JP5720088B2 - 変性ウレタン樹脂硬化性組成物、及びその硬化物 - Google Patents

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本発明は、ポリカーボネート成分またはポリブタジエン成分を導入して変性した変性ウレタン樹脂を含んで構成された変性ウレタン樹脂硬化性組成物に関する。この変性ウレタン樹脂硬化性組成物の硬化物は、電気絶縁性、耐熱性、低反り、折り曲げ性などの特性が優れ、さらにアンダーフィル材との接合強度が改良されたものである。このため、本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物は、特にチップオンフィルム(COF)形式のフレキシブル配線板の絶縁膜(保護膜、ソルダレジスト、層間絶縁層など)を形成するために好適に用いることができる。
近年、フレキシブル配線板の絶縁膜は、主にポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などからなる樹脂硬化性組成物を用いて形成されている。これらの樹脂硬化性組成物では、その硬化物に柔軟性、折り曲げ性、低反り性などの特性を付与する目的で、樹脂成分にポリカーボネート、ポリブタジエンなどの柔軟な成分を導入して変性している。
特許文献1,2には、柔軟な成分としてポリカーボネート成分またはポリブタジエン成分を導入して変性した変性ウレタン樹脂を含んで構成された変性ウレタン樹脂硬化性組成物が提案されている。この変性ウレタン樹脂硬化性組成物の硬化物は、電気絶縁性、耐熱性、低反り、折り曲げ性、封止材料との密着性などの特性が優れたものであり、フレキシブル配線板の絶縁膜に好適に用いられるものであった。しかしながら、封止材料との密着性については、はがれ具合を目視観察で評価して密着性を確認しているが、必ずしも充分な検討がなされておらず、特にCOF形式のフレキシブル配線板で用いられるアンダーフィル材との接合強度については改良の余地があった。
特開2006−307183号公報 特開2006−104462号公報
本発明は、その硬化物が電気絶縁性、耐熱性、低反り、折り曲げ性などの特性が優れ、さらにアンダーフィル材との接合強度が改良された、ポリカーボネート成分またはポリブタジエン成分を導入して変性した変性ウレタン樹脂を含んで構成された変性ウレタン樹脂硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の各項に関する。
1. ジイソシアネート化合物(a)と、少なくともポリカーボネートジオール(b1)またはポリブタジエンジオール(b2)を含むジオール化合物(b)とを反応して得られる変性ウレタン樹脂(A)、及び
ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)、
を含有することを特徴とする変性ウレタン樹脂硬化性組成物。
2. ジオール化合物(b)が、さらに置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)を含むことを特徴とする前記項1に記載の変性ウレタン樹脂硬化性組成物。
3. ジオール化合物(b)が、さらに主鎖中にイミド環を有するジオール化合物(b4)を含むことを特徴とする前記項1〜2のいずれかに記載の変性ウレタン樹脂硬化性組成物。
4. 組成物が、さらにエポキシ樹脂(C)及び/またはアミノ樹脂(D)を含有することを特徴とする前記項1〜3のいずれかに記載の変性ウレタン樹脂硬化性組成物。
5. 前記項1〜4のいずれかに記載の変性ウレタン樹脂硬化性組成物を加熱処理して硬化させたことを特徴とする硬化物。
6. 絶縁フィルム上に導電性金属で形成された配線パタ−ンを有するフレキシブル配線板を準備する工程、フレキシブル配線板の少なくともリード部を除いた配線パタ−ン面に前記項1〜4のいずれかに記載の変性ウレタン樹脂硬化性組成物を塗布し、次いでその塗膜を硬化させて絶縁膜を形成する工程、配線パターンのリード部にICチップなどの電子部品を実装する工程、及びフレキシブル配線板と電子部品との間隙にアンダーフィル材を注入し封止する工程を含むことを特徴とするテープキャリアパッケージ(フレキシブル実装配線板)の製造方法。
本発明によって、その硬化物が電気絶縁性、耐熱性、低反り、折り曲げ性などの特性が優れ、さらにアンダーフィル材との接合強度が改良された、ポリカーボネート成分またはポリブタジエン成分を導入して変性した変性ウレタン樹脂を含んで構成された変性ウレタン樹脂硬化性組成物を得ることができる。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物は、少なくとも、変性ウレタン樹脂(A)とブロック多価イソシアネート化合物(B)とを含んで構成される。
前記変性ウレタン樹脂(A)は、例えば特許文献1,2に記載されているような、ジイソシアネート化合物(a)と、少なくともポリカーボネートジオール(b1)またはポリブタジエンジオール(b2)を含むジオール化合物(b)とを反応して得られる変性ウレタン樹脂である。
本発明において、ジイソシアネート化合物(a)は、通常のポリウレタンを製造する際に用いられるものを好適に用いることができる。すなわち、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族または芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネートを好適に挙げることができる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ジオール化合物(b)は、少なくともポリカーボネートジオール(b1)またはポリブタジエンジオール(b2)を含んで構成される。
