JP2012102230A - 硬化性樹脂組成物及びこれを用いた電気電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】油分と接触した場合に寸法の変化が小さく、応力緩和性に優れ、優れた冷熱サイクル耐久性を示す樹脂硬化物を形成する硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)、無機充填剤(B)、硬化剤(C)及び反応性希釈剤(D)を含有し、前記アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)が、アクリロニトリルブタジエンゴムが混合されているエポキシ樹脂及びアクリロニトリルブタジエンゴムで変性されたエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物に関し、特に封止材又は接着剤として用いられる硬化性樹脂組成物、及びこれを用いた電気電子部品に関する。
モーターは運転時に発熱し、昇温する。一方で、停止時は周囲環境まで冷却される。つまり、モーターは運転及び停止毎に昇温及び冷却を繰り返す。また、モーターの油中環境における使用を考慮した場合、モーターを構成又は支持等する材料には、加熱、冷却、冷熱サイクル及び油分の存在という環境下における耐久性が必要とされる。尚、モーターを構成又は支持等する材料の典型例としては、モーター自体の封止材又は接着剤及びモーター部品の封止材又は接着剤等が挙げられる。
耐久性に優れ、封止材又は接着剤として用いるのに適した硬化性樹脂組成物は多数提案されている。例えば、シリコーン樹脂はゴム弾性を有する樹脂硬化物を形成し、これは、優れた冷熱サイクル耐久性を示す。それゆえ、シリコーン樹脂を含む封止材又は接着剤は、高温と低温に繰り返し晒される用途に適している。しかし、シリコーン樹脂は油分に接触すると膨潤して寸法が変化し易い。それゆえ、空間の量が厳しく限定されており、かつ、油分が存在するモーターにおいては、シリコーン樹脂が膨潤し他部品と干渉することで、不具合につながる可能性がある。
他方、エポキシ樹脂は電気特性に優れた樹脂硬化物を形成し、従来から電気電子部品を封止又は接着する用途に使用されてきた。しかし、エポキシ樹脂の樹脂硬化物は硬度が高く、応力の緩和性に劣る。それゆえ、冷熱サイクルなどにより、硬化樹脂内部に応力が発生した場合には、基材からの剥離又は樹脂硬化物のクラックを生じやすい。
特許文献1には、作業環境性、生産性に優れ、長期耐熱性、熱伝導性の良好な、モーターの封止に適するエポキシ樹脂成形材料が記載されている。特許文献2には、粉末ゴムを含有するエポキシ樹脂成形材料が記載されており、効果として耐衝撃性が記載されている。
しかし、特許文献1又は2に記載されているような従来の硬化性樹脂組成物は、樹脂硬化物の耐熱性、耐寒性、特に冷熱サイクル下における耐久性(以下「冷熱サイクル耐久性」という。)及び耐油性が未だ不十分である。
特開2008−13720 特開2009−13214
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、油分と接触した場合に寸法の変化が小さく、応力緩和性に優れ、優れた冷熱サイクル耐久性を示す樹脂硬化物を形成する硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)、無機充填剤(B)、硬化剤(C)及び反応性希釈剤(D)を含有し、前記アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)が、アクリロニトリルブタジエンゴムが混合されているエポキシ樹脂及びアクリロニトリルブタジエンゴムで変性されたエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である硬化性樹脂組成物を提供する。
ある一形態においては、前記硬化剤(C)が2個以上のアミノ基及びアミド結合を有する化合物であり、前記反応性希釈剤(D)がグリシジル基を有する化合物である。
ある一形態においては、前記アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)として導入されるアクリロニトリルブタジエンゴム成分の含有量が10重量%以下、前記無機充填剤(B)の含有量が30〜80重量%及び前記反応性希釈剤(D)の含有量が2.5〜10重量%であり、前記硬化剤(C)がポリアミドアミンである。
ある一形態においては、前記硬化性樹脂組成物は封止材又は接着剤である。
ある一形態においては、前記硬化性樹脂組成物は電気電子部品用封止材又は電気電子部品用接着剤である。
ある一形態においては、前記電気電子部品がモーターの内部を構成する電気電子部品である。
また、本発明は、上記いずれかの硬化性樹脂組成物が封止材として用いられている電気電子部品を提供する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その樹脂硬化物が油分と接触した場合に寸法の変化が小さく、応力緩和性に優れ、優れた冷熱サイクル耐久性を示す。
アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)
アクリロニトリルブタジエンゴム(以下「NBR」という。)成分含有エポキシ樹脂とは、NBRとエポキシ樹脂との混合物、NBRで変性されたエポキシ樹脂、及びNBRとエポキシ樹脂とNBRで変性されたエポキシ樹脂との混合物を含む概念である。
NBRは、アクリロニトリル及びブタジエンから得られる共重合体(通常、アクリロニトリル含有量は18〜51質量%)であり、液状のものを用いる。アクリロニトリル又はブタジエンの一部を、例えば、イソプレン、ピペリレン、ジメチルブタジエン等に置き換えて得られる共重合体であってもよい。また、NBRは、アクリロニトリル、ブタジエン及びカルボキシル基を有する単量体(カルボン酸)を共重合させて得られるカルボン酸変性NBRであってもよい。
カルボン酸変性NBRは、アクリロニトリル・ブタジエンゴム分子中にカルボキシル基を有するものであり、例えばアクリロニトリルとブタジエンとを共重合させた共重合樹脂の末端基をカルボキシル化した共重合樹脂、又はアクリロニトリルとブタジエンとカルボキシル基を有する単量体との共重合樹脂が挙げられる。カルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸及びメタクリル酸などが挙げられる。
NBRの市販品としては、例えば、Nipol DN601、Nipol 1312
(日本ゼオン(株)製)、JSR N280(JSR(株)製)などが挙げられる。これらは単独で、又は必要に応じて二種以上併用して用いることができる。
エポキシ樹脂は、1分子あたり2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂であれば何れのものをも用いることができる。エポキシ樹脂の典型例は、従来、エポキシ系接着剤の樹脂成分として用いられているエポキシ樹脂である、例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。より具体的には、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール(A型、F型)、臭素化ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビフェニル型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、オルトクレゾールノボラック型、ビスフェノールAノボラック型、トリスヒドロキシメタン型(3官能基)、テトラフェノールエタン型(4官能基)エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型エポキシ樹脂などが挙げられる。さらに、グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルシアヌレート、アミノフェノール型、アニリン型エポキシ樹脂などが挙げられる。その他、環状脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、脂環式アセタール型、脂環式アジペート型、脂環式カルボキシレート型、ビニルシクロヘキセン型エポキシ樹脂が挙げられる。
好ましく用いられるエポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂など、より好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂である。特に好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER828、jER807(三菱化学(株)製)、DER331(ダウ・ケミカル社(製))などが挙げられる。これらは単独で、又は必要に応じて二種以上併用して用いることができる。
NBRが混合されたエポキシ樹脂はNBR及びエポキシ樹脂を混合することにより調製される。NBRで変性されたエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂と反応可能な官能基を有するNBR及びエポキシ樹脂を反応させることにより調製される。エポキシ樹脂と反応可能な官能基としては、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。
無機充填剤(B)
無機充填剤(B)としては、硬化性樹脂組成物の凝集力を向上させることができる無機粒子であれば、使用することができる。具体的には、アルミナ、窒化アルミ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、シリカ、ケイ砂などのいわゆる高熱伝導性充填剤と呼ばれるもの、炭酸カルシウム、マイカ、タルクなどが例示されるが、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また無機充填剤の形状は、破砕品を用いることができるが、成形時における成形材料の流動性の観点から球状品を用いることも望ましい。さらに熱伝導率向上の観点から、成形品の内部構造中に連続的な熱の伝達を可能とするクラスター構造品を用いることも望ましい。
