JP2019179844A - ソルダーレジスト形成用の樹脂シート、回路基板、および半導体パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】封止樹脂との密着性に優れるソルダーレジスト層を形成することが可能な樹脂シートを提供する。【解決手段】ソルダーレジスト形成用の樹脂シートであって、キャリア基材と、前記キャリア基材の一方の面に設けられた、ソルダーレジスト用樹脂組成物からなる樹脂層と、を備え、下記測定条件1に従って測定される前記樹脂層の界面の最大高さ粗さRzが1.0μm以上6.0μm以下である、樹脂シート。(測定条件1)下記の測定面について、JIS B 0601−2001に従って測定した最大高さ粗さを、樹脂層の界面の最大高さ粗さRzとする。(測定面)当該樹脂シートを温度120℃で1時間熱処理して、前記樹脂層を硬化する。次いで、前記硬化樹脂層から前記キャリア基材を剥離する。前記硬化樹脂層の、前記キャリア基材と接していた面を測定面とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ソルダーレジスト形成用の樹脂シート、回路基板、および半導体パッケージに関する。より詳細には、回路基板のソルダーレジストの形成に好適に使用できる樹脂シート、ソルダーレジストを備える回路基板、および回路基板を備える半導体パッケージに関する。
一般に、電子機器などに用いられるプリント配線板において、プリント配線板に電子部品を実装する際には、不必要な部分にはんだが付着するのを防止すると共に、回路の導体が露出して酸化や湿度により腐食されるのを防ぐために、回路パターンの形成された基板上の接続孔を除く領域にソルダーレジスト層が形成されている。このソルダーレジスト層の表面は、半導体チップを封止する樹脂封止体の樹脂で被覆されている。
ソルダーレジストには、封止樹脂との密着性を向上させるために、その表面を粗化する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1および2では、ソルダーレジスト層を形成した後、その表面を粗くするための表面処理方法が提案されている。特許文献3では、支持フィルムの、樹脂層を設ける面側の表面粗さを調整することにより、所定の表面粗さを有する樹脂層を形成することができるソルダーレジスト用の感光性ドライフィルムが提案されている。
特開平10−284648号公報 国際公開第2006/126621号公報 特開2017−191335号公報
本発明者らは、ソルダーレジストの封止樹脂で封止される側の面の表面粗さを高度に制御することにより、ソルダーレジストと封止樹脂との間の密着性をさらに改善できることを見出した。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、所定の表面粗さを有するソルダーレジスト層は、封止樹脂との密着性が良好であり、そのため得られる回路基板や、半導体パッケージ等の電子装置の信頼性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
ソルダーレジスト形成用の樹脂シートであって、
キャリア基材と、
前記キャリア基材の一方の面に設けられた、ソルダーレジスト用樹脂組成物からなる樹脂層と、を備え、
下記の測定条件1に従って測定される前記樹脂層の界面の最大高さ粗さRzが1.0μm以上6.0μm以下である、樹脂シートが提供される。
(測定条件1)
下記の測定面について、JIS B 0601−2001に従って測定した最大高さ粗さを、樹脂層の界面の最大高さ粗さRzとする。
(測定面)
当該樹脂シートを温度120℃で1時間熱処理して、前記樹脂層を硬化する。次いで、前記硬化樹脂層から前記キャリア基材を剥離する。前記硬化樹脂層の、前記キャリア基材と接していた面を測定面とする。
また本発明によれば、
表面に導体回路パターンが形成された基板と、
前記基板の表面上に形成されたソルダーレジスト層と、を備える回路基板であり、
前記ソルダーレジスト層が、ソルダーレジスト用樹脂組成物からなる樹脂層の硬化物で構成され、
前記樹脂層の硬化物の前記基板に接した面とは反対側の表面の、JIS B 0601−2001に従って測定した最大高さ粗さRzが、1.0μm以上6.0μm以下である、回路基板が提供される。
また本発明によれば、
上記回路基板と、
前記回路基板上に設けられた半導体素子と、
前記回路基板の少なくとも一方の面および前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備える半導体パッケージが提供される。
本発明によれば、封止樹脂との密着性に優れるソルダーレジスト層を形成することが可能な樹脂シートが提供される。
本実施形態に係る樹脂シートの一例を示す断面図である。 本実施形態に係る回路基板の一例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る回路基板の製造方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る半導体パッケージの一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の樹脂シートを、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の樹脂シートの一例を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態のソルダーレジスト形成用の樹脂シート100は、キャリア基材12と、前記キャリア基材12の一方の面に設けられた、ソルダーレジスト用樹脂組成物からなる樹脂層10とを備える。一実施形態において、使用時まで樹脂層10を保護するために、キャリア基材12とは反対の面に、さらに保護フィルム(図示せず)が設けられていてもよい。
本実施形態の樹脂フィルム100の、樹脂層10のキャリア基材12との界面(測定面)の、以下の測定条件1に従って測定される最大高さ粗さRzは、1.0μm以上6.0μm以下である。
(測定条件1)
下記の測定面について、JIS B 0601−2001に従って測定した最大高さ粗さを、樹脂層の界面の最大高さ粗さRzとする。
