JPH11147924A - 熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物

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JPH11147924A
JPH11147924A JP9331051A JP33105197A JPH11147924A JP H11147924 A JPH11147924 A JP H11147924A JP 9331051 A JP9331051 A JP 9331051A JP 33105197 A JP33105197 A JP 33105197A JP H11147924 A JPH11147924 A JP H11147924A
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JP
Japan
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resin composition
group
polyurethane resin
ether group
parts
Prior art date
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Pending
Application number
JP9331051A
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English (en)
Inventor
Satokichi Baba
馬場聡吉
Keiji Tanaka
田中敬次
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラッシュ成形材料に用いたときに、気泡の
噛み込みによる白化現象が無く外観に優れ、ピンホール
等の欠陥のない強靱なシートが得られる熱架橋性ポリウ
レタン樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 プロペニルエーテル基、ビニルフェニル
エーテル基およびビニルエーテル基から選ばれる重合性
基(e)を分子中に1個以上有する熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂(A)と、熱潜在性カチオン重合触媒(B)とか
らなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱架橋性ポリウレタ
ン樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、スラッシュ成
形用材料に用いた場合、成形シートの外観、耐溶剤性、
耐光性、平滑性、樹脂強度等に優れる熱架橋性ポリウレ
タン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】スラッシュ成形法は、複雑な形状(アン
ダーカット、深絞り等)の製品が容易に成形できるこ
と、肉厚が均一にできること、材料の歩留まり率が良い
ことから、近年、自動車の内装材等を中心にした用途に
広く利用されており、主に軟質のポリ塩化ビニル(以下
PVCという)粉末がこのような用途に使用されてい
る。しかし、軟質化されたPVCは低分子の可塑剤を多
量に含有するため、長期間の使用において、可塑剤の揮
発により車両のフロントガラス等に油膜を形成(フォギ
ング)して運転者の視認性を阻害したり、成形物表面へ
の可塑剤の移行による艶消し効果やソフト感の消失、さ
らにはPVCの経時的劣化による黄変の問題があった。
【0003】このような問題点を改善するものとして、
ポリウレタン樹脂を使って所望の物性のものを得ようと
する試みも行われている(例えば特開平2−38453
号、特開平3−97712号各公報)。特に自動車の内
装材等は、高度の耐溶剤性および耐光性が要求されるた
め、これらの要求性能を満たすものとして、ウレタン樹
脂をブロックドイソシアネートで後架橋するポリウレタ
ン樹脂粉末が提案されている(特開平5−230163
号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウレタ
ン樹脂をブロックドイソシアネートで架橋すると、成形
時樹脂の溶融と同時に架橋による樹脂粘度の上昇が起こ
るため、樹脂中に気泡がかみ込み、成形シートの強度低
下、外観不良(白化)、アンダーカット部やエッジ部に
ピンホールが発生するという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち本発明は、プロペニルエーテル基、ビニルフェニ
ルエーテル基およびビニルエーテル基から選ばれる重合
性基(e)を分子中に1個以上有する熱可塑性ポリウレ
タン樹脂(A)と、熱潜在性カチオン重合触媒(B)と
からなることを特徴とする熱架橋性ポリウレタン樹脂組
成物;並びに、該組成物と、可塑剤(C)および顔料
(D)とを主成分として含有してなるスラッシュ成形用
材料である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる熱可塑
性ポリウレタン樹脂(A)は、活性水素成分(a)とポ
リイソシアネート(b)とを反応させてポリウレタンを
製造するにあたり、活性水素成分(a)の少なくとも一
部として、プロペニルエーテル基、ビニルフェニルエー
テル基およびビニルエーテル基から選ばれる重合性基
(e)を有する活性水素含有化合物(a1)を用いてな
り、該重合性基(e)を分子中に1個以上、好ましくは
2〜6個またはそれ以上有する熱可塑性ポリウレタン樹
脂である。
【0007】上記重合性基(e)を有する活性水素含有
化合物(a1)としては、該(e)と活性水素含有基
(水酸基および/または1級もしくは2級アミノ基な
ど)を有する化合物、例えば、該(e)を有するモノも
しくはジオール(a1−1)、該(e)を有するアルキ
レン基の炭素数2〜6のジアルキレントリアミン誘導体
のケチミン化合物(a1−2)および該(e)を有する
モノアミン(a1−3)が挙げられる。
【0008】上記重合性基(e)を有するモノもしくは
