JP2023121767A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Hiroyuki Sakauchi
成 佐々木
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Abstract

【課題】密着性に優れ、反り、モールド成形後のフローマークの発生、及びポストキュア後の樹脂表面のムラの発生を抑制された硬化物を得ることができる樹脂組成物;当該樹脂組成物を用いた回路基板、及び半導体チップパッケージを提供する。【解決手段】(A-1)エポキシ当量が400g/eq.より大きく、1500g/eq.以下であるエポキシ樹脂、(B)無機充填剤、及び(C)硬化剤、を含む樹脂組成物であって、(A-1)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.2質量%以上3質量%未満であり、(B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、70質量%以上である、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。さらには、本発明は、樹脂組成物を使用した、回路基板、半導体チップパッケージに関する。
近年、スマートフォン、タブレット型デバイスといった高機能電子機器の需要が増大しており、それに伴い、これら小型の電子機器に用いられる絶縁材料も更なる高機能化が求められている。このような絶縁材料としては、例えば、樹脂組成物を硬化して形成されるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2017-82052号公報
近年、より小型の半導体チップパッケージが求められており、半導体チップパッケージに用いる絶縁層又は封止層は薄くすることが求められている。絶縁層又は封止層を薄くすると反りが発生しやすくなる傾向にあるので、反りの抑制が可能な絶縁層又は封止層が望まれている。
反りを抑制するためには、樹脂組成物に液状成分や応力を緩和する成分を添加することが考えられる。
しかし、この場合、導体層等との密着性が劣ることがあり、また、モールド成形後のフローマークの発生、及びポストキュア後の樹脂表面のムラが発生しやすくなることがある。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、密着性に優れ、反り、モールド成形後のフローマークの発生、及びポストキュア後の樹脂表面のムラの発生を抑制された硬化物を得ることができる樹脂組成物;当該樹脂組成物を用いた回路基板、及び半導体チップパッケージ;を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、所定のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を所定量樹脂組成物に含有させることで、密着性に優れ、反り、モールド成形後のフローマークの発生、及びポストキュア後の樹脂表面のムラの発生を抑制された硬化物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の内容を含む。
[1] (A-1)エポキシ当量が400g/eq.より大きく、1500g/eq.以下であるエポキシ樹脂、
(B)無機充填剤、及び
(C)硬化剤、を含む樹脂組成物であって、
(A-1)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.2質量%以上3質量%未満であり、
(B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、70質量%以上である、樹脂組成物。
[2] (A-1)成分が、フルオレン骨格、ブタジエン骨格、イソプレン骨格、アルキレンオキシ骨格、シロキサン骨格、及びビスフェノール骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] さらに、(A-2)エポキシ当量が400g/eq.以下のエポキシ樹脂、又はエポキシ当量が1500g/eq.より大きいエポキシ樹脂を含む、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (C)成分が、酸無水物系硬化剤を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 樹脂組成物が、液状である、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 封止用又は絶縁用の樹脂組成物である、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む、回路基板。
[8] [7]に記載の回路基板と、前記回路基板に搭載された半導体チップとを含む、半導体チップパッケージ。
[9] 半導体チップと、前記半導体チップを封止する[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物とを含む、半導体チップパッケージ。
本発明によれば、密着性に優れ、反り、モールド成形後のフローマークの発生、及びポストキュア後の樹脂表面のムラの発生を抑制された硬化物を得ることができる樹脂組成物;当該樹脂組成物を用いた回路基板、及び半導体チップパッケージ;を提供できる。
以下、実施形態及び例示物を示して、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に挙げる実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(A-1)エポキシ当量が400g/eq.より大きく、1500g/eq.以下であるエポキシ樹脂、(B)無機充填剤、及び(C)硬化剤、を含む樹脂組成物であって、(A-1)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.2質量%以上3質量%未満であり、(B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、70質量%以上である。(A-1)成分、(B)成分及び(C)成分を組み合わせて含み、且つ、(A-1)成分及び(B)成分の含有量を所定の範囲内とすることにより、樹脂組成物は、密着性に優れ、反り、モールド成形後のフローマークの発生、及びポストキュア後の樹脂表面のムラの発生を抑制された硬化物を得られるという、本発明の所望の効果を得ることができる。
この樹脂組成物の硬化物は、その優れた特性を活かして、回路基板及び半導体チップパッケージの絶縁層又は封止層として好ましく用いることができ、特に封止層として好ましく用いることができる。
また、樹脂組成物は、(A-1)成分、(B)成分、及び(C)成分に組み合わせて、更に任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、(A-2)エポキシ当量が400g/eq.以下のエポキシ樹脂、又はエポキシ当量が1500g/eq.より大きいエポキシ樹脂、(D)硬化促進剤、などが挙げられる。本明細書では、(A-1)成分及び(A-2)成分をまとめて「(A)エポキシ樹脂」ということがある。以下、樹脂組成物中に含まれる各成分について説明する。
<(A-1)エポキシ当量が400g/eq.より大きく、1500g/eq.以下であるエポキシ樹脂>
樹脂組成物は、(A-1)成分として、(A-1)エポキシ当量が400g/eq.より大きく、1500g/eq.以下であるエポキシ樹脂を含有する。(A-1)成分は、エポキシ当量が400g/eq.より大きく1500g/eq.以下であるため、架橋密度が特定の適切な範囲にある硬化物が得られる。このため、(A-1)成分を含有する樹脂組成物の硬化物は靱性が向上し、その結果、密着性が向上すると考えられる。また、(A-1)成分を樹脂組成物に含有させることで、樹脂組成物が硬化する際の硬化収縮の発生が抑制される。その結果、反り量が抑制されると考えられる。
(A-1)成分のエポキシ当量は、400g/eq.より大きく、好ましくは410g/eq.以上、より好ましくは420g/eq.以上であり、1500g/eq.以下であり、好ましくは1000g/eq.以下、より好ましくは800g/eq.以下、500g/eq.以下である。(A-1)成分のエポキシ当量を斯かる範囲内とすることにより、本発明の所望の効果を得ることができる。エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
