JP2008202019A - 絶縁性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
基材に対する接着性と、低反り性、折り曲げ性、低タック性、難燃性を併せ持つ絶縁性樹脂組成物の提供。
【解決手段】
ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたはポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させて得られる、水酸基を有するウレタンプレポリマー(f)と、エポキシ樹脂(B)と、有機樹脂フィラー(C)を含有することを特徴とする絶縁性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の絶縁層として用いられる、絶縁性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、熱可塑性樹脂を基材としたフレキシブルプリント配線基板等に用いられる絶縁性樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いて構成されるフレキシブルプリント配線基板に関する。
近年ではプリント配線基板は、求められる最終製品、環境、コストに伴い、様々な形態の物が用いられるようになっており、その特性も高機能化に伴い、高レベルのものが要求されている。その中でもフレキシブル基板が利用される用途は近年増加の傾向にあり、多種多様な製品に内包されるプリント配線基板は、ポリイミドを基材としたもの、ポリエステルを基材としたもの等、その用途・性能によって使い分けがなされている。
一般的に、フレキシブル配線基板の構成としては、基材層、導体層、絶縁層の順に積層したものが挙げられるが、近年の配線の高密度化により、前記絶縁層の上にさらに導体層を設けたような多層構造化されたものもある。この場合の導体層を被覆する絶縁層は、導体間を絶縁したり、導体自体を様々な環境から守る等、プリント配線基板の一構成要素として重要な機能を担っている。また前記絶縁層は、最終製品の燃焼時における安全上の観点より難燃性の機能が求められる場合が多い。その他の特性として、高いフレキシブル性、絶縁信頼性、耐熱性などが求められる。
例えば、ポリエチレンテレフタレートを基材とするフレキシブル基板用の絶縁材料にはハロゲンを含む絶縁材料が用いられている。ハロゲンを含む絶縁材料は特に難燃性が良好な材料であり、絶縁材料としての特性も優れているため、難燃性が求められる絶縁材用途に於いて好ましく用いられている。しかし近年では環境問題の見地より、難燃性材料はハロゲンを使用しない方向に推移しつつあるが、現在のところハロゲンを使用せずに難燃性を満足し、その他の物性を両立するような絶縁材料はない。
特開昭60―158273号公報
本発明は、ハロゲン系の材料を用いずとも高い難燃性を発現し、且つフレキシブル性、基材への密着性、表面タック性等に優れた、VTM−1若しくはVTM−2であるフレキシブルプリント配線基板用の絶縁性樹脂組成物、およびその組成物を用いたフレキシブルプリント配線基板を提供することを目的とする。
本発明は、フレキシブルプリント配線基板の熱可塑性基材用の、ウレタン(X)と、エポキシ樹脂(B)と、有機樹脂フィラー(C)とを含んでなる絶縁性樹脂組成物であって、前記ウレタン(X)が、ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させてなるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)とを反応させてなるポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたは、ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させてなる水酸基を有するウレタンプレポリマー(f)である絶縁性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびウレタンプレポリマー(f)の合計に対し、エポキシ樹脂(B)3〜200重量%を含有することを特徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、ウレタンプレポリマー(f)、およびエポキシ樹脂(B)の合計に対し、有機樹脂フィラー(C)0.1〜200重量%を含有することを特徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、有機樹脂フィラー(C)が、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ウレタン樹脂系、およびベンゾグアナミン樹脂系からなる群から選ればれる少なくとも1種のフィラーであることを特徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。
また、ポリオール化合物(a)が、ジオールと、テレフタル酸およびまたはイソフタル酸を反応させてなるポリエステルポリオールであることを特徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。
また、さらに、融点が40℃以上180℃以下であるワックス(D)を添加することを特徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。
また、ワックス(D)が、N.N'-エチレン-ビス-ステアリルアミドであることを特徴とする上記絶縁性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、フレキシブルプリント配線基板の熱可塑性基材上に、上記絶縁性樹脂組成物を層形成したフレキシブルプリント配線基板に関する。
本発明により、ハロゲン含有材料を用いずに高い難燃性を付与し、且つフレキシブル性、表面処理無しの基材への密着性を併せ持つ、フレキシブルプリント配線基板の熱可塑性基材用の絶縁性樹脂組成物の提供、または前記した絶縁性樹脂組成物を用いたフレキシブルプリント配線基板の提供が可能となった。
