ耐熱性をより向上させる点から、ジメチルピラゾール、マロン酸ジエチルが好ましい。
ブロックイソシアネートは市販のものであっても使用可能であり、例えば、MF−K60B、SBN‐70D、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80T(以上、旭化成ケミカルズ社製、商品名)、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(日本ポリウレタン工業社製、商品名)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(三井武田ケミカル社製、商品名)、BI7986、BI7951、BI7982、BI7960(バクセンデン社製、商品名)、カレンズMOI‐BM、カレンズMOI‐BP(昭和電工社製、商品名)等が挙げられる。これらのブロックイソシアネートは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
ブロックイソシアネートの配合量は、適宜選択可能である。例えば、ブロックイソシアネートの配合量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、従来よりも低い温度での熱硬化処理であっても、硬化塗膜に、耐屈曲性、低反り性及び硬度を確実に付与する点で1.0質量部であり、硬化塗膜の低反り性と硬度を確実に向上させる点から3.0質量部が好ましく、硬化塗膜の低反り性、硬度、耐屈曲性及びはんだ耐熱性をよりバランスよく向上させる点から5.0質量部が特に好ましい。また、例えば、ブロックイソシアネートの配合量の上限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、従来よりも低い温度での熱硬化処理であっても、硬化塗膜のはんだ耐熱性の低下を確実に防止する点から60質量部であり、硬化塗膜のはんだ耐熱性の低下をより確実に防止する点から50質量部が好ましく、硬化塗膜の低反り性、硬度、耐屈曲性及びはんだ耐熱性をよりバランスよく向上させる点から45質量部が特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物では、上記(A)〜(C)成分に加えて、必要に応じて、さらに、(D)硬化促進剤、(E)カルボキシル基含有樹脂、(F)酸無水物を配合してもよい。
(D)硬化促進剤
熱硬化性樹脂組成物に用いられる硬化促進剤は、エポキシ樹脂の熱硬化を促進する機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾール−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾール−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル,4−メチルイミダゾール−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾール−(1’)]エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール及び1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類、これらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸及び蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物、前記化合物とフェノール類、多価カルボン酸類及びテトラフェニルボレートとの塩類、前記化合物とホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド及びトリオクチルメチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン及びテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の他のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、並びにこれら硬化促進剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
硬化促進剤の配合量は適宜選択可能であり、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、2〜20質量部が特に好ましい。
(E)カルボキシル基含有樹脂
カルボキシル基含有樹脂が、上記熱硬化性樹脂組成物に含まれると、エポキシ樹脂との架橋反応により、特に、耐屈曲性と塗膜硬度が向上する点で有効である。
カルボキシル基含有樹脂は、特に限定されず、例えば、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させてエポキシ(メタ)アクリレートを得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能であり、エポキシ当量の制限は特にないが、例えば、1000以下、好ましくは100〜500のものを用いる。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。これらのうちでも塗膜のフレキシブル性の点から、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
上記したエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させる。エポキシ基とカルボキシル基の反応によりエポキシ基が開裂し水酸基とエステル結合が生成する。使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。(メタ)アクリル酸を反応させたものがエポキシ(メタ)アクリレートである。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応できる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール及びシクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル及び石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ及びブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール及びブチルカルビトール等のカルビトール類、並びに酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート及びブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また、触媒としては、例えば、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のアミン類、トリフェニルホスフィン及びトリフェニルホスフェート等のリン化合物類等を挙げることができる。