JP2017010992A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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正也 鳥羽
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和彦 蔵渕
藤本 大輔
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大輔 藤本
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豊 野村
弘邦 荻原
Hirokuni Ogiwara
弘邦 荻原
裕介 渡瀬
Yusuke Watase
裕介 渡瀬
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Tomoyo Kaneko
知世 金子
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Abstract

【課題】レーザー研削の後の樹脂層において樹脂残渣を好適に除去することが可能な、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】支持フィルム112上に半硬化又は未硬化状態の熱硬化性樹脂組成物層(a)を形成する工程、能動面126a、及び、能動面126aとは反対側の受動面126bを有する半導体素子126の能動面126aと仮固定層124とが当接するように半導体素子126を仮固定する工程、半導体素子126を熱硬化性樹脂組成物層(a)で封止した後に熱硬化性樹脂組成物層(a)を硬化することにより、半導体素子126の受動面126bを覆う絶縁層114aを形成する工程、並びに、支持フィルム112及び絶縁層114aをレーザーにより研削し、仮固定層124にまで至る開口部128を設ける工程、を備える、半導体装置の製造方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。本発明は、より詳しくは、小型化及び薄型化の要求が高いウェハレベルの半導体装置及びその製造方法に関する。
電子機器の高機能化に伴って、半導体装置の小型化及び薄型化が進んでいる。近年、半導体装置の軽薄短小化は留まるところを知らず、半導体素子とほぼ同じ大きさのチップサイズパッケージや、半導体装置の上に半導体装置を積むパッケージ・オン・パッケージといった実装形態も盛んに行われており、今後、ますます半導体装置の小型化及び薄型化が進むと予想される。このチップサイズパッケージの一形態として、ウェハレベルでパッケージ作製されたウェハレベルチップサイズパッケージが、極めて小型の半導体装置を実現する技術として注目されている。
ところで、ウェハレベルチップサイズパッケージ等のウェハレベル半導体装置は、ウェハ上に再配線層を形成し、はんだボール等の外部接続用端子を設けた後、ダイシングによって個片化することで得られる。このような方法において、端子数が数10ピンから100ピン程度の場合は、ウェハ上にはんだボール等の外部接続用端子を設けることが可能である。
しかしながら、半導体素子の微細化が進展し、端子数が100ピン以上に増加してくると、ウェハ上のみに再配線層を形成し、外部接続用端子を設けることが難しくなる。無理に外部接続用端子を設けた場合、端子間のピッチが狭くなると共に、端子の高さが低くなり、半導体装置を実装した後の接続信頼性の確保が難しくなる。このため、半導体素子の微細化、すなわち外部接続用端子数の増加への対応が求められている。
このような背景から、近年、ウェハを所定サイズに個片化して半導体素子を得た後、半導体素子を再配置することで、半導体素子の外側にも外部接続用端子を設けることができる半導体装置の開発が進められている(例えば下記特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3に記載されている半導体装置は、ウェハを所定サイズに個片化して半導体素子を得た後、半導体素子を再配置するため、ウェハ上に再配線するよりも再配線領域を広く確保することができ、半導体素子の多ピン化に対応することが可能となる。
他方で、小型化及び薄型化された半導体素子の加工性の向上を図る観点から、複数の半導体素子をプラスチックで封止した成型体を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
次に、図1〜5を用いて、従来の半導体装置の製造方法の一例について説明する。図1〜5は、従来の半導体装置の製造方法を模式的に示す端面図である。図5(s)に示す半導体装置50a,50bは、半導体素子の再配置、封止、再配線層の形成、配線の形成、ビア形成、外部接続用端子の形成、及び、個片化等の工程を経て得られる。
まず、支持体10の片側の面に仮固定用フィルムを貼り合わせて、支持体10上に仮固定層12を形成する(図1(a)参照)。次いで、半導体素子14の能動面(表面:回路が形成された面)14aが仮固定層12に当接するように、複数の半導体素子14を所定の間隔で再配置する(図1(b)参照)。次いで、半導体素子14を覆うように熱硬化性樹脂等の封止材16で封止し、必要に応じて硬化処理を行う(図1(c)参照)。次いで、ホットプレート等で加熱することにより、支持体10及び仮固定層12を剥離し、半導体素子14の能動面14aを露出させる(図1(d)及び図1(e)参照)。
次いで、半導体素子14の能動面14a及び封止材16上に、スピンコート等により感光性樹脂組成物層18を形成する(図2(f)参照)。次いで、形成された感光性樹脂組成物層18の所定の箇所を露光処理及び現像処理した後、オーブン等で後硬化して絶縁層18aを形成する(図2(g)参照)。次いで、スパッタ等によりシード層20を形成する(図2(h)参照)。次いで、シード層20上にラミネート等により回路形成用レジストを形成した後、所定の箇所を露光処理及び現像処理することによりレジストパターン22を形成する(図2(i)参照)。次いで、電気めっき法により配線パターン24を形成する(図2(j)参照)。
次いで、剥離液によりレジストパターン22を除去する(図3(k)参照)。次いで、シード層20の一部をエッチングにより除去する(図3(l)参照)。次いで、再度、スピンコート等により感光性樹脂組成物層を形成し、所定の箇所を露光処理及び現像処理した後、オーブン等で後硬化することにより絶縁層26を形成する(図3(m)参照)。次いで、封止材16から配線パターン24にまで至る開口部(ビア)28をレーザー研削により設けた後、デスミア洗浄を行い、さらに、感光性樹脂組成物層を硬化して得られる絶縁層30を封止材16上に形成する(図3(n)参照)。
次いで、無電解めっき等により、開口部28の内壁及び絶縁層30の表面上にシード層32を形成する(図4(o)参照)。次いで、電気めっき等により開口部28をめっき層(銅層等)34で充填する(図4(p)参照)。次いで、配線パターン36を形成した後、感光性樹脂組成物層を硬化して得られる絶縁層38を形成する(図4(q)参照)。
次いで、はんだボール40をリフロー搭載する(図5(r)参照)。最後に、ダイシングによって個片化することで半導体装置50a,50bを作製することができる(図5(s)参照)。
特開2004−14789号公報 特開2001−244372号公報 特開2001−127095号公報 米国特許出願公開第2007/205513号明細書
上記の方法で得られた半導体装置は、小型化及び薄型化が可能であるため、高機能化及び多機能化が進むスマートフォン、タブレット端末等の電子機器に用いることができる。しかしながら、熱硬化性樹脂組成物等を硬化して得られる層(封止材)にレーザー研削で開口部を設けることにより、開口部の端部に樹脂残渣が残り、凹凸が形成されてしまうという問題点がある。凹凸が形成されたままその後の感光性樹脂組成物層を形成した際、感光性樹脂組成物層に段差が生じ、微細な配線パターンが形成できないという問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザー研削の後の樹脂層において樹脂残渣を好適に除去することが可能な、半導体装置の製造方法、及び、当該製造方法により得られる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、(I)支持フィルム上に半硬化又は未硬化状態の熱硬化性樹脂組成物層(a)を形成する工程、(II)能動面、及び、当該能動面とは反対側の受動面を有する半導体素子の前記能動面と仮固定層とが当接するように半導体素子を仮固定する工程、(III)前記半導体素子を前記熱硬化性樹脂組成物層(a)で封止した後に前記熱硬化性樹脂組成物層(a)を硬化することにより、前記半導体素子の前記受動面を覆う絶縁層(A)を形成する工程、並びに、(IV)前記支持フィルム及び前記絶縁層(A)をレーザーにより研削し、前記仮固定層にまで至る開口部を設ける工程、を備える、半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、支持フィルムを絶縁層(A)に付着させたままレーザー研削を行うことにより、絶縁層(A)の開口部に樹脂残渣を残さずに半導体装置を製造することができる。
