JP6278650B2 - サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ - Google Patents

サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP6278650B2
JP6278650B2 JP2013201309A JP2013201309A JP6278650B2 JP 6278650 B2 JP6278650 B2 JP 6278650B2 JP 2013201309 A JP2013201309 A JP 2013201309A JP 2013201309 A JP2013201309 A JP 2013201309A JP 6278650 B2 JP6278650 B2 JP 6278650B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermistor sensor
resin composition
thermistor
casting
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013201309A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015070024A (ja
Inventor
江里 佐々木
江里 佐々木
信彦 内田
信彦 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2013201309A priority Critical patent/JP6278650B2/ja
Publication of JP2015070024A publication Critical patent/JP2015070024A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6278650B2 publication Critical patent/JP6278650B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Details Of Resistors (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)

Description

本発明は、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサに関する。
サーミスタセンサは、温度検出素子等として、自動車、家電、産業機器等、幅広い分野で使用されている。このサーミスタセンサの構造として、サーミスタ素子に、導体の外周に軟質塩化ビニル樹脂等の絶縁被覆を設けたリード線を接続して、保護ケースに挿入するとともに、保護ケース内にエポキシ系等の絶縁性液状樹脂を注入し硬化させた、いわゆる樹脂モールド型サーミスタセンサと称するものが知られている(例えば、特許文献1)。
近年、サーミスタセンサにおいては、その使用環境の厳しさが増す一方、信頼性に対する要求が一段と高まってきている。樹脂モールド型サーミスタセンサも例外ではなく、大きな温度差といった厳しい条件下での使用によっても、樹脂部にクラックが入ったり、樹脂部と電線との間で界面剥離が生じたりすることのないサーミスタセンサが要望されてきている。
そこで、例えば、モールド樹脂材料に2液硬化型のポリブタジエン系ウレタン樹脂を使用したものや、絶縁被覆の表面にさらに特定のプライマを塗布することによって電線の樹脂部に対する接着強度を高めたもの等が開発されてきている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、2液型の樹脂材料やプライマの使用は作業性の低下につながり、特に、プライマの使用は作業性のみならず材料コスト、製造コストも増大させる。さらにモールド樹脂材料は、温度変化をサーミスタ素子に速やかに伝達させるため、高い熱伝導率を有することが要求されるが、この点でも上記サーミスタセンサは特性がやや不十分であった。
また、保護ケースの材質が金属である場合、従来、モールド樹脂材料では樹脂が劣化しやすく、その影響でサーミスタセンサの寿命が短いという問題があった。
さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂、反応性希釈剤、アミン系硬化剤、及びアルミナ粉末を含有するサーミスタセンサ注形用樹脂組成物が開示されてきている(例えば、特許文献3参照)。このサーミスタセンサ注形用樹脂組成物からの硬化物の耐候性の更なる改良が求められている。
特開2005−294552号公報 特開平8−94452号公報 特開2012−059731号公報
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、それ自身、高い熱伝導性を有し、かつプライマ処理せずともクラックや界面剥離等が生ずることがない樹脂部を形成することができ、かつ、高温・高湿環境下での樹脂劣化を抑制し、耐候性の高いサーミスタセンサ注形用樹脂組成物、及びそのような組成物を用いた高性能で、かつ高い信頼性を有するサーミスタセンサを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂、(B)フィラー、(C)脂肪族ポリアミンおよび(D)トリアゾール系化合物を含むサーミスタセンサ注形用樹脂組成物、
(2)(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂および(B)フィラーが主剤成分で、(C)脂肪族ポリアミンおよび(D)トリアゾール系化合物が硬化剤成分である上記(1)に記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物、
(3)前記(D)トリアゾール系化合物を(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部含む上記(1)または(2)に記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物、
(4)前記成分(D)がアミノトリアゾール系化合物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物、
(5)前記成分(D)がベンゾトリアゾール系化合物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物、
(6)前記成分(B)フィラーがアルミナ粉末及び/またはシリカ粉末である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物および
(7)サーミスタ素子と、リード線によりサーミスタ素子に接続された絶縁電線を内蔵する金属製の保護ケースに上記(1)〜(6)のいずれかに記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注形後、硬化してなるサーミスタセンサを提供する。
本発明によれば、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物の硬化物の耐候性が高く、それを用いることにより、高性能で、かつ高い信頼性を有するサーミスタセンサを、従来に比べて安価に、かつ作業性良く製造することが可能になる。
本発明の一実施形態のサーミスタセンサの概略構成を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
