JP2015161764A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】感度、現像性及びタック性等の基本特性を損なうことなく、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も低減できる硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)球状シリカ、(D)エポキシ化合物、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、特に回路基板の絶縁被膜として有用な感光性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物を光硬化して得られた皮膜を有するフレキシブル配線板に関する。
フレキシブル配線板に用いられる絶縁被覆(例えば、ソルダ−レジスト)の材料としては、絶縁被覆を形成する紫外線硬化型・熱硬化型の樹脂組成物をスクリーン印刷等の印刷法により塗布することが行われている。
紫外線硬化型・熱硬化型の樹脂組成物をフレキシブル配線板の絶縁被覆に使用するには、その硬化塗膜は、自由に折り曲げることのできる特性、つまり、柔軟性に優れていることが必要である。
そこで、特許文献1では、柔軟性に優れる硬化塗膜を提供するために、(A)1分子中に2個以上の不飽和二重結合と1個以上のカルボキシル基を有する感光性プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、(D)エポキシ化合物、(E)1分子中に1個以上の内部エポキシド基を有するポリブタジエン、及び(F)ポリウレタン微粒子を含有する組成物が提案されている。
一方、フレキシブル配線板用の基板も柔軟性に優れていることが要求されており、自由に折り曲げ可能な基板の材料として、主にポリイミド等の熱可塑性樹脂が使用されている。しかしながら、ポリイミド基板は、柔軟性に優れるものの折り曲げた状態での形状が維持されにくいという特性がある。よって、ポリイミド基板を折り曲げたときに、大きなスプリングバックを起こすので、フレキシブル配線板を折り曲げて電子機器に装入する際に、作業効率に劣り、また、電子機器への収納性が不十分という問題があった。
そこで、近年、硬化塗膜の柔軟性だけではなく、フレキシブル配線板用の基板のスプリングバックを抑制できる絶縁被覆用の樹脂組成物が求められている。
特開2002−293882
上記事情に鑑み、本発明の目的は、感度、現像性及びタック性等の基本特性を損なうことなく、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も低減できる硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の目的は、弾性を有する成分を配合して硬化塗膜の弾性を適度に高める、つまり、応力に対して歪みの小さい特性を有する硬化塗膜を形成させることで、基板のスプリングバック性を低減した。
本発明の態様は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)球状シリカ、(D)エポキシ化合物、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であるカルボキシル基含有感光性樹脂と、(A−2)前記(A−1)樹脂以外のカルボキシル基含有感光性樹脂を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが20〜50質量部含まれることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−1)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン構造と1分子中に2〜4つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−2)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン基と1分子中に5〜7つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B−2)ウレタン(メタ)アクリレート1.0質量部に対して、前記(B−1)ウレタン(メタ)アクリレートが0.50〜2.0質量部の割合で含まれることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記(C)球状シリカが25〜50質量部含まれることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記感光性樹脂組成物を光硬化して得られた皮膜を有するフレキシブル配線板である。
本発明の態様によれば、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂に、適度な弾性を有する成分である(B)ウレタン(メタ)アクリレートと(C)球状シリカとが含まれることで、感度、現像性及びタック性等の基本特性を損なうことなく、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も低減できる硬化塗膜を得ることができる。
本発明の態様によれば、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含むことにより、より確実に、柔軟性を有し、基板のスプリングバック性を低減できる硬化塗膜を得ることができる。
本発明の態様によれば、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、(B)ウレタン(メタ)アクリレートが20〜50質量部含まれることにより、より良好な柔軟性を有する硬化塗膜を得ることができる。
本発明の態様によれば、(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−1)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン構造と1分子中に2〜4つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことにより、より確実に、硬化塗膜の柔軟性を向上させることができる。
本発明の態様によれば、(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−2)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン基と1分子中に5〜7つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことにより、より確実に、硬化塗膜の柔軟性を向上させることができる。また、(B−1)のウレタン(メタ)アクリレートと(B−2)のウレタン(メタ)アクリレートとを併用することにより、柔軟性と、基板のスプリングバック性を低減できる特性(以下、「スプリングバック性」ということがある。)とがバランスよく向上した硬化塗膜を得ることができ、また、より少量の(B)ウレタン(メタ)アクリレートにて、柔軟性を向上させることができる。