(測定面)
樹脂シート100を温度120℃で1時間熱処理して、樹脂層10を硬化する。次いで、硬化樹脂層10からキャリア基材12を剥離する。硬化樹脂層10の、キャリア基材12と接していた面を測定面とする。
一実施形態において、樹脂層10のキャリア基材12との界面(測定面)の、以下の測定条件2に従って測定される算術平均粗さRaは0.07μm以上1.0μm以下である。
(測定条件2)
前記測定面について、JIS B 0601−2001に従って測定した算術平均粗さを、樹脂層の界面の算術平均粗さRaとする。
本実施形態の樹脂シート100は、ソルダーレジスト層を形成するために使用することができる。ソルダーレジスト層を作製した場合に、上記の最大高さ粗さRzを有することにより、ソルダーレジスト層を封止するために設けられる封止樹脂との密着性が改善される。また、好ましくは、さらに上記値の算術平均粗さRaを有することにより、ソルダーレジスト層と封止樹脂との密着性がさらに改善される。
本実施形態の樹脂シート100に用いられるキャリア基材12としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、銅箔等の金属フィルムを好適に使用することができるが、これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。キャリア基材12の樹脂層10を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂等の離型剤を適当な溶剤に溶解または分散して調製した塗工液を、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の手段により、キャリア基材12の表面に塗布、乾燥することにより、離型処理を施すことができる。キャリア基材12の厚さは、10μm〜150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。
キャリア基材12は、樹脂シート100を支持するとともに、樹脂層10のキャリア基材12と接する側の表面に所定の表面形態を賦型する役割を有する。具体的には、樹脂層10を設ける側の表面の最大高さ粗さRzが1.0μm以上6.0μm以下であり、算術平均粗さRaが0.07μm以上1.0μm以下であるキャリア基材12を用いることにより、キャリア基材12への塗布により形成される樹脂層10が、所望の表面形態を有し得る。
本実施形態において、樹脂層10は、ソルダーレジスト用樹脂組成物(以下、樹脂組成物と称する)から形成される。この樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、充填材とを含み得る。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも封止樹脂との密着性の観点から、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
本実施形態においては、以下の式(1)に示すエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(A)として含むことが、好ましい態様の一例として挙げられる。
Figure 2019179844
(式(1)中、nは0〜10の整数であり、RおよびRは互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基である)
エポキシ樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジストと封止樹脂との密着性が改善される。一方で、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジストの耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。なお、樹脂組成物の全固形分とは、熱樹脂組成物(P)中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
本実施形態に係る樹脂組成物に用いられる充填材としては、無機充填材を用いることができる。無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
本実施形態に係るシリカは、特に限定されないが、例えば、球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含んでもよい。ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、シリカは、たとえば、溶融球状シリカでもよい。本実施形態に係るシリカとしては、たとえば球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含む。ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性、樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジストと封止樹脂との密着性の観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、充填材は、たとえば溶融シリカである。
上記充填材の平均粒径D50の下限値は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。上記充填材の平均粒径D50の上限値は、とくに限定されないが、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。
また、ソルダーレジスト用樹脂組成物の調製に際しては、シリカとしては、たとえばシリカ濃度が10重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがより好ましい。配線基板の機械的強度を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがとくに好ましい。また、配線基板のたわみの抑制や、半導体装置の吸湿信頼性を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料と、シリカ濃度が10重量%以上50重量%以下であるシリカ原料と、を併用することがとくに好ましい。