ポリカーボネートジオール(b1)は、主鎖中にカーボネート結合を有するジオール化合物であれば特に限定されないが、下記化学式(1)で示される2官能性水酸基末端のポリカーボネートジオールを好適に用いることができる。
Figure 0005720088
(式中、Rは2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数が2〜20の2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基を示し、nは1〜40の整数である。)
ポリカーボネートジオール(b1)は、数平均分子量が500〜10000のものが好ましく、1000〜5000のものがより好ましい。数平均分子量が500未満になると好適な柔軟性が得難くなり、また数平均分子量が10000を越えると耐熱性や耐溶剤性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b1)は、具体的には宇部興産株式会社製のETERNACOLL UHシリーズ、UNシリーズ、UDシリーズ、UCシリーズ、ダイセル化学工業株式会社製のPLACCELシリーズ、クラレ株式会社製のクラレポリオールシリーズ、旭化成ケミカルズ株式会社製のPCDLシリーズなどを好適に挙げることができる。これらのポリカーボネートジオールは、単独で、または二種類以上組合せて用いられる。
本発明において、ポリブタジエンジオール(b2)は、限定するものではないが、2官能性水酸基末端のポリブタジエンジオールが好ましく、また数平均分子量が500〜10000のものが好ましく、1000〜5000のものがより好ましい。数平均分子量が500未満になると好適な柔軟性が得難くなり、また数平均分子量が10000を越えると耐熱性や耐溶剤性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。なお、ポリブタジエンジオール(b2)は、分子内に二重結合を有していても、分子内の二重結合を水添したものであってもよいが、分子内に二重結合が残っていると架橋反応を起こして柔軟性がなくなる場合があるので、特に好ましくは分子内の二重結合を水添されたものである。本発明で用いられるポリブタジエンジオール(b2)は、具体的には日本曹達株式会社製のGシリーズ、GIシリーズ、出光石油化学株式会社製のPoly bdシリーズ、Poly ipシリーズ、エポールシリーズ、KRASOLシリーズ、三菱化学株式会社製のポリテールHシリーズなどを好適に挙げることができる。
本発明において、ジオール化合物(b)は、ポリカーボネートジオール(b1)またはポリブタジエンジオール(b2)以外のジオール化合物を好適に含んで構成される。
ポリカーボネートジオール(b1)またはポリブタジエンジオール(b2)以外のジオール化合物としては、置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)を用いることができる。置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)を用いることで、変性ウレタン樹脂分子中にカルボキシル基を導入できる。この結果、変性ウレタン樹脂は、イソシアネート基やエポキシ基などを有する化合物と容易に反応できるようになる。すなわち、変性ウレタン樹脂を架橋する際、効果的に架橋することが可能となり、得られる硬化物の耐熱性や耐溶剤性を増大することができる。
置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)としては、特に限定するものではないが、置換基としてカルボキシル基を持った、炭素数が1〜30更に炭素数が2〜20のジオール化合物が好適である。具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸などを挙げることができる。
本発明では、ジオール化合物(b)として、さらに主鎖中にイミド環を有するジオール化合物(b4)を用いることができる。主鎖中にイミド環を有するジオール化合物(b4)は、主鎖中にイミド環を有するジオール化合物であれば限定するものではないが、例えば下記化学式(2)で表されるアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーを好適に用いることができる。
Figure 0005720088
(式中、Rは2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数が1〜10の2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表し、Xはテトラカルボン酸のカルボキシル基を除いた4価の基を示し、Yはジアミンのアミノ基を除いた2価の基を示し、mは0〜20の整数である。)
主鎖中にイミド環を有するジオール化合物(b4)を用いることで、変性ウレタン樹脂分子中にイミド構造を導入することが可能となる。これにより、硬化物の機械強度、耐熱性や絶縁信頼性を増大することができる。
