JPH11228833A - 湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成物

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JPH11228833A
JPH11228833A JP5156798A JP5156798A JPH11228833A JP H11228833 A JPH11228833 A JP H11228833A JP 5156798 A JP5156798 A JP 5156798A JP 5156798 A JP5156798 A JP 5156798A JP H11228833 A JPH11228833 A JP H11228833A
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JP
Japan
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polyurethane resin
resin composition
group
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moisture
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JP5156798A
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English (en)
Inventor
Satokichi Baba
馬場聡吉
Masao Kumeno
粂野政雄
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 とくにスラッシュ成形材料として用いた場
合、白化現象が無く外観に優れ、ピンホール等の欠陥の
ない強靱な成形シートを与える湿気架橋性ポリウレタン
樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A
1)の粒子表面が加水分解性シラン化合物(A2)で処
理されてなる表面変性ポリウレタン樹脂粉体(A)と、
一定温度で該(A2)中のシリル基の加水分解反応を促
進する触媒作用を発現する熱潜在性触媒(B)とからな
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿気架橋性ポリウレ
タン樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、とくにスラ
ッシュ成形用材料として用いた場合、優れた外観、耐溶
剤性、耐光性、平滑性、樹脂強度等を有する成形シート
を与える湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】スラッシュ成形法は、複雑な形状(アン
ダーカット、深絞り等)の製品が容易に成形できるこ
と、肉厚が均一にできること、材料の歩留まり率が良い
こと等の利点を有することから、近年、自動車の内装材
等を中心にした用途に広く利用されており、主に軟質の
ポリ塩化ビニル(以下PVCという)粉末がこのような
用途に使用されている。しかし、軟質化されたPVCは
低分子の可塑剤を多量に含有するため、長期間の使用に
おいて、可塑剤の揮発により車両のフロントガラス等に
油膜を形成(フォギング)して運転者の視認性を阻害し
たり、成形物表面への可塑剤の移行による艶消し効果や
ソフト感の消失、さらにはPVCの経時的劣化による黄
変の問題があった。このような問題点を改善するものと
して、ポリウレタン樹脂を使って所望の物性のものを得
ようとする試みが行われている(例えば特開平2−38
453号、特開平3−97712号公報)。特に自動車
の内装材等は、耐溶剤性および耐光性が要求されてお
り、これらの要求性能を満たすものとして、ウレタン樹
脂をブロックドイソシアネートで後架橋するポリウレタ
ン粉末が提案されている(例えば特開平5−23016
3号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウレタ
ン樹脂をブロックドイソシアネートで架橋するもので
は、成形時樹脂の溶融と同時に架橋による樹脂粘度の上
昇が起こるため、樹脂中に気泡がかみ込み、成形シート
の強度低下、外観不良(白化)、アンダーカット部やエ
ッジ部にピンホールが発生するという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち本発明は、粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A
1)の粒子表面が加水分解性シラン化合物(A2)で処
理されてなる表面変性ポリウレタン樹脂粉体(A)と、
一定温度で該(A2)中のシリル基の加水分解反応を促
進する触媒作用を発現する熱潜在性触媒(B)とからな
ることを特徴とする湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
物;該樹脂組成物と、可塑剤(C)、顔料(D)および
必要によりその他の添加剤とからなるスラッシュ成形用
樹脂組成物;並びに、上記樹脂組成物を加熱成形した
後、該成形物を湿気架橋させることを特徴とする成形方
法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる粉末状
熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1)は、高分子ポリオー
ル(a1)および必要により低分子活性水素含有化合物
(a2)からなる活性水素成分(a)とポリイソシアネ
ート(b)とから形成される。
【0006】上記高分子ポリオール(a1)としては、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、ポリマーポリオールおよびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。該(a1)の数平均分子量は通常
