JP6413437B2 - 配線基板の製造方法、および半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は配線基板の製造方法、および半導体パッケージの製造方法に関する。
半導体パッケージにおいては、耐久性の向上が求められている。半導体パッケージの信頼性を確保するためには、たとえば特許文献1のように配線基板の耐久性を向上させる技術があり、このように半導体パッケージを構成する個々の部品ごとの検討が行われていた。一方、本発明者は、このような個々の部品ごとの検討では限界があり、より高いレベルの性能を得るためには不十分であることを見出した。そして、部品の枠を越えて鋭意検討した結果、配線基板のソルダーレジストと、封止樹脂との密着性を高めることが重要であるということを新たに見出した。
しかし、さらに検討を進める中で、耐久性の高い半導体パッケージを歩留まり良く製造することは難しかった。
特開2012−41396号公報
配線基板には、上に種々のパーツが搭載され、一括封止されてパッケージが製造される。
本発明は、耐久性に優れたパッケージを歩留まり良く実現できる配線基板を提供するものである。
本発明によれば、
少なくとも1つの表面に導電パターンを有するコア基板を準備する工程と、
前記導電パターン上に絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の表面および前記開口部をデスミア処理する工程と、
前記開口部にめっき膜を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜および前記めっき膜の表面をプラズマ処理する工程とをこの順に含み、
前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
前記プラズマ処理する工程では、前記絶縁性樹脂膜をエッチングすることなくプラズマ処理し、
前記プラズマ処理する工程後における前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.5μm以下とする、配線基板の製造方法
が提供される。
本発明によれば、
少なくとも1つの表面に導電パターンを有するコア基板を準備する工程と、
前記導電パターン上に絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の表面および前記開口部をデスミア処理する工程と、
前記開口部にめっき膜を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜および前記めっき膜の表面をプラズマ処理する工程と、
前記絶縁性樹脂膜上に半導体素子を配設する工程と、
露出した、前記絶縁性樹脂膜および前記半導体素子を封止樹脂で覆うよう封止する工程とをこの順に含み、
前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
前記プラズマ処理する工程では、前記絶縁性樹脂膜をエッチングすることなくプラズマ処理し、
前記プラズマ処理する工程後における前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.5μm以下とする、半導体パッケージの製造方法
が提供される。
本発明によれば、耐久性に優れたパッケージを歩留まり良く実現できる配線基板が提供される。
実施形態に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態における配線基板の構造の例を示す模式図である。 配線基板の製造方法の一例を示す模式図である。 実施形態に係る半導体パッケージの構造の一例を示す断面模式図である。 実施形態に係る電子装置の構造の一例を示す断面模式図である。 実施形態に係る絶縁性樹脂膜の表面形態の例を模式的に示す断面図である。 実施形態に係るキャリア付樹脂膜の一例を示す断面図である。 走査型電子顕微鏡で観察した実施例1に係る絶縁性樹脂膜表面の形態を示す図である。 走査型電子顕微鏡で観察した比較例1に係る絶縁性樹脂膜表面の形態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。図2は本実施形態に係る配線基板20の構造の一例を示す模式図である。図3は、本実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す模式図である。
本実施形態に係る配線基板の製造方法は、コア基板22を準備する工程(S102)、導電体パターン24上に絶縁性樹脂膜10を積層する工程(S104)、開口部を形成する工程(S106)、デスミア処理する工程(S108)、めっき膜246を形成する工程(S110)、およびプラズマ処理する工程(S112)をこの順に含む。コア基板22を準備する工程(S102)では少なくともひとつの表面に導電体パターン24を有するコア基板22を準備する。開口部を形成する工程(S106)では、絶縁性樹脂膜10の所定の領域に導電体パターン24の一部を露出させる開口部28を形成する。デスミア処理する工程(S108)では、絶縁性樹脂膜10の表面及び開口部28をデスミア処理する。めっき膜246を形成する工程(S110)では、開口部28にめっき膜246を形成する。プラズマ処理する工程(S112)では、絶縁性樹脂膜10およびめっき膜246の表面をプラズマ処理する。開口部を形成する工程(S106)は、絶縁性樹脂膜10のうち、開口部28とする領域にレーザー光を照射する工程を含む。プラズマ処理する工程(S112)では、絶縁性樹脂膜10をエッチングすることなくプラズマ処理する。以下に詳細に説明する。
本実施形態に係る配線基板の製造方法によれば、開口部を形成した後、デスミア処理、めっき膜形成、プラズマ処理をこの順に行うことなどによる複合的な効果で、封止剤(封止樹脂)との密着性に優れる配線基板を歩留まり良く製造できる。理由は定かではないが、配線基板の表面の化学状態や、形態が、適切になるためと考えられる。
本実施形態に係る配線基板の製造方法によって得られる配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24は、コア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は、配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、たとえば複数の開口部28が設けられており、少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。
コア基板22は少なくとも1つの絶縁層を含む基板である。コア基板22が備える絶縁層はたとえば繊維基材に樹脂組成物を含浸してなる樹脂基材である。
コア基板22は熱硬化性樹脂からなるものとすることができる。コア基板22はリジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。
また、コア基板22は、1つの絶縁層のみを有し、その片面のみに導電体パターン24が形成された片面板でも良いし、1つの層のみを有し、その表裏面の両方に導電体パターン24が設けられた両面板でも良いし、2層以上の絶縁層を有する多層板でもよい。コア基板22が多層板である場合、コア基板22内には2つの絶縁層に挟まれた配線層が一層以上形成される。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の1つの表面(最外面)に設けられた導電体パターン24は、反対側の表面(最外面)に設けられた導電体パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホールを介して互いに電気的に接続されている。
コア基板22のおもて面と裏面の少なくとも一方の表面(最外面)には、導電体パターン24が設けられている。導電体パターン24はたとえばコア基板22に積層された銅膜を選択エッチングして形成されたパターンである。導電体パターン24は、導電部としてランド244とライン242とを含む。ランド244は主に、配線基板20に実装される素子や部品と導電体パターン24とを電気的に接続する接続部であり、たとえば導電体パターン24の他の部分もしくはコア基板22内の配線層に接続された、円形や四角形の部分である。なお、ランド244の中心には電子部品の端子等を挿入するホールが設けられていても良い。そして、ライン242は主に、ランド244同士を互いに電気的に接続する線状の部分である。
配線基板20において、導電体パターン24上には、絶縁性樹脂膜10が積層されている。絶縁性樹脂膜10はたとえばソルダーレジストである。絶縁性樹脂膜10には、主にランド244が設けられた領域に開口部が設けられており、ランド244は絶縁性樹脂膜10に被覆されていない。すなわち、ランド244の上には絶縁性樹脂膜10が設けられておらず、ランド244が露出している。なお、ランド244の上には、たとえばニッケルおよび金のめっき膜や半田のめっき膜などの導電膜が積層されていてもよい。ただし、絶縁性樹脂膜10にはさらにランド244以外の部分に開口部が設けられていても良いし、ライン242の一部を露出させるような開口部があってもよい。また、ランド244の全てが開口部に位置する必要は無く、絶縁性樹脂膜10に覆われたランド244があってもよい。
プラズマ処理する工程(S112)の後において、得られる配線基板20の絶縁性樹脂膜10は、その表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上であることが好ましく、0.25μm以上であることがより好ましい。また、Raは0.50μm以下とすることが好ましく、0.40μm以下とすることがより好ましい。算術平均粗さRaはJIS−B0601に準拠して測定することができる。Raが上記下限以上、上限以下であることによって、温度変化による、絶縁性樹脂膜10と封止樹脂との密着性の変動が小さく、安定した耐久性が得られる。また、Raが上記上限以下であれば、絶縁性樹脂膜10上に液状封止樹脂の転写を行う場合に、高いパターニング精度が得られる。よって、トランスファー成形などに限らず、プロセスの選択自由度に優れる。たとえばパターニング精度が十分得られない場合、絶縁性樹脂膜上の不要な部分に封止樹脂が形成されてしまい、パッケージが不良となるため、塗布法や転写法での封止樹脂の成形ができない。従って、Raが上記上限以下、下限以上であることにより、パターニング精度との耐久性の性能バランスの良い配線基板を実現できる。また、上記上限以上、下限以下であることにより、高温下での密着性の低下が確実に抑制される。