(A-1)成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.2質量%以上であり、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、3質量%未満であり、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、1.5質量%以下である。(A-1)成分の含有量を斯かる範囲内とすることにより、樹脂組成物のガラス転移温度を下げ、反り量をより抑制することが可能となる。なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
(A-1)成分としては、本発明の所望の効果を得る観点から、1分子中に1個以上のエポキシ基を有することが好ましく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有することがより好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有することがさらに好ましい。
(A-1)成分には、温度20℃で液状の(A-1)成分と、温度20℃で固体状の(A-1)成分とがある。(A-1)成分としては、本発明の所望の効果を得る観点から、液状であることが好ましい。(A-1)成分は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A-1)成分としては、例えば、フルオレン骨格、ブタジエン骨格、イソプレン骨格、アルキレンオキシ骨格、シロキサン骨格、及びビスフェノール骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を含むことが好ましい。
アルキレンオキシ骨格は、アルキレン基と酸素原子とが結合したアルキレンオキシ基を有する構造をいい、アルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数3~6のアルキレン基がさらに好ましい。
ビスフェノール骨格としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、4,4’-(9-フルオレニリデン)ビスフェノール型などが挙げられる。
これらの中でも、(A-1)成分としては、フルオレン骨格、ブタジエン骨格、アルキレンオキシ骨格、シロキサン骨格、及びビスフェノール骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を含むことがより好ましい。
(A-1)成分の市販品としては、例えば、大阪ガスケミカル社製の「EG-280」、「EG-250」、ナガセケムテックス社製の「R-45EPT」、「R-15EPT」、「DLC-204」、「EX-145」、「EX-171」、「EX-991L」、「EX-992L」、「FCA-635」、阪本薬品工業社製の「SR-PTMG」、信越化学工業社製の「KF-105」、DIC社製の「EXA-4816」、「EXA-4850」、ADEKA社製の「EP-4003S」、日本化薬社製の「LCE-2615」、三菱ケミカル社製の「YX-7400」、「YX-7105」、「YX-7110」等が挙げられる。これらは1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A-1)成分の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100以上、より好ましくは250以上、さらに好ましくは400以上であり、好ましくは5000以下、より好ましくは3000以下、さらに好ましくは1500以下である。(A-1)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<(A-2)エポキシ当量が400g/eq.以下のエポキシ樹脂、又はエポキシ当量が1500g/eq.より大きいエポキシ樹脂>
樹脂組成物は、(A-2)として、エポキシ当量が400g/eq.以下のエポキシ樹脂、又はエポキシ当量が1500g/eq.より大きいエポキシ樹脂を含有していてもよい。(A-2)成分を樹脂組成物に含有させることで、本発明の効果を顕著に得ることができる。
(A-2)成分としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。(A-2)成分は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(A-2)成分として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、(A-2)成分の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する(A-2)成分の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
(A-2)成分には、温度20℃で液状の(A-2)成分と、温度20℃で固体状の(A-2)成分とがある。樹脂組成物は、(A-2)成分として、液状の(A-2)成分を用いてもよく、固体状の(A-2)成分を用いてもよく、液状の(A-2)成分と固体状の(A-2)成分とを組み合わせて用いてもよい。中でも、樹脂組成物の粘度を低下させる観点から、(A-2)成分として液状の(A-2)成分を用いることが好ましい。
液状の(A-2)成分としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状の(A-2)成分が好ましい。
液状の(A-2)成分としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂がより好ましい。
液状の(A-2)成分の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「CELド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)、ADEKA社製の「EP3950L」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状の(A-2)成分としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状の(A-2)成分が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状の(A-2)成分がより好ましい。
固体状の(A-2)成分としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状の(A-2)成分の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」;三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A-2)成分として液状の(A-2)成分と固体状の(A-2)成分とを組み合わせて用いる場合、それらの量比(液状の(A-2)成分:固体状の(A-2)成分)は、質量比で、好ましくは1:0.01~1:20、より好ましくは1:0.05~1:10、特に好ましくは1:0.1~1:1である。液状の(A-2)成分と固体状の(A-2)成分との量比が斯かる範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。
(A-2)成分が、エポキシ当量が400g/eq.以下のエポキシ樹脂である場合、そのエポキシ当量は、好ましくは400g/eq.以下、より好ましくは300g/eq.以下、さらに好ましくは200g/eq.以下であり、好ましくは50g/eq.以上、より好ましくは80g/eq.以上、さらに好ましくは90g/eq.以上である。この範囲となることで、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が十分となり、表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。
(A-2)成分が、エポキシ当量が1500g/eq.より大きいエポキシ樹脂である場合、そのエポキシ当量は、好ましくは1500g/eq.より大きく、より好ましくは1600g/eq.以上、さらに好ましくは1700g/eq.以上であり、好ましくは5000g/eq.以下、より好ましくは3000g/eq.以下、さらに好ましくは2000g/eq.以下である。この範囲となることで、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が十分となり、表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。