前記化学式(2)で表されるアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーは、テトラカルボン酸成分と、ジアミン化合物及び水酸基を1個有するモノアミン化合物からなるアミン成分とから得られる。式中、mは0〜20の整数を示し、特に0〜10であり、さらに好ましくは0〜5である。mが20以上では得られる変性ウレタン樹脂の溶解性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。なお、このアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーは、限定されるものではないが、例えば特許文献1,2、及び特開2007−238818号公報などに記載の公知の方法で容易に得ることができる。
本発明の変性ウレタン樹脂(A)は、ジイソシアネート化合物(a)とジオール化合物(b)とを反応して得られる。本発明において、使用するジイソシアネート化合物(a)とジオール化合物(b)とのモル比[ジオール化合物(b)のモル数/ジイソシアネート化合物(a)のモル数]は、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.8〜2.5、さらに好ましくは0.9〜2.0の範囲である。前記モル比が小さすぎると反応液が増粘することがあるので好ましくなく、前記モル比が大きすぎると変性ウレタン樹脂の分子量が低くなり、耐熱性などが低下する。
また、ジオール化合物(b)が、置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)を含んで構成される場合に、それを使用するモル比[置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)のモル数/(全ジオール化合物(b)のモル数−置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)のモル数)]は、好ましくは0.01〜10、より好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.2〜2の範囲である。前記モル比が小さすぎると、架橋基が少ないため、架橋密度が低く硬化物の耐熱性が低下することがあり、前記モル比が大きすぎると架橋基が多すぎるため、架橋密度が高くなり得られる硬化物の硬化時の変形(特に反り)が大きくなる。
また、ジオール化合物(b)が、主鎖中にイミド環を有するジオール化合物(b4)を含んで構成される場合に、それを使用するモル比[主鎖中にイミド環を有するジオール化合物(b4)のモル数/(全ジオール化合物(b)のモル数−主鎖中にイミド環を有するジオール化合物(b4)のモル数)]は、好ましくは0.01〜10、より好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.2〜2の範囲である。前記モル比が小さすぎると、硬化物の耐熱性が低下することがあり、前記モル比が大きすぎると柔軟性が低下することがある。
本発明の変性ウレタン樹脂(A)の製造方法を具体的に説明する。ジイソシアネート化合物(a)とジオール化合物(b)との反応は、無溶媒あるいは有機溶媒に溶解して行うことができる。反応温度は30℃〜150℃好ましくは30℃〜120℃であり、反応時間は通常1〜48時間である。また、触媒として、公知のウレタン化触媒を用いることができる。この反応はイソシアネートが水分によって失活するのを防ぐために窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
溶媒中で反応する際に用いる溶剤としては、特に限定されないが、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒のクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒のジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、エチレングリコールジエチルエーテル、カルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、テトラグライムなど、ケトン系溶媒のアセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、シクロヘキサノン、イソホロンなど、エーテル系溶剤のエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど、ラクトン系溶媒のγ−ブチロラクトンなど、を挙げることができる。特に、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。
本発明で用いられる変性ウレタン樹脂(A)の数平均分子量は、限定するものではないが、好ましくは3000〜100000より好ましくは5000〜50000である。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。数平均分子量が前記範囲よりも低いと、得られる硬化膜の伸度、可撓性および強度などの機械的特性を損なうことがあり、一方、前記範囲を超えると粘度が必要以上に増加するために用途が限定される恐れがある。
本発明において、ブロック多価イソシアネート化合物(B)は、ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物であることを特徴とする。このブロック多価イソシアネート化合物(B)は、多価イソシアネート化合物と、ピラゾール誘導体化合物もしくは活性メチレン化合物との反応で容易に得られる。
