JP5298310B2 - 電子部品封止用樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置 - Google Patents

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Description

本発明は、成形物の表面に気泡等がみられず、離型性に優れた電子部品封止用樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置に関するものである。
従来から、各種電子部品、例えば、トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、外部環境からの保護および半導体素子のハンドリング性の簡易化を目的として、プラスチックパッケージ等により封止され電子部品装置(半導体装置)化されている。そして、近年、上記プラスチックパッケージに用いられる封止材料としては、エポキシ樹脂、硬化剤であるフェノール樹脂、無機質充填剤、離型剤、カップリング剤等を用いたエポキシ樹脂組成物が用いられている。
上記エポキシ樹脂組成物を用いたパッケージの成形工程において、例えば、気泡を巻き込み、パッケージにボイドが形成されるという問題が多く発生することから、このボイドの発生を抑制するために、封止材料としてポリエーテル系のシリコーン化合物を配合したエポキシ樹脂組成物を用いることが提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−233931公報
しかしながら、上記ポリエーテル系のシリコーン化合物を配合したエポキシ樹脂組成物を封止材料として用いると、パッケージの連続成形に際して、成形金型を汚染してしまい成形物(パッケージ)表面が曇ってしまうという問題が生じる。さらに、このような状態で成形を続けると、成形金型表面にパッケージが張りついてしまい連続成形が不可能になるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ボイドの発生が抑制され、連続成形性に優れた電子部品封止用樹脂組成物およびそれを用いて得られる電子部品装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)を含有し、さらに下記の(D)〜(F)を含有する電子部品封止用樹脂組成物であって、下記(D)の含有量が電子部品封止用樹脂組成物全体に対して0.2〜3重量%であり、下記(E)および(F)の合計含有量が電子部品封止用樹脂組成物全体に対して0.02〜3重量%であるとともに、下記(E)および(F)の併用割合は、重量比で、(E)/(F)=0.1/0.9〜0.9/0.1である電子部品封止用樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)非球状無機質充填剤。
(D)ポリアルキルエーテル結合を有しない、上記(A)エポキシ樹脂および(B)硬化剤の少なくとも一方と反応性を有する反応性基を有し、その反応性基の当量が400〜1000であるポリジオルガノシロキサン。
(E)アミド系ワックス。
(F)エステル系ワックス。
また、本発明は、上記電子部品封止用樹脂組成物を用いて電子部品を封止してなる電子部品装置を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、ボイド発生の抑制、および優れた連続成形性を備えた電子部品封止用樹脂組成物を得るために一連の研究を重ねた。その研究の過程で、無機質充填剤として従来から用いられている球状のものを用いるのではなく、非球状無機質充填剤を用いることを想起した。これは、非球状無機質充填剤表面の凹凸が金型表面の汚れをそぎ落とすことから連続成形性が良好となるという理由からである。しかしながら、上記非球状無機質充填剤を用いると、その非球状を形成する充填剤表面の凹凸形状に起因して、気泡を巻き込みやすくなるという現象がみられた。この問題を解決するために研究を重ねた結果、前記特定のポリジオルガノシロキサンを用いると、成形型表面に対する濡れ性が改善され、気泡の巻き込みが抑制されることを突き止めた。そして、さらに研究を重ねた結果、配合成分として、前記特定のポリジオルガノシロキサンを特定量用いるとともに、アミド系ワックスおよびエステル系ワックスを特定の割合にて併せて特定量用いると、所期の目的が達成されることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明の電子部品封止用樹脂組成物は、非球状無機質充填剤〔(C)成分〕,特定量の前記特定のポリジオルガノシロキサン〔(D)成分〕とともに、さらに、アミド系ワックス〔(E)成分〕およびエステル系ワックス〔(F)成分〕を特定の割合にて併用するものである。このため、樹脂封止されたパッケージに形成されるボイドの発生が抑制されるとともに、パッケージの連続成形に際しても成形型に対する良好な離型性を備えており、優れた連続成形性を付与することができる。したがって、パッケージ表面にボイドの形成が抑制された良好な外観を備えた電子部品装置を、効率良く製造することが可能となる。
そして、上記特定のポリジオルガノシロキサン〔(D)成分〕と、アミド系ワックス〔(E)成分〕およびエステル系ワックス〔(F)成分〕を予め混合してなるものを用いると、ワックス成分の樹脂成分に対する分散性が向上するという効果を得ることができる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の電子部品封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)と、非球状無機質充填剤(C成分)とともに、特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)と、アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)とを用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはこれを打錠しタブレット状にしたものが、封止材料として用いられる。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、一分子中にエポキシ基を2個以上有するものを用いることが好適であり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上を併用して用いることができる。