前記支持フィルムの厚みは、10〜100μmであることが好ましい。前記熱硬化性樹脂組成物層(a)の厚みは、30〜300μmであることが好ましい。前記熱硬化性樹脂組成物層(a)は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂から選ばれる1種以上を含む樹脂と、最大粒径が20μm以下かつ平均粒径が5μm以下である無機フィラーと、を含有することが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法は、(V)前記支持フィルムが除去された状態において前記開口部の内壁及び前記絶縁層(A)上にシード層を形成する工程、 (VI)前記シード層上にレジストパターンを形成する工程、(VII)前記開口部をめっき層により充填する工程、(VIII)前記レジストパターンを除去した後、前記シード層における前記絶縁層(A)上の部分を除去する工程、(IX)前記めっき層にまで至る開口部を有する絶縁層(B)を前記絶縁層(A)上に形成する工程、(X)前記絶縁層(B)の前記開口部の内壁及び前記絶縁層(B)上にシード層を形成する工程、(XI)前記シード層上にレジストパターンを形成した後に、前記シード層における前記レジストパターンから露出する部分上に配線パターンを形成する工程、(XII)前記レジストパターンと、前記シード層における前記配線パターンから露出する部分とを除去する工程、(XIII)前記配線パターン及び前記絶縁層(B)上に、前記配線パターンにまで至る開口部を有する絶縁層(C)を形成する工程、(XIV)前記仮固定層を除去し、前記半導体素子の前記能動面を露出させる工程、(XV)前記工程(XIV)の後、前記半導体素子の前記能動面側に、前記能動面にまで至る開口部を有する絶縁層(D)と、前記絶縁層(D)に積層されていると共に前記絶縁層(D)の前記開口部を介して前記半導体素子の前記能動面に導通する配線パターンと、当該配線パターンにまで至る開口部を有する絶縁層(E)と、を形成する工程、並びに、(XVI)前記絶縁層(E)の前記開口部に外部接続用端子を形成する工程、を更に備えていてもよい。
本発明は、前記半導体装置の製造方法により得られる、半導体装置を提供する。
本発明によれば、レーザー研削の後の樹脂層において樹脂残渣を好適に除去することが可能な、半導体装置の製造方法、及び、当該製造方法により得られる半導体装置を提供することができる。
従来の半導体装置の製造方法を模式的に示す端面図である。 図1の続きを模式的に示す端面図である。 図2の続きを模式的に示す端面図である。 図3の続きを模式的に示す端面図である。 図4の続きを模式的に示す端面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一例を模式的に示す端面図である。 図6の続きを模式的に示す端面図である。 図7の続きを模式的に示す端面図である。 図8の続きを模式的に示す端面図である。 図9の続きを模式的に示す端面図である。 図10の続きを模式的に示す端面図である。 図11の続きを模式的に示す端面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<半導体装置製造用部材>
本実施形態の半導体装置製造用部材は、少なくとも、支持フィルムと、当該支持フィルムに積層された熱硬化性樹脂組成物層(a)と、を備える。本実施形態の半導体装置製造用部材は、半導体素子の封止に用いられる半導体装置製造用部材である。
本実施形態の半導体装置製造用部材としては、例えば、後述する図6(b)に示される半導体装置製造用部材110が挙げられる。半導体装置製造用部材110は、支持フィルム112と、支持フィルム112に積層された熱硬化性樹脂組成物層(a)114と、を備える。
(支持フィルム)
半導体装置製造用部材の支持フィルムとしては、一般的に樹脂フィルムの塗工時に用いられるフィルムを用いることができる。例えば、市販のポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」ともいう)等の公知のフィルムを使用することができる。支持フィルムの厚みT1(図6(a))は、図8(g)において、支持フィルムから仮固定層にまで至る開口部を設けることが可能な厚みであればよく、好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜75μmである。
(熱硬化性樹脂組成物層(a))
熱硬化性樹脂組成物層(a)は、熱硬化性樹脂組成物から構成される層(熱硬化性樹脂組成物を層形成してなる層)であり、支持フィルム面上に形成される層である。熱硬化性樹脂組成物層(a)中の熱硬化性樹脂は、半導体素子を封止後に後硬化する観点から、半硬化又は未硬化であることが好ましい。
なお、本明細書において、「半硬化」とは、JIS K 6800「接着剤・接着用語」に定義されているようなB−ステージ(熱硬化性樹脂組成物の硬化中間体。この状態での樹脂は、加熱すると軟化し、ある種の溶剤に触れると膨潤するが、完全に溶融又は溶解することはない)状態を意味し、「未硬化」とは、前記溶剤に実質的に熱硬化性樹脂の全部が溶解する状態を意味する。
熱硬化性樹脂組成物層(a)の厚み(半導体素子の封止前の厚み、図6(b)の厚みT2)は、半導体素子を好適に封止できる厚みであり、好ましくは30〜400μm、より好ましくは50〜350μm、さらに好ましくは75〜300μmである。熱硬化性樹脂組成物層(a)の厚みを300μm以下とすることにより、薄型の半導体装置に好適である。熱硬化性樹脂組成物層(a)の厚みを30μm以上とすることにより、封止後の熱硬化性樹脂組成物層(後述する熱硬化性樹脂組成物層(b))を均一に形成することができ、半導体素子の受動面側の平滑性を向上させることができる。
以下、本実施形態の半導体装置製造用部材の熱硬化性樹脂組成物層(a)に好適に用いられる熱硬化性樹脂組成物についてさらに説明する。
[熱硬化性樹脂組成物]
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、樹脂成分及び無機フィラーを含有することができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に含まれる樹脂成分は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂から選ばれる1種以上である。本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、半導体装置の低反り化効果及び薄型化効果をより効果的に発現させる観点から、エポキシ樹脂を含有することが好ましく、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤とを含有することがより好ましい。また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、アクリル樹脂、酸変性エポキシアクリレート、酸含有ウレタン樹脂等のカルボン酸含有樹脂を含有していてもよい。
熱硬化性樹脂組成物層(a)を構成する熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂から選ばれる1種以上を含む樹脂成分(樹脂)と、最大粒径が20μm以下かつ平均粒径が5μm以下である無機フィラーと、を含有する熱硬化性樹脂組成物が好ましい。
〔樹脂成分〕
{エポキシ樹脂}
エポキシ樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ノボラックフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ビキシレノールジグリシジルエーテル等のビキシレノール型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;及び、それらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
市販のエポキシ樹脂としては、DIC(株)製「EXA4700」(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製「NC−7000」(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬(株)製「EPPN−502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)等の、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC(株)製「エピクロンHP−7200H」(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬(株)製「NC−3000H」(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;DIC(株)製「エピクロンN660」、「エピクロンN690」、日本化薬(株)製「EOCN−104S」等のノボラック型エポキシ樹脂;日産化学工業(株)製「TEPIC」等のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート;DIC(株)製「エピクロン860」、「エピクロン900−IM」、「エピクロンEXA―4816」、「エピクロンEXA−4822」、旭チバ(株)製「アラルダイトAER280」、新日鐵化学(株)製「エポトートYD−134」、三菱化学(株)製「JER834」、「JER872」、住友化学(株)製「ELA−134」等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC(株)製「エピクロンHP−4032」等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC(株)製「エピクロンN−740」等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;フェノールとサリチルアルデヒドの縮合物のエポキシ樹脂;日本化薬(株)製「EPPN−500シリーズ」などが挙げられる。