(A-2)成分の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。
(A-2)成分の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す絶縁層を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
(A-1)成分の樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの含有量をA1とし、(A-2)成分の樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの含有量をA2としたとき、A1/A2としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.05以上であり、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.5以下である。
<(B)無機充填材>
樹脂組成物は、(B)成分として無機充填材を含有する。(B)無機充填材を用いることにより、樹脂組成物の硬化物の絶縁性能を向上させることができる。
(B)無機充填材の含有量は、絶縁性能に優れる絶縁層を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、70質量%以上であり、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは85質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは88質量%以下である。
(B)無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。無機充填材の材料の例としては、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては、球状シリカが好ましい。(B)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)無機充填材の市販品としては、例えば、新日鉄住金マテリアルズ社製の「SP60-05」、「SP507-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」;デンカ社製の「UFP-30」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」;などが挙げられる。
(B)無機充填材の平均粒径は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。
(B)無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で(B)無機充填材の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出する。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(B)無機充填材の比表面積は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1m/g以上、より好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、50m/g以下又は40m/g以下である。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
(B)無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量部は、0.2質量部~5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部~3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部~2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及び樹脂組成物層での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
(A-1)成分の樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの含有量をA1とし、(B)成分の樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの含有量をB1としたとき、A1/B1としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.01以上であり、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.1以下である。
<(C)硬化剤>
樹脂組成物は、(C)成分として、硬化剤を含有する。(C)硬化剤は、通常、(A)成分と反応して樹脂組成物を硬化させる機能を有する。(C)硬化剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(C)硬化剤としては、(A)エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させることができる化合物を用いることができ、例えば、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から酸無水物系硬化剤が好ましい。
酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。酸無水物系硬化剤は市販品を用いてもよく、例えば、新日本理化社製の「MH-700」等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、1分子内中に1個以上のアミノ基を有する硬化剤が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系硬化剤は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系硬化剤は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)に結合した水酸基を1分子中に1個以上、好ましくは2個以上有する硬化剤が挙げられる。中でも、ベンゼン環に結合した水酸基を有する化合物が好ましい。また、耐熱性及び耐水性の観点からは、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤が好ましい。さらに、密着性の観点からは、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。特に、耐熱性、耐水性、及び密着性を高度に満足させる観点からは、トリアジン骨格含有フェノールノボラック硬化剤が好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、「MEH-8000H」;日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」;新日鉄住金化学社製の「SN-170」、「SN-180」、「SN-190」、「SN-475」、「SN-485」、「SN-495」、「SN-495V」、「SN-375」、「SN-395」;DIC社製の「TD-2090」、「TD-2090-60M」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」、「HPC-9500」、「KA-1160」、「KA-1163」、「KA-1165」;群栄化学社製の「GDP-6115L」、「GDP-6115H」、「ELPC75」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する硬化剤が挙げられる。中でも、活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましい。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000」、「HPC-8000H」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L」、「EXB-8000L-65TM」、「EXB-8150-65T」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150L-65T」、「EXB9416-70BK」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);等が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル、等の2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂;これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー;などが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂);「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂);「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー);等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製の「V-03」、「V-05」、「V-07」;ラインケミー社製のスタバクゾール(登録商標)P等が挙げられる。
(C)硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下である。
(A)成分のエポキシ基数を1とした場合、(C)硬化剤の活性基数は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.4以下である。ここで、「(A)成分のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在する(A)成分の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「(C)硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する(C)硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。(A)成分のエポキシ基数を1とした場合の(C)硬化剤の活性基数が前記範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。
(A-1)成分のエポキシ基数を1とした場合、(C)硬化剤の活性基数は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.4以下である。ここで、「(A-1)成分のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在する(A-1)成分の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。(A-1)成分のエポキシ基数を1とした場合の(C)硬化剤の活性基数が前記範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。
(A-2)成分のエポキシ基数を1とした場合、(C)硬化剤の活性基数は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.4以下である。ここで、「(A-2)成分のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在する(A-2)成分の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。(A-2)成分のエポキシ基数を1とした場合の(C)硬化剤の活性基数が前記範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。
<(D)硬化促進剤>
樹脂組成物は、任意の成分として(D)硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
(D)硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、特に好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。
<(E)その他の添加剤>
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更にその他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、熱可塑性樹脂;難燃剤;有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物;増粘剤;消泡剤;レベリング剤;密着性付与剤;着色剤;顔料等の樹脂添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。それぞれの含有量は当業者であれば適宜設定できる。
上述した樹脂組成物は、必要に応じて、溶剤を含んでいてもよいが、溶剤を実質的に含まない無溶剤の樹脂組成物であることが好ましい。このように溶剤を含まなくても、前記の樹脂組成物は、圧縮成型法を用いて成型する場合には流動化することができ、優れた圧縮成型性を実現できる。よって、この樹脂組成物は、無溶剤用樹脂組成物として用いることが可能である。「溶剤を実質的に含まない」とは、例えば、溶剤の含量が、無溶剤樹脂組成物全体に対して1質量%以下であることをいう。
樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、回転ミキサーなどを用いて混合・分散する方法などが挙げられる。
<樹脂組成物の特性>
上述した樹脂組成物によれば、反りの抑制が可能な硬化物の層を得ることができる。したがって、この樹脂組成物を用いることにより、回路基板及び半導体チップパッケージの反りの抑制が可能な封止層及び絶縁層を得ることができる。例えば、上述した樹脂組成物を用いて、実施例に記載の方法によって、12インチシリコンウエハ上に、180℃で90分加熱した樹脂組成物の硬化物層を形成して、試料基板を作製する。この場合、25℃での実施例に記載の方法で測定される反り量を、通常5mm未満、好ましくは4mm未満にできる。下限は特に限定されないが、0.01mm以上等とし得る。
また、上述した樹脂組成物は、密着性に優れる硬化物を得ることができる。したがって、この樹脂組成物を用いることにより、回路基板及び半導体チップパッケージの密着性に優れる封止層及び絶縁層を得ることができる。密着力は、好ましくは500kgf/cm超である。密着力の測定は、後述する実施例に記載の方法に従って測定することができる。
上述した樹脂組成物を用いた硬化物は、モールド後のフローマークの発生が抑制されるという特性を示す。したがって、この樹脂組成物を用いることにより、フローマークの発生が抑制された封止層及び絶縁層を得ることができる。具体的には、12インチシリコンウエハ上に、樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成し、試料を形成し(この時の樹脂組成物層の面積は、14.6cm×14.6×3.14=45.844cm)、試料の樹脂組成物層の外観を観察する。このとき、樹脂組成物層表面全体のうち、フローマークの占める面積が20%未満である。モールド後のフローマークの発生の評価は、後述する実施例に記載の方法に従って測定することができる。
また、上述した樹脂組成物は、を用いた硬化物は、ポストキュア後の樹脂表面ムラの発生が抑制されるという特性を示す。したがって、この樹脂組成物を用いることにより、ポストキュア後の樹脂表面ムラの発生が抑制された封止層及び絶縁層を得ることができる。具体的には、12インチシリコンウエハ上に、樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を12インチシリコンウエハ上に形成する(この時の樹脂組成物層の面積は、14.6cm×14.6×3.14=45.844cm)。その後、180℃で90分加熱して樹脂組成物層を熱硬化した硬化物層の外観を観察する。このとき、通常は、硬化物層表面が均一で色ムラがない。