そして、このようなエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃のものが、効果の上で好適である。
上記硬化剤(B成分)は、上記A成分であるエポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであって、例えば、酸無水物、フェノール樹脂、アミン類、チオール等があげられる。なかでも、保存安定性、硬化性、硬化体の物性に優れる点において、フェノール樹脂を用いることが好適である。
上記フェノール樹脂としては、特に限定するものではなく、一分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれを用いてもよい。例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビフェニル型ノボラック、トリフェニルメタン型、ナフトールノボラック、フェノールアラルキル樹脂等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、上記フェノール樹脂として、例えば、フェノールノボラック樹脂を用いる場合、フェノール性水酸基当量は100〜200のものを用いることが好ましく、硬化性の観点から、特に100〜150のものを用いることが好ましい。また、軟化点は、50〜110℃のものを用いることが好ましい。
上記エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)の配合割合は、硬化剤(B成分)としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.7〜1.3当量となるよう配合することが好ましい。なかでも、0.8〜1.2当量に設定することが、優れた硬化性、優れた硬化物の物性を得る上で、特に好適である。
上記A成分およびB成分とともに用いられる非球状無機質充填剤(C成分)としては、球状を有しないものであれば特に限定するものではなく、例えば、粉砕された無機質粉末であって、加熱溶融させて球状化処理を行なっていない無機質粉末である。その成分原料としては従来公知の各種充填剤があげられる。例えば、石英ガラス粉末,タルク,シリカ粉末,アルミナ粉末,窒化アルミニウム粉末,窒化ケイ素粉末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、得られる硬化物の線膨張係数を低減できるという点から、結晶性シリカ、破砕溶融シリカ等を用いることが特に好ましい。
上記非球状無機質充填剤(C成分)としては、平均粒径5〜100μm、より好ましくは10〜50μm、特に好ましくは10〜30μmのものが用いられる。すなわち、平均粒径が小さすぎると、配合量が多い場合、樹脂組成物の粘度が高くなり、成形が困難になるおそれがあることから、多く配合することができず、成形品の熱伝導性が低くなってしまうからである。また、平均粒径が大きすぎると、金型の樹脂注入ゲート部に詰まったり、パッケージ中の薄肉部分に浸入できず気泡の発生原因となったり、パッケージの外観に流動縞等が表れたりして好ましくない。したがって、非球状無機質充填剤の最大粒径は、250μm以下に設定することが好ましく、より好ましくは200μm以下である。なお、上記平均粒径および最大粒径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
上記非球状無機質充填剤(C成分)の配合量は、電子部品封止用樹脂組成物に対して50〜95重量%の範囲内に設定することが好ましく、特に好ましくは70〜90重量%である。すなわち、非球状無機質充填剤(C成分)が少な過ぎると、樹脂組成物中の有機成分の占める割合が多くなり、水分の透過が起こりやすく、非球状無機質充填剤あるいは樹脂中のイオンが溶出して半導体素子や電極の界面まで移動し、耐湿信頼性が低下する。また、非球状無機質充填剤が多過ぎると、樹脂組成物の流動性が著しく低下する傾向がみられるからである。
上記A〜C成分とともに用いられる特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)は、ポリアルキルエーテル結合を有しない、上記エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)の少なくとも一方との反応性を有する反応性基の当量が特定範囲となるポリジオルガノシロキサンである。
上記エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)の少なくとも一方との反応性を有する反応性基の当量が、400〜1000である必要があり、特に好ましくは500〜800である。すなわち、反応性基の当量が上記範囲内であると、封止材料である樹脂組成物の流動時の気泡の巻き込みによる成形物の外観の気泡の残存がみられず、ボイドの発生を効果的に抑制することができるようになる。
上記反応性基としては、例えば、エポキシ基、アミノ基、フェノール性水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、酸無水物基等があげられる。
上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)としては、より好ましくは、ポリアルキルエーテル結合を有さず、エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)の少なくとも一方との反応性を有する反応性基として、エポキシ基,アミノ基を有し、その反応性基の当量が好適には400〜1000のポリジメチルシロキサンが用いられる。
