JP2004204242A - ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料 - Google Patents

ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、経時での着色(色褪せ)、艶上昇の少ないポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料を提供することである。
【解決手段】 対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a)、好ましくはさらに対称構造を有する低分子脂肪族系ジアミン(b1)を必須成分としてなる熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、及びラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物、好ましくは(メタ)アクリル酸と多価アルコール類とのエステル(B)からなることを特徴とするスラッシュ成形用材料。
【選択図】 なし

Description

本発明はスラッシュ成形用材料、特に自動車内装用に有用なスラッシュ成形用材料に関する。
スラッシュ成形法に、従来から使用されている軟質のポリ塩化ビニル(以下PVCという)系粉末に代わって、耐熱老化性、耐光老化性等に優れたポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料として、ラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物を含有したポリウレタン樹脂粉末が提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、この方法においても、耐熱老化後の樹脂強度の劣化は少ないものの、経時で表皮が着色する(色褪せ)、艶が上昇するという問題があった。
特開2001−192549号公報
本発明が解決しようとする課題は、経時での着色(色褪せ)、艶上昇の少ないポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、対称構造を有する脂肪族ジイソシアネート(a)を必須成分としてなる熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、及びラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(B)からなることを特徴とするスラッシュ成形用材料である。
本発明のスラッシュ成形用材料を用いれば、経時での色褪せ、艶上昇の少ない成形表皮を製造することができる。
本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)は、対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a)を必須成分とし、高分子ジオール(c)および必要により低分子ジオール(d)、低分子脂肪族系ジアミン(b)からなるものである。
本明細書中、対称構造を有するとは、化合物の平面化学構造式が2個のイソシアネート基又は2個のアミノ基を含む線について、線対称構造を有することを意味する。
1.対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a) 対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a)としては、例えば、炭素数(NCO基中の炭素を除く。以下同様)2〜18の脂肪族ジイソシアネート、例えば1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIともいう。)、1,8−オクタメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート等;炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、例えば4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下水添MDIともいう。)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート等;炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、例えばp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等;炭素数6〜18の芳香族ジイソシアネート、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等;及び炭素数3〜17のカーボネート系ジイソシアネート、例えばビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート等;及びこれらのジイソシアネートの対称構造を有する変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、ウレア基、ウレトジオン基、オキサゾリドン基含有対称構造の変性物等);ならびにこれらの2種以上の混合物等を挙げることができる。
これらのうち好ましいものは、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである。特に好ましくは水添MDI及びHDIであり、HDIが更に好ましい。
非対称構造の脂肪族系ジイソシアネート(a1)を上記(a)と併用することもできる。(a1)としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等が挙げられる。(a1)の使用量は溶融性の観点からモル比で(a1)/(a)が0.25以下が好ましい。
2.高分子ジオール(c)
高分子ジオール(c)の数平均分子量(以下Mnと略記)は、風合い、及び軟化開始温度の観点から、500以上が好ましく、700以上がさらに好ましく、シャープメルト性の観点から10,000以下が好ましく、5,000以下がさらに好ましい。