上記エポキシ樹脂の中でも、銅との密着性、及び、絶縁性に優れる観点から、日本化薬(株)製「NC−3000H」(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましく、また、架橋密度が高く、高Tgが得られる観点から、日本化薬(株)製「EPPN−500シリーズ」が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物層(a)中のエポキシ樹脂の含有量は、無機フィラーを除く樹脂成分100質量部に対して、好ましくは30〜90質量部、より好ましくは40〜80質量部、さらに好ましくは50〜80質量部である。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂用硬化剤を併用することが好ましく、必要に応じて硬化促進剤を組み合わせて使用してもよい。エポキシ樹脂と組み合わせる硬化剤としては、従来公知のエポキシ樹脂用硬化剤を用いることができる。
エポキシ樹脂用硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、酸無水物、脂肪族アミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、グアニジン類等が挙げられる。具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。エポキシ樹脂用硬化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エポキシ樹脂用硬化剤として、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に好適に用いられる、後述するフェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂を用いてもよく、半導体装置の低反り化効果及び薄型化効果をより効果的に発現させる観点から、ポリアミドイミド樹脂又は熱硬化性ポリイミド樹脂をエポキシ樹脂用硬化剤として用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物中のエポキシ樹脂用硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂用硬化剤の種類に応じて適宜決定すればよいが、半導体装置の低反り化効果及び薄型化効果をより効果的に発現させる観点から、無機フィラーを除く樹脂成分100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部である。
エポキシ樹脂と組み合わせる硬化促進剤としては、従来公知の硬化促進剤を用いることができる。具体的には、イミダゾール化合物又はそのエポキシアダクト若しくはマイクロカプセル化物;DBU(1,8−ジアザビシクロ(4.5.0)ウンデセン−7)又はその誘導体等の複素環式化合物;第3級アミン化合物;トリフェニルホスフィン等の有機フォスフィン化合物;テトラフェニルホスフォニウム塩、テトラフェニルボレート塩等のオニウム塩化合物などが挙げられる。硬化促進剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
{フェノール樹脂}
フェノール樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂としては、特に制限されないが、例えば、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF及び置換又は非置換のビフェノール等の1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する化合物、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノールとアラルキル型フェノールとの共重合型フェノール樹脂、パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、並びに、これらの2種以上を共重合して得られるフェノール樹脂などが挙げられる。フェノール樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェノール樹脂は、従来公知のフェノール樹脂用硬化剤と併用して用いてもよく、エポキシ樹脂用硬化剤として用いてもよい。
{シアネート樹脂}
シアネート樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。シアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビス(4−シアネートフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−シアネートフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−シアネートフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、1,1−ビス(4−シアネートフェニル)エタン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジ(4−シアネートフェニル)エーテル、ジ(4−シアネートフェニル)チオエーテル、4,4−ジシアネート−ジフェニル等が挙げられる。シアネート樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
{ポリアミドイミド樹脂}
ポリアミドイミド樹脂は、分子骨格中にアミド結合とイミド結合とを有する樹脂であり、例えば、1分子中にカルボキシル基及びカルボン酸無水物の両者を有する化合物とジイソシアネート化合物とを反応させることにより得られるもの、及び、イミド基を有するジカルボン酸化合物とジイソシアネート化合物とを反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
イミド基を有するジカルボン酸化合物は、例えば、ジアミン化合物と、無水トリメリット酸等のトリカルボン酸化合物とを反応させることにより得ることができる。イミド基を有するジカルボン酸化合物の製造に用いられるジアミン化合物としては、例えば、(4,4’−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタンが好ましく挙げられ、硬化物の物性を調整する観点から、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル等のフェノール性水酸基を有するジアミン化合物を用いてもよい。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂としては、例えば、東洋紡績(株)製「バイロマックスHR11NN」、「バイロマックスHR12N2」、「バイロマックスHR16NN」等が商業的に入手可能である。
{熱硬化性ポリイミド樹脂}
熱硬化性ポリイミド樹脂としては、分子構造中に少なくとも2個の不飽和N−置換マレイミド基を有するビスマレイミド化合物を含有することが好ましい。具体的には、例えば、N,N’−エチレンビスマレイミド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−[1,3−(2−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[1,3−(4−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4−マレイミドシクロヘキシル)メタン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、2,2’−ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。マレイミド化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記マレイミド化合物の重合触媒としては、公知のビスマレイミド樹脂用の重合触媒を使用することができ、例えば、イミダゾール類、第3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、三弗化ホウ素アミン錯体、オルガノフォスフィン類、オルガノホスホニウム塩等のイオン触媒;ヒドロペルオキシド等の有機過酸化物;アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物等のラジカル重合開始剤などが挙げられる。
