JP2012094850A - テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法、及び硬化性絶縁膜用樹脂組成物 - Google Patents

テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法、及び硬化性絶縁膜用樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法において、有害物質が発生する可能性が少なく、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるので高い生産性を持って経済的にテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を製造する。
【解決手段】 使用する硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、少なくとも塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)と塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)とを含む顔料(A)を含有して着色されていることを特徴するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法、及び硬化性絶縁膜用樹脂組成物に関する。特に、本発明は、光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法において、絶縁膜を着色するために用いられる顔料が塩素原子及び臭素原子を含まない顔料であって、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法、及びその様な製造方法に好適に用いられるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物に関する。
テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、絶縁フィルム上に導電性金属からなる配線パターンが形成され、少なくとも半導体チップなどの電子部品を実装するための接続端子部を除いて配線パターン面に硬化性絶縁膜用樹脂組成物を塗布され、次いで硬化されて、絶縁膜が形成されたものである。このテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、配線パターンの接続端子部に半導体チップなどの電子部品が、例えばTAB方式やCOF方式などの方式で搭載され、次いで、例えば絶縁フィルムと搭載された電子部品との間隙にアンダーフィル材が注入及び硬化され、電子部品が固定化されることによって、好適にテープキャリアパッケージが製造される。
特許文献1〜4には、前記絶縁膜を形成する硬化性絶縁膜用樹脂組成物として変性ポリウレタン樹脂組成物が用いられることが用いられることが記載されている。
特許文献5には、前記絶縁膜を形成する硬化性絶縁膜用樹脂組成物としてポリイミドシロキサン樹脂組成物が用いられることが用いられることが記載されている。
絶縁膜として、変性ポリウレタン樹脂組成物やポリイミドシロキサン樹脂組成物が好適に用いられる理由は、硬化性、印刷性、電気絶縁性、柔軟性、低硬化収縮性、低反り性、低タック性、耐薬品性、半田耐熱性などの耐熱性、アンダーフィル材との接着性(密着性)などの絶縁膜(絶縁保護膜)が通常求められる諸特性が優れているためである。
特開2006−104462号公報 特開2006−307183号公報 特開2007−154134号公報 特開2008−297536号公報 特開2004−211064号公報
テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の絶縁膜は、通常緑色や青色に着色される。ところで、近年環境問題の高まりから、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の絶縁膜を着色するために用いられる顔料としては、塩素原子及び臭素原子を含まない顔料を用いることが要請されている。
また、近年、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は配線パターンのファインピッチ化が進んでいるが、一方で、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造工程において、検査工程のコスト低減のために、通常の目視検査ではなく、光学式自動検査装置を用いて工程検査を行なうことが検討されている。
光学式自動検査装置を用いて工程検査を行なうと、通常の目視検査では異常とはならない絶縁膜中の微細な光学的不均一性や、本来は問題とならない僅かな成分の凝集などを欠陥と誤検出(誤認識)して、検査効率が低下するという問題が生じた。
したがって、本発明の目的は、光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法において、絶縁膜を着色するために用いられる顔料が塩素原子及び臭素原子を含まない顔料であって、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法、及びその様な製造方法に好適に用いられるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物を提供することにある。
すなわち本発明は、以下の各項に関する。
1. 絶縁フィルム上に導電性金属で形成された配線パタ−ンを有するフレキシブル配線板を準備する工程、フレキシブル配線板の少なくとも接続端子部を除いた配線パタ−ン面に硬化性絶縁膜用樹脂組成物を塗布し、次いで硬化させて絶縁膜を形成する工程、得られたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法であって、硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、少なくとも塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)と塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)とを含む顔料(A)を含有して着色されていることを特徴するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
2. 硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)、塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)、及び塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)を含む顔料(A)を含有して緑色に着色されていることを特徴する前記項1に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
3. 塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)のメジアン径が、100nm〜1000nmであり、塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)のメジアン径が、50nm〜500nmであり、及び塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)のメジアン径が、50nm〜500nmであることを特徴する前記項2に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
4. 硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、少なくともジイソシアネート化合物(b1)とポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール(b2)とカルボキシル基を含有するジオール化合物(b3)とを反応して得られる変性ポリウレタン樹脂(B)を含有して構成されていることを特徴する前記項1〜3のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
5. 塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)が、硫酸バリウムであり、変性ポリウレタン樹脂(B)固形分100質量部に対して10質量部以上含まれていることを特徴する前記項4に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
