JP4226139B2 - ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料 - Google Patents

ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスラッシュ成形用材料に関する。さらに詳しくは、特に自動車内装部品に適したポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
スラッシュ成形法は、複雑な形状(アンダーカット、深絞り等)の製品が容易に成形できること、肉厚が均一にできること、材料の歩留まり率が良いことから、近年、自動車の内装材等の用途に広く利用されており、主に軟質のポリ塩化ビニル(以下PVCという)系粉末がこのような用途に使用されている(例えば特開平5−279485号公報)。しかし、軟質化されたPVCは低分子量の可塑剤を多量に含有するため、可塑剤の凝固点以下ではソフト感が消失してしまう問題があった。
このような問題点を解決するものとして、熱可塑性ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形材料が知られている(例えば特開平4−255755号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記熱可塑性ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形材料は、紫外線照射もしくは高温下に長期間さらされるとスラッシュ成形体の物性低下や外観を損ね易いという問題点があった。
本発明は、成形性が良好で、低温においてもソフト感を有し、耐光性や耐熱性等の長期耐久性、耐薬品性などに優れるスラッシュ成形用材料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、水酸基および/またはカルボキシル基を分子内に1個以上有し、数平均分子量が10,000〜100,000で、熱軟化開始温度が120〜220℃の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)、アミノ樹脂(B1)および/またはポリエポキシ化合物(B2)からなる架橋剤(B)、および顔料(C)からなり、(B)の重量が(A)の重量に対して0.1〜20重量%であることを特徴とするポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料である。
【0005】
本発明における熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)は、過剰の脂肪族系ジイソシアネート(a1)と、数平均分子量500〜10,000の高分子ジオール(a2)および必要により低分子ポリオール(a3)とから誘導されるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)に、脂肪族系ジアミン(b1)および脂肪族モノアミン(b2)を反応させることにより得られる。
【0006】
上記脂肪族系ジイソシアネート(a1)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等];炭素数4〜15の脂環族ジイソシアート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン等];炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート[m−もしくはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等];これらのジイソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレタン基、ウレア基等を有する変性物);およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいものは脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートであり、特に好ましいものはHDI、IPDIおよび水添MDIである。
【0007】
上記高分子ジオール(a2)としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオールおよびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0008】
上記ポリエステルジオールとしては、例えば▲1▼低分子ジオールとジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル、酸ハライド等]との縮合重合によるもの;▲2▼低分子ジオールを開始剤としてラクトンモノマーを開環重合したもの;▲3▼低分子ジオールと炭酸エステル(炭酸ジメチル、エチレンカーボネートなど)とから誘導されるもの;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0009】
