JP6437723B2 - 樹脂組成物、ケースモールド型コンデンサ、およびケースモールド型コンデンサの製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、ケースモールド型コンデンサ、およびケースモールド型コンデンサの製造方法 Download PDF

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本発明は、樹脂組成物、詳しくはエポキシ樹脂組成物、当該樹脂組成物から形成されたモールド樹脂を備えるケースモールド型コンデンサ、およびケースモールド型コンデンサの製造方法に関する。
電気・電子部品や半導体デバイスなどにおいて、部品またはその構成要素の固定および保護(耐湿性や耐油性を付与することが具体例として挙げられる。)を目的として、硬化性の樹脂組成物、特にエポキシ樹脂組成物が用いられている。そのような硬化性の樹脂組成物を用いる部品の具体例の一つに、コンデンサ素子をケース内で樹脂封止してなるケースモールド型コンデンサが挙げられる。
ケースモールド型コンデンサが車載用のモータ駆動のインバータ回路の平滑用コンデンサとして使用される場合には、特に高い耐湿性や機械的強度を有することが求められる。かかる要求に応えられるように、ケースモールド型コンデンサの筐体の構成材料を、従来の樹脂系材料からアルミニウム系材料に変更することが提案されている。
しかしながら、そのようにケースモールド型コンデンサの筐体をアルミニウム系材料から構成すると、内部のモールド樹脂との物性差、特に線膨張係数などの熱物性の差が大きいことに起因して、ヒートサイクル試験(具体的な条件例として、−40℃から90℃の範囲の温度変化を繰り返すことが挙げられる。)中にモールド樹脂内またはモールド樹脂と他の構成要素(例えば電極)との間でクラックが発生してしまうことがあった。
本明細書において、モールド樹脂を構成する樹脂組成物の硬化物の特性であって、少なくとも一部が当該硬化物からなるモールド樹脂を備えるケースモールド型コンデンサを上記のヒートサイクル試験に供したときに、ケースモールド型コンデンサにクラックが発生する可能性を低減させることができる特性を、耐ヒートサイクル性という。耐ヒートサイクル性に優れる樹脂組成物の硬化物を少なくとも一部とするモールド樹脂を備えたケースモールド型コンデンサは、上記のヒートサイクル試験中にクラックが発生しにくい。
この耐ヒートサイクル性に関し、特許文献1には、アルミニウムを主体とした金属ケースを用いてなるケースモールド型コンデンサのモールド樹脂として、無機フィラーを63〜80wt%含有し、かつ、この無機フィラー内に丸型状フィラーを1%以上含有したエポキシ樹脂が開示されている。
特開2006−253280号公報
特許文献1には、エポキシ樹脂内の無機フィラーとして丸型状フィラーを用いると、ケースがアルミニウムを主体とした金属ケースであっても、優れた耐ヒートサイクル性を有する硬化物からなるモールド樹脂を得ることができるとともに、硬化前の樹脂組成物の粘度を低下させることができることが開示されている。しかしながら、本発明者らが検討したところ、丸型状の無機フィラーを含有させることはモールド樹脂の機械的強度を低下させ、硬化物の耐ヒートサイクル性を低下させる可能性があることが明らかになった。
そこで、本発明は、丸型状の無機系充填剤(特許文献1における丸型状の無機フィラーに相当する。)を実質的に含有させることなく、耐ヒートサイクル性に優れる硬化物を形成することが可能な樹脂組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、かかる樹脂組成物から形成された硬化物をモールド樹脂の少なくとも一部として備え、アルミニウム系材料からなる筐体(特許文献1におけるケースに相当する。)を備えるケースモールド型コンデンサを提供することも課題とする。なお、本明細書において、ことわりのない「硬化物」は、樹脂組成物の硬化物を意味する。
特許文献1に開示される丸型状フィラーは、丸型状フィラー以外の形状を有するフィラーに比べてエポキシ樹脂との相互作用が低いため、丸型状フィラーを含有させることにより樹脂組成物の粘度を低下させることが実現されていたと考えられる。ところが、この丸型状フィラーを含有させることに起因する無機フィラー全体とエポキシ樹脂との相互作用の低下は、樹脂組成物だけでなく、樹脂組成物から得られた硬化物に対しても影響を及ぼすおそれがあることが、本発明者らの検討により明らかになった。すなわち、丸型状フィラーを含有することにより硬化物中で無機フィラーと樹脂成分との界面剥離強度が低下して、硬化物の耐ヒートサイクル性を低下させるおそれがある。
そこで、本発明者らは、硬化物の耐ヒートサイクル性を低下させるおそれのある丸型状の無機系充填剤を使用することなく、耐ヒートサイクル性に優れる硬化物を形成可能であって、当該硬化物をアルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサのモールド樹脂として適用しうる樹脂組成物についてさらに検討した。その検討結果に基づき完成された本発明は次のとおりである。
(1)アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサのモールド樹脂の少なくともコンデンサ素子を直接被覆する部分を形成するための樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤および(C)無機系充填剤を含有し、前記樹脂組成物の60℃における粘度が10Pa・s以下であって、前記(C)無機充填剤は非丸型の形状を有し、前記モールド樹脂の少なくともコンデンサ素子を直接被覆する部分となる前記樹脂組成物の硬化物は、ガラス転移温度が60℃以上であり、線膨張係数が28ppm/℃以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)前記(C)無機系充填剤の線膨張係数は20ppm/℃以下である、上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記(C)無機系充填剤の平均粒径は25μm以下である、上記(1)または(2)に記載の2液型エポキシ樹脂組成物。