このような特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)としては、樹脂成分に対する分散性の点から、25℃動粘度が1〜100mm2 /sのものが好適に用いられる。特に好ましくは10〜50mm2 /sである。すなわち、動粘度が上記範囲を外れ低過ぎると、樹脂成分に対する溶解性が高くなり、成形型と封止材料との界面抵抗が高くなり、気泡の巻き込みが多くなる傾向がみられる。また、動粘度が高過ぎると、樹脂組成物の粘度が高くなり、同様に、気泡が巻き込まれやすくなるという傾向がみられるからである。なお、上記動粘度は、例えば、毛細管粘度計を用いて測定される。
上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)を用いることにより、成形金型面に対する濡れ性が改善され、成形型面に対する濡れ不足により気泡の巻き込みが抑制されるものと推測される。そして、上記エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)の少なくとも一方との反応性を有する反応性基により、この反応性基間のポリジオルガノシロキサン鎖が分断されて、分断されたポリジオルガノシロキサン鎖が成形体表面に露出することによりボイドの発生が低減されるものと思われる。そして、樹脂材料の流動の際には、上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)が、材料表面および成形金型との界面に露出して、流動性の制御機能を発揮するためであると推測される。また、電子部品封止用樹脂組成物の製造時には、上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)が、後述のアミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)の樹脂成分に対する溶解性,分散性を高め、例えば、混合装置の器壁に上記ワックス成分が付着して、これが酸化し不溶性の異物になることを防止するという効果も奏する。
上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)の含有量は、電子部品封止用樹脂組成物全体に対して0.2〜3重量%に設定する必要があり、より好ましくは0.3〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%である。すなわち、特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)が少な過ぎると、ボイドの発生抑制効果が得られ難く、逆に多過ぎると、成形時に金型表面に液層を形成し、金型からの成形物の剥離が困難となってしまうという問題が生じる傾向がみられるからである。
そして、本発明では、上記A〜C成分および特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)とともに、特定の離型剤成分である、アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)を併用するものである。
上記アミド系ワックス(E成分)としては、高級脂肪族カルボン酸とエチレンジアミン等の反応生成物を例示することができる。具体的には、ステアリン酸エチレンジアミド、ステアリン酸プロピレンジアミド、アラキジン酸ヘキサメチレンジアミド、パルチミン酸−n−トリレンジアミド、ベヘン酸ビスアミノメチルシクロヘキサンジアミド、モンタン酸ピペラジンジアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記エステル系ワックス(F成分)としては、モンタン酸とエチレングリコール等とを反応させて得られるモンタン酸エステルワックス等があげられ、高級脂肪酸高級脂肪族アルコールエステルも好ましく用いられ、例えば、天然ワックスであるカルナバワックスを例示することができる。
上記離型剤成分である、アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)の合計含有量は、電子部品封止用樹脂組成物全体に対して0.02〜3重量%に設定する必要があり、より好ましくは0.03〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1.5重量%である。すなわち、離型剤成分(E成分+F成分)が少な過ぎると、離型性が低く、金型から成形物の剥離が困難となり、逆に多過ぎると、素子,リードフレームに対する接着性が低下し、耐湿信頼性が悪化するという問題が生じる傾向がみられるからである。
そして、上記アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)を併用する際の両者の割合は、重量比で、アミド系ワックス(E成分)/エステル系ワックス(F成分)=0.1/0.9〜0.9/0.1の範囲に設定する必要があり、より好ましくは0.3/0.7〜0.7/0.3である。すなわち、併用割合を上記範囲内とすることにより、成形時の金型表面へのワックスへ混合して滲み出し、離型性差を生じ、その不均一性により成形物の離型がスムーズになるという効果が得られる。
さらに、本発明の電子部品封止用樹脂組成物には、上記A〜F成分以外に、必要に応じて、硬化促進剤、低応力化剤、難燃剤、カーボンブラックをはじめとする顔料等の他の添加剤を適宜配合することができる。
上記硬化促進剤は、上記硬化剤(B成分)による反応を促進し、低温、短時間で硬化物を得ることを目的として用いられるものであって、硬化促進剤として作用する各種化合物、例えば、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートやトリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5等のジアザビシクロアルケン系化合物、トリエチレンジアミン等の三級アミン類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも硬化性、電気的信頼性という点から、トリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物と、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン系化合物を併用することが好ましい。