びジオール(a1−1)としては、例えば2−ヒドロキ
シエチルプロペニルエーテル、p−ビニルフェノール、
2,3−ジヒドロキシプロピルプロペニルエーテル、2
−ヒドロキシエチルビニルエーテル、これらのアルキレ
ンオキサイド[エチレンオキサイド(EO)、プロピレ
ンオキサイド(PO)、1,2−,1,3−,2,3−
もしくは1,4−ブチレンオキサイド、スチレンオキサ
イドおよびこれらの2種以上の併用]付加物(分子量
5,000以下)などが挙げられ、これらのうち好まし
いものは2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、
2,3−ジヒドロキシプロピルプロペニルエーテル、お
よびこれらのEOおよび/またはPO付加物である。
【0009】該(e)を有するアルキレン基の炭素数2
〜6のジアルキレントリアミン誘導体のケチミン化合物
(a1−2)としては、プロペニルグリシジルエーテ
ル、4−ビニルフェニルグリシジルエーテルおよびビニ
ルグリシジルエーテルから選ばれる化合物と、アルキレ
ン基の炭素数2〜6のジアルキレントリアミン(ジエチ
レントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレン
トリアミン等)とケトン(アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等)からのジケチミン化物
との1/1モル付加反応物が挙げられ、好ましいものは
プロペニルグリシジルエーテルとジエチレントリアミン
のジアセチミン化物との1/1モル付加反応物である。
【0010】該(e)を有するモノアミン(a1−3)
としては、1級モノアミン[アルキル基の炭素数1〜8
のモノアルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、
n−ブチルアミン、オクチルアミン等)、モノアルカノ
ールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノ
ールアミン等]と、プロペニルグリシジルエーテル、4
−ビニルフェニルグリシジルエーテルおよびビニルグリ
シジルエーテルから選ばれる化合物との1/1モル付加
反応物が挙げられ、好ましものはn−ブチルアミンとプ
ロペニルグリシジルエーテルの1/1モル付加物であ
る。
【0011】(A)を構成する活性水素成分(a)のう
ちの上記(a1)以外の活性水素含有化合物としては、
高分子ポリオール(a2)および必要により低分子活性
水素含有化合物(a3)が用いられる。
【0012】上記高分子ポリオール(a2)としては、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、ポリマーポリオールおよびこれら2種以上の混
合物が挙げられる。該(a2)の数平均分子量は通常5
00〜5,000、好ましくは700〜3,000であ
る。
【0013】ポリエーテルポリオールとしては、2個の
活性水素原子を有する化合物(例えば2価アルコール
類、2価フェノール類など)にアルキレンオキサイドが
付加した構造の化合物およびそれらの2種以上の混合物
が挙げられる。
【0014】上記2価アルコール類としてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアル
キレングリコール;環状基を有する2価アルコール(例
えば特公昭45−1474号公報明細書に記載のもの:
1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m
−またはp−キシリレングリコールなど)などが挙げら
れる。また、2価フェノール類としてはピロガロール、
ハイドロキノン、フロログルシンなどの単環多価フェノ
ール;ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェ
ノールFなどのビスフェノール類などが挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは2価アルコール類である。
【0015】上記アルキレンオキサイドとしては、エチ
レンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(P
O)、1,2−、1,3−、1,4−または2,3−ブ
チレンオキサイド、スチレンオキサイドおよびこれらの
2種以上の併用(ブロックまたはランダム付加)が挙げ
られる。これらのうち好ましいものはPO単独およびE
OとPOの併用である。
【0016】ポリエステルポリオールとしては、例えば
前記2価アルコールの1種以上とポリカルボン酸もし
くはそのエステル形成性誘導体の1種以上との縮合重合
による縮合ポリエステルポリオール;前記2価アルコ
ールを開始剤とするラクトンの開環重合によるポリラク
トンポリオール;およびこれらの2種以上の混合物が挙
げられる。
【0017】上記のポリカルボン酸の具体例として
は、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマ
ル酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソ
フタル酸など)、これらのジカルボン酸のエステル形成
性誘導体(酸無水物、アルキル基の炭素数が1〜4の低
級アルキルエステル等)およびこれらの2種以上の併用
が挙げられる。
【0018】上記のラクトンとしてはγ−ブチロラク
トン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよび
これらの2種以上の併用が挙げられる。
【0019】ポリエーテルエステルポリオールとして
は、例えば、前記ポリエーテルポリオールの1種以上と
前記ポリエステルポリオールの原料として例示したポリ
カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以
上とをエステル化反応させて得られるもの、前記ポリエ
ーテルポリオールの1種以上にラクトンの1種以上を開
環付加させて得られるものなどが挙げられる。