(4)前記樹脂組成物は(E1)反応性希釈剤を含有する、上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(5)前記樹脂組成物はアミン系化合物からなる(D)硬化促進剤を含有する、上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(6)上記(1)から(5)のいずれか一項に記載される樹脂組成物から形成された硬化物をモールド樹脂の少なくとも一部として備え、アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサ。
(7)アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサの製造方法であって、複数のコンデンサ素子、電極および絶縁シートを含む内容部材がアルミニウム系材料からなる筐体内に配置されてなる被注型部材の前記筐体内に、上記(1)から(5)のいずれか一項に記載される樹脂組成物を供給して、被注型部材の筐体内の空隙の少なくとも一部を、前記樹脂組成物で満たす注型工程、および前記樹脂組成物が供給された前記被注型部材を加熱して前記筐体内の前記樹脂組成物を硬化させ、前記樹脂組成物の硬化物からなるモールド樹脂を備えるケースモールド型コンデンサを得る加熱工程を
備えることを特徴とするケースモールド型コンデンサの製造方法。
本発明によれば、硬化物の耐ヒートサイクル性を低下させるおそれのある丸型の無機系充填剤を実質的に含有させることなく、アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサのモールド樹脂として適用することが好適な硬化物を形成可能な樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、当該樹脂組成物から形成された硬化物をモールド樹脂の少なくとも一部として備え、アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサ、およびケースモールド型コンデンサの製造方法も提供される。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
1.樹脂組成物
(1)組成
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサのモールド樹脂の少なくとも一部を形成するためのものであって、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤および(C)無機系充填剤を必須成分とする。以下、これらの必須成分を含む樹脂組成物の成分について説明する。
(1−1)(A)エポキシ樹脂
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(A)エポキシ樹脂の種類は特に限定されず、種々のものを使用することができる。(A)エポキシ樹脂の具体例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂や水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂;t−ブチルカテコールとエプイハロヒドリンとから誘導されるエポキシ樹脂等の2価フェノール型エポキシ樹脂;1価フェノールからのモノエポキシ化合物;ネオペンチルグリコール、トリメシロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール等の1価または多価のアルコールからなるアルコールエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。(A)エポキシ樹脂は1種類の材料から構成されていてもよく、複数種類の材料から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(A)エポキシ樹脂は、室温(25℃)で液状であることが好ましい。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物から得られる硬化物の機械的強度、耐湿性などに優れる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびその変性物からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。そのような好ましい(A)エポキシ樹脂の具体例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。硬化物の耐湿性が重要視される場合には、水素化ビスフェノールF、水素化ビスフェノールAとエピハロヒドリン類とから誘導されるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(A)エポキシ樹脂は常温で固形であるエポキシ樹脂を含んでいてもよい。その場合には、液状のエポキシ樹脂と併用したり、後述する(E)希釈剤を用いて液状化させしたりして、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が、後述する粘度に関する条件を満たすようにすればよい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物における(A)エポキシ樹脂の含有量は特に限定されない。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が後述する粘度に関する条件を満たすとともに、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物が後述する線膨張係数およびガラス転移温度に関する条件を満たすように、(A)エポキシ樹脂の含有量は設定される。(A)エポキシ樹脂の含有量は、通常、樹脂組成物全体に対して10質量%以上40質量%以下とされる。