なお、上記硬化促進剤の配合割合は、前記硬化剤(B成分)としてフェノール樹脂を用いる場合、フェノール樹脂100重量部に対し0.5〜20重量部の範囲に設定することが好適であり、より好ましくは1〜15重量部である。すなわち、硬化促進剤が少な過ぎると、目的とする硬化反応の促進効果が得られ難く、逆に多過ぎると、硬化反応が速すぎて成形性を損なう傾向がみられるからである。
また、上記低応力化剤としては、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体,メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴム等があげられる。
そして、上記難燃剤としては、有機リン系化合物、酸化アンチモン、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の水酸化金属化合物、さらには二種以上の金属元素の固溶体である複合化金属水酸化物等があげられる。
さらに、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類化合物,水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を配合してもよい。
本発明の電子部品封止用樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、前記A〜F成分および必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜配合し、ミキシングロール機等の混練機を用いて加熱状態で溶融混練した後、これを室温下で冷却固化させる。その後、公知の手段により粉砕し、必要に応じてタブレット状に打錠するという一連の工程により目的とする電子部品封止用樹脂組成物を製造することができる。
なお、上記製造において、前記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)と、アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)を予備混合し、この予備混合物と残りの成分を配合し溶融混練してもよい。このように、上記予備混合することにより、ワックス成分の樹脂成分に対する分散性が向上するようになる。すなわち、特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)は、通常、液状を示す一方、上記アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)は、融点30〜150℃の固形を示すものであり、事前に予備混合することにより、ワックス成分全体の融点が低下して、樹脂成分に対する溶解が容易になるからである。
また、前記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)が硬化剤(B成分)との反応性を有するものである場合は、特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)と硬化剤(B成分)とを予備混合して事前に反応させるよりも、エポキシ樹脂(A成分)と特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)とを予備混合して反応させ、これに残りの配合成分を混合するという工程を経由させてもよい。このような製造工程を経由することにより、各配合成分を樹脂組成物中に均一に分散させることが可能となる。したがって、得られる樹脂組成物は、流動安定性に優れ、成形時の気泡(ボイド)の発生を抑制することが可能となる。
本発明の電子部品封止用樹脂組成物を用いた電子部品の封止方法は、特に限定するものではなく、圧縮成形、トランスファー成形等、従来公知の適宜のモールド方法を採用することができる。
そして、得られた電子部品装置は、先に述べたように、前記非球状無機質充填剤(C成分)、前記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)、アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)が含有された、特殊な樹脂組成物の成形体によって封止されているため、成形体に形成される気泡(ボイド)の発生が抑制されるとともに、パッケージの連続成形に際しても成形型に対する良好な離型性を備えており、優れた連続成形性が付与される。
これは、つぎのような機構によるものと推測される。すなわち、上記アミド系ワックス(E成分)およびエステル系ワックス(F成分)を併用することにより、成形型表面の離型剤等が酸化され、カルボン酸が生成する場合に、アミド結合のN−H結合がこれらと相互作用を行ないやすく、成形型表面に移行して離型性の回復に有効に作用する。また、エステル系ワックス(F成分)は樹脂組成物中にとどまって、成形型との離型性をさらに向上させる効果が生ずると推測され、上記両ワックス成分の併用の結果、離型性に関して相乗効果を示すと思われる。
また、上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)は、上記ワックス成分の離型効果に悪影響を及ぼすことなく、封止材料の流動に伴う気泡の巻き込みを防止することが可能となる。これは、一つには、上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)が適度に樹脂成分と結合している点があげられ、分子鎖がある程度長いことから、樹脂組成物全体の動きを制御可能にするためではないかと推測される。また、上記特定のポリジオルガノシロキサン(D成分)が、ポリアルキルエーテル結合を有しないため、樹脂の強度を低下させることがなく、成形型への張りつき時に成形体を剥がしとられることがなく、結果、連続成形性に優れるようになると思われる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
