JP2000290494A - ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料 - Google Patents

ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料

Info

Publication number
JP2000290494A
JP2000290494A JP11103530A JP10353099A JP2000290494A JP 2000290494 A JP2000290494 A JP 2000290494A JP 11103530 A JP11103530 A JP 11103530A JP 10353099 A JP10353099 A JP 10353099A JP 2000290494 A JP2000290494 A JP 2000290494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding material
slush molding
weight
molecular weight
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11103530A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4226139B2 (ja
Inventor
Sunao Ozasa
直 小笹
Masao Kumeno
政雄 粂野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP10353099A priority Critical patent/JP4226139B2/ja
Publication of JP2000290494A publication Critical patent/JP2000290494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4226139B2 publication Critical patent/JP4226139B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱老化性、耐光老化性等の耐久性能が顕著
に優れる成形体を与えるウレタン樹脂系スラッシュ成形
用材料を提供する。 【解決手段】 水酸基および/またはカルボキシル基を
分子内に1個以上有し、数平均分子量が10,000〜
100,000で、熱軟化開始温度が120〜220℃
の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)、アミノ樹
脂(B1)および/またはポリエポキシ化合物(B2)
からなる架橋剤(B)、および顔料(C)からなること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスラッシュ成形用材
料に関する。さらに詳しくは、特に自動車内装部品に適
したポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スラッシュ成形法は、複雑な形状(アン
ダーカット、深絞り等)の製品が容易に成形できるこ
と、肉厚が均一にできること、材料の歩留まり率が良い
ことから、近年、自動車の内装材等の用途に広く利用さ
れており、主に軟質のポリ塩化ビニル(以下PVCとい
う)系粉末がこのような用途に使用されている(例えば
特開平5−279485号公報)。しかし、軟質化され
たPVCは低分子量の可塑剤を多量に含有するため、可
塑剤の凝固点以下ではソフト感が消失してしまう問題が
あった。このような問題点を解決するものとして、熱可
塑性ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形材料が知られて
いる(例えば特開平4−255755号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記熱
可塑性ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形材料は、紫外
線照射もしくは高温下に長期間さらされるとスラッシュ
成形体の物性低下や外観を損ね易いという問題点があっ
た。本発明は、成形性が良好で、低温においてもソフト
感を有し、耐光性や耐熱性等の長期耐久性、耐薬品性な
どに優れるスラッシュ成形用材料を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料を
得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわ
ち本発明は、水酸基および/またはカルボキシル基を分
子内に1個以上有し、数平均分子量が10,000〜1
00,000で、熱軟化開始温度が120〜220℃の
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)、アミノ樹脂
(B1)および/またはポリエポキシ化合物(B2)か
らなる架橋剤(B)、および顔料(C)からなることを
特徴とするポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料で
ある。
【0005】本発明における熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー(A)は、過剰の脂肪族系ジイソシアネート
(a1)と、数平均分子量500〜10,000の高分
子ジオール(a2)および必要により低分子ポリオール
(a3)とから誘導されるイソシアネート基末端ウレタ
ンプレポリマー(a)に、脂肪族系ジアミン(b1)お
よび脂肪族モノアミン(b2)を反応させることにより
得られる。
【0006】上記脂肪族系ジイソシアネート(a1)と
しては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)
2〜18の脂肪族ジイソシアネート[エチレンジイソシ
アネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジ
イソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6
−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソ
シアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナト
エチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,
6−ジイソシアナトヘキサノエート等];炭素数4〜1
5の脂環族ジイソシアート[イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−
ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジ
イソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネ
ート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)