(1−2)(B)硬化剤
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(B)硬化剤の種類は限定されない。硬化剤としてエポキシ樹脂組成物に一般的に使用されているものを用いることができる。このようなものには、カルボン酸無水物基、カルボキシル基、カルボン酸ヒドラジド基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基等の官能基を含有する従来公知の有機化合物が包含される。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(B)硬化剤は、樹脂組成物の粘度を低減させる観点から、酸無水物系硬化剤およびアミン系硬化剤からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、その中でも、常温(25℃)で液状の酸無水物であることが特に好ましい。かかる酸無水物の具体例としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水メチルハイミック酸等が挙げられる。(B)硬化剤は1種類の材料から構成されていてもよく、複数種類の材料から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物における(B)硬化剤の含有量は特に限定されない。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が後述する粘度に関する条件を満たすとともに、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物が後述する線膨張係数およびガラス転移温度に関する条件を満たすように、(A)エポキシ樹脂の含有量に応じて、(B)硬化剤の含有量は設定される。具体的な一例として、(B)硬化剤の含有量は、(A)エポキシ樹脂の含有量に対して60質量%以上100質量%以下とされる場合が挙げられる。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が後述する(E1)反応性希釈剤を含有する場合には、(B)硬化剤の含有量を設定するにあたり、(E1)反応性希釈剤の含有量やその特性(具体例として、エポキシ当量が挙げられる。)を勘案することが好ましい場合もある。
(1−3)(C)無機系充填剤
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(C)無機系充填剤は非丸型の形状を有する。(C)無機系充填剤が丸型状の無機系充填剤を含有している場合には、樹脂組成物の硬化物において、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤などに由来する樹脂系の材料(本明細書において「硬化樹脂」という。)と当該丸型状の無機系充填剤との相互作用が少なくなり、硬化物の耐ヒートサイクル性が低下するおそれがある。したがって、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(C)無機系充填剤は、その形状を非丸型として、樹脂組成物の硬化物中の硬化樹脂と(C)無機系充填剤との相互作用を高めることとしている。
(C)無機系充填剤として、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、チタンホワイト、窒化ケイ素、炭化ケイ素などが例示される。非丸型として、破砕状、麟片状、針状が例示される。これらの中で、入手安定性に優れるなどの観点からは破砕状のシリカが好ましく、水酸化アルミニウムを用いれば、難燃性などの追加的な機能を樹脂組成物の硬化物に付与することができる。(C)無機系充填剤は1種類の材料から構成されていてもよく、複数種類の材料から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する非丸型の(C)無機系充填剤は、JIS K5101−13−1:2004(ISO 787−5:1980)に規定される吸油量が、200mL/100g以上であることが好ましい。吸油量が200mL/100g以上であることにより、樹脂組成物の硬化物中において、非丸型状の(C)無機系充填剤と硬化樹脂との相互作用が高まりやすくなる。かかる相互作用をより高まりやすくさせる観点から、(C)無機系充填剤の吸油量は300mL/100g以上であることが好ましく、400mL/100g以上であることがより好ましく、500mL/100g以上であることが特に好ましい。なお、(C)無機系充填剤が複数種類の材料から構成される場合には、それらの材料の混合体としての吸油量が(C)無機系充填剤の吸油量となる。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(C)無機系充填剤は、その線膨張係数が20ppm/℃以下であることが好ましい。本明細書において、ことわりのない「線膨張係数」は、ガラス転移温度以下の線膨張係数α1を意味する。(C)無機系充填剤の線膨張係数が20ppm/℃以下であることにより、筐体を構成するアルミニウム系材料の線膨張係数に硬化物の線膨張係数を近づけることが容易となる。なお、(C)無機系充填剤が複数の材料から構成されている場合には、それらの材料の混合体としての線膨張係数が(C)無機系充填剤の線膨張係数となる。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(C)無機系充填剤は、平均粒径が25μm以下であることが好ましい。