絶縁性樹脂膜10のTgは、たとえば150℃以上であることが好ましい。これにより、絶縁性樹脂膜10の耐熱性および耐リフロー性の向上等を図ることが可能となる。一方で、上記Tgの上限値は、とくに限定されないが、たとえば280℃とすることができる。
絶縁性樹脂膜10の25℃における貯蔵弾性率は1GPa以上であることが好ましく、5GPa以上であることがより好ましい。また、20GPa以下であることが好ましい。上記上限以下、下限以上であれば、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20をより確実に実現できる。また、当該貯蔵弾性率が上記下限以上であれば、反りなどに対する耐性に優れる配線基板が得られる。
本実施形態において、上記貯蔵弾性率および上記Tgは、たとえば動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行うことにより得られる測定結果から、算出することができる。動的粘弾性測定装置としては、とくに限定されないが、たとえばTAインスツルメント社製、DMA983を用いることができる。
絶縁性樹脂膜10の線熱膨張率は、Tg以下において、10ppm/℃以上であることが好ましい。また、50ppm/℃以下であることが好ましい。上記上限以下、下限以上であれば、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20をより確実に実現できる。
本実施形態においては、たとえば熱機械測定装置を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定することにより得られる線膨張係数の、25〜50℃における平均を算出して、これをTg以下における上記線膨張率とすることができる。
なお、本実施形態では、たとえば後述する熱硬化性樹脂組成物(P)中に含まれる各成分の種類や配合量、熱硬化性樹脂組成物(P)の調製方法等を適切に選択することにより、上記貯蔵弾性率、上記Tg、および上記線熱膨張率を制御することが可能である。
配線基板20はたとえばインターポーザもしくはマザーボードとして用いることができる。
パッケージや電子装置の製造のためには、配線基板上に封止樹脂を形成する。上述のような配線基板20を用いたパッケージ等の完成品においては、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との間の高い密着性を、歩留まり良く確保できる。よって、耐久性、耐湿性に優れ、信頼性の高いパッケージや電子装置を安定して製造することができる。なお、パッケージとは、配線基板上に種々のパーツが搭載され、たとえば封止樹脂で一括封止されたものをいう。半導体パッケージはパッケージの一例であり、パッケージには、一括封止されたECU(Electric Control Unit)等も含む。
次に、本実施形態に係る半導体パッケージ102について説明する。
図4は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態に係る半導体パッケージ102は、配線基板20、半導体素子60、および封止樹脂40を備える。半導体素子60は配線基板20上に配設されている。封止樹脂40は、配線基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24はコア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は、配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられており、少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。以下に詳細に説明する。
本実施形態に係る半導体パッケージ102では、上述した配線基板20の一方の面(以下では「上面」と呼ぶ)の絶縁性樹脂膜10の上に、少なくとも1つの半導体素子60が配設されている。半導体パッケージ102において、配線基板20はたとえばインターポーザであり、半導体素子60はたとえば半導体ウエハから切り出されたLSIチップである。また、配線基板20の上面には半導体素子60に加えて、たとえば抵抗や容量として機能する電子部品などがさらに配設されていてもよい。半導体素子60はダイアタッチ材62を介して絶縁性樹脂膜10の上に固定されている。
半導体素子60にはその表面に電気的な接続パッド(不図示)が設けられており、接続パッドはたとえば半導体素子60の内部に作り込まれた回路に接続されている。配線基板20に設けられた導電体パターン24の一部分であるランド244は、絶縁性樹脂膜10の開口部28に設けられている。そして、ランド244と、半導体素子60の接続パッドとは、ボンディングワイヤ50によって接続されている。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102では、ランド244の上にめっき膜246がさらに設けられており、ランド244はめっき膜246を介してボンディングワイヤ50に接続されている。また、ボンディングワイヤ50で接続される代わりにリード線や半田により接続されていても良い。
封止樹脂40は、配線基板20の上面の表面に露出した絶縁性樹脂膜10と、コア基板22と、めっき膜246と、半導体素子60のうちダイアタッチ材62で配線基板20と接合された面以外の面と、ボンディングワイヤ50とを覆っている。なお、封止樹脂40は配線基板20の半導体素子60が設けられた面の全面を覆っていても良いし、当該面の一部を露出させて覆っていても良い。
半導体パッケージ102の配線基板20には、上面とは反対側の面(以下では「下面」と呼ぶ)にさらに複数の開口部28と、開口部28の内部のランド244が設けられている。そして、それぞれのランド244はめっき膜246に覆われ、さらにめっき膜246を覆う半田ボール30が設けられている。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、これに限定されず、ワイヤボンディングやTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
半導体パッケージ102において、絶縁性樹脂膜10と封止樹脂40との間の、25℃におけるせん断強度をSとしたとき、Sは15N/mm以上であることが好ましく、29N/mm以上であることがより好ましい。上記下限以上であれば、密着性に優れ、半導体パッケージの耐久性がより確実に向上する。
半導体パッケージ102において、絶縁性樹脂膜10と封止樹脂40との間の、260℃におけるせん断強度をSとしたとき、Sは8N/mm以上であることが好ましい。上記下限以上であれば、半導体パッケージの耐久性がより確実に向上する。高温環境下での使用や、回路動作における発熱で半導体パッケージの温度が上がっても高い密着性が保たれるからである。
さらに、半導体パッケージ102において、S/Sは0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。また、S/Sは0.9以下とすることができる。S/Sが上記下限以上であれば、半導体パッケージの耐久性がより確実に向上する。高温下での密着性の低下が効果的に抑制されるからである。
各温度におけるせん断強度はたとえばせん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて測定することができる。
次に、本実施形態に係る電子装置70について説明する。
図5は、本実施形態に係る電子装置70の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態に係る電子装置70は、半導体パッケージ102を備える。半導体パッケージ102は、配線基板20、半導体素子60、および封止樹脂40を備える。半導体素子60は配線基板20上に配設されている。封止樹脂40は、配線基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24は、コア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられている。少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。以下に詳細に説明する。
電子装置70では、配線基板であるマザーボード710上に少なくとも1つの半導体パッケージ102が配設されている。マザーボード710は、上述した配線基板20であっても良いし、異なる配線基板であっても良い。半導体パッケージ102は、上述した配線基板20を含む半導体パッケージ102である。マザーボード710上には、半導体パッケージ102に加えてコネクタ、抵抗、容量などの必要な電子部品720が1つ以上配設されていても良い。
マザーボード710上に配設された半導体パッケージ102や、その他の電子部品720などは、半田ボール30によって、マザーボード710の導電体パターン712のうち露出した導電部714に接続されている。半導体パッケージ102や電子部品720はマザーボード710に設けられた導電体パターン712により互いに接続され、電子回路を構成する。
本実施形態に係る配線基板20の絶縁性樹脂膜10について以下に説明する。
図6は、本実施形態に係る絶縁性樹脂膜10のプラズマ処理する工程(S112)後の表面形態の例を模式的に示す断面図である。
絶縁性樹脂膜10はフィラー120を含むことが好ましい。また、フィラー120はシリカを含むことが好ましい。本図では、フィラー120が球状シリカである例を示している。