【0020】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えばポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリテ
トラメチレンカーボネートジオールおよびこれらの2種
以上の併用が挙げられる。
【0021】ポリマーポリオールとしては、上記で挙げ
た高分子ポリオール中でビニル単量体(例えばスチレ
ン、アクリロニトリルなど)をラジカル重合開始剤の存
在下で重合し分散安定化させてなるポリオール(例えば
重合体含量5〜30重量%)が挙げられる。
【0022】上記高分子ポリオール(a2)のうち好ま
しいものは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポ
リオールおよびポリカーボネートポリオールである。
【0023】低分子活性水素含有化合物(a3)として
は低分子ポリオール(a3−1)、ジアミン類もしくは
これらのケチミン化合物(a3−2)、ならびに、重合
停止剤としてのモノアミン(a3−3)および1価アル
コール(a3−4)が挙げられる。
【0024】低分子ポリオール(a3−1)としては、
例えば脂肪族低分子ジオール類[エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオールなど]、環状基を
有する低分子ジオール類[例えば特公昭45−1474
号公報明細書に記載のもの:1,4−ビス(ヒドロキシ
メチル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリレング
リコールなど]、これらのアルキレンオキサイド低モル
付加物(分子量500未満);ビスフェノール類のアル
キレンオキサイド低モル付加物(分子量500未満);
およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0025】ポリアミン類もしくはこれらのケチミン化
合物(a3−2)としては、ポリアミン、ポリアミドポ
リアミンなどのアミン類およびこれらのケチミン化合物
が挙げられる。
【0026】上記ポリアミンとしては、芳香族ジアミン
[フェニレンジアミン、トルエンジアミン、4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、m−またはp−キシリレン
ジアミン、ジエチルトルエンジアミン、2,4−または
2,6−ジメチルチオトルエンジアミン等];脂環式ジ
アミン[イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチルジシクロヘキシル、ジアミノシク
ロヘキサン等];脂肪族ジアミン[エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン
等];アルカノールアミン誘導体[N−(2−アミノエ
チル)エタノールアミン等];ヒドラジンもしくはその
誘導体[アジピン酸ジヒドラジド等]およびこれらの2
種以上の混合物が挙げられる。
【0027】ポリアミドポリアミンとしては、例えば、
ダイマー酸(重合脂肪酸)と過剰当量のエチレンジアミ
ンとの縮合反応物などが挙げられる。
【0028】ケチミン化合物としては上記ポリアミンと
ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等)との反応物が挙げられる。
【0029】これらのうち好ましいものは、脂肪族ジア
ミンのアセトンとのケチミン(アセチミン)化物および
脂環式ジアミンのアセチミン化物である。
【0030】重合停止剤として用いられるモノアミン
(a3−3)としてはアルキルアミン[エチルアミン、
イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−ブチルアミン等]、アルカノールアミン
[モノエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジエ
タノールアミン等]などが挙げられる。
【0031】また、1価のアルコール(a3−4)とし
てはメタノール、エタノール、n−ブタノール、セロソ
ルブ、これらのアルキレンオキサイド付加物(分子量3
00未満)、および1価フェノール類のアルキレンオキ
サイド付加物(分子量400未満)等が挙げられる。
【0032】ポリイソシアネート(b)としては、炭素
数(NCO基中の炭素を除く)2〜12の脂肪族ポリイ
ソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート
等];炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアート[イソ
ホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メ
チルシクロヘキシレンジイソシアネート等];炭素数8
〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート[キシリレンジイ
ソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート等];芳香族ジイソシアネート
[トリレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等];これ
らのジイソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウ
レトジオン基、イソシアヌレート基、ビュレット基等を
含有する変性物);およびこれらの2種以上の併用が挙
げられる。
【0033】これら(b)として例示したもののうち好
ましいものは、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジ
イソシアネートであり、特に好ましいものはヘキサメチ
レンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、イソホ
ロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)および
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。