6. ジイソシアネート化合物(b1)が、脂環構造を有するジイソシアネート化合物であることを特徴とする前記項4または5に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
7. 変性ポリウレタン樹脂(B)が、主鎖中にイミド環構造を有することを特徴とする前記項4〜6のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
8. フレキシブル配線板が、配線の間隔が15μm以下の部分を有する配線パターンを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
9. 少なくとも塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)と塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)とを含む顔料(A)と、少なくともジイソシアネート化合物(b1)とポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール(b2)とカルボキシル基を含有するジオール化合物(b3)とを反応して得られる変性ポリウレタン樹脂(B)とを含有して、着色されていることを特徴するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物。
10. 塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)、塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)、及び塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)を含む顔料(A)を含有して緑色に着色されていることを特徴する前記項9に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物。
本発明によって、光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法において、絶縁膜を着色するために用いられる顔料が塩素原子及び臭素原子を含まない顔料であって、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法、及びその様な製造方法に好適に用いられるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物を提供することができる。すなわち、本発明によれば、得られる製品が焼却される際に塩素原子や臭素原子に基づく有害物質が発生する可能性が少なく、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるので高い生産性を持って経済的にテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造することができる。
本発明は、光学式自動検査装置を用いて製造したテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法において、絶縁膜を着色するために用いられる顔料が塩素原子及び臭素原子を含まない顔料であって、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、絶縁フィルム上に導電性金属で形成された配線パタ−ンを有するフレキシブル配線板を準備する工程、フレキシブル配線板の少なくとも接続端子部を除いた配線パタ−ン面に硬化性絶縁膜用樹脂組成物を塗布し、次いで硬化させて絶縁膜を形成する工程、得られたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法であって、硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、少なくとも塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)と塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)とを含む顔料(A)を含有して着色されていることを特徴するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法である。
本発明において、絶縁フィルムは、柔軟性を持った絶縁性の耐熱性フィルムであれば特に限定されないが、通常は5〜80μm厚のポリイミドフィルムが好適に用いられる。配線パターンは、絶縁フィルムと接着剤を介して或いは接着剤なしに銅箔やアルミ箔のような導電性金属箔を積層した積層体の導電性金属箔を、感光性樹脂などを用いたエッチング法などによって所定のパターンで除去することで、好適に形成される。導電性金属箔として銅箔を用いる場合、銅箔は圧延銅箔でも電解銅箔でも構わない。通常、配線の厚みは2〜80μm程度、配線の幅は5〜500μm程度、配線の間隔(配線の無い部分の距離)は5〜1000μm程度のものが好適に用いられる。配線の間隔が15μm以下、特に10μm以下の狭い部分がある場合、顔料やフィラーの光の微細な散乱などの影響で、光学式自動検査装置の誤検出が生じやすくなるため、本発明のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法が特に好適に適用できる。
この様にして得られた配線パターンを有するフレキシブル基板は、少なくとも接続端子部を除いた配線パタ−ン面に硬化性絶縁膜用樹脂組成物が塗布され、次いで硬化させて絶縁膜が形成され、さらに得られたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を、光学式自動検査装置、好ましくはロール トゥ ロール光学式自動検査装置を用いて検査される。
本発明において、硬化性絶縁膜用樹脂組成物は、少なくとも分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)と分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)とを含む顔料(A)を含有して着色されていることを特徴する。
体質顔料(a1)とは、絵の具の製造の際に配合される所謂無彩色顔料のことであって、屈折率が小さく、アマニ油などの展色剤と練った場合に屈折率の差がほとんどなくて透明又は半透明になり得るものである。
また、顔料(a2)とは、無彩色顔料ではなく、通常の彩色顔料である。
本発明においては、体質顔料は、通常絵の具の体質顔料として用いられるものを好適に用いることができる。例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カオリンなどを例示することができる。本発明において、体質顔料(a1)は、好ましくは硫酸バリウム(例えばC.I.Pigment White 21,22)、炭酸カルシウム(例えばC.I.Pigment White 18)から選ばれる少なくとも1種の体質顔料であり、より好ましくは硫酸バリウム(例えばC.I.Pigment White 21,22)である。
なお、本発明において、体質顔料(a1)は、硬化膜の光特性を調整し、光学式自動検査装置の誤検出による検査効率の低下を抑制することに加えて、さらに得られる硬化絶縁膜のタック性を改良して、より低タック性(タックフリー性)にすることができる点においても好適である。
特に限定されるものではないが、体質顔料(a1)のメジアン径は、100nm〜1000nmが好ましく、400nm〜800nmがより好ましく、500nm〜700nmであることが特に好ましい。体質顔料(a1)のメジアン径が1000nm以下では、硬化膜の光学的な均一性が高くなり、光学式自動検査装置の誤検出がさらに低減し、100nm以上では、硬化絶縁膜のタック性をより良好に改良(タックフリー性)できる。更に、体質顔料(a1)のメジアン径が400nm〜800nmの場合、比較的容易な分散で一次粒子径に近い粒度分布にまで分散可能であり、光学的に均一性の高い硬化膜を得ることができる。
本発明において、硬化性絶縁膜用樹脂組成物は、顔料(A)成分中の分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)によって着色されている。この顔料(a2)は、分子中に塩素原子及び臭素原子を含まないものであれば、特に限定なく、従来公知の顔料を分散性や経済性を考慮して好適に用いることができる。例えば赤色顔料、青色顔料、黄色顔料、緑色顔料などの彩色顔料を、単独でまたは複数種を混合して好適に用いることができる。