硬化剤(C)
硬化剤とはエポキシ樹脂を架橋及び非流動化させる化合物をいう。硬化剤としては、2個以上のアミノ基及びアミド結合を有する化合物を使用する。かかる化合物の具体例には、ポリアミドアミンが挙げられる。
ポリアミドアミンは、分子中にアミド結合及び第一アミノ基を有する化合物で、例えば、従来からエポキシ樹脂の硬化剤として用いられている任意の第一アミノ基を有するポリアミドアミンを用いることができる。ポリアミドアミンは、主としてダイマー酸とポリアミンの縮合により生成し、分子中に反応性の第一及び第二アミノ基を有するものであり、ダイマー酸とポリアミンのモル比、脂肪酸組成中のモノマー酸/ダイマー酸/トリマー酸の比率、ポリマーの種類、官能基量等によりポリアミドの分子量、粘度、アミン価等は変化する。このような重合脂肪酸系ポリアミドアミンは市販のポリアミドアミン系硬化剤の大部分を占めている。このような重合脂肪酸系ポリアミドアミンは、重合脂肪酸部位と親水性のアミノ基を含むため、界面活性能を有し、固体表面に配向する性質を示す。そのため、接着性に優れた硬化被膜を形成することができ、また、重合脂肪酸分子中の大きな炭化水素部位は、内部可塑化効果によりエポキシ樹脂硬化物に柔軟性を与えると共に硬化収縮による応力の緩和に寄与する。第一アミノ基を有するポリアミドアミンとしては、例えば、下記式(1)で示されるポリアミドアミンが挙げられる。
Figure 2012102230
上記式中、Rはカルボン酸の残基を表し、Rはポリカルボン酸の残基を表し、R及びRはポリアミンの残基を表し、nは0又は1以上の整数を、mはRの価数を示し、1以上の整数である。より具体的には、Rは例えばモノマー酸、ダイマー酸等の残基であり、Rは二塩基酸、例えばセバシン酸等の残基である。またアミンとしては、ポリエチレンポリアミンなどが用いられてもよい。
本発明において好ましく用いられるポリアミドアミンの市販品としては、トーマイド280−C(富士化成工業(株)製)、サンマイド#301AK(エアープロダクツジャパン(株)製)などが好ましいものとして例示される。その他、前記ポリアミド形成用アミンあるいは酸を2種以上用いて重縮合してなる共重合ポリアミド、その他に、ポリアミドイミド(無水トリメリット酸と芳香族ジアミンとの反応物)等が挙げられる。これら第一アミノ基を有するポリアミドアミンは、単独で、あるいは必要に応じて二種以上を併用することができる。ポリアミドアミンとしては、例えば下記式(2)で表されるものも例示できる。
Figure 2012102230
反応性希釈剤(D)
反応性希釈剤は、エポキシ樹脂を低粘度化することにより作業性を向上させ、また、樹脂硬化物を可塑化して応力緩和性を向上させるために使用される。硬化性樹脂組成物に非反応型の可塑剤を添加すると油分に接触した場合に可塑剤が油中に抽出されてしまい、体積収縮が生じ、クラックが発生する原因になる。
反応性希釈剤としては、グリシジルエーテル及びグリシジルエステル等のグリシジル基を有する化合物が用いられる。グリシジル基を有する化合物の具体例としては、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メチルフェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテルなどのモノグリシジルエーテル化合物;2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールとエピクロロヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル化合物;ネオデカン酸グリシジルエステル、アジピン酸グリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル;グリシジルメタクリレート、スチレンオキサイドなどが挙げられる。
中でも、特に好ましい反応性希釈剤はモノグリシジルエーテル化合物である。これらを使用すると高い柔軟性の付与と低粘度化が得られる。
その他の成分
本発明の硬化性樹脂組成物にはこの他必要に応じ、難燃剤、着色剤、離型剤、酸化防止剤、ガラス繊維やガラスフレーク、セラミック繊維、アルミナ繊維等の補強剤、滑剤などの各種添加剤が添加されても良い。
硬化性樹脂組成物
上述したアクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)、無機充填剤(B)、硬化剤(C)、反応性希釈剤(D)及び要すればその他の成分を適量混合することにより、本発明の硬化性樹脂組成物が製造される。成分を混合する方法は特に限定されず、公知の方法を用いて行えばよい。また、成分を混合する順番も通常通り行えばよい。