【0034】熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の製造方
法としては、例えば、下記〜の方法が例示できる
が、これらに限定されるものではない。 無溶剤下または溶剤(トルエン、キシレン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ジメチルフォルムアミド、アセトン、
メチルエチルケトン等)の存在下で、ポリイソシアネー
ト(b)と、高分子ポリオール(a2)と、重合性基
(e)を有するモノもしくはポリオール(a1−1)お
よび/または低分子ポリオール(a3−1)と必要によ
り1価アルコール(a3−4)とを、NCO/OH当量
比が通常0.8〜1、好ましくは0.85〜0.98で
一括に重合反応させて(A)を得る方法。 無溶剤下または溶剤の存在下で、過剰の(b)に、
(a2)と(a1−1)および/または(a3−1)と
を反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ー(b1)とし、該(b1)に、鎖伸長剤(a1−2)
および/または(a3−2)と、必要により重合停止剤
(a1−3)および/または(a3−3)とを加え、鎖
伸長反応させて(A)を得る方法。 無溶剤下または溶剤の存在下で得られたウレタンプレ
ポリマー(b1)を分散安定剤を含む水中に分散し、こ
の分散体に(a1−2)および/または(a3−2)
と、必要により(a1−3)および/または(a3−
3)とを加え、鎖伸長反応させて(A)を得る方法。 無溶剤下または溶剤の存在下で得られたウレタンプレ
ポリマー(b1)を分散安定剤を含む非水系分散媒(ヘ
キサン、ヘプタン等)中に分散し、この非水分散体に
(a1−2)および/または(a3−2)と、必要によ
り(a1−3)および/または(a3−3)とを加え、
鎖伸長反応させて(A)を得る方法。上記方法のうちで
は、分子量制御が容易で溶媒の使用量も少なく、しかも
所望の粒子径の樹脂粉体が直接得られる点からの方法
が特に好ましい。
【0035】(A)は、その分子末端および/または分
子側鎖に、プロペニルエーテル基、ビニルフェニルエー
テル基およびビニルエーテル基から選ばれる重合性基
(e)を通常1個以上、好ましくは2個〜6個またはそ
れ以上有する。該(A)の分子中に重合性基(e)を導
入する方法は特に限定されないが、例えば下記の方法が
例示できる。 (1)上記の方法で、(a1−1)を使用することに
より重合性基(e)を分子側鎖および/または分子末端
に有する(A)が得られる。 (2)上記〜の方法で、(b1)の構成成分として
(a1−1)を使用することにより重合性基(e)を分
子側鎖に有する(A)が得られる。 (3)上記〜の方法で、伸長剤として(a1−2)
を使用することにより重合性基(e)を分子側鎖に有す
る(A)が得られる。 (4)上記〜の方法で、重合停止剤として(a1−
3)を使用することにより重合性基(e)を分子末端に
有する(A)が得られる。 (5)上記〜の方法で、(b1)の構成成分として
(a1−1)を用い、重合停止剤として(a1−3)を
用いることにより分子側鎖と分子末端に重合性基(e)
を有する(A)が得られる。 (6)上記〜の方法で、鎖伸長剤として(a1−
2)を用い、重合停止剤として(a1−3)を用いるこ
とにより、分子側鎖と分子末端に重合性基(e)を有す
る(A)が得られる。
【0036】前記〜の方法においてウレタン化反応
を行う際に、必要によりポリウレタンに通常用いられる
触媒を使用できる。該触媒の具体例としては、例えば有
機金属化合物[ジブチルスズジラウレート、ジオクチル
スズラウレート等];アミン類[トリエチルアミン、ト
リエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等]お
よびこれらの2種以上の併用が挙げられる。触媒の使用
量は特に限定はないが、(A)またはイソシアネート基
末端ウレタンプレポリマー(b1)100重量部当たり
通常0.001〜0.1重量部である。
【0037】前記〜の方法においてイソシアネート
基末端ウレタンプレポリマー(b1)を製造する際のN
CO基とOH基の当量比[NCO/OH]は、通常1.
01〜2.8、好ましくは1.3〜2.5である。ま
た、該(b1)中の遊離イソシアネート基(NCO)含
量は通常1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%で
ある。NCO含量が20重量%を越えると、熱架橋性ポ
リウレタン樹脂組成物から得られる成形物の柔軟性が低
下する傾向となり、1重量%未満の場合はイソシアネー
ト基末端ウレタンプレポリマー(b1)の粘度が高くな
りすぎ、水中または非水系分散媒中への分散が困難とな
る場合がある。
【0038】前記の方法において鎖伸長剤として用い
られる(a1−2)および/または(a3−2)の使用
量は、(b1)中のNCO基1当量に対し、通常0.5
〜1.5当量、好ましくは0.7〜1.2当量である。
この範囲外では接着強度および樹脂強度が不十分となる
場合がある。
【0039】また、重合停止剤としての(a1−3)お
よび/または(a3−3)の使用量は、(b1)中のN
CO基1当量に対し、通常0.5当量以下、好ましくは
0.3当量以下である。0.5当量を越えると接着強度
および樹脂強度が低下する場合がある。
【0040】本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタン
樹脂(A)の数平均分子量は、通常5,000〜80,
000で、好ましくは10,000〜50,000であ
る。5,000未満では良好な樹脂強度が得られないこ
とがあり、80,000を越えると組成物の熱溶融性が
シャープとならず、成形物の表面平滑性が不十分となる
ことがある。また、重合性基(e)1個あたりの分子量
は通常500〜10,000、好ましくは800〜8,
000、特に好ましくは1,000〜5,000であ
る。500未満では成形物の柔軟性が低下する傾向とな
り、10,000を越えると成形物の耐光性および耐溶
剤性が不十分となることがある。