まず、下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198、軟化点70℃)
〔硬化剤〕
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、軟化点85℃)
〔無機質充填剤〕
結晶性シリカ(非球状、平均粒径15μm、最大粒径64μm)
〔オルガノシロキサンa〕
エポキシ基を側鎖に有するポリジメチルシロキサン〔エポキシ当量550、動粘度(25℃)25mm2 /s〕(信越シリコーン社製、X−22−343)
〔オルガノシロキサンb〕
アミノ基を末端に有するポリジメチルシロキサン〔アミン当量790、動粘度(25℃)25mm2 /s〕(信越シリコーン社製、X−22−161A)
〔オルガノシロキサンc〕
側鎖にポリエーテル基およびエポキシ基を有するポリジメチルシロキサン〔エポキシ当量2500、動粘度(25℃)350mm2 /s〕(信越シリコーン社製、X−22−4741)
〔オルガノシロキサンd〕
エポキシ基を末端に有するポリジメチルシロキサン〔エポキシ当量1000、動粘度(25℃)30mm2 /s〕(信越シリコーン社製、X−22−163A)
〔オルガノシロキサンe〕
メルカプト基を側鎖に有するポリジメチルシロキサン〔メルカプト基当量1900、動粘度(25℃)200mm2 /s〕(信越シリコーン社製、KF−2001)
〔アミド系ワックス〕
ステアリン酸エチレンジアミド(花王社製、カオーワックスEB−FF)
〔エステル系ワックス〕
モンタン酸エステルワックス(ケン化価141)(STRUKTOL社製、モンタンワックスZE)
〔硬化促進剤a〕
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7
〔硬化促進剤b〕
トリフェニルホスフィン
〔着色剤〕
カーボンブラック
〔実施例1〜8、比較例1〜4〕
上記各成分を後記の表1〜表2に示す割合で配合し、粉末混合装置を用いて混合した。ついで、この混合粉末を100℃に加熱した熱ロールにて溶融混合した。つぎに、この溶融物を冷却固化した後粉砕し、粉砕粉末を金型に充填して室温(25℃)にて加圧(加圧条件:200MPa)しタブレット状に打錠成形した。なお、圧縮率は94%であった。
上記タブレット状のエポキシ樹脂組成物を用いて、トランスファー成形(成形条件:175℃×2分、後硬化175℃×5時間)により半導体装置を連続成形により製造した。製造した半導体装置は、クワッドフラットパッケージ(QFP)(大きさ:10mm×10mm×厚み5mm)であり、連続成形は200回行なった。
そして、連続成形性評価として、連続成形時の金型に対する離型のし易さを確認した。その結果、200回の連続成形を行なった際に、パッケージが金型に付着してしまう場合を×、付着が全く生じなかった場合を○として評価した。
また、作製されたパッケージ表面を顕微鏡にして拡大し目視にて観察した。その結果、気泡(ボイド)が確認されたものを×、気泡(ボイド)が全く確認されなかったものを○として評価した。
これらの結果を下記の表1〜表2に併せて示す。
Figure 0005298310
Figure 0005298310
上記の結果から、結晶性シリカ,特定のポリジオルガノシロキサン、アミド系ワックスおよびエステル系ワックスを用いた実施例品は、連続成形性において良好な結果が得られ、かつ気泡(ボイド)も生じなかった。
これに対して、側鎖にポリエーテル基を有するオルガノシロキサンcを用いた比較例1品は、気泡(ボイド)は生じなかったが、連続成形性評価において、パッケージが金型に付着するという問題が生じた。そして、当量が本発明の範囲を外れたオルガノシロキサンeを用いた比較例2品は、気泡(ボイド)は生じなかったが、連続成形性に劣るものであった。また、離型剤成分として、アミド系ワックスおよびエステル系ワックスのいずれか一方のみを用いた比較例3,4品は、実施例品に比べて離型性に劣るものであった。

Claims (5)

  1. 下記の(A)〜(C)を含有し、さらに下記の(D)〜(F)を含有する電子部品封止用樹脂組成物であって、下記(D)の含有量が電子部品封止用樹脂組成物全体に対して0.2〜3重量%であり、下記(E)および(F)の合計含有量が電子部品封止用樹脂組成物全体に対して0.02〜3重量%であるとともに、下記(E)および(F)の併用割合は、重量比で、(E)/(F)=0.1/0.9〜0.9/0.1であることを特徴とする電子部品封止用樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂。
    (B)硬化剤。
    (C)非球状無機質充填剤。
    (D)ポリアルキルエーテル結合を有しない、上記(A)エポキシ樹脂および(B)硬化剤の少なくとも一方と反応性を有する反応性基を有し、その反応性基の当量が400〜1000であるポリジオルガノシロキサン。
    (E)アミド系ワックス。
    (F)エステル系ワックス。
  2. 上記(E)アミド系ワックスが、ステアリン酸エチレンジアミドである請求項1記載の電子部品封止用樹脂組成物。
  3. 上記(F)エステル系ワックスが、モンタン酸エステルである請求項1または2記載の電子部品封止用樹脂組成物。
  4. 上記(D)ポリジオルガノシロキサンと、(E)アミド系ワックスおよび(F)エステル系ワックスを予め混合してなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品封止用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子部品封止用樹脂組成物を用いて、電子部品を封止してなる電子部品装置。
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