重合触媒の添加量は、目的に応じて適宜決定すればよいが、マレイミド樹脂組成物の安定性に優れる観点から、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜3.0質量部である。
熱硬化性ポリイミド樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤としても好ましく用いられる。エポキシ樹脂用硬化剤として好適に用いられる熱硬化性ポリイミド樹脂としては、好ましくは上記マレイミド化合物とジアミン化合物との反応物、より好ましくは上記マレイミド化合物とジアミン化合物と酸性置換基を有するアミン化合物との反応物である。
上記反応物の製造に用いられるジアミン化合物としては、例えば、芳香族アミン類であるm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ベンジジン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ビフェニルジオール及びグアナミン化合物類であるベンゾグアナミン等が好ましく挙げられる。
また、上記反応物の製造に用いられる酸性置換基を有するアミン化合物としては、例えば、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が好ましく挙げられる。
〔無機フィラー〕
無機フィラーとしては、従来公知の無機フィラーを使用することができ、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素及び窒化アルミニウム等の粒子、並びに、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金及び白金等の金属粒子(金属粉体等)などが挙げられる。無機フィラーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物において無機フィラーの最大粒径は、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下、特に好ましくは1μm以下である。
また、無機フィラーの平均粒径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1μm以下、特に好ましくは300nm以下、極めて好ましくは100nm以下である。
無機フィラーの最大粒径及び平均粒径を上記範囲内とすることにより、デスミア処理後の表面を平滑にすることができる。
無機フィラーの最大粒径及び平均粒径は、小さいものほど好ましいが、生産性及び入手容易性の観点から、最大粒径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、平均粒径は、好ましくは2nm以上、より好ましくは10nm以上である。
なお、ここでいう無機フィラーの最大粒径及び平均粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装(株)製)又はレーザ回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装(株)製)を用いて測定した値を意味する。
熱硬化性樹脂組成物中の無機フィラーの含有量は、半導体装置の低反り化効果及び薄型化効果をより効果的に発現させる観点から、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0〜90質量部、より好ましくは10〜70質量部、さらに好ましくは20〜40質量部である。
無機フィラーとしてシリカを用いる場合、一次粒径のまま凝集することなく樹脂成分中に分散させる観点から、シランカップリング剤により表面処理したシリカを用いることが好ましい。
シランカップリング剤としては、一般的に入手可能なものを用いることができ、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン、サルファーシラン、スチリルシラン、アルキルクロロシラン等が使用可能である。
具体的な化合物名としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルシラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[熱硬化性樹脂組成物の製造方法]
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記樹脂成分、無機フィラー等を、公知の撹拌機、混合機等を用いて混合することにより製造することができる。
熱硬化性樹脂組成物は、後に塗工等を行う観点から、液状の熱硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物溶液(以下、「樹脂ワニス」ともいう)として得ることが好ましい。樹脂ワニスを得る方法としては、例えば、各成分を公知の撹拌機等により溶媒に溶解又は分散する方法、又は、予め各成分を溶融混合することにより得られた熱硬化性樹脂組成物を溶媒に溶解若しくは分散させる方法等が挙げられる。溶媒としては、樹脂成分を溶解することができ、かつ、無機フィラーを分散させることができる溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
<半導体装置製造用部材の製造方法>
図6を用いて本実施形態の半導体装置製造用部材の製造方法を説明する。まず、図6(a)に示すように、支持フィルム112を準備する。支持フィルム112は、一方の主面112a、及び、主面112aとは反対側の主面112bを有している。
次いで、図4(b)に示すように、支持フィルム112の主面112b上に熱硬化性樹脂組成物層(熱硬化性樹脂組成物層(a))114を形成することにより半導体装置製造用部材110が得られる。
本実施形態の半導体装置製造用部材は、例えば、本実施形態で用いられる熱硬化性樹脂組成物を支持フィルム上に塗布した後に乾燥して熱硬化性樹脂組成物層(a)を形成することにより製造することができる。例えば、本実施形態の半導体装置製造用部材は、支持フィルム上に、公知のコーター等を用いて液状の熱硬化性樹脂組成物又は樹脂ワニスを塗布し、次いで、乾燥機等により乾燥することにより製造することができる。塗布の方法としては、公知のコーターによる塗布、印刷法による塗布等が挙げられる。コーターの方式は、特に限定されるものではなく、ダイ、コンマ、ディップ、スピン等が使用できる。
乾燥条件は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物を未硬化又は半硬化の状態で維持しつつ溶媒を除去する観点から、乾燥温度としては、好ましくは50〜150℃、乾燥時間としては、好ましくは1〜30分である。乾燥機としては、ホットプレート、乾燥炉等を用いることができる。
また、本実施形態の半導体装置製造用部材には、熱硬化性樹脂組成物層(a)への埃等の付着を抑制する観点から、ポリエチレンフィルム等の保護フィルムを貼着してもよい。
<半導体装置の製造方法>
以下、本実施形態の半導体装置製造用部材の代表的な使用方法として、本実施形態の半導体装置の製造方法について、図7〜12を用いて説明する。
まず、図7(c)に示すように、支持体122及び仮固定層124を準備し、支持体122上に仮固定層124を配置する。次いで、図7(d)に示すように、仮固定層124上に、半導体素子126の能動面(表面:回路が形成された面。回路面)126aが仮固定層124と当接するように複数の半導体素子126を所定の間隔で貼着する。半導体素子126は、能動面126a、及び、能動面126aとは反対側の受動面126bを有している。次いで、図7(e)に示すように、図6(a)〜(b)を経て得られた半導体装置製造用部材110の熱硬化性樹脂組成物層114により、受動面126bを含む半導体素子126の全体を封止する。次いで、図7(f)に示すように、熱硬化性樹脂組成物層114の硬化処理を行い、熱硬化性樹脂組成物層114を硬化してなる絶縁層(絶縁層(A))114aを形成する。半導体素子126の大きさに制限はなく、半導体素子としては、例えば、シリコンウェハを個片化して得られる半導体チップ、及び、シリコンウェハが挙げられる。半導体素子126の厚みT3は、例えば、20〜100μmである。
その後、図8(g)に示すように、支持フィルム112と絶縁層114aをレーザーにより研削し、積層方向において支持フィルム112の表面から仮固定層124にまで至る開口部128を設ける。次いで、図8(h)に示すように、支持フィルム112を絶縁層114aから剥離する。次いで、デスミア処理により開口部128の底部の残渣を除去する。次いで、図8(i)に示すように、絶縁層114aの表面及び開口部128の内壁上にシード層130を形成する。
その後、図9(j)に示すように、シード層130における絶縁層114a上の部分の上に、感光性樹脂組成物を用いてレジストパターン132を形成する。次いで、図9(k)に示すように、めっき法(電気めっき法(電解めっき法)等)により開口部128をめっき層(銅層)134により充填する。次いで、図9(l)に示すように、レジストパターン132を剥離する。次いで、図9(m)に示すように、絶縁層114aの表面上に感光性樹脂組成物層(b)136を形成する。