上記低分子ジオールとしては、炭素数2〜15の脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖を有するジオール(例えばプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)など];炭素数3〜12の環状基を有するジオール類[脂環基含有ジオール{例えばシクロヘキサンジメタノール、4,4’−ビス(ヒドロキシエトキシ)−ジシクロヘキシルプロパンなど}、芳香環含有ジオール{例えばm−およびp−キシリレングリコール、2価フェノール類(ハイドロキノン等の単環フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等のビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレン等の多核フェノール類など)のアルキレンオキシド低モル付加物(分子量500未満)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記および以下において、アルキレンオキシドとしては炭素数2〜4のアルキレンオキシド[エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、1,2−、2,3−、1,3−もしくは1,4−ブチレンオキシド]、炭素数5〜10またはそれ以上のα−オレフンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリンなど)およびこれらの2種以上の併用系(ランダムおよび/またはブロック)が挙げられる。好ましいものはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,4−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用である。
【0010】
これら低分子ジオールのうち好ましいものは、脂肪族ジオールおよび脂環基含有ジオールであり、特に好ましいものは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよび4,4’−ビス(ヒドロキシエトキシ)−ジシクロヘキシルプロパンである。
【0011】
上記▲1▼のジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸など]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸など]、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライド等)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0012】
上記▲2▼のラクトンモノマーとしては炭素数4〜12のラクトン(γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレルラクトンなど)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】
ポリエーテルジオールとしては、前記に例示した低分子ジオールの1種以上にアルキレンオキシドを(共)付加させて得られるジオール[例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン(ブロックおよび/またはランダム)グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシエチレン(ブロックおよび/またはランダム)グリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレン(ブロックおよび/またはランダム)グリコール、ビスフェノールAのPO付加物など]が挙げられる。
【0014】
これらのうち好ましいものは、2価フェノール類にアルキレンオキサイドが付加したものであり、さらに好ましいものはビスフェノールAにPOが付加したものである。
【0015】
また、ポリエーテルエステルジオールとしては、上記ポリエーテルジオールの1種以上と前記ポリエリエステルジオールの原料として例示したジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以上とを縮重合させて得られるものが挙げられる。
【0016】
これら高分子ジオール(a2)のうちで好ましいものはポリエステルポリオールであり、さらに好ましいものは縮合ポリエステルポリオールである。
【0017】
該(a2)の数平均分子量は通常500〜10,000、好ましくは800〜5,000、さらに好ましくは1,000〜3,000である。数平均分子量が500未満では十分なソフト感が得られず、10,000を越えると所望の強度が発現しない。
【0018】
該(a2)と共に必要により使用される低分子ジオール(a3)としては、前記ポリエステルジオールの出発物質として例示した化合物、およびカルボキシル基を有するジオール[ジメチロールプロピオン酸など]が挙げられる。
該(a3)を併用する場合の使用量は(a2)の重量に対して通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
【0019】
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)の製造において、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)を形成する際の(a1)のイソシアネート基1当量に対する(a2)および(a3)の水酸基の当量比(NCO/OH)は、通常0.3〜0.9、好ましくは0.4〜0.7である。
また、該ウレタンプレポリマー(a)の遊離イソシアネート基含量は通常1〜10重量%、好ましくは3〜6重量%である。
【0020】