本発明において、ピラゾール誘導体化合物は、ピラゾール環を含有する化合物であれば特に限定されないが、下記化学式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005720088
(式中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、或いは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
このようなピラゾール誘導体化合物としては、例えば、無置換ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−アセチルアミノピラゾール、ピラゾール−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステルなど各種のものを用いることができる。これらのなかでも、入手が容易であり、さらに硬化性樹脂として用いた場合の硬化性やその他の物性などの面から3,5−ジメチルピラゾールが特に好ましい。
ピラゾール誘導体化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)は、一般に市販されているものを好適に用いることができる。例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製のデュラネートSBN−70D(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのピラゾール誘導体ブロックイソシアネート)、SBB−70P(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのピラゾール誘導体ブロックイソシアネート)が挙げられる。
本発明において、活性メチレン化合物は、活性メチレン基を有する化合物であれば特に限定されないが、下記化学式(4)で表されるアセト酢酸アルキルエステル誘導体、もしくは下記化学式(5)で表されるマロン酸ジエステル誘導体が好ましい。
Figure 0005720088
(式中、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。)
Figure 0005720088
(式中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。)
このような活性メチレン化合物としては、例えばアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなどが好適に用いることができる。これらの内でも、入手が容易であり、さらに硬化性樹脂として用いた場合の硬化性やその他の物性などの面からアセト酢酸エチル、マロン酸ジエチルが好ましい。
活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)としては、一般に市販されているものを好適に用いることができる。例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製のデュラネートK6000(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの活性メチレン化合物ブロックイソシアネート)、MF−K60X(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの活性メチレン化合物ブロックイソシアネート)が挙げられる。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物において、ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物でブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、好ましくは、変性ウレタン樹脂(A)のカルボン酸当量数と水酸基当量数の総和に対するブロック多価イソシアネート化合物(B)の官能基当量数の比[ブロック多価イソシアネート化合物(B)の官能基当量数/変性ウレタン樹脂(A)のカルボン酸当量数と水酸基当量数の総和]が0.1〜10.0、好ましくは0.5〜5の範囲である。当量数の比が前記範囲よりも低くなると、硬化不足になって得られる硬化物の絶縁信頼性、機械特性、及び耐溶剤性が不十分となる場合があり、一方、前記範囲を超えると、機械特性が低下し易く、硬化収縮量が多くなってフレキシブルプリント配線基板(FPC)の絶縁膜として使用する場合に反りが大きくなるので好適ではない。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物においては、架橋剤としての役割を持つ成分として、ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)と併用して、エポキシ樹脂(C)及び/またはアミノ樹脂(D)を用いることができる。
エポキシ樹脂(C)としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエンなどの、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物などを好適に用いることができる。特に脂環式エポキシ樹脂や、エポキシ化ポリブタジエンは、塩素不純物が少なく絶縁信頼性が良好であるため、好適に用いることができる。また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子がその構造中に導入されたエポキシ化合物を使用してもよい。