上記(c)のMw及びMnは、溶媒としてテトラヒドロフランを用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)法で測定される。
上記(c)としては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリシロキサングリコール、ポリブタジエングリコール、アクリルジオール、ポリマージオール(高分子量のジオール中でビニル単量体を重合してなるジオール)及びこれら2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましくは、ポリエーテルジオール及びポリエステルジオールである。以下説明する。
ポリエーテルジオール
ポリエーテルジオールとしては、例えば、2個の活性水素原子を有する化合物(2価アルコール、2価フェノール、1級モノアミン等)にアルキレンオキサイドが付加した構造の化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。
上記2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール、環状基を有するジオール(例えば、特公昭45−1474号公報に記載のもの)等が挙げられる。また、2価フェノールとしてはピロガロール、ハイドロキノン、フロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等のビスフェノール類等が挙げられる。
上記2個の活性水素原子を有する化合物として好ましいものは2価アルコール、特に1,4−ブタンジオールである。
AOとしては、例えば、炭素数2〜8のAO及び置換AO、例えばEO、PO、1,2−、1,3−、及び2,3−ブチレンオキサイド、THF、スチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用(ブロックまたはランダム付加)等が挙げられる。これらのうち好ましいものはPO単独及びEOとPOの併用である。
ポリエステルジオール
ポリエステルジオールとしては、例えば、(1)縮合ポリエステルジオール、(2)ポリラクトンジオール、(3)ポリカーボネートジオール、及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
上記(1)は例えばジオール(低分子ジオール及び/又はポリエーテルジオール等)の1種以上とジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[低級アルキル(炭素数1〜4)エステル、酸無水物、ハライド(クロライド等)等]との縮合重合、又は、ジオールとジカルボン酸無水物及びAOとの反応により製造することができる。
上記(2)は上記ジオールの1種以上を開始剤としてラクトンを開環重合して得られる。
上記(3)は上記ジオールとアルキレンカーボネート(エチレンカーボネート)との反応により製造することができる。
上記(1)、(2)及び(3)のための原料ジオールのうち低分子ジオールとしては、例えば、脂肪族低分子ジオール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);環状基を有する低分子ジオール類[例えば特公昭45−1474号公報に記載のもの:1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリレングリコール等];ビスフェノール類のアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満);及びこれらの2種以上の併用等を挙げることができ、ポリエーテルジオールとしては、例えば、先に説明したポリエーテルジオールの1種以上等を挙げることができる。好ましいのは1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールである。
上記(1)のための原料ジカルボン酸としては、例えば、炭素数2〜10の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等)、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸等)及びこれらの2種以上の併用等が挙げられる。
上記(1)の好ましい例としては、例えば、ポリブチレンアジペートジオール及びポリヘキサメチレンイソフタレートジオール(以下、それぞれPBA及びPHIPと略記)ならびにこれらの併用等を挙げることができる。
上記(2)のための原料ラクトンとしては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の併用等が挙げられる。
3.低分子ジオール(d)
低分子ジオール(d)としては、例えば、500未満の数平均分子量を有するジオールが挙げられる。
上記低分子ジオールの具体例としては、例えば、炭素数2〜18の脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(以下、BGともいう)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下、MPDともいう。)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオール等)等];炭素数3〜18の環状基を有するジオール類[例えば、特公昭45−1474号公報記載のもの;炭素数3〜30の脂肪族環状基含有ジオール(1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、水添ビスフェノールA等);炭素数6〜15の芳香族環状基含有ジオール((m−、及びp−)キシリレングリコール);ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF及びジヒドロキシナフタレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のもののアルキレンオキサイド(AO)付加物(付加モル数2〜6);上記ジオールのAO付加物(付加モル数1〜6)]及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記AOとしては、例えば、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、1,2−、1,3−、1,4及び2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜10またはそれ以上のα−オレフンオキサイド、エピクロルヒドリン及びこれらの2種以上の混合物(ブロックまたはランダム付加)が挙げられる。