樹脂組成物は、液状であってもよく、固体状であってもよいが、その成型時には液状であることが好ましい。例えば、常温(例えば、20℃)において液状の樹脂組成物は、特段の温度調整を行うことなく常温で圧縮成型法による成型を行ってもよく、適切な温度に加熱して圧縮成型法による成型を行ってもよい。また、常温において液状の樹脂組成物を、カートリッジ内に充填し、カートリッジから該樹脂組成物を吐出させ、その後圧縮成型法による成型を行ってもよい。
また、常温において固体状の樹脂組成物は、通常、その温度をより高い温度(例えば、130℃)に調整することによって液状になれるので、加熱等の適切な温度調整によって圧縮成型法による成形が可能である。前記の樹脂組成物は、通常、溶剤を含まなくても適切な温度において液状になることができ、例えば、液状封止材として用いることが可能である。ここで、液状とは、以下の測定方法にて測定した粘度が1500Pa・s未満であるものをいう。
RE80型粘度計(東機産業社製)にて測定対象の樹脂組成物0.2~0.3mlをシリンジにて量り取る。測定の際には、粘度計の測定室を外部循環型恒温槽にて25.0℃に温度管理する。ローターの回転数を1rpmに設定し、120秒後の粘度を計測する。
樹脂組成物は、上述した特性を有するため、有機EL装置や半導体等の電子機器を封止するための樹脂組成物として好適に使用することができ、特に、半導体を封止するための樹脂組成物(半導体封止用の樹脂組成物)、好ましくは半導体チップを封止するための樹脂組成物(半導体チップ封止用の樹脂組成物)として好適に使用することができる。また、樹脂組成物は、封止用途以外に絶縁層用の樹脂組成物として用いることができる。例えば、前記の樹脂組成物は、半導体チップパッケージの絶縁層を形成するための樹脂組成物(半導体チップパッケージの絶縁層用の樹脂組成物)、及び、回路基板(プリント配線板を含む。)の絶縁層を形成するための樹脂組成物(回路基板の絶縁層用の樹脂組成物)として、好適に使用することができる。
半導体チップパッケージとしては、例えば、FC-CSP、MIS-BGAパッケージ、ETS-BGAパッケージ、Fan-out型WLP(Wafer Level Package)、Fan-in型WLP、Fan-out型PLP(Panel Level Package)、Fan-in型PLPが挙げられる。
また、前記の樹脂組成物は、アンダーフィル材として用いてもよく、例えば、半導体チップを基板に接続した後に用いるMUF(Molding Under Filling)の材料として用いてもよい。
さらに、前記の樹脂組成物は、樹脂シート、プリプレグ等のシート状積層材料、ソルダーレジスト、ダイボンディング材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等、樹脂組成物が用いられる広範な用途に使用できる。
[樹脂シート]
本発明の樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた樹脂組成物層と、を有する。樹脂組成物層は、本発明の樹脂組成物を含む層であり、通常は、樹脂組成物で形成されている。
樹脂組成物層の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは600μm以下、より好ましくは550μm以下、更に好ましくは500μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、又は、200μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されず、例えば、1μm以上、5μm以上、10μm以上、等でありうる。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル;ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。);ポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」と略称することがある。)等のアクリルポリマー;環状ポリオレフィン;トリアセチルセルロース(以下「TAC」と略称することがある。);ポリエーテルサルファイド(以下「PES」と略称することがある。);ポリエーテルケトン;ポリイミド;等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。中でも、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面に、マット処理、コロナ処理、帯電防止処理等の処理が施されていてもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型剤の市販品としては、例えば、アルキド樹脂系離型剤である、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」等が挙げられる。また、離型層付き支持体としては、例えば、東レ社製の「ルミラーT60」;帝人社製の「ピューレックス」;ユニチカ社製の「ユニピール」;等が挙げられる。
支持体の厚さは、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
樹脂シートは、例えば、樹脂組成物を、ダイコーター等の塗布装置を用いて支持体上に塗布して、製造することができる。また、必要に応じて、樹脂組成物を有機溶剤に溶解して樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを塗布して樹脂シートを製造してもよい。溶剤を用いることにより、粘度を調整して、塗布性を向上させることができる。樹脂ワニスを用いた場合、通常は、塗布後に樹脂ワニスを乾燥させて、樹脂組成物層を形成する。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル溶剤;セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール溶剤;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN-メチルピロリドン等のアミド系溶剤;等を挙げることができる。有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、必要に応じて、支持体及び樹脂組成物層以外の任意の層を含んでいてもよい。例えば、樹脂シートにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムが設けられていてもよい。保護フィルムの厚さは、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって樹脂シートは使用可能となる。また、樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。
[回路基板]
本発明で用いられる回路基板は、例えば、下記の工程(1)及び工程(2)を含む製造方法によって、製造できる。上述した樹脂組成物の硬化物は、後述するように回路基板上の半導体チップなどの封止層として用いられる以外に、回路基板に含まれる絶縁層を樹脂組成物の硬化物により形成してもよい。但し、絶縁層は、上述した樹脂組成物の硬化物以外の材料によって形成されていてもよい。
(1)基材上に、樹脂組成物層を形成する工程。
(2)樹脂組成物層を熱硬化して、絶縁層を形成する工程。
工程(1)では、基材を用意する。基材としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板(ステンレスや冷間圧延鋼板(SPCC)など)、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板が挙げられる。また、基材は、当該基材の一部として表面に銅箔等の金属層を有していてもよい。例えば、両方の表面に剥離可能な第一金属層及び第二金属層を有する基材を用いてもよい。このような基材を用いる場合、通常、回路配線として機能できる配線層としての導体層が、第二金属層の第一金属層とは反対側の面に形成される。このような金属層を有する基材としては、例えば、三井金属鉱業社製のキャリア銅箔付極薄銅箔「Micro Thin」が挙げられる。