500〜5,000、好ましくは700〜3,000で
ある。
【0007】ポリエーテルポリオールとしては、2個の
活性水素原子を有する化合物(たとえば2価アルコール
類、2価フェノール類など)にアルキレンオキサイドが
付加した構造の化合物およびそれらの2種以上の混合物
が挙げられる。
【0008】上記2価アルコール類としてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアル
キレングリコール;環状基を有する2価アルコール(例
えば特公昭45−1474号公報明細書に記載のもの:
1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m
−またはp−キシリレングリコールなど)などが挙げら
れる。また、2価フェノール類としてはピロガロール、
ハイドロキノン、フロログルシンなどの単環多価フェノ
ール;ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェ
ノールFなどのビスフェノール類などが挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは2価アルコール類である。
【0009】上記アルキレンオキサイドとしては、エチ
レンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサ
イド(以下POと略記)、1,2−、1,3−、1,4
−もしくは2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキ
サイドおよびこれらの2種以上の併用(ブロックまたは
ランダム付加)が挙げられる。これらのうち好ましいも
のはPO単独およびEOとPOの併用である。
【0010】ポリエステルポリオールとしては、例えば
前記2価アルコールの1種以上とポリカルボン酸もし
くはそのエステル形成性誘導体の1種以上との縮合重合
による縮合ポリエステルポリオール;前記2価アルコ
ールを開始剤とするラクトンの開環重合によるポリラク
トンポリオール;およびこれらの2種以上の混合物が挙
げられる。
【0011】上記のポリカルボン酸の具体例として
は、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマ
ル酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソ
フタル酸など)、これらのジカルボン酸のエステル形成
性誘導体(酸無水物、アルキル基の炭素数が1〜4の低
級アルキルエステル等)およびこれらの2種以上の併用
が挙げられる。
【0012】上記のラクトンとしてはγ−ブチロラク
トン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよび
これらの2種以上の併用が挙げられる。
【0013】ポリエーテルエステルポリオールとして
は、例えば、前記ポリエーテルポリオールの1種以上と
前記ポリエステルポリオールの原料として例示したポリ
カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以
上とをエステル化反応して得られるもの、前記ポリエー
テルポリオールの1種以上にラクトンの1種以上を開環
付加させて得られるものなどが挙げられる。
【0014】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えばポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリテ
トラメチレンカーボネートジオールおよびこれらの2種
以上の併用が挙げられる。
【0015】ポリマーポリオールとしては、上記で挙げ
た高分子ポリオール中でビニル単量体(例えばスチレ
ン、アクリロニトリルなど)をラジカル重合開始剤の存
在下で重合し分散安定化させてなるポリオール(例えば
重合体含量5〜30重量%)が挙げられる。
【0016】上記高分子ポリオール(a1)のうち好ま
しいものは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポ
リオールおよびポリカーボネートポリオールである。
【0017】低分子活性水素含有化合物(a2)として
は低分子ポリオール(a2−1)、ポリアミン類もしく
はこれらのケチミン化合物(a2−2)、ならびに、重
合停止剤としてのモノアミン(a2−3)および1価ア
ルコール(a2−4)が挙げられる。
【0018】低分子ポリオール(a2−1)としては、
例えば前記ポリエーテルルポリオールの出発物質として
例示した2価アルコール類、これらのアルキレンオキサ
イド低モル付加物(分子量500未満)、ビスフェノー
ル類(ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェ
ノールFなど)のアルキレンオキサイド低モル付加物
(分子量500未満)およびこれらの2種以上の併用が
挙げられる。
【0019】ポリアミン類もしくはこれらのケチミン化
合物(a2−2)としては、ポリアミン、ポリアミドポ
リアミンなどのアミン類およびこれらのケチミン化合物
が挙げられる。
【0020】上記ポリアミンとしては、芳香族ジアミン
[フェニレンジアミン、トルエンジアミン、4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、m−またはp−キシリレン
ジアミン、ジエチルトルエンジアミン、2,4−または
2,6−ジメチルチオトルエンジアミン等];脂環式ジ
アミン[イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチルジシクロヘキシル、ジアミノシク
ロヘキサン等];脂肪族ジアミン[エチレンジアミン、
1,6−ヘキサメチレンジアミン等];アルカノールア
ミン誘導体[N−(2−アミノエチル)エタノールアミ