本明細書において「平均粒径」とは、レーザー光散乱式粒度分布測定装置を用いて求めた(C)無機系充填剤の粒子径の累積分布において、累積体積が50%となるときの粒子径をいう。(C)無機系充填剤の平均粒径が25μm以下であることにより、樹脂組成物内での(C)無機系充填剤の沈降およびこれに伴う混合組成物の不均化が生じにくくなる。樹脂組成物内での(C)無機系充填剤の沈降をより安定的に回避する観点から、(C)無機系充填剤の平均粒径は、22μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が含有する(C)無機系充填剤の平均粒径の下限は特に限定されない。(C)無機系充填剤の平均粒径が小さくなるほど、樹脂組成物の粘度は上昇する傾向があるため、樹脂組成物を注型する作業などの作業性を高める観点から、(C)無機系充填剤の平均粒径は1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物における(C)無機系充填剤の含有量は特に限定されない。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が後述する粘度に関する条件を満たすとともに、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物が後述する線膨張係数およびガラス転移温度に関する条件を満たすように、(C)無機系充填剤の含有量は設定される。(C)無機系充填剤の含有量は、通常、樹脂組成物全体に対して50質量%以上85質量%以下とされる。
(1−4)その他の成分
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、上記の成分のほか、(D)硬化促進剤、(E)希釈剤、消泡剤、密着付与剤(シランカップリング剤が例示される。)、湿潤剤、有機系充填剤(染料、顔料、カーボンブラックなどが例示される。)などを含有してもよい。これらの成分の含有量は、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で適宜設定される。以下、(D)硬化促進剤および(E)希釈剤についてやや詳しく説明する。
(1−4−1)(D)硬化促進剤
(D)硬化促進剤としては、例えば1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(DBN)、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン系化合物;3−フェニル−1,1−ジメチルウレア等の尿素系化合物;トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のホスフィン系化合物;1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物などが挙げられる。(D)硬化促進剤は1種類の材料から構成されていてもよく、複数種類の材料から構成されていてもよい。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化温度が比較的低温(具体的には、100℃程度が例示される。)であっても硬化促進機能を十分に果たすことが可能であって、硬化物のガラス転移温度が高まりやすいことから、(D)硬化促進剤はアミン系化合物からなることが好ましく、特に、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが好ましい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が(D)硬化促進剤を含有する場合において、その含有量は特に限定されない。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が後述する粘度に関する条件を満たすとともに、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物が後述する線膨張係数およびガラス転移温度に関する条件を満たすように、硬化条件も考慮しつつ、(D)硬化促進剤の含有量は設定される。(D)硬化促進剤の含有量は、通常、樹脂組成物全体に対して0.01質量%以上5質量%以下とされ、0.1質量%以上4質量%以下とすることが好ましく、0.3質量%以上3質量%以下とすることがより好ましい。
(1−4−2)(E)希釈剤
(E)希釈剤は、(E1)反応性希釈剤であってもよいし、(E2)非反応性希釈剤であってもよい。(E2)非反応性希釈剤が硬化物内に残留すると耐ヒートサイクル性を低下させるおそれがあることから、(E)希釈剤は(E1)反応性希釈剤であることが好ましい。
(E1)反応性希釈剤の具体例として、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、P.Sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、α−ピネンオキサイド、3級カルボン酸グリシジルエステル等のモノエポキシ化合物;ジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン等のジエポキシ化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のトリエポキシ化合物などが挙げられる。(E1)反応性希釈剤は1種類の材料から構成されていてもよく、複数種類の材料から構成されていてもよい。
(E1)反応性希釈剤は、加熱硬化時に架橋剤として機能しうるポリエポキシ化合物であることが好ましい。ただし、(E1)反応性希釈剤の一分子が有するエポキシ基が過度に多くなると、(E1)反応性希釈剤単独としての粘度が高くなり、希釈剤としての機能が低下する傾向がある。したがって、(E1)反応性希釈剤はジエポキシ化合物であることが好ましい。