また、基材の一方又は両方の表面には、導体層が形成されていてもよい。以下の説明では、基材と、この基材表面に形成された導体層とを含む部材を、適宜「配線層付基材」ということがある。導体層に含まれる導体材料としては、例えば、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む材料が挙げられる。導体材料としては、単金属を用いてもよく、合金を用いてもよい。合金としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性の観点から、単金属としてのクロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅;及び、合金としてのニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金;が好ましい。その中でも、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属;及び、ニッケル・クロム合金;がより好ましく、銅の単金属が特に好ましい。
導体層は、例えば配線層として機能させるために、パターン加工されていてもよい。この際、導体層のライン(回路幅)/スペース(回路間の幅)比は、特に制限されないが、好ましくは20/20μm以下(即ちピッチが40μm以下)、より好ましくは10/10μm以下、さらに好ましくは5/5μm以下、よりさらに好ましくは1/1μm以下、特に好ましくは0.5/0.5μm以上である。ピッチは、導体層の全体にわたって同一である必要はない。導体層の最小ピッチは、例えば、40μm以下、36μm以下、又は30μm以下であってもよい。
導体層の厚さは、回路基板のデザインによるが、好ましくは3μm~35μm、より好ましくは5μm~30μm、さらに好ましくは10μm~20μm、特に好ましくは15μm~20μmである。
導体層は、例えば、基材上にドライフィルム(感光性レジストフィルム)を積層する工程、フォトマスクを用いてドライフィルムに対して所定の条件で露光及び現像を行ってパターンを形成してパターンドライフィルムを得る工程、現像したパターンドライフィルムをめっきマスクとして電解めっき法等のメッキ法によって導体層を形成する工程、及び、パターンドライフィルムを剥離する工程を含む方法によって、形成できる。ドライフィルムとしては、フォトレジスト組成物からなる感光性のドライフィルムを用いることができ、例えば、ノボラック樹脂、アクリル樹脂等の樹脂で形成されたドライフィルムを用いることができる。基材とドライフィルムとの積層条件は、後述する基材と樹脂シートとの積層の条件と同様でありうる。ドライフィルムの剥離は、例えば、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ性の剥離液を使用して実施することができる。
基材を用意した後で、基材上に、樹脂組成物層を形成する。基材の表面に導体層が形成されている場合、樹脂組成物層の形成は、導体層が樹脂組成物層に埋め込まれるように行うことが好ましい。
樹脂組成物層の形成は、例えば、樹脂シートと基材とを積層することによって行われる。この積層は、例えば、支持体側から樹脂シートを基材に加熱圧着することにより、基材に樹脂組成物層を貼り合わせることで、行うことができる。樹脂シートを基材に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ということがある。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール等)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、基材の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
基材と樹脂シートとの積層は、例えば、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲である。加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲である。加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力13hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。なお、積層と平滑化処理は、真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
樹脂組成物層は、本発明の樹脂シート又は樹脂組成物から形成してもよい。樹脂組成物から樹脂組成物層を形成する場合、樹脂組成物層の形成は、例えば、圧縮成型法によって行うことができる。また、カートリッジ内に樹脂組成物を充填し、カートリッジから該樹脂組成物を吐出させることによって樹脂組成物層を形成してもよい。成型条件は、後述する半導体チップパッケージの封止層を形成する工程における樹脂組成物層の形成方法と同様な条件を採用してもよい。
基材上に樹脂組成物層を形成した後、樹脂組成物層を熱硬化して、絶縁層を形成する。樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類によっても異なるが、硬化温度は通常120℃~240℃の範囲(好ましくは150℃~220℃の範囲、より好ましくは170℃~200℃の範囲)、硬化時間は5分間~120分間の範囲(好ましくは10分間~100分間、より好ましくは15分間~90分間)である。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層に対して、硬化温度よりも低い温度で加熱する予備加熱処理を施してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、通常50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を、通常5分間以上(好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間)、予備加熱してもよい。
以上のようにして、絶縁層を有する回路基板を製造できる。また、回路基板の製造方法は、更に、任意の工程を含んでいてもよい。
例えば、樹脂シートを用いて回路基板を製造した場合、回路基板の製造方法は、樹脂シートの支持体を剥離する工程を含んでいてもよい。支持体は、樹脂組成物層の熱硬化の前に剥離してもよく、樹脂組成物層の熱硬化の後に剥離してもよい。
回路基板の製造方法は、例えば、絶縁層を形成した後で、その絶縁層の表面を研磨する工程を含んでいてもよい。研磨方法は特に限定されない。例えば、平面研削盤を用いて絶縁層の表面を研磨することができる。
回路基板の製造方法は、例えば、導体層を層間接続する工程、いわゆる絶縁層に穴あけをする工程を含んでいてもよい。これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。ビアホールの形成方法としては、例えば、レーザー照射、エッチング、メカニカルドリリング等が挙げられる。ビアホールの寸法や形状は回路基板のデザインに応じて適宜決定してよい。なお、導体層を層間接続する工程は、絶縁層の研磨又は研削によって層間接続を行ってもよい。
ビアホールの形成後、ビアホール内のスミアを除去する工程を行うことが好ましい。この工程は、デスミア工程と呼ばれることがある。例えば、絶縁層上への導体層の形成をめっき工程により行う場合には、ビアホールに対して、湿式のデスミア処理を行ってもよい。また、絶縁層上への導体層の形成をスパッタ工程により行う場合には、プラズマ処理工程などのドライデスミア工程を行ってもよい。さらに、デスミア工程によって、絶縁層に粗化処理が施されてもよい。
また、絶縁層上に導体層を形成する前に、絶縁層に対して、粗化処理を行ってもよい。この粗化処理によれば、通常、ビアホール内を含めた絶縁層の表面が粗化される。粗化処理としては、乾式及び湿式のいずれの粗化処理を行ってもよい。乾式の粗化処理の例としては、プラズマ処理等が挙げられる。また、湿式の粗化処理の例としては、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、及び、中和液による中和処理をこの順に行う方法が挙げられる。
ビアホールを形成後、絶縁層上に導体層を形成する。ビアホールが形成された位置に導体層を形成することで、新たに形成された導体層と基材表面の導体層とが導通して、層間接続が行われる。導体層の形成方法は、例えば、めっき法、スパッタ法、蒸着法などが挙げられ、中でもめっき法が好ましい。好適な実施形態では、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の適切な方法によって絶縁層の表面にめっきして、所望の配線パターンを有する導体層を形成する。また、樹脂シートにおける支持体が金属箔である場合、サブトラクティブ法により、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。形成される導体層の材料は、単金属でもよく、合金でもよい。また、この導体層は、単層構造を有していてもよく、異なる種類の材料の層を2層以上含む複層構造を有していてもよい。