本発明の態様によれば、(B−2)のウレタン(メタ)アクリレート1.0質量部に対して、(B−1)のウレタン(メタ)アクリレートが0.50〜2.0質量部の割合で含まれることにより、柔軟性とスプリングバック性ともに、より優れた硬化塗膜を得ることができる。
本発明の態様によれば、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、(C)球状シリカが25〜50質量部含まれることにより、より優れたスプリングバック性を有する硬化塗膜を得ることができる。
本発明の態様によれば、上記感光性樹脂組成物を光硬化して得られた皮膜で被覆されることにより、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も低減できる絶縁被膜を備えたフレキシブル配線板を得ることができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、以下に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)球状シリカ、(D)エポキシ化合物及び(E)光重合開始剤を含むものであって、上記成分は以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、1000以下が好ましく、100〜500が特に好ましい。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を導入するためのものである。多塩基酸又はその無水物は特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
この感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂は、前記グリシジル化合物の反応によって、ラジカル重合性不飽和基が、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を有することができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂として、(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を使用してもよい。また、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂は、(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(A−2)前記(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂以外のカルボキシル基含有感光性樹脂(例えば、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂や、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基にグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂)と、を混合した樹脂でもよい。酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も低減できる硬化塗膜を得ることに、より寄与することができる。
(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、まず、上記のようにしてエポキシ(メタ)アクリレートを得、生成した水酸基に、上記した多塩基酸又はその無水物と1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させることで得られる。
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては、上記した酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記した酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂のカルボキシル基に、上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と(A−2)前記(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂以外のカルボキシル基含有感光性樹脂とを併用する場合、その配合割合は、特に限定されないが、(A−1)樹脂1.0質量部に対して、(A−2)樹脂は、硬化塗膜の柔軟性の点から、0.2〜2.0質量部が好ましく、0.5〜1.0質量部が特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実なアルカリ現像の点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方、酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000が好ましく、5000が特に好ましい。一方、重量平均分子量の上限値は、円滑なアルカリ現像性の点から200000が好ましく、50000が特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂として市販されているものには、例えば、ZAR−2000、ZFR−1122、FLX−2089(以上、日本化薬(株)製)、サイクロマーP(ACA)Z−250(ダイセル化学工業(株)製)、リポキシ SP−4621(昭和高分子(株)製)等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)ウレタン(メタ)アクリレート
ウレタン(メタ)アクリレートは、後述する球状シリカとともに配合されることで、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も低減できる硬化塗膜を得ることに寄与する。ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタンにラジカル重合性不飽和モノカルボン酸である(メタ)アクリル酸を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであればよく、特定の化合物に限定されない。ウレタンは、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物と1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物を反応させて得られるものである。