硬化性樹脂組成物の固形分を基準にして、NBR成分含有エポキシ樹脂(A)として導入されるNBR成分の含有量は10重量%以下、好ましくは1〜7重量%、より好ましくは2〜5重量%とする。上記NBR成分の量が少量すぎると樹脂硬化物の柔軟性が不足し、10重量%を超えると樹脂硬化物の電気特性が悪化し、又高粘度となり作業性が悪化する。
硬化性樹脂組成物の固形分を基準にして、NBR成分含有エポキシ樹脂(A)として導入されるエポキシ樹脂の含有量は5〜35重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%とする。エポキシ樹脂の量が上記範囲以外であると、樹脂硬化物の接着性や強度が不足して冷熱サイクル耐久性が悪化したり、又作業性が悪化したりする。
硬化性樹脂組成物の固形分を基準にして、無機充填剤(B)の含有量は30〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは45〜70重量%とする。無機充填剤(B)の含有量が上記範囲外であると、樹脂硬化物の強度が不足して冷熱サイクル耐久性が悪化する。
硬化性樹脂組成物の固形分を基準にして、反応性希釈剤(D)の含有量は2.5〜10重量%、好ましくは4〜7重量%とする。反応性希釈剤(D)の含有量が2.5重量%未満であると樹脂硬化物の柔軟性が不足して冷熱サイクル耐久性が悪化し、10重量%を超えると、油分に接触した場合、未反応の反応性希釈剤が油中に抽出されてしまい、体積収縮が生じ、クラックが発生する原因になる。
硬化剤(C)は、含まれている官能基がアクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)及び反応性希釈剤(D)に含まれている官能基と実質的に全て反応するような量で硬化性樹脂組成物に含有させる。
製造された硬化性樹脂組成物は液体であり、比較的低粘度である。該硬化性樹脂組成物は室温における粘度が5〜300 Pa・s、好ましくは50〜200 Pa・s、より好ましくは100〜200 Pa・sである。そして、該硬化性樹脂組成物は金属、木材、樹脂、合成樹脂、ゴム、合成ゴム、工業用プラスチック等の工業原材料の表面に対して良好な濡れ性を示す。また、該硬化性樹脂組成物は、加熱等の手段により熱エネルギーが印加された場合に迅速な硬化性を示す。硬化時間は硬化性樹脂組成物の使用量にも依存して変化するが、120〜150℃に加熱した場合は、約30分〜1時間である。硬化した硬化性樹脂組成物は非粘着性の表面を有する樹脂硬化物になる。
本発明の硬化性樹脂組成物が硬化した樹脂硬化物は弾性を有し、比較的柔軟である。それゆえ、該樹脂硬化物は応力緩和性が高く、耐熱性、耐寒性、特に冷熱サイクル下における接着性及び耐久性に優れる。また、該樹脂硬化物は実質的にシリコーンを含有しない。それゆえ、該樹脂硬化物は油分に対する親和性が低く、油分が接触した場合に膨潤し難く、寸法変化が小さい。
本発明の硬化性樹脂組成物は流動性であり、一般的な工業用原材料の表面に対し良好な濡れ性及び良好な硬化性を示し、接着性及び経時安定性に優れた樹脂硬化物を形成する。それゆえ、本発明の硬化性樹脂組成物は封止材又は接着剤として使用するのに適している。適当な封止対象、接着対象としては、工業製品又は部品、例えば電気部品、電子部品、モーター、モーターの部品等が挙げられる。
また、該樹脂硬化物は冷熱サイクル耐久性及び耐油性に優れている。そのため、本発明の硬化性樹脂組成物は油冷式機構及びモーター内部、特に油中環境において使用されるモーター内部等、油分が存在し、空間の量が限定されている環境で封止材又は接着剤として使用するのに特に適している。
実施例1
エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER828」(商品名))、液状NBR(日本ゼオン(株)製「Nipol DN601」(商品名))、炭酸カルシウム(白石工業(株)製「ホワイトンSB」(商品名))、硬化剤(エアープロダクツジャパン(株)製「サンマイド301AK」(商品名))、反応性希釈剤(Cardolite chemical Co., Ltd.製「LITE 2513HP」(商品名))及び各種添加剤を準備し、これら各素材を表1に示す配合量に従って均一に混合することにより、硬化性樹脂組成物を調製した。次いで、得られた硬化性樹脂組成物の性能を次のようにして評価した。結果を表1に示す。
粘度
装置として、HAAKE製レオメーターRS1型、コーンプレートとして、C35/2−Tiを使用し、測定温度25℃、せん断速度5s−1の条件下で測定した。
電気特性
硬化性組成物を厚さ2mmのシート状に120℃×30分間加熱成形し、95×95mmに切り取ったものを試験片とした。装置として、ヒューレット・パッカード製絶縁抵抗試験機「4339B」を使用し、印加電圧500V×1分の条件下で、常温での体積抵抗率を測定した。
耐油性
硬化性組成物を厚さ2mmのシート状に120℃×30分間加熱成形し、25×25mmに切り取ったものを試験片とした。オイルとして、ATF(石油系炭化水素(鉱油)が主成分)を準備し、容器に入れて150℃に加熱した。試験片を加熱したオイルに浸漬し、300時間放置した後、取り出した。