本発明において、硬化性絶縁膜用樹脂組成物は、分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)、分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)、及び分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)を含む顔料(A)を含有して緑色に着色されていることが好適である。
分子構造に塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料としては、銅フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15) 、無金属フタロシアニンブルー、(C.I.Pigment Blue 16) 、チタニルフタロシアニンブルー、鉄フタロシアニンブルー、ニッケルフタロシアニンブルー、アルミフタロシアニンブルー、錫フタロシアニンブルー、アルカリブルー(C.I.Pigment Blue 1,2,3,10,14,18,19,24,56,57,61)、スルホン化CuPc(C.I.Pigment Blue 17) 、紺青(C.I.PigmentBlue 27) 、群青(C.I.Pigment Blue 29) 、コバルトブルー(C.I.Pigment Blue28) 、スカイブルー(C.I.Pigment Blue35) 、Co(Al,Cr)2 O4 (C.I.Pigment Blue 36) 、ジスアゾ(C.I.Pigment Blue 25,26)、インダントロン(C.I.Pigment Blue 60) 、インジゴ(C.I.Pigment Blue 63,66)、コバルトフタロシアニン(C.I.Pigment Blue 75) などが挙げられるが特に限定されるものではない。これらの中でも、コスト的な面からは銅フタロシアニンブルーが好ましい。
特に限定されるものではないが、分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)のメジアン径が、50nm〜500nmが好ましく、50nm〜200nmがより好ましい。メジアン径が500nm以下では、硬化膜の光学的な均一性が高くなり、光学式自動検査装置の誤検出が低減できる。
なお、分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)、及び分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)などの彩色顔料は、予め分散剤などを用い、前述のメジアン径まで、分散させておくことが好ましい。通常、顔料及び、公知の顔料分散剤、溶剤と伴に、ビーズミル、ボールミルなどにより、予め分散した後、この分散液を加え、硬化性絶縁膜用樹脂組成物を得る。
分子構造に塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料としては、モノアゾイエロー(C.I.Pigment Yellow 1,4,5,9,65,74)、ベンツイミダゾロンイエロー(C.I.Pigment Yellow 120,151,154,175,180,181,194)、フラバントロンイエロー(C.I.Pigment Yellow 24)、アゾメチルイエロー(C.I.Pigment Yellow 117,129)、アントラキノンイエロー(C.I.Pigment Yellow 123,147)、イソインドリンイエロー(C.I.Pigment Yellow 139,185)、ジスアゾイエロー(C.I.Pigment Yellow 155)、縮合多環系(C.I.Pigment Yellow 148,182,192)、酸化鉄(C.I.Pigment Yellow 42) 、ジスアゾメチン(C.I.Pigment Yellow 101)、アゾレーキ(C.I.Pigment Yellow 61,62,100,104,133,168,169)、金属錯体(C.I.Pigment Yellow 150,153,177,179)などが挙げられ、特に限定されるものではないが、コストの面及び安全性・無害性の面から「有害性が指摘されているアゾ系顔料」を除くことが好ましい、また、分子構造にフッ素原子を含む黄色顔料の場合、分散性に優れることからより好ましい。
特に限定されるものではないが、分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)のメジアン径は、50nm〜500nmが好ましく、50nm〜350nmがより好ましい。黄色顔料(a4)のメジアン径が500nm以下では、硬化膜の光学的な均一性が高くなり、光学式自動検査装置の誤検出がさらに低減できる。
なお、分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)、及び分子中に塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)などの彩色顔料は、必要に応じて公知の顔料分散剤などを用い、ビーズミル、ボールミルなどにより、溶剤に予め分散させ、この分散液を用いて硬化性絶縁膜用樹脂組成物を調製することが好ましい。
硬化性絶縁膜用樹脂組成物における顔料(A)の配合率は、硬化性絶縁膜用樹脂組成物を目的の色に十分に着色できるように配合されるが、光学式自動検査装置での誤検出を低減するために、特に光の透過性を考慮して決定するのが良い。限定するものではないが、例えば、塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)は、硬化性絶縁膜用樹脂組成物に含有される樹脂の固形分100質量部に対し10質量部以上が好ましく、20質量部以上200質量部以下がより好ましく、40質量部以上120質量部以下が特に好ましく、塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)は、樹脂固形分100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜1質量部がより好ましい。
本発明において、硬化性絶縁膜用樹脂組成物は、従来絶縁膜用に用いられている熱硬化性或いは光硬化性樹脂組成物を好適に用いることができるが、好ましくは特許文献1〜4に記載されているような変性ポリウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物や、特許文献5に記載されているようなポリイミドシロキサン樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物を好適に例示できる。
本発明において、特に限定するものではないが、硬化性絶縁膜用樹脂組成物として変性ポリウレタン樹脂組成物が好適に用いられる。その場合、塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)が、硫酸バリウムであり、体質顔料(a1)の含有量が、変性ポリウレタン樹脂(B)固形分100質量部に対して、下限としては、好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上、特に好ましくは40質量部以上であり、上限としては、好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下、特に好ましくは100質量部以下であることが好ましい。この場合、体質顔料(a1)の含有量が変性ポリウレタン樹脂(B)固形分100質量部に対して10質量部未満では、タックフリー性が不十分になることがある。
変性ポリウレタン樹脂組成物は、通常変性ポリウレタン樹脂(B)と硬化性樹脂(C)とを必須成分として構成されている。
変性ポリウレタン樹脂(B)は、例えば、少なくともジイソシアネート化合物(b1)とポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール(b2)とカルボキシル基を含有するジオール化合物(b3)とを反応して得られる変性ポリウレタン樹脂(B)であることが好ましい。
ジイソシアネート化合物(b1)は、通常のポリウレタンを製造する際に用いられるものを好適に用いることができる。すなわち、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族または芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナンメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネートを好適に挙げることができる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジイソシアネート化合物(b1)は、エポキシ樹脂への膨潤や、アンダーフィル耐性が良好であることから、脂環構造を有するジイソシアネート化合物が好ましく、その中でも、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が特に好ましい。また、水分による失活を防ぐため、ブロック化されたジイソシアネートを用いることもできる。
ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール化合物(b2)は、ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール化合物であって、必要に応じてそれらの両者共含むポリオール化合物であってもよい。なお、本発明においては、このポリオール化合物(b2)には、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物は含まれない。
ポリカーボネートジオールは、主鎖中にカーボネート結合を有するジオール化合物であれば特に限定されないが、下記化学式(1)で示される2官能性水酸基末端のポリカーボネートジオールを好適に用いることができる。
Figure 2012094850
(式中、Rは2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数が2〜20の2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基を示し、nは1〜40の整数である。)
ポリカーボネートジオールは、数平均分子量が500〜10000のものが好ましく、1000〜5000のものがより好ましい。数平均分子量が500未満になると好適な柔軟性が得難くなり、また数平均分子量が10000を越えると耐熱性や耐溶剤性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b1)は、具体的には宇部興産株式会社製のETERNACOLL UHシリーズ、UNシリーズ、UDシリーズ、UCシリーズ、UBシリーズ、ダイセル化学工業株式会社製のPLACCELシリーズ、クラレ株式会社製のクラレポリオールシリーズ、旭化成ケミカルズ株式会社製のPCDLシリーズなどを好適に挙げることができる。これらのポリカーボネートジオールは、単独で、または二種類以上組合せて用いられる。
ポリブタジエンジオールは、限定するものではないが、2官能性水酸基末端のポリブタジエンジオールが好ましく、また数平均分子量が500〜10000のものが好ましく、1000〜5000のものがより好ましい。数平均分子量が500未満になると好適な柔軟性が得難くなり、また数平均分子量が10000を越えると耐熱性や耐溶剤性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。なお、ポリブタジエンジオールは、分子内に二重結合を有していても、分子内の二重結合を水添したものであってもよいが、分子内に二重結合が残っていると架橋反応を起こして柔軟性がなくなる場合があるので、特に好ましくは分子内の二重結合を水添されたものである。本発明で用いられるポリブタジエンジオールは、具体的には日本曹達株式会社製のGシリーズ、GIシリーズ、出光石油化学株式会社製のPoly bdシリーズ、Poly ipシリーズ、エポールシリーズ、KRASOLシリーズ、三菱化学株式会社製のポリテールHシリーズなどを好適に挙げることができる。これらのポリブタジエンジオールは、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)は、置換基としてカルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物を好適に用いることができる。この結果、変性ポリウレタン樹脂はカルボキシル基を有することとなり、硬化性樹脂(C)と容易に反応できるようになる。すなわち、変性ポリウレタン樹脂を架橋する際、効果的に架橋することが可能となり、得られる硬化物の耐熱性や耐溶剤性を増大することができる。
カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)としては、特に限定するものではないが、置換基としてカルボキシル基を持った、炭素数が1〜30更に炭素数が2〜20のジヒドロキシ化合物が好適である。具体的には、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、溶媒への溶解度の観点から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が好ましい。
変性ポリウレタン樹脂(B)は、さらに主鎖中にイミド環を有する変性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。主鎖中にイミド環を有する変性ポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール化合物(b2)と、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)と共に、テトラカルボン酸二無水物やトリカルボン酸一無水物を、または例えば下記化学式(2)で表されるようなアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーを、ジイソシアネート化合物(b1)と反応させることによって容易に得ることができる。
Figure 2012094850
(式中、Rは2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数が1〜10の2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表し、Xはテトラカルボン酸のカルボキシル基を除いた4価の基を示し、Yはジアミンのアミノ基を除いた2価の基を示し、mは0〜20の整数である。)
変性ポリウレタン樹脂(B)が、主鎖中にイミド環を有する場合、変性ポリウレタン樹脂組成物からなる硬化膜は、機械強度、耐熱性、絶縁信頼性などが増大し、アンダーフィルとの密着性が改善するので好適である。
前記化学式(2)で表されるアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーは、テトラカルボン酸成分と、ジアミン化合物及び水酸基を1個有するモノアミン化合物からなるアミン成分とから得られる。式中、mは0〜20の整数を示し、特に0〜10であり、さらに好ましくは0〜5である。mが20以上では得られる変性ポリウレタン樹脂の溶解性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。なお、このアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーは、限定されるものではないが、例えば特開2007−238818号公報などに記載の公知の方法で容易に得ることができる。
すなわち、変性ポリウレタン樹脂(B)は、好ましくはジイソシアネート化合物(b1)、ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むジオール化合物(b2)、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)、さらに必要に応じてテトラカルボン酸二無水物、トリカルボン酸一無水物または例えば下記化学式(2)で表されるようなアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーなどのイミド環を導入するための化合物成分(b4)を反応して、好適に得ることができる。
使用するジイソシアネート化合物(b1)と他の化合物(b2)、(b3)、(b4)とのモル比[他の化合物(b2)、(b3)、(b4)の合計の総モル数/ジイソシアネート化合物(b1)のモル数]は、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.8〜2.5、さらに好ましくは0.9〜2.0の範囲である。前記モル比が小さすぎると溶液が増粘することがあるので好ましくなく、前記モル比が大きすぎると変性ポリウレタン樹脂の分子量が低くなり、耐熱性などが低下する。
変性ポリウレタン樹脂(B)の調製に使用するカルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)の量は、限定するものではないが、得られるポリウレタン樹脂の酸価が、16〜40mgKOH/gとなる様に使用割合が決定されることが好ましい。
その際、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)と、ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むジオール化合物(b2)とを用いる場合には、そのモル比[カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)のモル数/ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むジオール化合物(b2)のモル数]は、概ね0.2〜6、好ましくは0.5〜3の範囲である。
カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)、ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むジオール化合物(b2)、及びテトラカルボン酸二無水物、トリカルボン酸一無水物または例えば下記化学式(2)で表されるようなアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーなどのイミド環を導入するための化合物成分(b4)を用いる場合には、そのモル比[カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)のモル数/ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むジオール化合物(b2)とイミド環を導入するための化合物成分(b4)との合計の総モル数]は、概ね0.2〜10、好ましくは0.5〜5の範囲である。
変性ポリウレタン樹脂(B)の製造方法は、より具体的には、ジイソシアネート化合物(b1)と、ポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むジオール化合物(b2)、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(b3)、さらに必要に応じてテトラカルボン酸二無水物、トリカルボン酸一無水物または例えば下記化学式(2)で表されるようなアルコール性水酸基末端のイミドオリゴマーなどのイミド環を導入するための化合物成分(b4)などの他の化合物との反応は、無溶媒あるいは有機溶媒に溶解して行うことができる。通常、ジイソシアネート化合物(b1)の失活を防ぐため、他の化合物を反応容器へ仕込み均一に分散、溶解さえた後、ジイソシアネート化合物(b1)を仕込むことが好ましい。また、溶解性を改善するなどの目的で、この仕込みの順番を変更することがある。反応温度は30℃〜200℃好ましくは80℃〜180℃であり、反応時間は通常1〜48時間である。また、触媒として、公知のウレタン化触媒を用いることができる。この反応はイソシアネートが水分によって失活するのを防ぐために窒素雰囲気下で行うことが好ましい。また、粘度調整をおこなう目的で、反応混合液が所定粘度に増粘したところで、末端停止剤としてアルコールを添加しても構わない。
反応に用いる溶剤としては、特に限定されないが、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒のクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒のジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、エチレングリコールジエチルエーテル、カルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、テトラグライムなど、ケトン系溶媒のアセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、シクロヘキサノン、イソホロンなど、エーテル系溶剤のエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど、ラクトン系溶媒のγ−ブチロラクトンなど、を挙げることができる。特に、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。
変性ポリウレタン樹脂(B)の数平均分子量は、限定するものではないが、好ましくは3000〜100000より好ましくは5000〜50000である。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。数平均分子量が前記範囲よりも低いと、得られる硬化膜の伸度、可撓性および強度などの機械的特性を損なうことがあり、一方、前記範囲を超えると粘度が必要以上に増加するために用途が限定される恐れがある。
変性ポリウレタン樹脂組成物に用いられる硬化性樹脂(C)は、変性ポリウレタン樹脂中のカルボン酸と反応する化合物である。したがって、変性ポリウレタン樹脂中のカルボン酸と反応する化合物であれば、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ブロック化された多官能イソシアネート、シアネートエステル樹脂が好適である。
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエンなどの、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物などを好適に用いることができる。特に、N−グリシジル型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂は、反応性に優れ、一方、脂環式エポキシ樹脂や、エポキシ化ポリブタジエンは、塩素不純物が少なく絶縁信頼性が良好であるため、好適に用いることができる。また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子がその構造中に導入されたエポキシ化合物を使用してもよい。
アミノ樹脂としては、例えば完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、イミノ/メチロール型のメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂などを好適に用いることができる。特にベンゾグアナミン樹脂は、絶縁信頼性が良好であることから好適である。
ブロック化された多官能イソシアネートとしては、1分子中にイソシアネ−ト基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物のイソシアネート基がブロックされたものを好適に用いることができる。例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族の多官能イソシアネ−トのイソシアネート基がブロックされたもの、好ましくはイソシアネート基を除いて炭素数が2〜30の脂肪族、脂環族又は芳香族の多官能イソシアネ−トのイソシアネート基がブロックされたものであり、限定しないが、例えば1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,5−ペンタメチレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−へキサメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、3−イソシアネ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(イソホロンジイソシアネ−ト)、1,3−ビス(イソシアネ−トメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、トリジンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト等のイソシアネート基がブロックされたものを例示することができる。
ブロックに関しては、例えばオキシム誘導体、ピラゾール誘導体もしくは活性メチレン化合物でブロックされた多官能イソシアネートを好適に用いることができる。特にピラゾール誘導体もしくは活性メチレン化合物でブロックされた多官能イソシアネートは、反応性が高いため好適である。
変性ポリウレタン樹脂組成物は、さらに必要に応じてフィラー(D)や他の添加剤(E)などの通常他の絶縁膜用樹脂組成物に用いられる成分を好適に含有することができる。
フィラー(D)としては公知のものを好適に使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、ガラス粉、石英粉などの無機の微粒子、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、グアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ゴム粒子、シリコーンパウダー等の有機の微粒子を好適に用いることができる。その粒子径(メジアン径)は、0.001〜1μmが好ましく、0.005〜0.5μmがより好ましく、0.01〜0.1μmが特に好ましい。粒子径が1μmを超えると、光学式自動検査装置での誤検出が生じやすくなる。また、その配合量は、変性ポリウレタン樹脂(B)100質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは5〜100質量部である。
また、変性ポリウレタン樹脂組成物では、他の添加剤(E)として、ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリビニル、などの消泡剤、イミダゾール類や3級アミン類などの硬化触媒、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の酸化防止剤、フェノール樹脂など公知の各種添加剤を配合してもよい。
変性ポリウレタン樹脂組成物は、変性ポリウレタン樹脂を有機溶媒に均一に溶解した溶液組成物として好適に用いられる。有機溶媒としては、特に限定されないが、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒、例えばクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒例えばジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(ジグライム)、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(トリグライム)、テトラグライムなど、ケトン系溶媒例えば、アセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど、ラクトン系溶媒、例えばγ−ブチロラクトンなど、を挙げることができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。また、変性ポリウレタン樹脂を合成する際に使用できる有機溶媒をそのまま使用することができる。
変性ポリウレタン樹脂組成物の溶液粘度は、好適な印刷性を得るために、25℃における回転粘度計での粘度が、通常5Pa・sec〜500Pa・secであり、好ましくは25Pa・sec〜200Pa・secの範囲である。スクリーン印刷によりパターン形成する場合に、滲み出しを抑制するため、シリカなどの微細なフィラーを加えてチキソ性を付与することが好ましい。
本発明において、変性ポリウレタン樹脂組成物に代表される硬化性絶縁膜用樹脂組成物は、フレキシブル配線板の少なくとも接続端子部を除いた配線パターンの表面に、例えばスクリーン印刷などによって、硬化膜の厚さが3〜60μm程度となるように、塗布されて塗膜を形成し、低温で溶媒を除去し、次いで加熱処理によって、例えば変性ポリウレタン樹脂(B)と硬化性樹脂(C)とが架橋反応を行うように、60〜200℃好ましくは80〜150℃でより好ましくは100〜130℃で、5分〜5時間好ましくは10分〜3時間より好ましくは30分〜2時間、熱風や赤外線によって加熱処理することによって、硬化膜を好適に得ることができる。
変性ポリウレタン樹脂組成物を加熱処理して得られる硬化膜は、硬化性絶縁膜用樹脂組成物として、少なくともカルボキシル基を有し、酸価が16〜40mgKOH/gの変性ポリウレタン樹脂と、硬化性樹脂とを含む変性ポリウレタン樹脂組成物を用いることが好ましい。この変性ポリウレタン樹脂組成物を加熱処理して得られる硬化膜は、前記のとおり、架橋密度が好適に制御されたものであり、十分な架橋密度を有しているために、アンダーフィル(エポキシ樹脂)耐性を有し、且つ過度な架橋密度ではないために、好適なアンダーフィルとの密着性を有する。
すなわち、この変性ポリウレタン樹脂組成物を加熱処理して得られる硬化膜は、エポキシ樹脂に浸漬した際の寸法変化率が好ましくは60%以下の優れたエポキシ樹脂への耐性を有し、且つアンダーフィル材との密着性で、変性ポリウレタン樹脂組成物の硬化膜よりアンダーフィル材を剥離させる際に、少なくとも硬化膜が部分的に凝集破壊(好ましくは全面的に凝集破壊)を起こすような特性を有している。
本発明のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法によって、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を、誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるので高い生産性を持って経済的に得ることができる。得られたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、好適に検査が行なわれている。またタックフリー性が高く、且つ塩素原子や臭素原子を含有していないので環境適合性が高い。
本発明のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法によって得られたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、次いで配線パターンの接続端子部に半導体チップのような電子部品をバンプなどの手段によって実装し、さらに実装された電子部品とフレキシブル配線板との間隙にアンダーフィル材を充填して加熱処理によって硬化させて、電子部品を固定させて、テープキャリアパッケージを好適に得ることができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例において評価は次の方法で行った。
[溶液粘度]
回転粘度計を用い、25℃での溶液粘度を求めた。
[固形分]
アルミシャーレに変性ポリウレタン樹脂溶液1gを量り取り、200℃の熱風循環オーブン中に2時間加熱して固形分以外を除去し、その残分の質量より樹脂溶液の固形分(質量%)を求めた。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従い電位差滴定法にて、変性ポリウレタン樹脂の酸価を求めた。なお、本発明の変性ポリウレタン樹脂は、溶解性が乏しいため、溶剤としてベンジルアルコールを用いた。
酸価A(mgKOH/g)=〔B×f×5.611〕/S
B:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液の使用量(ml)
f:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S:変性ポリウレタン樹脂の採取量(g)
[ハンダ耐熱性]
厚さ35μmの電解銅箔の光沢面に試料の変性ポリウレタン樹脂組成物を塗布し硬化させ、10μm厚の硬化膜を形成して試料とした。硬化膜上にロジン系フラックス(サンワ化学工業社製:SUNFLUX SF−270)を塗布した後、260℃の半田浴に10秒間絶縁膜を接触させた。その後の試料の状態を目視で観察して評価した。異常が生じない場合を○、ふくれなどの異常が生じた場合を×で示した。
[低反り性]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に変性ポリウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。このポリイミド上硬化膜を5cm×5cmにカットし、硬化膜を上にした状態で水平な台の乗せ水平面からの4つの角の高さの平均を求めた。平均の高さが2mm未満の場合を◎、2mm以上3mm未満の場合を○、3mm以上の場合を×とした。
[折り曲げ性]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に試料の変性ポリウレタン樹脂組成物をスクリーン印刷にて塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。このポリイミドフィルムと硬化膜の積層体を長さ2cm×幅1cmにカットし、長さ方向の中央で折り曲げ、折り曲げ部上に500gの分銅を載せ1分間静置した。折り曲げ部を顕微鏡で観察し、異常がない場合を○、クラック・白化等が見られる場合を×とした。
[タックフリー性]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に試料の変性ポリウレタン樹脂組成物をスクリーン印刷にて塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。このポリイミドフィルムと硬化膜の積層体を幅2.5cm、長さ5cmに切り出し、試料を作製した。この試料を160℃に加熱したホットプレートに塗膜面を上向きに置き、その上にSUS製の錘(底面積2cm×5cm 重量500g)を30秒間乗せ、持ち上げた際、貼り付きがない場合を◎、160℃で貼り付くが、140℃で貼り付きがない場合を○、140℃で貼り付く場合を×とした。
[外観観察]
スクリーン印刷機(スクリーン版 SUS 150メッシュ)を用い、変性ポリウレタン樹脂組成物をポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)上に印刷し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、硬化膜を形成した。この硬化膜を、株式会社ニコン製正立顕微鏡エクリプス(CCDカメラヘッド DS2Mv)を用い、反射光にて外観観察をおこなった。異常がない場合を○、硬化膜中に最大長 5μm以上の顔料、フィラーの僅かな凝集構造、相分離構造もしくはボイド、異常な光散乱等が観察される場合を×で示した。
[自動検査装置への対応]
スクリーン印刷機(スクリーン版 ポリアリレート 220メッシュ)を用い、変性ポリウレタン樹脂組成物を、配線パターンが形成された住友金属鉱山株式会社製エスパーフレックス上に印刷し、加熱処理をおこないテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を作製した。このテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を以下の光学式検査装置にて評価をおこなった。
カメラ:DALSA製ピラニア2カメラ ラインCCD白黒 8000画素
分解能:6μm/画素
光源:メタルハライド180W光源
同一光量にて、同一部位を撮像し、輝度ヒストグラムのピーク形状より、ライン/スペース境界部のコントラスト比較した、輝度ヒストグラムのピーク幅が狭くコントラストが鮮明である場合を○、輝度ヒストグラムのピーク幅が広くコントラストが不鮮明である場合を×で示した。
[アンダーフィル材との密着性]
ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス35SGA)に変性ポリウレタン樹脂組成物をスクリーン印刷にて塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、約10μm厚の硬化膜を形成した。この硬化膜上に、メカニカルピペットを用いビスフェノールF型エポキシ樹脂を主成分とする市販のエポキシ樹脂系アンダーフィル材を3μL滴下し、150℃で2時間加熱硬化させた。硬化したアンダーフィル材を硬化膜より剥離し、剥離モードを顕微鏡で観察した。剥離モードが、硬化膜の凝集破壊である場合を◎、硬化膜の凝集破壊と硬化膜とアンダーフィルの界面剥離が混在する場合を○、硬化膜とアンダーフィルの界面剥離のみの場合を△、密着しない場合を×とした。
[ハロゲンフリー]
変性ポリウレタン組成物をガラス板上に、硬化後に約50μmとなる様に流延し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、硬化膜を形成した。自動ハロゲン・硫黄分析システム(ヤナコ製SQ−1/HSU−35 + ダイオネクスICS−2000)を用い、硬化膜中の塩素、臭素を定量した。硬化膜中の塩素、臭素の各含有量が300ppm未満の場合を◎、300ppm以上900ppm未満の場合を○、900ppm以上の場合を×とした。
以下の各例で使用した化合物は、次のとおりである。
[ジイソシアネート化合物]
デスモジュールW(HMDI):メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート) 住化バイエルウレタン株式会社製
IPDI: イソホロンジイソシアネート デグサジャパン株式会社製
[ポリカーボネートジオール]
UH−200:1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール 宇部興産株式会社製ETETNACOLL 水酸基価57.2mgKOH/g
C−1065N:1,9−ノナンジオール, 2−メチル−1,8−オクタンジオールベースポリカーボネートジオール 株式会社クラレ製クラレポリオール 水酸基価112mgKOH/g
[カルボキシル基含有ジオール化合物]
Bis−MPA:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 広栄パーストープ株式会社社製
DMBA:2,2−ジメチロールブタン酸 日本化成株式会社製
[アルコール]
1−Pentanol:1−ペンタノール 和光純薬株式会社製
[溶剤]
BLO:γ―ブチロラクトン 三菱化学株式会社製
CA:ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート 和光純薬株式会社製
[エポキシ樹脂]
YH434:東都化成株式会社製エポトート、エポキシ当量 121
[アミノ樹脂]
M136:ベンゾグアナミン樹脂 日本サイテックインダストリーズ株式会社製マイコート
[分子構造に塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料]
P.B.15:3:C. Y. Pigment Blue 15:3 銅フタロシアニンβ型 フタロシアニンブルーG(NC) レーザー回折/散乱式粒度分布測定におけるメジアン径 140nm (予め、溶剤としてBLO、分散剤を加え、ビーズミルで分散したものを用いた。)
[分子構造に塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料]
P.Y.180:C.Y. Pigment yellow 180 縮合アゾ ノボパームイエローP−HG
レーザー回折/散乱式粒度分布測定におけるメジアン径 470nm
(予め、溶剤としてBLO、分散剤を加え、ビーズミルで分散したものを用いた。)
P.Y.154:C.Y. Pigment yellow 154 ベンズイミダゾロン ベンズイミダゾロンイエローH3G レーザー回折/散乱式粒度分布測定におけるメジアン径 320nm
(予め、溶剤としてBLO、分散剤を加え、ビーズミルで分散したものを用いた。)
[分子構造に塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料]
P.W.21:C.Y. Pigment White 21 沈降性硫酸バリウム BARIFINE B−54 レーザー回折/散乱式粒度分布測定におけるメジアン径 640nm
[フィラー]
アエロジル50:シリカ 日本アエロジル社製 平均一次粒子径 30nm
アートパール J−4PY:アクリルビーズ 根上株式会社 レーザー回折/散乱式粒度分布測定におけるメジアン径 2.2μm
[その他添加剤]
FA600:フッ素変性ポリシロキサン 信越化学工業株式会社製、
P410EF:ポリビニル類 楠本化成工業株式会社製 ディスパロン
HF−1:フェノール樹脂 明和化成株式会社製
[イミドオリゴマージオール溶液の製造]
窒素導入管、ディーンスタークレシバー、冷却管を備えた容量5リットルのガラス製セパラブルフラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1471g、エタノール507g及びγ−ブチロラクトン2092gを仕込み、窒素雰囲気下、90℃で1時間撹拌した。次いで、3−アミノプロパノール376g、イソホロンジアミン426gを仕込み、窒素雰囲気下、120℃で2時間、180℃2時間加熱し、イミド化反応により生じた水を反応液中に窒素を吹き込むことで除去した。このイミドオリゴマージオール溶液は、固形分52.3%であった。
〔参考例1〕[変性ポリウレタン樹脂(PU1)の製造]
撹拌機、温度計、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ポリカーボネートジオールETERNACOLL UH−200 60.0g、溶剤 γ−ブチロラクトン(BLO) 170.5g、カルボキシル基含有ジオール Bis−MPA 10.1g、前記の方法で合成したイミドオリゴマージオール溶液 48.0gを仕込み、90℃で溶解した後、デスモジュールW 33.7gを加えた。90℃で1時間攪拌した後、110℃に昇温し、粘度が120〜150Pa・sとなった時点で、1−ペンタノールを加え、更に130℃2時間攪拌した。固形分 40.5%、粘度 97Pa・s、変性ポリウレタン樹脂固形分の酸価 33mgKOH/gの変性ポリウレタン樹脂(PU1)溶液を得た。