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物は、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどのC2−C22アルカンジオールや、2−ブテン−1,4−ジオール、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどのアルケンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール等の脂肪族トリオール;テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール等の水酸基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの、1分子中の(メタ)アクリロイル基の数は特に限定されないが、柔軟性とスプリングバック性とをバランスよく向上させる点から2〜7が好ましく、柔軟性とスプリングバック性とをより良好に向上させる点から、1分子中の(メタ)アクリロイル基の数が2〜4のウレタン(メタ)アクリレートと、1分子中の(メタ)アクリロイル基の数が5〜7のウレタン(メタ)アクリレートとを併用するのが好ましい。
また、柔軟性の点から、ウレタンは脂肪族ウレタンが好ましい。従って、(B−1)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン構造と1分子中に2〜4つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートと、(B−2)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン構造と1分子中に5〜7つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートとを併用することが特に好ましい。
1分子中に2〜4つの(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、1分子中に5〜7つの(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートとを併用する場合の配合割合は、特に限定されないが、1分子中に5〜7つの(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート1.0質量部に対して、1分子中に2〜4つの(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートは、柔軟性とスプリングバック性とも確実に向上させる点から、0.30〜3.0質量部が好ましく、柔軟性とスプリングバック性ともバランスよく向上させる点から、0.50〜2.0質量部がより好ましく、柔軟性とスプリングバック性ともよりバランスよくかつ優れている点から、1.5〜2.0質量部が特に好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの配合量は特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、その下限値は、柔軟性とスプリングバック性とも確実に向上させる点から5質量部が好ましく、柔軟性をより向上させる点から20質量部がより好ましく、25質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、感光性の点から50質量部が好ましい。
(C)球状シリカ
球状シリカは、フィラー(充填剤)として機能し、上述したウレタン(メタ)アクリレートとともに配合されることで、柔軟性を有しつつ、基板のスプリングバック性も抑制できる硬化塗膜を得ることに寄与する。また、その形状が、角部を有さない球状であることにより、フレキシブル配線板を折り曲げても、硬化塗膜にクラックが発生することを防止できる。球状シリカの種類は特に限定されず、公知のものを使用できる。球状シリカの種類としては、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカ等を挙げることができる。
球状シリカの平均粒子径は、特に限定されないが、その下限値は、嵩比重に伴う混錬性の点から0.01μmが好ましく、分散性の点から0.5μmが特に好ましい。一方、その上限値は、硬化塗膜の柔軟性の点から5.0μmが好ましく、より柔軟性を要するハゼ折り性の点から1.0μmが特に好ましい。
球状シリカの配合量は特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、その下限値は、柔軟性とスプリングバック性とも確実に向上させる点から15質量部が好ましく、スプリングバック性をより向上させる点から25質量部がより好ましく、35質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、スプリングバック性の低下を確実に防止する点から50質量部が好ましく、柔軟性の低下を確実に防止する点から40質量部が特に好ましい。
(D)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を添加する。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
エポキシ化合物の配合量は、特に限定されないが、硬化後に十分な強度の塗膜を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく、20〜40質量部が特に好ましい。
(E)光重合開始剤
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)等のオキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
光重合開始剤の含配合量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5〜20質量部が好ましく、7〜15質量部が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記各成分の他に、必要に応じて、種々の成分、例えば、各種添加剤、希釈剤(溶剤)、イオン交換体(イオンキャッチャー)、体質顔料、着色剤、難燃剤、消泡剤などを、適宜含有させることができる。
各種添加剤としては、ジシアンジアミド及びその誘導体、メラミン及びその誘導体等の潜在性硬化剤や、酸化防止剤、カップリング剤などが挙げられる。
希釈剤(溶剤)は、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するためのものである。希釈剤には、例えば、非反応性希釈剤である有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
イオン交換体(イオンキャッチャー)