該(a)の形成反応に際しては、反応を促進するためにポリウレタンに通常用いられる触媒を使用することができる。該触媒としては、金属触媒たとえば錫系触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエートなど];鉛系触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛など];その他の金属触媒[ナフテン酸コバルトなどのナフテン酸金属塩、フェニル水銀プロピオン酸塩など];およびアミン系触媒たとえばトリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU(サンアプロ製,登録商標)〕など];ジアルキルアミノアルキルアミン類[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミンなど]または複素環式アミノアルキルアミン類[2−(1−アジリジニル)エチルアミン、4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミンなど]の炭酸塩および有機酸塩(ギ酸塩など)等;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等;およびこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
これらの触媒の使用量は、(a)の重量に基づいて、通常3重量%以下、好ましくは0.001〜2%重量である。
【0021】
該熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)は、上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)に脂肪族系ジアミン(b1)および脂肪族モノアミン類(b2)を反応させることにより得られる。
【0022】
上記(b1)としては、脂環族ジアミン[4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシル、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等];脂肪族ジアミン[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];芳香脂肪族ジアミン[キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン等];水酸基を有するジアミン[N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなど]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0023】
上記(b2)としては、アルカノール(炭素数2〜4)アミン[モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなど];アミノ酸[中性アミノ酸(DL−アラニン、βーアラニン、γ−アミノ酪酸など)、酸性アミノ酸(L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸など)];モノもしくはジアルキル(炭素数1〜8)アミン[エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなど]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0024】
上記(A)の形成反応において、ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基1当量に対する(b1)の当量比は、通常0.2〜0.98当量、好ましくは0.7〜0.85当量であり、また(b2)の当量比は、通常0.02〜0.3当量、好ましくは0.05〜0.15当量である。
【0025】
該(A)への水酸基および/またはカルボキシル基の導入は、たとえば
▲1▼プレポリマー(a)を構成するポリオール成分の一部として(a3)の項で挙げたカルボキシル基を有する低分子ジオールを用いる;
▲2▼(b1)として水酸基を有するジアミンを用いる;
▲3▼(b2)としてアルカノールアミンおよび/またはアミノ酸を用いる;
または上記▲1▼〜▲3▼のいずれかを組み合わせることにより達成できる。
【0026】
該(A)の数平均分子量(GPC)は10,000〜100,000、好ましくは20,000〜60,000である。数平均分子量が10,000未満では所望の破断強度のスラッシュ成形体を得ることができず、100,000を越えると熱溶融時の溶融粘度が上昇し成形が困難になる場合がある。
また、該(A)の水酸基またはカルボキシル基1個当たりの分子量は通常2,000〜40,000、好ましくは3,000〜20,000である。
【0027】
本発明における熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)は粉体の形状で用いられる。
【0028】
該(A)の粉体の製造方法としては特に限定されないが、たとえば以下の方法が例示できる。
▲1▼ブロック状またはペレット状の(A)を冷凍粉砕法、氷結粉砕法等の方法で粉砕し、(A)の粉体を得る方法。
▲2▼(A)を溶解しない有機溶剤(n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなど)中で(A)の非水分散体を形成させ、該非水分散体から(A)を分離乾燥し、(A)の粉体を得る方法(例えば特開平04−255755号公報明細書に記載の方法)。
▲3▼分散剤を含有した水中で(A)の水分散体を形成させ、該水分散体から(A)を分離乾燥し、(A)の粉体を得る方法(例えば特開平07−133423号および特開平08−120041号各公報明細書に記載の方法)。
これらのうちでは、多量の有機溶剤を使用せずしかも所望の粒度の粉体が容易に得られる点で▲3▼の方法が特に好ましい。
【0029】
該(A)の示差走査型熱量計(DSC)により測定される熱軟化開始温度は通常120〜220℃、好ましくは140〜180℃である。熱軟化開始温度が120℃未満では樹脂粉体同士のブロッキングが発生し易く、200℃を超えると平滑な表面を有する成形体を得ることが困難になる。熱軟化開始温度は、(A)の分子量、(A)中のウレア基濃度、使用するジイソシアネートの種類等を選択することにより上記範囲の温度に適宜設定することが可能である。