アミノ樹脂(D)としては、例えば完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、イミノ/メチロール型のメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂などを好適に用いることができる。特にベンゾグアナミン樹脂は、絶縁信頼性が良好であることから好適である。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物においては、変性ウレタン樹脂の固形分(A)100質量部に対して、ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)0.1〜50質量部、エポキシ樹脂(C)0〜50質量部、アミノ樹脂(D)0〜50質量部の割合で配合することが好適である。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物においては、さらにフィラー(E)を好適に含有することができる。
フィラー(E)としては公知のものを好適に使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、ガラス粉、石英粉などの無機の微粒子、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、グアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ゴム粒子、シリコーンパウダー等の有機の微粒子を好適に用いることができる。その粒子径(平均粒径)は、0.001〜50μm、好ましくは0.01〜10μmである。また、その配合量は、変性ウレタン樹脂(A)の固形分100質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部である。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物で用いる有機溶媒(F)としては、特に限定されないが、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒、例えばクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒例えばジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(ジグライム)、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(トリグライム)、テトラグライムなど、ケトン系溶媒例えば、アセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど、ラクトン系溶媒、例えばγ−ブチロラクトンなど、を挙げることができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。また、変性ウレタン樹脂を合成する際に使用できる有機溶媒をそのまま使用することができる。
また、本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物においては、イミダゾール類や3級アミン類などの硬化触媒、有機着色顔料、無機着色顔料などの顔料、アクリル系消泡剤、ビニル系消泡剤、シロキサン系消泡剤などの消泡剤、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の酸化防止剤、フェノール樹脂など公知の各種添加剤を配合してもよい。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物をソルダーレジストインキとして用いる際には、25℃における回転粘度計での粘度が、通常5Pa・s 〜500Pa・sであり、好ましくは25Pa・s 〜200Pa・sの範囲である。スクリーン印刷によりパターン形成する場合に、滲み出しを抑制するため、シリカなどの微細なフィラーを加えてチキソ性を付与することが好ましい。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物は、好適には加熱処理することによって硬化物を得ることができる。溶液組成物の場合には、例えばスクリーン印刷などによって塗膜を形成し、低温で溶媒を除去し、次いで加熱処理によって、少なくとも変性ウレタン樹脂(A)と、ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)との間の架橋反応を行わせることによって好適に硬化物を得ることができる。加熱処理条件としては、例えば60〜200℃で10分〜5時間、好ましくは80〜150℃で30分〜3時間、さらに好ましくは100〜130℃で30分〜2時間であり、熱風や赤外線によって加熱することが好ましい。
本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物は、その硬化物が良好な耐熱性、機械的特性、優れた可撓性、低反り性、絶縁信頼性などに加え、より高いアンダーフィル材との接合強度を達成することができるので、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、チップオンフィルム(COF)などのチップ部品を実装するいわゆるテープキャリアパッケージなどのソルダーレジストなどとして、或いはその他の電気電子部品の絶縁膜(保護膜)を形成するために、好適に用いることができる。また、本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物は、層間絶縁膜などの電気絶縁材料、ICや超LSIの封止材料、積層板用材料等の電子部品の用途に好適に利用できる。
