JP3618882B2 - 水系反応性樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応硬化型の水系塗料用のベース(バインダー)樹脂、接着剤、又はそれらの改質剤樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン樹脂は、各種基材への密着性、耐摩耗性に優れた樹脂であり、塗料として使用した場合は肉厚感、高級感も得られることから、従来より建築用塗料、木材用塗料、バイク・自動車用塗料のベース、接着剤、バインダー、繊維処理剤、又はこれらの改質剤として幅広く使用されているが、近年、環境への影響等を考慮し、溶剤規制が強化され、ポリウレタン塗料、接着剤も、溶剤系から水系への切換が必要となっている。
しかしながら、これまでの水系ウレタン塗料や接着剤は、溶剤系のものと比較して、耐水性、耐溶剤性において劣るばかりでなく、塗料として非常に重要な乾燥性や外観性(例えば透明性、光沢等)等、また、接着剤において重要な耐水接着性能等においても満足できるものではなく、市場においては、限られた用途にしか採用されなかった。
【0003】
水系ウレタン塗料の欠点を改良するために次のような方法が提案されているが、なおそれぞれ問題を有している。
i)ポリウレタン樹脂の水系分散物にシランカップリング剤を配合する方法(特開平4−338140号公報、特開平6−212119号公報等)。
これらの方法により得られる塗料は、ポットライフに問題があるだけでなく、外観性、乾燥性も十分ではない。
ii)水系ウレタン樹脂の存在下にオルガノシランを縮合させる方法(特開平6−172711号公報)。
この方法により得られる塗料は、ポットライフの問題は解決されているが、加水分解性シリル基は水中で反応を終了して、樹脂粒子中において既に架橋構造が形成されており、樹脂粒子間での架橋が形成されないため溶剤系塗料に匹敵する物性が得られない。
iii)カチオン改質されたポリウレタン樹脂中にアルコキシシリル基を導入し、フィルム形成時に架橋する性質を有する水系ポリウレタン樹脂組成物が開示されている(特開平1−141911号公報)。
この組成の水系ウレタン樹脂は、そのカチオン基のために腐食性の材料に使用することができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐水性、耐溶剤性、外観性(特に透明性、光沢)、さらに乾燥性をも改善した水系塗料ベース、もしくは水系の塗料ベースに添加してその特性を改良する添加剤、又は接着剤もしくはこれに添加する改質剤等としても使用可能な水系反応性樹脂を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の水系塗料ベースもしくは水系塗料ベースに対する添加剤、又は接着剤もしくはこれに添加する改質剤等として使用可能な水系反応性樹脂は、反応して架橋構造を形成しうる反応性官能基、イオン基を有する水系樹脂であって、
(1)反応性官能基として加水分解性シリル基を、Siとして樹脂中0.1〜10重量%
(2)イオン基としてアニオン基を、樹脂中0.01〜1.1meq/gを含有するものである。
加水分解性シリル基は、水と反応してヒドロキシシリル基となり、これが乾燥により縮合してシロキサン結合を形成し、樹脂粒子同志が架橋・結合し、耐溶剤性に優れた皮膜を迅速に形成する。
【0006】
樹脂にアニオン基を付与することにより水に分散、あるいは溶解する水系樹脂とすることが可能となり、かつアニオン基を使用することにより、カチオンを使用するものとは異なり、腐食性の材料に使用することができる樹脂とすることができた。
【0007】
また、本発明の水系反応性樹脂は、その液のpH値が6〜10に調整されたものであることが好ましい。
液のpH値を6〜10にすると、加水分解性シリル基の反応が抑制され、保存安定性に優れた水系反応性樹脂とすることができた。
【0008】
本発明において水系反応性樹脂として使用する樹脂は、ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は、柔軟性、強靱性に優れた樹脂であると同時に、合成段階において、ポリイソシアネート化合物を使用し、このイソシアネート基(NCO)は、種々の官能基と反応するため、高分子を変成し、また分子鎖中に特殊な官能基を導入することが容易である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のポリウレタンの水溶液あるいは分散液は、有機ジイソシアネートとポリオール成分及び分子内に少なくとも一つの活性水素及び陰イオンに解離可能な官能基とを有する化合物とを、NCO過剰の状態で反応させ、次いで、得られた末端NCO含有ウレタンプレポリマーのNCOの一部或いは全部を、少なくとも分子内に一つの活性水素及び加水分解性シリル基とを有する化合物と反応させて得られるウレタンプレポリマーを塩基性物質を含む水溶液中に溶解又は分散し、必要に応じて分子内に少なくとも2個の活性水素を有する低分子化合物よりなる鎖延長剤で鎖長延長反応させることにより得られる。鎖延長剤を使用せず、NCOが残存した状態で水に分散、あるいは溶解すると、水が鎖延長剤として作用する。
【0010】