本発明に用いられる(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂としては、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールSのグリシジルエーテル化物等の室温(25℃)で液状のものが好ましい。これらビスフェノール型液状エポキシ樹脂としては、通常エポキシ当量として150〜300g/eq程度の範囲のものが用いられる。
より具体的には、たとえば、下記の一般式(1)で表される液状のエポキシ樹脂が挙げられる。これはビスフェノールとエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンの縮合反応により得られ、市販品としては、例えば、エポミックR−140シリーズ〔三井化学(株)製、商品名、エポキシ当量:188g/eq〕が挙げられる。
式中、nは0または1以上の整数を表す。好ましくは、nは0である。
その他、ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、ジャパンエポキシレジン製のビスフェノールF型液状エポキシ樹脂であるE807(エポキシ当量:170g/eq)、同ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂であるE828(エポキシ当量:190g/eq)、大日本インキ化学工業株式会社製のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂であるEPICLON 850(エポキシ当量188g/eq)、同ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂であるEPICLON 830(エポキシ当量170g/eq)等が挙げられる。
上記(A)成分に加え、反応性希釈剤を併用することができる。例えば、ブチルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル等が挙げられる。反応性希釈剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤の配合量は、(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して2〜20質量部の範囲が好ましく、4〜15質量部の範囲がより好ましい。配合量を2質量部以上とすることにより、希釈効果が十分に得られ、20質量部以下とすることにより、適切な硬化性が得られ、硬化物において適切な強度を確保することができる。
次に、本発明に用いられる(B)成分のフィラーは、熱伝導率の高い無機充填剤が好ましく、また、1種以上を必要に応じて配合することができる。無機充填剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコン、タルク、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア等の粉末、これらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。
(B)成分のフィラーの配合量は、(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して300〜500質量部の範囲が好ましく、300〜400質量部の範囲であるとより好ましい。(B)成分の配合量を300質量部以上とすることにより、硬化物の熱伝導率が低下するのを防止し、逆に500質量部以下とすることにより、組成物の粘度が上昇するのを防止する。
なお、本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は、100℃で6時間硬化させて得られる硬化物の熱伝導率が0.1W/m・K以上であることが好ましく、0.3W/m・K以上であることがより好ましい。熱伝導率が0.1W/m・K未満では、センサの感度が低下する。なお、熱伝導率は、細線加熱法等により測定される。
次に、本発明に用いられる(C)成分の脂肪族ポリアミンとしては、ポリエーテルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の炭素数2〜80の脂肪族多価アミンが挙げられる。これらのなかでも、ロングライフ性の点から、ポリエーテルアミンがより好ましい。脂肪族ポリアミンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この(C)成分の脂肪族ポリアミンの配合量は、(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂を硬化させることができる量であればよいが、好ましくは(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基100当量に対して40〜150当量の範囲であり、50〜80当量の範囲であるとより好ましい。
(C)成分の脂肪族ポリアミンの配合量を質量部で表すと、(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して80〜250質量部程度の範囲であり、100〜200質量部程度の範囲であるとより好ましい。
配合量が80質量部未満では、硬化物の耐湿性が低下するおそれがあり、逆に250質量部を超えると、硬化物の耐湿性が低下するおそれがある。
上記(C)成分の脂肪族ポリアミンに加え、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等の他の硬化剤を併用することができる。フェノール系硬化剤としては、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノ−ル樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、これらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル化したノボラック型フェノール樹脂等、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂等が挙げられる。また、酸無水物系硬化剤としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸やこれらの誘導体等が挙げられる。その他、ジシアンジアミド、イミダゾール、アルミニウムキレート、BF3のようなルイス酸のアミン錯体等も使用可能である。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。他の硬化剤を併用する場合、硬化性及び架橋性の観点から、(C)成分と硬化剤全量の20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。