4.低分子脂肪族ジアミン(b)
低分子脂肪族ジアミン(b)としては、対称構造を有する低分子脂肪族ジアミン(b1)、及び非対称構造を有する低分子脂肪族ジアミン(b2)が挙げられる。対称構造を有する低分子脂肪族ジアミン(b1)が好ましい。
対称構造を有する低分子脂肪族ジアミン(b1)
低分子脂肪族ジアミン(b1)としては、例えば、炭素数2〜18の直鎖アルキレンジアミン、例えば1,2−エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン(以下HDAともいう)、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン等;炭素数4〜15の脂環式ジアミン、例えば4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン(以下水添MDAともいう)、シクロヘキサン−1,4−ジアミン等;炭素数8〜15の芳香脂肪族ジアミン、例えばp−キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン等;炭素数6〜18の芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン等;炭素数3〜17のカーボネート系ジアミン、例えばビス(2−アミノエチル)カーボネート等;ポリオキシエチレンジアミン(数平均分子量500以下)等;ポリオキシテトラメチレンジアミン(数平均分子量500以下);及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらのうち好ましくは、炭素数2〜18の直鎖アルキレンジアミン、ビス(2−アミノエチル)カーボネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、シクロヘキサン−1,4−ジアミン、p−キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン及び4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタンである。更に好ましくは1,2−エチレンジアミン、水添MDA及びHDAであり、HDAが特に好ましい。
非対称構造を有する低分子脂肪族ジアミン(b2)
低分子脂肪族ジアミン(b2)としては、例えば、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン、例えば、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン等;炭素数4〜15の脂環式ジアミン、例えば、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン[1−(アミノジメチルメチル)−4−アミノ−4−メチル−シクロヘキサン]等;炭素数8〜15の芳香脂肪族ジアミン、例えば、m−キシレンジアミン等;ポリオキシプロピレンジアミン(数平均分子量500以下)等;及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
上記(b1)及び(b2)はケチミンの形で使用してもよい。ケチミンとしては、例えば、ジアミンと炭素数3〜6のケトン類[アセトン、メチルエチルケトン(以下MEKともいう)、メチルイソブチルケトン等]とを反応させてなるケチミンが挙げられる。
上記対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a)と上記対称構造を有する低分子脂肪族ジアミン(b1)の組み合わせとしては、(b1)の残基(アミノ基を除いた残基)が、(a)の残基(イソシアネート基を除いた残基)と同一構造を有するのが好ましい。例えば、HDIとHDA;ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートとビス(2−アミノエチル)カーボネート;水添MDIと水添MDA;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートとシクロヘキサン−1,4−ジアミン;p−キシリレンジイソシアネートとp−キシリレンジアミン;α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートとα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン等の組み合わせである。
本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)のMnは、樹脂強度の観点から4000以上が好ましく、軟化開始温度の観点から40000以下が好ましい。さらに好ましくは8000〜25000である。
Mnは、溶媒にN,N−ジメチルフォルムアミド(以下DMFと略記)を用いるGPC法で測定される。
上記熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)は、上記対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a)[必要により非対称構造の脂肪族系ジイソシアネート(a1)]と活性水素含有成分[上記高分子ジオール(c)及び必要により低分子ジオール(d)、及び上記低分子脂肪族系ジアミン(b)及び必要により重合停止剤(e)]を一段で反応させるワンショット法;ジオール[上記(c)及び必要により上記(d)]ならびに必要により上記(e)と過剰の上記(a)[必要により(a1)]を反応させてNCO末端ウレタンプレポリマー(以下Upと略記)を形成し、Upと残りの活性水素含有成分[上記(b)必要により上記(d)、及び必要により上記(e)]を反応させるプレポリマー法のいずれで製造してもよい。好ましいのはプレポリマー法である。
