JP2017048392A - 樹脂シート、および電子装置 - Google Patents

樹脂シート、および電子装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017048392A
JP2017048392A JP2016172219A JP2016172219A JP2017048392A JP 2017048392 A JP2017048392 A JP 2017048392A JP 2016172219 A JP2016172219 A JP 2016172219A JP 2016172219 A JP2016172219 A JP 2016172219A JP 2017048392 A JP2017048392 A JP 2017048392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin sheet
resin
layer
thermosetting
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016172219A
Other languages
English (en)
Inventor
康二 佐藤
Koji Sato
康二 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Publication of JP2017048392A publication Critical patent/JP2017048392A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B27/08Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • B32B27/20Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives using fillers, pigments, thixotroping agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/38Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising epoxy resins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J201/00Adhesives based on unspecified macromolecular compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2457/00Electrical equipment
    • B32B2457/16Capacitors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J2203/00Applications of adhesives in processes or use of adhesives in the form of films or foils
    • C09J2203/326Applications of adhesives in processes or use of adhesives in the form of films or foils for bonding electronic components such as wafers, chips or semiconductors

Abstract

【課題】下層の回路に対する埋め込み性と、電子部品に対する密着性と、のバランスを向上させることが可能な樹脂シートの提供。【解決手段】電子部品を接着するのに用いられる樹脂シートであって、25℃におけるタック力が80gf/5mmφ以上であり、樹脂シートに対して動的粘弾性測定装置を用いて周波数62.83rad/sec、測定温度範囲50℃〜200℃の条件で測定した際に、樹脂シートの最低溶融粘度が300Pa・s以上、2000Pa・s以下である樹脂シート10。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂シート、および電子装置に関する。
電子装置の製造においては、絶縁層の一面に電子部品を搭載して固定する場合がある。たとえばセラミックコンデンサ等の電子部品を内蔵した配線基板の製造に際して、電子部品をビルドアップ層上に形成する技術がある。このような技術としては、たとえば特許文献1に記載の技術が挙げられる。
特許文献1には、本体部と外部電極とを有する電子部品を有する電子部品内蔵配線板において、外部電極の少なくとも一部を本体部に形成された開口部に形成することが記載されている。
特開2013−183028号公報
絶縁層上に電子部品が搭載された電子装置の製造に際して、たとえば回路が設けられた下地層上に樹脂シートを形成し、樹脂シート上に電子部品を載せた後、樹脂シートを硬化させるというプロセスを行うことが本発明者により検討されている。しかしながら、回路配線の微細化に伴い、下地層の回路に対する樹脂シートの埋め込み性がより重要となっている。一方で、同じプロセス中において、かかる樹脂シートには、電子部品に対する密着性を向上させることも求められることが判明した。これまでは、下地層の回路に対する埋め込み性と、電子部品に対する密着性と、のバランスを向上させることが可能な樹脂シートを実現することは困難であった。
本発明によれば、
電子部品を接着するのに用いられる樹脂シートであって、
25℃におけるタック力が80gf/5mmφ以上であり、
該樹脂シートに対して、動的粘弾性測定装置を用いて周波数62.83rad/sec、測定温度範囲50℃〜200℃の条件で測定した際に、該樹脂シートの最低溶融粘度が300Pa・s以上2000Pa・s以下である樹脂シートが提供される。
また、本発明によれば、上述の樹脂シートの硬化膜と、当該硬化膜の一方の面上に接着された電子部品と、を備える電子装置が提供される。
本発明によれば、回路に対する埋め込み性と、電子部品に対する密着性と、のバランスを向上させることが可能な樹脂シートを実現することができる。
本実施形態に係る樹脂シートを示す断面模式図である。 本実施形態に係る回路基板の製造方法を示す断面模式図である。 本実施形態に係る回路基板の製造方法を示す断面模式図である。 本実施形態に係る電子装置の製造方法を示す断面模式図である。 本実施形態に係る樹脂シートの変形例を示す断面模式図である。 位置ずれ量の測定方法を示す平面模式図である。 セラミックコンデンサの変形例を示す断面模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、本発明に係る樹脂シートの概要について説明する。
本発明の樹脂シートは、25℃におけるタック力が80gf/5mmφ以上であるという構成要件Aと、動的粘弾性測定装置を用いて周波数62.83rad/sec、測定温度範囲50℃〜200℃の条件で測定した際の最低溶融粘度が300Pa・s以上、2000Pa・s以下であるという構成要件Bとを満足する。
本発明の樹脂シートは、その一方の面上に電子部品を接着させるために用いることができる。一方、他方の面は、回路パターンが形成された基板の回路面に接着させることができる。
本発明において、構成要件Aを満たすことにより、樹脂シートは、上側に接着された電子部品に対して十分な密着力を有する。構成要件Aのタック力を大きくすることにより、樹脂シートの電子部品に対する密着力を高め、樹脂シートの硬化後、かかる電子部品が位置ずれを起こすことを抑制できる。
また、本発明において、構成要件Bを満たすことにより、樹脂シートは、下側に配置された回路に対して良好な埋め込み特性を有する。構成要件Bの最低溶融粘度を上記範囲内となるように比較的低くすることにより、硬化前の樹脂シートが回路の間隙等に埋め込まれやすくなる。
本発明者が検討したところ、回路配線の微細化に伴い、下側の回路(基板の回路)に対する樹脂シートの埋め込み性がより重要となっている一方で、同一プロセス中において、電子部品に対する密着性を向上させることも必要であることを見出した。こうした知見に基づいて、さらに検討した結果、構成要件Aと構成要件Bを両立させることにより、基板の回路に対する埋め込み性と、電子部品に対する密着性と、のバランスを向上させることが可能な樹脂シートを実現するに至った。
本発明の樹脂シートは、基板の回路に対する埋め込み性と、電子部品に対する密着性とをいずれも向上させることができ、埋め込み性と密着性とのバランスをとることができる。また、かかる樹脂シートを用いた回路基板や電子装置は、信頼性が高く、歩留まりに優れる。