まず、本発明の絶縁性樹脂組成物について説明する。
ウレタン(X)としては、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたはウレタンプレポリマー(f)がある。
絶縁性樹脂組成物に含まれるポリウレタンポリウレア樹脂(A)は、ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させてなるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)と、必要に応じて反応停止剤とを反応させて得られるものである。
また、ウレタンプレポリマー(f)は、ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させ、末端に水酸基が存在する状態で得られる、ポリオール化合物(a)としては、一般にポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分として知られている、各種のポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類、またはこれらの混合物等が使用できる。
ポリエーテルポリオール類としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体などが挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ダイマージオール等の飽和および不飽和の低分子ジオール類、ならびにn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル類のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸類、またはこれらの無水物類を、脱水縮合して得られるポリエステルポリオール類や、環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール類としては、1)ジオールまたはビスフェノールと炭酸エステルとの反応物、および、2)ジオールまたはビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンとの反応物が使用できる。炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。また、ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,2,8,10−テトラオキソスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。また、ビスフェノールとしては、ビスフェノールAやビスフェノールF、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール類等が挙げられる。
上記ポリオール化合物の数平均分子量(Mn)は、得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたはウレタンプレポリマー(f)の耐熱性、機械特性、溶解性等を考慮して適宜決定されるが、通常は500〜8000の範囲が好ましく、さらに好ましくは1000〜5000である。Mnが500未満になると、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたはウレタンプレポリマー(f)中のウレタン結合が多くなり過ぎ、ポリマー骨格の柔軟性が低下して基材への接着性が低下する傾向があり、またMnが8000を越えると、架橋点間分子量が大きくなり、耐熱性が低下する傾向がある。
上記ポリオール化合物は、単独で用いても、2種類以上併用してもよい。更に、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたはウレタンプレポリマー(f)の性能が失われない範囲内で、上記ポリオール化合物の一部を低分子ジオール類、例えば前記ポリオール化合物の製造に用いられる各種低分子ジオールに替えることもできる。
特にポリエステルポリオールにおいて、ジカルボン酸として、構造中に芳香環を有するテレフタル酸およびまたはイソフタル酸の含有量が多いものを使用することにより、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたはウレタンプレポリマー(f)の強靱さとタック性が向上し、絶縁性樹脂組成物からなる塗膜層の硬度およびタック性が向上するために特に好ましい。
さらに、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸およびまたはイソフタル酸のみを使用させたポリエステルポリオールを用いることにより、塗膜の折り曲げ性が飛躍的に向上するために特に好ましい。
有機ジイソシアネート化合物(b)としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族イソシアネート、またはこれらの混合物を使用できるが、特にイソホロンジイソシアネートが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイシシアネートとしては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するジオール化合物(c)としては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸が挙げられる。特に反応性、溶解性の点からジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が好ましい。
ポリオール化合物(a)と有機ジイソシアネート(b)とカルボキシル基を有するジオール化合物(c)とを反応させ、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)を得る際の条件は、イソシアネート基を過剰にする他にとくに限定はないが、イソシアネート基/水酸基の当量比が1.05/1〜3/1の範囲内であることが好ましい。更に好ましくは1.2/1〜2/1である。また、反応は通常常温〜150℃の間で行なわれ、更に製造時間、副反応の制御の面から好ましくは60〜120℃の間で行なわれる。
