JP2015106698A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外形寸法にむらのない硬化体を形成する。
【解決手段】工程(A)板状体110と、板状体に配置された弾性構造体120とを備え、該弾性構造体が凹部130を画成する枠状部122を含む、治具を用意する工程と、工程(B)半導体チップが搭載された基板を用意する工程と、工程(C)支持体、及び樹脂組成物層を有する封止フィルムを用意する工程と、工程(D)半導体チップが搭載された基板を凹部に収まるように配置する工程と、工程(E)樹脂組成物層が凹部内の半導体チップに対向するように封止フィルムを配置し、減圧条件下で、支持体側から加温しつつ、加圧することにより、樹脂組成物層に由来する封止樹脂を枠状部によりせき止めつつ半導体チップを覆うように半導体チップを樹脂組成物層に埋め込む工程と、工程(F)樹脂組成物層を硬化して、埋め込まれた半導体チップを封止する硬化体を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPCといった小型の高機能携帯端末の需要が増大している。こうした小型の高機能携帯端末に用いられる半導体装置のさらなる高機能化、小型化が求められている。このような課題を解決するために、例えば、2個以上の半導体チップを内包するように封止したマルチチップパッケージ、個片化前のウエハにさらに半導体チップを搭載してこれを封止したウエハレベルチップサイズパッケージ、さらには複数個のマルチチップパッケージ同士を互いに接合することにより構成されるパッケージオンパッケージ(PoP)と称される構造が注目されている。パッケージオンパッケージの構成としては、例えば、所定のパッケージ上に、さらに別のパッケージを搭載し、互いに電気的に接続する形態が挙げられる。
前記のようなパッケージを製造するにあたり、基板(ウエハ)に半導体チップを搭載する方法としては、例えば、半導体チップの電極を基板側とは反対側に向けて、いわゆるフェイスアップ状態で基板に搭載し、半導体チップの電極と基板の電極とをボンディングワイヤで接続するワイヤボンディング実装と、半導体チップの電極を基板側に向けて、いわゆるフェイスダウン状態で搭載し、半導体チップの電極と基板の電極とを直接的に接続するフリップチップ実装とが知られている。
半導体チップが搭載された基板は、さらにエポキシモールディングコンパウンド(封止樹脂)によるトランスファーモールド法、封止樹脂である樹脂組成物層を有する封止フィルムを圧着する真空熱プレス法等の方法により、搭載された半導体チップ、ボンディングワイヤ、バンプを封止する硬化体(モールド又は封止部という場合がある。)を形成することによって、パッケージとされる(特許文献1参照。)。
国際公開第2010/001597号
しかしながら、前記パッケージの製造方法において、硬化体をトランスファーモールド法で形成する場合には、成型用金型が必要であり、かつ封止樹脂が多量に必要となるため、製造コストが高騰してしまう。
また封止フィルムを用いる真空熱プレス法による封止工程(ラミネート工程)では、溶融した封止樹脂(樹脂組成物)が基板の厚さ方向から見たときに基板の端縁より外側にしみ出してしまう場合がある。このしみ出しは特に埋め込まれる半導体チップの外形寸法、特に厚さが大きいために、より厚い樹脂組成物層を有する封止フィルムを用いた場合に顕著である。樹脂組成物のしみ出しにより基板の端縁内側近傍の領域においてモールドの厚さが所望の厚さを下回ってしまう場合がある。結果として、パッケージの電気的特性が損なわれたり、封止が不十分なために配線等の劣化が加速して寿命が短くなったりする場合がある。さらにウエハから個片化することなく封止、再配線層の形成等を行ういわゆるウエハレベルチップサイズパッケージの場合には、封止工程後にウエハの端縁内側近傍の領域においてモールドの外形寸法、特に厚さが均一ではなくなってしまう場合がある。結果として、後の工程で硬化体に設けられるべき再配線層等の形成が困難となり、形成できたとしても配線が電気的に短絡するなどして電気的特性が損なわれるおそれがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、上記問題点を解決することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定の構造を有する治具を用いることにより上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[19]を提供する。
[1]工程(A)板状体と、該板状体に配置された弾性構造体とを備え、該弾性構造体が凹部を画成する枠状部を含み、かつ前記板状体に向かって厚さ方向に押圧されたときに弾性を発揮する、治具を用意する工程と、
工程(B)複数個の半導体チップが搭載された基板を用意する工程と、
工程(C)支持体、及び該支持体に設けられた樹脂組成物層を有する封止フィルムを用意する工程と、
工程(D)複数個の半導体チップが搭載された前記基板を前記凹部に収まるように配置する工程と、
工程(E)前記封止フィルムの樹脂組成物層が前記凹部内の前記半導体チップに対向するように前記封止フィルムを配置し、減圧条件下で、前記支持体側から加温しつつ、加圧することにより、前記樹脂組成物層に由来する封止樹脂を前記枠状部によりせき止めつつ前記半導体チップを覆うように前記半導体チップを前記樹脂組成物層に埋め込む工程と、
工程(F)前記樹脂組成物層を硬化して、埋め込まれた前記半導体チップを封止する硬化体を形成する工程と
を含む、半導体装置の製造方法。
[2]前記弾性構造体が弾性を有する材料により構成される前記枠状部のみからなり、前記凹部が前記枠状部に設けられている貫通孔と前記板状体とにより画成される、[1]に記載の半導体装置の製造方法。
[3]前記弾性構造体が弾性を有する材料により構成される前記枠状部のみからなり、前記凹部が前記枠状部に設けられている窪みにより画成される、[1]に記載の半導体装置の製造方法。
[4]前記枠状部が耐熱性ゴムにより構成されており、前記板状体が金属板である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[5]前記弾性構造体が枠状部と、弾性を有するシート状部とを含み、該シート状部は前記枠状部と前記板状体との間に配置され、前記枠状部の硬度が前記シート状部の硬度よりも大きくされており、かつ前記凹部が前記枠状部に設けられている貫通孔と前記シート状部とにより画成される、[1]に記載の半導体装置の製造方法。
[6]前記シート状部が前記枠状部の前記貫通孔と平面視で同一の形状の貫通孔を有しており、前記シート状部の該貫通孔と前記枠状部の前記貫通孔とが平面視で重なるように前記板状体に配置されており、前記凹部が前記枠状部の前記貫通孔と前記シート状部の前記貫通孔と前記板状体とにより画成される、[5]に記載の半導体装置の製造方法。
[7]前記枠状部が絶縁層と銅層とが積層された銅張り積層板により構成されており、前記シート状部が耐熱性ゴムにより構成されている、[5]又は[6]に記載の半導体装置の製造方法。
[8]前記工程(D)の前に、工程(G)前記凹部を覆うように治具保護フィルムを設ける工程をさらに含む、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[9]前記樹脂組成物層の最低溶融粘度が、50ポイズ〜8000ポイズである、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[10]前記樹脂組成物層の厚さが、100μm〜600μmである、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[11]前記耐熱性ゴムの硬度が30°以上90°以下である、[4]又は[7]に記載の半導体装置の製造方法。
[12]複数個の半導体チップが搭載された前記基板が、一方の主面である半導体チップ搭載面側のみに半導体チップが搭載されている基板である、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[13]前記工程(E)が、工程(H)金属板又は金属ロールにより、減圧条件下又は常圧下、支持体側から加熱及び加圧することにより樹脂組成物層の支持体側の表面を平滑化する平滑化工程をさらに含む、[1]〜[12]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[14]前記工程(E)が、真空ラミネート装置を用いて行われる、[1]〜[13]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[15]前記工程(E)が、圧力26.7hPa以下の減圧条件下、90℃〜180℃で加温し、1kgf/cm〜18kgf/cmの押圧力を20秒間〜400秒間加えることにより行われる、[1]〜[14]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[16]前記工程(F)が、100℃〜240℃で、15分間〜300分間加熱することにより行われる、[1]〜[15]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[17]前記工程(F)が、半導体チップの直上の硬化体の最大厚さと最小厚さとの差が30μm以下となるように行われる、[1]〜[16]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[18]前記工程(F)の後に、工程(J)前記硬化体に、導体層を形成する工程をさらに含む、[1]〜[17]のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
[19]前記工程(J)が、めっき工程を含む、[18]に記載の半導体装置の製造方法。
本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、弾性構造体を含む治具を用いるので、封止工程時の圧力むらを緩和して外形寸法にむらのない硬化体を形成して確実に封止することができる。結果としてパッケージの電気的特性の経時的な劣化を効果的に抑制して、寿命をより長くすることができる。また本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、外形寸法にむらのない硬化体にさらに設けられる配線層を精度よく形成することができるため、半導体装置の高性能化、歩留まりの向上、製造コストの低減に大いに寄与する。
図1は、半導体装置の製造方法に用いられる治具の模式的な平面図である。 図2は、図1中のII−II一点鎖線で示した位置で切断した治具の切断端面を示す模式的な図である。 図3は、図2と同様に示した治具の模式的な図である。 図4は、図2と同様に示した治具の模式的な図である。 図5は、図2と同様に示した治具の模式的な図である。 図6は、半導体チップが搭載された基板の切断端面を示す模式的な図である。 図7は、封止フィルムの構成を説明するための模式的な図である。 図8は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。 図9は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。 図10は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。 図11は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。 図12は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の説明によって限定されるものではなく、以下に説明される各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。以下の説明に用いる図面において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明については省略する場合がある。また、本発明の実施形態にかかる構成は、必ずしも図示例の配置により、製造されたり、使用されたりするとは限らない。後述する各実施形態にかかる構成要素は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わせることができる。
<半導体装置の製造方法>