本実施形態に係る絶縁性樹脂膜10のプラズマ処理する工程(S112)後の表面130には、本図のようにフィラー120の一部分が突出した突出部が存在することが好ましい。詳しくは、絶縁性樹脂膜10の表面130では、少なくとも1つのフィラー120の、一部分が絶縁性樹脂膜10に埋設され、他部分が露出して突出していることが好ましい。
また、本実施形態に係る絶縁性樹脂膜10の当該表面130には、フィラー120が離脱して形成されたクレーター状の凹部110が設けられていることが好ましい。凹部110は、絶縁性樹脂膜10に含まれるフィラーと同じ曲率半径の曲面からなる。凹部110の深さは特に制限されないが、主にフィラーの半径以下である。
また、当該表面130には、上記のフィラーの突出部と、凹部110とのいずれか一方のみが存在しても良いが、上記のフィラーの突出部と、凹部110がいずれも存在することがより好ましい。このような表面形態とすることで、より確実に耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20を得られる。
本実施形態に係る絶縁性樹脂膜10はたとえば以下の様な熱硬化性樹脂組成物(P)からなるものとすることができるが、特に限定されない。
(エポキシ樹脂(A))
熱硬化性樹脂組成物(P)は主にエポキシ樹脂(A)を含むことができる。エポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、絶縁性樹脂膜10の低線膨張化および高弾性率化を図ることもできる。また、配線基板20の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージ102における耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがとくに好ましい。
本実施形態においては、以下の式(1)に示すエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(A)として含むことが、好ましい態様の一例として挙げられる。
(式(1)中、nは0〜10の整数であり、RおよびRは互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基である)
エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成される絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性の向上に寄与することができる。一方で、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成される絶縁性樹脂膜10の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。なお、熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物(P)中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
(フィラー(B))
熱硬化性樹脂組成物(P)は、フィラー(B)を含むことが好ましい。フィラー(B)としてはたとえば球状シリカ、および破砕シリカが挙げられる。絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、フィラー(B)は、たとえば溶融シリカである。フィラー(B)はフィラー120として絶縁性樹脂膜10に含まれることとなる。
フィラー(B)として、平均粒径が2nm以上100nm以下である微粒子シリカを熱硬化性樹脂組成物(P)中に含むことがより好ましい。これにより、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させることができる。平均粒径が2nm以上100nm以下である微粒子シリカと、平均粒径が100nm超過のシリカをともに熱硬化性樹脂組成物(P)中に含むことが、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させるうえで好ましい態様の一例として挙げられる。
なお、フィラー(B)の平均粒径は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
フィラー(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。フィラー(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られる絶縁性樹脂膜10の耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。また、絶縁性樹脂膜10を低線膨張化および高弾性率化させ、得られる半導体パッケージ102の反り低減に寄与することも可能である。一方で、フィラー(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して95質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。フィラー(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させることが可能となる。
(シアネート樹脂(C))
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえばシアネート樹脂(C)を含むことができる。これにより、絶縁性樹脂膜10について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
シアネート樹脂(C)は、たとえばノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、絶縁性樹脂膜10の低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、ノボラック型シアネート樹脂およびナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成される絶縁性樹脂膜10のより効果的な低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。また、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性の向上に寄与することができる。一方で、シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成される絶縁性樹脂膜10の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
(硬化促進剤(D))
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば硬化促進剤(D)を含むことができる。これにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類はとくに限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤(D)として、たとえばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
硬化促進剤(D)として用いられるオニウム塩化合物は、とくに限定されないが、たとえば下記一般式(2)で表される化合物を用いることができる。
(式(2)中、Pはリン原子、R、R、RおよびRは、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す)
硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の保存性を向上させることができる。
(E)着色剤
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば着色剤(E)を含むことができる。着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、顔料、および色素から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、開口部の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことがより好ましく、緑色染料を含むことがとくに好ましい。緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
着色剤(E)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られる絶縁性樹脂膜10の開口部の視認性や隠蔽性をより効果的に向上させることができる。一方で、着色剤(E)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性等をより効果的に向上させることが可能となる。
(その他の成分)
熱硬化性樹脂組成物(P)には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、硬化剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。硬化剤としては、たとえばフェノール樹脂、ナフトール型ノボラック樹脂等が挙げられる。感光剤としては、たとえば感光性ジアゾキノン化合物が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂組成物(P)はほかに、基板と絶縁性樹脂膜との密着性向上、および封止樹脂と絶縁性樹脂膜との密着性向上の観点から、ポリビニルアセタール樹脂を含んでも良い。ポリビニルアセタール樹脂としてはたとえばポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセトアセタール樹脂などが挙げられる。
(溶剤)