以下、本実施形態に係る樹脂シート、回路基板、回路基板の製造方法および電子装置について詳細に説明する。
[樹脂シート用樹脂組成物]
まず、本実施形態に係る樹脂シートを形成するための樹脂シート用樹脂組成物について説明する。
樹脂シート用樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。当該樹脂シート用樹脂組成物をフィルム状とすることにより、本実施形態の樹脂シートを得ることができる。このような樹脂シート用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物である。本実施形態の樹脂シートとしては、当該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる樹脂膜を使用することができる。
上記熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、メタクリロイル基を有する樹脂等が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂が、室温(25℃)で液状である液状樹脂を含んでもよい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態では、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含むことが好ましい。
(エポキシ樹脂(A))
エポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、アリル化エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、樹脂シートの埋め込み性や、表面平滑性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、樹脂シートの低線膨張化および高弾性率化を図ることもできる。また、回路基板の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージにおける耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、樹脂シートの埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことが特に好ましい。
エポキシ樹脂(A)は、以下の一般式(1)に示すエポキシ樹脂を含むことが、好ましい態様の一例として挙げられる。
Figure 2017048392
(式(1)中、nは0〜10の整数であり、RおよびRは互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基である)
エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される樹脂シートの埋め込み性や平滑性の向上に寄与することができる。一方で、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される樹脂シートの耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。上記エポキシ樹脂(A)は液状エポキシ樹脂を含むものであってもよい。液状エポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、15重量%以下としてもよく、10重量%以下としてもよい。液状エポキシ樹脂の含有量を少なくすることにより、タック力が強くなりすぎることによるキャリア剥離性の悪化を抑制することができる。
なお、熱硬化性樹脂組成物の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
また、熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂、アリルフェノール化合物、プロペニルフェノール化合物、活性エステル化合物、アルコキシシラン変性フェノール化合物、カルボジイミド化合物から選択される少なくとも一種の液状、または半固形状の樹脂をさらに含んでいることが好ましい。これらの樹脂を含むことにより、樹脂シートの最低溶融粘度を前記範囲内にしながら、そのタック力を向上させることができる。特に、熱硬化性樹脂組成物は、上記の樹脂の中でも、シアネート樹脂を含んでいることが好ましい。
(シアネート樹脂(B1))
熱硬化性樹脂組成物が、シアネート樹脂を含むことにより、樹脂シートに適度なタック性を付与するとともに、樹脂シートの低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
シアネート樹脂(B1)は、分子内にシアネート基(−O−CN)を有する樹脂である。特に、シアネート基を分子内に2個以上を有するシアネート樹脂を用いることが好ましい。上記シアネート樹脂(B1)としては、特に限定されないが、例えば、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、及びナフトールアラルキル型シアネート樹脂などが挙げられる。
また、上記シアネート樹脂(B1)は、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物と、フェノール類またはナフトール類と、を反応させて得ることができる。このような前記シアネート樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、クレゾールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂などが挙げられる。上記シアネート樹脂(B1)は、一種または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、樹脂シートの低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、フェノールノボラック型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、またはナフトールアラルキル型シアネート樹脂を含むことがより好ましく、フェノールノボラック型シアネート樹脂を含むことが特に好ましい。
上記シアネート樹脂(B1)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。シアネート樹脂(B1)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される樹脂シートのより効果的な低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。また、埋め込み性や平滑性の向上に寄与することができる。一方で、シアネート樹脂(B1)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。シアネート樹脂(B1)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される樹脂シートの耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
(充填材(C))
熱硬化性樹脂組成物は、充填材(C)をさらに含んでいることが好ましい。
充填材(C)としては、無機充填材を用いることができる。無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、特に、シリカが好ましい。
シリカは、特に限定されないが、例えば、球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含んでもよい。樹脂シートの埋め込み性や表面平滑性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、シリカは、たとえば、溶融球状シリカでもよい。
上記充填材(C)の平均粒径D50は、特に限定されないが、0.01μm以上5.0μm以下が好ましく、0.05μm以上2.0μm以下がより好ましい。
上記充填材(C)の平均粒径D50は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。また、充填材は1種または2種以上を含んでもよい。
