JP2024030723A - 樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 - Google Patents

樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性率維持率やガラス転移温度が高く、耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物と、この樹脂組成物の硬化物及び該硬化物を含む電気・電子部品を提供する。【解決手段】樹脂組成物は、(A)式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(C)グリシジルアミン型エポキシ樹脂を含有し、(A)100重量部に対して(B)を5~125重量部、及び(C)を5~95重量部含む。TIFF2024030723000010.tif65170【選択図】なし

Description

本発明は、弾性率維持率やガラス転移温度が高く、耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物と、この樹脂組成物の硬化物及び該硬化物を含む電気・電子部品に関する。
エポキシ樹脂を含む樹脂組成物は、種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐熱性、電気的性質等に優れた硬化物となることから、接着剤、塗料、電気・電子材料等の幅広い分野で利用されている。特に、電気・電子材料の分野の中でも、半導体封止材用途では、様々なエポキシ樹脂が、付加価値の高い封止材を提供できるとして多用されている。
中でも、各種物性のバランスを調整するため、複数のエポキシ樹脂を混合した樹脂組成物が提案されている。
例えば特許文献1には、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、パラアミノフェノール型エポキシ樹脂を混合させた樹脂組成物が提案されている。
独国特許出願公開第4217509号明細書
従来、半導体はLSIなどの比較的小さな電流や電力で使用されるものが大半であったが、近年、モーターや照明などの制御や電力の変換に半導体を使用する、パワー半導体等の開発が急速に進んでいる。これに伴い、従来よりも高い電力や電流にも使用可能な半導体並びに半導体封止材が希求され、半導体封止材にあっては、従来よりも、高い耐熱性、低粘度、並びに長期信頼性が求められている。
しかしながら、本発明者らの検討により、特許文献1に記載の樹脂組成物は、硬化物とした際の耐熱性が十分に満足いくものではないという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、弾性率維持率やガラス転移温度が高く、耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物と、この樹脂組成物の硬化物及び該硬化物を含む電気・電子部品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構造を有するエポキシ樹脂を、ある特定の割合で配合した樹脂組成物が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち本発明の要旨は、次の[1]~[9]に存する。
[1] 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有する樹脂組成物であって、成分(A)100重量部に対して、成分(B)を5~125重量部含み、成分(A)100重量部に対して、成分(C)を5~95重量部含む、樹脂組成物。
成分(A):下記式(1)で示されるエポキシ樹脂
Figure 2024030723000001

(nは0~10の整数)
成分(B):ビスフェノール型エポキシ樹脂
成分(C):グリシジルアミン型エポキシ樹脂
[2] 100℃における溶融粘度が9.0Poise以下である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記成分(A)と前記成分(C)の合計100重量部に対して、前記成分(B)を5~60重量部含む、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 加水分解性塩素含有量が730重量ppm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] エポキシ当量が100~250g/当量である、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重量部に対して、さらに硬化剤を0.01~1000重量部含む、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、第3級アミン、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、エステル系硬化剤及びイミダゾール類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[6]に記載の樹脂組成物。
[8] [6]又は[7]に記載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
[9] [8]に記載の硬化物を含む電気・電子部品。
本発明によれば、弾性率維持率やガラス転移温度が高く、耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物と、この樹脂組成物の硬化物及び該硬化物を含む電気・電子部品を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
なお、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物及び樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、繰り返し構造を含むものと単分子構造のものとがあるが、当業界ではいずれのエポキシ化合物も「エポキシ樹脂」や「エポキシ樹脂組成物」と表現され、販売されることがある。また、当業界では、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂と異なるエポキシ樹脂をさらに含む混合物を「エポキシ樹脂組成物」と表現することもあるが、単に「エポキシ樹脂」と呼称することもある。
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、成分(A):下記式(1)で示されるエポキシ樹脂、成分(B):ビスフェノール型エポキシ樹脂、成分(C):グリシジルアミン型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
Figure 2024030723000002

(nは0~10の整数)
また、本実施形態の樹脂組成物には、必要に応じて、成分(A)、成分(B)及び成分(C)以外の他のエポキシ樹脂(以下、単に「他のエポキシ樹脂」と称する場合がある。)、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、カップリング剤等を適宜配合することができる。
[成分A]
本実施形態における成分(A)は下記式(1)で示されるエポキシ樹脂である。
Figure 2024030723000003