ポリオール化合物(a)と有機ジイソシアネート(b)とカルボキシル基を有するジオール化合物(c)とを反応させ、水酸基を有するウレタンプレポリマー(f)を得る際の条件は、水酸基を過剰にする他にとくに限定はないが、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.8/1〜0.99/1の範囲内であることが好ましい。また、反応は通常常温〜150℃の間で行なわれ、更に製造時間、副反応の制御の面から好ましくは60〜120℃の間で行なわれる。
ポリウレタンポリウレア樹脂(A)は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)とポリアミノ化合物(e)とを反応させて得られる。
ポリアミノ化合物(e)は、鎖延長剤として働くものであり、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、ノルボルナンジアミンの他、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するアミン類も使用することができる。なかでも、イソホロンジアミンが好適に使用される。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)とポリアミノ化合物(e)を反応させてポリウレタンポリウレア樹脂(A)を合成するときに、得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)の分子量を調整する為に反応停止剤を併用することができる。反応停止剤としては、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、ジエタノールアミン等のジアルカノールアミン類や、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が使用できる。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)、および必要に応じて反応停止剤を反応させる際の条件はとくに限定はないが、ウレタンプレポリマーの両末端に有する遊離のイソシアネート基を1当量とした場合、ポリアミノ化合物(e)および反応停止剤中のアミノ基の合計当量が0.5〜1.3の範囲内であることが好ましい。更に好ましくは0.8〜0.995の範囲内である。アミノ基の合計当量が0.5未満の場合、ポリウレタンウレア樹脂(A)の分子量を十分に伸ばすことができない。1.3より過剰になると、ポリアミノ化合物(e)および反応停止剤が未反応のまま多量に残存し、絶縁性樹脂組成物中のエポキシ樹脂と直接反応する、若しくは触媒活性を示し、絶縁性樹脂組成物の可使時間を低下させる。
ポリウレタンポリウレア樹脂(A)の重量平均分子量は、5000〜200000の範囲が好ましい。
水酸基を有するウレタンプレポリマー(f)の重量平均分子量は5000〜100000の範囲が好ましい。
また、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、及びまたはウレタンプレポリマー(f)の酸価は、1〜80mgKOH/gの範囲であることが好ましい。なお、酸価とは、カルボキシル基による酸価であり、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、及びまたはウレタンプレポリマー(f)の固形分に対するものである。ポリウレタンポリウレア樹脂(A)及びまたはウレタンプレポリマー(f)の酸価が1mgKOH/gより小さい場合、絶縁性樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂との架橋が不十分になり、硬化性が低下するとともにタック性が増し、耐溶剤性が発現しないことがある。また、酸価が80mgKOH/gより大きい場合、絶縁性樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂と過度に架橋して、被着体である基材への密着強度が低下し、また硬化収縮により被着体の反りの原因となる場合がある。またフレキシブル配線基板の絶縁層とした場合の難燃性において、前記絶縁材料が過度に架橋した場合には基板のドリッピングを妨げることにより延焼が進み、難燃性を低下させる場合があるために好ましくない。
ポリウレタンウレア樹脂(A)及びまたはウレタンプレポリマー(f)の合成時には、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、カーボネート系溶剤、水等から選ばれる一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンベンゼン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサンノン等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、およびこれらモノエーテル類の酢酸エステル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、およびこれらモノエーテル類の酢酸エステル等が挙げられる。
脂肪族系溶剤としては、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族系溶剤としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
カーボネート系溶剤としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート等が挙げられる。
また、本発明の絶縁性樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂(B)は、エポキシ基を有する化合物のことであり、液状であっても固形状であってもよく、特に限定されるものではないが、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するものを用いる。