【0041】該(A)中のイソシアネート基に基づくウ
レタン基(−NHCOO−)およびウレア基(−NHC
ONH−)の合計の含有量は、通常3〜20重量%、好
ましくは5〜15重量%である。3重量%未満では充分
な樹脂強度が得られないことがあり、20重量%を越え
ると架橋後の樹脂の柔軟性が低下する傾向となる。
【0042】本発明で用いられる潜在性カチオン重合触
媒(B)としては、一定温度(70℃)以上の加熱によ
り酸性触媒または塩基性触媒を再生し、重合性基(e)
のカチオン重合反応による架橋を促進する触媒として作
用するもので、例えばプロトン酸をルイス塩基で中和し
た化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ス
ルホン酸エステル類、リン酸エステル類、各種オニウム
化合物類およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0043】プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物
としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸
類、硫酸モノエステル類、リン酸モノもしくはジエステ
ル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノもしくはジエ
ステル類等のプロトン酸を、アンモニア、トリエチルア
ミン、ピリジン、アニリン、ピペリジン、モルホリン、
モノエタノールアミン等の各種アミン、トリアルキルホ
スフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホス
ファイト等のルイス塩基で中和した化合物が挙げられ
る。
【0044】ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物と
しては、例えばBF3、FeCl3、SnCl3、AlC
3、ZnCl2等のルイス酸を、前記のルイス塩基で中
和した化合物などが挙げられる。
【0045】スルホン酸エステルとしては、例えばメタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類と
n−プロパノール,n−ブタノールなどの第1級アルコ
ール類、またはイソプロパノール、2−ブタノールなど
の第2級アルコール類とのエステル化物などが挙げられ
る。
【0046】リン酸エステル類としては、たとえばn−
プロパノール,n−ブタノールなどの第1級アルコール
類、またはイソプロパノール、2−ブタノールなどの第
2級アルコール類のリン酸モノおよびジエステル類が挙
げられる。
【0047】オニウム化合物としては、例えば下記一般
式(1)〜(4) [R1 3NR3+・X- (1) [R1 3PR3+・X- (2) [R12OR3+・X- (3) [R12SR2+・X- (4) [式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜12のア
ルキル基、アルケニル基、アリ−ル基、アルキルアリー
ル基またはシクロアルキル基(ただし2個のR1、また
はR1とR2が互いに結合してN,P,O,またはSをヘ
テロ原子とする複素環を形成してもよい。)、R3は炭
素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリ−ル
基、アルキルアリール基または水素原子、X-はSbF6
-、AsF6 -、PF6 -またはBF6 -を表す。]で示され
る化合物などが挙げられる。
【0048】上記に例示した触媒(B)は1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。これらのう
ち特に好ましいものは、上記一般式(4)で示されるス
ルホニウム化合物のうち、アニオン種としてSbF6 -
たはPF6 -を有する芳香族スルホニウム塩である。
【0049】(B)の量は(A)と(B)の合計重量に
基づいて、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.
05〜5重量%である。0.01重量%未満では触媒作
用が不十分であり、10重量%を越えると成形物中に酸
性または塩基性物質を多量に含有することとなるため、
成形物等の劣化の原因となる。
【0050】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物
の粉体の製造方法としては、例えば 触媒(B)をNCO基末端ウレタンプレポリマー(b
1)または鎖伸長剤もしくは重合停止剤のいずれかに含
有させておき、分散安定剤を含有する水中または非水分
散媒(ヘキサン、ヘプタン等)中で分散機を用いて分散
し、通常5〜60℃、好ましくは10〜50℃で反応さ
せて分散体を得たのち、水または非水分散媒を除去する
方法; 該(B)を含有させた熱可塑性ポリウレタン樹脂
(A)の有機溶剤溶液を、分散安定剤を含有する水中ま
たは非水分散媒中で分散機を用いて分散して分散体を得
たのち、水もしくは非水分散媒および有機溶剤を除去す
る方法; 溶融状態で熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)と該
(B)とを均一に混合した樹脂混合物を冷凍粉砕して粉
体を得る方法; 該(A)の粉体を粉体ブレンダー等で撹拌しながら、
触媒(B)の有機溶剤溶液をスプレーして加え均一に混
合し、(A)表面に(B)を付着させる方法; などが挙げられる。上記方法のうちで好ましいのはお
よびの方法である。
【0051】上記またはの製造方法において用いら
れる分散安定剤は特に限定されないが、例えばポリビニ
ルアルコール、ポリネオペンチルアジペートジオール
(数平均分子量2,000)/IPDI/ポリエチレン
グリコールのPOとEO(POとEOの割合は重量比で
20/80)共付加物(数平均分子量2,000)[1
/1/1モル]反応物、スチレン/メタクリル酸メチル
/無水マレイン酸共重合体(共重合モル比35/15/
50)のナトリウム塩、メチルセルロース、ポリエチレ
ングリコール等が挙げられる。
【0052】上記またはの製造方法において使用さ