その後、図10(n)に示すように、感光性樹脂組成物層136の露光・現像処理を行い、感光性樹脂組成物層136に開口部138を形成し、めっき層134の頭出しを行う。次いで、図10(o)に示すように、感光性樹脂組成物層136の硬化処理を行い、感光性樹脂組成物層136を硬化してなる絶縁層(絶縁層(B))136aを形成する。次いで、図10(p)に示すように、絶縁層136aの表面及び開口部138の内壁上にシード層140を形成する。次いで、図10(q)に示すように、感光性樹脂組成物を用いてレジストパターン142をシード層140の表面に形成した後、電気めっきにより、シード層140におけるレジストパターン142から露出する部分の上、及び、開口部138の内部に、めっき層134からレジストパターン142にまで至る配線パターン144を形成する。
その後、図11(r)に示すように、シード層140の一部(シード層140における配線パターン144から露出する部分)、及び、レジストパターン142を除去する。次いで、図11(s)に示すように、配線パターン144の一部が露出するように配線パターン144を覆う絶縁層(絶縁層(C))146を形成する。次いで、図11(t)に示すように、支持体122及び仮固定層124を剥離する。
その後、図12(u)に示すように、半導体素子126の能動面126a側に、図8(i)から図11(t)までの方法と同様の方法により、シード層148の形成、感光性樹脂組成物による絶縁層150,152の形成、配線パターン154の形成を行う。絶縁層152には、配線パターン154の一部が露出する開口部156が形成されている。次いで、図12(v)に示すように、配線パターン154における開口部156から露出した部分にめっきを施してめっき層158を形成する。次いで、図12(w)に示すように、外部接続用端子160を形成する。最後に、図12(x)に示すように、ダイシングによって個片化することで半導体装置170a,170bを得ることができる。
なお、本実施形態の半導体装置は、図12(x)のダイシングを行う前の積層体であってもよい。また、本実施形態では、仮固定層124に積層された一つの半導体素子126に対して封止等の後続の工程を行って半導体装置を製造してもよい。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、例えば、下記工程(I)〜(XVI)を備えている。
(I)支持フィルム上に半硬化又は未硬化状態の熱硬化性樹脂組成物層(a)を形成する工程
(II)能動面、及び、当該能動面とは反対側の受動面を有する半導体素子の前記能動面と仮固定層とが当接するように半導体素子を仮固定する工程
(III)前記半導体素子を前記熱硬化性樹脂組成物層(a)で封止した後に前記熱硬化性樹脂組成物層(a)を硬化することにより、前記半導体素子の前記受動面を覆う絶縁層(A)(第一の絶縁層)を形成する工程
(IV)前記支持フィルム及び前記絶縁層(A)をレーザーにより研削し、前記仮固定層にまで至る開口部を設ける工程
(V)前記支持フィルムが除去された状態において前記開口部の内壁及び前記絶縁層(A)の表面上にシード層を形成する工程
(VI)前記シード層上にレジストパターンを形成する工程
(VII)前記開口部をめっき層により充填する工程
(VIII)前記レジストパターンを除去した後、前記シード層における前記絶縁層(A)上の部分を除去する工程
(IX)前記めっき層にまで至る開口部を有する絶縁層(B)(第二の絶縁層)を前記絶縁層(A)上に形成する工程
(X)前記絶縁層(B)の前記開口部の内壁及び前記絶縁層(B)上にシード層を形成する工程
(XI)前記シード層上にレジストパターンを形成した後に、前記シード層における前記レジストパターンから露出する部分上に配線パターンを形成する工程
(XII)前記レジストパターンと、前記シード層における前記配線パターンから露出する部分とを除去する工程
(XIII)前記配線パターン及び前記絶縁層(B)上に、前記配線パターンにまで至る開口部を有する絶縁層(C)(第三の絶縁層)を形成する工程
(XIV)前記仮固定層を除去し、前記半導体素子の前記能動面を露出させる工程
(XV)前記工程(XIV)の後、前記半導体素子の前記能動面側に、前記能動面にまで至る開口部を有する絶縁層(D)(第四の絶縁層)と、前記絶縁層(D)の前記開口部を介して前記半導体素子の前記能動面に導通する配線パターンと、当該配線パターンにまで至る開口部を有する絶縁層(E)(第五の絶縁層)と、を形成する工程
(XVI)前記絶縁層(E)の前記開口部に外部接続用端子を形成する工程
本実施形態の半導体装置の製造方法では、支持フィルムを熱硬化性樹脂組成物層(a)に付着させたままレーザー研削を行い、レーザー研削後に支持フィルムを除去することにより、熱硬化性樹脂組成物層(a)の開口部に樹脂残渣を残さずに半導体装置を製造することができる。これによって、半導体装置を歩留まり良く製造することができる。本実施形態の半導体装置の製造方法は、薄型化が進むウェハレベル半導体装置の形態において特に好適である。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、工程(XVI)の後に、工程(XVI)で得られた積層体を個片化する工程を備えていてもよい。また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、工程(V)の前に、支持フィルム112を絶縁層114aから剥離する工程を備えていてもよい。本実施形態の半導体装置の製造方法は、工程(IV)及び工程(V)の間に、デスミア処理を行う工程を備えていてもよい。
以下、図6〜12を用いて、図12(x)に示す半導体装置170a,170bの製造方法における各工程の一例についてさらに説明する。
(工程(I))
工程(I)は、図6(b)に示すように、支持フィルム112上に半硬化又は未硬化状態の熱硬化性樹脂組成物層(熱硬化性樹脂組成物層(a))114を形成する工程である。熱硬化性樹脂組成物層114を得るための熱硬化性樹脂組成物は、液状及びフィルム状のいずれであってよい。熱硬化性樹脂組成物層114は、熱硬化性樹脂組成物が液状の場合は、印刷機を用いて液状の熱硬化性樹脂組成物を塗布して形成することができ、熱硬化性樹脂組成物がフィルム状の場合は、ロールラミネータ、真空ラミネータ等を用いてフィルム状の熱硬化性樹脂組成物を貼り付けて形成することができる。
(工程(II))
工程(II)は、図7(d)に示すように、仮固定層124が設けられた支持体122に半導体素子126の能動面126aを一つ以上、仮固定層124と半導体素子126の能動面126aとが貼り合わさるように仮固定する工程である。
[支持体]
支持体122としては、特に限定されないが、熱による寸法変化が小さいSUS板、シリコンウェハ、ガラスクロスに樹脂を含浸させたガラスクロス入りコア基材等が好ましい。また、支持体122の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.4〜3.0mm、より好ましくは0.5〜3.0mmである。支持体122の厚みが0.4mm以上であると、変形を抑制することができ、3.0mm以下であると、質量(例えば、SUS板を用いた場合の質量)が大きくなり過ぎずハンドリングが良好になる。
[仮固定層]
仮固定層124としては、一般的に半導体装置の製造に用いられる仮固定用フィルム等を用いることができる。仮固定用フィルムとしては、例えば、紫外線照射を行うことによって接着力が低下する紫外線剥離フィルム、特定の薬液によって溶解する固定フィルム、加熱処理によって接着力が低下する熱剥離シート等が挙げられ、作業性、安全性及び環境保全の観点から、熱剥離シートが好ましい。
(工程(III))
工程(III)は、図7(e)及び図7(f)に示すように、仮固定された半導体素子126を、支持フィルム112付きの熱硬化性樹脂組成物層114で封止し、後硬化することによって、半導体素子126の受動面126b側を覆う絶縁層114aを形成する工程である。封止方法は、市販の真空ラミネータ等を用いることができる。封止温度は、好ましくは120〜170℃、より好ましくは130〜160℃である。封止圧力は、好ましくは0.3〜3MPa、より好ましくは0.5〜2MPaである。
絶縁層114aの厚みは、好ましくは30〜150μm、より好ましくは50〜120μm、さらに好ましくは75〜100μmである。絶縁層114aの厚みを30μm以上とすることで、絶縁層114aの表面を平滑に封止することができ、絶縁層114aの厚みを150μm以下とすることで、薄型の半導体装置に好適である。熱硬化条件は、使用する樹脂の種類に応じて適宜決定すればよいが、硬化反応を充分進行させる観点、及び、生産性を向上させる観点から、硬化温度は、好ましくは80〜230℃、より好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは140〜200℃であり、硬化時間は、好ましくは5〜180分、より好ましくは10〜120分、さらに好ましくは30〜80分である。
(工程(IV))