充填材としては、平均粒径が2nm以上100nm以下である微粒子シリカを用いることが好ましい。これにより、得られるソルダーレジスト層と封止樹脂との密着性を向上させることができる。平均粒径が2nm以上100nm以下である微粒子シリカと、平均粒径が100nm超過のシリカを組み合わせて用いることが、密着性向上のためにさらに好ましい。なお、充填材の平均粒径は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
充填材の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。充填材の含有量を上記下限値以上とすることにより、得られるソルダーレジスト層の耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。一方で、充填材の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して95質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。充填材の含有量を上記上限値以下とすることにより、得られるソルダーレジスト層と封止樹脂と密着性を向上させることができる。
本実施形態の樹脂シート100の樹脂層10を形成するために用いられる樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに含んでもよい。シアネート樹脂を含むことにより、得られるソルダーレジストの低線膨張性や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。
シアネート樹脂としては、フェノールノボラック型シアネート樹脂、ノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ソルダーレジストの低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、フェノールノボラック型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、またはナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、フェノールノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
シアネート樹脂を使用する場合、シアネート樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。シアネート樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、得られるソルダーレジストの効果的な低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。一方で、シアネート樹脂の含有量は、たとえば樹脂組成物の全固形分に対して40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。シアネート樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、得られるソルダーレジストの耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
本実施形態の樹脂シート100の樹脂層10を形成するために用いられる樹脂組成物は、硬化促進剤をさらに含んでもよい。硬化促進剤を含むことにより、樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤としては、上述のエポキシ樹脂の硬化反応を促進させるものを使用することが好ましい。このような硬化促進剤としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
上述のオニウム塩化合物としては、とくに限定されないが、たとえば下記一般式(2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2019179844
(式(2)中、Pはリン原子、R、R、RおよびRは、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す)。
硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
樹脂組成物は、必要に応じて、さらなる添加剤を含み得、添加剤としては、例えば、着色剤、カップリング剤、レベリング剤、硬化剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等が挙げられる。カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。硬化剤としては、たとえばフェノール樹脂、ナフトール型ノボラック樹脂等が挙げられる。感光剤としては、たとえば感光性ジアゾキノン化合物が挙げられる。
樹脂組成物は、溶剤を含んでもよい。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。
樹脂組成物がワニス状である場合において、樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた樹脂組成物が得られる。なお、ワニス状の樹脂組成物は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
樹脂組成物は、さらに、ガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含んでもよい。これにより、得られるソルダーレジストの剛性を向上させることができる。