また、加熱温度は、適宜設定可能であるが、その下限値は、反応速度が遅くなるのを防止する点から80℃が好ましい。反応速度の上限値は、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の熱重合を防止する点から140℃が好ましい。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応において、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.7〜1.2当量反応させるのが好ましい。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としてアクリル酸又はメタクリル酸の少なくとも一方を用いる場合には、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.8〜1.0当量反応させるのが特に好ましい。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が0.7当量未満であると、後の工程の合成反応時にゲル化したり、樹脂の安定性が低下する。また、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が1.2当量超であると、未反応のカルボン酸が多く残存することで、硬化物の諸特性(例えば耐水性等)が低下する。
上記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に、多塩基酸又はその無水物を反応させる。多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせるものである。使用する多塩基酸又はその無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物が有する水酸基1モルに対して、多塩基酸又は多塩基酸無水物の使用量の下限値は、0.3モルであり、0.4モルが好ましく、特に好ましくは0.6モルである。また、その上限値は、1.0モルが好ましい。
多塩基酸は、上記不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に添加され、脱水縮合反応され、反応時生成した水は反応系から連続的に取り出すことが好ましい。また、上記反応は加熱状態で行うのが好ましく、反応温度は70〜130℃が好ましい。
上記多塩基酸または多塩基酸無水物と不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂との反応生成物である多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の酸価は、60〜300mgKOH/gが好ましい。なお、反応させる多塩基酸の量により、反応生成物の酸価は調整可能である。
本発明においては、上記多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有樹脂として使用できるが、上記多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入したカルボキシル基含有樹脂としてもよい。
カルボキシル基含有樹脂の配合量は適宜選択可能であり、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、10〜80質量部が特に好ましい。
(F)酸無水物
酸無水物を配合すると、良好な耐屈曲性と低反り性を有しつつ、はんだ耐熱性に優れた硬化塗膜を得ることができる。酸無水物は、1分子中に少なくとも1つの酸無水物基を有するものであれば特に限定されない。酸無水物には、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、メチルハイミック酸無水物、ハイミック酸無水物、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、クロレンド酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、3‐メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4‐メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸マレイン酸付加物、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3´,4,4´‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
このうち、はんだ耐熱性がより向上する点から、無水ピロメリット酸、4‐メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3,3´,4,4´‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が好ましい。また、耐屈曲性がより向上する点から、市販されている新日本理化(株)製のリカシッドHF‐08、リカシッドHFX‐043が好ましい。
上記酸無水物の配合量は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、優れたはんだ耐熱性を付与する点から10質量部が好ましい。一方、その上限値は、印刷性の点から50質量部が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記各成分の他に、さらに、種々の添加成分、例えば、着色剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、体質顔料などを含有させることができる。
着色剤には、公知のものを使用でき、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニンブルー等を挙げることができる。
有機溶剤は、熱硬化性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために使用するものである。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。有機溶媒を用いる場合の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、10〜500重量部が好ましい。
分散剤には、シラン系、チタネート系及びアルミナ系等のカップリング剤、消泡剤には、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系消泡剤、体質顔料には、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク及びマイカ等をそれぞれ挙げることができる。