−4−シクロへキセン等];炭素数8〜15の芳香脂肪
族ジイソシアネート[m−もしくはp−キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)
等];これらのジイソシアネートの変性物(カーボジイ
ミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレタン
基、ウレア基等を有する変性物);およびこれらの2種
以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいもの
は脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネー
トであり、特に好ましいものはHDI、IPDIおよび
水添MDIである。
【0007】上記高分子ジオール(a2)としては、ポ
リエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエー
テルエステルジオールおよびこれら2種以上の混合物が
挙げられる。
【0008】上記ポリエステルジオールとしては、例え
ば低分子ジオールとジカルボン酸もしくはそのエステ
ル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜
4)エステル、酸ハライド等]との縮合重合によるも
の;低分子ジオールを開始剤としてラクトンモノマー
を開環重合したもの;低分子ジオールと炭酸エステル
(炭酸ジメチル、エチレンカーボネートなど)とから誘
導されるもの;およびこれらの2種以上の混合物が挙げ
られる。
【0009】上記低分子ジオールとしては、炭素数2〜
15の脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖
を有するジオール(例えばプロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオー
ルなど)など];炭素数3〜12の環状基を有するジオ
ール類[脂環基含有ジオール{例えばシクロヘキサンジ
メタノール、4,4’−ビス(ヒドロキシエトキシ)−
ジシクロヘキシルプロパンなど}、芳香環含有ジオール
{例えばm−およびp−キシリレングリコール、2価フ
ェノール類(ハイドロキノン等の単環フェノール類、ビ
スフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF
等のビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレン等の多
核フェノール類など)のアルキレンオキシド低モル付加
物(分子量500未満)など]およびこれらの2種以上
の混合物が挙げられる。上記および以下において、アル
キレンオキシドとしては炭素数2〜4のアルキレンオキ
シド[エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド
(PO)、1,2−、2,3−、1,3−もしくは1,
4−ブチレンオキシド]、炭素数5〜10またはそれ以
上のα−オレフンオキサイド、エピハロヒドリン(エピ
クロルヒドリンなど)およびこれらの2種以上の併用系
(ランダムおよび/またはブロック)が挙げられる。好
ましいものはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
1,4−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併
用である。
【0010】これら低分子ジオールのうち好ましいもの
は、脂肪族ジオールおよび脂環基含有ジオールであり、
特に好ましいものは、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノールおよび4,4’−ビス
(ヒドロキシエトキシ)−ジシクロヘキシルプロパンで
ある。
【0011】上記のジカルボン酸もしくはそのエステ
ル形成性誘導体の具体例としては、炭素数4〜15の脂
肪族ジカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸
など]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフ
タル酸、イソフタル酸など]、これらのエステル形成性
誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエ
ステル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロ
ライド等)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙
げられる。
【0012】上記のラクトンモノマーとしては炭素数
4〜12のラクトン(γ−ブチロラクトン、ε−カプロ
ラクトン、γ−バレルラクトンなど)およびこれらの2
種以上の混合物が挙げられる。
【0013】ポリエーテルジオールとしては、前記に例
示した低分子ジオールの1種以上にアルキレンオキシド
を(共)付加させて得られるジオール[例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキ
シエチレン−ポリオキシプロピレン(ブロックおよび/
またはランダム)グリコール、ポリテトラメチレンエー
テルグリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシエチ
レン(ブロックおよび/またはランダム)グリコール、
ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレン(ブロック
および/またはランダム)グリコール、ビスフェノール
AのPO付加物など]が挙げられる。
【0014】これらのうち好ましいものは、2価フェノ
ール類にアルキレンオキサイドが付加したものであり、
さらに好ましいものはビスフェノールAにPOが付加し
たものである。
【0015】また、ポリエーテルエステルジオールとし
ては、上記ポリエーテルジオールの1種以上と前記ポリ
エリエステルジオールの原料として例示したジカルボン
酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以上とを縮
重合させて得られるものが挙げられる。
【0016】これら高分子ジオール(a2)のうちで好
ましいものはポリエステルポリオールであり、さらに好
ましいものは縮合ポリエステルポリオールである。
【0017】該(a2)の数平均分子量は通常500〜
10,000、好ましくは800〜5,000、さらに
好ましくは1,000〜3,000である。数平均分子
量が500未満では十分なソフト感が得られず、10,
000を越えると所望の強度が発現しない。
【0018】該(a2)と共に必要により使用される低
分子ジオール(a3)としては、前記ポリエステルジオ
ールの出発物質として例示した化合物、およびカルボキ
シル基を有するジオール[ジメチロールプロピオン酸な
ど]が挙げられる。該(a3)を併用する場合の使用量
は(a2)の重量に対して通常15重量%以下、好まし
くは10重量%以下である。
【0019】熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)