上記充填材(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましい。充填材(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートの耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。また、樹脂シートを低線膨張化および高弾性率化させ、得られる半導体パッケージの反り低減に寄与することも可能である。一方で、充填材(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましい。充填材(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂シートの埋め込み性をより効果的に向上させることが可能となる。
(硬化促進剤(D))
熱硬化性樹脂組成物は、たとえば硬化促進剤(D)をさらに含んでいることが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類は特に限定されない。硬化促進剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(TPP−K)、テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)のような四級ホスホニウム系化合物、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
上記硬化促進剤(D)として用いられるオニウム塩化合物は、特に限定されないが、たとえば下記一般式(2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2017048392
(式(2)中、Pはリン原子、R、R、RおよびRは、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す)
上記硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0.1重量%以上であることが好ましく、0.3重量%以上であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
(着色剤(E))
熱硬化性樹脂組成物は、たとえば着色剤(E)をさらに含むことができる。着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、顔料、および色素から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、開口部の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を用いることができるが、緑色染料を用いてもよい。当該緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
上記着色剤(E)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートの開口部の視認性や隠蔽性をより効果的に向上させることができる。一方で、着色剤(E)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性等をより効果的に向上させることが可能となる。
(その他の成分(F))
熱硬化性樹脂組成物には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、硬化剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。上記カップリング剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.05〜5重量%であることが好ましく、0.2〜3重量%であることがより好ましい。
上記硬化剤としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラック樹脂等のフェノール樹脂等が挙げられる。上記硬化剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.05〜10重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂シートは、上述した各成分を所定量含有する熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、構成要件AおよびBを満たす。特に、エポキシ樹脂(A)を、3〜40重量%と、シアネート樹脂(B1)、アリルフェノール化合物、プロペニルフェノール化合物、活性エステル化合物、アルコキシシラン変性フェノール化合物、カルボジイミド化合物から選択される少なくとも一種の液状、または半固形状の樹脂を、3〜40重量%と、充填材(C)を、40〜80重量%と、硬化促進剤(D)を、0.1〜5重量%とを含む熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、構成要件AおよびBをより確実に満足する樹脂シートを得ることができる。また、構成要件AおよびBを満足し、埋め込み性と密着性とのバランスが特に優れた樹脂シートを得る観点から、エポキシ樹脂(A)を、5〜35重量%と、シアネート樹脂(B1)、アリルフェノール化合物、プロペニルフェノール化合物、活性エステル化合物、アルコキシシラン変性フェノール化合物、カルボジイミド化合物から選択される少なくとも一種の液状、または半固形状の樹脂を、10〜35重量%と、充填材(C)を、50〜80重量%と、硬化促進剤(D)を、0.3〜5重量%とを含む熱硬化性樹脂組成物を用いることがより好ましい。
また、上記熱硬化性樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。ワニス状の熱硬化性樹脂組成物をフィルム状とすることにより、本実施形態の樹脂シートが得られる。
本実施形態の樹脂シートは、たとえばワニス状の熱硬化性樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シートは、溶剤含有率が熱硬化性樹脂組成物全体に対して5重量%以下と定義することができる。本実施形態においては、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、熱硬化性樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材に形成する方法としては特に限定されないが、以下のような方法が挙げられる。例えば、まず、熱硬化性樹脂を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製し、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な厚みを有する樹脂シートを備えたキャリア基材付き樹脂シートを効率よく製造することができる。
(溶剤)
上述したワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
ワニス状の熱硬化性樹脂組成物において、熱硬化性樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30重量%以上80重量%以下であることが好ましく、40重量%以上70重量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる。なお、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
なお、熱硬化性樹脂組成物は、たとえばガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含まない組成物とすることが好ましい。このような基材を含まないことにより、回路の埋め込み性が向上し、樹脂シートを形成するために特に適した熱硬化性樹脂組成物を実現することができる。
[樹脂シート]
本実施形態に係る樹脂シートは、上記樹脂シート用樹脂組成物から得られたフィルムを含むことができる。本実施形態において、樹脂シートは、シート形状でもよく、巻き取り可能なロール形状でもよい。
前述したように、本実施形態の樹脂シートは、25℃におけるタック力が80gf/5mmφ以上である。上記樹脂シートのタック力の下限値は、80gf/5mmφ以上であるが、90gf/5mmφ以上が好ましく、100gf/5mmφ以上がより好ましい。上記樹脂シートのタック力の上限値は、特に限定されないが、例えば、1000gf/5mmφ以下が好ましく、900gf/5mmφ以下がより好ましく、800gf/5mmφ以下がさらに好ましい。タック力を上記下限値以上とすることにより、電子部品に対する密着力を高めることができる。これにより、電子装置の製造の際に、樹脂シートが硬化する前に、乾燥や追加工程の影響による電子部品の位置ずれを抑制することができる。タック力を上記上限値以下とすることにより、キャリアやキャリア基材を容易に剥離することができ、樹脂シートの取り扱いが良好になる。