本実施形態の樹脂シート100は、キャリア基材12上にワニス状の樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成した後、当該塗布膜に対して溶剤除去処理を行うことによって樹脂層10を形成することにより製造することができる。溶剤除去処理は、たとえば塗布膜の溶剤含有率が塗布膜全体に対して5質量%以下となる条件で行われる。また、処理後の塗布膜は、たとえば170℃、2分の熱処理前後における重量変化率が5質量%以下となる。また、樹脂層10の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上300μm以下とすることができる。
次いで、本実施形態の樹脂シート100を備える回路基板および樹脂シート100を用いて回路基板を作製する方法について、図2および図3を用いて説明する。本実施形態の回路基板20は、導体回路パターン24が形成された基板22と、基板22の表面上に形成されたソルダーレジスト10とを備える。ソルダーレジスト10には複数の開口部28が設けられており、開口部28の少なくとも1つの内側には、導体回路パターン24の導電部の一部が露出している。ソルダーレジスト10は上記樹脂組成物の硬化物から形成されており、ソルダーレジスト10の基板22と接した面とは反対側の表面のJIS B 0601−2001に従って測定した最大高さ粗さRzは、1.0μm以上6.0μm以下である。
本実施形態において、上記樹脂層の硬化物(ソルダーレジスト10)のガラス転移温度の下限値は、例えば、180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、230℃以上がさらに好ましい。そうすることで、得られるソルダーレジスト10の耐熱性および耐リフロー性の向上等を図ることが可能となる。また、樹脂層の硬化物(ソルダーレジスト10)のガラス転移温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、400℃以下としてもよい。
回路基板20に用いられる基板22は、少なくとも1層の絶縁層を含む基板である。基板22が備える絶縁層は、たとえば繊維基材に樹脂組成物を含浸してなる樹脂基材である。基板22は熱硬化性樹脂からなるものとすることができる。基板22はリジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。基板22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。
また、基板22は、1つの絶縁層のみを有し、その片面のみに導体回路パターン24が形成された片面板でも良いし、1つの層のみを有し、その表裏面の両方に導体回路パターン24が設けられた両面板でも良いし、2層以上の絶縁層を有する多層板でもよい。基板22が多層板である場合、基板22内には2つの絶縁層に挟まれた配線層が一層以上形成される。また、基板22が両面板もしくは多層板である場合、基板22の1つの表面(最外面)に設けられた導体回路パターン24は、反対側の表面(最外面)に設けられた導体回路パターン24や基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホールを介して互いに電気的に接続されている。
基板22のおもて面と裏面の少なくとも一方の表面(最外面)には、導体回路パターン24が設けられている。導体回路パターン24は、たとえば基板22に積層された銅膜を選択エッチングして形成されたパターンである。導体回路パターン24は、導電部として少なくともランド244とライン242とを含む。ランド244は主に、回路基板20に実装される素子や部品と導体回路パターン24とを電気的に接続する接続部であり、たとえば導体回路パターン24の他の部分もしくは基板22内の配線層に接続された円形や四角形の部分である。なお、ランド244の中心には電子部品の端子等を挿入するホールが設けられていても良い。そして、ライン242は主に、ランド244同士を互いに電気的に接続する線状の部分である。
導体回路パターン24上には、ソルダーレジスト層10が積層されている。ソルダーレジスト10には、主にランド244が設けられた領域に開口部が設けられており、ランド244はソルダーレジスト層10に被覆されていない。すなわち、ランド244の上にはソルダーレジスト層10が設けられておらず、ランド244が露出している。なお、ランド244の上には、たとえばニッケルおよび金のめっき膜や半田のめっき膜などの導電膜が積層されていてもよい。図2に示す実施形態の回路基板20では、開口部に位置するランド244の上にめっき膜246がさらに設けられている。絶縁性樹脂層10にはさらにランド244以外の部分に開口部が設けられていても良いし、ライン242の一部を露出させるような開口部があってもよい。また、ランド244の全てが開口部に位置する必要は無く、ソルダーレジスト層10に覆われたランド244があってもよい。
ソルダーレジスト層10は、基板22に接した面とは反対側の表面の最大高さ粗さRzが、1.0μm以上6.0μm以下である。最大高さ粗さRzはJIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。Rzが上記下限以上、上限以下であることによって、基板20を用いて製造する電子装置の耐久性を向上できる。また、Rzが上記上限以下であれば、ソルダーレジスト層10上に液状封止樹脂の転写を行う場合に、高いパターニング精度が得られる。よって、トランスファー成形などに限らず、プロセスの選択自由度に優れる。
なお、基板22に接した面とは反対側の表面の算術平均粗さRaは0.07μm以上であることがより好ましく、0.08μm以上であることがさらに好ましい。また、算術平均粗さRaは1.0μm以下であることがより好ましい。Raが上記下限以上、上限以下であれば、封止樹脂との密着性に優れる。そのため、上述のような基板20を用いた電子装置の完成品において、ソルダーレジスト層10と封止樹脂とに高い密着性を確保できる。よって、耐久性、耐湿性に優れ、信頼性の高い電子装置を得ることができる。