エポキシ樹脂(B)としては、グリジシルエーテル型エポキシ樹脂、グリジシルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を用いることができる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の、クレゾール構造とクレゾール構造の間にビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬社製:NC−3000等)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の、クレゾール構造とクレゾール構造の間にジシクロペンタジエン骨格構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬社製:XD−1000等)、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、トリグリシジルメタアミノフェノール、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート等が挙げられる。
環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂としては、エポキシシクロヘキシルメチル−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(エポキシシクロヘキシル)アジペートなどが挙げられる。
エポキシ樹脂は一種を単独で、もしくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂(B)としては、高接着性・耐熱性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンを用いることが好ましい。
本発明の絶縁性樹脂組成物において、ポリウレタンウレア樹脂(A)、及びまたはウレタンプレポリマー(f)とエポキシ樹脂(B)との配合比率は、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、及びウレタンプレポリマー(f)100重量部に対してエポキシ樹脂(B)3〜200重量部であることが好ましく、5〜100重量部であることがより好ましい。エポキシ樹脂(B)の量が5重量部より少ないと、硬化性が低下し、タックが発生する場合がある。エポキシ樹脂が(B)が200重量部より多いと、基材に対する接着性が低下する傾向がある。
本発明の絶縁性樹脂組成物は、有機樹脂フィラー(C)を含むことにより、従来既知の難燃剤を添加することなく難燃性が向上し、かつ流動性、タック性、基材との密着性が向上する。また、これら有機樹脂フィラー(C)は、ポリウレタンウレア樹脂(A)、及びまたはウレタンプレポリマー(f)とエポキシ樹脂(B)と組み合わせることで、公知の絶縁性組成物において一般的に使用されてきたシリカ、タルク、体質顔料等の無機系の充填剤と比較して、難燃性が飛躍的に向上することを見いだした。この作用機構については仮説の域を出ないが、燃焼時に無機系の充填剤は燃焼せずに残るため、無機系の充填剤の間に可燃性物が通りやすくなって燃焼するなどが考えられる。
有機樹脂フィラー(C)は、有機樹脂等からなる粒子状のフィラーである。例えば尿素樹脂系フィラーとしては、ALBEMARLE社製の「PERGOPAKシリーズ」等が挙げられる。またメラミン樹脂系フィラーとしては、日本触媒株式会社製の「エポスターM30」等が挙げられる。またウレタン樹脂系フィラーとしては、根上工業株式会社製の「アートパールC−200、C−300、C−400、C−800」などの架橋ウレタンビーズ等が挙げられる。また、ベンゾグアナミン樹脂系フィラーとしては、日本触媒株式会社製の「エポスターM05、MS」等が挙げられる。フェノール樹脂系フィラーとしては、住友ベークライト社製「PR−RES−5」、昭和高分子社製「ショウノールPMB−1010」等が挙げられる。アクリル樹脂系フィラーとしては、積水化成品工業株式会社製の「テクポリマーMBXシリーズ」等が挙げられる。また、スチレン樹脂系フィラーとしては、積水化成品工業株式会社製の「テクポリマーSBXシリーズ」等が挙げられる。これら有機樹脂フィラー(C)は、単量体を重合してなる有機樹脂からなる粒子状のものであり、その樹脂の主鎖内およびまたは主鎖間において、架橋、非架橋何れの構造であっても難燃性の向上効果を発現することができるが、架橋している構造である方が、耐溶剤性が向上するために好ましい。これらの有機樹脂フィラー(C)は、単独若しくは混合して用いることができる。
有機樹脂フィラー(C)の平均粒径としては特に限定はなく、最終的な用途の構成、要求特性に応じて選択することが可能であるが、難燃性を飛躍的に向上することから、構造中に窒素原子を有するウレア結合、ウレタン結合、メラミン結合をそれぞれ有する、尿素樹脂系フィラー、メラミン樹脂系フィラー、ウレタン樹脂系フィラー、ベンゾグアナミン樹脂系フィラーからなる有機樹脂フィラーを含むことが特に好ましい。
有機樹脂フィラー(C)の配合量は、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)及びウレタンプレポリマー(f)およびエポキシ樹脂(B)100重量部に対して、0.1〜200重量部であることが好ましい。0.1重量部以下であると、難燃性の効果が発現しない場合があり好ましくない。また、200重量部を越える場合は、絶縁性組成物の流動性制御が困難になる場合、または屈曲性などの機械物性が劣る場合があり好ましくない。難燃性の効果と機械物性を両立して向上させるために、5〜50重量部であることがより好ましい。