の製造において、イソシアネート基末端ウレタンプレポ
リマー(a)を形成する際の(a1)のイソシアネート
基1当量に対する(a2)および(a3)の水酸基の当
量比(NCO/OH)は、通常0.3〜0.9、好まし
くは0.4〜0.7である。また、該ウレタンプレポリ
マー(a)の遊離イソシアネート基含量は通常1〜10
重量%、好ましくは3〜6重量%である。
【0020】該(a)の形成反応に際しては、反応を促
進するためにポリウレタンに通常用いられる触媒を使用
することができる。該触媒としては、金属触媒たとえば
錫系触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチン
ヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチル
チンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナ
スオクトエート、ジブチルチンマレエートなど];鉛系
触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテ
ン酸鉛、オクテン酸鉛など];その他の金属触媒[ナフ
テン酸コバルトなどのナフテン酸金属塩、フェニル水銀
プロピオン酸塩など];およびアミン系触媒たとえばト
リエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
テトラメチルヘキシレンジアミン、ジアザビシクロアル
ケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデ
セン−7〔DBU(サンアプロ製,登録商標)〕な
ど];ジアルキルアミノアルキルアミン類[ジメチルア
ミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジ
エチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルア
ミン、ジメチルアミノオクチルアミン、ジプロピルアミ
ノプロピルアミンなど]または複素環式アミノアルキル
アミン類[2−(1−アジリジニル)エチルアミン、4
−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミンなど]の
炭酸塩および有機酸塩(ギ酸塩など)等;N−メチルモ
ルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、
ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン
等;およびこれらの2種以上の併用系が挙げられる。こ
れらの触媒の使用量は、(a)の重量に基づいて、通常
3重量%以下、好ましくは0.001〜2%重量であ
る。
【0021】該熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(A)は、上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリ
マー(a)に脂肪族系ジアミン(b1)および脂肪族モ
ノアミン類(b2)を反応させることにより得られる。
【0022】上記(b1)としては、脂環族ジアミン
[4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘ
キシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチ
ルジシクロヘキシル、ジアミノシクロヘキサン、イソホ
ロンジアミン等];脂肪族ジアミン[エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン等];芳香脂肪族ジアミン
[キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメ
チルキシリレンジアミン等];水酸基を有するジアミン
[N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなど]お
よびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0023】上記(b2)としては、アルカノール(炭
素数2〜4)アミン[モノエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロ
パノールアミンなど];アミノ酸[中性アミノ酸(DL
−アラニン、βーアラニン、γ−アミノ酪酸など)、酸
性アミノ酸(L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸な
ど)];モノもしくはジアルキル(炭素数1〜8)アミ
ン[エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オ
クチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなど]およびこれらの2種以上の併用が挙
げられる。
【0024】上記(A)の形成反応において、ウレタン
プレポリマー(a)のイソシアネート基1当量に対する
(b1)の当量比は、通常0.2〜0.98当量、好ま
しくは0.7〜0.85当量であり、また(b2)の当
量比は、通常0.02〜0.3当量、好ましくは0.0
5〜0.15当量である。
【0025】該(A)への水酸基および/またはカルボ
キシル基の導入は、たとえば プレポリマー(a)を構成するポリオール成分の一部
として(a3)の項で挙げたカルボキシル基を有する低
分子ジオールを用いる; (b1)として水酸基を有するジアミンを用いる; (b2)としてアルカノールアミンおよび/またはア
ミノ酸を用いる; または上記〜のいずれかを組み合わせることにより
達成できる。
【0026】該(A)の数平均分子量(GPC)は1
0,000〜100,000、好ましくは20,000
〜60,000である。数平均分子量が10,000未
満では所望の破断強度のスラッシュ成形体を得ることが
できず、100,000を越えると熱溶融時の溶融粘度
が上昇し成形が困難になる場合がある。また、該(A)
の水酸基またはカルボキシル基1個当たりの分子量は通
常2,000〜40,000、好ましくは3,000〜
20,000である。
【0027】本発明における熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー(A)は粉体の形状で用いられる。
【0028】該(A)の粉体の製造方法としては特に限
定されないが、たとえば以下の方法が例示できる。 ブロック状またはペレット状の(A)を冷凍粉砕法、
氷結粉砕法等の方法で粉砕し、(A)の粉体を得る方
法。 (A)を溶解しない有機溶剤(n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−ヘプタンなど)中で(A)の非水分散体
を形成させ、該非水分散体から(A)を分離乾燥し、
(A)の粉体を得る方法(例えば特開平04−2557
55号公報明細書に記載の方法)。 分散剤を含有した水中で(A)の水分散体を形成さ
せ、該水分散体から(A)を分離乾燥し、(A)の粉体
を得る方法(例えば特開平07−133423号および