次に、回路基板20の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、回路基板20の製造方法の一例を示す模式図である。
本実施形態の回路基板20は、基板22を準備する工程、ソルダーレジスト層10を積層する工程、開口部28を形成する工程、およびデスミア処理する工程をこの順に含む。基板22を準備する行程では、少なくともひとつの最外面に導体回路パターン24が設けられた基板22を準備する。ソルダーレジスト層10を積層する工程では、基板22および導体回路パターン24上にソルダーレジスト層10を積層する。
以下、各工程について詳細に説明する。まず、図3(a)のように表裏の少なくとも一方の最外面に導体回路パターン24が設けられた基板22を準備する。次いで、図3(b)に示すように、基板22の導体回路パターン24上に、本実施形態の樹脂シート100を貼付する。樹脂シート100の貼付は、樹脂シート100を導電体パターン24上に、樹脂層10が基板22に対向するように積層した後、これを真空加熱加圧成形することにより実施される。この加熱処理により、樹脂層10は硬化されてソルダーレジスト層10となる。次いで、キャリア基材12を、樹脂層10から剥離する。これにより、基板22に、導電体パターン24を覆うように、ソルダーレジスト層10が形成される。
次いで、図3(c)のように導体回路パターン24上のソルダーレジスト層10の所定の位置に開口部28を設ける。開口部28は主に導体回路パターン24のランド244を露出させるように形成する。開口部28の形成方法としては特に限定されず、露光現像法やレーザー加工法、などの方法を用いることができる。
本実施形態に係る回路基板20の製造方法では、開口部28の形成、および必要に応じてデスミア処理を行った後、開口部28に露出した導体回路パターン24の上にめっき膜246を形成するめっき処理を行う。ただし、めっき膜246を形成せずに回路基板20としても良い。めっき膜246は、たとえば半田めっき膜や、錫めっき膜や、ニッケルめっき膜の上に金めっき膜を積層した2層構造のめっき膜とすることができる。めっき膜246は開口部28に露出した導体回路パターン24の導電部を覆うように形成される。また、めっき膜246の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば2μm以上10μm以下とすることができる。これにより、ランド244部分を、回路基板20を用いた実装工程においてワイヤボンディングや半田付けに適した接続部とすることができる。
次に、図4を参照して本実施形態に係る電子装置の製造方法について説明する。図4は本実施形態に係る電子装置の一例としての半導体パッケージ102の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態に係る半導体パッケージ102は、上述の回路基板20、半導体素子60、および封止樹脂40を備える。半導体素子60は回路基板20上に配設されている。封止樹脂40は、回路基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。回路基板20は、基板22、導体回路パターン24、およびソルダーレジスト層10を備える。導体回路パターン24は基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。ソルダーレジスト層10は、導体回路パターン24上に設けられている。ソルダーレジスト層10には、複数の開口部28が設けられており、少なくとも1つの開口部28内には、導体回路パターン24の導電部の一部が位置している。半導体素子60は、ダイアタッチ材62を介してソルダーレジスト層10の上に固定される。
半導体素子60にはその表面に電気的な接続パッド(不図示)が設けられており、接続パッドはたとえば半導体素子60の内部に作り込まれた回路に接続されている。回路基板20に設けられた導体回路パターン24の一部分であるランド244は、ソルダーレジスト層10の開口部28に設けられている。そして、ランド244と、半導体素子60の接続パッドとは、ボンディングワイヤ50によって接続されている。なお、図4に示す本実施形態に係る半導体パッケージ102では、ランド244の上にめっき膜246がさらに設けられており、ランド244はめっき膜246を介してボンディングワイヤ50に接続されているが、これに限定されない。また、ボンディングワイヤ50で接続される代わりにリード線や半田により接続されていても良い。
封止樹脂40は、回路基板20の上面の表面に露出したソルダーレジスト層10と、基板22と、めっき膜246(めっき膜246を設けない場合はランド244)と、半導体素子60のうちダイアタッチ材62で回路基板20と接合された面以外の面と、ボンディングワイヤ50とを覆っている。なお、封止樹脂40は回路基板20の半導体素子60が設けられた面の全面を覆っていても良いし、当該面の一部を露出させて覆っていても良い。
半導体パッケージ102の回路基板20には、上面とは反対側の面(以下では「下面」と呼ぶ)にさらに複数の開口部28と、開口部28の内部のランド244が設けられている。そして、それぞれのランド244はめっき膜246に覆われ、さらにめっき膜246を覆う半田ボール30が設けられている。ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、これに限定されず、ワイヤボンディングやTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
本実施形態の半導体パッケージ102は、ソルダーレジスト層10の、封止樹脂40と接する表面が、上述の最大高さ粗さおよび算術平均粗さRaを有している。そのため、ソルダーレジスト層10と封止樹脂40との密着性に優れる。これにより、本実施形態の半導体パッケージ102は優れた電気的信頼性を備える。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