本発明の絶縁性樹脂組成物には、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、及びまたはウレタンプレポリマー(f)とエポキシ樹脂(B)との反応、エポキシ樹脂(B)同士の反応を促進させる目的で硬化促進剤、硬化剤を含有させることができる。エポキシ樹脂(B)の硬化促進剤としては、3級アミン化合物、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物等、硬化剤としては、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド、酸無水物等、脂肪族または芳香族ジメチルウレアなどのジアルキルウレア類が使用できる。また、ウレタンプレポリマー(f)は水酸基を有するため、従来既知のイソシアネート、ブロックイソシアネートにて架橋することが出来る。
硬化促進剤として、3級アミン化合物では、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセンー7、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5等が挙げられる。またホスフィン化合物では、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。また、イミダゾール化合物では、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物、およびこれらイミダゾール化合物とエポキシ樹脂を反応させて溶剤に不溶化したタイプ、またはイミダゾール化合物をマイクロカプセルに封入したタイプ等の保存安定性を改良した潜在性硬化促進剤が好ましい。
硬化剤として、カルボン酸ヒドラジドでは、コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド等が挙げられる。また、酸無水物では、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
これらの硬化促進剤、硬化剤は、2種類以上を併用してもよく、その添加量は、エポキシ樹脂(B)100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲が好ましい。
本発明の絶縁性樹脂組成物には、基材に対する接着性を劣化させない範囲で、樹脂、シランカップリング剤、耐熱安定剤、色顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤等を配合することができる。
耐熱安定剤を併用することで、より優れた耐ハンダ性を付与するころができる。耐熱安定剤としては、ヒンダートフェノール系、リン(ホスファイト)系、ラクトン系、ヒドロキシルアミン系、イオウ系等のものが使用できるが、特にヒンダートフェノール系の耐熱安定剤が効果的である。
本発明の絶縁性樹脂組成物は、さらに、ワックス(D)を添加することにより、折り曲げ性、密着性、難燃性等のレジスト物性を維持しながら、高温および高荷重がかかる場合の表面タック性を大幅に向上させることを可能とする。ワックス(D)の融点としては40℃以上180℃以下であることが、40度以上の温度条件下におけるタック性を向上する点で特に好ましい。このようなワックス(D)としては、N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリルアミド、N.N'−エチレン−ビス−オレイルアミド、N.N'−エチレン−ビス−リシノレイルアミド、N.N'−エチレン−ビス−オクタデカジエニルアミド、N.N'−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、N.N'−エチレン−ビス−ステアリルアミド、N.N'−ヘキサメチレン−ビス−リシノレイルアミド、N.N'−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、N.N'−キシリレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド等、アミド系のワックスが例示できるが、特に80度以上の温度条件下において10kg/cm2以上の荷重をかけた場合のタック性に優れるため、N.N'−エチレン−ビス−ステアリルアミドを用いることが好ましい。ワックス(D)の添加量としては、絶縁性樹脂組成物の固形分に対し、0.1%以上10%以下であることが好ましい。0.1%未満であるとタック性向上効果が発現しない場合があり、10%を越えると絶縁性樹脂組成物としての性能バランスを損なう場合がある。
本発明の絶縁性樹脂組成物は有機樹脂フィラー(C)を含むため、飛躍的に向上した難燃性を発現するが、さらに求める難燃性のレベルに応じて、従来既知の難燃剤を添加しても良い。難燃剤の種類として特にリン系のものについては、ポリリン酸塩類、ホスフィン類、ホスファゼン類等があげられる。ポリリン酸塩の表面をメラミンにてコーティングしたものは、吸水性が低いために本願発明の絶縁材用途において好ましい。また、ホスフィン類、ホスファゼン類は加水分解を受けにくいため、絶縁材用途において好ましい。ホスフィン類は、公知のものが使用できるが、特に1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等は、その構造中に占めるリン原子の比率が高く、少量の添加で多くのリン原子を絶縁性樹脂組成物中に添加することができるために特に好ましい。
絶縁性樹脂組成物は、各種基材の少なくとも片面に、従来公知の方法、例えば、スクリーン印刷、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ロールコート、カーテンコート、バーコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート等で絶縁性樹脂組成物層を塗布後、通常40〜160℃で乾燥することにより製造される。また、絶縁層の乾燥膜厚は、十分な各種性能を発揮させる為、また取り扱い易さの点から、5μm〜500μmであることが好ましく、更に好ましくは10μm〜100μmである。