テープキャリアパッケージなどのソルダーレジストとして用いる場合の加熱処理による硬化は、例えば導電性金属で形成された配線パタ−ンを有する絶縁フィルムのパタ−ン面に、乾燥膜の厚さが3〜60μm程度となるようにスクリ−ン印刷などによって塗布した後、その塗膜を100〜210℃程度好適には110〜200℃で5〜120分間好適には10〜60分間程度で加熱処理して硬化させることによって、良好なハンダ耐熱性、低反り性、折り曲げ性、タックフリー性を有すると共に、アンダーフィル材との接合強度が大幅に改良された絶縁膜(硬化膜)を得ることができる。
したがって、本発明のテープキャリアパッケージの製造方法(電子部品の実装方法)は、特にチップオンフィルム(COF)形式のフレキシブル配線板などのソルダーレジストとして本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物を用いることを特徴とするものであり、具体的には、ポリイミドフィルムなどの絶縁フィルム上に導電性金属で形成された配線パタ−ンを有するフレキシブル配線板を準備する工程、絶縁フィルム表面の導電性金属によって形成された配線パターンのリード部分を除く大部分の領域に、変性ウレタン樹脂硬化性組成物をスクリーン印刷などによって塗布し、その塗膜を加熱処理して硬化膜(絶縁膜)を形成する工程、配線パターンのリード部分にチップ部品などの電子部品をバンプなどを用いて実装する工程、次いでフレキシブル配線板と実装したチップ部品との間隙にアンダーフィル材を注入し、その後60〜200℃程度の温度で加熱処理してアンダーフィル材を硬化させる工程を含んで好適に構成される。
この製造方法によれば、アンダーフィル材が変性ウレタン樹脂硬化性組成物を硬化して得られた絶縁膜と直接接するように注入されるので、この両者間の接着強度が著しく改良したテープキャリアパッケージを好適に得ることができる。
実施例及び比較例によって本発明を更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例において評価は次の方法で行った。
[アンダーフィル材との剥離強度]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に試料の変性ウレタン樹脂硬化性組成物をスクリーン印刷にて塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。このポリイミドフィルム上の硬化膜に、アンダーフィル材(ナミックス株式会社製チップコート)を0.01g滴下し、その上にガラス製模擬チップ1cm×1cm(厚さ0.5mm)を載せ、150℃で2.5時間加熱処理をし、剥離試験サンプルを作製した。島津製作所製小型卓上試験機EZ−Sを用い、剥離試験サンプルのガラス製模擬チップを冶具で固定し、ポリイミドフィルム上の硬化膜をガラス製模擬チップ面となす角 90°で剥離した。表1にアンダーフィル材との剥離強度(N)として、剥離初期の最大強度を記す。
[ハンダ耐熱性]
厚さ35μmの電解銅箔の光沢面に試料の変性ウレタン樹脂硬化性組成物を塗布し硬化させ、10μm厚の硬化膜を形成して試料とした。硬化膜上にロジン系フラックス(サンワ化学工業社製:SUNFLUX SF−270)を塗布した後、260℃の半田浴に10秒間絶縁膜を接触させた。その後の試料の状態を目視で観察して評価した。異常が生じない場合を○、ふくれなどの異常が生じた場合を×で示した。
[低反り性]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に試料の変性ウレタン樹脂硬化性組成物をスクリーン印刷にて塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。このポリイミドフィルムと硬化膜の積層体を5cm×5cmにカットし、硬化膜を上にした状態で水平な台の乗せ水平面からの4つの角の高さを測定し、その平均値を求めた。
[折り曲げ性]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に試料の変性ウレタン樹脂硬化性組成物をスクリーン印刷にて塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。このポリイミドフィルムと硬化膜の積層体を長さ2cm×幅1cmにカットし、長さ方向の中央で折り曲げ、折り曲げ部上に500gの分銅を載せ1分間静置した。折り曲げ部を顕微鏡で観察し、異常がない場合を○、クラック・白化等が見られる場合を×とした。
[タックフリー性]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に試料の変性ウレタン樹脂硬化性組成物をスクリーン印刷にて塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。このポリイミドフィルムと硬化膜の積層体を幅2.5cm、長さ5cmに切り出し、試料を作製した。この試料を160℃に加熱したホットプレートに塗膜面を上向きに置き、その上にSUS製の錘(底面積2cm×5cm 重量500g)を30秒間乗せ、持ち上げた際、張り付きがない場合を○、張り付いた場合を×とした。
以下の各例で使用した化合物は、次のとおりである。