イオン交換体(イオンキャッチャー)、特に、無機陽イオン交換体(陽イオンキャッチャー)は、陽イオンを取り込むので、本発明の感光性樹脂組成物中に残っているナトリウムイオン等の陽イオン不純物を捕捉固定するとともに、電圧を印加することで陽イオンとなり移動する金属イオンを捕捉固定する。これにより、感光性樹脂組成物の硬化物中におけるイオンマイグレーション現象の発生を防止できる。イオンマイグレーション現象の発生が防止されることで、例えば、本発明の感光性樹脂組成物をフレキシ配線板に塗工して形成したソルダ−レジスト膜は、優れた絶縁信頼性を発揮することができる。
無機陽イオン交換体には、例えば、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を挙げることができる。
体質顔料は、硬化物の強度と剛性を上げるためのものであり、例えば、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、タルク、マイカ等を挙げることができる。着色剤は、特に限定されず、例えば、白色着色剤である酸化チタンや、白色以外の着色剤として、フタロシアニングリーン及びフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アントラキノン系、並びにアゾ系等の有機顔料や、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物が難燃剤を含有することで、硬化物に難燃性を付与することができる。難燃剤は特に限定されず、公知のものを使用できる。難燃剤としては、例えば、リン元素含有有機化合物を挙げることができる。リン元素含有有機化合物としては、例えば、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム等を挙げることができる。また、消泡剤は、特に限定されないが、例えば、シリコーン系ポリマー、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて三本ロールにより混合分散させて製造することができる。また、必要に応じて、前記混合分散前に、攪拌機にて予備混合してもよい。
次に、上記した本発明の感光性樹脂組成物の使用方法を説明する。ここでは、ソルダーレジスト膜等の絶縁被膜として本発明の感光性樹脂組成物を回路基板に塗工する方法を例にして説明する。上記のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物を、例えば銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル配線板上に、スクリーン印刷法等を用いて所望の厚さに塗布し、希釈剤(溶剤)を配合した場合には、感光性樹脂組成物中の希釈剤(溶剤)を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行う。その後、塗布した感光性樹脂組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、例えば、スプレー法、シャワー法等が用いられ、希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液を使用することができる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、フレキシブル配線板上に目的とするソルダーレジスト膜等の絶縁被膜を形成させることができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜9、比較例1〜4
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜9、比較例1〜4にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性組成物を以下のように塗工して試験片を作成した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の空欄は配合なしを意味する。
Figure 2015161764
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・FLX−2089、ZAR−2000:いすれも、日本化薬(株)製。
(B)ウレタン(メタ)アクリレート
・KRM−8296、EBECRYL5129:いずれも、ダイセル・オルネクス社製。
(C)球状シリカ
・Sciqas0.05μm:堺化学工業製。
(D)エポキシ化合物
・EPICRON 860:DIC社製。
(E)光重合開始剤
・chemcure DETX:日本シイベルヘグナー社製。
・IRGACURE907:チバ スペシャルティ ケミカルズ社製。
添加剤
・メラミン:日産化学工業(株)製。
・DICY−7:三菱化学(株)製。
希釈剤
・EDGAC:三洋化成品製。
イオンキャッチャー
・IXE−100:東亞合成(株)製。
体質顔料
・ハイジライトH−42STV:昭和電工(株)製。
着色剤
・LIONOL BLUE FG7351:東洋インキ製造(株)製。
・クロモフタルイエロー:チバ スペシャルティケミカルズ社製。
難燃剤
・エクソリットOP 935:クラリアントジャパン社製。
消泡剤
・KS−66:信越化学工業(株)製。
(B)以外の(メタ)アクリレート
・M−600:東洋ケミカルズ社製。
(C)以外のフィラー
・RHC−730 CLEAR:大日精化工業社製。
試験片作製工程
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製 カプトン100H)に回路パターン(銅箔)を形成したフレキシブル配線板を3%希硫酸水溶液により表面処理後、スクリーン印刷法にて、感光性樹脂組成物を塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、所定のパターンを有するネガフィルムを塗膜上に密着させ、その上から露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて、メインピ−ク波長365nmの紫外線を200mJ/cm(オ−ク製作所社製の積算光量計を用いて計測)照射した。照射後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム現像液にて現像(2.0kg/cmのスプレ−圧で60秒間)し、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行うことで、フレキシブル配線板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
評価
(1)感度
上記試験片作製工程にて予備乾燥工程まで行った配線基板に対し、感度測定用ステップタブレット(コダック社製、21段)を塗膜上に設置し、ステップタブレットを通して、メインピ−クが波長365nmの紫外線を、オ−ク製作所社製の積算光量計を用い、照射光量200mJ/cm照射したものをテストピ−スとした。このテストピースに、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cmのスプレ−圧で60秒間現像を行った。現像後に、露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)として算出した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。評価は、○:8段以上、△:6〜7段、×:5段以下、の3段階で行った。
(2)スプリングバック性
上記試験片作製工程に基づいて、回路パターン(銅箔)を形成したフレキシブル配線板(1.5cm×4cm、片面銅箔厚さ18μm、ポリイミド厚さ25μm)上に硬化塗膜を形成した試験片について、500g荷重で1回ハゼ折りにより180°にて5秒間折り曲げた。その後、荷重を解放し、折り曲げ角度を90°に戻した。次に、試験片を室温にて30分間静置した。静置後、90°に対する角度の差を分度器にて測定した。評価は、◎:角度5°未満、○:角度5°以上10°未満、△:角度10°以上15°未満、×:角度15°以上、の4段階で行った。
(3)折り曲げ性
上記試験片作製工程にて作製した試験片について、ハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、その際の硬化塗膜におけるクラック発生状況を目視及び×200の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生し無かった回数を測定した。評価は、○:2回以上、△:1回、×:0回、の3段階で行った。
(4)現像性
上記試験片作製工程の現像後に、銅体上及びポリイミド上の残さの有無を目視で観察した。評価は、○:銅体上、ポリイミド上ともに残さなし、△:銅体上には残さがないが、ポリイミド上にはやや残さが残る、×:銅体上、ポリイミド上ともに残さが残る、の3段階で行った。
(5)タック性
上記試験片作製工程の予備乾燥後に、塗膜上にネガフィルムを密着させて、紫外線を露光した後における感光性樹脂組成物の張り付きを目視で観察した。評価は、○:ネガフィルム引き剥がし後、張り付き及び張り付き跡ともになし、△:ネガフィルム引き剥がし後、塗膜に張り付き跡が残存、×:ネガフィルム引き剥がし後、ネガフィルムに感光性樹脂組成物が付着、の3段階で行った。
評価結果を下記表2に示す。
Figure 2015161764
表2に示すように、ウレタン(メタ)アクリレートと球状シリカを配合した実施例1〜9では、感度、現像性及びタック性の基本特性を損なうことなく、折り曲げ性(柔軟性)とスプリングバック性を有する硬化塗膜を得ることができた。実施例1、3、4と実施例5、6から、1分子中に6つのアクリロイル基を有するウレタンアクリレートと1分子中に3つのアクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートとを併用することによりスプリングバック性がより向上し、実施例7、8から、上記併用により柔軟性も向上した。
また、実施例1と実施例3、4から、1分子中に6つのアクリロイル基を有するウレタンアクリレート1.0質量部に対して、1分子中に3つのアクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが2.0質量部の割合で含まれることにより、1分子中に3つのアクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが0.5〜1.0質量部の割合で含まれるものと比較して、スプリングバック性のより優れた硬化塗膜を得ることができた。実施例3、7から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、ウレタン(メタ)アクリレートを約28質量部配合すると、約19質量部配合したものと比較して、スプリングバック性がより向上した。
実施例1、2から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、球状シリカを約44質量部配合すると、約22質量部配合したものと比較して、スプリングバック性がより向上した。
一方、比較例1〜4から、フィラーとして球状シリカを配合せずに他のフィラーを配合すると、スプリングバック性が得られなかった。比較例3、4から、1分子中に6つのアクリロイル基を有するウレタンアクリレートと1分子中に3つのアクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートとを併用しないと、感度が低下した。また、比較例1〜4では、実施例1〜9と比較してタック性が低下した。
本発明は、感度、現像性及びタック性等の基本特性を損なうことなく、折り曲げ性(柔軟性)とスプリングバック性を有する硬化塗膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供するので、やわらかい構造が要求されるフレキシブル配線板の分野で、特に利用価値が高い。

Claims (8)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)球状シリカ、(D)エポキシ化合物、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、(A−1)酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であるカルボキシル基含有感光性樹脂と、(A−2)前記(A−1)樹脂以外のカルボキシル基含有感光性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが20〜50質量部含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−1)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン構造と1分子中に2〜4つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートが、(B−2)1分子中に1つ以上の脂肪族ウレタン基と1分子中に5〜7つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(B−2)ウレタン(メタ)アクリレート1.0質量部に対して、前記(B−1)ウレタン(メタ)アクリレートが0.50〜2.0質量部の割合で含まれることを特徴とする請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記(C)球状シリカが25〜50質量部含まれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を光硬化して得られた皮膜を有するフレキシブル配線板。
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