本発明を用いたフレキシブルプリント配線基板について説明する。フレキシブルプリント配線基板は、可とう性、絶縁性のある基材上に、導体パターンをプリント技術によって形成したフレキシブルプリント配線基板に、本発明の絶縁性樹脂組成物を絶縁層として被覆し、乾燥、硬化して固着させたものである。熱可塑性基材としては、UL94垂直燃焼法による燃焼試験において、VTM−1若しくはVTM−2のレベルであり、基材からドリップを生じる既知の材料を使用することができる。該基材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが例示できる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」「%」は、「重量部」「重量%」を表す。
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸とアジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られるポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP−2011」、Mn=2011)454.6部、ジメチロールブタン酸16.5部、イソホロンジイソシアネート105.0部、トルエン140部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させ、これにトルエン360部を加えてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、イソホロンジアミン19.3部、ジ−n−ブチルアミン2.20部、2−プロパノール294.5部、トルエン335.5部を混合したものに、得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液968.5部を添加し、50℃で3時間続いて70℃2時間反応させ、トルエン126部、2−プロパノール54部で希釈し、Mw=57,000、酸価=10mgKOH/gである、ポリウレタンポリウレア樹脂の溶液A−1(固形分:30%)を得た。
[合成例2]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸とアジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られるポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP−2011」、Mn=2011)345.3部、ジメチロールブタン酸10.7部、イソホロンジイソシアネート51.1部、カルビトールアセテート94.5部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させ、これにカルビトールアセテート310.5部を加えて、Mw=30,000、酸価=10mgKOH/gである、水酸基を有するウレタンプレポリマー溶液f−1を得た(固形分:50.1%)。
[合成例3]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、イソフタル酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られるポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP−2030」、Mn=2033)637.1部、ジメチロールブタン酸20.8部、イソホロンジイソシアネート95.9部、カルビトールアセテート162.5部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させ、これにカルビトールアセテート575部を加えて、Mw=30,000、酸価=10.5mgKOH/gである、水酸基を有するウレタンプレポリマー溶液f−2を得た(固形分:50.5%)。
[合成例4]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られるポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP−2010」)637.1部、ジメチロールブタン酸20.8部、イソホロンジイソシアネート95.9部、カルビトールアセテート162.5部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させ、これにカルビトールアセテート575部を加えて、Mw=30,000、酸価=10.5mgKOH/gである、水酸基を有するウレタンプレポリマー溶液f−3を得た(固形分:50.5%)。
なお、ポリウレタンポリウレア樹脂の重量平均分子量は、GPC測定で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、GPC測定条件は以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21(昭和電工(株)製)
カラム:Shodex KF−802、KF−803L、KF−805L(昭和電工(株)製)の合計3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.2重量%
試料注入量:100μl
[実施例]
表1に示す配合で、それぞれ実施例1〜12、比較例1〜4の絶縁性樹脂組成物を調整した。上記組成物を、表面未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:E5100、厚み75ミクロン)上に、乾燥後の膜厚が10ミクロンになるように片面に塗布、80℃のオーブンにて30分乾燥し、さらに150℃の熱風オーブンにて、1時間硬化させて評価試験片とした。
Figure 2008202019
Figure 2008202019
*1:JER1031S:テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン(ジャパンエポキシレジン (株)製、エポキシ当量=180〜220g/eq)
*2:尿素樹脂系フィラー:ALBEMARLE社製 PERGOPAK M5
*3:ウレタン樹脂系フィラー:根上工業株式会社製 アートパールP−800T