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(A)板状体と、該板状体に配置された弾性構造体とを備え、該弾性構造体が凹部を画成する枠状部を含み、かつ前記板状体に向かって厚さ方向に押圧されたときに弾性を発揮する、治具を用意する工程と、工程(B)複数個の半導体チップが搭載された基板を用意する工程と、工程(C)複数個の半導体チップが搭載された基板を凹部に収まるように配置する工程と、工程(D)支持体、及び支持体に設けられた樹脂組成物層を有する封止フィルムを用意する工程と、工程(E)封止フィルムの樹脂組成物層が凹部内の半導体チップに対向するように封止フィルムを配置し、減圧条件下で、支持体側から加温しつつ、加圧することにより、樹脂組成物層に由来する封止樹脂を枠状部によりせき止めつつ半導体チップを覆うように半導体チップを樹脂組成物層に埋め込む工程と、工程(F)樹脂組成物層を硬化して、埋め込まれた半導体チップを封止する硬化体を形成する工程とを含む。以下、これらの工程を含む本発明の半導体装置の製造方法について説明する。
〔工程(A)〕
工程(A)は、前記構成を備える治具を用意する工程である。かかる治具の構成について以下に具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2を参照して、本発明の半導体装置の製造方法に用いられる治具の第1の実施形態にかかる構成例について説明する。図1は、半導体装置の製造方法に用いられる治具の模式的な平面図である。図2は、図1中のII−II一点鎖線で示した位置で切断した治具の切断端面を示す模式的な図である。
図1及び図2に示されるように、第1の実施形態にかかる治具100では、弾性構造体120が弾性を有する材料により構成される枠状部122のみからなり、凹部130が枠状部122に設けられている貫通孔と板状体110とにより画成される。
治具100は、板状体110を有している。板状体110は、平坦な表面を有する平板状体である。板状体110の材料は本発明の目的を損なわないことを条件として特に限定されず、金属基板、樹脂組成物の硬化体を例えば銅層などの金属層で挟み込んだ平板状の積層板(例えば銅張り積層板)、セラミック基板といった封止工程において弾性を実質的に発揮しない程度の硬度を有しており、封止工程に耐え得る程度の耐熱性を有するリジッド基板を用いることができる。板状体110としては、金属基板が好ましい。板状体110として用いられ得る金属基板の例としては、ステンレス基板が挙げられる。
治具100は、弾性構造体120を有している。弾性構造体120は板状体110に配置されている。弾性構造体120は、後述する封止工程において、封止工程の温度条件(例えば150℃程度)に耐えられる程度の耐熱性を有しており、凹部130外への封止樹脂のしみ出しを抑制し、全体として、所定の押圧条件で厚さ方向に押圧されたときに厚さ方向に圧縮されて予め設定される半導体装置の厚さ、求められる封止される半導体チップの直上の硬化体の厚さを実現できる程度の弾性を発揮する構造体である。
弾性構造体120は、枠状部122を含んでいる。第1の実施形態にかかる治具100においては、枠状部122が弾性構造体120を構成している。換言すると第1の実施形態では、枠状部122自体が弾性構造体120であって、板状体100に配置されている。板状体100と弾性構造体120とは一体的に構成されていてもよいし、互いに分離できるように構成されていてもよい。
枠状部122を厚さ方向の一方から見たとき(以下、「平面視で」という。)の最も外側の輪郭形状は特に限定されないが、図示例では正方形である。
枠状部122は、凹部130を画成する部材である。第1の実施形態の枠状部122は、貫通孔122aを有している。貫通孔122aは、貫通孔122aを画成している側壁が板状体110の平坦な表面に対して垂直となるように構成されているが、このような構成に限定されない。
第1の実施形態では、凹部130は貫通孔122aと板状体110の平坦な表面とにより画成される。よって第1の実施形態では、基板搭載面132aは板状体110の平坦な表面に一致し、基板搭載領域132は板状体110の平坦な表面に設定される。なお、基板搭載領域132、基板搭載面132aに搭載される「基板」には、基板の2つの主面のうちの一方の側又は両方の側に半導体チップが搭載されている基板、半導体チップが搭載されており半導体チップが含み得る構成要素が作り込まれたウエハなどが含まれる。
第1の実施形態にかかる治具100は、凹部130の底面である基板搭載面132aがリジッドな板状体110の平坦な表面に一致するので、例えばシリコンウエハを基板20として用いるウエハレベルチップサイズパッケージの製造にも好適に用いることができる。
凹部130の形状は、凹部130に後述する「複数個の半導体チップが搭載された基板」を収めることができることを条件として特に限定されないが、図示例では平面視で枠状部122の最も外側の輪郭形状と同心となる正方形とされている。また基板搭載領域132も枠状部122の最も外側の輪郭形状及び凹部130の輪郭形状と同心となる正方形とされている。基板搭載領域132の平面視での形状は、搭載される基板の平面視での形状に合わせて設定すればよく、例えば半導体チップが搭載された略円形のシリコンウエハが搭載される場合にはシリコンウエハの平面視での形状と相似形である略円形に設定すればよい。
平面視での凹部130の輪郭から基板搭載領域132までの間隙であるマージン領域134の幅は、「複数個の半導体チップが搭載された基板」、治具保護フィルムを用いる場合には「複数個の半導体チップが搭載された基板」及び治具保護フィルムを、平面視で凹部130に収めることができることを条件として特に限定されない。マージン領域134の幅は、使用される材料の熱による伸縮性を勘案して任意好適な幅とすることができる。マージン領域134の幅は、封止樹脂の使用量の節約、ハンドリング等の観点から0mm〜5mmの範囲内とすることが好ましい。
枠状部122の幅w1は、封止樹脂(樹脂組成物)をせき止めることができることを条件として特に限定されない。
枠状部122の厚さt1は、封止樹脂をせき止めることができ、「複数個の半導体チップが搭載された基板」を確実に封止することができることを条件として、製造される半導体装置の厚さ、求められる半導体チップの直上の硬化体の厚さを勘案して決定すればよい。
枠状部122の厚さt1は、最低でも収められる「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さ(後述する治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも厚くされ、かつ最大でも「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さと後述する封止フィルム(樹脂組成物層及び支持体)の厚さとの総和(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)とされる。枠状部122の厚さt1は、基板の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも厚く、「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも薄いことが好ましい。なお耐熱性ゴムを材料として用いた場合の枠状部122の幅w1及び厚さt1は、常温(20℃程度)で設定すればよい。
弾性構造体120である枠状部122の材料は、封止工程の温度条件に耐えられる程度の耐熱性を有しており、凹部130外への封止樹脂のしみ出しを抑制し、厚さ方向に押圧されたときに厚さ方向に圧縮されて予め設定される半導体装置の厚さ、求められる封止される半導体チップの直上の硬化体の厚さを実現できる程度の弾性を発揮することを条件として特に限定されない。枠状部122の材料の例としては、耐熱性ゴム、耐熱性発泡体(例えばポリイミド発泡体からなる耐熱性スポンジ、耐熱性クッション)が挙げられる。これらの材料は、繊維系の補強材、無機充填材、有機フィラーなどの硬度、耐熱性、寿命といった特性の改良に寄与する補助的な成分をさらに含んでいてもよい。
枠状部122の材料としては、耐熱性、ハンドリング等の観点から、耐熱性ゴムを用いることが好ましい。用いられ得る耐熱性ゴムの硬度(JIS K6253で規格化されているデュロメータ硬度)は、枠状部122の厚さ、封止工程に用いられる装置に対する粘着性等の観点から、20°以上100°以下であることが好ましく、30°以上90°以下であることがより好ましい。
(第2の実施形態)
図3を参照して、本発明の半導体装置の製造方法に用いられる治具の第2の実施形態にかかる構成例について説明する。以下の説明において、各構成要素の形状、材料、求められる特性等については、特に説明する場合を除き、既に説明した第1の実施形態と同様であるのでこれらの詳細な説明は省略する。図3は、図2と同様に示した治具の模式的な図である。平面図については図1と同様であるので省略する(以下の実施形態についても同様である。)。
図3に示されるように、第2の実施形態にかかる治具100では、弾性構造体120が弾性を有する材料により構成される枠状部122のみからなり、凹部130が枠状部122に設けられている窪みにより画成される。
第2の実施形態にかかる治具100は、板状体110及び弾性構造体120を有している。弾性構造体120は板状体110に配置されている。
弾性構造体120は、枠状部122を含んでいる。第2の実施形態にかかる治具100においては、枠状部122が弾性構造体120を構成している。換言すると第2の実施形態では、枠状部122自体が弾性構造体120であって、板状体100に配置されている。
枠状部122は、凹部130を画成する部材である。第2の実施形態の枠状部122は、凹部130を画成する窪みを有している。第2の実施形態では、凹部130は、凹部130を囲む、厚さがt1であり幅がw1である第1部分122Aと、第1部分122Aに囲まれる基板搭載領域132を含む領域に設けられ、第1部分122Aと一体的に構成されており、かつ第1部分122Aの厚さt1よりも薄い厚さt2の第2部分122Bとにより画成される。換言すると、この第2部分122Bが凹部130の底面を構成している。よって第2の実施形態では、基板搭載面132aは枠状部122の第2部分122Bの平坦な表面に一致し、基板搭載領域132は枠状部122の第2部分122Bに設定される。
枠状部122の第1部分122Aの厚さt1は、封止樹脂をせき止めることができ、「複数個の半導体チップが搭載された基板」を確実に封止することができることを条件として、製造される半導体装置の厚さ、求められる半導体チップの直上の硬化体の厚さを勘案して決定すればよい。
枠状部122の第1部分122Aの厚さt1は、最低でも第2部分122Bの厚さt2と、収められる基板の厚さ(後述する治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)との総和よりも厚くされ、かつ最大でも第2部分122Bの厚さt2と「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さと後述する封止フィルム(樹脂組成物層及び支持体)の厚さとの総和(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)とされる。枠状部122の第1部分122Aの厚さt1は、第2部分122Bの厚さt2と、基板の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)との総和よりも厚く、第2部分122Bの厚さt2と、「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)との総和よりも薄いことが好ましい。なお耐熱性ゴムを材料として用いた場合の枠状部122の幅w1、厚さt1及び厚さt2は、常温で設定すればよい。
枠状部122の第2部分122Bの厚さt2は、「複数個の半導体チップが搭載された基板」を確実に封止することができることを条件として、製造される半導体装置の厚さ、求められる半導体チップの直上の硬化体の厚さを勘案して決定すればよい。例えばシリコンウエハを基板20として用いるウエハレベルチップサイズパッケージの製造に用いる場合には、シリコンウエハが封止工程で加わる応力により破損してしまうおそれがあるため、第2部分122Bの厚さt2をごく薄く設定することが好ましい。
(第3の実施形態)
図4を参照して、本発明の半導体装置の製造方法に用いられる治具の第3の実施形態にかかる構成例について説明する。以下の説明において、各構成要素の形状、材料、求められる特性等については、特に説明する場合を除き、既に説明した第1及び第2の実施形態と同様であるのでこれらの詳細な説明は省略する。図4は、図2と同様に示した治具の模式的な図である。
図4に示されるように、第3の実施形態にかかる治具100では、弾性構造体120が枠状部122と、弾性を有するシート状部140とを含み、シート状部140は枠状部122と板状体110との間に配置され、枠状部122の硬度がシート状部140の硬度よりも大きくされており、かつ凹部130が枠状部122に設けられている貫通孔122aとシート状部140とにより画成される。