れる分散機は特に限定されないが、例えば低速せん断型
分散機、高速せん断型分散機、摩擦型分散機、高圧ジェ
ット型分散機、超音波型分散機、静止型分散機等が挙げ
られる。これらのうち好ましいものは、高速せん断式分
散機(例えば、ヤマト科学製「ウルトラディスパーザ
ー」、荏原製作所製「エバラマイルダー」等)および静
止型分散機(例えば、タクミナ製「スタティックミキサ
ー」等)である。
【0053】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物
の平均粒子径は通常10〜500μm、好ましくは50
〜300μmである。平均粒子径が10μm未満では粉
体が帯電したり粉塵が発生し易く、500μmを越える
と粒子の溶融性が悪くなり成形物の外観が損なわれる傾
向となる。なお、ここでいう平均粒子径は、例えば、プ
ロセス用粒度分布計測システム「TSUB−TEC30
0」[日本鉱業(株)製]を用いて測定することができ
る。
【0054】また、本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂
組成物の示差走査熱量計(DSC)で測定される架橋反
応の発熱曲線における発熱開始温度と終了温度の差は、
通常40℃以下、好ましくは35℃以下である。該発熱
開始温度と終了温度の差が40℃を越える場合は、樹脂
が充分溶融する前に架橋反応が立ち上がるため成形物中
に気泡のかみこみが起こり易く、スラッシュ成形に用い
た場合、得られるシートは気泡のかみこみによる白化が
見られシートの強度が低下する傾向となる。該樹脂組成
物の架橋反応の発熱曲線は、示差走査熱量計(DSC)
により測定することができる。
【0055】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物
の架橋反応の立ち上がり温度は、該組成物に添加する潜
在性カチオン重合触媒(B)の種類と含有量でコントロ
ールすることができる。架橋反応の立ち上がり温度は、
上記示差走査熱量計で発熱曲線の開始温度として測定す
ることができる。
【0056】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物
の粉体と、可塑剤(C)および顔料(D)と、必要によ
りその他の添加剤(ブロッキング防止剤、離型剤等)と
からなる粉体混合物はスラッシュ成型用材料として好適
に用いられる。
【0057】上記可塑剤(C)としては、フタル酸エス
テル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];脂肪族
2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];トリメリッ
ト酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシ
ル、トリメリット酸トリオクチル等];燐酸エステル
[リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチ
ル、リン酸トリクレジール等];脂肪酸エステル[オレ
イン酸ブチル等];およびこれらの2種以上の混合物が
挙げられる。これらのうち好ましいのは、フタル酸エス
テルおよび燐酸エステルである。可塑剤の配合量は熱架
橋性ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対し、通常
1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部である。
【0058】上記顔料(D)としては特に限定されず、
公知の有機顔料および/または無機顔料を使用すること
ができる。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性ア
ゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料
等が挙げられ、無機系顔料としては、クロム酸塩、フェ
ロシアン化合物、金属酸化物、硫化物セレン化合物、金
属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、金属粉
末、カーボンブラック等が挙げられる。顔料の配合量は
熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対し、
通常0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部であ
る。
【0059】上記ブロッキング防止剤としては特に限定
されず、公知の無機系ブロッキング防止剤または有機系
ブロッキング防止剤を使用することができる。無機系ブ
ロッキング防止剤としてはシリカ、タルク、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム等が挙げられ、有機系ブロッキング
防止剤としては粒子径10μm以下の熱硬化性樹脂(例
えば、熱硬化性ポリウレタン樹脂、グアナミン系樹脂、
エポキシ系樹脂等)および粒子径10μm以下の熱可塑
性樹脂[例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ(メ
タ)アクリレート樹脂等]が挙げられる。ブロッキング
防止剤の配合量は熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物10
0重量部に対し、通常0.05〜2重量部である。
【0060】 上記離型剤としては
公知の離型剤が使用できる。該離型剤としては、例えば
フッ素系離型剤(リン酸フルオロアルキルエステル
等)、シリコン系離型剤(ジメチルポリシロキサン、ア
ミノ変性ジメチルポリシロキサン、カルボキシル変性ジ
メチルポリシロキサン等)、脂肪酸エステル系離型剤
[アルカン(炭素数11〜24)酸アルケニル(炭素数
6〜24)エステル等]、リン酸エステル系離型剤(リ
ン酸トリブチルエステル)等が挙げられる。離型剤の配
合量は熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物100重量部に