上記の有機ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。これらのうち、経時的変色性を考慮すべき用途に使用するものについては脂肪族、または脂環式ジイソシアネートを単独或いは混合して使用することが好ましく、さらに価格を考慮すると、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートの使用が特に好ましい。
【0011】
本発明に使用するポリオール成分は、一般にポリウレタンの製造に使用されるものは使用することが出来る。このようなポリオール類としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等があり、ポリエステルポリオールとしては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の1種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの1種以上を縮重合させて得られるもの、ラクトン類の開環重合により得られるものが例示でき、ポリエーテルポリオールとしては、水や上記のポリエステルポリオールの合成に使用する多価アルコールの他、ビスフェノール−A等のフェノール類、又は第1級、第2級アミン類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させて得られるものが使用でき、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオール,ビスフェノールAにプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドの少なくとも一方を開環付加重合させたもの(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。)等が例示できる。
ポリオールとしては、これ以外にも、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオールを単独で、又は混合して使用することができる。
【0012】
本発明において使用する分子内に少なくとも1個の活性水素と陰イオンに解離可能な官能基を有する化合物としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、カルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオール、硫酸塩含有ポリエステルポリオール、ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸−5−スルホン酸、等が例示できる。
【0013】
これらのうち最終的な水溶液あるいは分散液の安定性およびそれから形成される皮膜の着色性等の問題から、カルボキシル基(COOH)含有化合物の使用が好ましい。また、使用量に関しては、これらの官能基が樹脂中に0.01meq/g(COOHの場合、樹脂100g中に45mg)以上組み込まれていれば特に問題はないが、通常のポリエステル系、ポリエーテル系等のポリオールを使用する場合は、カルボキシル基の場合樹脂100g中に200mg(0.044meq/g)以上組み込まれていることが好ましく、樹脂の基本骨格にもよるが、疎水性の強いポリオールを使用しても安定して粒子径を80nm以下にするために、樹脂100gに対して1g(0.22meq/g)以上組み込まれていることがさらに好ましい。官能基の量が樹脂中に0.01meq/gより少ないと、粒子径が大きく著しく不安定な分散液となり不適格である。また、官能基の量が樹脂中に0.01meq/g以上でも、最終的な分散液の粒子径が80nmより大きくなると、フィルム形成時の乾燥性が不良となるのみならず、皮膜の光沢性や透明性も低下し、好ましくない。一方官能基の量が樹脂に対して著しく多くなると、粒子径は小さくなり、乾燥性や光沢性、透明性は向上するが、フィルムの耐水性や耐溶剤性が低下する。このために、官能基の量は、樹脂中0.01meq/g以上の範囲で、粒子径が80nm以下でかつフィルムの耐水性に悪影響を及ぼさない様、適切な量を使用することが重要である。陰イオンに解離可能な官能基の含有量が1.1meq/g以上になると、樹脂の親水性が高くなりすぎ、皮膜の耐水性の低下、樹脂水溶液(分散液)の粘度上昇等の問題が生じる。
【0014】
なお、陰イオンに解離可能な官能基の含有量は、ポリオール成分等の親水性とのバランスを考慮して決定される。例えば、ポリオールとしてポリオキシエチレングリコールを使用すると、これ自体が親水性を有しているため、官能基の含有量は低く設定すべきであるが、ポリオールとして疎水性のものを使用すると高く設定する必要がある。
【0015】
さらに上記の分子内に少なくとも一つの活性水素および加水分解性シリル基を有する化合物としては、加水分解性シリル基としてはアルコキシシリル基であることが望ましく、モノ−、ジ−、トリ−アルコキシシリル化合物のいずれでもよい。アルコキシシリル基としては、メトキシシリル基、エトキシシリル基などが挙げられる。代表的な化合物としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。本発明においては、これらを単独もしくは2種以上を混合して使用することが可能である。また、使用量に関しては、加水分解性シリル基の量が、Siとして樹脂100gに対して10mg(0.01wt%)以上であれば特に制限はないが、好ましくは架橋構造の効果が十分に現れる様に樹脂100gに対して200mg(0.2wt%)以上使用する方が良い。樹脂100gに対して10mgより少ない場合は架橋密度が低く、十分な効果が得られない。また、使用量が10wt%を越えると、皮膜中の架橋密度が高くなりすぎ、塗膜が脆くなりすぎる。