第3の実施形態にかかる治具100は、板状体110及び弾性構造体120を有している。弾性構造体120は板状体110に配置されている。
弾性構造体120は、枠状部122とシート状部140とを含んでいる。シート状部140は、板状体110に配置されており、枠状部122はシート状部140に設けられている。枠状部122とシート状部140とは互いに分離できる別体として構成されていてもよいし、一体的に構成されていてもよい。
第3の実施形態の枠状部122は、貫通孔122aを有している。第3の実施形態では、凹部130は貫通孔122aとシート状体140の平坦な表面とにより画成される。よって第3の実施形態では、基板搭載面132aはシート状体140の平坦な表面に一致し、基板搭載領域132はシート状体140の平坦な表面に設定される。
第3の実施形態において、枠状部122の硬度は、シート状部140の硬度よりも大きくされる。枠状部122は、封止工程において、すなわち例えば加圧を伴う真空ラミネート工程において弾性を実質的に発揮しない程度の硬度を有していればよい。よって第3の実施形態では、シート状部140が厚さ方向に押圧されたときに厚さ方向に圧縮されて予め設定される半導体装置の厚さ(封止される半導体チップの直上の硬化体の厚さ)を実現できる程度の弾性を発揮する部材である。
第3の実施形態の枠状部122の材料は本発明の目的を損なわないことを条件として特に限定されない。第3の実施形態の枠状部122は、ステンレス基板などの金属基板、樹脂組成物の硬化体を例えば銅層などの金属層で挟み込んだ平板状の積層板(例えば銅張り積層板)、セラミック基板といったある程度の硬度を有しており、封止工程に耐え得る程度の耐熱性を有するリジッド基板を用いて形成することができる。枠状部122は、金属基板を用いて、この金属板に貫通孔122aが設けられた構成を有することが好ましい。
シート状部140の材料は、封止工程の温度条件(例えば150℃程度)に耐えられる程度の耐熱性を有しており、凹部130外への封止樹脂のしみ出しを抑制し、厚さ方向に押圧されたときに厚さ方向に圧縮されて予め設定される半導体装置の厚さ、求められる封止される半導体チップの直上の硬化体の厚さを実現できる程度の弾性を発揮することを条件として特に限定されない。
シート状部140の材料の例としては、耐熱性ゴム、耐熱性発泡体(例えばポリイミド発泡体からなる耐熱性スポンジ、耐熱性クッション)が挙げられ、耐熱性ゴムを用いることが好ましい。これらの材料は、繊維系の補強材、無機充填材、有機フィラーなどの硬度、耐熱性、寿命といった特性の改良に寄与する補助的な成分をさらに含んでいてもよい。
弾性構造体120の厚さt4、すなわち枠状部122の厚さt1とシート状部140の厚さt3との総和は、封止樹脂をせき止めることができ、「複数個の半導体チップが搭載された基板」を確実に封止することができることを条件として、製造される半導体装置の厚さ、求められる半導体チップの直上の硬化体の厚さを勘案して決定すればよい。
枠状部122の厚さt1は、最低でも収められる基板の厚さ(後述する治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも厚くされ、かつ最大でも「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さと後述する封止フィルム(樹脂組成物層及び支持体)の厚さとの総和(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)とされる。枠状部122の厚さt1は、基板の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも厚く、「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも薄いことが好ましい。
シート状部140の厚さt3は、「複数個の半導体チップが搭載された基板」を確実に封止することができることを条件として、製造される半導体装置の厚さ、求められる半導体チップの直上の硬化体の厚さを勘案して決定すればよい。例えばシリコンウエハを基板20として用いるウエハレベルチップサイズパッケージの製造に用いる場合には、シリコンウエハが封止工程で加わる応力により破損してしまうおそれがあるため、シート状部140の厚さt3をごく薄く設定することが好ましい。
(第4の実施形態)
図5を参照して、本発明の半導体装置の製造方法に用いられる治具の第4の実施形態にかかる構成例について説明する。以下の説明において、各構成要素の形状、材料、求められる特性等については、特に説明する場合を除き、既に説明した第3の実施形態と同様であるのでこれらの詳細な説明は省略する。図5は、図2と同様に示した治具の模式的な図である。
図5に示されるように、第4の実施形態にかかる治具100では、シート状部140が枠状部122の貫通孔122aと平面視で同一の形状の貫通孔140aを有しており、シート状部140の貫通孔140aと枠状部122の貫通孔122aとが平面視で重なるように板状体110に配置されており、凹部130が枠状部122の貫通孔122aとシート状部140の貫通孔140aと板状体110とにより画成される。
第4の実施形態にかかる治具100は、板状体110及び弾性構造体120を有している。弾性構造体120は板状体110に配置されている。
弾性構造体120は、枠状部122とシート状部140とを含んでいる。シート状部140は、板状体110に配置されており、枠状部122はシート状部140に設けられている。
第4の実施形態の枠状部122は、貫通孔122aを有している。またシート状部140も枠状部122の貫通孔122aと平面視で同一の形状の貫通孔140aを有している。貫通孔122aと貫通孔140aとが平面視で重なるように枠状部122とシート状部140とは板状体110に配置される。
第4の実施形態では、凹部130は貫通孔122a及び貫通孔140aと板状体110の平坦な表面とにより画成される。よって第4の実施形態では、基板搭載面132aは板状体110の平坦な表面に一致し、基板搭載領域132は板状体110の平坦な表面に設定される。
枠状部122の厚さt1、シート状部140の厚さt3及び枠状部122の厚さt1とシート状部140の厚さt3の総和である弾性構造体120の厚さt4は、封止樹脂をせき止めることができ、「複数個の半導体チップが搭載された基板」を確実に封止することができることを条件として、製造される半導体装置の厚さ、求められる半導体チップの直上の硬化体の厚さを勘案して決定すればよい。
弾性構造体120の厚さt4は、最低でも収められる基板の厚さ(後述する治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも厚くされ、かつ最大でも「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さと後述する封止フィルム(樹脂組成物層及び支持体)の厚さとの総和(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)とされる。弾性構造体120の厚さt4は、基板の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも厚く、「複数個の半導体チップが搭載された基板」の厚さ(治具保護フィルムが用いられる場合にはさらにその厚さとの総和)よりも薄いことが好ましい。
第4の実施形態にかかる治具100は、凹部130の底面である基板搭載面132aがリジッドな板状体110の平坦な表面となるので、例えばシリコンウエハを基板20として用いるウエハレベルチップサイズパッケージの製造にも好適に用いることができる。
〔工程(B)〕
工程(B)は、複数個の半導体チップが搭載された基板を用意する工程である。
図6を参照して、複数個の半導体チップが搭載された基板(以下、半導体チップ搭載基板という場合がある。)について説明する。図6は、半導体チップが搭載された基板の切断端面を示す模式的な図である。
図6に示されるように、基板20には、複数の半導体チップ搭載面20aが設定されている。複数の半導体チップ搭載面20aそれぞれには、半導体チップ30が1個ずつ搭載されている。複数個の半導体チップ30は、基板20にマトリクス状に配置されている。図6では基板20に複数個搭載された半導体チップ30のうちの2個のみが示されている。以下、半導体チップ搭載基板の構成要素について説明する。
(基板)
基板20は、対向する2つの主面を有しており、片面若しくは両面にパターン加工された(回路形成された)導体層を有する基板である。基板本体としては、例えば、シリコン基板(ウエハ)、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、及び熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。基板20のより具体的な例としては、多層プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、シリコン基板等が挙げられる。基板20には、例えば個片化前の複数個の半導体装置がマトリクス状に作り込まれたシリコン基板が含まれる。
この構成例では、基板20の2つの主面のうちの一方の主面が半導体チップ搭載面20aとされている。しかしながら、基板20の2つの主面の両方を半導体チップ搭載面としてもよい。
半導体チップ搭載面20aには、半導体チップ30が搭載され、半導体チップ30が電気的に接続される配線、電極パッドが設けられる複数の半導体チップ搭載領域20aaが設定されている。複数の半導体チップ搭載領域20aaはこの構成例ではマトリクス状に等間隔で離間するように配置されている。
半導体チップ搭載領域20aa同士の間には、ダイシングラインDLが設定されている。また、平面視で基板20の輪郭からダイシングラインDLまでの5mm程度の領域が、最終製品において用いられない非所要領域として、マトリクス状に配置された複数の半導体チップ搭載領域20aaの周囲を囲むように設定されている。
半導体チップ搭載領域20aaの面積は、平面視での半導体チップ20の面積よりも大きく設定されており、この構成例では正方形状であって、その外周縁に沿うように複数個の第1電極パッド22aが配列されている。第1電極パッド22aよりも内側には、複数個の第2電極パッド22bがマトリクス状に配置されている。第1電極パッド22aと第2電極パッド22bとは、接続配線24により電気的に接続されている。
基板20の半導体チップ搭載面20aとは反対側の主面には、図示しないスルーホール内に設けられる配線により、半導体チップ搭載面20aに設けられている接続配線24に電気的に接続される複数個のバンプ32が設けられている。バンプ32は、マザーボードなどの他の構成に搭載するために用いられる外部端子である。バンプ32は例えば半田ボールとするのがよい(以下、「バンプ」といった場合について同様である。)。
(半導体チップ)
半導体チップ30は、平面視での平面形状が正方形状である板状体であって、対向する2つの主面のうちの一方の主面に複数個のバンプ32がマトリクス状に配置されている。これら複数個の半導体チップ30は同一の外形寸法、同一の構成を有している。これら複数個の半導体チップ30の外形寸法、構成は互いに同一であっても異なっていてもよく、またこれらの機能も互いに同一であっても異なっていてもよい。
半導体チップ30それぞれは、半導体チップ搭載領域20aaそれぞれに等間隔で互いに離間するようにマトリクス状に配置されている。半導体チップ30のバンプ32が半導体チップ搭載領域20aaに設けられた第2電極パッド22bと電気的に接続されている。
図示例では、半導体チップ30がフリップチップ接続により、すなわちフェイスダウン実装により基板20に搭載されている。しかしながら、半導体チップ30の搭載様式はこれに限定されず、半導体チップ30は、ワイヤボンディング接続により、すなわちフェイスアップ実装されていてもよい。
〔工程(C)〕
工程(C)は、支持体、及び支持体に設けられた樹脂組成物層を有する封止フィルムを用意する工程である。図7を参照して、封止フィルム40の構成例について説明する。図7は、半導体装置の製造方法を説明するための封止フィルムの概略的な断面図である。
図7に示されるように、封止フィルム40は、この構成例では3層のフィルムが積層された積層構造を有している。封止フィルム40は、支持体42、該支持体42に設けられた樹脂組成物層44Xを有している。この構成例では、封止フィルム40には、樹脂組成物層44Xにカバーフィルム46がさらに設けられている。すなわち、封止フィルム40は支持体42とカバーフィルム46とに挟まれた樹脂組成物層44Xを備えている。以下、封止フィルム40の各構成要素について説明する。