ここで、絶縁層上に導体層を形成する実施形態の例を、詳細に説明する。絶縁層の表面に、無電解めっきにより、めっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、所望の配線パターンに対応して、めっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出しためっきシード層上に、電解めっきにより電解めっき層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチング等の処理により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成できる。なお、導体層を形成する際、マスクパターンの形成に用いるドライフィルムは、上記ドライフィルムと同様である。
回路基板の製造方法は、基材を除去する工程を含んでいてもよい。基材を除去することにより、絶縁層と、この絶縁層に埋め込まれた導体層とを有する回路基板が得られる。この基材を除去する工程は、例えば、剥離可能な金属層を有する基材を用いた場合に、行うことができる。
[半導体チップパッケージ]
本発明の第一実施形態に係る半導体チップパッケージは、上述した回路基板と、この回路基板に搭載された半導体チップとを含む。この半導体チップパッケージは、回路基板に半導体チップを接合することにより、製造することができる。
回路基板と半導体チップとの接合条件は、半導体チップの端子電極と回路基板の回路配線とが導体接続できる任意の条件を採用できる。例えば、半導体チップのフリップチップ実装において使用される条件を採用できる。また、例えば、半導体チップと回路基板との間に、絶縁性の接着剤を介して接合してもよい。
接合方法の例としては、半導体チップを回路基板に圧着する方法が挙げられる。圧着条件としては、圧着温度は通常120℃~240℃の範囲(好ましくは130℃~200℃の範囲、より好ましくは140℃~180℃の範囲)、圧着時間は通常1秒間~60秒間の範囲(好ましくは5秒間~30秒間)である。
また、接合方法の他の例としては、半導体チップを回路基板にリフローして接合する方法が挙げられる。リフロー条件は、120℃~300℃の範囲としてもよい。
半導体チップを回路基板に接合した後、半導体チップをモールドアンダーフィル材で充填してもよい。このモールドアンダーフィル材として、上述した樹脂組成物を用いてもよく、また、上述した樹脂シートを用いてもよい。
本発明の第二実施形態に係る半導体チップパッケージは、半導体チップと、この半導体チップを封止する前記樹脂組成物の硬化物とを含む。このような半導体チップパッケージでは、通常、樹脂組成物の硬化物は封止層として機能する。第二実施形態に係る半導体チップパッケージとしては、例えば、Fan-out型WLPが挙げられる。
このようなFan-out型WLPのような半導体チップパッケージの製造方法は、
(A)基材に仮固定フィルムを積層する工程、
(B)半導体チップを、仮固定フィルム上に仮固定する工程、
(C)本発明の樹脂シートの樹脂組成物層を、半導体チップ上に積層、又は本発明の樹脂組成物を半導体チップ上に塗布し、熱硬化させて封止層を形成する工程、
(D)基材及び仮固定フィルムを半導体チップから剥離する工程、
(E)半導体チップの基材及び仮固定フィルムを剥離した面に再配線形成層(絶縁層)を形成する工程、
(F)再配線形成層(絶縁層)上に導体層(再配線層)を形成する工程、及び
(G)導体層上にソルダーレジスト層を形成する工程、を含む。また、半導体チップパッケージの製造方法は、(H)複数の半導体チップパッケージを個々の半導体チップパッケージにダイシングし、個片化する工程を含み得る。
このような半導体チップパッケージの製造方法の詳細は、国際公開第2016/035577号の段落0066~0081の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の第三実施形態に係る半導体チップパッケージは、例えば第二実施形態の半導体チップパッケージにおいて、再配線形成層又はソルダーレジスト層を、本発明の樹脂組成物の硬化物で形成した半導体チップパッケージである。
[半導体装置]
上述した半導体チップパッケージが実装される半導体装置としては、例えば、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット型デバイス、ウェラブルデバイス、デジタルカメラ、医療機器、及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでは無い。以下の説明において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示の無い限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。また、以下に説明する操作は、別途明示の無い限り、常温常圧の環境で行った。
(シリカAの調製)
平均粒径7μm、比表面積3.4m/gの球状シリカを、KBM―573(信越化学工業製)で表面処理をしたことにより、球状のシリカAを得た。
<実施例1>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq.)5部、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「630」、エポキシ当量95g/eq.)7部、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部、酸無水物系硬化剤(新日本理化社製「MH-700」、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30)8部、シリカA 140部、硬化促進剤(四国化成工業社製「1B2PZ」)0.1部を、ミキサーを用いて均一に分散して、樹脂組成物1を得た。
<実施例2>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部を、液状アルキレンオキシ骨格及びブタジエン骨格含有エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製「EX-991L」、エポキシ当量450g/eq.)2部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物2を得た。
<実施例3>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部を、液状アルキレンオキシ骨格含有エポキシ樹脂(阪本薬品工業社製「SR-PTMG」、エポキシ当量420g/eq.)2部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物3を得た。
<実施例4>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部を、液状シロキサン骨格含有エポキシ樹脂(信越化学工業製「KF-105」、エポキシ当量490g/eq.)2部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物4を得た。
<実施例5>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部を、ビスフェノールA型骨格含有液状エポキシ樹脂(DIC社製「EXA-4816」、エポキシ当量403g/eq.)2部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物5を得た。
<実施例6>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)の量を、2部から1部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物6を得た。
<比較例1>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部を、液状エポキシ樹脂(阪本薬品工業社製「SR-14BJ」、エポキシ当量102g/eq.)2部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物7を得た。