[ジイソシアネート化合物]
デスモジュールW:住化バイエルウレタン株式会社製、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)
ミリオネートMT:日本ポリウレタン工業株式会社製、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
[ポリカーボネートジオール]
クラレポリオール C−1065N:株式会社クラレ製 水酸基価112mgKOH/g、1,9−ノナンジオール, 2−メチル−1,8−オクタンジオールベースポリカーボネートジオール
ETETNACOLL UH−200:宇部興産株式会社製 水酸基価57.2mgKOH/g、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール
[カルボキシル基を有するジオール化合物]
DMBA:2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)
Bis−MPA:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(広栄パーストープ株式会社社製)
[ブロック多価イソシアネート化合物]
デュラネート SBN−70D:旭化成ケミカルズ株式会社製、有効NCO 10.1wt%、ブロック化剤はピラゾール誘導体化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート型ポリイソシアネート
デュラネート SBB−70P:旭化成ケミカルズ株式会社製、有効NCO 10.1wt%、ブロック化剤はピラゾール誘導体化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート型ポリイソシアネート
デュラネート K6000:旭化成ケミカルズ株式会社製、有効NCO 7.2wt%、ブロック化剤は活性メチレン化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート型ポリイソシアネート
デュラネート MF−K60X:旭化成ケミカルズ株式会社製、有効NCO 6.4wt%、ブロック化剤は活性メチレン化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート型ポリイソシアネート
デュラネート ME20−B80S:旭化成ケミカルズ株式会社製、有効NCO 5.8wt%、ブロック化剤はオキシム化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート型ポリイソシアネート
タケネート B830:三井武田ケミカル株式会社製、有効NCO 7.0wt%、ブロック化剤はオキシム化合物、トリレンジイソシアネート型ポリイソシアネート
[エポキシ樹脂、アミノ樹脂]
セロキサイド2021P:ダイセル化学株式会社製エポシキ樹脂、エポキシ当量:126)
マイコートM136:日本サイテックインダストリーズ株式会社製ベンゾグアナミン樹脂
[フィラー]
〔シリカ〕
アエロジルR972:日本アエロジル社製 比表面積(BET法):110m/g
〔硫酸バリウム〕
BARIFINE B−30:(堺化学工業株式会社製、平均粒子径0.3μm)
[有機溶媒]
γ―ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)
ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(和光純薬株式会社製)
[硬化触媒]
DBU:アルドリッチ株式会社製、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン)
キュアゾール2E4MZ:四国化成工業株式会社製、2−エチル−4−メチルイミダゾール)
〔参考例1〕[変性ウレタン樹脂(PU1)の製造]
撹拌機、温度計、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、クラレポリオールC−1065N 83.90g、DMBA 15.85g、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート 150.15gを仕込み、90℃で1時間攪拌した後、70℃まで冷却した後、デスモジュールW 52.5gを加え、1時間攪拌した後、80℃で1時間、100℃で2時間攪拌した。固形分 50.5%、粘度 151Pa・sの変性ウレタン樹脂(PU1)溶液を得た。
〔参考例2〕[アルコール水酸基末端のイミドオリゴマー溶液の製造]
窒素導入管、ディーンスタークレシバー、冷却管を備えた容量5リットルのガラス製セパラブルフラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1471g、エタノール507g及びγ−ブチロラクトン2092gを仕込み、窒素雰囲気下、90℃で1時間撹拌した。次いで、3−アミノプロパノール376g、イソホロンジアミン426gを仕込み、窒素雰囲気下、120℃で2時間、180℃2時間加熱し、イミド化反応により生じた水を反応液中に窒素を吹き込むことで除去した。このアルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液は、固形分52.3%であった。
〔参考例3〕[変性ウレタン樹脂(PU2)の製造]