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば溶剤を含むことができる。溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)がワニス状である場合において、熱硬化性樹脂組成物(P)の固形分含有量は、たとえば30質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた熱硬化性樹脂組成物(P)が得られる。なお、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(P)はほかに、たとえばガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含んでもよい。これにより、剛性を向上させることができ、配線基板の反りが抑えられる。
熱硬化性樹脂組成物(P)がフィルム状である場合には、上記動的粘弾性試験における熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られる樹脂膜として、このフィルム状熱硬化性樹脂組成物(P)をそのまま用いることができる。一方で、熱硬化性樹脂組成物(P)がワニス状である場合には、このワニス状熱硬化性樹脂組成物(P)を成膜して得られた熱硬化性樹脂膜に対し、溶剤除去処理を行ったものを、上記動的粘弾性試験における熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られる樹脂膜として使用することができる。この溶剤除去処理は、熱硬化性樹脂膜の溶剤含有率が熱硬化性樹脂膜全体に対して5質量%以下となる条件で行われる。また、処理後の熱硬化性樹脂膜は、170℃、2分の熱処理前後における重量変化率が5質量%以下となる。本実施形態においては、たとえば100〜160℃、5分〜60分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。
次に、キャリア付樹脂膜100について説明する。
図7は、本実施形態に係るキャリア付樹脂膜100の一例を示す断面図である。キャリア付樹脂膜100は、絶縁性樹脂膜10を形成するのに用いられる。本図に示すように、キャリア付樹脂膜100は、たとえばキャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられた絶縁性樹脂膜10と、を備える。絶縁性樹脂膜10は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成される。このため、上述したように、キャリア付樹脂膜100を用いて形成される絶縁性樹脂膜10を備える半導体パッケージ等の信頼性を向上させることができる。
キャリア付樹脂膜100は、たとえばキャリア基材12上にワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)を塗布して塗布膜を形成した後、当該塗布膜に対して溶剤除去処理を行うことによって絶縁性樹脂膜10を形成することにより製造することができる。溶剤除去処理は、たとえば塗布膜の溶剤含有率が塗布膜全体に対して5質量%以下となる条件で行われる。また、処理後の塗布膜は、たとえば170℃、2分の熱処理前後における重量変化率が5質量%以下となる。キャリア基材12は、とくに限定されないが、たとえばPET(Poly ethylene terephthalate)や銅箔により構成される。また、絶縁性樹脂膜10の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上300μm以下とすることができる。これにより、ソルダーレジストの形成に適した絶縁性樹脂膜10を実現することができる。
次に、図1および図3を参照して、配線基板20の製造方法について詳しく説明する。
本実施形態に係る配線基板の製造方法は、コア基板22を準備する工程(S102)、絶縁性樹脂膜10を積層する工程(S104)、開口部を形成する工程(S106)、デスミア処理する工程(S108)、めっき膜246を形成する工程(S110)、およびプラズマ処理する工程(S112)をこの順で含む。
まず、コア基板22を準備する工程(S102)では、図3(a)のように表裏の少なくとも一方の最外面に導電体パターン24が設けられたコア基板22を準備する。次いで、絶縁性樹脂膜10を積層する工程(S104)では、コア基板22の導電体パターン24上に絶縁性樹脂膜10を積層する。本工程では、まず図3(b)のようにコア基板22の導電体パターン24が設けられた面上に、絶縁性樹脂膜10がコア基板22と対向するようキャリア付樹脂膜100を貼付する。キャリア付樹脂膜100の貼付は、たとえばキャリア付樹脂膜100を導電体パターン24上に積層した後、これを真空加熱加圧成形することにより行うことができる。次いで、キャリア基材12を、絶縁性樹脂膜10から剥離する。これにより、コア基板22に、導電体パターン24を覆うように、絶縁性樹脂膜10が形成されることとなる。なお、キャリア付樹脂膜100を用いて絶縁性樹脂膜10を積層する代わりに、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)を導電体パターン24上に塗布し、乾燥させて絶縁性樹脂膜10を積層しても良い。
次いで、開口部を形成する工程(S106)では、図3(c)のように導電体パターン24上の絶縁性樹脂膜10の所定の位置に開口部28を設ける。開口部28は主に導電体パターン24のランド244を露出させるように形成する。開口部28の形成方法としてはレーザー加工法を用いることができる。
レーザー加工法では、導電体パターン24上に残存した絶縁性樹脂膜10を熱硬化させた後、開口部28を設けたい領域に直接レーザー光を照射し、レーザー光のエネルギーで絶縁性樹脂膜10を部分的に除去する。この場合、熱硬化性樹脂組成物(P)は感光剤を含む必要が無く、光の透過性にも制限が無いため、熱硬化性樹脂組成物(P)の組成に自由度が増す。そのため、露光現像法を用いる場合よりも、たとえばフィラー(B)の含有量を必要に応じて増やすことができ、低熱膨張率化、高剛性化、高密着性化を図ることができる。
次いで、デスミア処理する工程(S108)では、開口部28の形成などで生じたスミアを除去する。デスミア処理の方法は特に限定されないが、たとえば、以下の様に行うことができる。まず、導電体パターン24や絶縁性樹脂膜10を積層したコア基板22を、有機溶剤を含む膨潤液に浸漬し、次いでアルカリ性過マンガン酸塩水溶液に浸漬して処理する。過マンガン酸塩としてはたとえば過マンガン酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等を用いることができる。過マンガン酸塩として過マンガン酸カリウムを用いる場合、浸漬させる過マンガン酸カリウム水溶液の温度は、45℃以上であることが好ましく、95℃以下であることが好ましい。過マンガン酸カリウム水溶液への浸漬時間は2分以上が好ましく、20分以下が好ましい。温度および浸漬時間が、それぞれ上記上限以下、下限以上であれば、絶縁性樹脂膜10と封止樹脂40との密着性をより確実に向上させることができる。
デスミア処理する工程では、上記の湿式のデスミア処理のみを行うことができるが、上記の湿式の処理に代えて、もしくは加えて、デスミア処理としてプラズマ照射を行っても良い。このとき、処理ガスとしてはたとえばアルゴンガス、Oガス、Oガス、COガス、COガス、NOガス、NOガス、またはフッ素系ガスを用いることができる。ここでもプラズマの条件は、後述するプラズマ処理する工程(S112)と同様とすることができる。
次いで、めっき膜246を形成する工程(S110)では、開口部28に露出した導電体パターン24の導電部を覆うようにめっき膜246を形成する。めっき膜246は、たとえば半田めっき膜や、錫めっき膜や、ニッケルめっき膜の上に金めっき膜を積層した2層構造のめっき膜とすることができる。また、めっき膜246の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば2μm以上10μm以下とすることができる。これにより、ランド244部分を、配線基板20を用いた実装工程においてワイヤボンディングや半田付けに適した接続部とすることができる。
めっき処理の方法は、特に限定されないが、たとえば、電解めっき法または無電解めっき法を用いることができる。無電解めっき法を用いる場合、次の様にめっき膜246を形成することが出来る。なお、ここではニッケルと金の2層からなるめっき膜246を形成する例について説明するが、これに限定されない。まず、ニッケルめっき膜を形成する。無電解ニッケルめっきを行う場合、めっき液に導電体パターン24や絶縁性樹脂膜10を積層したコア基板22を浸漬する。このことで、開口部28に露出した導電体パターン24の導電部の上に、ニッケルめっき膜を形成できる。めっき液は、ニッケル鉛、および還元剤としてたとえば次亜リン酸塩を含んだものを用いることができる。続いて、ニッケルめっき膜の上に無電解金めっきを行う。無電解金めっきの方法は特に限定されないが、たとえば金イオンと下地金属のイオンとの置換により行う置換金めっきで行うことができる。
次いで、プラズマ処理する工程(S112)では、絶縁性樹脂膜10の表面を、プラズマ処理する。プラズマ処理では、たとえば処理ガスとして、アルゴンガス、酸化性ガス、またはフッ素系ガスを用いることができる。酸化性ガスとしてはOガス、Oガス、COガス、COガス、NOガス、NOガスなどが挙げられる。本実施形態におけるプラズマ処理の条件は特に限定されないが、アッシング処理のほか、不活性ガス由来のプラズマに接触させる処理であってよい。なお、絶縁性樹脂膜10のエッチングを伴うプラズマ処理でないことが好ましい。ただしここで、エッチングを伴うプラズマ処理とは、処理対象にバイアス電圧を印加し、かつエッチングガスを処理ガスとして用いるプラズマ処理をいう。つまり、本実施形態に係るプラズマ処理は、処理対象にバイアス電圧を印加せずに行うプラズマ処理、または非反応性ガスを用いて行うプラズマ処理であることが好ましい。なお、処理対象にバイアス電圧を印加しない構成とは、本実施形態において、コア基板22の導電体パターン24およびめっき膜246のいずれにもバイアス電圧を印加しない構成である。また、プラズマ処理中にコア基板22を固定するプラズマ処理装置の試料台等にもバイアス電圧を印加しない。なお、絶縁性樹脂膜10に含まれるフィラーの露出度を上げることのない程度に、本工程(S112)のプラズマ処理によってわずかに絶縁性樹脂膜10の表面が削られても良い。プラズマ処理時間は30秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましい。一方、当該時間は10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましい。上記下限以上、上限以下であれば、パッケージの耐久性をより確実に向上させることができる。