上記(A)は粉体として得ることが好ましい。上記(A)の粉体を得る方法としては、(1)上記方法で得られたブロック状またはペレット状の上記(A)を冷凍粉砕法、氷結粉砕法等の方法で粉砕し、上記(A)の粉体を得る方法;(2)無溶剤下または溶剤の存在下で上記(c)及び必要により上記(d)及び/又は上記(e)と過剰の上記(a)必要により(a1)を反応させて得られたUpを、分散安定剤を含む水中に高速撹拌機を用いて分散し、水及び上記(b)と必要により上記(e)とを反応させる方法;(3)無溶剤下または溶剤の存在下で(2)と同様にして得られたUpを、分散安定剤を含む非水系分散媒(ヘキサン、ヘプタン等)中に分散し、上記(b)と必要により上記(e)を反応させる方法等が挙げられる。これら(1)〜(3)の方法において、上記(e)はプレポリマー製造時、又はウレタン樹脂製造時のいずれの時に添加してもよい。これらの方法のうち特に好ましい製造方法は(2)の方法である。
上記(2)及び(3)の方法において、Up、上記(b)及び必要により上記(e)の混合体(M)100重量部に対する、分散安定剤と水又は非水系分散媒とからなる分散安定剤液の量は、上記(M)の分散状態、得られる樹脂粉末の粒度の観点から50重量部以上が好ましく、さらに好ましくは100〜1000重量部である。また必要により混合体(M)を低粘度化するために加温(例えば40〜100℃)してもよく、また、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、塩素系溶剤、芳香族溶剤等のイソシアネートに不活性な有機溶剤を添加してもよい。高速分散機の回転数は好ましくは少なくとも1000rpm、さらに好ましくは3000〜10000rpmである。
この場合において上記(b)及び必要により上記(e)は、Upを水中に分散させた後に添加してもよく、またUpの分散直前に添加してもよいが、反応がより均一に行われる点で後者の方が好ましい。
上記(e)としては、例えば、炭素数1〜12の1価のアルコール(メタノール、エタノール、n−ブタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、セロソルブ、フェノールのアルキレンオキサイド付加物等)及び炭素数1〜12のモノアミン[ジエチルアミン、ジブチルアミン(以下DBAと略記)、ジエタノールアミン等]等が挙げられ、これらのうち1価のアルコールが好ましく、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールが特に好ましい。
ウレタン化反応において、必要により公知の触媒を使用できる。該触媒の具体例としては、例えば、有機金属化合物[スズ系触媒、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、スタナスオクテート等;鉛系触媒、例えば、オクテン酸鉛等];アミン類[トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン(サンアプロ(株)製,DBU)等];及びこれらの2種以上の併用等が挙げられる。触媒の使用量は特に限定はないが上記(A)100重量部当り、0.001〜0.05重量部が好ましい。
また、ウレタン化反応において、必要により公知の溶剤(THF、DMF、トルエン、MEK等)を使用できる。
本発明で用いられるラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(B)としては、(メタ)アクリル酸と多価アルコール類(2〜10価またはそれ以上の多価アルコール。以下同様)とのエステル[例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等];(メタ)アリルアルコールと2〜6価またはそれ以上の多価カルボン酸類とのエステル[例えばジアリルフタレート、トリメリット酸トリアリルエステル等];多価アルコール類のポリ(メタ)アリルエーテル[例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アリルエーテル等];多価アルコール類のポリビニルエーテル[例えばエチレングリコールジビニルエーテル等];多価アルコール類のポリプロペニルエーテル[例えばエチレングリコールジプロペニルエーテル等];ポリビニルベンゼン類[例えばジビニルベンゼン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ラジカル重合速度の点で、(メタ)アクリル酸と多価アルコール類とのエステルであり、特に好ましいものはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートである。
該(B)1分子中の不飽和基(非共役二重結合)数は通常2〜10、好ましくは3〜6である。官能基数が2未満では成形表皮の経時での色褪せ、艶上昇が起こり、10を越えると化合物(B)が高分子量となるため粘度が高くなり取り扱いが困難となる。該(B)は、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が光(紫外線)や熱により劣化する際に生じるラジカルを捕捉して(B)自体が重合し、その結果スラッシュ成形体に成形表皮の経時での色褪せ、艶上昇を抑制する作用を有する。
本発明における該(B)の使用量は、長期耐久性に優れるスラッシュ成形体を得る点で(A)100重量部当たり、0.1〜10重量部、とくに0.5〜8重量部が好ましい。
本発明のスラッシュ成形用材料には、必要により、可塑剤(C)、添加剤(D)すなわち安定剤、顔料およびその他の添加剤を任意に含有させることができる。