撹拌機、温度計、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ETERNACOLL UH−200 1005.5g、γ−ブチロラクトン 2406.2g、Bis−MPA 67.1g、参考例2で合成したアルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液 879.9gを仕込み、50℃で溶解した後、ミリオネートMT 361.0gを加え、50℃で1時間、60℃で3時間、80℃で10時間撹拌し反応させた。固形分 40.1%、粘度 111Pa・sの変性ウレタン樹脂(PU2)溶液を得た。
〔実施例1〕[硬化性組成物の調製、及び硬化膜の作成]
参考例1で得た変性ウレタン樹脂(PU1)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して、ピラゾール誘導体によってブロックされた多価イソシアネート化合物の SBN−70Dを6質量部、エポキシ樹脂 2021P 9質量部、硬化触媒として、DBUを0.5質量部、キュアゾール2E4MZを0.5質量部、消泡剤及び顔料を加え、均一に撹拌・混合した。次いで、フィラーとして、シリカ R972を7質量部、硫酸バリウム B30を30質量部加え混合した後、3本ロールを用い混練した。組成物の粘度が20〜60Pa・sになるようにγ―ブチロラクトンで希釈し、変性ウレタン樹脂硬化性組成物を得た。
この変性ウレタン樹脂硬化性組成物の硬化膜について、アンダーフィル材との剥離強度、ハンダ耐熱性、低反り性、折り曲げ性、タックフリー性について評価した。
これらの評価結果を表1に示す。
〔実施例2〜6、比較例1〜2〕[硬化性組成物の調製、及び硬化物]
表1に記載した配合としたこと以外は実施例1と同様にして変性ウレタン樹脂硬化性組成物を得た。この変性ウレタン樹脂硬化性組成物の硬化膜について、実施例1と同様にして評価した。
それらの結果を表1に示す。
Figure 0005720088
表1に示した評価結果から分かるとおり、本発明の変性ウレタン樹脂硬化性組成物は、その硬化物が、良好なハンダ耐熱性、低反り性、折り曲げ性、タックフリー性を有すると共に、アンダーフィル材との接合強度が大幅に改良されたものである。
本発明によって、その硬化物が電気絶縁性、耐熱性、低反り、折り曲げ性などの特性が優れ、さらにアンダーフィル材との接合強度が改良された、ポリカーボネート成分またはポリブタジエン成分を導入して変性した変性ウレタン樹脂を含んで構成された変性ウレタン樹脂硬化性組成物を得ることができる。この変性ウレタン樹脂硬化性組成物は、ソルダーレジスト、特にチップオンフィルム(COF)形式のフレキシブル配線板のソルダーレジストとして好適に用いることができる。さらに層間絶縁膜などの電気絶縁材料、ICや超LSIの封止材料、積層板用材料等の電子部品の用途に好適に利用できる。

Claims (5)

  1. ジイソシアネート化合物(a)と、少なくともジオール成分として、1,9−ノナンジオール, 2−メチル−1,8−オクタンジオール又は1,6−ヘキサンジオールを含む炭素数6又は9のアルキル基を有するジオールから選択され、数平均分子量が500〜5000のポリカーボネートジオール(b1)を含み、さらに置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)を含むジオール化合物(b)とを反応して得られる変性ウレタン樹脂(A)、
    及び
    ピラゾール誘導体化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(
    B)、
    を含有することを特徴とする変性ウレタン樹脂硬化性組成物。
  2. ジイソシアネート化合物(a)と、少なくともジオール成分として、1,9−ノナンジオール, 2−メチル−1,8−オクタンジオール又は1,6−ヘキサンジオールを含む炭素数6又は9の直鎖もしくは分岐構造のアルキル基を有するジオールから選択され、数平均分子量が500〜5000のポリカーボネートジオール(b1)を含み、さらに置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)を含むジオール化合物(b)とを反応して得られる変性ウレタン樹脂(A)、
    及び
    ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)、
    を含有することを特徴とする変性ウレタン樹脂硬化性組成物。
  3. ジイソシアネート化合物(a)と、少なくともジオール成分として、1,9−ノナンジオール, 2−メチル−1,8−オクタンジオール又は1,6−ヘキサンジオールを含む炭素数6又は9のアルキル基を有するジオールから選択され、数平均分子量が500〜5000のポリカーボネートジオール(b1)を含み、さらに置換基としてカルボキシル基を有するジオール化合物(b3)を含むジオール化合物(b)とを反応して得られる変性ウレタン樹脂(A)、
    及び
    ピラゾール誘導体化合物または活性メチレン化合物によってブロックされたブロック多価イソシアネート化合物(B)、
    を含有し、アクリル樹脂を含まないことを特徴とする変性ウレタン樹脂硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の変性ウレタン樹脂硬化性組成物を加熱処理して硬化させたことを特徴とする硬化物。
  5. 請求項4に記載の硬化物を用いたテープキャリアパッケージ。
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