特開平08−120041号各公報明細書に記載の方
法)。 これらのうちでは、多量の有機溶剤を使用せずしかも所
望の粒度の粉体が容易に得られる点での方法が特に好
ましい。
【0029】該(A)の示差走査型熱量計(DSC)に
より測定される熱軟化開始温度は通常120〜220
℃、好ましくは140〜180℃である。熱軟化開始温
度が120℃未満では樹脂粉体同士のブロッキングが発
生し易く、200℃を超えると平滑な表面を有する成形
体を得ることが困難になる。熱軟化開始温度は、(A)
の分子量、(A)中のウレア基濃度、使用するジイソシ
アネートの種類等を選択することにより上記範囲の温度
に適宜設定することが可能である。
【0030】本発明において、架橋剤(B)としてはア
ミノ樹脂(B1)および/またはポリエポキシ化合物
(B2)が用いられる。上記(B1)としては、アルキ
ル(炭素数1〜8)エーテル化メラミン樹脂、アルキル
(炭素数1〜8)エーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ア
ルキル(炭素数1〜8)エーテル化尿素樹脂、スピログ
アナミン樹脂、フェニレン核に2個のトリアジン環が結
合したジグアナミンのアルキル(炭素数1〜8)エーテ
ル化樹脂および/またはこれら2種以上の混合物が挙げ
られる。これらのうち好ましいものはアルキルエ−テル
化メラミン樹脂およびアルキルエーテル化ベンゾグアナ
ミン樹脂である。
【0031】該(B1)の重合度は通常1.1〜5、好
ましくは1.3〜3、特に好ましくは1.4〜2であ
る。重合度が上記範囲内のものを用いることで、架橋構
造がルーズにならず硬化物の耐薬品性、機械的強度等の
物性が良好となる。
【0032】上記(B2)としては、分子中に2〜10
個またはそれ以上、好ましくは2〜6のエポキシ基を有
し、エポキシ当量が通常65〜1,000、好ましくは
90〜500のポリエポキシ化合物が用いられる。エポ
キシ基数およびエポキシ当量が上記範囲内のものを用い
ることで、架橋構造がルーズにならず硬化物の耐薬品
性、機械的強度等の物性が良好となる。このようなポリ
エポキシ化合物としては、たとえば下記(1)〜(7)
のものが例示できる。これらは1種または2種以上を併
用することができる。
【0033】(1)グリシジルエーテル型 (i)2価フェノール類のジグリシジルエーテル 炭素数6〜30の2価フェノール類[ビスフェノール類
(例えばビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、
臭素化ビスフェノールA、テトラクロロビスフェノール
A、ジヒドロキシビフェニル、オクタクロロ−4,4’
−ジヒドロキシビフェニルなど)、単環2価フェノール
(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノンな
ど)、多核2価フェノール(1,5−ジヒドロキシナフ
タレンなど)]のジグリシジルエーテル;ビスフェノー
ルA2モルとエピクロロヒドリン3モルとの反応から得
られるジグリシジルエーテル等; (ii)3〜6官能またはそれ以上の多価フェノール類
のポリグリシジルエーテル 炭素数6〜50またはそれ以上、分子量250〜3,0
00の3〜6価またはそれ以上の多価フェノール類のポ
リグリシジルエーテル[例えばピロガロールトリグリシ
ジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグ
リシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタ
ントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリ
グリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジ
ルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジ
ルエーテル、トリスメチル−tert−ブチル−ブチル
ヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、4,4’−
オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾー
ルグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4
−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス
(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテ
ル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂のグポリ
リシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂
のポリグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザー
ル、グルタールアルデヒド又はホルムアルデヒドの縮合
反応によつて得られるポリフェノールのポリグリシジル
エーテル、レゾルシンとアセトンの縮合反応によって得
られる分子量400〜3,000のポリフェノールのポ
リグリシジルエーテル等; (iii)脂肪族2価アルコール類のジグリシジルエー
テル 炭素数2〜50またはそれ以上、分子量62〜2,00
0のジオール[例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレン
グリコール(分子量150〜2,000)、ポリプロピ
レングリコール(分子量180〜2,000)、ポリオ
キシテトラメチレングリコール(分子量200〜2,0
00)、ビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチ
レンオキシドおよび/又はプロピレンオキシド)2〜2
0モル付加物など]のジグリシジルエーテル等; (vi)3〜6官能またはそれ以上の脂肪族多価アルコ
ール類のポリグリシジルエーテル 炭素数6〜50またはそれ以上、分子量290〜5,0
00の3〜6価またはそれ以上の多価アルコール類[例
えばトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、ポリ(n=2〜5)グリ
セロール、これらのアルキレン(炭素数2〜4)オキシ
ド2〜20モル付加物など]のポリグリシジルエーテル
等;
【0034】(2)グリシジルエステル型 炭素数6〜20またはそれ以上で、2〜6価またはそれ
以上の官能基数をもつ芳香族ポリカルボン酸[フタル
酸、イソフタル酸、レテフタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸など]のポリグリシジルエステル;脂肪族
もしくは脂環式ポリカルボン酸[コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、重合脂肪酸(ダイマー
酸)、ナディック酸、芳香族ポリカルボン酸の核水素化
体など]のポリグリシジルエステル;グリシジル(メ
タ)アクリレートの(共)重合体等;
【0035】(3)グリシジルアミン型 炭素数6〜20またはそれ以上、2〜6個またはそれ以