(E1)反応性希釈剤単独の粘度が低いほど、樹脂組成物の粘度は低くなって希釈剤としての機能は高まりやすいが、(E1)反応性希釈剤が過度に低粘度である場合にはその沸点が低くなる傾向がある。そのような低沸点の(E1)反応性希釈剤を樹脂組成物が含有すると、樹脂組成物の取扱い性が低下する可能性が高まることや、硬化物の耐ヒートサイクル性が低下する可能性が高まることが懸念される。したがって、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が(E1)反応性希釈剤を含有する場合には、樹脂組成物の硬化のための加熱温度(硬化温度)と同等、具体的には硬化温度±30℃の範囲の沸点を有する物質を用いることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が(E1)反応性希釈剤を含有する場合において、その含有量は特に限定されない。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が後述する粘度に関する条件を満たすとともに、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物が後述する線膨張係数およびガラス転移温度に関する条件を満たすように、硬化条件も考慮しつつ、(E1)反応性希釈剤の含有量は設定される。(E1)反応性希釈剤の含有量は、通常、樹脂組成物全体に対して1質量%以上10質量%以下とされる。
(2)粘度
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、60℃における粘度が10Pa・s以下である。樹脂組成物の60℃における粘度が10Pa・s以下であれば、アルミニウム系材料からなる筐体中に樹脂組成物を安定的に供給(注型)することができ、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物からモールド樹脂を形成することが可能である。樹脂組成物を注型する際の作業性を向上させる観点から、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、50℃における粘度が10Pa・s以下であることが好ましく、40℃における粘度が10Pa・s以下であることがより好ましく、25℃における粘度が10Pa・s以下であることが特に好ましい。
このような樹脂組成物の粘度の調整の手段として、特許文献1には、無機充填剤の形状を丸型とすることが開示されている。しかしながら、そのような手段は硬化物の耐ヒートサイクル性を低下させるおそれがあるため、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は非丸型の(C)無機充填剤を含有することは前述のとおりである。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、一具体的な例において、(C)無機系充填剤の平均粒径を25μm以下とするとともに、アミン系化合物からなる(D)硬化促進剤、およびジエポキシ基化合物からなる(E1)反応性希釈剤を含有することにより、樹脂組成物に含有される(C)無機系充填剤の沈降を抑制しつつ樹脂組成物の粘度を低下させることを可能とし、さらに硬化物のガラス転移温度を高めることを可能としている。
2.樹脂組成物の調製方法
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の調製方法は特に限定されない。
各成分を適宜混合して1液型の組成物として調製してもよい。ポットライフを長くする観点から、(A)エポキシ樹脂を含有する組成物(本明細書において「第一組成物」ともいう。)と(B)硬化剤を含有する組成物(本明細書において「第二組成物」ともいう。)とを個別に用意して、これらの組成物からなる2液型組成物を使用直前に混合することにより、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を調製してもよい。
このような2液型組成物を用意する場合には、(A)エポキシ樹脂を含有する第一組成物に(C)無機系充填剤を含有させることが好ましい。第一組成物にさらに(E1)反応性希釈剤を含有させることによって、第一組成物の粘度を適切に調整すれば、実用的な流動性を有しつつ、(C)無機系充填剤が沈降しにくい第一組成物を得ることが可能である。(B)硬化剤を含有する第二組成物は(C)無機系充填剤を含有させなければ、第二組成物は使用に際して特段の撹拌が不要となるため、取扱い性が向上し、好ましい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物が(D)硬化促進剤を含有する場合には、ポットライフを長くする観点から、(D)硬化促進剤を第二組成物に含有させることが好ましい。第二組成物を低粘度化してその取扱い性を高める観点から、第二組成物は(C)無機系充填剤を含有しないことが好ましい。
3.硬化物
(1)線膨張係数
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物は、線膨張係数が30ppm/℃以下である。ケースモールド型コンデンサのモールド樹脂がアルミニウム系材料からなる筐体を備える場合であっても、当該硬化物の線膨張係数が30ppm/℃以下であることにより、ヒートサイクル試験中にモールド樹脂と筐体との間でクラックが生じにくくなる。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物の線膨張係数は低ければ低いほど好ましい。具体的には、かかる線膨張係数は、28ppm/℃以下であることが好ましく、26ppm/℃以下であることがより好ましく、24ppm/℃以下であることが特に好ましい。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物の線膨張係数の下限は限定されないが、アルミニウム系材料の線膨張係数(通常21〜24ppm/℃の範囲である。)に近いことが好ましい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物の線膨張係数は、当該硬化物を与える樹脂組成物に含有される(C)無機系充填剤の種類およびその樹脂組成物中の含有量などにより調整することが可能である。硬化物の線膨張係数を低下させる観点からは、(C)無機系充填剤の線膨張係数を低下させることが好ましく、樹脂組成物中の(C)無機系充填剤の含有量が高めることが好ましい。