工程(IV)は、図8(g)に示すように、支持フィルム112と絶縁層114aをレーザーにより研削し、積層方向において支持フィルム112の表面から仮固定層124にまで至る開口部128を設ける工程である。開口部128は、炭酸ガスレーザー、UV−YAGレーザー等のレーザー加工によって形成することができる。開口部128の直径D1は、開口部内をめっきで充填可能な大きさであればよく、例えば30〜100μmである。開口部128の直径D1を30μm以上とすることで、めっき時に開口部内を未充填部分無く金属(銅等)で充填することができ、100μm以下とすることで、微細な貫通電極を形成することができる。
(工程(V))
工程(V)は、図8(i)に示すように、支持フィルム112が除去された状態において、開口部128の内部及び表面部と、絶縁層114aとの上に、シード層130を形成する工程である。シード層130は、金属(銅(Cu)等)によって開口部128を充填する際の基層となる導電性薄膜であり、無電解銅めっき法、スパッタ法等により好適に形成することができる。スパッタ法による場合、金属(銅等)を蒸着する前にTiを蒸着する等、形成層を種々選択することができる。シード層130の厚みは、特に限定されないが、通常は0.1〜2.0μmである。
(工程(VI))
工程(VI)は、図9(j)に示すように、シード層130上に回路形成用レジストパターンを形成した後に露光・現像処理を施すことによって、開口部128が露出する開口を有するレジストパターン132を設ける工程である。
回路形成用レジストとしては、回路形成用レジストとして用いられている公知のレジスト材料を用いることができ、液状及びフィルム状のいずれであってよい。回路形成用レジストは、レジスト材料が液状の場合は、印刷機を用いて液状のレジスト材料を塗布して形成することができ、レジスト材料がフィルム状の場合は、ロールラミネータ、真空ラミネータ等を用いてフィルム状のレジスト材料を貼り付けて形成することができる。
露光処理は、形成された回路形成用レジストに対して、マスクパターンを通して活性光線を照射することにより、回路形成用レジストの所定部分を露光し、露光部の回路形成用レジストを光硬化させる処理である。当該露光処理に次いで、露光部以外の回路形成用レジストを除去する現像処理を施すことにより、再配線用のレジストパターン132を形成することができる。
露光処理における活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の、紫外線を有効に放射するものを好適に使用できる。また、直接描画方式のダイレクトレーザ露光を用いてもよい。
露光量は、使用する装置、及び、回路形成用レジストの組成等によって異なるが、好ましくは10〜600mJ/cm、より好ましくは20〜400mJ/cmである。露光量が10mJ/cm以上であると、光硬化の進行が充分となり安定してレジストパターンを形成することができ、600mJ/cm以下であると、光硬化が過剰に進行することを抑制することができ、回路形成用レジストにおける開口部の開口形状を安定して得ることができる。
現像処理に用いる現像液としては、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5質量%水溶液)等のアルカリ現像液が用いられる。現像方法は、特に限定されず、前記現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング及びスクラッピング等の公知の方法により行うことができる。
(工程(VII))
工程(VII)は、図9(k)に示すように、開口部128をめっき法(銅めっき等)によって金属(銅等)で充填する工程である。電気めっきは、従来公知の方法により行えばよい。
(工程(VIII))
工程(VIII)は、図9(l)に示すように、レジストパターン132を剥離し、シード層130の一部を除去することで絶縁層114aを露出させる工程である。レジストパターン132の剥離に用いる剥離液や、シード層130を除去する工程で用いるエッチング液は、従来公知のものを使用すればよい。
(工程(IX))
工程(IX)は、図9(m)、図10(n)及び図10(o)に示すように、絶縁層114a上に感光性樹脂組成物層136を形成し、めっき層(銅めっき層等)134の上部を開口した後、感光性樹脂組成物層136の後硬化を行い、感光性樹脂組成物層136を硬化してなる絶縁層136aを形成する工程である。
露光処理における活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の、紫外線を有効に放射するものを好適に使用できる。また、直接描画方式のダイレクトレーザ露光を用いてもよい。
露光量は、使用する装置、及び、感光性樹脂組成物の組成等によって異なるが、好ましくは10〜600mJ/cm、より好ましくは20〜400mJ/cmである。露光量が10mJ/cm以上であると、光硬化の進行が充分となり安定して開口部を形成することができ、600mJ/cm以下であると、光硬化が過剰に進行することを抑制することができ、感光性樹脂組成物層における開口部の開口形状を安定して得ることができる。
現像処理に用いる現像液としては、例えば、20〜50℃のテトラメチルアンモニウムの希薄溶液(2.38質量%水溶液)等のアルカリ現像液が用いられる。現像方法は、特に限定されず、前記現像液を用いて、パドル、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング及びスクラッピング等の公知の方法により行うことができる。
後硬化条件は、使用する樹脂の種類に応じて適宜決定すればよいが、硬化反応を充分進行させる観点、及び、生産性を向上させる観点から、硬化温度は、特に限定するものではないが、好ましくは170〜230℃、より好ましくは180〜220℃、さらに好ましくは190〜210℃であり、硬化時間についても特に限定するものではないが、好ましくは60〜300分、より好ましくは120〜240分、さらに好ましくは140〜200分である。
絶縁層136aの厚みは、好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。絶縁層136aの厚みが5μm以上であると、平滑性が良好な絶縁層を形成することができ、200μm以下であると、得られる半導体装置を薄型にできる。
(工程(X))
工程(X)は、図10(p)に示すように、絶縁層136aの表面及び開口部138の内壁上に、シード層140を形成する工程である。シード層140の形成方法及び厚みについては工程(V)と同様である。
(工程(XI))
工程(XI)は、図10(q)に示すように、シード層140上に、レジストパターン(回路形成用パターン)142を形成した後に配線パターン144を形成する工程である。レジストパターンの形成方法は、工程(VI)と同様である。また、配線パターンの形成方法は、工程(VII)と同様である。
(工程(XII))
工程(XII)は、図11(r)に示すように、レジストパターン142及びシード層140の一部(配線パターンが設けられている部分以外の部分)を除去する工程である。レジストパターン142及びシード層140の一部の除去方法は、工程(VIII)と同様である。
(工程(XIII))
工程(XIII)は、図11(s)に示すように、絶縁層136a及び配線パターン144上に、積層方向において絶縁層146の表面から配線パターン144にまで至る開口部を有する絶縁層146を形成する工程である。絶縁層146は、絶縁層136aの形成方法と同様に行うことができる。
(工程(XIV))
工程(XIV)は、図11(t)に示すように、仮固定層124及び支持体122を除去し、半導体素子126の能動面126aを露出させる工程である。
剥離方法としては、特に限定されないが、仮固定層124として熱剥離シートを用いた場合は、例えば、所定温度に設定されたホットプレート上に載せて加熱する方法により、剥離することができる。加熱する温度は、用いる熱剥離シートに応じて適宜決定すればよい。
(工程(XV))
工程(XV)は、図12(u)及び図12(v)に示すように、工程(IX)から(XIII)と同様の方法により、半導体素子126の能動面126a側に、絶縁層150、絶縁層152及び配線パターン154を形成し、絶縁層152の開口部156から露出した配線パターン154上にめっき層(無電解ニッケルめっきと金めっき)158を形成する工程である。
絶縁層150は、積層方向において絶縁層150の表面から半導体素子126の能動面126aにまで至る開口部を有している。配線パターン154は、絶縁層150の表面の一部に配置されていると共に、絶縁層150の前記開口部の内部に充填されている。配線パターン154は、半導体素子126の能動面126aに導通している。絶縁層152は、積層方向において絶縁層152の表面から配線パターン154にまで至る開口部156を有している。
ニッケルめっきの厚みは、好ましくは1〜10μmであり、金めっきの厚みは、好ましくは0.01〜1.0μm、より好ましくは0.05〜0.15μmである。
(工程(XVI))
工程(XVI)は、図12(w)に示すように、外部接続用端子160としての導電材料を形成する工程である。導電材料は、特に限定されるものではないが、環境保全の観点から、Sn−Ag系や、Sn−Ag−Cu系等のはんだを使用することが好ましい。また、回路形成用レジストを用いて、Cuポストを形成してもよい。
(工程(XVII))