さらに、(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂と(C)成分のポリアミンおよび必要に応じて配合される硬化剤との反応を促進する硬化促進剤も、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。硬化促進剤としては、例えば、2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2‐ヘプタデシルイミダゾール、2‐メチルイミダゾール、2‐エチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチルイミダゾール、4‐メチルイミダゾール、4‐エチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐ヒドロキシメチルイミダゾール、1‐シアノエチル‐2‐メチルイミダゾール、1‐シアノエチル‐2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチル‐5‐ヒドロキシメチルイミダゾール、2‐フェニル‐4、5‐ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α‐メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2‐(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、1,8‐ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン‐7(DBU)、1,5‐ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン‐5等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等ホスフィン類等が挙げられる。
硬化促進剤の配合量は(C)成分のポリアミンおよび必要に応じて配合される硬化剤の合計量100質量部に対して0.05〜1.0質量部程度である。
次に、本発明に用いられる(D)成分のトリアゾール系化合物は、アミノトリアゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトトリアゾール系化合物などが挙げられる。アミノトリアゾール系化合物は、分子中にアミノトリアゾール骨格を有する化合物であり、具体例としては、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3-アミノ-5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール、3−メチル−5−n−ブチルアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−クロロ−5−オクチルフェニルアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−エトキシ−5−ナフチルメチルアミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、2−ヒドロキシ−N−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルベンズアミドなどが挙げられる。
また、ベンゾトリアゾール系化合物は、分子中にベンゾトリアゾール骨格を有する化合物であり、具体例としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、N,N−ビス−(2-エチルヘキシル)-(4又は5)−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルアミンおよびこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。
メルカプトトリアゾール系化合物は、分子中にメルカプトトリアゾール骨格を有する化合物であり、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3-メルカプト-4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールなどが挙げられる。トリアゾール系化合物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分としては、樹脂劣化日数を長くできるという観点からアミノトリアゾール系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物が好ましく、アミノトリアゾール系化合物がより好ましい。
(D)成分のトリアゾール系化合物は(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部、好ましくは0.3〜1.0質量部程度の配合量である。
(D)成分は、従来、金属不活性化剤として使用されていた脂肪酸アミン塩やアミン系化合物の替わりに用いられる。
さらに、本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤、沈降防止剤、カーボンブラック等の着色剤、消泡剤、三酸化アンチモン等の難燃剤を配合することができる。
本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は、(A)〜(D)の各成分、及び前述したその他の成分の所定量をミキサー等により均一に混合することにより、1液型のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物として得ることができる。また、(C)成分、(D)成分及び必要に応じて配合される他の硬化剤、硬化促進剤を含有する硬化剤成分と、(A)成分、(B)成分及び必要に応じて配合される反応性希釈剤を含有する主剤成分との2液型のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物として調製することもできる。主剤成分と硬化剤成分は、使用に際し、ミキサー等により均一に混合される。
次に、本発明のサーミスタセンサについて説明する。
本発明のサーミスタセンサは、サーミスタセンサ素子やリード線を介して接続された絶縁電線からなる外部リード線を保護ケース内に設置して、上述したサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を保護ケース内に注形して硬化させたものである。保護ケースはプラスチック製および金属製が存在するが、本発明で用いられるサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は保護ケースが特に金属製であるとき耐候性に優れるので好ましい。図1に、その一実施形態を示す。なお、図1は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。
図1に示すように、本発明のサーミスタセンサ10は、サーミスタ素子11と、サーミスタ素子11に接続された銅線等からなるリード線12と、このリード線12を介して接続された、外部リード線13の端部とを、保護ケース(たとえば、銅管)14に挿入するとともに、保護ケース14内にサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注入し硬化させて樹脂部15が形成された構造を有する。外部リード線13は、導体13aの外周に、軟質塩化ビニル樹脂、架橋ポリエチレン等の絶縁被覆13bを施した絶縁電線により構成されており、また、樹脂部15を形成するため、前述したサーミスタセンサ注形用樹脂組成物が使用されている。
本発明のサーミスタセンサ10を製造するにあたっては、予めサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注入した保護ケース14内に、リード線12及び絶縁電線からなる外部リード線13を接続したサーミスタ素子11を挿入し、その後、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物を硬化させるようにしてもよく、あるいは、リード線12及び外部リード線13を接続したサーミスタ素子11を保護ケース14内に挿入した後、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注入し、硬化させるようにしてもよい。硬化条件としては、95〜105℃の温度で5〜7時間程度が好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において特に明示しない限り、「部」は「質量部」を示すものとする。