本実施形態において、樹脂シートのタック力は、例えば、以下の手順により測定することができる。まず、キャリア基材付き樹脂シートを準備する。このキャリア基材付き樹脂シートの樹脂シートをコア材に80℃で貼り合わせる。次に、貼り合わされたキャリア基材付き樹脂シートおよびコア材を約10cm角に切断して、キャリア基材を剥離し、測定サンプルとする。次いで、25℃に設定された、タッキング試験機(レスカ社製)のステージ上にコア材が下となるように測定サンプルを載置し、測定サンプルにプローブ(5mmφ)を100gf/5mmφ、5secの条件で押しつける。その後、2mm/secの条件でプローブを測定サンプルから離脱させる。このとき、プローブが測定サンプルから受ける引っ張り力を測定し、そのピーク値をタック力(gf/5mmφ)とする。以上により、キャリア基材を剥離した樹脂シートの剥離面のタック力を測定できる。
本実施形態の樹脂シートにおいて、測定周波数62.83rad/sec、昇温速度3℃/分の条件による動的粘弾性試験によって測定される50〜200℃における最低溶融粘度は、2000Pa・s以下である。上記最低溶融粘度の上限値は、2000Pa・s以下であるが、900Pa・s以下が好ましく、800Pa・s以下がより好ましい。最低溶融粘度を上記上限値以下とすることにより、上述のように樹脂シートの埋め込み性を向上させることが可能となる。一方、上記最低溶融粘度の下限値は、300Pa・s以上であるが、400Pa・s以上が好ましく、500Pa・s以上がより好ましい。最低溶融粘度を上記下限値以上とすることにより、樹脂シートの表面平滑性を向上させることができる。
本実施形態において、動的粘弾性試験は、たとえば動的粘弾性測定装置を用いて、下記の条件で行うことができる。また、動的粘弾性測定装置としては、特に限定されないが、たとえばAnton Paar社製の、Physica MCR−301を用いることができる。
周波数:62.83rad/sec
測定温度:50〜200℃
昇温速度:3℃/min
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:10mm
プレート間隔:0.1mm
荷重(ノーマルフォース):0N(一定)
ストレイン:0.3%
測定雰囲気:空気
本実施形態では、たとえば熱硬化性樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、熱硬化性樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記タック力および最低溶融粘度を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば液状のエポキシ樹脂の含有量が少ない範囲(熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、15重量%以下)で、加温等の調合方法、カップリング剤処理、撹拌方法によりフィラーの分散性を向上させること等が、上記タック力および最低溶融粘度を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。さらに、液状のエポキシ樹脂の含有量が少ない範囲で、充填材の含有量を上記下限値以上(熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、40重量%以上)とするとともに、適切な攪拌方法により充填材の分散性を向上させることが、上記タック力および最低溶融粘度を制御するために、特に重要な要素として挙げられる。
本実施形態において、樹脂シートを200℃、1時間で熱処理して硬化物を得たときに、樹脂シートの硬化物の25℃における貯蔵弾性率が、7GPa以上であることが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートを備える回路基板のたわみ抑制や強度向上、この回路基板を備える半導体パッケージの反り抑制等を図ることが可能となる。上記貯蔵弾性率は、10GPa以上であることがより好ましい。一方で、上記貯蔵弾性率の上限値は、特に限定されないが、たとえば50GPa以下とすることができる。
本実施形態において、樹脂シートを200℃、1時間で熱処理して硬化物を得たときに、樹脂シートの硬化物のガラス転移温度が、160℃以上であることが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートの耐熱性および耐リフロー性の向上等を図ることが可能となる。上記ガラス転移温度は、200℃以上であることがより好ましい。一方で、上記ガラス転移温度の上限値は、特に限定されないが、たとえば350℃以下とすることができる。
本実施形態において、上記貯蔵弾性率および上記ガラス転移温度は、たとえば、上記硬化物に対して、動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行うことにより得られる測定結果から、算出することができる。動的粘弾性測定装置としては、特に限定されないが、たとえばセイコーインスツルメンツ社製、DMS6100を用いることができる。
本実施形態において、樹脂シートを200℃、1時間で熱処理して硬化物を得たときに、樹脂シートの硬化物の、ガラス転移温度未満における線膨張係数が、30ppm/℃以下であることが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートを備える半導体パッケージの反り抑制等を図ることが可能となる。上記線膨張係数は、28ppm/℃以下であることがより好ましい。一方で、上記線膨張係数の下限値は、特に限定されないが、たとえば3ppm/℃以上とすることができる。
本実施形態においては、たとえば、上記硬化物に対して、TMA(熱分析装置)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定することにより得られる線膨張係数の、25〜50℃における平均を算出し、これをガラス転移温度未満における上記線膨張係数とすることができる。
なお、本実施形態では、たとえば熱硬化性樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、熱硬化性樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記貯蔵弾性率、上記ガラス転移温度、および上記線膨張係数を制御することが可能である。
また、本実施形態の樹脂シートをキャリア基材上に積層することにより、キャリア基材付樹脂シートを構成することができる。これにより、樹脂シートのハンドリング性を向上させることができる。
本実施形態において、キャリア基材としては、例えば、高分子フィルムを用いることができる。当該高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートで構成されるシートが安価および剥離強度の調節が簡便なため最も好ましい。これにより、上記樹脂シートから、適度な強度で剥離することが容易となる。
上記キャリア基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜100μmとしてもよく、10〜70μmとしてもよい。これにより、樹脂シートを製造する際の取り扱い性が良好であり好ましい。
本発明の樹脂シートは、単層でも多層でもよく、1種または2種以上の上記フィルムを含むことができる。当該樹脂シートが多層の場合、同種で構成されてもよく、異種で構成されてもよい。
本実施形態の樹脂シートは、第1樹脂シート(第1樹脂層)と、第1樹脂シートの下に配置された第2樹脂シート(第2樹脂層)と、を含む構成とすることができる。なお、第1樹脂シートおよび第2樹脂シートは、上記樹脂シートと同様の構成を有する。
上記第1樹脂シートは、第2樹脂シートよりも電子部品に対する密着性を高めても良い。すなわち、本実施形態において、第1樹脂シートの上記タック力を、前記第2樹脂シートのタック力よりも大きくすることができる。一方で、上記第2樹脂シートは、第1樹脂シートよりも、下層の回路に対する埋め込み特性を高めてもよい。すなわち、本実施形態において、第2樹脂シートの上記最低溶融粘度を、第1樹脂シートの最低溶融粘度よりも大きくすることができる。2層以上の樹脂シートを用いることにより、上層は電子部品との密着性をより高めつつも、下層は回路への埋め込みをより良好とすることができる。すなわち、電子部品への密着性と下層の回路への埋め込み特性のバランスを一層高めることが可能になる。