【0016】
本発明において、上記の分子内に少なくとも2つの活性水素を有する低分子化合物よりなる鎖長延長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン等に代表される低分子グリコールや、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ビスアミノジプロピルアミン、ビスアミノジエチルアミン、ピペラジン等のアミン類、さらにはジエタノールアミンやヒドラジン及びその誘導体等が挙げられる。これらのうち、鎖長延長反応は通常水中にウレタンプレポリマーを分散した後に行うため、例えばアミン類やヒドラジン等のイソシアネートに対して水よりも反応性の高いものを用いる方が、効果的に鎖長延長反応を行うことができ、好ましい。
【0017】
本発明において使用する上記塩基性化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用可能である。この際に、最終的に得られるポリウレタン水溶液あるいは分散液のpHが6〜10になる様に塩基性化合物の量を決定することが重要である。pHが6以下となる様な量では、ポリウレタン水溶液あるいは分散液の安定性が不良となる場合がある。一方pH10以上となる場合には、ポリウレタン水溶液あるいは分散液の安定性は良好であるが、ポリウレタンが加水分解される可能性があるのみならずポリウレタンの側鎖および、あるいは末端に組み込まれた加水分解性シリル基が水中にてお互いに反応してしまい、保存安定性に問題が生じる場合がある。
また、本発明のポリウレタン水溶液あるいは分散液を作製する工程中のいずれかにおいて、必要に応じて通常のウレタン樹脂を合成する際に添加する酸化防止剤、UV吸収剤といった各種安定剤や、水溶液あるいは分散液の安定性を向上させるための各種界面活性剤を添加しても良い。
さらに本発明のポリウレタン水溶液あるいは分散液からフィルムを作製する際に、必要に応じて、水溶性イソシアネート、水溶性エポキシ樹脂、アジリジン系化合物、オキサゾリン化合物などに代表される架橋剤を併用しても良い。
【0018】
本発明の樹脂は接着剤、又はその改質剤としても使用が可能であり、特に他の水系樹脂接着剤と組み合わせて使用できる。このような水系樹脂接着剤としては、酢酸ビニル系、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、EVA系、ポリウレタン系、ラテックス系等の接着剤が例示できる。特に、これらの水系樹脂接着剤は、アニオン系のものが多く、本発明のアニオン系樹脂は相溶性がよく、広範囲の併用が可能である。
また、本発明の水系反応性樹脂は加水分解性シリル基を有しているため、ガラス等の無機材料の接着性の改良に寄与する。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
〔合成例〕
(実施例1)
攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4ツ口ガラス製フラスコに、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)100g、ニューポールBP−3P(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物)50g、ポリオキシプロピレングリコール2000(PPG−2000)60g、及びジメチロールプロピオン酸(DMPA)20gを入れ、溶剤としてMEKを40g加えて、オイルバスを使用して、80℃にて24時間反応させた。その後60℃まで温度を下げ、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン10gを添加し、20分反応させた。このNCO基の残存したプレポリマーを、トリエチルアミン12gを含む水550g中に分散させ、50℃にて3時間鎖長延長反応を行って高分子量化させた。こうして得られた液よりMEKを回収し、実質的に有機溶剤を含まない半透明の樹脂分散液を得た。
【0020】
(実施例2)
攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4ツ口ガラス製フラスコに、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)100g、ニッポランN−4073(日本ポリウレタン(株))150g、DMPA15gを入れ、これに溶剤として酢酸エチル60gを加えて、オイルバスを使用して、80℃にて4時間反応させた。その後60℃まで温度を下げ、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン20gを添加し20分反応させた。得られたプレポリマーを、トリエチルアミン9gを含む水500g中に分散させ、50℃にて3時間、鎖長延長反応を行って高分子量化させた。こうして得られた液よりMEKを回収し、実質的に有機溶剤を含まない半透明の樹脂分散液を得た。