<比較例2>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部を、液状エポキシ樹脂(阪本薬品工業社製「SR-16BJ」、エポキシ当量120g/eq.)2部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物8を得た。
<比較例3>
実施例1において、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「EG-280」、エポキシ当量460g/eq.)2部を、液状エポキシ樹脂(信越化学工業社製「X-22-163B」、エポキシ当量1800g/eq.)2部に代えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物9を得た。
<比較例4>
実施例4において、液状エポキシ樹脂(信越化学工業製「KF-105」、エポキシ当量490g/eq.)の量を2部から5部に代えた。以上の事項以外は実施例4と同様にして樹脂組成物10を得た。
<比較例5>
実施例2においてシリカAの量を140部から55部に代えた。以上の事項以外は実施例2と同様にして樹脂組成物11を得た。
<反りの評価>
12インチシリコンウエハ上に、実施例及び比較例で製造した各樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成した。その後、180℃で90分加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させた。これにより、シリコンウエハと樹脂組成物の硬化物層とを含む試料基板を得た。シャドウモアレ測定装置(Akorometrix社製「ThermoireAXP」)を用いて、前記の試料基板を25℃での反り量を測定した。測定は、電子情報技術産業協会規格のJEITA EDX-7311-24に準拠して行った。具体的には、測定領域の基板面の全データの最小二乗法によって算出した仮想平面を基準面として、その基準面から垂直方向の最小値と最大値との差を反り量として求め、以下の基準で評価した。
○:反り量が4mm未満
△:反り量が4mm以上5mm未満
×:反り量が5mm以上
<密着力の評価>
12インチシリコンウエハ上に、実施例及び比較例で調製した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成した。その後、180℃で90分加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させた。これにより、シリコンウエハと樹脂組成物の硬化物層とを含む試料基板を得た。続いて、130℃85%RH96時間の条件で高温高湿環境試験(HAST)を実施した。HAST実施後の硬化物層を、#180のサンドペーパーを使用して硬化物層が厚さ50μmになるまで研磨した。研磨後のサンプルを幅1cm角の試験片に切断し、硬化物層に対して垂直にφ2.7mmの接着剤付きstud pinを立てて150℃で60分加熱し、stud pinと硬化物層とが接着した試験片を作製した。
得られたstud pin付き試験片をQUAD GROUP社製垂直引張型試験機「ROMULUS」を使用して、試験スピード0.1Kg/secで垂直引っ張り試験の測定を行った。5個の試験片について測定を行い、平均値を算出し、以下の基準で評価した。
○:密着強度が500kgf/cmを超える。
×:500kgf/cm未満。
<モールド後のフローマークの評価>
12インチシリコンウエハ上に、実施例及び比較例で調製した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成し(この時の樹脂組成物層の面積は、14.6cm×14.6×3.14=45.844cm)、樹脂組成物層の外観を観察した。樹脂組成物層表面全体のうち、フローマークの占める面積が20%未満のものを「〇」、20%を超えるものを「×」とした。
<ポストキュア後の樹脂表面ムラの評価>
12インチシリコンウエハ上に、実施例及び比較例で調製した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成した(この時の樹脂組成物層の面積は、14.6cm×14.6×3.14=45.844cm)。その後、180℃で90分加熱して、樹脂組成物層を熱硬化し硬化物層の外観を観察した。硬化物層表面が均一で色ムラがないものを「〇」、硬化物層表面が樹脂の分離等により色むらが発生し均一でないものを「×」とした。
Figure 2023121767000001
表中、(A-1)成分の含有量及び(B)成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの含有量を表す。
実施例1~6において、(D)成分を含有しない場合であっても、程度に差はあるものの、上記実施例と同様の結果に帰着することを確認している。

Claims (10)

  1. (A-1)エポキシ当量が400g/eq.より大きく、1000g/eq.以下であるエポキシ樹脂、
    (B)無機充填剤、及び
    (C)硬化剤、を含む樹脂組成物であって、
    樹脂組成物が、20℃において液状であり、
    樹脂組成物全体に対する溶剤の量が、1質量%以下であり、
    (A-1)成分が、フルオレン骨格、ブタジエン骨格、イソプレン骨格、及びビスフェノール骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を含み、
    (A-1)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.2質量%以上2質量%以下であり、
    (B)成分が、シリカを含み、
    (B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、80質量%以上である、樹脂組成物。
  2. (A-1)エポキシ当量が400g/eq.より大きく、1000g/eq.以下であるエポキシ樹脂(ただし、シロキサン骨格を含むものを除く。)、
    (B)無機充填剤、及び
    (C)硬化剤、を含む樹脂組成物であって、
    樹脂組成物が、20℃において液状であり、
    樹脂組成物全体に対する溶剤の量が、1質量%以下であり、
    (A-1)成分が、フルオレン骨格、ブタジエン骨格、イソプレン骨格、アルキレンオキシ骨格、及びビスフェノール骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を含み、
    (A-1)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.2質量%以上2質量%以下であり、
    (B)成分が、シリカを含み、
    (B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、80質量%以上である、樹脂組成物。
  3. さらに、(A-2)エポキシ当量が400g/eq.以下のエポキシ樹脂、又はエポキシ当量が1500g/eq.より大きいエポキシ樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 樹脂組成物が、液状である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. (C)成分が、酸無水物系硬化剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. (B)成分が、シリカである、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 封止用又は絶縁用の樹脂組成物である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む、回路基板。
  9. 請求項8に記載の回路基板と、前記回路基板に搭載された半導体チップとを含む、半導体チップパッケージ。
  10. 半導体チップと、前記半導体チップを封止する請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物とを含む、半導体チップパッケージ。
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