(2)ガラス転移温度
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物は、ガラス転移温度が60℃以上である。本明細書において、「ガラス転移温度」は、熱機械分析(TMA)により測定された数値を意味する。ケースモールド型コンデンサのモールド樹脂がアルミニウム系材料からなる筐体を備える場合であっても、当該硬化物のガラス転移温度が60℃以上であることにより、ヒートサイクル試験中のモールド樹脂の変形に起因するクラックが生じにくくなる。本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は高ければ高いほど好ましい。具体的には、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は、70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、110℃以上であることが特に好ましい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は、当該硬化物を与える樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂および(B)硬化剤ならびに所望により含有される(D)硬化促進剤および(E1)反応性溶剤の、種類およびその樹脂組成物中の含有量により調整することが可能である。
ガラス転移温度を高める観点から好ましい(D)硬化促進剤はアミン系化合物である。ガラス転移温度を高める観点から好ましい(E1)反応性溶剤は、ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の分子内に複数のエポキシ基を有する化合物である。これらの中でも、粘度調整機能に優れる観点から、ジエポキシ基化合物が好ましい。
4.ケースモールド型コンデンサおよびその製造方法
本発明の一実施形態に係るケースモールド型コンデンサは、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物から形成された硬化物をモールド樹脂の少なくとも一部として備え、アルミニウム系材料からなる筐体を備える。本発明の一実施形態に係るケースモールド型コンデンサの具体的な構造は特に限定されない。通常、複数のコンデンサ素子、正極、負極、各極の複数を電気的に接続するバスバー、および絶縁シートを備える。
本発明の一実施形態に係るケースモールド型コンデンサが備えるモールド樹脂の少なくとも一部である、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物は、前述のとおり、ガラス転移温度が60℃以上であることと、線膨張係数が30ppm/℃以下であることとを満たす。これらの特徴を有するため、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物は、耐ヒートサイクル性に優れる。硬化物が耐ヒートサイクル性に優れることは、JIS K6850:1990(ISO 4587:1995)に準拠して測定することにより得られる引張せん断接着強さにより評価することも可能である。
本発明の一実施形態に係るケースモールド型コンデンサは、次のような製造方法により得ることが可能である。
まず、アルミニウム系材料からなる筐体内に、複数のコンデンサ素子、電極および絶縁シート、ならびにバスバーが使用されている場合にはそれらのバスバーを適切な位置に配置する。本明細書において、これらの複数コンデンサ素子、電極および絶縁シートを含む内容部材がアルミニウム系材料からなる筐体内に配置されてなる部材を「被注型部材」ともいう。
次に、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を被注型部材の筐体内に供給して、被注型部材の筐体内の空隙の少なくとも一部を本発明の一実施形態に係る樹脂組成物で満たす(注型工程)。樹脂組成物の供給方法は限定されない。大気圧環境において自重で筐体内に樹脂組成物が供給されてもよく、筐体内を減圧環境とする真空注型を行ってもよく、樹脂組成物を加圧して供給する加圧注型を行ってもよい。真空注型の場合には気泡残留が生じにくい。
続いて、被注型部材を加熱して筐体内の樹脂組成物を硬化させる(加熱工程)。硬化のための加熱温度(硬化温度)は限定されないが、樹脂組成物の組成、特に(D)硬化促進剤の種類および含有量、コンデンサを構成する材料の耐熱温度、加熱時と冷却時(常温(25℃程度))との温度差に基づく残留応力の大きさなどを考慮して、設定される。例えば、コンデンサがポリプロピレンフィルムを用いている場合には、おおむね120℃が許容される硬化温度の上限となる。また、上記の残留応力を小さくする観点からは、硬化温度の上限を110℃以下とすることが好ましい。前述のとおり、これらの条件を満たす観点から好ましい(D)硬化促進剤はアミン系化合物である。硬化のための加熱時間は限定されない。硬化反応に伴う体積収縮や発熱の影響を低減させるために、多段階で加熱を行ってもよい。そのような多段階加熱の具体例として、100℃で60分間加熱し、続いて120℃で60分間加熱する条件、80℃で60分間加熱し、続いて105℃で60分間加熱する条件などが挙げられる。以上の注型工程および加熱工程を経ることにより、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物からなるモールド樹脂を備える、ケースモールド型コンデンサが得られる。