工程(XVII)は、図12(x)に示すように、ダイサーを用いたダイシングによって個片化することで半導体装置170a,170bを得ることができる。
以上、本発明の半導体装置の製造方法等の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<支持体及び仮固定層の準備>
まず、図7(c)に示すように、支持体122として直径220mm、厚み1.5mmのSUS板を準備した。次に、ラミネータを用いて仮固定用フィルム(日東電工(株)製、商品名:リバアルファNo.3195V)をSUS板の片側に貼り付け、SUS板上に仮固定層124を形成した。なお、SUS板からはみ出した仮固定用フィルムについては、カッターナイフで切り離した。
<熱硬化性樹脂組成物の製造>
[熱硬化性樹脂組成物Aの製造]
熱硬化性樹脂組成物Aを製造するにあたり、まず、硬化剤(A−1)を調製した。
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−アミノフェニル)スルホン26.40gと、2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン484.50gと、p−アミノ安息香酸29.10gと、ジメチルアセトアミド360.00gとを入れ、140℃で5時間反応させて、分子主鎖中にスルホン基を有し、酸性置換基と不飽和N−置換マレイミド基とを有する硬化剤(A−1)の溶液を得た。
次に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:NC−3000H)70質量部と、上記で得られた硬化剤(A−1)を固形分で30質量部と、ビニルシランで処理したシリカフィラー(平均粒径:50nm)を樹脂成分100質量部に対して30質量部とを配合して、ビーズミル(アシザワファインテック(株)製、商品名:スターミルLMZ)を用い、周速12m/sにて3時間分散して、熱硬化性樹脂組成物Aの溶液を得た。
なお、シリカフィラーの分散状態については、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装(株)製)、レーザ回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装(株)製)を併用して測定し、平均粒径が50nm、最大粒径が1μm以下であることを確認した。
[熱硬化性樹脂組成物Bの製造]
熱硬化性樹脂組成物Bを製造するにあたり、まず、硬化剤(A−2)を調製した。
ジアミン化合物として(4,4’−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン(新日本理化(株)製、商品名:ワンダミンHM(WHM))52.7g、反応性官能基を有するジアミンとして3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル6g、トリカルボン酸無水物として無水トリメリット酸108g、及び、非プロトン性極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン1281gをフラスコに入れ、フラスコ内の温度を80℃に設定して30分間撹拌した。撹拌終了後、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン192gをさらに添加し、フラスコ内の温度を160℃に昇温して2.5時間還流した。水分定量受器に理論量の水が貯留され、水の留出が見られなくなっていることを確認した後、水分定量受器中の水及びトルエンを除去しながら、フラスコ内の温度を180℃まで上昇させて反応溶液中のトルエンを除去した。フラスコ内の溶液を60℃まで冷却した後、長鎖炭化水素鎖骨格(炭素原子数約50)を有するジカルボン酸として水添α,ω−ポリブタジエンジカルボン酸(日本曹達(株)製、商品名:CI−1000)309.5gを入れ、10分間撹拌した。撹拌終了後、ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート119.7gを添加し、フラスコ内の温度を160℃に上昇させて2時間反応させ、硬化剤(A−2)の溶液として、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところ47,000であった。ポリアミドイミド1分子あたりの平均反応性官能基数Nは4.4であった。
次に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:NC−3000H)70質量部と、上記で得られた硬化剤(A−2)を固形分で30質量部と、ビニルシランで処理したシリカフィラー(平均粒径:50nm)を樹脂成分100質量部に対して30質量部とを配合して、ビーズミル(アシザワファインテック(株)製、商品名:スターミルLMZ)を用い、周速12m/sにて3時間分散して、熱硬化性樹脂組成物Bの溶液を得た。
熱硬化性樹脂組成物B中のシリカフィラーの分散状態を熱硬化性樹脂組成物Aと同様の方法により分析し、平均粒径が50nm、最大粒径が1μm以下であることを確認した。
[熱硬化性樹脂組成物Cの製造]
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、商品名:エピクロンN660)70質量部と、硬化剤としてフェノキシ樹脂(新日鉄化学(株)製、商品名:YP−55)10質量部及びメラミン変性フェノールノボラック樹脂(DIC(株)製、商品名:LA7054)20質量部と、硫酸バリウム粒子(平均粒径:300nm)を樹脂成分100質量部に対して10質量部と、ビニルシランで処理したシリカフィラー(平均粒径:50nm)を樹脂成分100質量部に対して30質量部とを配合して、ビーズミル(アシザワファインテック(株)製、商品名:スターミルLMZ)を用い、周速12m/sにて3時間分散して、熱硬化性樹脂組成物Cの溶液を得た。
熱硬化性樹脂組成物C中の硫酸バリウム粒子及びシリカフィラーの分散状態を熱硬化性樹脂組成物Aと同様の方法により確認し、硫酸バリウム粒子の最大粒径が2μm以下であり、シリカフィラーの最大粒径が1μm以下であることを確認した。
<半導体装置製造用部材の製造>
熱硬化性樹脂組成物A〜Cの溶液を、支持フィルムであるPETフィルムα(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:A−24、38μm厚)及びPETフィルムβ(王子エフテックス(株)製、商品名:25RL−07NS、25μm厚)のそれぞれの上に、乾燥後の厚みが表1及び表2に示す厚みT(a1)になるように均一に塗布して熱硬化性樹脂組成物層(a1)を得た。その後、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥することによって、半導体装置製造用部材として熱硬化性樹脂フィルムを得た。
次いで、熱硬化性樹脂フィルムに埃等が付着しないように、ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、商品名:NF−15)を保護フィルムとして貼り合わせ、保護フィルム付の熱硬化性樹脂フィルムF1〜F14を得た。熱硬化性樹脂フィルムの詳細を表1及び表2に示す。
Figure 2017010992
Figure 2017010992
<ラミネート成形物の作製>
(実施例1〜28)
まず、図7(d)に示すように、表3〜表6に示す厚みT3を有する7.3mm×7.3mmの半導体素子126を、支持体122に貼り付けた仮固定層(仮固定用フィルム)124と、半導体素子126の能動面126aとが当接するように格子状に配置した。
半導体素子126の搭載数は293個、ピッチは縦方向、横方向ともに9.6mmとした。半導体素子126の配置にはダイソーター(キヤノンマシナリー(株)製、商品名:CAP3500)を用いた。配置時の荷重は半導体素子1個あたり1kgfとした。
次に、図7(e)に示すように、熱硬化性樹脂組成物層(a1)を用いて、半導体素子126を覆うように封止し、表3〜表6に示す厚みT(a2)を有する熱硬化性樹脂組成物層(a2)を形成した。封止は真空ラミネータ(名機製作所(株)製、商品名:MVLP−500)を用いて行った。ラミネート温度は140℃、ラミネート時間は1分間、ラミネート圧力は0.5MPaとした。次いで、熱硬化(140℃、2時間)を行い、熱硬化性樹脂組成物層(a2)を硬化してなる絶縁層(A)を形成することによりラミネート成形物を作製した(図7(f)参照)。
その後、図8(g)に示すように、支持フィルム112の表面から仮固定層124にまで至る開口部128をレーザー照射により形成した。形成に用いたレーザーは(ビアメカニクス(株)社製、商品名:LC−2F21B/1C)を用いた。レーザーショット数は1回、レーザー照射時間は90μ秒、レーザー照射強度は3.9W及び5.3Wとした。表3〜表6にレーザー照射条件を示す。その後、支持フィルム112であるPETフィルムを剥離した。次いで、表7に示す条件でデスミア処理を施した。
(比較例1〜7)
表8に示す各部材及び条件を用いた、及び、支持フィルム112を剥離してから表8のレーザー照射条件でレーザー照射を行ったこと以外は実施例1〜28と同様にして、ラミネート成形物を作製した後にレーザー照射及びデスミア処理を行った。
<評価>
(ラミネート成形性(埋め込み性))