本発明において使用される可塑剤(C)としては、フタル酸エステル類[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];脂肪族2塩基酸エステル類[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];トリメリット酸エステル類[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];安息香酸エステル類[ポリエチレングリコール(重合度2〜10)のジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)のジ安息香酸エステル等];脂肪族リン酸エステル類[トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシホスフェート等];芳香族リン酸エステル類[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等];ハロゲン脂肪族リン酸エステル類[トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(βークロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは安息香酸エステル類であり、特に好ましいものはポリエチレングリコールのジ安息香酸エステルである。
本発明のスラッシュ成形用材料において、(A)に対する該(C)の配合割合は、成型時の溶融粘度が適度で成形が容易である点および成型表皮の表面に(C)が経時的にブリードしない点から、(A)100重量部当たり2〜80重量部、とくに5〜50重量部が好ましい。
安定剤としては特に限定されず、公知の酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を使用することができ、その量は(A)100重量部あたり、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下である。酸化防止剤としては、フェノール系[たとえば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール等];ビスフェノール系[たとえば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等];リン系[たとえばトリフェニルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト等]が挙げられる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系[たとえば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール系[たとえば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等];サリチル酸系[たとえばフェニルサリシレートなど];ヒンダードアミン系[たとえばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]が挙げられる。
顔料としては特に限定されず、公知の有機顔料および/または無機顔料を使用することができ、(A)100重量部あたり、通常5重量部以下、好ましくは0.01〜3重量部配合される。有機顔料としては、例えば不溶性もしくは溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としては、例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物(酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等)、金属塩類[硫酸塩(硫酸バリウム等)、珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、燐酸塩(燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム等)等]、金属粉末(アルミ粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、銅粉末等)、カーボンブラック等が挙げられる。顔料の平均粒径についてはとくに限定はないが、通常0.5〜1μmである。
その他の添加剤としては、ブロッキング防止剤、離型剤、架橋剤、難燃剤等が挙げられる。該その他の添加剤の量は(A)100重量部あたり、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下である。
本発明のスラッシュ成形用材料の製造方法は特に限定されないが、上記可塑剤(C)及び上記添加剤(D)を含有する場合は、例えば以下の方法が例示できる。
(1)上記熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の粉体、上記(B)、(C)及び(D)を一括して混合装置で混合する方法。
(2)あらかじめ上記(B)、(C)及び(D)を混合しておき、これを上記(A)の粉体と混合する方法。
(3)上記(A)の粉体を製造する任意の段階であらかじめ上記(B)、(C)及び(D)の一部または全部を含有させておく方法。
これらのうち製造工程の簡略化の点から(2)の方法が好ましい。
本発明において、スラッシュ成形用材料の製造装置は特に限定されず、公知の粉体混合装置を使用することができる。
粉体混合装置としては、例えば、高速剪断混合装置〔へンシェルミキサー(登録商標)等〕、低速混合装置〔ナウタミキサー(登録商標)、プラネタリーミキサー等〕等が挙げられる。
本発明のスラッシュ成形用材料の体積平均粒径は、粉体流動性及びスラッシュ成形時に金型の細部まで粉が入り込むという観点から、100μm以上特に130μm以上が好ましく、成形表皮のピンホール発生の観点から、500μm以下特に200μm以下が好ましい。
また、粒径75μm以下の粒子の割合は、粉塵による作業環境、粉体流動性及びスラッシュ成形時に金型の細部まで粉が入り込むという観点から20重量%以下特に15重量%以下が好ましい。
本明細書中、体積平均粒子径は、レーザー式光散乱法で測定した篩い下50%の粒子径の値である。測定機器としては、例えばマイクロトラックHRA粒度分析計9320−X100(日機装株式会社製)を挙げることができる。
本発明の成形用材料をスラッシュ成形法で成形するには、例えば、パウダー状にした本発明の成形用材料が入ったボックスと200〜280℃に加熱した金型を共に揺動回転させ、パウダーを型内で溶融流動させた後冷却固化させ、表皮を製造する方法で好適に実施することができる。
本発明の成形用材料で成形された表皮の厚さは、0.5〜1.5mmが好ましい。該表皮は自動車内装材、例えばインストルメントパネル、ドアトリム等の表皮に好適に使用される。
実施例