*4:メラミン樹脂系フィラー:日本触媒株式会社製 エポスターM30
*5:ベンゾグアナミン樹脂系フィラー:日本触媒株式会社製 エポスターM05
*6:アクリル樹脂系フィラー:積水化成品工業株式会社製 テクポリマーMBX−8
*7:スチレン樹脂系フィラー:積水化成品工業株式会社製 テクポリマーMBX−6
*8:フェノール樹脂系フィラー:住友ベークライト社製 PR−RES−5
*9:無機フィラー:NIPSIL SS−50F:東ソー・シリカ株式会社製シリカ
*10:無機フィラー:DEGUSSA社製 AEROSIL R812
*11:熱硬化剤:DICY−7:ジャパンエポキシレジン (株)製 微粉砕ジシアン
ジアミド
*12:熱硬化剤:U−CAT SA102:サンアプロ社製 ジアザビシクロウンデセンのオクチル酸塩
*13:ブロックイソシアネート:MF−K60X:旭化成ケミカルズ株式会社製
*14:ワックス:N.N'−エチレン−ビス−ステアリルアミド
[評価項目]
・密着性の評価:JIS K5400に準拠し、10×10の碁盤目テープ剥離試験を行った。テープ剥離後の残ったマス数(最大100)/100で密着性を表す。
・反りの評価:評価試験片を5cm×5cmに切り出し、25℃の40%の恒温恒湿環境下に24時間放置した。試験片を平滑な台上に静置し、端面と台との距離(mm)を測定した。
・タック性1:評価試験片の塗布面同士を合わせ、60℃で24時間、200g/cm2の加重をかけたのち、塗膜同士の剥離度合を3段階で評価した。
○:全く貼りつき感無し(タック無)、△:わずかに貼りつき感を感じる(タック微)×:強く貼りつき感を感じる(タック大)
・タック性2:評価試験片の塗布面同士を合わせ、80℃で24時間、12kg/cm2の荷重をかけたのち、塗膜同士の剥離度合を2段階で評価した。
○:塗膜間に凝集破壊なし ×:塗膜間で凝集破壊あり
・折り曲げ性1:評価試験片を、塗膜面を内側にして1回180度折り曲げ、塗膜の割れ等を視覚的に確認した。
・折り曲げ性2:評価試験片の同一箇所に対し、塗膜面を内側にして1回、塗膜面を外側にして1回それぞれ180度折り曲げてこれを1セットとし、計10セット繰り返し、塗膜の割れ等を視覚的に確認した。
・難燃性:UL94垂直燃焼法に基づき、燃焼試験を行った。試行は5サンプルに於いて実施した。なお本評価においては、1回目の接炎後、消炎するまでに要した時間の平均値も測定し比較した。この場合、時間が短いほど難燃性が高いと考える。また、1回目の接炎後、消炎せずに標線まで延焼したものについては、表1では、「難燃性評価」は「該当せず」とし、さらに、炎が標線までに達する時間を測定し比較した。この場合、延焼時間が長い方が燃焼の速度が遅く、難燃性が比較的良好であると考える。
表1に示した評価結果より、実施例にあげた絶縁性樹脂組成物は、優れた密着性、反り、タック性、折り曲げ性を有し、難燃剤を添加しない配合であっても優れた難燃性を発現するものであり、フレキシブル配線基盤用の絶縁材料としての重要な項目を満たすものであった。一方、比較例にあげた組成物は、難燃性の点で明確に劣る傾向を示し、フレキシブル配線基盤用の絶縁材料としての実用性を考慮した場合、その利用は難しいといえる。

Claims (8)

  1. フレキシブルプリント配線基板の熱可塑性基材用の、ウレタン(X)と、エポキシ樹脂(B)と、有機樹脂フィラー(C)とを含んでなる絶縁性樹脂組成物であって、前記ウレタン(X)が、ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させてなるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)と、ポリアミノ化合物(e)とを反応させてなるポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびまたは、ポリオール化合物(a)、有機ジイソシアネート(b)およびカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を反応させてなる水酸基を有するウレタンプレポリマー(f)である絶縁性樹脂組成物。
  2. ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、およびウレタンプレポリマー(f)の合計に対し、エポキシ樹脂(B)3〜200重量%を含有することを特徴とする請求項1記載の絶縁性樹脂組成物。
  3. ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、ウレタンプレポリマー(f)、およびエポキシ樹脂(B)の合計に対し、有機樹脂フィラー(C)0.1〜200重量%を含有することを特徴とする請求項1または2記載の絶縁性樹脂組成物。
  4. 有機樹脂フィラー(C)が、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ウレタン樹脂系、およびベンゾグアナミン樹脂系からなる群から選ればれる少なくとも1種のフィラーであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の絶縁性樹脂組成物。
  5. ポリオール化合物(a)が、ジオールと、テレフタル酸およびまたはイソフタル酸を反応させてなるポリエステルポリオールであることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載の絶縁性樹脂組成物。
  6. さらに、融点が40℃以上180℃以下であるワックス(D)を添加することを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の絶縁性樹脂組成物。
  7. ワックス(D)が、N.N'-エチレン-ビス-ステアリルアミドであることを特徴とする、請求項6記載の絶縁性樹脂組成物。
  8. フレキシブルプリント配線基板の熱可塑性基材上に、請求項1〜7いずれか記載の絶縁性樹脂組成物を層形成したフレキシブルプリント配線基板。
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