ン等];ヒドラジンもしくはその誘導体[アジピン酸ジ
ヒドラジド等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げ
られる。
【0021】ポリアミドポリアミンとしては、例えば、
ダイマー酸(重合脂肪酸)と過剰当量のエチレンジアミ
ンとの縮合反応物などが挙げられる。
【0022】ケチミン化合物としては上記ポリアミンと
ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等)との反応物が挙げられる。
【0023】これらのうち好ましいものは、脂肪族ジア
ミンのアセトンとのケチミン(アセチミン)化物および
脂環式ジアミンのアセチミン化物である。
【0024】重合停止剤として必要により用いられるモ
ノアミン(a2−3)としては、アルキル基の炭素数1
〜8のアルキルアミン(エチルアミン、ブチルアミン、
ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等)、アルカノ
ールアミン(モノエタノールアミン、ジプロパノールア
ミン、ジエタノールアミン等)などが挙げられる。
【0025】また、1価のアルコール(a2−4)とし
てはメタノール、エタノール、n−ブタノール、セロソ
ルブ;これらのアルキレンオキサイド付加物(分子量3
00未満);1価フェノール類(フェノール、クレゾー
ル等)のアルキレンオキサイド付加物(分子量400未
満)等が挙げられる。
【0026】ポリイソシアネート(b)としては、炭素
数(NCO基中の炭素を除く)2〜12の脂肪族ポリイ
ソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート
等];炭素数(NCO基中の炭素を除く)4〜15の脂
環式ポリイソシアート[イソホロンジイソシアネート、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキ
シレンジイソシアネート等];炭素数(NCO基中の炭
素を除く)8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート[キ
シリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート等];芳香族ジイ
ソシアネート[トリレンジイソシアネート、ジエチルベ
ンゼンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ナフチレンジイソシアネート等];これらのジ
イソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウレトジ
オン基、イソシアヌレート基、ビュレット基等を含有す
る変性物);およびこれらの2種以上の併用が挙げられ
る。
【0027】これら(b)として例示したもののうち好
ましいものは、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジ
イソシアネートであり、特に好ましいものはヘキサメチ
レンジイソシアネート(以下HDIと略記)、イソホロ
ンジイソシアネート(以下IPDIと略記)およびジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネートである。
【0028】粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1)
の製造方法としては、例えば、下記〜の方法が例示
できるが、これらに限定されるものではない。 無溶剤下または溶剤(トルエン、キシレン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン等)の
存在下で、ポリイソシアネート(b)に、高分子ポリオ
ール(a1)および必要により低分子ポリオール(a2
−1)を、NCO/OH当量比が通常0.8〜0.9
8、好ましくは0.85〜0.95で一括に重合反応さ
せた後、必要により溶剤を留去して得られるポリウレタ
ン樹脂を冷凍粉砕する方法。 無溶剤下または溶剤の存在下で、過剰の(b)に、
(a1)および必要により(a2−1)を反応させてイ
ソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(b1)と
し、該(b1)に、鎖伸長剤(a2−2)および/また
は(a2−1)と必要により重合停止剤(a2−3)お
よび/または(a2−4)を反応させた後、必要により
溶剤を留去して得られるポリウレタン樹脂を冷凍粉砕す
る方法。 無溶剤下または溶剤の存在下で得られたウレタンプレ
ポリマー(b1)を分散安定剤を含む水中に分散し、こ
の分散体に(a2−2)および/または(a2−1)と
必要により(a2−3)/または(a2−4)を加え、
鎖伸長反応させてポリウレタン樹脂の水性分散体とし、
これを乾燥する方法。 無溶剤下または溶剤の存在下で得られたウレタンプレ
ポリマー(b1)を分散安定剤を含む非水系分散媒(ヘ
キサン、ヘプタン等)中に分散し、この非水分散体に、
(a2−2)および/または(a2−1)と必要により
(a2−3)および/または(a2−4)を加え、鎖伸
長反応させてポリウレタン樹脂の非水分散体とし、これ
を乾燥する方法。 上記方法のうちでは、分子量制御が容易で溶剤の使用量
も少なく、しかも所望の粒子径の(A1)が直接得られ
る点からの方法が特に好ましい。
【0029】該(A1)の平均粒子径は10〜500μ
mであることが好ましく、50〜300μmであること
が更に好ましい。
【0030】該(A1)は、その分子末端および/また
は分子側鎖に、水酸基および/またはアミノ基を通常1
個以上、好ましくは2〜4個またはそれ以上有すること
が望ましい。該(A1)の分子中に水酸基および/また
はアミノ基を導入する方法は特に限定されないが、例え
ば下記の方法が例示できる。 (1)上記の方法で、水酸基を分子末端に有する(A
1)が得られる。 (2)上記〜の方法で、(a2−2)としてアルカ