【0030】
本発明において、架橋剤(B)としてはアミノ樹脂(B1)および/またはポリエポキシ化合物(B2)が用いられる。
上記(B1)としては、アルキル(炭素数1〜8)エーテル化メラミン樹脂、アルキル(炭素数1〜8)エーテル化ベンゾグアナミン樹脂、アルキル(炭素数1〜8)エーテル化尿素樹脂、スピログアナミン樹脂、フェニレン核に2個のトリアジン環が結合したジグアナミンのアルキル(炭素数1〜8)エーテル化樹脂および/またはこれら2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいものはアルキルエ−テル化メラミン樹脂およびアルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂である。
【0031】
該(B1)の重合度は通常1.1〜5、好ましくは1.3〜3、特に好ましくは1.4〜2である。重合度が上記範囲内のものを用いることで、架橋構造がルーズにならず硬化物の耐薬品性、機械的強度等の物性が良好となる。
【0032】
上記(B2)としては、分子中に2〜10個またはそれ以上、好ましくは2〜6のエポキシ基を有し、エポキシ当量が通常65〜1,000、好ましくは90〜500のポリエポキシ化合物が用いられる。
エポキシ基数およびエポキシ当量が上記範囲内のものを用いることで、架橋構造がルーズにならず硬化物の耐薬品性、機械的強度等の物性が良好となる。このようなポリエポキシ化合物としては、たとえば下記(1)〜(7)のものが例示できる。これらは1種または2種以上を併用することができる。
【0033】
(1)グリシジルエーテル型
(i)2価フェノール類のジグリシジルエーテル
炭素数6〜30の2価フェノール類[ビスフェノール類(例えばビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、臭素化ビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジヒドロキシビフェニル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルなど)、単環2価フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノンなど)、多核2価フェノール(1,5−ジヒドロキシナフタレンなど)]のジグリシジルエーテル;ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルとの反応から得られるジグリシジルエーテル等;
(ii)3〜6官能またはそれ以上の多価フェノール類のポリグリシジルエーテル
炭素数6〜50またはそれ以上、分子量250〜3,000の3〜6価またはそれ以上の多価フェノール類のポリグリシジルエーテル[例えばピロガロールトリグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−tert−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂のグポリリシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド又はホルムアルデヒドの縮合反応によつて得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル、レゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られる分子量400〜3,000のポリフェノールのポリグリシジルエーテル等;
(iii)脂肪族2価アルコール類のジグリシジルエーテル
炭素数2〜50またはそれ以上、分子量62〜2,000のジオール[例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(分子量150〜2,000)、ポリプロピレングリコール(分子量180〜2,000)、ポリオキシテトラメチレングリコール(分子量200〜2,000)、ビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドおよび/又はプロピレンオキシド)2〜20モル付加物など]のジグリシジルエーテル等;
(vi)3〜6官能またはそれ以上の脂肪族多価アルコール類のポリグリシジルエーテル
炭素数6〜50またはそれ以上、分子量290〜5,000の3〜6価またはそれ以上の多価アルコール類[例えばトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリ(n=2〜5)グリセロール、これらのアルキレン(炭素数2〜4)オキシド2〜20モル付加物など]のポリグリシジルエーテル等;
【0034】
(2)グリシジルエステル型
炭素数6〜20またはそれ以上で、2〜6価またはそれ以上の官能基数をもつ芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、レテフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]のポリグリシジルエステル;脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸[コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、重合脂肪酸(ダイマー酸)、ナディック酸、芳香族ポリカルボン酸の核水素化体など]のポリグリシジルエステル;グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体等;
【0035】
(3)グリシジルアミン型