以下、製造例、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
製造例1
プレポリマー溶液の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリブチレンアジペート(575部)、Mnが900のポリヘキサメチレンイソフタレート(383部)、1−オクタノール(16.8部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート(242部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(217部)、安定剤(2.5部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 イルガノックス1010]及び酸化チタン(15.3部))[タイペークR−820 石原産業(株)製]を加え、均一に混合してプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、2.2%であった。
製造例2
ジアミンのMEKケチミン化物Iの製造
ヘキサメチレンジアミンと過剰のMEK(ジアミンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物Iを得た。
実施例1
反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶液(100部)と製造例2で得たMEKケチミン化合物I(5.6部)を投入し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3重量部)を溶解した水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−1)を製造した。(A−1)のMnは2.5万、体積平均粒径は151μmであった。
100Lのナウタミキサー内に(A−1)100部、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)社製;サンフィックスEB300、ポリエチレングリコールのMnは300]20部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製;ネオマーDA−600]、8部を投入し70℃で3時間混合した、次いで変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1部を投入し1時間混合した後室温まで冷却した。冷却後、シリカ粉末(グレース デヴィソン社製 サイロブロックS200)0.5部を加え、スラッシュ成形用材料(S1)を得た。(S1)の体積平均粒径は152μmであった。
実施例2
100Lのナウタミキサー内にポリウレタン樹脂(A−1)100部、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)社製;サンフィックスEB300]20部、トリメチロールプロパントリアクリレート[三洋化成工業(株)製;ネオマーTA−300]8部を投入し70℃で3時間混合した、次いで変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1部を投入し1時間混合した後室温まで冷却した。冷却後、シリカ粉末(グレース デヴィソン社製 サイロブロックS200)0.5部を加え、スラッシュ成形用材料(S2)を得た。(S2)の体積平均粒径は151μmであった。
実施例3
100Lのナウタミキサー内にポリウレタン樹脂(A−1)100部、リン酸エステル系可塑剤[大八化学社製;CR741]20部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製;ネオマーDA−600]5部を投入し70℃で3時間混合した。次いで変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1部を投入し1時間混合した後室温まで冷却した。冷却後、架橋シクロヘキシルマレイミド粉末(体積平均粒子径3μm、融点280℃)0.1部を加え、スラッシュ成形用材料(S3)を得た。(S3)の体積平均粒径は150μmであった。
製造例3
プレポリマー溶液の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリブチレンアジペート(800部)、1,4−ブタンジオール(18部)、1−オクタノール(21部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、水添MDI(490部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(238部)、安定剤(3.1部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 イルガノックス1010]及び酸化チタン(15.3部))[タイペークR−820 石原産業(株)製]を加え、均一に混合してプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、4.2%であった。
製造例4
ジアミンのMEKケチミン化物IIの製造
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミンと過剰のMEK(ジアミンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物IIを得た。
実施例4
反応容器に、製造例3で得たプレポリマー溶液(100部)と製造例4で得たMEKケチミン化合物II(16.9部)を投入し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3重量部)を溶解した水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−2)を製造した。(A−2)のMnは2.6万、体積平均粒径は150μmであった。