(実施例1)
成分(A)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂〔三井化学(株)製、商品名:エポミックR140P、表1では「液状エポキシ樹脂」と表記、エポキシ当量190〕90部、反応性希釈剤としてブチルグリシジルエーテル〔阪本薬品工業(株)製、商品名:BGE−R〕10部、着色剤として平均粒径0.024μmのカーボンブラック〔三菱化学(株)製、商品名:MA100〕1.2部、成分(B)として平均粒径4μmのアルミナ粉末〔太平洋ランダム(株)製、商品名:LA4000〕70部、平均粒径12μmのアルミナ粉末〔太平洋ランダム(株)製、商品名 LA1200〕180部、平均粒径6μmのシリカ粉末〔龍森(株)製、商品名:クリスタライトAA〕70部、消泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(株)製、商品名 TSA720)0.1部、沈降防止剤〔日本有機粘土(株)製、商品名 エスベン〕1部、成分(C)として分子量2000のポリエーテルアミン(Huntsman Corp.製、商品名 ジェファーミンD−2000;表1では「脂肪族ポリアミン」と表記)165部〔エポキシ基100当量に対して57当量〕、硬化促進剤(ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製、商品名 アンカミンK−54)0.5部、成分(D)としてアミノトリアゾール系化合物〔(株)ADEKA 製、商品名:アデカスタブCDA−1M〕0.3部を真空混練してサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を調製した後、図1に示すように、予めサーミスタ素子11、リード12線等をセットしておいた銅製の保護ケース14内に注形し、100℃で6時間加熱し硬化させてサーミスタセンサを製造した。
(実施例2)
アミノトリアゾール系化合物0.3部を0.6部に増やした以外は実施例1と同様にして注形用樹脂組成物を調製し、さらに、この樹脂組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
参考例1
アミノトリアゾール系化合物0.3部をベンゾトリアゾール系化合物〔BASF製、商品名IRGAMET39〕0.3部に置き換えた以外は実施例1と同様にして注形用樹脂組成物を調製し、さらに、この樹脂組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
参考例2
アミノトリアゾール系化合物0.3部をベンゾトリアゾール系化合物〔BASF製 商品名IRGAMET39〕0.6部に置き換えた以外は実施例1と同様にして注形用樹脂組成物を調製し、さらに、この樹脂組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
参考例3
アミノトリアゾール系化合物0.3部をベンゾトリアゾール系化合物〔BASF製 商品名IRGAMET39〕0.28部に置き換えた以外は実施例1と同様にして注形用樹脂組成物を調製し、さらに、この樹脂組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(実施例6)
(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂および(B)フィラーを主剤成分とし、(C)脂肪族ポリアミンおよび(D)トリアゾール系化合物を硬化剤成分とした以外は実施例1と同様にして注形樹脂組成物を調製し、さらに、この樹脂組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(比較例1)
アミノトリアゾール系化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にして比較用の注形用樹脂組成物を調製し、さらに、この樹脂組成物を用いて比較用のサーミスタセンサを製造した。
(比較例2)
アミノトリアゾール系化合物0.3部を金属不活性化剤として使用される脂肪酸アミン塩〔(株)ユーエスシー製のジシクロヘキシルアミンおよびオクタン酸混合物、商品名 フェロガード100E〕0.6部に置き換えた以外は実施例1と同様にして比較用の注形用樹脂組成物を調製し、さらに、この樹脂組成物を用いて比較用のサーミスタセンサを製造した。
注形用樹脂組成物およびその硬化物における各特性の測定方法は以下のとおりである。
[硬化性]
JIS C2105に準じ、各注形用樹脂組成物を胴の外径が18mmの試験管に10g取り、外径約3mmで試験管の深さより若干長めのガラス棒を挿入し、140℃の恒温油槽に、試験の面が恒温漕の液面より下になるように挿入する。同時にストップウォッチを作動させる。あらかじめ把握しておいたゲル化時間の約5分前から1分間ごとに試験管内のガラス棒を引き上げて観察する。流動性が少なくなるに従って、この操作の間隔を短縮して10〜20秒間おきにガラス棒を持ち上げ、試験管がガラス棒と同時にたやすく持ち上げられたときを終点とし、ストップウォッチを止めて時間(単位:分)を読み取る。
[熱伝導率]
注形用樹脂組成物を100℃、6時間の条件で硬化させて作製した硬化物について、京都電子工業(株)製の熱伝導計を用いて細線加熱法により熱伝導率(単位:W/m・K)を測定した。
[ガラス転移温度]
JIS K7121に準じ、注形用樹脂組成物を100℃、6時間の条件で硬化させて作製した硬化物について、TA Instrument製のDSCを用いてガラス転移温度を測定した。ここで、ガラス転移温度は、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度とした。
[耐湿信頼性試験]
注形用樹脂組成物を100℃、6時間の条件で硬化させて作製したサーミスタセンサ1本と水0.3mlを、内容積が30mlのガラス製の耐圧容器に入れて125℃の恒温槽中に水蒸気が飽和状態になるように設置し、24時間毎に観察して樹脂が溶け出すまでの日数を樹脂劣化日数とした。
これらの結果を、注形用樹脂組成物の配合組成とともに表1に示す。
表1から明らかなように、トリアゾール系化合物を含む本発明の注形用樹脂組成物を注形してなる、実施例で得られたサーミスタセンサにおいては、いずれも樹脂劣化日数が大幅に向上している。すなわち、本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は熱伝導率が高く、信頼性のあるサーミスタセンサを提供することができる。
本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は、温度検出素子等として自動車、家電、産業機器等、幅広い分野で使用されているサーミスタセンサに適用することができる。
10:サーミスタセンサ
11:サーミスタ素子
12:リード線
13:外部リード線
13a:導体
13b:絶縁被覆
14:保護ケース
15:樹脂部

Claims (5)