炭素数6〜20またはそれ以上、2〜6個またはそれ以上の活性水素をもつ、芳香族アミン類[アニリン、トルイジン、ジアミノベンゼン、ジエチルトルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、p−アミノフェノールなど]のグリシジル化体;脂肪族系アミン類[ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、芳香族アミン類の核水素化体など]のポリグリシジル化体等;
【0036】
(4)鎖状脂肪族エポキサイド
エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等;
【0037】
(5)脂環式エポキサイド
炭素数が6〜50またはそれ以上、分子量90〜2,000、エポキシ基数2〜4またはそれ以上の脂環式ポリエポキサイド[例えばビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミンなど]等。
【0038】
これら(B2)として例示したもののうち好ましいものは、グリシジルエーテル型のポリエポキシ化合物であり、特に好ましいものは脂肪族多価アルコール類のポリグリシジルエーテルである。また該(B2)は前記(B1)と併用してもよい。
【0039】
(A)に対する(B)の重量比率は、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜12重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%である。この範囲内とすることで耐薬品性、機械的強度、耐久性等に優れる成形体が得られる。
【0040】
本発明において使用される顔料(C)としては、特に限定されず、公知の有機顔料および/または無機顔料を使用することができる。
有機顔料としては例えば不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、、金属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩など)、金属粉末(アルミ粉末、銅粉末など)、カーボンブラック等が挙げられる。
該(C)の量は、(A)と(B)の合計重量に対して通常0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%である。
【0041】
本発明のスラッシュ成形材料には、必要により可塑剤、安定剤などの添加剤を含有させることができる。
【0042】
上記可塑剤としては、フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];安息香酸エステル[ジエチレングリコールジ安息香酸エステル、ジプロピレングリコールジ安息香酸エステル等];脂肪族リン酸エステル[トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシホスフェート等];芳香族リン酸エステル[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等];ハロゲン脂肪族リン酸エステル[トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(βークロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
可塑剤の配合割合は、(A)100重量部あたり、通常0〜80重量部、好ましくは5〜50重量部である。80重量部を越えると成形表皮の表面に可塑剤が経時的にブリードアウトすることがあるので好ましくない。
【0043】
上記安定剤としては、たとえば公知の酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を使用することができ、(A)100重量部あたり、通常0〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部の割合で配合される。
酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール等]、ビスフェノール系[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]、リン系[トリフェニルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等]、ベンゾトリアゾール系[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、サリチル酸系[フェニルサリシレートなど]、ヒンダードアミン系[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0044】
本発明のスラッシュ成形用材料にはさらに必要に応じて他の公知の添加剤(ブロッキング防止剤、離型剤、耐熱安定剤、難燃剤等)を任意に含有させることができる。
【0045】
本発明のスラッシュ成形用材料の製造方法は特に限定されないが、以下の方法が挙げられる。
▲1▼(A)の粉体、(B)および添加剤を一括して混合装置で混合する方法。
▲2▼(A)の粉体を製造する任意の段階で、あらかじめ(B)および添加剤の一部または全部を含有させておく方法。
【0046】
本発明のスラッシュ成形用材料の製造装置は特に限定されず、公知の粉体混合装置を使用することができる。粉体混合装置としては、高速剪断混合装置(例えばへンシェルミキサー等)、低速混合装置(例えばナウタミキサー、プラネタリーミキサー等)等が挙げられる。
【0047】
本発明のスラッシュ成形用材料の平均粒子径は通常50〜400μm、好ましくは100〜300μm、特に好ましくは130〜200μmである。平均粒子径が50μm未満では粉体の流動性が悪くなり、スラッシュ成形時に金型の細部まで粉が入り込まず成形が困難になり、400μmを越えると成形した表皮にピンホールが発生しやすくなる。