表1に記載の成分を使用して、ワニス状の樹脂組成物AおよびBを調整した。まず、表1に従い配合された各成分の原料(黒色酸化チタン除く)を溶剤1に溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌することによりワニスを得た。その後、得られたワニス中に黒色酸化チタンを配合し、超音波分散方式により1時間攪拌することにより、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、表1における各成分の配合量を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する配合割合(重量%)として示している。
樹脂組成物の調製に使用した各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−7320)
(溶剤)
溶剤1:メチルイソブチルケトン
溶剤2:シクロヘキサノン
(充填材)
無機充填材1:シリカ(球状、株式会社アドマテックス製、SC4050−J、平均粒子径1.0μm)
無機充填材2:ナノシリカ(株式会社アドマテックス製、YA050C−HHA 平均粒径50〜65nm)
無機充填材3:シリカ(球状、株式会社アドマテックス製、SC4050−HNS、平均粒子径1.0μm)
(シアネート樹脂)
シアネート樹脂1:シアネートエステル樹脂(ロンザ社製、製品名PT−30S、ノボラック型シアネート樹脂
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:テトラフェニルホスホニウムのビス(ナフタレン−2,3−ジオキシ)フェニルシリケート付加物(住友ベークライト株式会社製)
(着色剤)
着色剤1:緑色染料(日本化薬社製、Kayaset Green A−B)
着色剤2:黒色染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)
(カップリング剤)
カップリング剤1:エポキシシランカップリング剤(GE東芝シリコーン株式会社製、A−187)
(レベリング剤)
レベリング剤1:ビックケミー・ジャパン株式会社製、BYK−361N
Figure 2019179844
(キャリア付樹脂膜の作製)
(実施例A1)
上述の樹脂組成物Aをキャリア基材に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、厚さ30μmの樹脂膜を形成した。これにより、キャリア付樹脂膜を得た。使用したキャリア基材は以下であった。
キャリア基材:MT18SD−H−T3(三井金属鉱業株式会社製、銅箔、3μm厚、Rz=2.0μm)
(実施例A2)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例A1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:ルミマット#200トレス(パナック株式会社製、PETフィルム、50μm厚、Rz=4.2μm)
(実施例A3)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例A1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:3EC−M3−VLP(三井金属鉱業株式会社製、銅箔、18μm厚、Rz=5.5μm)
(比較例A1)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例A1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:ルミラーR75(東レ株式会社製、PET、38μm厚、Rz=0.5μm)
(比較例A2)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例A1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:GTS−MP(古川電気工業株式会社製、銅箔、18μm厚、Rz=7.0um)
(実施例B1)
上述の樹脂組成物Bをキャリア基材に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、厚さ30μmの樹脂膜を形成した。これにより、キャリア付樹脂膜を得た。使用したキャリア基材は以下であった。
キャリア基材:MT18SD−H−T3(三井金属鉱業株式会社製、銅箔、3μm厚、Rz=2.0μm)
(実施例B2)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例B1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:ルミマット#200トレス(パナック株式会社製、PETフィルム、50μm厚、Rz=4.2μm)
(実施例B3)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例B1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:3EC−M3−VLP(三井金属鉱業株式会社製、銅箔、18μm厚、Rz=5.5μm)
(比較例B1)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例B1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:ルミラーR75(東レ株式会社製、PET、38μm厚、Rz=0.5μm)
(比較例B2)
キャリア基材として、以下を使用した以外は、実施例B1と同様にして、キャリア付樹脂膜を作製した。
キャリア基材:GTS−MP(古川電気工業株式会社製、銅箔、18μm厚、Rz=7.0um)
(表面粗さの測定)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材を剥離した樹脂膜の表面粗さを、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いて測定した。最大高さ粗さRzおよび算術平均粗さRaを表2に示す。