(樹脂組成物層)
封止フィルム40は、熱流動性を有し、かつ常温で固形の性状を有する樹脂組成物からなる樹脂組成物層44Xを有している。なお、本明細書中の説明において、樹脂組成物の各成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分の合計を100質量%としたときの量である。
樹脂組成物層44Xの厚さは、基板20に搭載された半導体チップ30の外形寸法を勘案して、埋め込み(封止)を確実に行う観点から任意好適な厚さとすることができる。樹脂組成物層44Xの厚さは、一般的に100μm〜600μm程度である。
樹脂組成物層44Xの成分として用いられる樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を用いることができる。樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物であることが好ましい。樹脂組成物は、成分としてさらに熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及びゴム粒子等の添加剤を含んでいてもよい。以下、これらの成分についてそれぞれ説明する。
−エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下、「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物を硬化して形成される硬化体(封止部)の破断強度も向上させることができる。
液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、2官能脂肪族エポキシ樹脂、又はナフタレン型エポキシ樹脂が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、又はナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」、「jER1007」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、「YL7410」(2官能脂肪族エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、例えば、結晶性2官能エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が挙げられる。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」、「HP−4710」(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラックエポキシ樹脂)、「NC3000」、「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製の「ESN475」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、結晶性2官能エポキシ樹脂である「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:4の範囲であることが好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比をかかる範囲とすることにより、i)接着フィルムの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)接着フィルムの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する硬化体を得ることができるなどの効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.3〜1:3.5の範囲であることがより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲であることがさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲であることが特に好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、3質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜45質量%であることがより好ましく、5質量%〜40質量%であることが更に好ましく、7質量%〜35質量%であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜3000の範囲であり、より好ましくは80〜2000の範囲であり、さらに好ましくは110〜1000の範囲である。このような範囲とすることで、架橋密度が十分な硬化体を得ることができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236で規格化されている方法に従って測定することができる。ここでエポキシ当量とは1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
−硬化剤−
硬化剤は、上記エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されない。硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、例えば、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、ノボラック構造を有するナフトール系硬化剤、含窒素フェノール系硬化剤、トリアジン骨格含有クレゾール系硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤が挙げられる。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、東都化成(株)製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」、「SN395」、DIC(株)製の「LA7052」、「LA7054」、「LA3018」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型のジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール縮合構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が挙げられる。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール縮合構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲であることが好ましく、1:0.3〜1:1.5の範囲であることがより好ましく、1:0.4〜1:1の範囲であることがさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の不揮発成分の質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比をかかる範囲内とすることにより、硬化物としたときの耐熱性がより向上する。
−無機充填材−
樹脂組成物層の形成に用いられる樹脂組成物は、硬化体とするときの膨張率を低下させて硬化体と封止される半導体チップ等との熱膨張の差によるクラック、回路歪みなどの不具合の発生を防止し、溶融粘度の過度の低下を防止して部品の位置ズレを抑制し、精度よく封止する観点から、無機充填材を含むことが好ましい。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、硬化体の熱膨張率を低下させ、溶融粘度の過度の低下を防止し部品の位置ズレを抑制し、精度よく封止する観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらにより好ましくは60質量%以上、特に好ましくは62質量%以上、64質量%以上、又は66質量%以上である。特に部品の位置ズレを抑制する観点からは、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、50質量%以上であることが好ましい。樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、硬化体の機械強度の観点から、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、及びジルコン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。市販されている球状(溶融)シリカとしては、(株)アドマテックス製「SOC2」、「SOC1」、「SOC4」、「SOC5」、「SOC6」が挙げられる。
無機充填材の平均粒径は、樹脂組成物の流動性を高めて十分な埋め込み性を実現する観点から、0.01μm〜4μmの範囲であることが好ましく、0.05μm〜2.5μmの範囲であることがより好ましく、0.1μm〜1.5μmの範囲であることがさらに好ましく、0.3μm〜1.0μmの範囲であることがさらにより好ましい。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。無機充填材を超音波により水中に分散させた測定サンプルを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製LA−500等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤などの1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤で表面処理された無機充填材は、溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄し、上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上であることが好ましく、0.1mg/m以上であることがより好ましく、0.2mg/m以上であることが更に好ましい。他方、樹脂組成物層の溶融粘度の上昇を抑制する観点から、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、1mg/m以下であることが好ましく、0.8mg/m以下であることがより好ましく、0.5mg/m以下であることが更に好ましい。
樹脂組成物は、無機充填材としてシリカを、エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:4の範囲であることが好ましく、1:0.3〜1:3.5の範囲であることがより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲であることがさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲が特に好ましい)を、硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤からなる群から選択される1種以上、より好ましくはトリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ナフトール系硬化剤からなる群から選択される1種以上、さらに好ましくはトリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂を含む硬化剤)を、それぞれ含むことが好ましい。かかる特定の成分を組み合わせて含む樹脂組成物に関しても、無機充填材、エポキシ樹脂、及び硬化剤の好適な含有量は上述のとおりであるが、中でも、無機充填材の含有量が30質量%〜90質量%の範囲であり、エポキシ樹脂の含有量が3質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、無機充填材の含有量が50質量%〜90質量%の範囲であり、エポキシ樹脂の含有量が5質量%〜45質量%の範囲であることがより好ましい。硬化剤の含有量に関しては、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数と、硬化剤の反応基の合計数との比が、好ましくは1:0.2〜1:2の範囲であり、より好ましくは1:0.3〜1:1.5の範囲であり、さらに好ましくは1:0.4〜1:1の範囲となるように含有させる。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、及びポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8000〜70000の範囲であることが好ましく、10000〜60000の範囲であることがより好ましく、20000〜60000の範囲であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、東都化成(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、封止層の熱膨張率及び弾性率をより低下させる観点から、官能基含有アクリル樹脂が好ましく、ガラス転移温度が25℃以下のエポキシ基含有アクリル樹脂がより好ましい。