上の活性水素をもつ、芳香族アミン類[アニリン、トル
イジン、ジアミノベンゼン、ジエチルトルエンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン、p−アミノフェノールなど]のグリシジル化
体;脂肪族系アミン類[ブチルアミン、シクロヘキシル
アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、芳香族アミン類の核水素化体な
ど]のポリグリシジル化体等;
【0036】(4)鎖状脂肪族エポキサイド エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等;
【0037】(5)脂環式エポキサイド 炭素数が6〜50またはそれ以上、分子量90〜2,0
00、エポキシ基数2〜4またはそれ以上の脂環式ポリ
エポキサイド[例えばビニルシクロヘキセンジオキシ
ド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキ
シド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテ
ル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチル
エーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)ブチルアミンなど]等。
【0038】これら(B2)として例示したもののうち
好ましいものは、グリシジルエーテル型のポリエポキシ
化合物であり、特に好ましいものは脂肪族多価アルコー
ル類のポリグリシジルエーテルである。また該(B2)
は前記(B1)と併用してもよい。
【0039】(A)に対する(B)の重量比率は、通常
0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜12重量%、
さらに好ましくは0.5〜7重量%である。この範囲内
とすることで耐薬品性、機械的強度、耐久性等に優れる
成形体が得られる。
【0040】本発明において使用される顔料(C)とし
ては、特に限定されず、公知の有機顔料および/または
無機顔料を使用することができる。有機顔料としては例
えば不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン
系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料
としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属
酸化物、、金属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩
など)、金属粉末(アルミ粉末、銅粉末など)、カーボ
ンブラック等が挙げられる。該(C)の量は、(A)と
(B)の合計重量に対して通常0.5〜7重量%、好ま
しくは1〜5重量%である。
【0041】本発明のスラッシュ成形材料には、必要に
より可塑剤、安定剤などの添加剤を含有させることがで
きる。
【0042】上記可塑剤としては、フタル酸エステル
[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ
ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];脂肪族2
塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、
セバシン酸−2−エチルヘキシル等];トリメリット酸
エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、
トリメリット酸トリオクチル等];脂肪酸エステル[オ
レイン酸ブチル等];安息香酸エステル[ジエチレング
リコールジ安息香酸エステル、ジプロピレングリコール
ジ安息香酸エステル等];脂肪族リン酸エステル[トリ
メチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブ
チルフォスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフ
ェート、トリブトキシホスフェート等];芳香族リン酸
エステル[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジ
フェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェ
ート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ト
リス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等];
ハロゲン脂肪族リン酸エステル[トリス(クロロエチ
ル)ホスフェート、トリス(βークロロプロピル)ホス
フェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、
トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等];
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。可塑剤
の配合割合は、(A)100重量部あたり、通常0〜8
0重量部、好ましくは5〜50重量部である。80重量
部を越えると成形表皮の表面に可塑剤が経時的にブリー
ドアウトすることがあるので好ましくない。
【0043】上記安定剤としては、たとえば公知の酸化
防止剤および/または紫外線吸収剤を使用することがで
き、(A)100重量部あたり、通常0〜5重量部、好
ましくは0.01〜3重量部の割合で配合される。酸化
防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール
等]、ビスフェノール系[2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]、リン系
[トリフェニルフォスファイト、ジフェニルイソデシル
フォスファイト等]およびこれらの2種以上の併用が挙
げられる。また、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノ
ン系[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等]、ベンゾトリ
アゾール系[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール等]、サリチル酸系[フェ
ニルサリシレートなど]、ヒンダードアミン系[ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられ
る。
【0044】本発明のスラッシュ成形用材料にはさらに
必要に応じて他の公知の添加剤(ブロッキング防止剤、
離型剤、耐熱安定剤、難燃剤等)を任意に含有させるこ
とができる。
【0045】本発明のスラッシュ成形用材料の製造方法
は特に限定されないが、以下の方法が挙げられる。 (A)の粉体、(B)および添加剤を一括して混合装
置で混合する方法。 (A)の粉体を製造する任意の段階で、あらかじめ