以上の様にして図2の様な本実施形態に係る配線基板20が得られる。
上記のように製造した配線基板20の絶縁性樹脂膜10の表面では、図6のように、少なくともひとつのフィラー120の、一部分が絶縁性樹脂膜10に埋設され、他部分が突出していることが好ましい。
また、製造した配線基板20の絶縁性樹脂膜10の表面には、フィラー120が離脱して形成されたクレーター状の凹部110が形成されていることが好ましい。
また、製造した配線基板20の絶縁性樹脂膜10の表面には、上記のフィラーの突出部と、凹部110とのいずれか一方のみが存在しても良いが、上記のフィラーの突出部と、凹部110がいずれも存在することがより好ましい。このような絶縁性樹脂膜10の表面形態とすることで、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20をより確実に実現できる。
上述のフィラー(B)の含有条件、デスミア処理の条件、めっき処理の条件、プラズマ処理の条件などを複合的に適宜調整することにより、絶縁性樹脂膜10の表面を上記のような形態にすることができる。
次に、図4に例示した半導体パッケージ102の、製造方法について説明する。
本実施形態に係る半導体パッケージ102の製造方法は、コア基板22を準備する工程、絶縁性樹脂膜10を積層する工程、開口部を形成する工程、デスミア処理する工程、めっき膜246を形成する工程、プラズマ処理する工程、半導体素子60を配設する工程、および封止する工程をこの順に含む。コア基板22を準備する工程では、少なくともひとつの表面に導電体パターン24を有するコア基板22を準備する。絶縁性樹脂膜10を積層する工程では、導電体パターン24の上に絶縁性樹脂膜10を積層する。開口部を形成する工程では、絶縁性樹脂膜10の所定の領域に導電体パターン24の一部を露出させる開口部28を形成する。デスミア処理する工程では、絶縁性樹脂膜10の表面および開口部28をデスミア処理する。めっき膜246を形成する工程では、開口部28にめっき膜246を形成する。プラズマ処理する工程では、絶縁性樹脂膜10およびめっき膜246の表面をプラズマ処理する。半導体素子60を配設する工程では、絶縁性樹脂膜10上に半導体素子60を配設する。封止する工程では、露出した、絶縁性樹脂膜10および半導体素子60を、封止樹脂で覆うよう封止する。開口部を形成する工程は、絶縁性樹脂膜10のうち、開口部28とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、プラズマ処理する工程では、絶縁性樹脂膜10をエッチングすることなくプラズマ処理する。
まず、上述した配線基板20の製造方法と同様にして、コア基板22を準備する工程、絶縁性樹脂膜10を積層する工程、開口部を形成する工程、デスミア処理する工程、めっき膜246を形成する工程、およびプラズマ処理する工程を順に行い、配線基板20を準備する。
次いで、半導体素子60を配設する工程では、準備した配線基板20の絶縁性樹脂膜10の上に、半導体素子60を配設する。このときたとえば、ダイアタッチ材62を介して半導体素子60を配線基板20上に搭載する。半導体素子60と配線基板20を接続するボンディングワイヤ50は、たとえば配線基板20の上面の開口部28に露出した導電体パターン24へボンディングする。次いで、封止する工程では、配線基板20の上面、半導体素子60、およびボンディングワイヤ50を封止樹脂40によって封止する。封止樹脂40としてはたとえばエポキシ樹脂組成物を用いることができる。封止樹脂40でモールドする方法としては、トランスファー成形法、射出成形法、転写法、塗布法などを用いることができる。封止樹脂40をたとえば150℃以上200℃以下で加熱することにより硬化させる。
また、配線基板20に外部接続端子である半田ボール30が設けられる例においては、たとえば下面側の開口部28に露出した導電体パターン24上に、半田ボール30を形成する。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、半導体パッケージ102はこれに限定されず、ワイヤボンディングやTAB接続されるパッケージでもよい。
図5に例示した電子装置70は上述のように得られた半導体パッケージ102をマザーボード710上にその他の電子部品720と共に実装することで得られる。半導体パッケージ102および電子部品720は接続部716や半田ボール30などの接続端子をそれぞれ1つ以上有し、接続端子において、マザーボード710の導電体パターン712のうち露出した導電部714に電気的に接続される。接続端子と導電部714との接続は、たとえば次の様に行うことができる。まず、マザーボード710の露出した導電部714の必要箇所に、半田ペーストを印刷する。ここで、半導体パッケージ102が半田ボール30を有する場合は、半田ボール30を接続する導電部714には半田ペーストの印刷は不要である。次いで、マザーボード710上の所定の位置に電子部品720および半導体パッケージ102を配置する。その後、半導体パッケージ102や電子部品720を乗せたマザーボード710をリフロー炉に導入し、リフロー処理(加熱処理)する。リフロー処理により印刷された半田ペーストや半田ボール30が溶かされ、その後冷却することで、半導体パッケージ102および電子部品720がそれぞれマザーボード710に半田づけされる。
本実施形態に係る電子装置70の製造方法は、加熱処理工程を含む。加熱処理はたとえばリフロー処理である。たとえば半導体パッケージ102がワイヤボンディングでマザーボード710に接続されるパッケージである場合にも、電子部品720を表面実装するために加熱処理が行われうる。よって、加熱処理を経た後においても、絶縁性樹脂膜10と封止樹脂40の間の接合強度が十分高ければ、より確実にパッケージの耐久性を向上させることができる。
また、電子装置70は高湿度下で使用されることがある。その様な場合にも、絶縁性樹脂膜10と封止樹脂40の間の接合強度が十分高ければ、より確実にパッケージの耐久性を向上させることができる。
そして、電子装置70に含まれる半導体パッケージ102が耐久性、耐湿性に優れることにより、信頼性の高い電子装置70を得ることができる。なお、電子装置70はさらに封止樹脂で一括封止してもよい。マザーボード710が、上述した配線基板20であって、電子装置70が一括封止されている場合、電子装置70をパッケージとして製造しうる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態に係る配線基板の製造方法によって、耐久性に優れたパッケージを歩留まり良く実現できる配線基板を得られる。本実施形態に係る配線基板の製造方法によれば、パッケージにおける封止樹脂との密着性に優れる配線基板を歩留まり良く製造することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 少なくとも1つの表面に導電パターンを有するコア基板を準備する工程と、
前記導電パターン上に絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の表面および前記開口部をデスミア処理する工程と、
前記開口部にめっき膜を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜および前記めっき膜の表面をプラズマ処理する工程とをこの順に含み、
前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
前記プラズマ処理する工程では、前記絶縁性樹脂膜をエッチングすることなくプラズマ処理する、配線基板の製造方法。
2. 1.に記載の配線基板の製造方法において、
前記プラズマ処理する工程では、前記コア基板の前記導電パターンおよび前記めっき膜のいずれにもバイアス電圧を印加しない、配線基板の製造方法。
3. 1.または2.に記載の配線基板の製造方法において、
前記プラズマ処理する工程では、酸化性ガスまたはアルゴンガスによるプラズマ処理を行う、配線基板の製造方法。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の配線基板の製造方法において、
前記プラズマ処理する工程後における前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.5μm以下とする、配線基板の製造方法。
5. 1.から4.のいずれか一つに記載の配線基板の製造方法において、
前記デスミア処理する工程では、前記コア基板を、膨潤液に浸漬した後、45℃以上95℃以下の過マンガン酸カリウム水溶液に浸漬させる、配線基板の製造方法。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載の配線基板の製造方法において、
前記絶縁性樹脂膜の線熱膨張率は、Tg以下において10ppm/℃以上50ppm/℃以下である、配線基板の製造方法。
7. 少なくとも1つの表面に導電パターンを有するコア基板を準備する工程と、
前記導電パターン上に絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の表面および前記開口部をデスミア処理する工程と、
前記開口部にめっき膜を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜および前記めっき膜の表面をプラズマ処理する工程と、
前記絶縁性樹脂膜上に半導体素子を配設する工程と、
露出した、前記絶縁性樹脂膜および前記半導体素子を封止樹脂で覆うよう封止する工程とをこの順に含み、
前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
前記プラズマ処理する工程では、前記絶縁性樹脂膜をエッチングすることなくプラズマ処理する、半導体パッケージの製造方法。
8. 7.に記載の半導体パッケージの製造方法において、
前記絶縁性樹脂膜と、前記封止樹脂との間の、25℃におけるせん断強度をS としたとき、S を15N/mm 以上とする、半導体パッケージの製造方法。
9. 7.または8.に記載の半導体パッケージの製造方法において、
前記絶縁性樹脂膜と、前記封止樹脂との間の、260℃におけるせん断強度をS としたとき、S /S を0.1以上0.9以下とする、半導体パッケージの製造方法。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[1]熱硬化性樹脂組成物(P1)の調整
エポキシ樹脂としてナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)9.5質量%、フィラーとして溶融シリカ粒子(B1)(株式会社アドマテックス製、アドマナノ、平均粒径0.05μm)12.4質量%、フィラーとして溶融シリカ粒子(B2)(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1μm)65.7質量%、着色剤として緑色染料(日本化薬株式会社製、Kayaset Green)0.3質量%、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)10.6質量%、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.3質量%、レベリング剤としてアクリル系樹脂(BYK−Chemie GmbH製、BYK−361N)0.2質量%に、硬化促進剤として2フェニル4メチル5ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MHZ)1.0質量%を添加して、高速撹拌装置を用いて30分間撹拌し、不揮発分が65質量%となるように調整し、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P1)を得た。
[2]キャリア付樹脂膜の作製
次に、キャリア基材および絶縁性樹脂膜からなるキャリア付き樹脂膜を作製した。PETフィルム(ユニチカ株式会社製、TR1T、厚さ38μm)をキャリア基材とし、コンマコーターを用いて乾燥後の絶縁性樹脂膜が20μmとなるようにキャリア基材上に上記[1]で得られた熱硬化性樹脂組成物(P1)を塗工し、これを2枚、絶縁性樹脂膜同士が向かい合うように貼り合わせた後に片面のキャリア基材を剥離し、160℃の乾燥装置で60分間乾燥して、キャリア付樹脂膜1を作製した。
[3]絶縁性樹脂膜の評価
上記[2]で得られたキャリア付樹脂膜1のキャリア基材を剥離し、キャリア基材を除去した絶縁性樹脂膜からなる6mm×25mmの試験片を作製した。この試験片について、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製、DMA983)を用いて貯蔵弾性率を測定した。さらに、5℃/分(周波数1Hz)で昇温し、tanδのピーク位置をTgとした。絶縁性樹脂膜の貯蔵弾性率は25℃で15GPaであり、Tgは260℃であった。
次に、絶縁性樹脂膜の線熱膨張率を測定した。上記[2]で得られたキャリア付樹脂膜1からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを2枚積層して、厚さ80μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅5mm×長さ30mm×厚さ90μmに切り出して試験片とした。この試験片に対し、熱機械測定装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で線熱膨張率の測定を行った。次いで、25〜50℃における測定結果の平均を算出し、これをTg以下における線熱膨張率(ppm/℃)とした。本実施例において、Tg以下での線熱膨張率は15ppm/℃であった。
[4]ラミネート
基板として、銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)の銅表面を粗化処理したものを用意した。以下では、基板の銅箔が張られた面側を上面側とする。基板の上面に上記[2]で得られたキャリア付樹脂膜1を重ね合わせた。このとき、キャリア付樹脂膜1のうち、絶縁性樹脂膜側の面を基板に対向させた。これを真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた。キャリア付樹脂膜1のキャリア基材であるPETフィルムを剥離した後、基板を熱風乾燥装置にて160℃で60分間加熱し、さらに200℃で60分間加熱して硬化させた。
[5]開口の形成
次に、銅箔の一部が露出するように、炭酸レーザーを照射することにより、基板上の絶縁性樹脂膜に開口を形成した。
[6]デスミア処理
次に、基板を60℃の膨潤液(アトテック社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテック社製、コンセントレート コンパクト CP)に5分浸漬後、中和し、さらにOガスによるプラズマ照射を5分間行うことで、デスミア処理を行った。このとき、基板にバイアス電圧は印加しなかった。
[7]めっき処理
次に、銅箔の露出部にめっき層を形成した。具体的には、無電解ニッケルめっき層3μmを形成し、さらにその上に無電解金めっき層0.1μmを形成した。
[8]プラズマ処理
次に、絶縁性樹脂膜およびめっき層の形成された基板の上面をプラズマ処理して、積層基板1を得た。プラズマ処理の条件は以下の通りとした。このとき基板にバイアス電圧は印加しなかった。
真空度:20Pa
処理ガス:アルゴンガス
ガス流量:200sccm
電力:200W
時間:2min
[9]絶縁性樹脂膜表面の評価
上記[8]で得た積層基板1における絶縁性樹脂膜の表面を走査型電子顕微鏡で観察した。図8は走査型電子顕微鏡で観察した本実施例に係る絶縁性樹脂膜表面の形態を示す図である。フィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
[10]表面粗さの測定
上記[8]で得た積層基板1における絶縁性樹脂膜の表面粗さを、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いて測定した。その結果、算術平均粗さRaは0.15μm、十点平均粗さRzは1.73μm、二乗平均粗さRMSは0.18μmであった。
[11]密着性の評価
上記[8]で得た積層基板1の絶縁性樹脂膜の表面に封止樹脂としてエポキシ樹脂(住友ベークライト株式会社製、EME−G760SW)を積層し、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との間のせん断強度を測定した。測定のためにまず、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、絶縁性樹脂膜上に、封止樹脂からなる2mm×2mm×2mmの密着強度試験片を10個成形した。その後、175℃で4時間加熱して封止樹脂を硬化させた後、せん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて、硬化した封止樹脂と絶縁性樹脂膜との間のせん断強度を測定した。25℃におけるせん断強度Sと、260℃におけるせん断強度Sを測定した。なお、10個の試験片を測定した平均値をせん断強度とした。25℃におけるせん断強度Sが29N/mm以上の場合を◎、15N/mm以上29N/mm未満の場合を○、15N/mm未満の場合を×として評価した。また、260℃におけるせん断強度Sが8N/mm以上の場合を○、8N/mm未満の場合を×として評価した。また、Sの変動係数およびSの変動係数を求めた。測定結果から、本実施例において、25℃における密着性は◎、260℃における密着性は○と評価した。Sの変動係数は0.04、Sの変動係数は0.15であった。また、得られた結果からS/Sを算出したところ、0.29であった。
[12]熱処理後の密着性の評価
上記[11]と同様に密着強度試験片の形成、硬化をした後、せん断強度を測定する前に、熱処理(リフロー)を行った。熱処理後に、25℃で測定したせん断強度の平均値を、せん断強度Sとする。熱処理として具体的には、積層基板1をリフロー装置により260℃ピークで3回処理した。せん断強度の測定は、上記[11]と同様に行った。せん断強度Sが29N/mm以上の場合を◎、15N/mm以上29N/mm未満の場合を○、15N/mm未満の場合を×として評価した。測定の結果から、本実施例において、熱処理後の密着性は◎と評価した。
[13]熱処理および吸湿処理後の密着性の評価
上記[11]と同様に試験片の形成、硬化をした後、せん断強度を測定する前に、熱処理および吸湿処理この順に行った。熱処理および吸湿処理後に、25℃で測定したせん断強度の平均値を、せん断強度Sとする。熱処理は、上記[12]と同様に行った。吸湿処理は具体的には85℃、60%RHの環境に168時間置いた。せん断強度Sが8N/mm以上の場合を○、8N/mm未満の場合を×として評価した。測定の結果から、本実施例において、熱処理および吸湿処理後の密着性は○と評価した。
(実施例2)
上記[8]において、アルゴンガスの代わりに酸素ガスを用いてプラズマ処理を行った以外は実施例1と同様にして、積層基板2を得た。積層基板2について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板2の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板2の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.16μm、十点平均粗さRzは1.8μm、二乗平均粗さRMSは0.17μmであった。
積層基板2において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.05、Sの変動係数は0.11であり、S/Sは0.33であった。
(実施例3)
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液への浸漬時間を2分とした以外は実施例1と同様にして、積層基板3を得た。積層基板3について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板3の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板3の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.1μm、十点平均粗さRzは1.1μm、二乗平均粗さRMSは0.12μmであった。
積層基板3において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.07、Sの変動係数は0.09であり、S/Sは0.32であった。
(実施例4)
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液への浸漬時間を20分とした以外は実施例1と同様にして、積層基板4を得た。積層基板4について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板4の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板4の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.31μm、十点平均粗さRzは3.4μm、二乗平均粗さRMSは0.34μmであった。
絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.04、Sの変動係数は0.10であり、S/Sは0.36であった。
(実施例5)
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液の温度を45℃とした以外は実施例1と同様にして、積層基板5を得た。積層基板5について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板5の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板5の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.1μm、十点平均粗さRzは1.2μm、二乗平均粗さRMSは0.13μmであった。
積層基板5において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.02、Sの変動係数は0.13であり、S/Sは0.31であった。
(実施例6)
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液の温度を95℃とした以外は実施例1と同様にして、積層基板6を得た。積層基板6について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板6の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板6の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.38μm、十点平均粗さRzは3.7μm、二乗平均粗さRMSは0.40μmであった。
積層基板6において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.03、Sの変動係数は0.14であり、S/Sは0.40であった。
(実施例7)
熱硬化性樹脂組成物(P1)の代わりに、以下の熱硬化性樹脂組成物(P2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層基板7を作製した。積層基板7について、実施例1と同様に各評価を行った。
エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、828)8.3質量%、ナフトール型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−4032)11.7質量%、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分60%のシクロヘキサノン溶液(DIC株式会社製、N665 H60)22.4質量%、フェノキシ樹脂の固形分30%のシクロヘキサノン溶液(三菱化学株式会社製、YX−8100 BH30)3.3質量%、フィラーとして溶融シリカ粒子(B2)(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1μm)36.3質量%、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.9質量%、着色剤として緑色染料(日本化薬株式会社製、Kayaset Green)0.3質量%、レベリング剤としてアクリル系樹脂(BYK−Chemie GmbH製、BYK−361N)0.6質量%に、硬化促進剤として2フェニル4メチル5ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MHZ)0.5質量%、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂の固形分60%のシクロヘキサノン溶液(DIC株式会社製、TD−2131 H60)15.7質量%を添加して熱硬化性樹脂組成物(P2)を調整した。
熱硬化性樹脂組成物(P2)を用いて実施例1と同様の方法で得たキャリア付樹脂膜2について、実施例1と同様に評価を行った。
絶縁性樹脂膜の貯蔵弾性率は25℃で4GPa、Tgは150℃、Tg以下での線熱膨張率は45ppm/℃であった。
積層基板7の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板7の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.2μm、十点平均粗さRzは2.2μm、二乗平均粗さRMSは0.22μmであった。
積層基板7において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.05、Sの変動係数は0.12であり、S/Sは0.32であった。
(実施例8)
熱硬化性樹脂組成物(P1)の代わりに、以下の熱硬化性樹脂組成物(P3)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層基板8を作製した。積層基板8について、実施例1と同様に各評価を行った。
エポキシ樹脂としてナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)8.5質量%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、828)8.5質量%、フィラーとして溶融シリカ粒子(B2)(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1μm)65.7質量%、ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、KS−5Z)1.4質量%、着色剤として緑色染料(日本化薬株式会社製、Kayaset Green)0.3質量%、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.9質量%、レベリング剤としてアクリル系樹脂(BYK−Chemie GmbH製、BYK−361N)0.6質量%に、硬化促進剤として2フェニル4メチル5ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MHZ)0.5質量%、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂の固形分60%のシクロヘキサノン溶液(DIC株式会社製、TD−2131 H60)5.1質量%、ナフトール型ノボラック樹脂(日本化薬株式会社製、CBN)8.5質量%を添加して熱硬化性樹脂組成物(P3)を調整した。
熱硬化性樹脂組成物(P3)を用いて実施例1と同様の方法で得たキャリア付樹脂膜3について、実施例1と同様に評価を行った。
絶縁性樹脂膜の貯蔵弾性率は25℃で8GPa、Tgは190℃、Tg以下での線熱膨張率は25ppm/℃であった。
積層基板8の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板8の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.2μm、十点平均粗さRzは2.1μm、二乗平均粗さRMSは0.23μmであった。
積層基板8において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.09、Sの変動係数は0.14であり、S/Sは0.33であった。
(実施例9)
キャリア付樹脂膜1の代わりに、キャリア付樹脂膜4として味の素ファインテクノ社株式会社製、ABF−GX13を使用し、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液への浸漬時間を2分とした以外は、実施例1と同様の方法で積層基板9を作製した。
キャリア付樹脂膜4について、実施例1と同様に評価を行った。
絶縁性樹脂膜の貯蔵弾性率は25℃で4GPa、Tgは190℃、Tg以下での線熱膨張率は45ppm/℃であった。
また、積層基板9について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板9の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板9の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.2μm、十点平均粗さRzは2.3μm、二乗平均粗さRMSは0.21μmであった。
積層基板9において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において○と評価された。また、Sの変動係数は0.06、Sの変動係数は0.15であり、S/Sは0.35であった。
(比較例1)
上記[6]のデスミア処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、積層基板10を得た。積層基板10について、実施例1と同様に各評価を行った。
図9は走査型電子顕微鏡で観察した本比較例に係る絶縁性樹脂膜表面の形態を示す図である。積層基板10の絶縁性樹脂膜の表面には、フィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が見られなかった。フィラーは全体が絶縁性樹脂膜中に埋まっていた。
積層基板10の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.07μm、十点平均粗さRzは0.75μm、二乗平均粗さRMSは0.09μmであった。
積層基板10において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において○、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において×と評価された。また、Sの変動係数は0.17、Sの変動係数は0.23であり、S/Sは0.32であった。
(比較例2)
上記[8]のプラズマ処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、積層基板11を得た。積層基板11について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板11の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板10と同様、フィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が見られなかった。フィラーは全体が絶縁性樹脂膜中に埋まっていた。
積層基板11の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.13μm、十点平均粗さRzは1.63μm、二乗平均粗さRMSは0.17μmであった。
積層基板11において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において◎、260℃において×、熱処理後において◎、熱処理および吸湿処理後において×と評価された。また、Sの変動係数は0.15、Sの変動係数は0.18であり、S/Sは0.23であった。
(比較例3)
上記[6]のデスミア処理および上記[8]のプラズマ処理をいずれも行わなかった以外は実施例1と同様にして、積層基板12を得た。積層基板12について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板12の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板10と同様、フィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が見られなかった。フィラーは全体が絶縁性樹脂膜中に埋まっていた。
積層基板12の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.06μm、十点平均粗さRzは0.85μm、二乗平均粗さRMSは0.11μmであった。
積層基板12において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性は、25℃において×、260℃において×、熱処理後において×、熱処理および吸湿処理後において×と評価された。また、Sの変動係数は0.08、Sの変動係数は0.24であり、S/Sは0.23であった。
以上の条件および評価結果を表1および表2に示す。
実施例1から実施例9は、25℃における絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性が高く、なおかつせん断強度Sの変動係数が小さかった。すなわち、歩留まり良く耐久性に優れるパッケージを実現できる配線基板が得られることが確認できた。それに対し、比較例1および比較例2は、25℃における密着性は良好であったものの、変動係数が高かった。すなわち、歩留まりが悪かった。比較例3は、せん断強度Sの変動係数が小さく、すなわち性能ばらつきは小さかったものの、密着性が低かった。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 絶縁性樹脂膜
100 キャリア付樹脂膜
102 半導体パッケージ
110 凹部
12 キャリア基材
120 フィラー
130 表面
20 配線基板
22 コア基板
24 導電体パターン
242 ライン
244 ランド
246 めっき膜
28 開口部
30 半田ボール
40 封止樹脂
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
70 電子装置
710 マザーボード
712 導電体パターン
714 導電部
716 接続部
720 電子部品

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの表面に導電パターンを有するコア基板を準備する工程と、
    前記導電パターン上に絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
    前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
    前記絶縁性樹脂膜の表面および前記開口部をデスミア処理する工程と、
    前記開口部にめっき膜を形成する工程と、
    前記絶縁性樹脂膜および前記めっき膜の表面をプラズマ処理する工程とをこの順に含み、
    前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
    前記プラズマ処理する工程では、前記絶縁性樹脂膜をエッチングすることなくプラズマ処理し、
    前記プラズマ処理する工程後における前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.5μm以下とする、配線基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の配線基板の製造方法において、
    前記プラズマ処理する工程では、前記コア基板の前記導電パターンおよび前記めっき膜のいずれにもバイアス電圧を印加しない、配線基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の配線基板の製造方法において、
    前記プラズマ処理する工程では、酸化性ガスまたはアルゴンガスによるプラズマ処理を行う、配線基板の製造方法。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の配線基板の製造方法において、
    前記デスミア処理する工程では、前記コア基板を、膨潤液に浸漬した後、45℃以上95℃以下の過マンガン酸カリウム水溶液に浸漬させる、配線基板の製造方法。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の配線基板の製造方法において、
    前記絶縁性樹脂膜の線熱膨張率は、Tg以下において10ppm/℃以上50ppm/℃以下である、配線基板の製造方法。
  6. 少なくとも1つの表面に導電パターンを有するコア基板を準備する工程と、
    前記導電パターン上に絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
    前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
    前記絶縁性樹脂膜の表面および前記開口部をデスミア処理する工程と、
    前記開口部にめっき膜を形成する工程と、
    前記絶縁性樹脂膜および前記めっき膜の表面をプラズマ処理する工程と、
    前記絶縁性樹脂膜上に半導体素子を配設する工程と、
    露出した、前記絶縁性樹脂膜および前記半導体素子を封止樹脂で覆うよう封止する工程とをこの順に含み、
    前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
    前記プラズマ処理する工程では、前記絶縁性樹脂膜をエッチングすることなくプラズマ処理し、
    前記プラズマ処理する工程後における前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.5μm以下とする、半導体パッケージの製造方法。
  7. 請求項に記載の半導体パッケージの製造方法において、
    前記絶縁性樹脂膜と、前記封止樹脂との間の、25℃におけるせん断強度をSとしたとき、Sを15N/mm以上とする、半導体パッケージの製造方法。
  8. 請求項またはに記載の半導体パッケージの製造方法において、
    前記絶縁性樹脂膜と、前記封止樹脂との間の、260℃におけるせん断強度をSとしたとき、S/Sを0.1以上0.9以下とする、半導体パッケージの製造方法。
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