対し、通常0.05〜2重量部である。
【0061】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物
の粉体に上記添加剤等を配合する場合、あるいは前記熱
架橋性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法において、
公知の粉体混合装置を使用することができる。該粉体混
合装置の具体例としては、高速剪断混合装置[三井鉱山
(株)製「へンシェルミキサー」、深江工業(株)製
「ハイスピードミキサー」等]、低速混合装置[ホソカ
ワミクロン(株)製「ナウタミキサー」等]などが挙げ
られる。なお、上記(C)、(D)および必要によりそ
の他の添加剤は、熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物の粉
体と混合するのが好ましいが、これらの一部または全部
を予め熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の製造段階また
は樹脂組成物の製造段階における任意の段階で添加して
おいてもよい。
【0062】また本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組
成物には、必要に応じ公知の耐候性安定剤、滑剤、耐熱
安定剤、難燃剤等を添加することができる。これらの添
加方法については特に限定されず、樹脂分散体の製造段
階で添加してもよいし、樹脂粉体に添加してもよい。
【0063】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物
は、該樹脂組成物の粉末を増粘剤を含む水性媒体に再分
散するか、あるいは前記またはの方法で得られた水
性分散体に増粘剤を加えて水系ペーストとした形態でも
用いることができる。
【0064】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成物
は、耐候性、耐溶剤性、接着強度、樹脂強度等に優れる
ので、成形材料、熱溶融型接着剤、粉体塗料等の各種用
途に使用することができ、特にスラッシュ成形用材料、
接着芯地用接着剤および粉体塗料として好適に用いるこ
とができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記
載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。な
お、実施例中の平均粒子径、発熱開始温度、および発熱
開始温度と終了温度の差は以下の方法で測定した。 平均粒子径:日本鉱業(株)製「TSUB−TEC30
0」を用いて測定した。 発熱開始温度、発熱開始温度と終了温度の差:示差走査
熱量計(パーキンエルマー社製「DSC7」)を用いて
下記条件で測定した。 サンプル量;20mg 測定温度範囲;30〜250℃ 昇温速度;5℃/min. 測定雰囲気;窒素中
【0066】製造例1 撹拌棒を備えた反応容器に、ジイソデシルフタレート9
0部、カーボンブラック(HCFグレード)10部を仕
込み、均一になるまで混合した。得られた混合物を[着
色剤1]とする。
【0067】実施例1 攪拌棒および温度計を備えた反応容器に、ジエチレント
リアミンとアセトンとからのジケチミン化物183部を
投入し、80℃に昇温した。そこにプロペニルグリシジ
ルエーテル114部を20分で滴下し、さらに同温度で
30分反応を行った。得られた化合物を(S1)とす
る。上記と同様の反応容器に、ヒドロキシル価が56の
ネオペンチルアジペートジオール2,200部を投入
し、3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱
水を行った。続いてIPDI488部を投入し、120
℃で8時間反応を行い末端にイソシアネート基(NC
O)を有するウレタンプレポリマーを得た。該プレポリ
マーのNCO含量は3.4%であった。このプレポリマ
ー269部に、イソホロンジアミン(以下IPDAと略
記)とアセトンのジケチミン化物12.5部、上記(S
1)16.3部、ジ−n−ブチルアミン2.6部、およ
び[着色剤1]30部を加え25℃で均一に混合した
後、1%濃度ポリビニルアルコール水溶液1,200部
を添加し、ウルトラディスパーザー(ヤマト科学製)を
使用し、回転数6,000rpmで1分間混合した。さ
らに3時間攪拌して反応を完結させた後、濾別、乾燥を
行い、ポリウレタン樹脂粉末322部を得た。該樹脂粉
末322部にカチオン重合触媒[三新化学工業(株)製
「サンエイドSI−150L」]溶液(溶媒:酢酸エチ
ル/n−ヘプタン=50部/50部、濃度:10%)3
2部を加え、ハイスピードミキサーで均一に混合した
後、50℃で3時間乾燥して本発明の熱架橋性ポリウレ
タン樹脂組成物(P1)323部を得た。この樹脂組成
物の平均粒子径は180μm、発熱開始温度は198
℃、発熱開始温度と終了温度の差は30℃であった。
【0068】実施例2 実施例1と同様の反応容器に、ヒドロキシル価が56の
ネオペンチルアジペートジオール1,600部を投入
し、3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱
水を行った。続いて2−ヒドロキシエチルプロペニルエ
ーテル20.4部およびIPDI355部を投入し、1
20℃で8時間反応を行い末端にNCO基を有するウレ
タンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量
は3.0%であった。このプレポリマー198部に、I
PDAとアセトンのジケチミン化物17.5部および
[着色剤1]22部をを加え25℃で均一に混合した
後、1%濃度ポリビニルアルコール水溶液1,000部
を添加し、ウルトラディスパーザー(ヤマト科学製)を
使用し、回転数6,000rpmで1分間混合した。さ
らに3時間攪拌して反応を完結させた後、濾別、乾燥を
行いポリウレタン樹脂粉末237部を得た。該樹脂粉末
237部にカチオン重合触媒(触媒作用発現温度160
℃)[三新化学工業(株)製「サンエイドSI−160
L」]溶液(溶媒:酢酸エチル/n−ヘプタン=50部