(B)および添加剤の一部または全部を含有させておく
方法。
【0046】本発明のスラッシュ成形用材料の製造装置
は特に限定されず、公知の粉体混合装置を使用すること
ができる。粉体混合装置としては、高速剪断混合装置
(例えばへンシェルミキサー等)、低速混合装置(例え
ばナウタミキサー、プラネタリーミキサー等)等が挙げ
られる。
【0047】本発明のスラッシュ成形用材料の平均粒子
径は通常50〜400μm、好ましくは100〜300
μm、特に好ましくは130〜200μmである。平均
粒子径が50μm未満では粉体の流動性が悪くなり、ス
ラッシュ成形時に金型の細部まで粉が入り込まず成形が
困難になり、400μmを越えると成形した表皮にピン
ホールが発生しやすくなる。また、100μm未満の粒
子の割合は通常50重量%以下、好ましくは30重量%
以下である。50重量%を越えると粉塵が発生し作業環
境が悪化するとともに粉体の流動性が悪くなり、スラッ
シュ成形時に金型の細部まで粉が入り込まず成形が困難
となることがある。
【0048】また、安息角は通常35゜以下、好ましく
は33゜以下であり、スパチュラ角は通常50゜以下、
好ましくは40゜以下である。安息角およびスパチュラ
角が上記範囲外であると粉体の流動性が悪くなり、スラ
ッシュ成形時に金型の細部まで粉が入り込まず成形が困
難となることがある。なお、ここでいう平均粒子径は
[「TUBTEC」,レーゼンテック社製]などの粒度
分布測定機で測定した篩い下50%の粒子径の値であ
り、安息角およびスパチュラ角は[「パウダーテス
タ」,ホソカワミクロン社製]で測定される値である。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記
載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0050】製造例1 撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、数平均分
子量2,000のポリカプロラクトンジオール[「プラ
クセルL220AL」、(株)ダイセル製]720部を
投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間
脱水を行った。続いてジメチロールプロピオン酸6.7
部を加え、均一になるまで攪拌した後、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)120部を投入し、85℃で
10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリマーの
遊離イソシアネート(NCO)含量は3.4%であっ
た。ビーカーに、該ウレタンプレポリマー230部およ
び、ポリビニルアルコール[「PVA−235」、
(株)クラレ製]3部を溶解した分散液750部を添加
し、「ウルトラディスパーザー」(ヤマト科学製)を使
用して回転数9000rpmで1分間混合した。この混
合液を撹拌棒および温度計をセットした反応容器に移
し、攪拌しながらイソホロンジアミン15部とジブチル
アミン1.84部を投入し、50℃で10時間反応を行
った。反応終了後濾別、乾燥を行い、次いでブロッキン
グ防止剤[「サイロイド978」、富士デヴィソン化学
製]1部および耐光安定剤[「DIC−TBS」、大日
本インキ化学工業製]0.5部を加えウレタンエラスト
マー粉末(U−1)を調製した。該(U−1)の数平均
分子量(GPCによる、以下同様)は50,000、熱
軟化開始温度(DSCによる、以下同様)は170℃、
粉末の平均粒子径は130μmであった。
【0051】製造例2 撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、数平均分
子量2,000のポリカプロラクトンジオール[「プラ
クセルL220AL」、(株)ダイセル製]820部を
投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間
脱水を行った。続いてIPDIを120部投入し、11
0℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有
するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリ
マーのNCO含量は3.4%であった。ビーカーに、該
ウレタンプレポリマー230部および、ポリビニルアル
コール[「PVA−235」、(株)クラレ製]3部を
溶解した分散液750部を添加し、「ウルトラディスパ
ーザー」(ヤマト科学製)を使用して回転数9000r
pmで1分間混合した。この混合液を撹拌棒および温度
計をセットした反応容器に移し、攪拌しながらN−(2
−アミノエチル)エタノールアミン[「アミノアルコー
ルEA」、日本乳化剤(株)製]4.6部、イソホロン
ジアミン7.5部とジブチルアミン1.84部を投入
し、50℃で10時間反応を行った。以下製造例1同様
の操作を行うことによってウレタンエラストマー粉末
(U−2)を調製した。該(U−2)の数平均分子量は
50,000、熱軟化開始温度は170℃、粉末の平均
粒子径は133μmであった。
【0052】製造例3 撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、数平均分
子量2,000のポリカプロラクトンジオール[「プラ
クセルL220AL」、(株)ダイセル製]820部を
投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間
脱水を行った。続いてIPDIを120部投入し、11
0℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有
するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリ
マーのNCO含量は3.4%であった。ビーカーに、該
ウレタンプレポリマー230部および、ポリビニルアル
コール[「PVA−235」、(株)クラレ製]3部を
溶解した分散液750部を添加し、「ウルトラディスパ
ーザー」(ヤマト科学製)を使用して回転数9000r
pmで1分間混合した。この混合液を撹拌棒および温度
計をセットした反応容器に移し、攪拌しながらイソホロ
ンジアミン15部とジエタノールアミン1.5部を投入
し、50℃で10時間反応を行った。以下製造例1と同
様の操作を行うことのよってウレタンエラストマー粉末
(U−3)を調製した。該(U−3)の数平均分子量は
50,000、熱軟化開始温度は170℃、粉末の平均
粒子径は128μmであった。
【0053】実施例1 製造例1で得たウレタンエラストマー粉末(U−1)1
00部、グリセリントリグリシジルエーテル[「デナコ
ールEX−512」、長瀬産業(株)製]8部、ジフェ
ニルホスフェートのハイドロキノン縮合物[「CR73
3S」、大八化学(株)製]10部および酸化チタン
「タイペークR−820」、石原産業(株)製]1部を
へンシェルミキサー内に投入し200rpmで1分間混
合した。混合後、100℃で1時間熟成した後40℃ま
で冷却し、ブロッキング防止剤(シリカ)[「サイロイ
ド978」、富士デヴィソン化学製]1部を添加して、