【0021】
(比較例1)
γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシランを反応させない以外は、実施例2と同様の方法にて薄白色の樹脂分散液を得た。本比較例は、分子鎖中にアルコキシシリル基を有さず、反応硬化能力のない樹脂に相当する。
【0022】
(比較例2)
γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシランを反応させない以外は、実施例2と同様の方法にて薄白色の樹脂分散液を作成し、分散液にγ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシランを添加した。本比較例は、アルコキシシリル基は樹脂構成分子に結合せず、分散液中に別個に存在する場合に相当する。
【0023】
(比較例3)
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを反応させない以外は、実施例1と同様の方法にて薄白色の樹脂分散液を得た。
(比較例4)
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを反応させない以外は、実施例1と同様の方法にて薄白色の樹脂分散液を作成し、分散液にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを添加した。
【0024】
〔性能評価〕
(貯蔵安定性評価)
樹脂分散液を、製造後50℃にて1か月放置し、液の状態を観察した。
評価は、◎:変化なし、×:粘度上昇、ゲル化、として示した。
(塗膜の作成、性能評価)
ガラス板上に、アプリケーターを用いて樹脂分散液を塗布し、作成した。
乾燥性については、塗布後の樹脂分散液膜を50℃にて20分放置し、皮膜の乾燥状態を観察した。評価結果は以下のように表示した。
○:乾燥しており、べたつき感がない。
×:未乾燥
耐水性、耐トルエン性、耐エタノール性、透明性、光沢については、アプリケーターにて塗布後の樹脂分散液膜を室温で5日間放置して皮膜を作成し、テストを行った。各性能評価の方法と評価結果の表示は以下のとおりである。
(耐水性、耐トルエン性、耐エタノール性)
皮膜上に、水、トルエン、又はエタノールで湿らせた脱脂綿を起き、24時間後のそれぞれの皮膜の状態を、目視により観察した。
◎:変化なし
○:ほとんど変化なし
△:一部に白化、膨潤が認められる
×:全体が白化、膨潤している
(透明性)
得られた皮膜の透明性を、目視により観察した。
◎:完全に透明
○:ほぼ透明
△:やや不透明
×:完全に不透明
(光沢)
得られた皮膜の光沢を、目視により観察した。
◎:非常に光沢がある
○:光沢がある
△:あまり光沢がない
×:全く光沢がない
【0025】
以上の結果を、表1にまとめて示した。
この結果より、分散液中の樹脂の粒子径は50nm程度であり、乾燥性、貯蔵安定性に優れ、かつ乾燥して得られる皮膜の透明性、光沢も良好であり、耐水性、耐溶剤性にも優れたものであることが判る。
【0026】
【発明の効果】
本発明の水系塗料ベースにおいては、pHを6〜10にコントロールすることにより、樹脂の側鎖および、あるいは末端に組み込まれた加水分解性シリル基を水中でお互いに縮合することなく安定にせしめることが可能であり、フィルム形成時に該縮合反応が進行するために、緻密で高度に架橋したフィルムを形成する。さらには、本発明のポリウレタン水溶液あるいは分散液はその粒子径が80nm以下と小さいために、均一なフィルムを形成するのみならず、該縮合反応は、フィルム形成時に進行するために、粒子内部のみならず、粒子間においても該縮合が起こるため、従来水系の弱点であった粒子間の界面が存在せず、フィルムの耐水性および耐溶剤性は従来の溶剤系のものに匹敵する。
【0027】
また、耐水接着力に優れた接着剤としても使用可能である。
【0028】
【表1】
Claims (3)
- 反応して架橋構造を形成しうる反応性官能基及びイオン基を有する水系反応性樹脂において、
(1)反応性官能基として加水分解性シリル基を、Siとして樹脂中0.1〜10重量%
(2)イオン基としてアニオン基を、樹脂中0.01〜1.1meq/g含有する水系反応性樹脂であって、
(A)有機ジイソシアネートと、ポリオール成分と、分子内に少なくとも一つの活性水素及び陰イオンに解離可能な官能基を有する化合物とを、NCO過剰の状態で反応させ、
(B)次いで、得られた末端NCO含有ウレタンプレポリマーのNCOの一部を、分子内に少なくとも一つの活性水素及び加水分解性シリル基を有する化合物と反応させ、
(C)得られたウレタンプレポリマーを、NCOが残存した状態で、塩基性化合物を含む水溶液中に溶解又は分散して、水を鎖延長剤として鎖長延長反応させること
により得られる水系反応性樹脂であり、
pHが6〜10になる様に塩基性化合物を含む水系反応性樹脂。 - 分子内に少なくとも一つの活性水素及び陰イオンに解離可能な官能基を有する化合物は、ジメチロールプロピオン酸であることを特徴とする請求項1記載の水系反応性樹脂。
- 請求項1又は2に記載の水系反応性樹脂を含むことを特徴とする水系塗料。
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