本実施形態において、2層以上の樹脂シート(樹脂層)を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、まず、熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材に塗布して得られた、第1樹脂層と第2樹脂層とを、第1樹脂層と第2樹脂層とが対向するように貼り合わせ、乾燥させる。その後、第1樹脂層および第2樹脂層からキャリア基材を除去することにより、2層構成の樹脂シートが得られる。そのほかにも、熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材に塗布し、乾燥させることで、第1樹脂シートを得る。その後、第1樹脂シート上に、熱硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることで、第2樹脂シートを第1樹脂シート上に形成する方法が挙げられる。また、2層同時にキャリア基材上に塗布、乾燥させることで、2層の樹脂シートを得る方法も使用できる。
また、本実施形態において、上記第2樹脂シートの製造において、第1樹脂シートよりもさらに液状エポキシ樹脂の含有量を少なくするか、あるいは配合させないことにより、第2樹脂シートとキャリア基材との剥離性を向上させることが可能になる。
[回路基板]
本実施形態に係る回路基板は、上記樹脂シートの硬化膜と、前記硬化膜の一面上に接着された電子部品と、を含むことができる。
図3(c)は、本実施形態の回路基板1の一例を示す。当該回路基板1は、ビルドアップ層12、絶縁層62、配線40および、電子部品(セラミックコンデンサ50)を備えてもよい。配線40は、下層のビルドアップ層12に埋め込まれている。下層のビルドアップ層12の上面にセラミックコンデンサ50が固定されている。下層のビルドアップ層12上に、セラミックコンデンサ50と絶縁層62とが同一層を形成するように配置されている。絶縁層62は、プリプレグの硬化物を用いることができる。かかるプリプレグは、基材を含まなくてもよい。セラミックコンデンサ50および絶縁層62上に、上層のビルドアップ層12が配置されている。本実施形態の回路基板1において、電子部品が内蔵されるとともに、絶縁層62が、基材を含むコア層を用いない、コアレス層で形成されていてもよい。このような電子部品内蔵型のコアレス基板とすることが可能である。
本実施形態において、ビルドアップ層12が上述した樹脂シートで構成されているため、配線の埋め込みが良好であり、電子部品の位置ずれが抑制されているため、信頼性に優れた構造の回路基板を得ることが可能である。
[電子装置]
本実施形態に係る電子装置は、上記回路基板上に電子素子が実装された電子装置が用いられる。電子素子としては、例えば、半導体素子等が挙げられる。
図4(c)は、上記電子装置100の一例を示す。回路基板1に半導体チップ80がフリップチップ接続された例である。当該電子装置100は、回路基板1、配線層、外部接続端子、半導体素子の電極バンプと接続する接続部(配線74、金属めっき層78)、半導体チップ80を含むことができる。
回路基板1の両面に配線層が形成されている。配線層の層数は任意である。下層の配線層の配線76は、外部接続端子86と電気的に接続している。上層の配線層の配線74は、半導体チップ80のバンプ82と電気的に接続している。配線74、76の周囲は、それぞれソルダーレジスト膜64、68で覆われている。半導体チップ80とソルダーレジスト膜64との間隙には、アンダーフィル樹脂84が充填される。
本実施形態において、信頼性に優れた構造の回路基板を利用することで、信頼性が安定的に得られるとともに、歩留まりに優れた構造を有する電子装置を実現することが可能になる。
[回路基板の製造方法]
本実施形態の回路基板の製造工程について、図1〜3を用いて説明する。
図1は、本実施形態の樹脂シート10の構造を示す断面図であり、図2および図3は、本実施形態の回路基板1の製造手順を示す工程断面図である。
まず、図1に示す樹脂シート10を準備する。当該樹脂シート10としては、本実施形態の樹脂シート用樹脂組成物から形成された樹脂シート10が用いられる。かかる樹脂シート10は、キャリア基材(不図示)の一方の面上に形成されている。
続いて、剥離層30が一方の面に形成されたキャリア20を準備する。キャリア20としては、強度が高い基板であれば特に限定されないが、例えば、銅板等の金属板が用いられる。当該キャリア20上に、リソグラフィによりパターニングされたレジストを形成する。次いで、金属バリア層を形成し、電解めっき処理により、電解めっき膜を形成する。次いで、レジスト剥離液を用いて上記レジストを除去することで、パターニングされた導電回路として機能する配線40(配線パターン)を形成する(図2(a))。
次に、キャリア基材が配置されていない樹脂シート10の一方の面と、キャリア20の配線40が形成された配線面とを対向させた状態で、樹脂シート10を剥離層30上に圧着させる。これにより、樹脂シート10とキャリア20とを接合する。すなわち、導電回路(配線40)が形成された側の基板(キャリア20)の面に、樹脂シートを接合する。これにより、樹脂シート10を、配線40の周囲や配線間の間隙に埋め込むことができる。その後、樹脂シート10からキャリア基材を剥離する(図2(b))。
次に、樹脂シート10の剥離面上に、電子部品(例えば、セラミックコンデンサ50)を積層する(図2(c))。
次に、樹脂シート10およびセラミックコンデンサ50上にプリプレグ60を積層する。その後、たとえばレーザ照射、プラズマエッチング、またはメカニカルドリルによって、セラミックコンデンサ50を露出させる開口部90をプリプレグ60に形成する(図3(a))。これにより、Bステージ状態の樹脂シート10に最適な開口処理を選択することができる。プリプレグ60としては、例えば、一般的な熱硬化性樹脂組成物を半硬化させたプリプレグを用いることができるが、本実施形態の樹脂シート10を構成する樹脂シート用樹脂組成物を用いたプリプレグを使用してもよい。上記プリプレグ60の膜厚は、例えば、10〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることがより好ましい。
次に、セラミックコンデンサ50およびプリプレグ60上に、キャリア基材付き樹脂シート10を熱圧着により積層する。これにより、上記開口部の内部におけるセラミックコンデンサ50の周囲および上部を樹脂シート10で埋設できる。また、プリプレグ60上に樹脂シート10を配置することができる。その後、キャリア基材を樹脂シート10から剥離する。樹脂シート10の剥離面には剥離層30が残ることになる(図3(b))。このとき、樹脂シート10のキャリア基材としては、金属箔を用いても良い。金属箔としては、例えば銅箔などを用いることができる。また、図3(b)で用いた樹脂シート10の代わりに、樹脂シート10を構成する樹脂シート用樹脂組成物とは異なる組成物で構成された一般的なプリプレグを用いてもよい。当該プリプレグは、キャリア基材付き樹脂シートの形態で用いることができる。例えば、銅箔付きプリプレグを用いて、セラミックコンデンサ50を埋設することもできる。
次に、図3(b)に示す構造体に対して熱処理する。これにより、下層の樹脂シート10、プリプレグ60、および上層の樹脂シート10を一括硬化させることができる。本実施形態において、セラミックコンデンサ50を固定する下層の樹脂シート10と、セラミックコンデンサ50を埋め込む上層の樹脂シート10とを一括硬化することができるので、工数や製造時間を削減する等のプロセスの生産性を高めることができる。また、下層の樹脂シート10において、タック力を上記下限値以上とするだけでなく、最低溶融粘度を上記下限値以上とすることにより、未硬化の状態でもセラミックコンデンサ50の位置ずれ量を効果的に抑えることが可能である。従って、図2(c)から図3(b)のプロセス中において、言い換えると、樹脂シート10の上にセラミックコンデンサ50を配置してから、かかる樹脂シート10を硬化するまでの間、未硬化の樹脂シート10は、セラミックコンデンサ50の位置ズレを抑制することができる。
なお、上記の説明では、図3(b)において一括硬化する例を説明したが、これに限定されない。例えば、樹脂シート10上にセラミックコンデンサ50を配置した時に(図2(c))、かかる樹脂シート10を少し硬化させてもよい。例えば、図2(c)に示す状態で、樹脂シート10が完全硬化しない程度に熱処理をする。これにより、樹脂シート10の位置ずれをさらに小さくすることができる。また、完全硬化させた場合に比べて、プロセスの時間短縮が図られ、生産性が向上する。
また、図2(c)において、セラミックコンデンサ50が配置された樹脂シート10を完全硬化させてもよい。これにより、セラミックコンデンサ50の位置ずれをより抑制することができる。