本発明のスラッシュ成形用材料(S1)を得た。
【0054】実施例2 実施例1で用いた(U−1)100部およびグリセリン
トリグリシジルエーテル8部に代えて、製造例2で得た
(U−2)100部およびベンゾグアナミン樹脂メチル
エーテル化物[マイコート1123、三井サイテック
(株)製]0.9部を使用する以外は同じ方法により、
本発明のスラッシュ成形用材料(S2)を得た。
【0055】実施例3 実施例1で用いた(U−1)100部およびグリセリン
トリグリシジルエーテル8部に代えて、製造例3で得た
(U−3)100部およびメラミン樹脂メチルエーテル
化物[「サイメル303」、三井サイテック(株)製]
0.4部を使用する以外は同じ方法により、本発明のス
ラッシュ成形用材料(S3)を得た。
【0056】比較例1 実施例1において、グリセリントリグリシジルエーテル
を使用しない以外は実施例1と同様にして比較のための
スラッシュ成形用材料(S4)を得た。
【0057】比較例2 実施例2において、ベンゾグアナミン樹脂メチルエーテ
ル化物を使用しない以外は実施例2と同様にして比較の
ためのスラッシュ成形用材料(S5)を得た。
【0058】比較例3 実施例3において、メラミン樹脂メチルエーテル化物を
使用しない以外は実施例3と同様にして比較のためのス
ラッシュ成形用材料(S6)を得た。
【0059】物性測定例1 実施例1〜3および比較例1〜3で得た(S1)〜(S
6)をそれぞれ220℃に加熱した金型に10秒間接触
させ熱溶融後未溶融の粉末を除去し、室温中で1分間放
置した後、水冷して成形シートを作成した。得られた成
形シートについて下記試験方法により性能試験を行っ
た。その結果を表1に示す。破断強度および伸び率(2
5℃)、低温破断強度および伸び率(−35℃)、 硬度:JIS−K6301に準じて測定した。 外観:シート表面の色ムラを下記評価基準で目視判定し
た。 ○;均一、△;僅かに色ムラが確認できる、×;色ムラ
有り
【0060】
【表1】
【0061】物性測定例2 物性測定例1と同様にして得た(S1)〜(S6)の各
成形シートをモールド内にセットした状態でその上にウ
レタンフォーム形成成分[EOチップドポリプロピレン
トリオール(数平均分子量5,000)95部、トリエ
タノールアミン5部、水2.5部、トリエチルアミン1
部およびポリメリックMDI61.5部からなる]を添
加し発泡密着させ、(S1)〜(S6)の各表皮層を有
するウレタンフォーム成形体を得た。これらの成形体を
120℃の循風オーブン内で500時間熱処理した後、
該成形体からウレタンフォームをとり除き、各成形シー
ト(表皮層)について下記試験方法により性能試験を行
った。その結果を表2に示す。 伸び率(25℃、−35℃):JIS−K6301に準
じて測定した。 外観:下記評価基準で目視判定した。 ○;変化無し、×;変化有り
【0062】
【表2】
【0063】物性測定例3 物性測定例2で得た(S1)〜(S6)の各表皮層を有
するウレタンフォーム成形体をそれぞれブラックパネル
温度83℃のカーボンアークフェードメーター内で40
0時間処理した。処理後成形体からウレタンフォームを
とり除き、各成形シート(表皮層)について下記試験方
法により性能試験を行った。その結果を表3に示す。 伸び率(25℃、−35℃):JIS−K6301に準
じて測定した。 外観:下記評価基準で目視判定した。 ○;変化無し、×;変化有り
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明のポリウレタン樹脂系スラッシュ
成形用材料は下記の効果を有する。 1.耐熱老化性および耐光老化性に優れ、外観の優れた
成形物を得ることができる。 2.低硬度のため触感に優れる。 3.低温での伸びが大きいため、寒冷地でのインパネ表
皮の割れを防止でき、また助手席のエアバッグをインパ
ネに内蔵型にした場合の寒冷地での動作時の乗員保護性
に優れている。 上記効果を奏することから本発明のスラッシュ成形用材
料は、インパネをはじめ自動車内装材として極めて有用
である。また、ソファー表皮等の家具など他の成形品へ
の応用も可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 CFF C08J 5/00 CFF C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 // B29K 75:00 B29L 31:58 Fターム(参考) 4F071 AA41 AA42 AA53 AD02 AD06 AE02 AE09 AH11 BA01 BB13 4F205 AA29 AA31 AA45 AB03 AB12 AC01 AH26 AR12 AR15 GA12 GB01 GF01 GF02 4J002 CC162 CC182 CC192 CD012 CD072 CD082 CD132 CD162 CD192 CK021 FD090 FD142 GN00 HA09 4J034 CA01 CA04 CB03 CC02 CC03 CC11 CC22 CC26 CC45 CC52 CC65 CC66 CC67 DA01 DC02 DC12 DC35 DC37 DC43 DF01 DF02 DF11 DF12 DF16 DF19 DF20 DF21 DF22 DG03 DG04 DG14 DG29 HA01 HA06 HA07 HB06 HB07 HB09 HC03 HC09 HC11 HC12 HC17 HC18 HC22 HC34 HC46 HC52 HC64 HC66 HC67 HC71 HC73 JA42 QA05 QB03 QD06 RA11 RA12 4J036 AA01 AB01 AB02 AB03 AB10 AC01 AC02 AC03 AD01 AD08 AD21 AF01 AF06 AG04 AG06 AG07 AH02 AH05 AH07 AK03 AK11 CD08 DA01 DC02 DC25 DC26 FB09 FB10 JA15 KA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基および/またはカルボキシル基を
    分子内に1個以上有し、数平均分子量が10,000〜
    100,000で、熱軟化開始温度が120〜220℃
    の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)、アミノ樹
    脂(B1)および/またはポリエポキシ化合物(B2)
    からなる架橋剤(B)、および顔料(C)からなること
    を特徴とするポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材
    料。
  2. 【請求項2】 (A)が、過剰の脂肪族系ジイソシアネ
    ート(a1)と、数平均分子量500〜10,000の
    高分子ジオール(a2)および必要により低分子ジオー
    ル(a3)とから誘導されるイソシアネート基末端ウレ
    タンプレポリマー(a)に、脂肪族系ジアミン(b1)
    および脂肪族モノアミン類(b2)を反応させて得られ
    る熱可塑性ウレタンエラストマーである請求項1記載の
    スラッシュ成形用材料。
  3. 【請求項3】 (B)の量が(A)の重量に対して0.