ラミネート成形物を目視で観察して、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表3〜表6及び表8に示す。
○:半導体素子間に充分に樹脂が埋め込まれており、未充填部がない。
×:半導体素子間に未充填部がある。
(レーザー開口部形成性)
デスミア処理後の絶縁層114aの開口部(レーザー開口部)128を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)社製、商品名:JCM−5000)で観察し、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表3〜表6及び表8に示す。
○:開口端部の凹凸が5μm未満である。
×:開口端部の凹凸が5μm以上である。
Figure 2017010992
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<半導体装置の製造>
実施例1〜28のラミネート成形物に対して上記のレーザー照射及びデスミア処理を施した積層体を用いて、以下のとおり半導体装置を製造した。まず、図8(i)に示すように、スパッタ法により、絶縁層114aの表面及び開口部128の内壁上に1μmの厚みのシード層130を形成した。
次いで、回路形成用レジスト(日立化成(株)製、商品名:Photec RY−3525)をロールラミネータでシード層130上に貼着した。パターンを形成したフォトツールを回路形成用レジストに密着させ、露光機((株)オーク製作所製、EXM−1201型)を使用して、100mJ/cmのエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、回路形成用のレジストパターン132を形成した(図9(j))。
次に、図9(k)に示すように、電気めっき法により、開口部128を銅のめっき層134で充填した。次いで、図9(l)に示すように、剥離液によりレジストパターン132を剥離した後、絶縁層114a上に露出しているシード層130をエッチング液により除去した。次いで、図9(m)に示すように、絶縁層114a上に感光性樹脂組成物層(感光性樹脂組成物層(b))136を形成した。形成には、スピンコーター(ミカサ(株)製、商品名:Opticoat MS−A200)を用いた。形成条件は、回転数1500rpm、回転時間30秒とした。
次いで、図10(n)に示すように、感光性樹脂組成物層136の露光・現像を行い、めっき層(めっき銅層)134にまで至る開口部138を設けた。その後、図10(o)に示すように、感光性樹脂組成物層136の熱硬化を行い、感光性樹脂組成物層136を硬化してなる絶縁層136aを形成した。その後、図10(p)に示すように、スパッタ法により、絶縁層136aの表面及び開口部138の内壁上に1μmの厚みのシード層140を形成した。
その後、図10(q)に示すように、レジストパターン132の形成方法と同様の方法でレジストパターン142を形成した後、電気めっき法により、シード層140上に、5μmの厚みの銅の配線パターン144を形成した。次いで、図11(r)に示すように、剥離液によりレジストパターン142を剥離した後、絶縁層136a上に露出しているシード層140をエッチング液により除去した。
その後、絶縁層136a上に感光性樹脂組成物層を形成した。形成には、スピンコーター(ミカサ(株)製、商品名:Opticoat MS−A200)を用いた。形成条件は、回転数1500rpm、回転時間30秒とした。次いで、図11(s)に示すように、感光性樹脂組成物層の露光・現像を行い、配線パターン144にまで至る開口部を設けた。その後、感光性樹脂組成物層の熱硬化を行い、感光性樹脂組成物層を硬化してなる絶縁層146を形成した。
その後、図11(t)に示すように、支持体122及び仮固定層124を200℃のホットプレート上で剥離した。
次いで、図12(u)に示すように、半導体素子126の能動面126a側に、絶縁層136a、配線パターン144及び絶縁層146の形成方法と同様の方法で絶縁層150,152及び配線パターン154を形成した。
その後、図12(v)に示すように、市販の無電解ニッケル/金めっき液を用いて、ニッケルめっき厚3μm、金めっき厚0.1μmとなるように配線パターン154上にめっき処理を行って、めっき層158を形成した。次いで、図12(w)に示すように、めっき層158上に、外部接続用端子160としてSn−Ag−Cu系のはんだボールをリフロー搭載した。次いで、図12(x)に示すように、ダイシング(ブレード幅0.3mm)により9.3mm×9.3mmの大きさに個片化し、半導体装置170a,170bを得た。
本発明の半導体装置の製造方法は、ウェハレベル半導体装置に好適に用いられる他、パッケージ・オン・パッケージの再配線プロセス等、小型化及び薄型化が必要な全ての半導体装置、部品内蔵基板に適用することができる。
10,122…支持体、12,124…仮固定層、14,126…半導体素子、14a,126a…能動面、16…封止材、18,136…感光性樹脂組成物層、18a,26,30,38,114a,136a,146,150,152…絶縁層、20,32,130,140,148…シード層、22,132,142…レジストパターン、24,36,144,154…配線パターン、28,128,138,156…開口部、34,134,158…めっき層、40…はんだボール、50a,50b,170a,170b…半導体装置、110…半導体装置製造用部材、112…支持フィルム、112a,112b…主面、114…熱硬化性樹脂組成物層、126b…受動面、160…外部接続用端子、T1,T2,T3…厚み、D1…直径。

Claims (6)

  1. (I)支持フィルム上に半硬化又は未硬化状態の熱硬化性樹脂組成物層(a)を形成する工程、
    (II)能動面、及び、当該能動面とは反対側の受動面を有する半導体素子の前記能動面と仮固定層とが当接するように半導体素子を仮固定する工程、
    (III)前記半導体素子を前記熱硬化性樹脂組成物層(a)で封止した後に前記熱硬化性樹脂組成物層(a)を硬化することにより、前記半導体素子の前記受動面を覆う絶縁層(A)を形成する工程、並びに、
    (IV)前記支持フィルム及び前記絶縁層(A)をレーザーにより研削し、前記仮固定層にまで至る開口部を設ける工程、を備える、半導体装置の製造方法。
  2. 前記支持フィルムの厚みが10〜100μmである、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物層(a)の厚みが30〜300μmである、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記熱硬化性樹脂組成物層(a)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂から選ばれる1種以上を含む樹脂と、最大粒径が20μm以下かつ平均粒径が5μm以下である無機フィラーと、を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. (V)前記支持フィルムが除去された状態において前記開口部の内壁及び前記絶縁層(A)上にシード層を形成する工程、
    (VI)前記シード層上にレジストパターンを形成する工程、
    (VII)前記開口部をめっき層により充填する工程、
    (VIII)前記レジストパターンを除去した後、前記シード層における前記絶縁層(A)上の部分を除去する工程、
    (IX)前記めっき層にまで至る開口部を有する絶縁層(B)を前記絶縁層(A)上に形成する工程、
    (X)前記絶縁層(B)の前記開口部の内壁及び前記絶縁層(B)上にシード層を形成する工程、
    (XI)前記シード層上にレジストパターンを形成した後に、前記シード層における前記レジストパターンから露出する部分上に配線パターンを形成する工程、
    (XII)前記レジストパターンと、前記シード層における前記配線パターンから露出する部分とを除去する工程、
    (XIII)前記配線パターン及び前記絶縁層(B)上に、前記配線パターンにまで至る開口部を有する絶縁層(C)を形成する工程、
    (XIV)前記仮固定層を除去し、前記半導体素子の前記能動面を露出させる工程、
    (XV)前記工程(XIV)の後、前記半導体素子の前記能動面側に、前記能動面にまで至る開口部を有する絶縁層(D)と、前記絶縁層(D)に積層されていると共に前記絶縁層(D)の前記開口部を介して前記半導体素子の前記能動面に導通する配線パターンと、当該配線パターンにまで至る開口部を有する絶縁層(E)と、を形成する工程、並びに、
    (XVI)前記絶縁層(E)の前記開口部に外部接続用端子を形成する工程、を更に備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法により得られる、半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110085558A (zh) * 2018-01-26 2019-08-02 力成科技股份有限公司 密封材料组合物、半导体封装及其制造方法

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