100Lのナウタミキサー内に(A−2)100部、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)社製;サンフィックスEB300、ポリエチレングリコールのMnは300]20部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製;ネオマーDA−600]、8部を投入し70℃で3時間混合した、次いで変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1部を投入し1時間混合した後室温まで冷却した。冷却後、シリカ粉末(グレース デヴィソン社製 サイロブロックS200)0.5部を加え、スラッシュ成形用材料(S4)を得た。(S4)の体積平均粒径は152μmであった。
比較例1
100Lのナウタミキサー内にポリウレタン樹脂(A−1)100部、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)社製;サンフィックスEB300]20部、70℃で3時間混合した。次いで変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1部を投入し1時間混合した後室温まで冷却した。冷却後、シリカ粉末(グレース デヴィソン社製 サイロブロックS200)0.5部を加え、スラッシュ成形用材料(S5’)を得た。(S5’)の体積平均粒径は152μmであった。
比較製造例1
プレポリマー溶液の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリブチレンアジペート(575部)、Mnが900のポリヘキサメチレンイソフタレート(383部)、1−オクタノール(16.8部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60まで冷却した。続いて、MDI(363部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(217部)、安定剤(2.5部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 イルガノックス1010]及び酸化チタン(15.3部))[タイペークR−820 石原産業(株)製]を加え、均一に混合してプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、2.1%であった。
比較例2
反応容器に、比較製造例2で得たプレポリマー溶液(100部)と製造例2で得たMEKケチミン化合物I(5.6部)を投入し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3重量部)を溶解した水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−3’)を製造した。(A−3’)のMnは2.0万、体積平均粒径は147μmであった。
100Lのナウタミキサー内に(A−3’)100部、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)社製;サンフィックスEB300]20部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製;ネオマーDA600]8部を投入し70℃で3時間混合した、次いで変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1部を投入し1時間混合した後室温まで冷却した。冷却後、シリカ粉末(グレース デヴィソン社製 サイロブロックS200)0.5部を加え、スラッシュ成形用材料(S6’)を得た。(S6’)の体積平均粒径は150μmであった。
実施例1〜4のスラッシュ成形用材料(S1)〜(S4)、及び比較例1〜2のスラッシュ成形用材料(S5’)〜(S6’)を使用して、下記に示す方法で表皮を成形し、耐光性試験を行い、結果を表1に示した。
<評価方法>
予め250℃に加熱されたしぼ模様の入ったNi電鋳型にスラッシュ成形用材料を充填し、10秒後余分なスラッシュ成形用材料を排出する。250℃で更に90秒加熱後、水冷して表皮(厚さ1mm)を作成した。この表皮をモールドにセットし、その上にウレタンフォーム形成成分[EOチップドポリプロピレントリオール(数平均分子量5,000)95部、トリエタノールアミン5部、水2.5部、トリエチルアミン 1部、ポリメリックMDI61.5部からなる]を添加し発泡密着させ、各表皮層を有するフォーム形成体を得た。この成形体を用いて、耐光性試験を行った。
耐光性試験
フォーム成形体を、耐光試験機[スーパーキセノンウェザーメーターSX75(スガ試験機株式会社製)]にて、ブラックパネル温度83℃、湿度50%RH、照射強度150w/m2で、400時間処理した。試験後、表皮サンプルの色褪せ、グロスを確認した。試験開始時のグロスは、いずれのサンプルも1.1であった。
(評価基準)
・色褪せ
表皮サンプルを直接目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:変色なし
△:変色あり
×:著しく変色
・グロス
光沢計(ポータブル グロスメーター GMX−202:ムラカミ カラーリサーチ ラボラトリー製)を用いて、グロス測定を実施した。グロス値が高いほど、艶がある。
本発明の成形用材料で成形された表皮は、自動車内装材、例えばインストルメントパネル、ドアトリム等の表皮に好適に使用される。


Claims (3)

  1. 対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a)を必須成分としてなる熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、及びラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(B)からなることを特徴とするスラッシュ成形用材料。
  2. 前記熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が、対称構造を有する脂肪族系ジイソシアネート(a)と、さらに対称構造を有する低分子脂肪族系ジアミン(b1)からなる請求項1記載のスラッシュ成形用材料。
  3. 前記化合物(B)が(メタ)アクリル酸と多価アルコール類とのエステルである請求項1記載のスラッシュ成形用材料。

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