/50部、濃度:10%)12部を加え、ハイスピード
ミキサーで均一に混合した後、50℃で3時間乾燥して
本発明の熱架橋製ポリウレタン樹脂組成物(P2)23
9部を得た。この樹脂組成物の平均粒子径は200μ
m、発熱開始温度は206℃、発熱開始温度と終了温度
の差は30℃であった。
【0069】比較例1 実施例1と同様の反応容器に、ヒドロキシル価が56の
ネオペンチルアジペートジオール2,200部を投入し
3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を
行った。続いてIPDI488部を投入し、120℃で
8時間反応を行い末端にNCO基を有するウレタンプレ
ポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量は3.4
%であった。このプレポリマー195.5部に、IPD
A11.9部、ジエタノールアミン2.1部、HDIの
イソシアヌレート変性体とε−カプロラクタムの付加体
[旭化成工業(株)製「デュラネートTPA−10
0」]11.2部および[着色剤1]24部を加え25
℃で均一に混合した後、1%濃度ポリビニルアルコール
水溶液1,200部を添加し、ウルトラディスパーザー
(ヤマト科学製)を使用し、回転数6,000rpmで
1分間混合した。さらに3時間攪拌して反応を完結させ
た後、濾別、乾燥を行い、比較の熱架橋性ポリウレタン
樹脂組成物(P3)244部を得た。この樹脂組成物の
平均粒子径は155μm、発熱開始温度は170℃、発
熱開始温度と終了温度の差は55℃であった。
【0070】性能試験例1 着色樹脂粉末(P1)〜(P3)を、それぞれ220℃
に加熱した金型に3分間接触させ熱溶融後未溶融の粉末
を除去し、室温中で1分間放置した後、水冷し成形シー
トを作成した。得られた成形シートについて下記試験方
法により性能試験を行った。その結果を表1に示す。 白化(外観):シート表面を目視判定した。 ピンホール:成形シートを光に透かして、ピンホールの
有無を目視判定した。 シート破断強度、破断伸び(25℃):JIS−K63
01に準じて測定した。 耐光性:ブラックパネル温度83℃のカーボンアークフ
ェドメーター内で400時間処理した後、成形品表面の
外観を目視判定した。。 耐溶剤性:成形シートに0.1mlのエタノールをスポ
イドで滴下し、25℃×10分、60℃×30分、25
℃×24時間保持後、シート表面を水でふき取った後、
表面を観察した。無変化の状態をを5級、損傷が著しい
状態を1級とし表面状態を5段階で示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明の熱架橋性ポリウレタン樹脂組成
物は、下記の効果を有する。 (1)スラッシュ成形用材料として用いた場合、架橋反
応の発熱曲線がシャープであり、樹脂が充分溶融した後
に架橋反応が立ち上がるため、白化現象が無く外観に優
れ、ピンホール等欠陥の無い強靭なシートが得られる。 (2)熱溶融処理後、架橋構造を形成するために、得ら
れる成形物は耐光性、耐溶剤性に優れる。
(3)架
橋反応の立ち上がり温度が高いため、耐熱保存安定性に
優れる。 上記効果を奏することから本発明の熱架橋性ポリウレタ
ン樹脂組成物は、自動車の内装材等のスラッシュ成形用
材料として特に有用であり、また接着芯地用接着剤等の
ホットメルト接着剤ならびに粉体塗料としても有用であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロペニルエーテル基、ビニルフェニル
    エーテル基およびビニルエーテル基から選ばれる重合性
    基(e)を分子中に1個以上有する熱可塑性ポリウレタ
    ン樹脂(A)と、熱潜在性カチオン重合触媒(B)とか
    らなることを特徴とする熱架橋性ポリウレタン樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)が、活性水素成分とポリイソシア
    ネートとを反応させてポリウレタンを製造するにあた
    り、活性水素成分の少なくとも一部として、分子内に重
    合性基(e)を有する活性水素含有化合物を用いてなる
    ポリウレタン樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)が、プロトン酸もしくはルイス酸
    をルイス塩基で中和した化合物、スルホン酸エステル
    類、リン酸エステル類およびオニウム化合物からなる群
    から選ばれる1種以上である請求項1または2記載の樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)の量が、(A)と(B)の合計重
    量に基づいて、0.01〜10重量%である請求項1〜
    3のいずれか記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 示差走査熱量計で測定される架橋反応の
    発熱曲線における発熱開始温度と終了温度の差が40℃
    以下である請求項1〜4のいずれか記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 平均粒径が10〜500μmの粉体であ
    る請求項1〜5のいずれか記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の組成物
    と、可塑剤(C)および顔料(D)とを主成分として含
    有してなるスラッシュ成形用材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005040282A1 (ja) * 2003-10-29 2005-05-06 Kyowa Hakko Chemical Co., Ltd. 樹脂組成物
JP2006257325A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Sanyo Chem Ind Ltd 着色スラッシュ成形用材料の製造方法

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