    1〜20重量%である請求項1または2いずれか記載の
    スラッシュ成形用材料。
  4. 【請求項4】 (C)の量が(A)と(B)の合計重量
    に対して0.5〜7重量%である請求項1〜3記載のス
    ラッシュ成形用材料。
  5. 【請求項5】 平均粒径が50〜400μmの粉体であ
    り、かつ100μm未満の粒子の含有量が50重量%以
    下である請求項1〜4いずれか記載のスラッシュ成形用
    材料。
JP10353099A 1999-04-12 1999-04-12 ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料 Expired - Fee Related JP4226139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10353099A JP4226139B2 (ja) 1999-04-12 1999-04-12 ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10353099A JP4226139B2 (ja) 1999-04-12 1999-04-12 ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000290494A true JP2000290494A (ja) 2000-10-17
JP4226139B2 JP4226139B2 (ja) 2009-02-18

Family

ID=14356455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10353099A Expired - Fee Related JP4226139B2 (ja) 1999-04-12 1999-04-12 ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4226139B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004096884A1 (ja) * 2003-05-02 2004-11-11 Bridgestone Corporation 架橋ポリウレタン組成物
JP2005187528A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂、並びにその製造方法及びスラッシュ成形方法
KR100581771B1 (ko) * 2003-08-06 2006-05-22 주식회사 엘지화학 내충격성을 갖는 광변색성 프라이머 조성물과 이것이코팅된 투명 기재
US7405257B2 (en) 2002-04-10 2008-07-29 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Polyurethane resin-based material for slush molding
JP2008202019A (ja) * 2007-01-25 2008-09-04 Toyo Ink Mfg Co Ltd 絶縁性樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7405257B2 (en) 2002-04-10 2008-07-29 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Polyurethane resin-based material for slush molding
WO2004096884A1 (ja) * 2003-05-02 2004-11-11 Bridgestone Corporation 架橋ポリウレタン組成物
KR100581771B1 (ko) * 2003-08-06 2006-05-22 주식회사 엘지화학 내충격성을 갖는 광변색성 프라이머 조성물과 이것이코팅된 투명 기재
JP2005187528A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂、並びにその製造方法及びスラッシュ成形方法
JP4529437B2 (ja) * 2003-12-24 2010-08-25 日本ポリウレタン工業株式会社 スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂、並びにその製造方法及びスラッシュ成形方法
JP2008202019A (ja) * 2007-01-25 2008-09-04 Toyo Ink Mfg Co Ltd 絶縁性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4226139B2 (ja) 2009-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3327840B2 (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP3059707B2 (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
WO2011068246A1 (en) Chipping-resistant coating composition
JP3014094B1 (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP2000290494A (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP2623221B2 (ja) 熱可塑性ウレタン樹脂分散体の製造方法
JP2860098B2 (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
WO2006027906A1 (ja) アクリルゾル組成物
KR101091474B1 (ko) 아크릴 졸 조성물
JP3595482B2 (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP4484398B2 (ja) スラッシュ成形用複合樹脂組成物
JPH04198361A (ja) 低温硬化性組成物
JP2000265054A (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP3595450B2 (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP2004002786A (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
TW201741427A (zh) 接著劑組成物
JP2004204242A (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP2013100399A (ja) アンカーコーティング剤
EP3950339A1 (en) Composition, layered body, and covered metal product
JP2011231249A (ja) 加飾フィルム用ウレタン樹脂水性分散体及び加飾フィルム
CN1293141C (zh) 丙烯酸溶胶组合物
JP2019104802A (ja) コーティング剤
JP2018115257A (ja) スラッシュ成形用粉末状ポリウレタンウレア樹脂組成物
JPS6310682A (ja) 塩化ビニルプラスチゾル組成物
JP5322912B2 (ja) プラスチゾル組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081126

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees