JPH1160939A - ポリウレタン水性分散液およびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン水性分散液およびその製造方法

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JPH1160939A
JPH1160939A JP9221500A JP22150097A JPH1160939A JP H1160939 A JPH1160939 A JP H1160939A JP 9221500 A JP9221500 A JP 9221500A JP 22150097 A JP22150097 A JP 22150097A JP H1160939 A JPH1160939 A JP H1160939A
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JP
Japan
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polyurethane
dispersion
prepolymer
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water
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JP9221500A
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English (en)
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Osamu Futakuchi
治 二口
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Nippon NSC Ltd
Original Assignee
Nippon NSC Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非イオン性ポリウレタン水性分散液をシラン
カプッリング剤で変性させながらも、乳化分散時にゲル
化しにくく、経日で分散液が沈降や増粘しにくい、品質
的に安定なポリウレタン水性分散液を得ること。 【解決手段】 加水分解にてシラノール基生成可能な官
能基を有し、親水性骨格としてオキシエチレン単位を有
するポリオキシアルキレン骨格を含有するポリウレタン
成分を水に分散させたポリウレタン水性分散液であっ
て、前記ポリウレタン成分にアルカノールアミンを反応
させて得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン水性
分散液、あるいは、そのポリウレタン水性分散液を製造
する技術に関する。このようなポリウレタン水性分散液
は、ガラス繊維を主とする各種基材への密着性に優れる
ため、例えば、接着増進剤、塗料、フィルム形成要素、
接着剤等の分野に汎用されるものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は、耐摩耗性、耐水性
および耐溶剤性に優れることや、そのフィルムの特性を
生かし広範囲の分野で使用されており、織布、不織布、
革、紙、木材、金属、陶磁器、石、コンクリート、無機
繊維等をコーティングし、あるいは、含浸することによ
り、これら材料の帯電防止加工、防しわ加工等の効果を
発揮することが期待されるものである。この様なポリウ
レタンは従来より溶剤に溶かした溶剤系のものが主であ
る。しかしながら、近年有機溶剤の大気中への飛散とい
う様な環境問題が指摘されている。また作業環境の改善
という点からもこうした溶剤系のポリウレタンの代替が
望まれている。
【0003】この様な背景の中で、水性ポリウレタン樹
脂分散液が産業上、非常に有用なものとして着目されつ
つある。
【0004】水性ポリウレタン樹脂分散液の製造方法
は、大別すると親水性成分をポリマー骨格中に導入した
自己乳化法と疎水性のポリウレタンを乳化剤の存在下、
高剪断力のもと乳化分散する強制乳化法がある。自己乳
化法で得られるポリウレタン水性分散液は、比較的、分
散液の粒子径が小さくなり、放置安定性が良好である。
一方、非イオン性の乳化剤の存在下、強制乳化法によっ
て得られたポリウレタン水性分散液は、剪断等に対する
機械的安定性に優れるが、粒子径が大きくなり、経日で
沈降するなど放置安定性に劣るという問題点を有してい
る。
【0005】経日安定性という点で、自己乳化法によっ
て製造されるポリウレタン水性分散液に着目すると、主
として、接着剤や塗料等の分野で使用され、親水性成分
としてアニオン性やカチオン性の官能基を導入したもの
が知られている。しかしながら、このようなポリウレタ
ン水性分散液は、優れた耐水性や基材密着性を示すが、
水性分散物の機械的安定性や添加物に対する配合安定性
などに劣るという欠点を有することも知られている。
【0006】そこで、特に有用であると考えられている
ものが、非イオン性のポリウレタン水性分散液である。
これは、先述のものに比べ、機械的安定性や、添加剤な
どの配合安定性に優れ、繊維加工やガラス繊維や炭素繊
維などの集束剤の分野で使用されている。
【0007】ところが、非イオン性のポリウレタン水性
分散液といえども、溶剤系のものにくらべると、耐水
性、耐溶剤性、基剤密着性等の点で劣り、性能的に満足
のいくものが少ないというのが現状である。これらの問
題点を改良するために、いわゆるシランカップリング剤
によって、ポリウレタン水性分散液に、加水分解してシ
ラノール基を生成可能な官能基を導入することにより、
そのポリウレタン成分を改質(変性)し、特に耐水性を
向上させる技術が開発されつつある。例えば、特開昭5
1−90391では、カルボキシル基を有するアニオン
性ポリウレタン水性分散液をシランカップリング剤によ
って変性する技術および、なめし皮、織物布、不織布、
ガラス、ガラス繊維、木材、アルミニウム等への応用を
開示している。また、特公平5−7407では、少なく
とも2個のイソシアネート反応性基を有するシランカッ
プリング剤によって、自己乳化型、強制乳化型、アニオ
ン性、非イオン性、カチオン性等のポリウレタン水性分
散液をシランカップリング剤で変性する技術を開示し、
ガラス繊維等の無機材料表面との密着性の改良を図って
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のポリウ
レタン改質技術によっても、変性されたポリウレタン水
性分散液は、耐水性、耐溶剤性、基剤密着性等に優れた
性能を示すが、いくつかの問題点も有している。イオン
性ポリウレタン水性分散液は、イオン性を付与するため
に、中和剤を用いる場合が多く、この中和剤は、分散液
のpHを酸性もしくはアルカリ性にする傾向がある。ま
た、シランカップリング剤の反応(特に加水分解を伴い
シラノール基を経由する反応)は、系のpHに影響され
るため、イオン性のポリウレタン水性分散液が貯蔵して
いる間に、粒子内部でのシランカップリング剤の反応に
より活性が低下するために、ガラス繊維などの無機材料
に塗布した場合において、十分な密着性を達成できにく
いという問題点がある。
【0009】この問題点に対しては、分散液のpHを制
御することにより、シランカップリング剤の活性を維持
する方法が有効であると考えられる。そこで、非イオン
性のポリウレタン水性分散液を採用することによって、
分散液のpHを調整容易にすることができ、このような
シランカップリング剤の活性を制御できるものと期待で
きる。すなわち、シランカップリング材の活性を十分維
持することによって、ガラス繊維を主とする無機材料と
の反応を十分行わせ、その結合を強固なものとし、密着
性を向上させることができると考えられるのである。し
かしながら、非イオン性のポリウレタン水性分散液をシ
ランカップリング剤によって変性する技術については、
そのポリウレタン成分が乳化分散時にゲル化したり、経
日でポリウレタン水性分散液が沈降したり、粘度が増し
たりするなどの、新たな問題点を派生することが指摘さ
れている。
【0010】従って、本発明の目的は、上述の問題点に
鑑み、非イオン性ポリウレタン水性分散液をシランカプ
ッリング剤で変性させながらも、乳化分散時にゲル化し
にくく、経日で分散液が沈降や増粘しにくい、品質的に
安定なポリウレタン水性分散液を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕この目的を達成するための本発明のポリウレ
タン水性分散液の構成は、加水分解にてシラノール基を
生成可能な官能基を有し、親水性骨格としてオキシエチ
レン単位を有するポリオキシアルキレン骨格を含有する
ポリウレタン成分を水に分散させたポリウレタン水性分
散液であって、前記ポリウレタン成分にアルカノールア
ミンを反応させて得られる点にあり、前記ポリウレタン
成分がポリオキシアルキレン骨格を10〜30重量%含
有するものであることが好ましく、前記ポリオキシアル
キレン骨格を、平均分子量が400〜25000のポリ
オキシエチレングリコールから形成させることが好まし
く、前記アルカノールアミンが、ジエタノールアミンお
よびエタノールアミンから選ばれる少なくとも一種のも
のを含むものが好ましい。また、本発明のポリウレタン
水性分散液の製造方法の要旨は、ポリオキシエチレン鎖
を含有するイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマ
ーを合成するプレポリマー合成工程、および、そのポリ
ウレタンプレポリマー水中に分散させる乳化工程を含む
ポリウレタン水性分散液の製造方法であって、前記ポリ
ウレタンプレポリマーに対して、加水分解にてシラノー
ル基生成可能な官能基を有する有機シラン化合物を反応
させるシリル化工程、および、前記ポリウレタンプレポ
リマーにアルカノールアミンを反応させるアミノ化工程
を含む点にあり、反応工程の順序は適宜変更してもよ
く、具体的には、前記アミノ化工程を、乳化工程および
又はプレポリマー合成工程とともに行ってもよく、前記
シリル化工程を、乳化工程および又はプレポリマー合成
工程とともに行ってもよい。
【0012】また、本発明にいう「活性水素」とは、イ
ソシアネートと反応可能な水素原子、酸素原子、窒素原
子、硫黄原子等に結合した水素原子を指し、水酸基、ア
ミノ基、イミノ基、メルカプト基等に含まれる水素原子
が代表例として挙げられる。
【0013】〔作用効果〕本発明者らは、鋭意研究の結
果、ポリウレタン水性分散液を製造するに当たって、ポ
リウレタン成分を有機シラン化合物で変性し、かつ、ア
ルカノールアミンを、そのポリウレタン成分に作用させ
ておけば、前記有機シラン化合物による経日安定性に関
する問題点を解消することができ、しかも、前記有機シ
ラン化合物を用いた場合の基材に対する密着性を損ない
にくいという新知見を得た。
【0014】このような現象は、以下のように説明する
ことが出来る。少なくとも1個のイソシアネート反応性
基を有する有機シラン化合物をポリウレタン成分に反応
させた場合には、乳化分散時に、その有機シランがポリ
ウレタン成分の水との親和性を阻害するため、ゲル化を
起こさせてしまうなどの問題点を生じやすくなる。とこ
ろが、アルカノールアミンが前記ポリウレタン成分の水
との親和性を助長して、水中への分散性を高める効果を
発揮するのである。このとき、前記アルカノールアミン
は、前記有機シラン化合物のうち、加水分解にてシラノ
ール基生成可能な官能基に対して悪影響を及ぼさないた
め、前記加水分解してシラノール基生成可能な官能基
が、基材表面に対して結合する反応を生起しやすく維持
して高い密着性を発揮させやすくする。また、ポリウレ
タン成分どうしの結合に関しても、シラノール基を生成
する反応はシラノール基同士が縮合する反応と同様の工
程をたどるものであるから、このようなポリウレタン水
性分散液を基材表面に対して薄膜状に形成するような場
合に薄膜の高分子化が進み、より耐水性の高いポリウレ
タン重合物を生成可能になる。
【0015】本発明にのポリウレタンを製造する際に
は、『機能性ポリウレタン((株)シーエムシー)』や
『ポリウレタンの合成・配合と機能化・用途展開(技術
情報協会)』に記載されている様な当業者で公知のポリ
イソシアネートおよびポリオールを用いることができ
る。
【0016】代表的なポリイソシアネートとしては例え
ば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ナフチンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシア
ネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート、イソプロピリンデンビス(4−
シクロへキシルイソシアネート)、水添キシリレンジイ
ソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリ
ジンジイソシアネートの如きジイソシアンート類および
これらのジイソシアネートを用いたアダクト変性体、ビ
ュレット変性体、アロハネート誘導体等を併用しても良
い。
【0017】本発明のポリウレタンを製造する際に用い
られるポリオール類も、『機能性ポリウレタン((株)
シーエムシー)』や『ポリウレタンの合成・配合と機能
化・用途展開(技術情報協会)』に記載されている様
な、当業者で公知のポリエーテルポリオール、ポリエス
テルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリブ
タジエン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、
難燃化ポリオール等が挙げられる。
【0018】代表的なポリエーテルポリオールとしては
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、ソルビトール、しょ糖、ア
コニット糖、トリメット酸、ヘミリット酸、燐酸、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパ
ノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、
ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオ
ール等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の
少なくとも1種以上を開始剤として、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフ
ラン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種または2種
以上を常法により付加重合したものが挙げられる。
【0019】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブダンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、ビスフェノールA等のグリコール成分とコハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドテカンジカ
ルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,
4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル
酸、ビフェニルジカルボン酸等の酸性分との脱水縮合反
応によって得られるポリエステルポリオールおよびこれ
らの共重合ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0020】ポリウレタンを合成する際に用いられるこ
れらのポリオール類の平均分子量は、300〜500
0、好ましくは300〜2000である。またこれらの
高分子量タイプのポリオールと共に比較的低分子量のポ
リオール類を併用することができ、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサメチレンジオール、ネオペンチルグ
リコール、、ビスフェノールA、トリメチロールプロパ
ン、N−メチルジエタノールアミン、グリセロールモノ
メタクリレート、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロ
ール酪酸等を挙げることができる。
【0021】また、本発明の親水性成分として用いられ
るポリエチレングリコールは、その平均分子量が400
〜25000、好ましくは400〜12000である。
また、ポリウレタン水性分散液の高温安定性が必要な場
合には、ポリエチレングリコールの平均分子量が少なく
とも4000以上であることが好ましい。ポリエチレン
グリコールは、乳化分散させる前のイソシアネート末端
プレポリマー中に10−30重量部含有されることが望
ましい。10重量部未満であると、分散液の粒子径が大
きくなり、分散液の放置安定性が不良となりやすく、ま
た30重量部以上であると、プレポリマーの親水性が高
くなりすぎるために、乳化分散が困難になり、また分散
液の粘度が非常に高くなり作業性が悪化しやすいからで
ある。
【0022】プレポリマーを合成する際には、『機能性
ポリウレタン (株)シーエムシー』や『ポリウレタンの
合成・配合と機能化・用途展開(技術情報協会)』に記
載されているような当業者において公知の触媒や溶剤を
用いることができる。
【0023】触媒としては、例えば、トリエチルアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロ
パンジアミン、1,4−ジアザ[2,2,2]ビシクロ
オクタン、ジブチル錫ジラウレート、錫オクテートなど
を挙げることができる。また、合成の際にまたは、乳化
分散する際にプレポリマーに配合する溶剤としては、ア
セトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルホルムアミド等活性水素を含まない親水性溶剤を使用
することができる。またこれらの溶剤を最終的に分散液
より回収し、無溶剤型の分散液とすることも任意であ
る。
【0024】本発明のイソシアネート末端プレポリマー
を製造するためには、イソシアネートと活性水素の比
が、NCO/活性水素当量比が1より大きい値、好まし
くは、1.2〜2.5となるようにし、本反応は50〜
200℃、好ましくは、50〜150℃の範囲で行われ
る。
【0025】またプレポリマーを乳化分散する際には、
乳化分散を補助するために当業者で公知の非イオン性界
面活性剤を用いても良く、例えば、ポリオキシエチレン
・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これら
のものは、プレポリマーに直接添加しても良いし、水溶
液として用いても良い。
【0026】本発明で使用されるアルカノールアミンと
しては、例えば、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタ
ノール、3−アミノプロパノール、2−アミノプロパノ
ール、ジエタノールアミノプロピルアミン、ジエタノー
ルアミン、エタノールアミン、2−ピペリジンエタノー
ル、4−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシエトキ
シエチルピペラジン、3−ヒドロキシピロリジン等の分
子内に少なくとも一つのヒドロキシ基と一つのアミノ基
を有する化合物を挙げることができる。尚、アルカノー
ルアミンの使用量が多すぎる場合には、鎖長延長反応の
停止剤となり、ポリウレタンの分子量低下に伴う、フィ
ルム物性の低下、タックの発生といった問題点を生じる
おそれがあるために、ポリウレタン成分に対するアルカ
ノールアミンの使用量は、プレポリマー末端の活性なイ
ソシアネート基を0.5当量以下封鎖する程度が望まし
い。
【0027】また、本発明では、化1で示す様なイソシ
アネート反応性基を有するアルコキシシラン誘導体を用
いることができる。
【0028】
【化1】
【0029】ここで、R1、R2はアルキル基であり、
好ましくはR1は、炭素数が1から2のアルキル基、R
2はメチル基が挙げられる。また、R3はアルキレン残
基であり、好ましくは炭素数が1から3のアルキレン残
基が挙げられる。R4は、イソシアネート反応性基であ
る。また、aおよびcは1から3までの整数でa+b+
c=4である。イソシアネート反応性基であるR4とし
ては、アミノ基、水酸基、メルカプト基、グリシジル基
等が挙げられる。
【0030】この有機シラン化合物としては、例えば、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニ
ルアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロ
ピル)アミン等が挙げられる。なかでも、1 個のイソシ
アネート反応性基を有するアルコキシシラン誘導体が好
ましく、γーアミノプロピルトリメトキシシラン、γー
アミノプロピルトリエトキシシラン、γーフェニルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0031】また、少なくとも2個のイソシアネート反
応性基を有する有機シラン化合物は、ポリウレタンを調
製する際に、鎖長延長剤として働くために、ある含有量
を超すと、鎖長延長反応時にゲル化する傾向にある。従
って、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有す
る有機シラン化合物を用いる場合には、実質的にゲル化
しない範囲の量を使用することが好ましい。
【0032】尚、本発明で用いられる鎖長延長剤として
は、例えば、水、エチレンジアミン、1,2−ジアミノ
プロパン、1,3−ジアミノプロパン、エチルアミノエ
チルアミン、メチルアミノプロピルアミン、2−ヒドロ
キシルアミノプロピルアミン、1,3−ビス−(3−ア
ミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,4
−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン、
ピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、ヒドラジ
ン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、マレ
イン酸ジヒドラジド、およびジエチレントリアミン、ジ
プロピレントリアミン等の分子内に活性水素基を少なく
とも2以上有するような化合物の少なくとも1種以上を
用いることができる。
【0033】また、ポリウレタンプレポリマーに有機シ
ラン化合物およびアルカノールアミンを反応させる手順
は、特に上述のものに限るものではなく、無水条件で3
者を反応させたのち水中に分散させてもよいし、無水条
件でポリウレタンプレポリマーに有機シラン化合物およ
びアルカノールアミンから選ばれる少なくとも一方を反
応させ、これを水中に分散させる工程で他方を反応させ
ても良く、ポリウレタンプレポリマーに、有機シラン化
合物およびアルカノールアミンを、同時に水中で反応さ
せてもよい。また、有機シラン化合物およびアルカノー
ルアミンを、無水条件下、および、水への乳化分散条件
下の両工程に分けて2段階あるいはそれ以上の段階に分
けて行ってもよい。また、本発明は、各工程において、
各反応剤以外に、鎖長延長剤、乳化剤等、他の反応剤を
用いることを妨げるものではない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に実施例によって本発明をさ
らに説明するが、これらの実施例は本発明を限定するも
のではない。
【0035】(1) ポリエチレングリコールおよびポ
リプロピレングリコールに対して、イソホロンジイソシ
アネートを触媒としてのジブチルチンジラウレート存在
下反応させ、プレポリマーを得る。このプレポリマーを
冷却した後、アルカノールアミンとしてジエタノールア
ミン2.63g、乳化剤をアミノシランA1100とと
もに水に溶かした水溶液を加えて乳化分散させる。さら
に、ピペラジン水溶液を加え、鎖長延長反応を行うと良
好な分散液が得られた。
【0036】(2) ポリエチレングリコールおよびポ
リプロピレングリコールに対してイソホロンジイソシア
ネートを触媒としてのジブチルチンジラウレート存在下
反応させ、プレポリマーを得る。このプレポリマーを冷
却し、アミノシランA1100を反応させる。その後、
アルカノールアミンとしてのジエタノールアミン2.6
3gと乳化剤とを水に溶かした水溶液を加えて乳化分散
させる。さらに、ピペラジン水溶液を加え、鎖長延長反
応を行うと良好な分散液が得られた。
【0037】尚、乳化分散には、高速回転可能なホモジ
ナイザー(特殊機化工業製ホモミキサー)を用いた。乳
化分散の方法としては、ホモジナイザーを用いる以外
に、サンドミル、超音波分散機等を用いることが出来
る。
【0038】
【実施例】以下にさらに具体的な実施例を示す。 (実施例1)ポリエチレングリコール(平均分子量75
00)49.7g、ポリプロピレングリコール(平均分
子量700)170.4gを温度計、窒素封入管、冷却
管、攪拌機を備えた4つ口フラスコに仕込み80℃に保
った。その後、イソホロンジイソシアネート111gと
ジブチル錫ジラウレート0.02gを加え80℃で3時
間反応を行った。このプレポリマーを冷却した後、ジエ
タノールアミン2.63g、エマルジット100を2
0.93gおよび5.53gのアミノシランA1100
を482.4gの水に溶かした水溶液を加えて乳化分散
した後、ピペラジン・6水和物31.56gを250g
の水に溶かした水溶液を加え、鎖長延長反応を行った。
得られた分散液は、固形分32.5wt%、粘度223
cps、pH=6.54 の良好な分散液であった。尚、このよ
うにして得られたポリウレタンプレポリマーは、ポリオ
キシアルキレン骨格を14%含有するものであった。
【0039】(実施例2)ポリエチレングリコール(平
均分子量7500)49.7g、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量700)170.4gを温度計、窒素
封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フラスコに仕込
み80℃に保った。その後、イソホロンジイソシアネー
ト111gとジブチル錫ジラウレート0.02gを加
え、80℃で3時間反応を行った。このプレポリマーを
65℃まで冷却し、アミノシランA1100を22.1
3g加え、冷却した。次に、ジエタノールアミン2.6
3gとエマルジット100を22.0gを441gの水
に溶かした水溶液を加えて乳化分散を行った。その後、
ピペラジン・6水和物24.28gを358gの水に溶
かした水溶液を加え、鎖長延長反応を行った。固形分3
2.0%で粘度33cps、pH=6.04 の良好な分散液が
得られた。
【0040】(実施例3)ポリエチレングリコール(平
均分子量7500)49.7g、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量700)152.9g、ジメチロール
プロピオン酸3.35gを温度計、窒素封入管、冷却
管、攪拌機を備えた4つ口フラスコに仕込み80℃に保
った。その後、イソホロンジイソシアネート111gと
ジブチル錫ジラウレート0.02gを加え、80℃で3
時間反応を行った。次に後プレポリマーを65℃まで冷
却し、22.13gのアミノシランA1100をプレポ
リマーに添加し、冷却した。このプレポリマーをジエタ
ノールアミン2.63gと21.14gのエマルジット
100を435.6gの水に溶かした水溶液によって乳
化分散した。その後、24.28gのピペラジン・6水
和物を350gの水に溶かした水溶液を加え、鎖長延長
反応を行った。得られた分散液の固形分は30.5%
で、粘度は113cps、pH=5.7であった。
【0041】(実施例4)ポリエチレングリコール(平
均分子量7500)49.7g、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量700)170.4gを温度計、窒素
封入管、冷却管、攪拌機を備えたフラスコに仕込み、8
0℃に保った。その後、イソホロンジイソシアネート1
11gとジブチル錫ジラウレート0.02gを加え、8
0℃で3時間合成した。その後、プレポリマーを冷却
し、2.63gのジエタノールアミンと21.14gの
エマルジット100を432.4gの水に溶かした水溶
液を加えて乳化分散を行った。次いで、29.13gの
ピペラジン・6水和物および5.55gのアミノシラン
A1122を350gの水に溶かした水溶液を加え、鎖
長延長反応を行った。得られた分散液は、固形分31.
2%で粘度91cps、pH=6.55の良好な分散液
であった。
【0042】(実施例5)1,4−ブタンジオールアジ
ペート(平均分子量1000)193.4g、ポリエチ
レングリコール(平均分子量7500)49.8gを温
度計、窒素封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フラ
スコに仕込み、80℃に保った。その後、イソホロンジ
イソシアネート88.8gおよびジブチル錫ジラウレー
ト0.02gを仕込み80℃で3時間プレポリマーを合
成した。次に、プレポリマーを冷却し65℃で17.7
gのアミノシランA1100を69.9gのN,N−ジ
メチルホルムアミドに溶かした溶液を加え、均一攪拌を
行った後冷却した。このプレポリマーに2.1gのジエ
タノールアミン、21.62gのエマルジット100を
342gの水に溶かした水溶液を加え乳化分散を行なっ
た。その後、ピペラジン6 水和物19.42gを溶かし
た水溶液を加え鎖長延長反応を行なった。濃度33.8
%、粘度198cps、pH=6.18の良好な分散液
が得られた。
【0043】(実施例6)1,4−ブタンジオール、ア
ジピン酸からなる平均分子量1000のポリエステルポ
リオール193.4g、ポリエチレングリコール(平均
分子量7500)49.8gを温度計、窒素封入管、冷
却管、攪拌機を備えたフラスコに仕込み80℃に保っ
た。その後、イソホロンジイソシアネート88.8gと
ジブチル錫ジラウレート0.02gを加え、80℃で3
時間反応した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド
66.4gをプレポリマーに添加し、冷却した。2.1
0gのジエタノールアミンと20.94gのエマルジッ
ト100を339.8gの水に溶かした水溶液を加えて
乳化分散を行った。次に、23.31gのピペラジン・
6水和物と4.44gのアミノシランA1122を36
6.6g の水に溶かした水溶液を添加し、鎖長延長反応
を行った。固形分32.4%、粘度966cps、pH
=7.13の良好な分散液が得られた。
【0044】(比較例1)実施例1におけるジエタノー
ルアミンを使用しないこと以外はすべて同じ方法を繰返
した、すなわちポリエチレングリコール(平均分子量7
500)49.7g、ポリプロピレングリコール(平均
分子量700)170.4gを温度計、窒素封入管、冷
却管、攪拌機を備えた4つ口フラスコに仕込み80℃に
保った。その後イソホロンジイソシアネート111gと
ジブチル錫ジラウレート0.02gを加え80℃で3時
間反応を行った。このプレポリマーを冷却し、5.53
gのアミノシランA1100と21.1gのエマルジッ
ト100を482.4gの水に溶かした水溶液を加え
て、乳化分散するために攪拌を行った。分散液は乳化中
にゲル化した。
【0045】(比較例2)実施例5におけるジエタノー
ルアミンを使用しないこと以外はすべて同じ方法を繰返
した。すなわち、1,4−ブタンジオールアジペート
(平均分子量1000)193.4g、ポリエチレング
リコール(平均分子量7500)49.8gを温度計、
窒素封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フラスコに
仕込み、80℃に保った。その後、イソホロンジイソシ
アネート88.8gとジブチル錫ジラウレート0.02
gを仕込み、80℃3 時間プレポリマーを合成した。そ
の後、アミノシランA1100を17.7gおよびN,
N−ジメチルホルムアミド69.9gを加え、プレポリ
マーを均一攪拌し、冷却した。21.56gのエマルジ
ット100を401gの水に溶かした水溶液で乳化分散
を行なった。次いで、21.37gのピペラジン・6水
和物を250gの水に溶かした水溶液を加えて鎖長延長
反応を行なった。濃度32.6%、粘度6,200cp
s/30℃、pH=6.41の良好なポリウレタン水性
分散液ができたが、この分散液は、2週間後にはゲル化
した。
【0046】(比較例3)実施例6におけるジエタノー
ルアミンを使用しないこと以外はすべて同じ方法を繰返
した。すなわち、1,4−ブタンジオールアジぺート
(平均分子量1000)193.4gおよびポリエチレ
ングリコール(平均分子量7500)49.8gを温度
計、窒素封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フラス
コに仕込み、80℃に保った。その後イソホロンジイソ
シアネート88.8gとジブチル錫ジラウレート0.0
2gを加え、80℃で3時間反応を行なった。さらに、
66.4gのN,N−ジメチルホルムアミドを加え均一
攪拌を行なった後に冷却した。20.86gのエマルジ
ット100を339.8gの水に溶かした水溶液をプレ
ポリマーに加えて乳化分散を行なった。次に、25.2
5gのピペラジン6水和物および4.44gのA112
2を374gの水に溶かした水溶液を加え、鎖長延長反
応を行なっが、この分散液は鎖長延長反応中にゲル化し
た。
【0047】(比較例4)1,4−ブタンジオールアジ
ペート(平均分子量1000)193.4g、ポリエチ
レングリコール(平均分子量7500)49.8gを温
度計、窒素封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フラ
スコに仕込み80℃に保った。その後、イソホロンジイ
ソシアネート111gとジブチル錫ジラウレート0.0
2gを加え、80℃で3時間反応を行なった。N,N−
ジメチルホルムアミド66.4gをプレポリマーに添加
した後、均一攪拌を行い55℃まで冷却を行なった。2
0.86gのエマルジット100を溶かした水溶液36
0.66gを加えて、乳化分散を行なった。次いでピペ
ラジン6 水和物25.25gを溶かし水溶液259.2
5gおよび4.44gのアミノシランA1122を溶か
した水溶液144.44gを加え、鎖長延長反応を行な
った。水性分散物は鎖長延長反応中にゲル化した。
【0048】(比較例5)ビスフェノール変性ポリプロ
ピレングリコール(平均分子量400)50gとポリプ
ロピレングリコール(平均分子量2000)100gを
温度計、窒素封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フ
ラスコに仕込み80℃に保った。その後、イソホロンジ
イソシアネート111gとジブチル錫ジラウレート0.
02gを加え、80℃3時間プレポリマーを合成した。
次いで、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドブ
ロック共重合体である非イオン性の乳化剤28.3gと
トルエン56.6gを加えて、約30分攪拌し冷却した
後、22.1gのアミノシランA1100を加えた。プ
レポリマーを激しく攪拌しながら、水147.1gを加
え、乳化分散を行った。さらに、ピペラジン・6水和物
43.7gを360.4gの水に溶かした水溶液を加え
て鎖長延長反応を行った。得られた分散液は、固形分3
6.3%で粘度2720cpsであった。この分散液は
経日で増粘し、約1ヶ月後にゲル化した。
【0049】(比較例6)実施例1および2におけるア
ミノシランA1100を使用する事以外はすべて同じ方
法を繰返した。すなわち、ポリエチレングリコール(平
均分子量7500)49.7g、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量700)170.4gを温度計、窒素
封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フラスコに仕込
み、80℃に保った。その後、イソホロンジイソシアネ
ート111gとジブチル錫ジラウレート0.02gを加
え、80℃で3時間反応を行なった。次に、このプレポ
リマーを冷却した後、ジエタノールアミン2.63g、
20.93gのエマルジット100を482.4gの水
に溶かした水溶液を加え、乳化分散を行なった。さら
に、ピペラジン6水和物33.99gを250gの水に
溶かした水溶液を加え鎖長延長反応を行なった。濃度3
2.4%、粘度90cps、pH=6.1の良好な分散
液が得られた。
【0050】(比較例7)実施例5におけるアミノシラ
ンA1100を使用する事以外はすべて同じ方法を繰返
した。すなわち、1,4−ブタンジオールアジペート
(平均分子量1000)193.4g、ポリエチレング
リコール(平均分子量7500)49.8gを温度計、
窒素封入管、冷却管、攪拌機を備えた4つ口フラスコに
仕込み、80℃に保った。その後、イソホロンジイソシ
アネート88.8gとジブチル錫ジラウレート0.02
gを仕込み、80℃で3時間反応させた後、冷却した。
2.1gのジエタノールアミンおよび20.77gのエ
マルジット100を423.8gの水に溶かした水溶液
を加え、乳化分散を行なった。次いで、ピペラジン6水
和物27.19gを280gの水に溶かした水溶液を加
え、鎖長延長反応を行なった。この分散液は濃度30.