本発明の一実施形態に係るケースモールド型コンデンサはモールド樹脂のすべてが本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物から形成されていてもよいし、モールド樹脂の一部が本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の硬化物から形成されていてもよい。後者の場合の一例は次のとおりである。まず、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物以外の樹脂組成物を筐体内の空隙の一部を満たすように供給し、続いて加熱することにより、その樹脂組成物の硬化物を筐体内に形成し、その後、筐体内の残りの空隙部を満たすように本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を供給して、その樹脂組成物を加熱により硬化する。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)組成物の粘度
[25℃粘度]
E型回転粘度計を用いての回転数で25℃における粘度を測定した。
[60℃粘度]
レオメータ(REOLOGICA社製「DAR−100」)を用いて、10℃/minのスピードで昇温させ、60℃到達後500秒間ホールドさせた。この60℃における粘度の平均値を算出した。
(2)硬化物のガラス転移温度
JIS K7197:2012に規定される熱機械分析装置(日立ハイテクノロジ―社製「SS6100」)を用いて、硬化物の膨張率の温度依存性プロファイルを測定し、そのプロファイルからガラス転移温度を求めた。
(3)線膨張係数
JIS K7197:2012に準拠して、ガラス転移温度未満の温度領域の線膨張係数α1を熱機械分析(測定装置:日立ハイテクノロジ―社製「SS6100」)により測定し、その測定値を測定対象の線膨張係数とした。
(4)引張せん断接着強さ
JIS K6850:1999(ISO 4587:1995)に依拠して、次のようにして、実施例により製造した樹脂組成物の硬化物の引張せん断接着強さを測定した。まず、100mm×25mm×1.6mmのSPCC−SD鋼板を#240研磨布で研磨したのち、脱脂した。次に、実施例により製造した樹脂組成物を、12.5mmのシングルオーバーラップになるように上記の脱脂後のSPCC−SD鋼板塗布し、その上に同寸法のSPCC−SD鋼板を圧着した。続いて、80℃で1時間、続いて150℃で1時間の条件で加熱して樹脂組成物を熱硬化させ、常温に至るまで放置して測定試料を得た。25℃の雰囲気中、荷重速度5mm/minの条件下、得られた測定試料の引張せん断接着強さを測定し、測定試料5個の測定値の平均値を、測定対象の硬化物の引張せん断接着強さとした。
(実施例1および2)
表1に示される組成(数値の単位は質量部)の第一組成物および第二組成物を調製した。第一組成物と第二組成物とを質量比100:19の比率で混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を次の条件で加熱して硬化物を得た。
実施例1:100℃で1時間加熱後、150℃にて1時間加熱
実施例2:80℃で1時間加熱後、105℃にて1時間加熱
なお、表1に示される液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、190である。
第一組成物、第二組成物、樹脂組成物および硬化物について各種測定を行った。その結果を表2に示す。
(実施例3から5)
実施例2における破砕シリカの平均粒径が次の値になるようにその種類を変更した以外は、実施例2と同様にして、第一組成物および第二組成物を調製し、これらの組成物の混合物(質量比100:19)として樹脂組成物を得た。
実施例3:10μm
実施例4:14μm
実施例5:30μm
得られた樹脂組成物の25℃における粘度を測定した。測定結果を表3に示す。
なお、実施例2から4の第一組成物では、調整後、25℃、相対湿度50%の環境下に1週間静置された状態においても(C)無機充填剤の沈降は認められなかったが、実施例5に係る第一組成物では、同環境下に同期間静置された状態において(C)無機充填剤の沈降が認められた。
(実施例6から8)
実施例2における第一組成物への破砕シリカの配合量を変更して、硬化物内の破砕シリカの含有率が表4に示される数値となるようにした以外は、実施例2と同様にして、第一組成物および第二組成物を調製し、これらの組成物の混合物(質量比100:19)として樹脂組成物を得て、その樹脂組成物を加熱して硬化物を得た。
得られた硬化物の線膨張係数を測定した。測定結果を表4に示す。
本発明の樹脂組成物は、アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサのモールド樹脂として好適に用いることができる。本発明のケースモールド型コンデンサは車載用途に好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. アルミニウム系材料からなる筐体を備えるケースモールド型コンデンサのモールド樹脂の少なくともコンデンサ素子を直接被覆する部分を形成するための樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤および(C)無機系充填剤を含有し、
    前記樹脂組成物の60℃における粘度が10Pa・s以下であって、
    前記(C)無機充填剤は非丸型の形状を有し、
    前記モールド樹脂の少なくともコンデンサ素子を直接被覆する部分となる前記樹脂組成物の硬化物は、ガラス転移温度が60℃以上であり、線膨張係数が28ppm/℃以下であること
    を特徴とする樹脂組成物。
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