ノールアミン誘導体[例えばN−(2−アミノエチル)
エタノールアミンもしくはそのケチミン化合物]を用い
ることにより水酸基を分子側鎖に有する(A1)が得ら
れる。 (3)上記〜の方法で、(a2−3)としてアルカ
ノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジプロパ
ノールアミン、ジエタノールアミン等)を用いることに
より水酸基を分子末端に有する(A1)が得られる。 (4)上記〜の方法で、(a2−2)として上記ア
ルカノールアミン誘導体を用い、(a2−3)として上
記アルカノールアミンを用いることにより水酸基を分子
側鎖と分子末端に有する(A1)が得られる。 (5)上記〜の方法で、イソシアネート基末端ウレ
タンプレポリマー(b1)のイソシアネート基に対して
過剰当量の(a2−2)を用いることにより、分子末端
にアミノ基を有する(A1)が得られる。
【0031】前記〜の方法においてウレタン化反応
を行う際に、必要によりポリウレタンに通常用いられる
触媒を使用できる。該触媒の具体例としては、例えば有
機金属化合物[ジブチルスズジラウレート、ジオクチル
スズラウレート等];アミン類[トリエチルアミン、ト
リエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等]お
よびこれらの2種以上の併用が挙げられる。触媒の使用
量は特に限定はないが、ポリウレタン樹脂またはイソシ
アネート基末端ウレタンプレポリマー(b1)100重
量部当たり通常0.001〜0.05重量部である。
【0032】上記またはの製造方法において用いら
れる分散安定剤は特に限定されないが、例えばポリビニ
ルアルコール;ポリオキシエチレン鎖含有ポリウレタ
ン、例えばポリネオペンチルアジペートジオール(数平
均分子量2,000)/IPDI/ポリエチレングリコ
ールのPOとEO(POとEOの割合は重量比で20/
80)共付加物(数平均分子量2,000)[1/1/
1モル]反応物;カルボキシル基含有ビニルポリマー
[例えばスチレン/メタクリル酸メチル/無水マレイン
酸共重合体(共重合モル比35/15/50)]のナト
リウム塩;セルロース誘導体、例えばメチルセルロー
ス;ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0033】上記またはの方法において使用される
分散機は特に限定されないが、例えば低速せん断型分散
機、高速せん断型分散機、摩擦型分散機、高圧ジェット
型分散機、超音波型分散機、静止型分散機等が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは高速せん断式分散機
(例えば、ヤマト科学製「ウルトラディスパーザー」、
荏原製作所製「エバラマイルダー」等)および静止型分
散機(例えば、タクミナ製「スタティックミキサー」
等)である。
【0034】前記〜の方法において、イソシアネー
ト(NCO)基末端ウレタンプレポリマー(b1)を製
造する際のNCO基とOH基の当量比[NCO/OH]
は通常1.01〜2.8、好ましくは1.3〜2.5で
ある。また、該(b1)中のNCO含量は通常1〜20
重量%、好ましくは2〜10重量%である。NCO含量
が20重量%を越えると、熱架橋性ポリウレタン樹脂組
成物から得られる成形物の柔軟性が低下する傾向とな
り、1重量%未満の場合は得られる(b1)の粘度が高
くなりすぎ、水中または非水系分散媒中への分散が困難
となる場合がある。
【0035】前記〜の方法において鎖伸長剤として
の(a2−2)および/または(a2/1)の使用量
は、プレポリマー(b1)中のNCO基1当量に対し、
通常0.5〜1.5当量、好ましくは0.7〜1.2当
量である。この範囲外では樹脂強度が不十分となること
がある。
【0036】また、重合停止剤としての(a2−3)お
よび/または(a2−4)の使用量は、(b1)中のN
CO基1当量に対し、通常0.5当量以下、好ましくは
0.3当量以下である。0.5当量を越えると樹脂強度
が低下する場合がある。
【0037】本発明で用いられる粉末状熱可塑性ポリウ
レタン樹脂(A1)の数平均分子量は、通常5,000
〜80,000、好ましくは10,000〜50,00
0である。5,000未満では良好な樹脂強度が得られ
ないことがあり、80,000を越えると組成物の熱溶
融性がシャープとならず、成形物の表面平滑性が不十分
となることがある。また、水酸基またはアミノ基1個あ
たりの分子量は、通常500〜10,000、好ましく
は800〜8,000、特に好ましくは1,000〜
5,000である。500未満では成形物の柔軟性が低
下する傾向となり、10,000を越えると成形物の耐
光性および耐溶剤性が不十分となることがある。
【0038】該(A1)中のイソシアネート基に基づく
ウレタン基(−NHCOO−)およびウレア基(−NH
CONH−)の合計の含有量は、通常3〜20重量%、
好ましくは5〜15重量%である。3重量%未満では充
分な樹脂強度が得られないことがあり、20重量%を越
えると架橋後の樹脂の柔軟性が低下する傾向となる。
【0039】本発明において用いられる加水分解性シラ
ン化合物(A2)としては、下記一般式(1) (X)m−Si−(OR)4-m (1) [式中、Xは、(メタ)アクリロキシ基、エポキシ基、
グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基およびイソシ
アネート基から選ばれる基を有していてもよい炭素数1
〜12の炭化水素基またはビニル基、Rは、炭素数1〜
4のアルキル基もしくはメトキシアルキル基〔但し、
(4−m)個の(OR)は同一でも異なっていてもよ
い。〕を表し、mは0、1または2である。]で示され
る化合物が挙げられる。該化合物の具体例としては、例
えば、無官能性シラン[テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシラン等];不飽和基官能性シラン[ビニルシラン
〔ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン
等〕、(メタ)アクリロキシシラン〔γ−(メタ)アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
等〕等];エポキシ官能性シラン[γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等];アミン官
能性シラン[N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン等];メルカプト官
能性シラン[γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
等];イソシアネート官能性シラン[γ−イソシアナト
プロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチ
ルジエトキシシラン等];およびこれら2種以上の混合
物が挙げられる。これらのうち好ましいものは、無官能
性シラン、エポキシ官能性シランおよびイソシアネート
官能性シランであり、特に好ましいものはジフェニルジ
メトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシア
ナトプロピルトリメトキシシランおよびγ−イソシアナ
トプロピルトリエトキシシランである。
【0040】表面変性ポウレタン樹脂粉末(A)中の該
加水分解性シラン化合物(A2)の含有量は、粉末状熱
可塑性ポリウレタン樹脂(A1)の重量に対して、通常
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%であ
る。
【0041】該(A1)の粒子表面(もしくはその近
傍)を該(A2)で処理する方法は特に限定されない
が、例えば下記の方法が例示できる。 (A2)を含有させた有機溶剤(例えばヘキサン、ヘ
プタン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等)と(A
1)を混合した後、有機溶剤を除去する方法。 粉体ブレンダー等を用いて(A1)を攪拌しながら
(A2)の有機溶剤溶液をスプレーして混合した後、有
機溶剤を除去する方法。 上記方法のうち、工業的見地から好ましいのはの方法
である。
【0042】本発明で用いられる熱潜在性触媒(B)
は、一定温度(通常70℃、好ましくは100℃)以上
に加熱することにより酸性触媒または塩基性触媒を再生
し、(A)中に存在する加水分解性シリル基の湿気によ
る加水分解反応(架橋反応)を促進する触媒として作用
するものである。該(B)としては、例えば、プロトン
酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩
基で中和した化合物、スルホン酸エステル類、リン酸エ
ステル類、アミンイミド化合物、各種オニウム化合物類
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0043】上記プロトン酸をルイス塩基で中和した化
合物としては、例えばハロゲノカルボン酸類(例えばモ
ノクロル酢酸など)、スルホン酸類(例えば下記のも
の)、硫酸モノアルキル(炭素数1〜12)エステル
類、リン酸モノもしくはジアルキル(炭素数1〜12)
エステル類(例えば下記のもの)、ホウ酸モノもしくは
ジアルキル(炭素数1〜12)エステル類等のプロトン
酸を、アミン類(アンモニア、トリエチルアミン、ピリ
ジン、アニリン、ピペリジン、モルホリン、モノエタノ
ールアミン等)、トリアルキルホスフィン、トリアリー
ルホスフィン、トリアルキル(炭素数1〜8)ホスファ
イト等のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
【0044】ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物と
しては、例えばBF3、FeCl3、SnCl3、AlC
3、ZnCl2等のルイス酸を、前記のルイス塩基で中
和した化合物などが挙げられる。
【0045】上記スルホン酸エステルとしては、例えば
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキル(炭
素数1〜12)ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸等のスルホン酸類と、エタノール、n−プロパノー
ル、n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの第
1級アルコール類、またはイソプロパノール、2−ブタ
ノールなどの第2級アルコール類とのエステル化物など
が挙げられる。
【0046】上記リン酸エステル類としては、例えばエ
タノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−エ
チルヘキサノールなどの第1級アルコール類、またはイ
ソプロパノール、2−ブタノールなどの第2級アルコー
ル類のリン酸モノおよびジエステル類が挙げられる。
【0047】アミンイミド化合物としては、たとえば下
記一般式(2) [式中、Qは水酸基を有していてもよい、炭素数1〜1
0のアルキル基またはアラルキル基、R1およびR2は同
一または異なる炭素数1〜10のアルキル基、Zは炭素
数2〜24の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖
を有する脂肪酸残基またはオキシ酸残基を表す。]で示
される化合物が挙げられ、具体例としては1,1,1,
−トリメチルアミンブチルイミド、1,1−ジメチル−
1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンエチルイミド、
1,1−ジブチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)ア
ミンオクチルイミド等が挙げられる。
【0048】オニウム化合物としては、例えば下記一般
式(3)〜(7) [R1 3NR3+・X- (3) [R1 3PR3+・X- (4) [R12OR3+・X- (5) [R12SR3+・X- (6) X-・[R12S−phSph−SR342+・X- (7) [式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜12の
アルキル基、アルケニル基、アリ−ル基、アルキルアリ
ール基またはシクロアルキル基(ただし、2個のR1
たはR1とR2が互いに結合してN,P,OもしくはSを
ヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。)、R3
びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、
アルケニル基、アリ−ル基、アルキルアリール基または
水素原子、phはフェニレン基、X-はSbF6 -、As
6 -、PF6 -またはBF4 -を表す。]で示されるアンモ
ニウム化合物、ホスホニウム化合物、オキソニウム化合
物およびスルホニウム化合物が挙げられる。アンモニウ
ム化合物としては、たとえばテトラメチルアンモニウム
・SbF6塩、トリメチルベンジルアンモニウム・PF6
塩、メチルトリエチルアンモニウム・BF4塩、メチル
エチルモルホリニウム・SbF6塩などが挙げられる。
ホスホニウム化合物としては、たとえばメチルトリブチ
ルホスホニウム・SbF6塩、メチルトリフェニルホス
ホニウム・AsF6塩、フェニルトリクレジルホスホニ
ウム・AsF6塩、テトラフェニルホスホニウム・BF4
塩などが挙げられる。オキソニウム化合物としては、例
えばトリエチルオキソニウム・BF4塩、メチルジフェ
ニルオキソニウム・PF6塩などが挙げられる。スルホ
ニウム化合物としては、例えばブチルジフェニルスルホ
ニウム・PF6塩、トリフェニルスルホニウム・SbF6
塩、フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム・S
bF6塩、4,4’−ビス(ジフェニルスルホニウム)
ジフェニルチオエーテル・PF6塩などが挙げられる。
【0049】上記に例示した触媒(B)は1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。これらのう
ち好ましいものは、上記一般式(6)および(7)で示
されるスルホニウム化合物のうちの、アニオン種として
SbF6 -またはPF6 -を有する芳香族スルホニウム塩で
あり、特に好ましいものは、一般式(7)で示されるジ
スルホニウム化合物のうちの、4,4’−ビス(ジフェ
ニルスルホニウム)ジフェニルチオエーテルのPF6
およびSbF6塩である。
【0050】該(B)の量は(A)と(B)の合計重量
に基づいて、通常0.01〜10重量%、好ましくは
0.05〜5重量%である。この範囲内とすることで成
形物を劣化させることなく十分な触媒作用を発現する。
【0051】本発明の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
物中に(B)を含有させる方法としては、例えば下記の
方法が例示できる。 触媒(B)を前記粉末状ポリウレタン樹脂(A1)の
製造における任意の段階で予め添加しておく方法。 粉体ブレンダー等で前記表面処理ポリウレタン樹脂粉
体(A)を攪拌しながら、(B)の有機溶剤溶液をスプ
レーして混合する方法。 前記(A1)の粒子表面を(A2)で処理するとき
に、該(A2)の有機溶剤溶液中に(B)を含有させて
おく方法。 上記方法のうちで好ましいのはおよびの方法であ
る。
【0052】本発明の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
物の平均粒子径は、通常10〜500μm、好ましくは
50〜300μmである。平均粒子径が10μm未満で
は粉体が帯電したり粉塵が発生し易く、500μmを越
えると粒子の溶融性が悪くなり成形物の外観が損なわれ
る傾向となる。なお、ここでいう平均粒子径は、例えば
プロセス用粒度分布計測システム「TSUB−TEC3
00」[日本鉱業(株)製]を用いて測定することがで
きる。
【0053】本発明の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
物の粉体と、可塑剤(C)および顔料(D)と、必要に
よりその他の添加剤(ブロッキング防止剤、離型剤等)
とからなる粉体混合物はスラッシュ成型用材料として好
適に用いられる。
【0054】上記可塑剤(C)としては、フタル酸エス
テル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];脂肪族
2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];トリメリッ
ト酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシ
ル、トリメリット酸トリオクチル等];燐酸エステル
[リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチ
ル、リン酸トリクレジール等];脂肪酸エステル[オレ
イン酸ブチル等];およびこれらの2種以上の混合物が
挙げられる。これらのうち好ましいのは、フタル酸エス
テルおよび燐酸エステルである。可塑剤の配合量は湿気
架橋性ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対し、通
常1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部である。
【0055】上記顔料(D)としては特に限定されず、
公知の有機顔料および/または無機顔料を使用すること
ができる。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性ア
ゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料
等が挙げられ、無機系顔料としては、クロム酸塩、フェ
ロシアン化合物、金属酸化物、硫化物セレン化合物、金
属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、金属粉
末、カーボンブラック等が挙げられる。顔料の配合量は
湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対
し、通常0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部
である。
【0056】上記ブロッキング防止剤としては特に限定
されず、公知の無機系ブロッキング防止剤または有機系
ブロッキング防止剤を使用することができる。無機系ブ
ロッキング防止剤としてはシリカ、タルク、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム等が挙げられ、有機系ブロッキング
防止剤としては粒子径10μm以下の熱硬化性樹脂(例
えば、熱硬化性ポリウレタン樹脂、グアナミン系樹脂、
エポキシ系樹脂等)および粒子径10μm以下の熱可塑
性樹脂[例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ(メ
タ)アクリレート樹脂等]が挙げられる。ブロッキング
防止剤の配合量は湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成物1
00重量部に対し、通常0.05〜2重量部である。
【0057】上記離型剤としては公知の離型剤が使用で
きる。該離型剤としては、例えばフッ素系離型剤(リン
酸フルオロアルキルエステル等)、シリコン系離型剤
(ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシ
ロキサン、カルボキシル変性ジメチルポリシロキサン
等)、脂肪酸エステル系離型剤[アルカン(炭素数11
〜24)酸アルケニル(炭素数6〜24)エステル
等]、リン酸エステル系離型剤(リン酸トリブチルエス
テル)等が挙げられる。離型剤の配合量は湿気架橋性ポ
リウレタン樹脂組成物100重量部に対し、通常0.0
5〜2重量部である。
【0058】本発明の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
物の粉体に上記添加剤等を配合する場合、公知の粉体混
合装置を使用することができる。該粉体混合装置の具体
例としては、高速剪断混合装置[三井鉱山(株)製「へ
ンシェルミキサー」、深江工業(株)製「ハイスピード
ミキサー」等]、低速混合装置[ホソカワミクロン
(株)製「ナウタミキサー」等]などが挙げられる。な
お、上記(C)、(D)および必要によりその他の添加
剤は、湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成物の粉体と混合
するのが好ましいが、これらの一部または全部を予め粉
末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1)の製造段階また
は樹脂組成物の製造段階における任意の段階で添加して
おいてもよい。
【0059】その他の添加剤としては、耐候性安定剤、
滑剤、耐熱安定剤、難燃剤等が挙げられる。
【0060】本発明の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
物は、粉体を溶融成形後、湿気存在下で養生することに
より架橋反応が進行して耐光性および耐溶剤性に優れた
成形物(または塗膜)を与えるものであり、通常、常温
常湿(例えば25℃、65%RH)でも約1週間程度の
養生で十分に表面架橋した成形物が得られるが、架橋速
度をさらに速める必要がある場合には、高温高湿下(例
えば60℃、90%RH)で養生するか、または、成形
後冷却されないうちにスチーム、湯水等で成形物の表面
を処理することで、より短時間で目的物を得ることが可
能である。
【0061】本発明の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
物は、耐候性、耐溶剤性、接着強度、樹脂強度等に優れ
た硬化物を与えるので、各種成形材料、熱溶融型接着剤
(例えば接着芯地用接着剤など)、粉体塗料等の用途に
使用することができ、特にスラッシュ成形用材料として
好適に用いることができる。
【0062】スラッシュ成形法は加熱された金型に前述
の粉体混合物を接触させてシートを形成させる方法であ
る。このときの金型温度は通常200〜240℃、接触
時間は通常数秒〜1分間程度である。金型中でシートを
形成した上に発泡材料(ポリウレタンフォーム材料等)
を注入して密着発泡させることにより、該シートを表皮
層とする最終的な成形品が得られる。該成形品は自動車
の各種内装材料、インテリア家具等に用いられる。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、部、%および比率はいずれも重量基準である。な
お、平均粒子径は日本鉱業(株)製「TSUB−TEC
300」を用いて測定した。
【0064】製造例1 撹拌棒を備えた反応容器に、ジイソデシルフタレート9
0部、カーボンブラック(HCFグレード)10部を仕
込み、均一になるまで混合した。得られた混合物を[着
色剤1]とする。
【0065】実施例1 撹拌棒と温度計を備えた反応容器に、ヒドロキシル価が
56のネオペンチルアジペートジオール2,200部を
投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間
脱水を行った。続いてIPDI488部を投入し、12
0℃で8時間反応を行い末端にイソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNC
O含量は3.4%であった。このプレポリマー195.
5部に、IPDAとアセトンのジケチミン化物17.5
部、ジエタノールアミン2.1部、および[着色剤1]
24部を加え25℃で均一に混合した後、1%濃度ポリ
ビニルアルコール水溶液1,200部を添加し、ウルト
ラデスパーザー(ヤマト科学製)を使用し、回転数6,
000rpmで1分間混合した。さらに3時間攪拌して
反応を完結させた後、濾別、乾燥を行して、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物の粉末(S1)を得た。該(S
1)209部をハイスピードミキサーで攪拌しながら、
これにジフェニルジメトキシシラン[信越化学工業
(株)製「KBM202」]9.8部、ジブチルスズジ
ラウレート0.1部および熱潜在性触媒[三新化学工業
(株)製「サンエイドSI−150L」]1部を酢酸エ
チル/n−ヘプタン(50/50)混合溶剤10部に溶
解した溶液をスプレーして加え、均一に混合した後、5
0℃で3時間乾燥して本発明の湿気架橋性ポリウレタン
樹脂組成物の着色粉末(P1)218部を得た。該(P
1)の平均粒子径は165μmであった。
【0066】実施例2 実施例1において、ジフェニルジメトキシシラン9.8
部に代えて、3−トリエトキシシリルプロピルイソシア
ネート[信越化学工業(株)製「KBE−9007」]
9.9部を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明
の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成物の着色粉末(P
2)219部を得た。該(P2)の平均粒子径は170
μmであった。
【0067】比較例1 実施例1と同様の反応容器に、ヒドロキシル価が56の
ネオペンチルアジペートジオール2,200部を投入し
3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を
行った。続いてIPDI488部を投入し、120℃で
8時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量
は3.4%であった。このプレポリマー195.5部
に、IPDAとアセトンのジケチミン化物17.5部、
ジエタノールアミン2.1部、HDIのイソシアヌレー
ト変性物のε−カプロラクタム付加体[旭化成工業
(株)製「デュラネートTPA−100」]11.2部
および[着色剤1]24部を加え25℃で均一に混合し
た後、1%濃度ポリビニルアルコール水溶液1,200
部を添加し、ウルトラデスパーザー(ヤマト科学製)を
使用し、回転数6,000rpmで1分間混合した。さ
らに3時間攪拌して反応を完結させた後、濾別、乾燥を
行い、比較のための熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物の
着色粉末(P3)244部を得た。この樹脂組成物の平
均粒子径は220μmであった。
【0068】性能試験例1 着色樹脂粉末(P1)〜(P3)を、それぞれ220℃
に加熱した金型に1分間接触させ熱溶融後未溶融の粉末
を除去し、室温中で1分間放置した後、水冷し成形シー
トを作成した。得られた成形シートを25℃、相対湿度
65%の雰囲気下で1週間放置した後、下記試験方法に
より性能試験を行った。その結果を表1に示す。 白化(外観);シート表面を目視判定した。 ピンホール;成形シートを光に透かして、ピンホールの
有無を目視判定した。 シート破断強度および破断伸び(25℃);JIS−K
6301に準じて測定した。 耐光性:ブラックパネル温度83℃のカーボンアークフ
ェドメーター内で400時間処理した後、成形品表面の
外観を目視判定した。。 耐溶剤性:成形シートに0.1mlのエタノールをスポ
イドで滴下し、25℃×10分、60℃×30分、25
℃×24時間保持後、シート表面を水でふき取った後、
表面状態を観察した。無変化の状態をを5級、損傷が著
しい状態を1級とした5段階評価で示した。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明の湿気架橋性ポリウレタン樹脂組
成物は、下記の効果を有する。 (1)スラッシュ成形用材料として用いた場合、成形時
は架橋構造を形成しないため溶融性に優れ、白化現象が
無く外観に優れ、ピンホール等の欠陥の無い強靭な成形
物が得られる。 (2)成形後、水分と接触することにより表面に架橋構
造を形成するため、得られる成形物は耐光性、耐溶剤性
等に優れる。 (3)70℃以上の高温に加熱しない限り架橋反応が進
行しないため、耐熱保存安定性に優れる。 上記効果を奏することから本発明の湿気架橋性ポリウレ
タン樹脂組成物は、自動車の内装材等のスラッシュ成形
用材料として特に有用であり、また接着芯地用接着剤等
のホットメルト接着剤ならびに粉体塗料としても有用で
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A
    1)の粒子表面が加水分解性シラン化合物(A2)で処
    理されてなる表面変性ポリウレタン樹脂粉体(A)と、
    一定温度で該(A2)中のシリル基の加水分解反応を促
    進する触媒作用を発現する熱潜在性触媒(B)とからな
    ることを特徴とする湿気架橋性ポリウレタン樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A1)が、水酸基および/またはアミ
    ノ基を分子中に1個以上有する熱可塑性ポリウレタン樹
    脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)が、プロトン酸もしくはルイス酸
    をルイス塩基で中和した化合物、スルホン酸エステル
    類、リン酸エステル類、アミンイミド化合物およびオニ
    ウム化合物からなる群から選ばれる1種以上である請求
    項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)の含有量が、(A)と(B)の合
    計重量に基づいて0.01〜10重量%である請求項1
    〜3のいずれか記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 平均粒径が10〜500μmの粉体であ
    る請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物
    と、可塑剤(C)、顔料(D)および必要によりその他
    の添加剤とからなるスラッシュ成形用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載の樹脂組成物
    を加熱成形した後、該成形物を湿気架橋させることを特
    徴とする成形方法。
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