また、100μm未満の粒子の割合は通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。50重量%を越えると粉塵が発生し作業環境が悪化するとともに粉体の流動性が悪くなり、スラッシュ成形時に金型の細部まで粉が入り込まず成形が困難となることがある。
【0048】
また、安息角は通常35゜以下、好ましくは33゜以下であり、スパチュラ角は通常50゜以下、好ましくは40゜以下である。安息角およびスパチュラ角が上記範囲外であると粉体の流動性が悪くなり、スラッシュ成形時に金型の細部まで粉が入り込まず成形が困難となることがある。
なお、ここでいう平均粒子径は[「TUBTEC」,レーゼンテック社製]などの粒度分布測定機で測定した篩い下50%の粒子径の値であり、安息角およびスパチュラ角は[「パウダーテスタ」,ホソカワミクロン社製]で測定される値である。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0050】
製造例1
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、数平均分子量2,000のポリカプロラクトンジオール[「プラクセルL220AL」、(株)ダイセル製]720部を投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行った。続いてジメチロールプロピオン酸6.7部を加え、均一になるまで攪拌した後、イソホロンジイソシアネート(IPDI)120部を投入し、85℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリマーの遊離イソシアネート(NCO)含量は3.4%であった。ビーカーに、該ウレタンプレポリマー230部および、ポリビニルアルコール[「PVA−235」、(株)クラレ製]3部を溶解した分散液750部を添加し、「ウルトラディスパーザー」(ヤマト科学製)を使用して回転数9000rpmで1分間混合した。
この混合液を撹拌棒および温度計をセットした反応容器に移し、攪拌しながらイソホロンジアミン15部とジブチルアミン1.84部を投入し、50℃で10時間反応を行った。反応終了後濾別、乾燥を行い、次いでブロッキング防止剤[「サイロイド978」、富士デヴィソン化学製]1部および耐光安定剤[「DIC−TBS」、大日本インキ化学工業製]0.5部を加えウレタンエラストマー粉末(U−1)を調製した。該(U−1)の数平均分子量(GPCによる、以下同様)は50,000、熱軟化開始温度(DSCによる、以下同様)は170℃、粉末の平均粒子径は130μmであった。
【0051】
製造例2
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、数平均分子量2,000のポリカプロラクトンジオール[「プラクセルL220AL」、(株)ダイセル製]820部を投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行った。続いてIPDIを120部投入し、110℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリマーのNCO含量は3.4%であった。
ビーカーに、該ウレタンプレポリマー230部および、ポリビニルアルコール[「PVA−235」、(株)クラレ製]3部を溶解した分散液750部を添加し、「ウルトラディスパーザー」(ヤマト科学製)を使用して回転数9000rpmで1分間混合した。
この混合液を撹拌棒および温度計をセットした反応容器に移し、攪拌しながらN−(2−アミノエチル)エタノールアミン[「アミノアルコールEA」、日本乳化剤(株)製]4.6部、イソホロンジアミン7.5部とジブチルアミン1.84部を投入し、50℃で10時間反応を行った。以下製造例1同様の操作を行うことによってウレタンエラストマー粉末(U−2)を調製した。該(U−2)の数平均分子量は50,000、熱軟化開始温度は170℃、粉末の平均粒子径は133μmであった。
【0052】
製造例3
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、数平均分子量2,000のポリカプロラクトンジオール[「プラクセルL220AL」、(株)ダイセル製]820部を投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行った。続いてIPDIを120部投入し、110℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリマーのNCO含量は3.4%であった。
ビーカーに、該ウレタンプレポリマー230部および、ポリビニルアルコール[「PVA−235」、(株)クラレ製]3部を溶解した分散液750部を添加し、「ウルトラディスパーザー」(ヤマト科学製)を使用して回転数9000rpmで1分間混合した。
この混合液を撹拌棒および温度計をセットした反応容器に移し、攪拌しながらイソホロンジアミン15部とジエタノールアミン1.5部を投入し、50℃で10時間反応を行った。以下製造例1と同様の操作を行うことのよってウレタンエラストマー粉末(U−3)を調製した。該(U−3)の数平均分子量は50,000、熱軟化開始温度は170℃、粉末の平均粒子径は128μmであった。
【0053】
実施例1
製造例1で得たウレタンエラストマー粉末(U−1)100部、グリセリントリグリシジルエーテル[「デナコールEX−512」、長瀬産業(株)製]8部、ジフェニルホスフェートのハイドロキノン縮合物[「CR733S」、大八化学(株)製]10部および酸化チタン「タイペークR−820」、石原産業(株)製]1部をへンシェルミキサー内に投入し200rpmで1分間混合した。