〔参考例2〜6〕[変性ポリウレタン樹脂(PU2〜6)の製造]
表1で示した原料を用いた以外は、参考例1と同様にして、変性ポリウレタン樹脂(PU2〜7)溶液を得た。表1に固形分、粘度、変性ポリウレタン固形分の酸価を示す。
〔参考例7〕[変性ポリウレタン樹脂(PU7)の製造]
撹拌機、温度計、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、クラレポリオールC−1065N 83.90g、DMBA 15.85g、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート 150.15gを仕込み、90℃で1時間攪拌した後、70℃まで冷却した後、デスモジュールW 52.5gを加え、1時間攪拌した後、80℃で1時間、100℃で2時間攪拌した。固形分 50.5%、粘度 151Pa・s、変性ポリウレタン樹脂固形分の酸価 41mgKOH/gの変性ポリウレタン樹脂(PU7)溶液を得た。
〔実施例1〕[組成物の調製、及び硬化膜]
参考例1で得た(A)変性ポリウレタン樹脂(PU1)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して、表2に記載した硬化性樹脂及び他の添加剤を加え、均一に撹拌・混合した。次いで、顔料、フィラー加え混合した後、3本ロールを用い混練した。組成物の粘度が20〜60Pa・sになるようにγ―ブチロラクトンで希釈し、変性ポリウレタン樹脂組成物を得た。
この変性ポリウレタン樹脂組成物の硬化膜について、ハンダ耐熱、低反り性、折り曲げ性、タックフリー性、外観観察、光学式自動検査装置への対応、アンダーフィル密着性(剥離モード)、ハロゲンフリーについて評価した。これらの評価結果を表2に示す。
〔実施例2〜12、比較例1〜2〕[組成物の調製、及び硬化物]
表1に記載した配合としたこと以外は実施例1と同様にして変性ポリウレタン組成物を得た。この変性ポリウレタン樹脂硬化性組成物の硬化膜について、実施例1と同様にして評価した。それらの結果を表2に示す。
Figure 2012094850
Figure 2012094850
本発明によって、光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法において、絶縁保護膜を着色するために用いられる顔料が塩素原子及び臭素原子を含まない顔料であって、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法、及びその様な製造方法に好適に用いられるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物を提供することができる。すなわち、本発明によれば、得られる製品が焼却される際に塩素原子や臭素原子に基づく有害物質が発生する可能性が少なく、且つ誤検出による検査効率の低下を抑制して、検査不良率を低減することができるので高い生産性を持って経済的にテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造することができる。

Claims (10)

  1. 絶縁フィルム上に導電性金属で形成された配線パタ−ンを有するフレキシブル配線板を準備する工程、フレキシブル配線板の少なくとも接続端子部を除いた配線パタ−ン面に硬化性絶縁膜用樹脂組成物を塗布し、次いで硬化させて絶縁膜を形成する工程、得られたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を光学式自動検査装置にて検査する工程を含むテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法であって、
    硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、少なくとも塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)と塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)とを含む顔料(A)を含有して着色されていることを特徴するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  2. 硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)、塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)、及び塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)を含む顔料(A)を含有して緑色に着色されていることを特徴する請求項1に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  3. 塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)のメジアン径が、100nm〜1000nmであり、塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)のメジアン径が、50nm〜500nmであり、及び塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)のメジアン径が、50nm〜500nmであることを特徴する請求項2に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  4. 硬化性絶縁膜用樹脂組成物が、少なくともジイソシアネート化合物(b1)とポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール(b2)とカルボキシル基を含有するジオール化合物(b3)とを反応して得られる変性ポリウレタン樹脂(B)を含有して構成されていることを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  5. 塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)が、硫酸バリウムであり、変性ポリウレタン樹脂(B)固形分100質量部に対して10質量部以上含まれていることを特徴する請求項4に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  6. ジイソシアネート化合物(b1)が、脂環構造を有するジイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  7. 変性ポリウレタン樹脂(B)が、主鎖中にイミド環構造を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  8. フレキシブル配線板が、配線の間隔が15μm以下の部分を有する配線パターンを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の製造方法。
  9. 少なくとも塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)と塩素原子及び臭素原子を含まない顔料(a2)とを含む顔料(A)と、少なくともジイソシアネート化合物(b1)とポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンジオールを含むポリオール(b2)とカルボキシル基を含有するジオール化合物(b3)とを反応して得られる変性ポリウレタン樹脂(B)とを含有して、着色されていることを特徴するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物。
  10. 塩素原子及び臭素原子を含まない体質顔料(a1)、塩素原子及び臭素原子を含まない青色顔料(a3)、及び塩素原子及び臭素原子を含まない黄色顔料(a4)を含む顔料(A)を含有して緑色に着色されていることを特徴する請求項9に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板用の硬化性絶縁膜用樹脂組成物。
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