(ガラス転移温度の測定)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材を剥離したものを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅8mm×長さ50mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、DMS6100)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行った。次いで、得られた測定結果から、ガラス転移温度(℃)を算出した。ガラス転移温度は、tanδのピーク値から判定した。結果を表2に示す。
(樹脂付き基板の作製)
まず、金属張積層板上にキャリア付き樹脂膜からキャリア基材を剥離した樹脂膜を積層し200℃、1hで硬化させ、樹脂付き基板を作製した。
(表面傷)
前述で得られた樹脂付き基板について、以下の条件にて表面の傷付きやすさを評価した。
まず、直径3.1cm、46gの重りに、2cm角にカットした#500研磨紙を貼りつけたものを用意した。上記で得られた基板に対して、研磨紙と積層体表面とが接するように重りを配置し、アプリケーター塗工機にて、この重りを移動させた。
移動後の積層体の表面について、以下に示す基準にて傷の付きやすさを評価した。
◎:目視では目立った傷が観察されない。
○:わずかに傷が観察されるが、製品品質上問題のない程度である。
×:目立った傷が観察される。
(シェア強度)
低圧トランスファー成形機(山城精機社製、「AV−600−50−TF」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間180秒の条件で、樹脂付き基板上に2.0mm□×6mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。続いて、自動ダイシェア測定装置(ノードソン・アドバンスド・テクノロジー社製、DAGE4000型)を用いて、室温にて試験片とフレームとのダイシェア強度を測定した。10個の試験片のダイシェア強度の平均値を表2に示す。
Figure 2019179844
各実施例のキャリア付樹脂膜は所望の表面粗さを有していた。各実施例のキャリア付樹脂膜を用いて作製した樹脂付き基板はいずれも、表面回路基板として使用するために好適な物性を備えていた。
10 樹脂層(ソルダーレジスト層)
12 キャリア基材
20 回路基板
22 基板
24 導体回路パターン
28 開口部
30 半田ボール
40 封止樹脂
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
100 樹脂シート
102 半導体パッケージ
244 ランド
246 メッキ膜

Claims (13)

  1. ソルダーレジスト形成用の樹脂シートであって、
    キャリア基材と、
    前記キャリア基材の一方の面に設けられた、ソルダーレジスト用樹脂組成物からなる樹脂層と、を備え、
    下記の測定条件1に従って測定される前記樹脂層の界面の最大高さ粗さRzが1.0μm以上6.0μm以下である、樹脂シート。
    (測定条件1)
    下記の測定面について、JIS B 0601−2001に従って測定した最大高さ粗さを、樹脂層の界面の最大高さ粗さRzとする。
    (測定面)
    当該樹脂シートを温度120℃で1時間熱処理して、前記樹脂層を硬化する。次いで、前記硬化樹脂層から前記キャリア基材を剥離する。前記硬化樹脂層の、前記キャリア基材と接していた面を測定面とする。
  2. 下記の測定条件2に従って測定される前記樹脂層の界面の算術平均粗さRaが、0.07μm以上1.0μm以下である、請求項1に記載の樹脂シート。
    (測定条件2)
    前記測定面について、JIS B 0601−2001に従って測定した算術平均粗さを、樹脂層の界面の算術平均粗さRaとする。
  3. 前記キャリア基材は、銅箔である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
  4. 前記キャリア基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1または2に記載の樹脂シート。
  5. 前記ソルダーレジスト用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、充填材とを含む、請求項1から4のいずれかに記載の樹脂シート。
  6. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含む、請求項5に記載の樹脂シート。
  7. 前記熱硬化性樹脂は、シアネート樹脂をさらに含む、請求項6に記載の樹脂シート。
  8. 前記充填材は、シリカを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂シート。
  9. 表面に導体回路パターンが形成された基板と、
    前記基板の表面上に形成されたソルダーレジスト層と、を備える回路基板であり、
    前記ソルダーレジスト層が、ソルダーレジスト用樹脂組成物からなる樹脂層の硬化物で構成され、
    前記樹脂層の硬化物の前記基板に接した面とは反対側の表面の、JIS B 0601−2001に従って測定した最大高さ粗さRzが、1.0μm以上6.0μm以下である、回路基板。
  10. 前記樹脂層の硬化物の前記基板に接した面とは反対側の表面の、JIS B 0601−2001に従って測定した算術平均粗さRaが、0.07μm以上1.0μm以下である、請求項9に記載の回路基板。
  11. 前記樹脂層の硬化物のガラス転移温度が180℃以上である、請求項9または10に記載の回路基板。
  12. 非感光性の絶縁層をさらに備える、請求項9〜11のいずれかに記載の回路基板。
  13. 請求項9〜12のいずれかに記載の回路基板と、
    前記回路基板上に設けられた半導体素子と、
    前記回路基板の少なくとも一方の面および前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備える半導体パッケージ。
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