上記した本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記成分(A)〜(C)および必要に応じてその他の成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
次に、上記した本発明の熱硬化性樹脂組成物の塗工方法について説明する。ここでは、回路パターンを有する基板上に本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗工して皮膜を形成する方法、より具体的には、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブルプリント配線板上に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗工して、ソルダーレジスト膜を形成する方法を例にとって説明する。銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブルプリント配線板上に、上記のように製造した熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法等の方法を用いて所望の厚さに塗布する。その後、100〜110℃の熱風循環式の乾燥機等で所定時間(例えば30分間)ポストキュアを行うことにより、フレキシブルプリント配線板上に目的とするソルダーレジスト膜を形成させることができる。なお、必要に応じて、熱硬化性樹脂組成物の塗布後に、熱硬化性樹脂組成物中の有機溶剤を揮散させるために、例えば60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行い、熱硬化性樹脂組成物から有機溶剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にしてもよい。
このようにして得られたソルダーレジスト膜にて被覆されたフレキシブルプリント配線板に、噴流はんだ付け方法、リフローはんだ付け方法等により電子部品がはんだ付けされることで、電子回路ユニットが形成される。
また、上記した塗工方法の例では、フレキシブルプリント配線板に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて形成したソルダーレジスト膜を被覆したが、フレキシブルプリント配線板に代えて、ガラスエポキシ基板等で製造したプリント配線板上に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗工してソルダーレジスト膜を被覆してもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜21、比較例1〜3
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて添加し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜21、比較例1〜3の熱硬化性樹脂組成物を調製した。そして、調製した熱硬化性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作成した。なお、表1中の配合割合の数字は質量部を示す。
Figure 0005996874
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)エポキシ樹脂
・エポトート2004:東都化成(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂。
・エピクロンTSR‐960:大日本インキ化学工業(株)製、ゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
・エピコート1004:ジャパンエポキシレジン(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(B)液状ポリアルキレンカーボネートジオール
・DURANOL T5652:旭化成ケミカルズ(株)製、HO[(CHm1OC(=O)O](CHm2OH(式中、m1=5または6、m2=5または6、n=10〜20の整数を示す。)であって、数平均分子量約2000。
(C)ブロックイソシアネート
・BI7982:バクセンデン(株)製、イソシアネートタイプはヘキサメチレンジイソシアネートtrimer、ブロック剤はジメチルピラゾール。
BI7992:バクセンデン(株)製、イソシアネートタイプはヘキサメチレンジイソシアネートtrimer、ブロック剤はジメチルピラゾール及びマロン酸ジエチル。
・カレンズMOI‐BM:昭和電工(株)製、メタクリル酸2‐〔0‐[1´メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ]エチル(ブロック剤はメチルエチルケトンオキシム)。
(D)硬化促進剤
・C11Z:四国化成(株)製、2−ウンデシルイミダゾール。
(E)カルボキシル基含有樹脂
・ZFR‐1122:日本化薬(株)社製、カルボキシル変性ビスフェノールF型エポキシアクリレート。
(F)酸無水物
・リカシッドHF‐08:新日本理化(株)製、脂環族酸無水物とポリアルキレングリコールのエステル。
・BTDA:ダイセル・サイテック(株)製、3,3´,4,4´‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物。
・PMDA
:ダイセル・サイテック(株)製、無水ピロメリット酸。
・リカシッドMH‐700G:新日本理化(株)製、4‐メチルヘキサヒドロ無水フタル酸。
着色剤
・リオノールブルーFG‐7351:東洋インキ製造(株)製、フタロシアニンブルー。
その他、DURANOL T6002は、旭化成ケミカルズ(株)製、HO[(CHOC(=O)O](CHOH(式中、m=6、n=10〜20の整数を示す。)、数平均分子量約2000であって、常温常圧にて固形のポリアルキレンカーボネートジオールである。
試験片作成工程
フレキシブル基板(新日鐵化学製「エスパネックス」、厚さ50μm、銅箔厚18μm)の表面を3%硫酸で洗浄処理後、上記のように製造した実施例1〜21及び比較例1〜3の熱硬化性樹脂組成物を、このフレキシブル基板にスクリーン印刷法を用いて均一に塗布した。その後、BOX炉内にて、110℃、30分のポストキュアを行って熱硬化させることにより硬化塗膜を得た。ただし、耐屈曲性評価用の試験片については、上記フレキシブル基板の銅箔をエッチング除去してから、上記と同様にして硬化塗膜を形成した。
評価
(1)印刷性
硬化塗膜の表面を目視観察し、
「○」:塗膜に異常なし
「△」:若干塗膜にムラ発生
「×」:平滑性なく、塗布ムラ発生
の3段階で評価した。
(2)耐屈曲性(柔軟性)
円筒形マンドレル法(JIS K‐5600‐5‐1)の試験方法に従い、試験片を所定の折り曲げ直径にて180°折り曲げた後の硬化塗膜を目視観察及び×200の光学顕微鏡観察し、
「○」:折り曲げ直径4mmで折り曲げ後、硬化塗膜に異常なし
