JP2015161764A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、後述する球状シリカとともに配合されることで、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も低減できる硬化塗膜を得ることに寄与する。ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタンにラジカル重合性不飽和モノカルボン酸である(メタ)アクリル酸を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであればよく、特定の化合物に限定されない。ウレタンは、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物と1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物を反応させて得られるものである。
球状シリカは、フィラー(充填剤)として機能し、上述したウレタン(メタ)アクリレートとともに配合されることで、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も抑制できる硬化塗膜を得ることに寄与する。また、その形状が、角部を有さない球状であることにより、フレキシブル配線板を折り曲げても、硬化塗膜にクラックが発生することを防止できる。球状シリカの種類は特に限定されず、公知のものを使用できる。球状シリカの種類としては、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカ等を挙げることができる。
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を添加する。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)等のオキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
イオン交換体(イオンキャッチャー)、特に、無機陽イオン交換体(陽イオンキャッチャー)は、陽イオンを取り込むので、本発明の感光性樹脂組成物中に残っているナトリウムイオン等の陽イオン不純物を捕捉固定するとともに、電圧を印加することで陽イオンとなり移動する金属イオンを捕捉固定する。これにより、感光性樹脂組成物の硬化物中におけるイオンマイグレーション現象の発生を防止できる。イオンマイグレーション現象の発生が防止されることで、例えば、本発明の感光性樹脂組成物をフレキシ配線板に塗工して形成したソルダ−レジスト膜は、優れた絶縁信頼性を発揮することができる。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜9、比較例1〜4にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性組成物を以下のように塗工して試験片を作成した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の空欄は配合なしを意味する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・FLX−2089、ZAR−2000:いすれも、日本化薬(株)製。
(B)ウレタン(メタ)アクリレート
・KRM−8296、EBECRYL5129:いずれも、ダイセル・オルネクス社製。
(C)球状シリカ
・Sciqas0.05μm:堺化学工業製。
(D)エポキシ化合物
・EPICRON 860:DIC社製。
(E)光重合開始剤
・chemcure DETX:日本シイベルヘグナー社製。
・IRGACURE907:チバ スペシャルティ ケミカルズ社製。
・メラミン:日産化学工業(株)製。
・DICY−7:三菱化学(株)製。
希釈剤
・EDGAC:三洋化成品製。
イオンキャッチャー
・IXE−100:東亞合成(株)製。
体質顔料
・ハイジライトH−42STV:昭和電工(株)製。
着色剤
・LIONOL BLUE FG7351:東洋インキ製造(株)製。
・クロモフタルイエロー:チバ スペシャルティケミカルズ社製。
難燃剤
・エクソリットOP 935:クラリアントジャパン社製。
消泡剤
・KS−66:信越化学工業(株)製。
・M−600:東洋ケミカルズ社製。
(C)以外のフィラー
・RHC−730 CLEAR:大日精化工業社製。
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製 カプトン100H)に回路パターン(銅箔)を形成したフレキシブル配線板を3%希硫酸水溶液により表面処理後、スクリーン印刷法にて、感光性樹脂組成物を塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、所定のパターンを有するネガフィルムを塗膜上に密着させ、その上から露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて、メインピ−ク波長365nmの紫外線を200mJ/cm2(オ−ク製作所社製の積算光量計を用いて計測)照射した。照射後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム現像液にて現像(2.0kg/cm2のスプレ−圧で60秒間)し、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行うことで、フレキシブル配線板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
(1)感度
上記試験片作製工程にて予備乾燥工程まで行った配線基板に対し、感度測定用ステップタブレット(コダック社製、21段)を塗膜上に設置し、ステップタブレットを通して、メインピ−クが波長365nmの紫外線を、オ−ク製作所社製の積算光量計を用い、照射光量200mJ/cm2照射したものをテストピ−スとした。このテストピースに、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2のスプレ−圧で60秒間現像を行った。現像後に、露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)として算出した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。評価は、○:8段以上、△:6〜7段、×:5段以下、の3段階で行った。
上記試験片作製工程に基づいて、回路パターン(銅箔)を形成したフレキシブル配線板(1.5cm×4cm、片面銅箔厚さ18μm、ポリイミド厚さ25μm)上に硬化塗膜を形成した試験片について、500g荷重で1回ハゼ折りにより180°にて5秒間折り曲げた。その後、荷重を解放し、折り曲げ角度を90°に戻した。次に、試験片を室温にて30分間静置した。静置後、90°に対する角度の差を分度器にて測定した。評価は、◎:角度5°未満、○:角度5°以上10°未満、△:角度10°以上15°未満、×:角度15°以上、の4段階で行った。
上記試験片作製工程にて作製した試験片について、ハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、その際の硬化塗膜におけるクラック発生状況を目視及び×200の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生し無かった回数を測定した。評価は、○:2回以上、△:1回、×:0回、の3段階で行った。
上記試験片作製工程の現像後に、銅体上及びポリイミド上の残さの有無を目視で観察した。評価は、○:銅体上、ポリイミド上ともに残さなし、△:銅体上には残さがないが、ポリイミド上にはやや残さが残る、×:銅体上、ポリイミド上ともに残さが残る、の3段階で行った。
上記試験片作製工程の予備乾燥後に、塗膜上にネガフィルムを密着させて、紫外線を露光した後における感光性樹脂組成物の張り付きを目視で観察した。評価は、○:ネガフィルム引き剥がし後、張り付き及び張り付き跡ともになし、△:ネガフィルム引き剥がし後、塗膜に張り付き跡が残存、×:ネガフィルム引き剥がし後、ネガフィルムに感光性樹脂組成物が付着、の3段階で行った。
Claims (8)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)球状シリカ、(D)エポキシ化合物、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であるカルボキシル基含有感光性樹脂と、(A−2)前記(A−1)樹脂以外のカルボキシル基含有感光性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが20〜50質量部含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−1)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン構造と1分子中に2〜4つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−2)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン基と1分子中に5〜7つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B−2)ウレタン(メタ)アクリレート1.0質量部に対して、前記(B−1)ウレタン(メタ)アクリレートが0.50〜2.0質量部の割合で含まれることを特徴とする請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記(C)球状シリカが25〜50質量部含まれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を光硬化して得られた皮膜を有するフレキシブル配線板。
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