  1. (A)ビスフェノール型エポキシ樹脂、(B)フィラー、(C)脂肪族ポリアミンおよび(D)アミノトリアゾール系化合物を含むサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  2. (A)ビスフェノール型エポキシ樹脂および(B)フィラーが主剤成分で、(C)脂肪族ポリアミンおよび(D)アミノトリアゾール系化合物が硬化剤成分である請求項1に記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  3. 前記(D)アミノトリアゾール系化合物を(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部含む請求項1または2に記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  4. 前記成分(B)フィラーがアルミナ粉末及び/またはシリカ粉末である請求項1〜のいずれかに記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  5. サーミスタ素子と、リード線によりサーミスタ素子に接続された絶縁電線を内蔵する金属製の保護ケースに請求項1〜のいずれかに記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注形後、硬化してなるサーミスタセンサ。
JP2013201309A 2013-09-27 2013-09-27 サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ Active JP6278650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013201309A JP6278650B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013201309A JP6278650B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015070024A JP2015070024A (ja) 2015-04-13
JP6278650B2 true JP6278650B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=52836455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013201309A Active JP6278650B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6278650B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5818929B2 (ja) * 1978-10-03 1983-04-15 日立化成工業株式会社 エポキシ樹脂組成物
GB8313482D0 (en) * 1983-05-16 1983-06-22 Scott Bader Co Accelerators
GB8607565D0 (en) * 1986-03-26 1986-04-30 Ciba Geigy Ag Curable compositions
JPH11323092A (ja) * 1998-05-11 1999-11-26 Sanyu Resin Kk 難燃性注型用エポキシ樹脂組成物
US6577492B2 (en) * 2001-07-10 2003-06-10 3M Innovative Properties Company Capacitor having epoxy dielectric layer cured with aminophenylfluorenes
JP5250801B2 (ja) * 2008-09-11 2013-07-31 日東電工株式会社 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP5530313B2 (ja) * 2010-09-03 2014-06-25 京セラケミカル株式会社 サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015070024A (ja) 2015-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5530313B2 (ja) サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ
US20140125439A1 (en) Insulation formulations
JP6607009B2 (ja) テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び半導体封止材
JP3874108B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
KR20180048673A (ko) 에폭시 수지, 에폭시 수지 조성물, 경화물 및 전기·전자 부품
JP6491459B2 (ja) サーミスタセンサ注形用樹脂組成物およびサーミスタセンサ
KR101329695B1 (ko) 재작업이 가능한 에폭시 수지 조성물
JP6291442B2 (ja) サーミスタセンサ注形用樹脂組成物およびサーミスタセンサ
JP5676563B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び硬化物
JP6278650B2 (ja) サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ
JP6213099B2 (ja) エポキシ樹脂成形材料、モールドコイルの製造方法及びモールドコイル
JP6379500B2 (ja) エポキシ化合物、エポキシ化合物含有組成物、硬化物及び半導体封止材
JP2017193651A (ja) 1液タイプのエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた絶縁処理された電気電子部品の製造法
JP2501143B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2007308601A (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物
KR20210018867A (ko) 열전도성 수지 조성물
JP7295826B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JPWO2011125962A1 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2024030723A (ja) 樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品
JP6439612B2 (ja) エポキシ樹脂、組成物、硬化物及び電気・電子部品
JP2017048388A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品
JP2009256574A (ja) イオン液体含有エポキシ樹脂組成物の製造方法
JP2017155127A (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品
JP6520582B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品
JP2016125007A (ja) エポキシ樹脂組成物、硬化物、電気部品及び電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160520

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6278650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150