官能基含有アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは10000〜1000000であり、より好ましくは30000〜900000である。
官能基含有アクリル樹脂の官能基当量は、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは2500〜30000である。
ガラス転移温度が25℃以下のエポキシ基含有アクリル樹脂としては、ガラス転移温度が25℃以下のエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂が好ましく、その具体例としては、ナガセケムテックス(株)製の「SG−80H」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(数平均分子量Mn:350000g/mol、エポキシ価0.07eq/kg、ガラス転移温度(Tg)11℃))、ナガセケムテックス(株)製の「SG−P3」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(数平均分子量Mn:850000g/mol、エポキシ価0.21eq/kg、Tg12℃))が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のポリイミド樹脂)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のポリイミド樹脂)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、0.1質量%〜20質量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂の含有量をかかる範囲内とすることにより、樹脂組成物の粘度が適度となり、厚さやバルク性状の均一な樹脂組成物層を形成することができる。樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましい。
−硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂と硬化剤との不揮発成分の合計量を100質量%としたとき、0.05質量%〜3質量%の範囲内で使用することが好ましい。
−難燃剤−
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。用い得る難燃剤の例としては三光(株)製「HCA−HQ」が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。樹脂組成物層中の難燃剤の含有量は特に限定はされないが、0.5質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、1質量%〜9質量%の範囲であることがより好ましく、1.5質量%〜8質量%の範囲であることがさらに好ましい。
−その他の添加剤−
樹脂組成物層44Xの形成のために用いる樹脂組成物は、必要に応じて、例えば樹脂組成物層44Xあるいは硬化体の特性を調整することを目的とする他の添加剤を含んでいてもよく、かかる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、ゴム粒子等の有機フィラー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度は、埋め込み性、封止工程時の樹脂垂れを防止できることを条件として特に限定されないが、好ましくは50ポイズ以上、より好ましくは200ポイズ以上、さらに好ましくは500ポイズ以上である。樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度の上限は、特に制限されないが、好ましくは8000ポイズ以下、より好ましくは6000ポイズ以下、さらに好ましくは4000ポイズ以下、特に好ましくは1500ポイズ以下である。
ここで、樹脂組成物層44Xの「最低溶融粘度」とは、樹脂組成物層44Xの樹脂が加熱処理により溶融した際に樹脂組成物層44Xが呈する最低の粘度をいう。詳細には、一定の昇温速度で樹脂組成物層44Xを加熱処理して樹脂を溶融させると、初期の段階は溶融粘度が温度上昇とともに低下し、その後、ある温度を超えると温度上昇とともに溶融粘度が上昇する。「最低溶融粘度」とは、かかる極小点の溶融粘度をいう。
樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度は、動的粘弾性法により測定することができる。具体的には、樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度は、測定開始温度60℃、昇温速度5℃/分、振動数1Hz、ひずみ1degの条件で動的粘弾性測定を行うことにより得ることができる。動的粘弾性測定装置としては、例えば、(株)ユー・ビー・エム社製の「Rheosol−G3000」が挙げられる。
(支持体)
支持体42としては、プラスチック材料からなるフィルムが好適に用いられる。プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。
支持体42としては、さらには離型紙、銅箔、アルミニウム箔のような金属箔などを用いることができる。支持体42としては、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートからなるフィルム、金属箔が好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム、金属箔が特に好ましい。
支持体42は、樹脂組成物層44Xと接合する側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、基板20にラミネート処理した後に支持体42を剥離可能とするため、支持体42としては、樹脂組成物層44Xと接合する側の表面に離型層を有する離型層が設けられた支持体42を使用するのが好ましい。離型層が設けられた支持体42としては、アルキド樹脂系離型層などの離型層が形成されたフィルムである、例えば離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
離型層が設けられた支持体42としては、市販品を用いてもよい。支持体42としては、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
支持体42に形成され得る離型層に使用される離型剤としては、封止フィルム40を基板20にラミネート処理した後に支持体42を剥離可能であれば、特に限定はされない。好適な離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。なお、離型層の厚さは、通常、0.01μm〜1μm程度であり、好ましくは0.01μm〜0.2μmである。
支持体42の厚さは、10μm〜150μmとすればよい。支持体42の厚さは、5μm〜75μmの範囲がであることが好ましく、10μm〜60μmの範囲であることがより好ましく、20μm〜50μmの範囲であることがさらに好ましく、20μm〜45μmの範囲であることが特に好ましい。なお、支持体42の厚さとは、離型層を含む全体の厚さを意味する。
(カバーフィルム)
カバーフィルム46は、樹脂組成物層44Xの表面が傷付いたりするなどの不具合を防止し、また接着剤、ゴミ等の異物の付着を防止するなどの機能を有する。カバーフィルム46の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET、PEN等のポリエステル、PC、ポリイミド等、さらには離型紙、アルミニウム箔、銅箔のような金属箔などが挙げられる。
カバーフィルム46は、支持体42と同様に、樹脂組成物層44Xと接合される側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、カバーフィルム46は、樹脂組成物層44Xと接合される側の表面に離型層を有していてもよい。
カバーフィルム46はその表面が平滑であって、その厚さは、通常5μm〜100μmの範囲が好ましく、5μm〜75μmの範囲であることがより好ましく、5μm〜30μmの範囲であることが更に好ましい。
上記の構成を備える封止フィルム40は、例えば、工程(1)支持体42上に、支持体42と接する樹脂組成物層44Xを設ける工程、及び工程(2)前記工程(1)で形成された樹脂組成物層44Xと接合するようにカバーフィルム46を設ける工程を含む製造方法により製造することができる。
前記工程(1)において、樹脂組成物層44Xは、公知の方法で、支持体42と接合するように設けることができる。例えば、溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどの塗布装置を用いて支持体42の表面に塗布し、樹脂ワニスを乾燥させることにより樹脂組成物層44Xとすることができる。
樹脂ワニスの調製に用いる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。これらの溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂ワニスの乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施することができる。樹脂組成物層44X中に溶剤が多く残留すると、硬化体44としたときに膨れが発生する原因となるため、樹脂組成物層44X中の残留溶剤量が通常10質量%以下となるように、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。
樹脂ワニスの乾燥条件は、形成される樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度に影響を与える。樹脂組成物層44Xの配合組成にもよるが、樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度が、好ましくは60℃〜170℃の範囲となり、より好ましくは70℃〜160℃の範囲となり、さらに好ましくは80℃〜150℃の範囲となるように乾燥させる。ここで、樹脂組成物層44Xの「最低溶融粘度温度」とは、樹脂組成物層44Xが最低溶融粘度を示すときの温度をいう。樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度は、動的粘弾性法により測定することができる。具体的には、樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度は、測定開始温度60℃、昇温速度5℃/分及び振動数1Hz、ひずみ1degの条件で動的粘弾性測定を行うことにより得ることができる。動的粘弾性測定は、例えば、(株)ユー・ビー・エム社製の「Rheosol−G3000」を用いて実施することができる。
樹脂ワニスの乾燥は、溶剤の種類及び樹脂組成物の配合組成にもよるが、好ましくは50℃〜150℃の温度にて3分間〜10分間、より好ましくは65℃〜140℃の温度にて3分間〜10分間、更に好ましくは70℃〜120℃の温度にて3分間〜8分間行われる。このように樹脂ワニスを乾燥させることにより樹脂組成物層44Xを形成することができる。なお、上記の残留溶剤量及び/又は最低溶融粘度温度を達成し得る限りにおいて、上記範囲とは異なる乾燥温度、乾燥時間を採用してもよい。
樹脂組成物層44Xに対する支持体42及びカバーフィルム46の剥離強度(S及びS)を所定の範囲内とすることができるので、上記工程(2)においては、ロール圧着、プレス圧着等でカバーフィルム46を樹脂組成物層44Xにラミネート処理することが好ましい。(S−S)は、カバーフィルム剥離時に樹脂剥がれが生じなければ特に限定されないが、0.0020[kgf/cm]以上とするのが好ましい。