混合後、100℃で1時間熟成した後40℃まで冷却し、ブロッキング防止剤(シリカ)[「サイロイド978」、富士デヴィソン化学製]1部を添加して、本発明のスラッシュ成形用材料(S1)を得た。
【0054】
実施例2
実施例1で用いた(U−1)100部およびグリセリントリグリシジルエーテル8部に代えて、製造例2で得た(U−2)100部およびベンゾグアナミン樹脂メチルエーテル化物[マイコート1123、三井サイテック(株)製]0.9部を使用する以外は同じ方法により、本発明のスラッシュ成形用材料(S2)を得た。
【0055】
実施例3
実施例1で用いた(U−1)100部およびグリセリントリグリシジルエーテル8部に代えて、製造例3で得た(U−3)100部およびメラミン樹脂メチルエーテル化物[「サイメル303」、三井サイテック(株)製]0.4部を使用する以外は同じ方法により、本発明のスラッシュ成形用材料(S3)を得た。
【0056】
比較例1
実施例1において、グリセリントリグリシジルエーテルを使用しない以外は実施例1と同様にして比較のためのスラッシュ成形用材料(S4)を得た。
【0057】
比較例2
実施例2において、ベンゾグアナミン樹脂メチルエーテル化物を使用しない以外は実施例2と同様にして比較のためのスラッシュ成形用材料(S5)を得た。
【0058】
比較例3
実施例3において、メラミン樹脂メチルエーテル化物を使用しない以外は実施例3と同様にして比較のためのスラッシュ成形用材料(S6)を得た。
【0059】
物性測定例1
実施例1〜3および比較例1〜3で得た(S1)〜(S6)をそれぞれ220℃に加熱した金型に10秒間接触させ熱溶融後未溶融の粉末を除去し、室温中で1分間放置した後、水冷して成形シートを作成した。得られた成形シートについて下記試験方法により性能試験を行った。その結果を表1に示す。
破断強度および伸び率(25℃)、低温破断強度および伸び率(−35℃)、硬度:JIS−K6301に準じて測定した。
外観:シート表面の色ムラを下記評価基準で目視判定した。
○;均一、△;僅かに色ムラが確認できる、×;色ムラ有り
【0060】
【表1】
Figure 0004226139
【0061】
物性測定例2
物性測定例1と同様にして得た(S1)〜(S6)の各成形シートをモールド内にセットした状態でその上にウレタンフォーム形成成分[EOチップドポリプロピレントリオール(数平均分子量5,000)95部、トリエタノールアミン5部、水2.5部、トリエチルアミン1部およびポリメリックMDI61.5部からなる]を添加し発泡密着させ、(S1)〜(S6)の各表皮層を有するウレタンフォーム成形体を得た。これらの成形体を120℃の循風オーブン内で500時間熱処理した後、該成形体からウレタンフォームをとり除き、各成形シート(表皮層)について下記試験方法により性能試験を行った。その結果を表2に示す。
伸び率(25℃、−35℃):JIS−K6301に準じて測定した。
外観:下記評価基準で目視判定した。
○;変化無し、×;変化有り
【0062】
【表2】
Figure 0004226139
【0063】
物性測定例3
物性測定例2で得た(S1)〜(S6)の各表皮層を有するウレタンフォーム成形体をそれぞれブラックパネル温度83℃のカーボンアークフェードメーター内で400時間処理した。処理後成形体からウレタンフォームをとり除き、各成形シート(表皮層)について下記試験方法により性能試験を行った。その結果を表3に示す。
伸び率(25℃、−35℃):JIS−K6301に準じて測定した。
外観:下記評価基準で目視判定した。
○;変化無し、×;変化有り
【0064】
【表3】
Figure 0004226139
【0065】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料は下記の効果を有する。
1.耐熱老化性および耐光老化性に優れ、外観の優れた成形物を得ることができる。
2.低硬度のため触感に優れる。
3.低温での伸びが大きいため、寒冷地でのインパネ表皮の割れを防止でき、また助手席のエアバッグをインパネに内蔵型にした場合の寒冷地での動作時の乗員保護性に優れている。
上記効果を奏することから本発明のスラッシュ成形用材料は、インパネをはじめ自動車内装材として極めて有用である。また、ソファー表皮等の家具など他の成形品への応用も可能である。

Claims (4)

  1. 水酸基および/またはカルボキシル基を分子内に1個以上有し、数平均分子量が10,000〜100,000で、熱軟化開始温度が120〜220℃の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A)、アミノ樹脂(B1)および/またはポリエポキシ化合物(B2)からなる架橋剤(B)、および顔料(C)からなり、(B)の重量が(A)の重量に対して0.1〜20重量%であることを特徴とするポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料。
  2. (A)が、過剰の脂肪族系ジイソシアネート(a1)と、数平均分子量500〜10,000の高分子ジオール(a2)および必要により低分子ジオール(a3)とから誘導されるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)に、脂肪族系ジアミン(b1)および脂肪族モノアミン類(b2)を反応させて得られる熱可塑性ウレタンエラストマーである請求項1記載のスラッシュ成形用材料。
  3. (C)の量が(A)と(B)の合計重量に対して0.5〜7重量%である請求項1又は2記載のスラッシュ成形用材料。
  4. 平均粒径が50〜400μmの粉体であり、かつ100μm未満の粒子の含有量が50重量%以下である請求項1〜いずれか記載のスラッシュ成形用材料。
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