「△」:折り曲げ直径6mmで折り曲げても異常なしだが、折り曲げ直径4mmで折り曲げ後、クラック、剥離等の異常あり
「×」:折り曲げ直径6mmで折り曲げ後、クラック、剥離等の異常あり
の3段階で評価した。
(3)低反り性
試験片を3cm×3cmに切り出した後、切り出した試験片を、水平な台上に上が凹になるよう静かに置き、特に外力を加えないようにして、試験片の4か所の角部と台との間の垂直な隔たりを、直尺で1mmの単位まで測定し、その最大値を、
「◎」:1mm以下
「○」:1mm超〜3mm
「△」:3mm超〜5mm
「×」:5mm超、
の4段階で評価した。
(4)塗膜硬度
JIS K−5600−5−4の試験方法に従い、銅箔上の硬化塗膜に、芯の先が平らになるように研がれた3Bから9Hの鉛筆を約45°の角度で押しつけて、塗膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
(5)はんだ耐熱性
硬化塗膜を、JIS C−6481の試験方法に従って、230℃のはんだ槽に10秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1回行った後の塗膜状態を目視により観察し、
「◎」:塗膜に変化が認められない
「○」:塗膜にほんの僅か変化が認められる
「△」:塗膜に変化が認められる
「×」:塗膜に剥離が認められる
の4段階で評価した。
実施例1〜21及び比較例1〜3から得られた硬化塗膜の印刷性、耐屈曲性、低反り性、塗膜硬度、はんだ耐熱性の測定結果を表2に示す。
Figure 0005996874
上記表2の各実施例に示すように、エポキシ樹脂に液状のポリアルキレンカーボネートジオールとブロックイソシアネートとを配合することで、熱処理温度が従来よりも約10℃低い110℃のポストキュアであっても、印刷性、耐屈曲性、低反り性、塗膜硬度及びはんだ耐熱性のいずれにも優れた硬化塗膜を得ることができた。実施例6、13から、特に、エポキシ樹脂100質量部に対して、液状のポリアルキレンカーボネートジオールを5質量部〜50質量部配合すると、硬化塗膜の耐屈曲性、低反り性及び硬度を損なうことなく、印刷性とはんだ耐熱性がともにより向上した。また、実施例12、13から、エポキシ樹脂100質量部に対して、液状のポリアルキレンカーボネートジオールを10質量部〜50質量部配合すると、硬化塗膜の印刷性、耐屈曲性、低反り性、硬度及びはんだ耐熱性のいずれもさらにバランスよく向上した。
さらに、実施例8、9から、エポキシ樹脂100質量部に対して、ブロックイソシアネートを3質量部〜60質量部配合すると、硬化塗膜の印刷性、耐屈曲性、硬度及びはんだ耐熱性を損なうことなく、低反り性をより向上させることができた。また、実施例15、16から、エポキシ樹脂100質量部に対して、ブロックイソシアネートを10質量部〜50質量部配合すると、硬化塗膜の印刷性、耐屈曲性、低反り性及び硬度を損なうことなく、はんだ耐熱性をより向上させることができた。
また、実施例1、10から、さらに、カルボキシル基含有樹脂を配合することで、熱処理温度が従来よりも10℃低い110℃のポストキュアであっても、硬化塗膜の印刷性、低反り性及びはんだ耐熱性を損なうことなく、耐屈曲性と硬度がより向上した。
実施例17〜21から、さらに酸無水物を配合することで、耐屈曲性と低反り性をバランスよく向上させつつ、優れたはんだ耐熱性が得られた。特に、3,3´,4,4´‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、4‐メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いると、極めて優れたはんだ耐熱性が得られた。
一方で、エポキシ樹脂を配合していない比較例1では、架橋密度が上がらないので、従来よりも低い温度でポストキュアをすると、特に、塗膜に十分な硬度を付与することができず、はんだ耐熱性も得られなかった、と考えられる。比較例2では、液状のポリアルキレンカーボネートジオールの代わりに、固形のポリアルキレンカーボネートジオールを配合したので、ポリアルキレンカーボネートジオールのエポキシ樹脂に対する相溶性が低下して、熱硬化性樹脂組成物中における均一分散性が損なわれてしまった結果、特に、硬化塗膜の印刷性が得られなかった、と考えられる。比較例3では、ブロックイソシアネートを配合しなかったので、(B)成分であるポリアルキレンカーボネートジオールの水酸基がイソシアネート基とウレタン結合を形成しなかった結果、特に、硬化塗膜の硬度と低反り性が得られなかった、と考えられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、印刷性、耐屈曲性、低反り性、塗膜硬度、はんだ耐熱性等の特性を損なうことなく、従来よりも10℃〜20℃程度低い温度である100〜110℃の硬化処理温度にて熱硬化するので、例えば、回路基板の被覆材料、特に、熱損傷に注意を要する基板を用いるフレキシブルプリント配線板のソルダーレジスト膜の分野や、アンダーフィル、封止樹脂等の分野で利用価値が高い。

Claims (8)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールが、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対し、1質量部〜60質量部配合されていることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物
  2. (A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記(C)ブロックイソシアネートが、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対し、1質量部〜60質量部配合されていることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  3. (A)エポキシ樹脂と、(B)液状のポリアルキレンカーボネートジオールと、(C)ブロックイソシアネートと、(E)カルボキシル基含有樹脂と、を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(C)ブロックイソシアネートのブロック剤が、ジメチルピラゾール及び/またはマロン酸ジエチルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、(D)硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. さらに、(F)酸無水物を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化膜を有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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