工程(2)における上記ラミネート処理において、圧着圧力は、通常0.02kgf/cm〜11kgf/cm(0.196×10N/m〜107.9×10N/m)の範囲であり、好ましくは0.03kgf/cm〜5kgf/cm(0.294×10N/m〜78.4×10N/m)の範囲であり、より好ましくは0.04kgf/cm〜2kgf/cm(0.392×10N/m〜49×10N/m)の範囲である。
樹脂組成物層44Xに対する支持体42及びカバーフィルム46の剥離強度(S及びS)を所定の範囲内とするために、[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−10℃]以下の温度条件にて工程(2)を実施することが好ましい。支持体42、カバーフィルム46と樹脂組成物層44Xとの十分な密着性を得ると共に、オートカッター装置を用いる場合にカバーフィルム46の剥離時の樹脂剥がれを防止する観点から、工程(2)は、[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−20℃]以下の温度条件にて実施することがより好ましく、[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−80℃]〜[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−30℃]の範囲の温度条件にて実施することがさらに好ましく、[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−55℃]〜[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−30℃]の範囲の温度条件にて実施することが特に好ましい。
樹脂組成物層44Xの組成にもよるが、樹脂組成物層44Xに対する支持体42及びカバーフィルム46の剥離強度(S及びS)を所定の範囲内とするために、工程(1)において、樹脂組成物層44X中の残留溶剤量が0.2質量%〜5質量%の範囲及び樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度が60℃〜170℃の範囲となるように樹脂ワニスを乾燥させて樹脂組成物層44Xを形成し、かつ、工程(2)において、[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−80℃]〜[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−10℃]の範囲の温度にて、圧着圧力0.02kgf/cm〜11kgf/cm(0.196×10N/m〜107.9×10N/m)の範囲の条件で、樹脂組成物層44Xと接合するようにカバーフィルム46を設けることが好ましく、工程(1)において、樹脂組成物44X中の残留溶剤量が0.5質量%〜4.5質量%の範囲及び樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度が70℃〜160℃の範囲となるように樹脂ワニスを乾燥させて樹脂組成物層44Xを形成し、かつ、工程(2)において、[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−55℃]〜[樹脂組成物層44Xの最低溶融粘度温度−20℃]の範囲の温度にて、圧着圧力0.04kgf/cm〜2kgf/cm(0.392×10N/m〜49×10N/m)の範囲の条件で、樹脂組成物層44Xと接合するようにカバーフィルム46を設けることがより好ましい。
工程(2)の実施後、得られた封止フィルム40をロール状に巻き取ることで、ロール状の封止フィルム40を製造することができる。なお、ロール状の封止フィルム40において、その長手方向が、MD方向に対応する。よって、ロール状の封止フィルム40においては、長手方向における剥離強度が、上記のS及びSの関係を満たすことが好ましい。
上記の構成を有する封止フィルム40の製造方法は、ロール状に巻き取られた支持体42を連続的に巻き出して搬送し、樹脂ワニスを塗布及び乾燥することにより支持体42に樹脂組成物層44Xを形成した後、樹脂組成物層44Xと接合するように、例えばロール状に巻き取られたカバーフィルム46を設けることにより、連続的に実施することができる。
〔工程(D)〕
工程(D)は、複数個の半導体チップが搭載された基板を凹部に収まるように配置する工程である。
図8を参照して、工程(D)について説明する。図8は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。
図8に示されるように、複数個の半導体チップ30が搭載された基板20は、治具100の凹部130に収まるように配置される。図示例では、基板20の半導体チップ搭載面20aと対向する主面側が治具100の凹部130の基板搭載面132aである板状体110の表面と対向するように半導体チップ搭載基板が基板搭載領域132に配置される。なお、弾性構造体120が弾性を有する材料により構成される枠状部122のみからなり、凹部130が枠状部122に設けられている窪みにより画成される場合には、凹部130の窪みの底面である第2部分122Bが、基板20の半導体チップ搭載面20aと対向する主面側と対向するように、複数個の半導体チップ30が搭載された基板20が配置される。さらに基板搭載面132aがシート状体140の平坦な表面に一致する場合には、シート状体140に、複数個の半導体チップ30が搭載された基板20が配置される。
工程(D)を実施する前に、凹部130を覆うように治具保護フィルム150を設ける工程(工程(G))を実施してもよい。治具保護フィルム150は、凹部130の全面を覆うように設けることが好ましい。
治具保護フィルム150を用いる場合には、工程(D)において、複数個の半導体チップ30が搭載された基板20は、治具保護フィルム150に配置される。
治具保護フィルム150としては、後述する封止工程の温度条件に耐え得る耐熱性を有するフィルムが用いられる。治具保護フィルム150の材料としては、支持体42の材料として説明した材料と同様の材料であるPET、PEN等のポリエステル、PC、PMMA等のアクリル、環状ポリオレフィン、TAC、PES、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどからなるフィルムが好適に用いられる。
治具保護フィルム150を用いれば、封止樹脂のしみ出しをより効果的に抑制し、治具100への封止樹脂の付着を防止することができるので、治具100の再利用が容易となり、結果として製品の製造効率が向上し、製造コストの低減に寄与する。
〔工程(E)〕
工程(E)は、封止フィルムの樹脂組成物層が凹部内の半導体チップに対向するように封止フィルムを配置し、減圧条件下で、支持体側から加温しつつ、加圧することにより、樹脂組成物層に由来する封止樹脂を枠状部によりせき止めつつ半導体チップを覆うように半導体チップを樹脂組成物層に埋め込む工程である。
図8及び図9を参照して、工程(E)について説明する。図9は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。
図8に示されるように、まず封止フィルム40の樹脂組成物層44Xが凹部内130の半導体チップ30に対向するように封止フィルム40を配置する。次に、カバーフィルム46を剥離して、基板20の半導体チップ30が搭載されている半導体チップ搭載面20a側に、露出した樹脂組成物層44Xを接合させて仮付けする。
この仮付けは、例えば、従来公知のオートカッター装置により実施することができる。この場合においては、真空ラミネート装置におけるラミネート処理に先立ち、まずオートカッター装置を用いて、封止フィルム40が基板20に搭載された半導体チップ30(及び/又は弾性構造体120)に仮付けされる。
この場合には、オートカッター装置に設置されたロール状に巻き取られた封止フィルム40から基板20へと封止フィルム40を搬送しつつ、その搬送途中においてカバーフィルム46が剥離される。カバーフィルム46が剥離されることにより露出した樹脂組成物層44Xを基板20と接合させる。
次いで、オートカッター装置により、基板20の外形寸法及び形状に合わせて封止フィルム40、すなわち支持体42及び樹脂組成物層44Xが切断されることにより、対応する基板20の形状及び外形寸法に合わせて整形された封止フィルム40が回路基板に仮付けされる。
図9に示されるように、次いで、減圧条件下で、支持体42側から加温しつつ、加圧することにより、樹脂組成物層44Xに由来する溶融した封止樹脂を、枠状部122によりせき止めつつ半導体チップ30の全体を覆うように半導体チップ30を樹脂組成物層44Xに埋め込む。なお凹部130が枠状部122及びシート状部140により画成される場合には、樹脂組成物層44Xに由来する溶融した封止樹脂は枠状部122及びシート状部140によりせき止められる。
半導体チップ30の埋め込みは、例えば1)減圧条件下で、従来公知の真空ラミネート装置を用いる真空ラミネート工程として実施することが好ましい。すなわち、減圧条件下、封止フィルム40の支持体42及び治具100の板状体110の両側から真空ラミネート装置の搬送フィルムをそれぞれ押し当てて、封止フィルム40の樹脂組成物層44Xを加熱及び加圧して、支持体42及び樹脂組成物層44Xを、半導体チップ30が樹脂組成物層44Xに埋め込まれるように、かつフリップチップ接続の場合には基板20と半導体チップ30との間隙に充填されるように樹脂組成物層44Xを成型する工程(成型工程)と、所望によりさらに2)支持体42に、さらにプレス用金属板又はラミネート用金属ロールを押し当てて、加熱及び加圧することにより樹脂組成物層44Xの支持体42側の表面を平滑化する工程(平滑化工程)とにより行うことができる。
前記成型工程及び平滑化工程は、成型工程においてチャンバ内を減圧状態とし、減圧状態を維持したまま連続的に平滑化工程を実施する態様とすることもできる。また、支持体42及び樹脂組成物層44Xがラミネートされた基板20を、成型工程後であって平滑化工程の前に一旦、大気中に取り出してもよい。この場合、再度常圧から減圧状態にして平滑化工程を行うか、又は再度の減圧を行わず、そのまま常圧下で行ってもよい。
半導体チップ30を樹脂組成物層44Xに埋め込む工程、すなわち成型工程に用いられ得る真空ラミネート装置としては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター、(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、大成ラミネーター(株)製真空ラミネート装置等が挙げられる。
この成型工程は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下、90℃〜180℃(反り抑制の観点から好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは120℃〜150℃)で加温し、1kgf/cm〜18kgf/cm(好ましくは3kgf/cm〜15kgf/cm)の押圧力を20秒間〜400秒間(好ましくは30秒間〜300秒間)加えることにより行うことができる。
この成型工程では、軟化した樹脂組成物層44Xの厚さが半導体チップ30の厚さ以上である条件で行うことにより、基板20上における半導体チップ30の埋め込み、基板20と半導体チップ30との間隙への樹脂組成物の充填を効果的に行うことができる。
前記平滑化工程は、樹脂組成物層44Xの平滑性が損なわれるおそれがある場合に、実施すればよい。成型工程に加えて平滑化工程をさらに実施することで硬化体表面の平滑性をより高めることができる。
前記平滑化工程は、前記成型工程の実施後に、支持体42及び樹脂組成物層44Xがラミネートされた基板20を、封止フィルム40よりも大きい面積の保護用フィルムをプレス用金属板及び/又はラミネート用金属ロールとの間に挟んだ状態で加熱、加圧して樹脂組成物層44Xを平滑化することにより行われる。
かかる平滑化工程を実施するための装置としては、熱盤式プレス機や加熱加圧式ラミネーターなどの市販の装置を使用することができる。平滑化工程に際しては、成型工程により支持体42及び樹脂組成物層44Xが真空積層された基板20を支持体42側から樹脂組成物層44Xを加熱、加圧する。これらの加熱、加圧条件を例えば既に説明した成型工程と同様の加熱、加圧条件で実施することにより、樹脂組成物層44Xと支持体42との接触面を平滑化することができる。
このように治具100を用いて成型工程を実施すれば、弾性構造体120が弾性を有するため、樹脂組成物層44Xと半導体チップ30が設けられた基板20とを効果的に密着させ、樹脂組成物層44Xによる埋め込み及び充填を精度よく行って、半導体チップ30の直上の樹脂組成物層44Xの厚さt5の均一性を高めることができる。また成型工程時に真空ラミネート装置と治具100との密着性を高め、封止樹脂を凹部130内にせき止めて凹部130外への封止樹脂のしみ出しを効果的に防止することができる。
〔工程(F)〕
工程(F)は、樹脂組成物層を硬化して、埋め込まれた半導体チップを封止する硬化体を形成する工程である。
図10を参照して、工程(F)について説明する。図10は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。
図10に示されるように、次いで、樹脂組成物層44Xに半導体チップ30が埋め込まれた状態の基板20を加熱処理することにより、樹脂組成物層44Xを硬化して、半導体チップ30を封止する硬化体44とする。
樹脂組成物層44Xを硬化して、半導体チップ30を封止する硬化体44の形成工程は、樹脂組成物層44Xを構成する材料に応じた任意好適な条件で加熱処理を実施することにより行うことができる。
この硬化体44の形成工程は、例えば、100℃〜240℃で、15分間〜300分間加熱処理することにより行うことができ、120℃〜200℃で、20分間〜100分間加熱処理することが好ましい。
この加熱処理はいわゆるステップキュアにより実施してもよい。すなわち、加熱処理を(1)所定の条件でプレキュアするステップと、(2)所定の条件でポストキュアするステップとを含む、多段階の加熱処理とすることができる。プレキュア条件は、100℃〜130℃で、15分間〜45分間であることが好ましく、ポストキュア条件は、150℃〜220℃で、30分間〜90分間であることが好ましい。
この硬化体44の形成工程は、半導体チップ30を樹脂組成物層44Xに埋め込む工程の後であって、半導体チップ30を封止する硬化体44とする工程、すなわち加熱処理の前に、支持体42を剥離する工程をさらに含んでいてもよい。あるいは、加熱処理の後に支持体42を剥離する工程を含んでいてもよい。
以上の工程により、基板20に搭載された複数の半導体チップ30を一体的に覆う硬化体44を備えた封止構造体が形成される。
形成された封止構造体は治具100から取り出される。治具保護フィルム150を用いた場合には、治具保護フィルム150ごと封止構造体を治具100から取り出してもよいし、治具保護フィルム150から剥離して取り出してもよい。治具保護フィルム150は、以下に説明する工程における任意のタイミングで封止構造体から除去することができる。
工程(F)は、半導体チップ30の直上の硬化体44の厚さt5の最大厚さと最小厚さとの差が30μm以下となるように行われる。半導体チップ30の直上の硬化体44の最大厚さと最小厚さとの差は、21μm以上30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
半導体チップ30の直上の硬化体44の最大厚さと最小厚さとの差、すなわち半導体チップ30の直上を覆う硬化体44の厚さt5の均一性の評価は、例えば工程(F)が実施された封止構造体からパッケージを切り出し、切断線が半導体チップ30を通るように切断した切断面を市販の金属顕微鏡で観察することにより行うことができる。
評価は、基板20に半導体チップ30が搭載されていた位置が適度に分散するように複数個の半導体チップ30をそれぞれ含む複数の領域を選択して行うことが好ましい。
評価は、半導体チップ30の直上を覆っている硬化体44について、分散した複数の位置(例えば3点)での厚さを測定し、その平均値を算出して比較、評価することにより行うことができる。
〔工程(J)〕
工程(J)は、硬化体に、導体層を形成する工程である。
図11を参照して、工程(J)について説明する。図11は、半導体装置の製造方法を説明するための模式的な図である。
次に、形成された硬化体44上に、導体層(配線層)50を形成する。導体層50は、セミアディティブ法等の従来公知の任意好適な形成工程により所望の配線パターンを含む配線層とすることができる。工程(J)は、例えばめっき工程を含んでいてもよい。この実施形態では、導体層50をめっき工程を含むセミアディティブ法により形成する例を説明する。
図11に示されるように、まず、硬化体44にビアホール48を形成する。ビアホール48は、硬化体44を厚さ方向に貫通して、基板20が備える配線等、すなわちこの構成例では第2電極パッド22bを露出させる貫通孔である。ビアホール48は、硬化体44の特性を考慮して、従来公知の任意好適な方法により形成することができる。ビアホール48の形成方法の例としては、レーザー加工による形成方法が挙げられる。レーザー加工によるビアホール48の形成は、例えば日立ビアメカニクス(株)製COレーザー加工機(LC−2E21B/1C)を使用して行うことができる。ビアホール48のトップ径(直径)は、150〜250μmであることが好ましい。
次に、ビアホール48が形成された硬化体44に対して粗化処理を行う。この粗化処理は、基板20を保護するために、硬化体44が設けられた主面とは反対側の基板20の主面(半導体チップ搭載面20aとは反対側の面)を図示しない保護テープを貼ることによりカバーしてから行うことが好ましい。
粗化処理は、例えばプリント配線板の製造工程において用いられている従来公知の任意好適な方法により実施することができる。粗化処理は、例えば、1)膨潤液に浸漬する工程、2)粗化液に浸漬する工程、3)中和液に浸漬する工程、4)乾燥工程を含む処理により行うことができる。1)膨潤液に浸漬する工程は、硬化体44を50℃〜80℃で2分間〜15分間(好ましくは55℃〜70℃で4分間〜10分間)膨潤液に浸漬する工程とすることが好ましい。2)粗化液に浸漬する工程は、硬化体44を60℃〜80℃で5分間〜20分間(好ましくは70℃〜80℃で8分間〜20分間)粗化液に浸漬する工程とすることが好ましい。3)中和液に浸漬する工程は、硬化体44を30℃〜50℃で3分間〜10分間(好ましくは35℃〜45℃で3分間〜8分間)中和液に浸漬する工程であることが好ましい。
次いで、無電解めっきを行って、粗化処理が行われた基板20の硬化体44上の全面に、導体として好ましくは銅の薄膜を形成する。次にこの導体の薄膜上に、所定のパターンとして導体の薄膜の一部分を露出させるマスクパターンをパターニング形成する。さらにマスクパターンを含む基板20上の全面に電解めっきを行って、導体の薄膜のうちマスクパターンからの露出している領域のみを厚膜化する。次いで加熱処理(灰化処理)、溶解処理(剥離処理)などにより、マスクパターンを除去した後、マスクパターンに覆われていたために厚膜化されなかった導体の薄膜のみをエッチングなどにより除去することで、例えば配線52及びこの配線52と電気的に接続されており、図示されていない他のパッケージ、半導体チップ等の電子部品の外部端子と電気的に接続し得る電極パッド52aを含む導体層(配線層)50を形成することができる。
なお、これらの工程によりビアホール48内にも配線が形成され、導体層50と基板20の配線とが電気的に接続される。
支持体42として、銅箔等の金属箔を用いた場合には、この金属箔を利用するサブトラクティブ法などによって、導体層50を形成することができる。また、金属箔をめっきシード層として、電解めっきにより導体層50を形成することができる。このような電解めっきにより得ることができる導体層50の厚さは、一般的には、3μm〜35μmであり、好ましくは5μm〜30μmである。以上のようにして導体層50を形成することができる。
図12に示されるように、次いで、ダイシングラインDLの位置で、例えば回転刃を備える従来公知のダイシング装置により研削して、得られた構造体(半導体装置10)を切り出して個片化する。
上記のダイシングラインDLの位置での切断工程は、導体層50の形成前に行ってもよく、予め個片化された基板20ごとに硬化体44を形成し、導体層50を形成してもよい。
次に、バンプ28を基板20の半導体チップ搭載面20aとは反対側の面に搭載することにより、個片化された半導体装置10を得ることができる。
導体層50を備える個片化された半導体装置10には、半導体チップ、パッケージ等のさらなる電子部品が導体層50と電気的に接続されて搭載されることにより積層型半導体装置とすることができる。
半導体装置10に搭載される半導体チップ、パッケージ等のさらなる電子部品のバンプが例えば半田ボールである場合には、フラックス(半田ペースト)を用いる、いわゆるリフロー工程により、導体層50と、電子部品のバンプとを接合して、これらを電気的に接続し、積層型半導体装置とすることができる。このリフロー工程は、従来公知の任意好適な条件で行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
<測定方法及び評価方法>
まず、実施例及び比較例において用いられた基板、半導体チップ及びパッケージの形態、各種測定方法並びに評価方法について説明する。
(基板の形態)
基板の厚さ:0.3mm
基板のコア材:Panasonic社製 R1515A
ソルダーレジスト:日立化成社製 SR7200G
電極パッドの外形寸法:100μm角
基板の外形寸法:300mm角
非所要領域:基板の輪郭を構成する辺から5mm幅の領域を非所要領域とした。
(半導体チップの形態)
ダイの外形寸法:5mm角
ダイの厚さ:0.30mm
バンプ:φ80μmの半田バンプ
バンプピッチ:150μm
バンプ数:784(28×28)
(樹脂組成物層の最低溶融粘度の測定)
後述する実施例及び比較例で製造されたロール状のカバーフィルム付き封止フィルムにおける樹脂組成物層の最低溶融粘度温度は、動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム社製、「Rheosol−G3000」)を使用して測定した。試料である樹脂組成物1gについて、直径18mmの円形のパラレルプレートを使用して、開始温度60℃から200℃まで昇温速度5℃/分にて昇温し、測定温度間隔2.5℃、振動数1Hz、ひずみ1degの条件にて最低溶融粘度及びその時の温度を測定した。
(埋め込み性の評価)
製造された構造体、すなわち個片化前の封止構造体について、超音波映像装置((株)日立エンジニアリング・アンド・サービス製FINESAT)を使用して、基板にフリップチップ接続で搭載された半導体チップの直下、すなわち基板及び半導体チップ間における硬化体(樹脂組成物)の埋め込み性を50MHz/7mmのプローブを使用して、下記の基準により評価した。
○:ボイドが発見できなかった
×:ボイドが発見された
(半導体チップの直上を覆う硬化体の厚さの均一性の評価)
封止構造体からパッケージを切り出し、半導体チップを覆っている硬化体について、半導体チップの厚さ方向でみたときに半導体チップの互いに対向する両端縁近傍の2点及びこの2点の間に位置する中心寄りの計3点の半導体チップの直上の硬化体の厚さを測定し、平均値(3点平均値(単位:μm))を算出した。硬化体の厚さの測定は切り出されたパッケージを前記3点を通る直線に沿って切断することにより行った。パッケージの切断は、切り出されたパッケージをポリエステル樹脂(丸本ストルアス(株)冷間埋込樹脂)にて封止することで固定し、回転型研磨台(丸本ストルアス(株)ロトポール22)にて研磨することにより行った。評価は金属顕微鏡(KEYENCE(株)VK8550)を用いて行った。
評価は、マトリクス状に841(29×29)個のパッケージが連なっている封止構造体から切り出された13個の(半導体チップを含む)パッケージを選択して実施した。この13個のパッケージは用いられた300mm角基板における半導体チップの搭載位置に基づいて選択された。すなわち、基板の4隅近傍に位置していたパッケージ(4個)、基板の端縁近傍であって前記4隅近傍に位置していたパッケージに挟まれるように位置していたパッケージ(4個)、中心部近傍に位置していたパッケージ(1個)、及び前記4隅近傍に位置していたパッケージと前記中心部近傍に位置していたパッケージとの間に位置していたパッケージ(4個)について評価を行った。
切り出されたパッケージそれぞれについて前記の通り計算された3点平均値を比較して、3点平均値のうちの最大値(最大厚さ)と最小値(最小厚さ)との差(最大厚さ−最小厚さ)を算出し、下記の基準により評価した。
◎:20μm以下
○:21μm以上30μm以下
×:30μm超
<実施例1>
(樹脂ワニス1の調製)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂とビスフェノールF型のエポキシ樹脂との1:1(質量比)混合品)10部、結晶性2官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」)10部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)5部を、ソルベントナフサ40部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ、活性エステル化合物(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223の不揮発分65質量%のトルエン溶液)15部、トリアジン含有クレゾール系硬化剤(水酸基当量151、DIC(株)製「LA−3018−50P」)の固形分50%のメトキシプロパノール溶液15部、エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(数平均分子量Mn:850000g/mol、エポキシ価0.21eq/kg、Tg12℃、ナガセケムテックス(株)製「SG−P3」)の固形分15%のMEK溶液50部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン、固形分2質量%のMEK溶液)5部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)2部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径2.2μm、(株)アドマテックス製「SOC6」、単位面積当たりのカーボン量0.4mg/m)200部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を調製した。樹脂ワニス1の不揮発成分換算の組成を下記表1に示す。
Figure 2015106698
(封止フィルムの製造工程)
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記実施例1で得た樹脂ワニス1を、アルキド樹脂系離型層側の該支持体の表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥処理することにより仮樹脂組成物層を乾燥処理後の厚さが150μmとなるように形成し、形成された仮樹脂組成物層の表面に、カバーフィルムとして厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状のカバーフィルム付き仮封止フィルムを得た。
次いで、ロール状のカバーフィルム付き仮封止フィルムを巻き出しつつ、ポリプロピレンフィルムを剥離して巻き取りながら、露出した樹脂組成物層の表面に、再度、実施例1で得た樹脂ワニス1をダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜130℃(平均105℃)で5分間乾燥処理することにより、乾燥処理後の総厚が300μmとなるように樹脂組成物層を形成し、同様に、樹脂組成物層の表面にカバーフィルムとして厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状のカバーフィルム付き封止フィルムを得た。既に説明した上述の測定方法により残留溶剤率を測定したところ、最低溶融粘度は920ポイズであって、その温度は155℃であった。
(真空ラミネート工程用の冶具を用意する工程)
板状体である厚さ1mmの両面鏡面仕上げステンレス板(SUS304BA、外形寸法:500mm角)の片面に、ニチゴーモートン製の耐熱性ゴム板(厚さ0.65mm、ゴム硬度60°(JIS K 6235準拠))であって、500mm角外形寸法の輪郭内に輪郭と同心となる配置で301mm角外形寸法の貫通孔をくり抜いた耐熱性ゴム板(弾性構造体)を配置して、金属板と耐熱性ゴム板の貫通孔とにより画成される凹部を有する治具である耐熱性ゴム板付き金属板を用意した。
用意された耐熱性ゴム板付き金属板のうちの耐熱ゴム板側に、500mm角外形寸法の治具保護フィルムであるPETフィルム(厚さ12μm、東レ(株)製、「ルミラーS10」)を配し、その上から凹部に、さらに半導体チップが搭載された基板の半導体チップが凹部に収まるように半導体チップ搭載面が耐熱性ゴム板側に向くように配置した。その後、カバーフィルムを剥離した300mm角外形寸法の封止フィルムの樹脂組成物層の表面を、基板の半導体チップ搭載面側に仮付けした。
(封止フィルムの真空ラミネート工程)
カバーフィルムを剥離した封止フィルムを、2ステージ真空ラミネート装置装置CVP−700(商品名、ニチゴーモートン(株)製)を用いて、耐熱性ゴム板付き金属板の凹部に配置された基板の半導体チップが搭載された側にラミネートした。このラミネート工程は、チャンバ内を30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、130℃で60秒間、押圧力0.8MPaで耐熱性ゴム板を押し当てて押圧した。次いで100℃、押圧力0.3MPaで30秒間、金属板を押し当てて押圧することにより支持体側の樹脂組成物層を平滑化した。なお、真空ラミネート装置の搬送用支持体には、PETフィルム(厚さ25μm、ユニチカ(株)製、「ABF−R03」)を使用した。
(樹脂組成物層の硬化工程)
真空ラミネート工程後、100℃で30分間加熱し、引き続き180℃で30分間加熱することにより封止フィルムの樹脂組成物層を硬化して、基板に搭載された半導体チップを封止する封止部である硬化体(モールド)を形成した。その後、封止フィルムの支持体であったPETフィルムを剥離して封止構造体を得た。この封止構造体について、既に説明した方法により埋め込み性及び半導体チップの直上を覆う硬化体の均一性の評価を行った。結果を下記表2に示す。
<比較例1>
上述した真空ラミネート工程用の冶具を使用することなく、カバーフィルムを剥離した300mm角外形寸法の封止フィルムの樹脂組成物層が、基板に搭載された半導体チップと対向するようにセットし、実施例1と同じ条件でラミネート工程を実施して硬化体を形成し、封止構造体を得た。この封止構造体について、既に説明した方法により埋め込み性及び半導体チップの直上の領域を覆う硬化体の厚さ(外形寸法)の均一性の評価を行った。結果を下記表2に示す。
<実施例2>
真空ラミネート工程用の冶具の耐熱性ゴム板として、硬度25°の耐熱性ゴム板を用いる以外は実施例1と同様にしてラミネート工程を実施して、硬化体を形成し、封止構造体を得た。この封止構造体について、既に説明した方法により埋め込み性及び半導体チップの直上の領域を覆う硬化体の均一性の評価を行った。結果を下記表2に示す。
Figure 2015106698
表2から明らかなように、既に説明した構成を有する治具を用いた実施例1及び2では、かかる治具を用いない比較例1よりも硬化体の厚さの均一性、すなわち外形寸法の均一性に優れていた。
10 半導体装置
20 基板
20a 半導体チップ搭載面
20aa 半導体チップ搭載領域
22a 第1電極パッド
22b 第2電極パッド
24 接続配線
28、32 バンプ
30 半導体チップ
40 封止フィルム
42 支持体
44 硬化体
44X 樹脂組成物層
46 カバーフィルム
48 ビアホール
50 導体層
52 配線
52a 電極パッド
100 治具
110 板状体
120 弾性構造体
122 枠状部
122A 第1部分
122B 第2部分
122a、140a 貫通孔
130 凹部
132 基板搭載領域
132a 基板搭載面
134 マージン領域
140 シート状部
150 治具保護フィルム
DL ダイシングライン

Claims (19)

  1. 工程(A)板状体と、該板状体に配置された弾性構造体とを備え、該弾性構造体が凹部を画成する枠状部を含み、かつ前記板状体に向かって厚さ方向に押圧されたときに弾性を発揮する、治具を用意する工程と、
    工程(B)複数個の半導体チップが搭載された基板を用意する工程と、
    工程(C)支持体、及び該支持体に設けられた樹脂組成物層を有する封止フィルムを用意する工程と、
    工程(D)複数個の半導体チップが搭載された前記基板を前記凹部に収まるように配置する工程と、
    工程(E)前記封止フィルムの樹脂組成物層が前記凹部内の前記半導体チップに対向するように前記封止フィルムを配置し、減圧条件下で、前記支持体側から加温しつつ、加圧することにより、前記樹脂組成物層に由来する封止樹脂を前記枠状部によりせき止めつつ前記半導体チップを覆うように前記半導体チップを前記樹脂組成物層に埋め込む工程と、
    工程(F)前記樹脂組成物層を硬化して、埋め込まれた前記半導体チップを封止する硬化体を形成する工程と
    を含む、半導体装置の製造方法。
  2. 前記弾性構造体が弾性を有する材料により構成される前記枠状部のみからなり、前記凹部が前記枠状部に設けられている貫通孔と前記板状体とにより画成される、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記弾性構造体が弾性を有する材料により構成される前記枠状部のみからなり、前記凹部が前記枠状部に設けられている窪みにより画成される、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記枠状部が耐熱性ゴムにより構成されており、前記板状体が金属板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記弾性構造体が枠状部と、弾性を有するシート状部とを含み、該シート状部は前記枠状部と前記板状体との間に配置され、前記枠状部の硬度が前記シート状部の硬度よりも大きくされており、かつ前記凹部が前記枠状部に設けられている貫通孔と前記シート状部とにより画成される、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記シート状部が前記枠状部の前記貫通孔と平面視で同一の形状の貫通孔を有しており、前記シート状部の該貫通孔と前記枠状部の前記貫通孔とが平面視で重なるように前記板状体に配置されており、前記凹部が前記枠状部の前記貫通孔と前記シート状部の前記貫通孔と前記板状体とにより画成される、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記枠状部が絶縁層と銅層とが積層された銅張り積層板により構成されており、前記シート状部が耐熱性ゴムにより構成されている、請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記工程(D)の前に、工程(G)前記凹部を覆うように治具保護フィルムを設ける工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記樹脂組成物層の最低溶融粘度が、50ポイズ〜8000ポイズである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記樹脂組成物層の厚さが、100μm〜600μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記耐熱性ゴムの硬度が30°以上90°以下である、請求項4又は7に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 複数個の半導体チップが搭載された前記基板が、一方の主面である半導体チップ搭載面側のみに半導体チップが搭載されている基板である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記工程(E)が、工程(H)金属板又は金属ロールにより、減圧条件下又は常圧下、支持体側から加熱及び加圧することにより樹脂組成物層の支持体側の表面を平滑化する平滑化工程をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記工程(E)が、真空ラミネート装置を用いて行われる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記工程(E)が、圧力26.7hPa以下の減圧条件下、90℃〜180℃で加温し、1kgf/cm〜18kgf/cmの押圧力を20秒間〜400秒間加えることにより行われる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記工程(F)が、100℃〜240℃で、15分間〜300分間加熱することにより行われる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記工程(F)が、半導体チップの直上の硬化体の最大厚さと最小厚さとの差が30μm以下となるように行われる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記工程(F)の後に、工程(J)前記硬化体に、導体層を形成する工程をさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記工程(J)が、めっき工程を含む、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
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