オイルに浸漬する前と規程時間オイルに浸漬した後の体積を測定し、その変化率を求めた。
冷熱サイクル耐久性
モーター用ステーターを構成するインシュレーターを準備した。インシュレーターの材質はPPS(ポリフェニレンスルファイド)であり、凹部の容量は約10mlである。インシュレーターの凹部に硬化性組成物を充填し、120℃×30分間加熱し硬化させ、これを試験片とした。
−40℃×25分→150℃×25分を1サイクルとして、試験片を冷熱サイクル下に置き、充填した硬化性組成物のクラックやインシュレーターからの剥離が発生するまでのサイクル数を測定した。
実施例2
エポキシ樹脂及び液状NBRの代わりにNBR変性ビスフェノールA((株)ADEKA製「EPR−1309」(商品名))を表1に示す量で使用すること以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製し、性能を評価した。結果を表1に示す。
尚、このNBR変性ビスフェノールA中NBR成分の含有量は15重量%であり、硬化性樹脂組成物に導入されたNBR成分の量は2.4重量%である。
実施例3〜6
各素材の使用量を表1に示すように変更すること以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製し、性能を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
シリコーン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製「TSE325」(商品名))を硬化性樹脂組成物として使用し、性能を評価した。結果を表1に示す。
比較例2
硬化剤として脂肪族アミン((株)ADEKA製「GM−656」(商品名))を表1に示す量で使用すること以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製し、性能を評価した。結果を表1に示す。
比較例3〜5
各素材の使用量を表1に示すように変更すること以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製し、性能を評価した。結果を表1に示す。
比較例6及び7
硬化剤として脂肪族アミン((株)ADEKA製「GM−656」(商品名))を表1に示す量で使用すること以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製し、性能を評価した。結果を表1に示す。
比較例8
硬化剤として酸無水物(DIC(株)製「EPICLON B−570H」(商品名))を表1に示す量で使用すること以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製し、性能を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2012102230

Claims (7)

  1. アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)、無機充填剤(B)、硬化剤(C)及び反応性希釈剤(D)を含有し、前記アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)が、アクリロニトリルブタジエンゴムが混合されているエポキシ樹脂及びアクリロニトリルブタジエンゴムで変性されたエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である硬化性樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤(C)が2個以上のアミノ基及びアミド結合を有する化合物であり、前記反応性希釈剤(D)がグリシジル基を有する化合物である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記アクリロニトリルブタジエンゴム成分含有エポキシ樹脂(A)として導入されるアクリロニトリルブタジエンゴム成分の含有量が10重量%以下、前記無機充填剤(B)の含有量が30〜80重量%及び前記反応性希釈剤(D)の含有量が2.5〜10重量%であり、前記硬化剤(C)がポリアミドアミンである請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 封止材又は接着剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 電気電子部品用封止材又は電気電子部品用接着剤である請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記電気電子部品がモーターの内部を構成する電気電子部品である請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物が封止材として用いられている電気電子部品。
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