ここで、樹脂シート10として、最低溶融粘度が上記下限値未満のものを使用した場合には、プリプレグ60や上層の樹脂シート10等の積層時の熱圧着により、下層の樹脂シート10の粘度が低くなり、セラミックコンデンサ50がずれ易くなる恐れがある。この場合においても、図2(c)で完全硬化させることにより、位置ずれを抑制できるが、完全硬化させるとセラミックコンデンサ50の下部と樹脂シート10の界面にボイドが発生する懸念がある。これに対して、一括硬化する場合は、コンデンサ周りの空間を樹脂で埋め込む時に上層の樹脂シート、下層の樹脂シートともに樹脂の粘度が低下して流動するため、ボイド発生の懸念は少なくなる。
本実施形態において、熱硬化処理の条件は、特に限定されないが例えば、200〜220℃、約1時間の条件とすることができる。熱硬化処理により、樹脂シート10の硬化物からなるビルドアップ層12(絶縁層)と、プリプレグ60の硬化物からなる絶縁層62を形成する。これにより、下層のビルドアップ層12上にセラミックコンデンサ50を固定することができる。引き続き、キャリア20を剥離層30から剥離する(図3(c))。
以上により、本実施形態の回路基板1が得られる。なお、プリプレグ60が基材を含まない場合には、コア層を有しないコアレス回路基板1が得られる。
[電子装置の製造方法]
本実施形態の電子装置100の製造工程について、図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態の電子装置100の製造手順を示す工程断面図である。
上記の回路基板の製造工程で得られた回路基板1を用いる。まず、例えば、回路基板1の両面にレーザ照射することにより、開口部(スルーホール70、72)を形成する(図4(a))。スルーホール70の底部には、セラミックコンデンサ50の電極54の一部が露出している。一方、スルーホール72の底部には、配線40の一部が露出している。
次に、回路基板1の両面側に配線層を形成する。本実施形態では、配線層が1層の例を示すが、これに限定されず、配線層の積層数は任意に設定できる(図4(b))。
配線層の配線74、76の形成方法は、特に限定されないが、例えば、リソグラフィ処理と選択的エッチングにより配線を形成する方法が用いられる。
次に、回路基板1の上面側にソルダーレジスト膜64を形成する。たとえばレーザ照射、プラズマエッチング、ケミカルエッチング、またはリソグラフィ処理によって、配線74の一部を露出させる開口部をソルダーレジスト膜64に形成する。引き続き、電気めっき処理などにより、かかる開口部内の配線74の上面に金属めっき層78を形成する。金属めっき層78は、半導体チップ80の電極バンプ(バンプ82)と接続する接続部として機能する。
一方で、回路基板1の下面側にも、ソルダーレジスト膜68を形成する。同様にして、配線76の一部を露出させる開口部をソルダーレジスト膜68に形成する。引き続き、かかる開口部内の配線76に半田ボール等を搭載することにより、外部接続端子86を形成する。
次に、回路基板1の上面側の接続部(配線74、金属めっき層78)に、半導体チップ80のバンプ82をフリップチップ接続する。さらに、半導体チップ80の下側にアンダーフィル樹脂84を充填する。以上により、半導体装置(電子装置100)が得られる(図4(c))。
本実施形態の製造工程において、樹脂シート10が単層の例について図1を用いて説明したが、単層に限定されず、2層以上の複数層であってもよい。図5には、本実施形態の樹脂シートが2層である例が示されている。樹脂シート10は、第1樹脂層14(第1樹脂シート)と第2樹脂層16(第2樹脂シート)とから構成されている。上層の第1樹脂層14は、セラミックコンデンサ50を安定的に固定する特性を有しており、下層の第2樹脂層16は、配線40などの回路パターンを埋め込みやすい特性を有している。上記樹脂シートを2層以上とすることにより、下層の回路に対する埋め込み性と、上層の電子部品に対する密着性と、のバランスを一層向上させることが可能になる。
図7は、セラミックコンデンサ50の変形例を示す図である。上記の説明では、図3(c)に示すように、本体部52の長手方向の両端に電極54が形成されたセラミックコンデンサ50を利用した例を示したが、これに限定されず、様々な構造を有するセラミックコンデンサ50を利用することができる。例えば、電極54が本体部52の一方の面側にのみ配置された構成、すなわち、電極54が本体部52の下側に配置された構成(図7(a))、または電極54が本体部52の上側に配置された構成(図7(b))を有するセラミックコンデンサ50が挙げられる。これらの電極54は電極パターンを有している。また、図7(c)に示すように、電極54が、本体部52の両面に形成され、その表面全体に亘って形成されたセラミックコンデンサ50を用いることもできる。
本実施形態では、フリップチップ接続の例を説明したが、これに限定されず、各種の接続方法が利用できる。例えば、ワイヤボンディング方法を利用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれに限定されない。
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
各実施例および各比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を調整した。ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、表1に従い配合された各成分の原料を下記溶剤1に溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌することにより得た。なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂(DIC社製、HP−5000)
熱硬化性樹脂2:ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)
熱硬化性樹脂3:4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)
熱硬化性樹脂4:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON、830S)
熱硬化性樹脂5:フェノールノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製、Primaset PT−30)
熱硬化性樹脂6:カルボジイミド(日清紡ケミカル社製、V−05)
熱硬化性樹脂7:3官能アルコキシシラン変性フェノールノボラック(荒川化学社製、P501)
熱硬化性樹脂8:アクリレート化合物(2-Propenoic acid, 2-[4-(acetoxy)phenyl]ethyl ester)
(充填材)
充填材1:球状シリカ(アドマテックス社製SO−C4、平均粒子径1.0μm、フェニルアミノシラン処理)
充填材2:球状シリカ(アドマテックス社製SO−C4、平均粒子径1.0μm、未処理)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)
(カップリング剤)
カップリング剤1:エポキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)
(溶剤)
溶剤1:メチルエチルケトン
Figure 2017048392
(樹脂シートの作製)
実施例1〜10、および比較例1〜4について、得られた熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材であるPETフィルム(38μm厚)上に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、厚さ30μmのキャリア基材付き樹脂シートを形成した。
また、実施例4については、次のようにして樹脂シートを作製した。得られた熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材であるPETフィルム(38μm厚)上に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、1層目の第1樹脂層を形成した。同様にして、2層目の第2樹脂層を得た。第1樹脂層と第2樹脂層とを貼り合わせることで、2層の樹脂層を形成した。その後、第2樹脂層からキャリア基材を剥離し、厚さ30μmの第1樹脂シートと厚さ30μmの第2樹脂シートとが積層されたキャリア基材付き樹脂シートを形成した。
(タック力)
各実施例および各比較例について、次のようにして樹脂シートのタック力を測定した。
まず、キャリア基材付き樹脂シートをコア材(FR-4基材)に80℃で貼り合わせた。次に、貼り合わされたキャリア基材付き樹脂シートおよびコア材を約10cm角に切断して、キャリア基材(PETフィルム)を剥離し、測定サンプルを作製した。次いで、25℃に設定された、タッキング試験機(レスカ社製)のステージ上にコア材が下となるように測定サンプルを載置し、測定サンプルにプローブ(5mmφ)を100gf/5mmφ、5secの条件で押しつけた。その後、2mm/secの条件でプローブを測定サンプルから離脱させた。このとき、プローブが測定サンプルから受ける引っ張り力を測定し、そのピーク値をタック力(gf/5mmφ)とした。以上により、PETフィルムを剥離した、樹脂シートの剥離面のタック力を測定した。結果を表1に示す。
(最低溶融粘度)
各実施例および各比較例について、次のようにして樹脂シートの最低溶融粘度を測定した。まず、上記において得られたキャリア基材付き樹脂シートから、キャリア基材であるPETフィルムを剥離した樹脂シートを測定サンプルとして準備した。次いで、この測定サンプルに対し、動的粘弾性測定装置(Anton Paar社製、装置名Physica MCR−301)を用いて、下記の条件で溶融粘度の測定をおこなった。得られた測定結果から、50〜200℃における最低溶融粘度(Pa・s)を算出した。結果を表1に示す。
周波数:62.83rad/sec
測定温度:50〜200℃
昇温速度:3℃/min
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:10mm
プレート間隔:0.1mm
荷重(ノーマルフォース):0N(一定)
ストレイン:0.3%
測定雰囲気:空気
(ガラス転移温度、貯蔵弾性率)
各実施例および各比較例について、得られたキャリア基材付き樹脂シートからキャリア基材であるPETフィルムを剥離した樹脂シートを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅8mm×長さ50mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、DMS6100)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行った。次いで、得られた測定結果から、ガラス転移温度(℃)と、25℃における貯蔵弾性率(GPa)を算出した。ガラス転移温度は、tanδのピーク値から判定した。結果を表1に示す。
(線膨張係数)
各実施例および各比較例について、得られたキャリア基材付き樹脂シートからキャリア基材であるPETフィルムを剥離した樹脂シートを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅4mm×長さ20mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、TMA(TAインスツルメンツ(株)製)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で線膨張係数の測定を行った。次いで、25〜50℃における測定結果の平均を算出し、これをガラス転移温度未満における線膨張係数(ppm/℃)とした。結果を表1に示す。
(回路埋め込み性評価、密着性評価)
各実施例および各比較例について、以下のようにして回路埋め込み性、および積層セラミックコンデンサに対する密着性を評価した。まず、キャリアである銅板上に、リソグラフィによりパターニングされたレジストを形成した。次いで、ニッケルバリア層を形成し、次いで、電解めっき処理により電解銅めっき膜(厚さ12μm)を形成し、L/S=12/12μmの配線パターンを形成した。次に、レジスト剥離液を用いてレジストを除去した。次に、上記で得られたキャリア基材付き樹脂シートを、樹脂シートが配線を埋め込むように剥離層上に積層した後、樹脂シートからキャリア基材を剥離した。次いで、樹脂シート上にセラミックコンデンサを載せた。次いで、樹脂シートを200℃、1時間の条件で硬化させ、樹脂シートの硬化物からなる絶縁層を形成した。これにより評価サンプルを得た。
上記で得られた評価サンプル内の任意の10ヶ所について、絶縁層の表面を顕微鏡で観察し、配線パターン間に絶縁層が埋め込まれているかを確認し、以下の基準に従って回路埋め込み性を評価した。
◎:サンプルの全箇所において配線パターン間にボイドが全く観察されなかった。
○:サンプルの全箇所において配線パターン間にボイドは観察されなかったが、絶縁層の表面に若干のうねりが観察された。
×:サンプルの少なくとも一箇所において配線パターン間にボイドが観察された。
結果を表1に示す。
また、上記で得られた評価サンプルに対して、プッシュプル試験でダイシェア強度測定により、以下の基準に従って積層セラミックコンデンサの密着性の評価を行った。
◎:20N/mm以上。
○:15N/mm以上20N/mm未満。
×:15N/mm未満。
結果を表1に示す。
(キャリア剥離性)
各実施例および各比較例について、樹脂シートのキャリア剥離性を次のように評価した。まず、キャリア基材付き樹脂シートのうちのPETフィルム(厚さ38μm)が設けられていない側の面上に、厚さ25μmのPETフィルムを積層し、積層体を得た。次いで、当該積層体を約10cm角に切り出して測定サンプルとした。次いで、測定サンプルのうち厚さ38μmのPETフィルムをステージに固定した。次いで、25℃の温度条件下において、測定サンプルのうちの厚さ25μmのPETフィルムについて、4隅のうちの一箇所を測定サンプルに対し垂直方向に5cm引っ張りあげ、以下の基準に従ってキャリア剥離性を評価した。
◎:厚さ25μmのPETフィルムと樹脂シートの間で剥離が生じた。
○:厚さ38μmのPETフィルムと樹脂シートの間に一部剥離が生じたが、厚さ25μmのPETフィルムと樹脂シートの間で剥離した。
×:厚さ25μmのPETフィルムと樹脂シートの間で剥離せずに、厚さ38μmのPETフィルムと樹脂シートとの間で剥離するか、もしくは測定サンプルが固定ステージから剥離した。
結果を表1に示す。
(位置ずれ量)
各実施例および各比較例について、セラミックコンデンサの位置ずれ量を以下のようにして測定した。まず、銅板上にキャリア基材付き樹脂シートを、銅板と樹脂シートが対向するように積層し、バッチ式真空加圧ラミネーターを用いて30秒間真空吸引した。その後、耐圧ゴムを用いて30秒間、圧力1kg/cmの条件で加圧した。次いで、キャリア基材付き樹脂シートからキャリア基材を剥離した。次いで、セラミックコンデンサ(1608サイズ)を樹脂シート上に載せた。
次いで、セラミックコンデンサ部分に対応して形成された開口部を有するプリプレグを樹脂シート上に載せた。
次いで、樹脂シートを積層し、真空加圧プレスを用いて圧力30kg/cm、200℃で30分処理し、セラミックコンデンサを樹脂シートに固定し、樹脂シートを硬化させた。これにより測定サンプルを得た。
図6は、位置ずれ量の測定方法を示す平面模式図である。プリプレグを載せた後で、原点A、Bと、セラミックコンデンサの4隅との平面距離(X、Y、Z、W)を、それぞれ測定した。図6中の開口部90は、プリプレグに形成した開口部を示す。
次に、樹脂シートを硬化させた。硬化させた測定サンプルの原点A、Bと、セラミックコンデンサの4隅との平面距離(X、Y、Z、W)を再度測定した。そして、X、Y、Z、Wのうち、樹脂シートを硬化させる上記工程において最も大きなずれが生じたコンデンサの4隅のいずれかの地点について、そのずれ量を位置ずれ量とした。結果を表1に示す。
なお、比較例3においては、タック力が高いため、樹脂シートを銅板に積層した後、樹脂シートからキャリア基材を剥離するときに、銅板と樹脂シート間で剥離したり、樹脂シートの内部が割れて剥離したりしたため、キャリア基材の剥離を正常に行うことが出来なかった。このため、比較例3の位置ずれ量は評価不可とした。
1 回路基板
10 樹脂シート
12 ビルドアップ層
14 第1樹脂層
16 第2樹脂層
20 キャリア
30 剥離層
40 配線
50 セラミックコンデンサ
52 本体部
54 電極
60 プリプレグ
62 絶縁層
64 ソルダーレジスト膜
68 ソルダーレジスト膜
70 スルーホール
72 スルーホール
74 配線
76 配線
78 金属めっき層
80 半導体チップ
82 バンプ
84 アンダーフィル樹脂
86 外部接続端子
90 開口部
100 電子装置

Claims (13)

  1. 電子部品を接着するのに用いられる樹脂シートであって、
    25℃におけるタック力が80gf/5mmφ以上であり、
    該樹脂シートに対して、動的粘弾性測定装置を用いて周波数62.83rad/sec、測定温度範囲50℃〜200℃の条件で測定した際に、該樹脂シートの最低溶融粘度が300Pa・s以上2000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂シート。
  2. 該樹脂シートを200℃、1時間で熱処理して硬化物を得たときに、該硬化物のガラス転移温度が、160℃以上である請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 該樹脂シートを200℃、1時間で熱処理して硬化物を得たときに、該硬化物のガラス転移温度未満における線膨張係数が、30ppm/℃以下である請求項1または2に記載の樹脂シート。
  4. 該樹脂シートを200℃、1時間で熱処理して硬化物を得たときに、該硬化物の25℃における貯蔵弾性率が、7GPa以上である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  5. 前記タック力が、1000gf/5mmφ以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  6. 前記電子部品を接着する一方の面と、該一方の面と対向する他方の面とを備える第1樹脂層と、該第1樹脂層の前記他方の面側に設けられた第2樹脂層と、を含む請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  7. 前記第2樹脂層の前記最低溶融粘度が、前記第1樹脂層の前記最低溶融粘度よりも大きい請求項6に記載の樹脂シート。
  8. 該樹脂シートは、熱硬化性樹脂と充填材とを含む熱硬化性樹脂組成物で構成されている請求項1ないし7のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  9. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む請求項8に記載の樹脂シート。
  10. 前記充填材が、シリカを含む請求項8または9に記載の樹脂シート。
  11. 前記熱硬化性樹脂組成物が、シアネート樹脂をさらに含む請求項8ないし10のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  12. 前記電子部品は、セラミックコンデンサである請求項1ないし11のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  13. 請求項1ないし12のいずれか一項に記載の前記樹脂シートの硬化膜と、
    前記硬化膜の一方の面上に接着された前記電子部品と、
    を備える電子装置。
JP2016172219A 2015-09-03 2016-09-02 樹脂シート、および電子装置 Pending JP2017048392A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015173970 2015-09-03
JP2015173970 2015-09-03

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017048392A true JP2017048392A (ja) 2017-03-09

Family

ID=58278155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016172219A Pending JP2017048392A (ja) 2015-09-03 2016-09-02 樹脂シート、および電子装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2017048392A (ja)
KR (1) KR20170028262A (ja)
TW (1) TW201718798A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018168354A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 味の素株式会社 樹脂組成物

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013183028A (ja) 2012-03-01 2013-09-12 Ibiden Co Ltd 電子部品内蔵配線板、チップコンデンサ、及び電子部品内蔵配線板の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018168354A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 味の素株式会社 樹脂組成物
JP7067140B2 (ja) 2017-03-29 2022-05-16 味の素株式会社 樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
TW201718798A (zh) 2017-06-01
KR20170028262A (ko) 2017-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI494337B (zh) 電路基板用環氧樹脂組成物,預浸體,積層板,樹脂片,印刷佈線板用積層基材,印刷佈線板及半導體裝置
JP7119290B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリプレグ、プリント配線基板および半導体装置
JP7258453B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリプレグ、プリント配線基板および半導体装置
JP7028165B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置
JP2016196549A (ja) プリント配線基板用樹脂組成物、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置
KR102582537B1 (ko) 프린트 배선판의 제조 방법, 반도체 장치의 제조 방법
JP2016196557A (ja) プリント配線基板用樹脂組成物、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置
JP2015106698A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2013251368A (ja) 半導体装置の製造方法及びそれに用いる熱硬化性樹脂組成物並びにそれにより得られる半導体装置
JP2014056924A (ja) 半導体装置の製造方法及びそれに用いる熱硬化性樹脂組成物並びにそれらにより得られる半導体装置
JP6724296B2 (ja) プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置
JP5200386B2 (ja) 電子材料用接着剤シート
WO2018088345A1 (ja) 金属箔付き樹脂膜、構造体、配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法
JP2016065226A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、および半導体装置
JP6885000B2 (ja) 半導体再配線層形成用樹脂フィルム、半導体再配線層形成用複合フィルム、それらを用いた半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP6720652B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置
JP6769465B2 (ja) 樹脂組成物
JP6472073B2 (ja) エポキシ樹脂含有ワニス、エポキシ樹脂組成物含有ワニス、プリプレグ、樹脂シート、プリント配線板、半導体装置
JP2017048392A (ja) 樹脂シート、および電子装置
JP2019179844A (ja) ソルダーレジスト形成用の樹脂シート、回路基板、および半導体パッケージ
JP6819067B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置
JP2019091737A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、回路基板、及び、回路基板の製造方法
JP6107992B1 (ja) 樹脂シート
JP2018029146A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置
JP2020077811A (ja) 犠牲基板およびコアレス基板の製造方法