81%、粘度109cps、pH=6.23で良好な分
散液であった。
【0051】実施例1〜6および比較例1から7の分散
液の性状を下表1にまとめた。経日安定性は分散液を2
0℃および50℃で放置し、凝集状態を観察することに
よって評価した。また、ガラスへの密着性は、分散安定
性の良好な分散液を、ガラス板上に厚さが6milにな
るように塗布し、130℃にて1時間乾燥させた後、J
ISK−5400に準じ、2mm角の碁盤目100個を
作製した、この碁盤目部分を、50℃の温水に浸漬し、
その後の剥離状態によって評価を行なった。
【0052】
【表1】
【0053】尚、上述の記載において、各成分として
は、以下に指すものを用いた。 ○ポリエチレングリコール:和光純薬工業(株)試薬 ○ポリプロピレングリコール:市販の工業製品 ○イソホロンジイソシアネート:ヒュルス・ジャパン
(株)製 ○ジブチル錫ジラウレート:和光純薬工業(株)試薬 ○ジエタノールアミン:和光純薬工業(株)試薬 ○アミノシランA1100:日本ユニカー(株)製シラ
ンカップリング剤、主成分は、γ−アミノプロピルプロ
ピルトリエトキシシラン ○エマルジット100:第一工業製薬(株)製乳化剤、
主成分は、エチレンオキシド付加タイプのアルキルフェ
ノール ○ピペラジン・6水和物:和光純薬工業(株)試薬 ○ジメチロールプロピオン酸:和光純薬工業(株)試薬 ○1,4−ブタンジオールアジペート:(平均分子量1
000)市販の工業製品 ○N,N−ジメチルホルムアミド:和光純薬工業(株)
試薬 ○アミノシランA1122:日本ユニカー(株)製シラ
ンカップリング剤、主成分は、N−G−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン ○ビスフェノール変性ポリプロピレングリコール:(平
均分子量400)市販の工業製品
【0054】
【発明の効果】実施例および比較例から明らかな様に、
本発明によるポリウレタン水性分散液は、ガラスを主と
する無機材料等の基材への密着性に優れることが判る。
また、本発明の製造方法は、容易に目的とするポリウレ
タン水性分散液を製造するのに適し、その分散液の放置
安定性も良好なことが判る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解にてシラノール基生成可能な官
    能基を有し、親水性骨格としてオキシエチレン単位を有
    するポリオキシアルキレン骨格を含有するポリウレタン
    成分を水に分散させたポリウレタン水性分散液であっ
    て、前記ポリウレタン成分にアルカノールアミンを反応
    させて得られるポリウレタン水性分散液。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタン成分がポリオキシアル
    キレン骨格を10〜30重量%含有するものである、請
    求項1に記載のポリウレタン水性分散液。
  3. 【請求項3】 前記ポリオキシアルキレン骨格を、平均
    分子量が400〜25000のポリオキシエチレングリ
    コールから形成した請求項2に記載のポリウレタン水性
    分散液。
  4. 【請求項4】 前記アルカノールアミンが、ジエタノー
    ルアミンおよびエタノールアミンから選ばれる少なくと
    も一種のものを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のポリウレタン水性分散液。
  5. 【請求項5】 ポリオキシエチレン鎖を含有するイソシ
    アネート末端ポリウレタンプレポリマーを合成するプレ
    ポリマー合成工程、および、そのポリウレタンプレポリ
    マー水中に分散させる乳化工程を含むポリウレタン水性
    分散液の製造方法であって、前記ポリウレタンプレポリ
    マーに対して、加水分解にてシラノール基生成可能な官
    能基を有する有機シラン化合物を反応させるシリル化工
    程、および、前記ポリウレタンプレポリマーにアルカノ
    ールアミンを反応させるアミノ化工程を含むポリウレタ
    ン水性分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記アミノ化工程を、乳化工程および又
    はプレポリマー合成工程とともに行う、請求項5に記載
    のポリウレタン水性分散液の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シリル化工程を、乳化工程および又
    はプレポリマー合成工程とともに行う、請求項5〜6の
    いずれか1項に記載のポリウレタン水性分散液の製造方
    法。
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