(nは0~10の整数)
[成分(A)のエポキシ当量]
成分(A)は、エポキシ当量が150~220g/当量であることが好ましく、より好ましくは155~200g/当量、さらに好ましくは160~180g/当量である。
成分(A)のエポキシ当量が上記上限値以下であると、粘度が低下するためハンドリング性に優れる。上記下限値以上では、硬化に要する時間(ゲルタイム)が適度に長くなり、ハンドリング性に優れる。
なお、本明細書において「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量」と定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
[成分B]
本実施形態における成分(B)はビスフェノール型エポキシ樹脂である。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールG型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールPH型エポキシ樹脂、ビスフェノールTMC型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としての優れた電気特性、硬化剤を含む樹脂組成物としての優れた生産性を得る観点から、成分(B)として好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビフェノールF型エポキシ樹脂であり、より好ましくはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[成分(B)のエポキシ当量]
成分(B)は、エポキシ当量が100~250g/当量であることが好ましく、より好ましくは125~225g/当量であり、さらに好ましくは150~200g/当量である。
成分(B)のエポキシ当量が上記上限値以下であると、粘度が低下するためハンドリング性に優れる。上記下限値以上では、硬化に要する時間(ゲルタイム)が適度に長くなり、ハンドリング性に優れる。
[成分(B)の含有量]
本実施形態の樹脂組成物は、成分(A)100重量部に対して、成分(B)を5~125重量部含むことを特徴とする。成分(B)の含有量は好ましくは10~100重量部であり、より好ましくは15~90重量部、さらにより好ましくは20~80重量部である。成分(B)の含有量が上記下限値以上では、粘度が低くなり、ハンドリング性に優れ、成分(B)の含有量が上記上限値以下では、塩素量が低下し、電気的信頼性に優れる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、成分(A)と成分(C)の合計100重量部に対して、成分(B)を5~60重量部含むことが好ましく、より好ましくは10~55重量部、さらにより好ましくは15~50重量部含む。成分(B)の含有量が上記下限値以上では、粘度が低くなり、ハンドリング性に優れ、成分(B)の含有量が上記上限値以下では、弾性率維持率が増加し、耐熱性に優れる。
[成分C]
本実施形態における成分(C)はグリシジルアミン型エポキシ樹脂である。
具体的には、トリグリシジルアミノフェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジルアミノクレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレンジアミン型エポキシ樹脂、1,3-ビス(N,N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂として優れたハンドリング性を有する観点から、成分(C)として好ましくは、トリグリシジルアミノフェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジルアミノクレゾール型エポキシ樹脂であり、より好ましくはトリグリシジルアミノフェノール型エポキシ樹脂である。これらのグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[成分(C)のエポキシ当量]
成分(C)は、エポキシ当量が80~125g/当量であることが好ましく、より好ましくは85~115g/当量、さらに好ましくは90~105g/当量である。
成分(C)のエポキシ当量が上記上限値以下であると、粘度が低下するためハンドリング性に優れる。上記下限値以上では、硬化に要する時間(ゲルタイム)が適度に長くなり、ハンドリング性に優れる。
[成分(C)の含有量]
本実施形態の樹脂組成物は、成分(A)100重量部に対して、成分(C)を5~95重量部含むことを特徴とする。成分(C)の含有量は好ましくは10~90重量部であり、より好ましくは15~85重量部であり、さらにより好ましくは20~80重量部である。成分(C)の含有量が上記下限値以上では、粘度が低くなり、ハンドリング性に優れ、成分(C)の含有量が上記上限値以下では、ガラス転移温度が上昇し、耐熱性に優れる。
[他のエポキシ樹脂]
本実施形態の樹脂組成物は、さらに成分(A)、成分(B)及び成分(C)以外の他のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。他のエポキシ樹脂としては、公知のものを用いることができる。他のエポキシ樹脂の量としては、成分(A)、成分(B)及び成分(C)のエポキシ樹脂の合計100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、より好ましくは、3重量部以下であり、さらにより好ましくは、1重量部以下であり、最も好ましくは、0重量部(全く含まない)である。
[溶融粘度]
本実施形態の樹脂組成物は、100℃の溶融粘度が9.0Poise以下であることが好ましく、より好ましくは0.1~7.0Poiseであり、さらに好ましくは0.3~5.0Poiseであり、特に好ましくは0.4~5.0Poiseである。本実施形態のエポキシ樹脂の溶融粘度が上記上限値以下であると、ハンドリング性に優れ、上記下限値以上では半導体封止材の成形時に金型から組成物がブリードアウトする可能性を抑えることができる。
[加水分解性塩素含有量]
本実施形態の樹脂組成物は、加水分解性塩素含有量が、730重量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは700重量ppm以下、さらに好ましくは650重量ppm以下である。この値が低くなるほど、本実施形態の樹脂組成物及びその硬化物の電気的信頼性が向上する。
一方で、加水分解性塩素含有量の下限としては、工業的に有利なエポキシ樹脂の製造プロセスを実施する観点から、0.1重量ppm以上であることが好ましく、より好ましくは、0.5重量ppm以上であり、さらにより好ましくは1重量ppm以上である。
加水分解性塩素含有量は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
[エポキシ当量]
本実施形態の樹脂組成物は、エポキシ当量が100~250g/当量であることが好ましく、より好ましくは110~225g/当量であり、さらに好ましくは120~200g/当量である。本実施形態の樹脂組成物のエポキシ当量が上記上限値以下であると、粘度が低下するためハンドリング性が優れる。上記下限値以上では加水分解性塩素含有量が低下するため電気的信頼性に優れる。
[樹脂組成物の調製方法]
本実施形態の樹脂組成物の調製には、その具体的な操作に特に指定はないが、加熱をしながら均一に撹拌する手法や有機溶剤中で混合し溶剤を留去して得る方法などが挙げられる。
[硬化剤]
本実施形態において硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質を示す。なお、本実施形態においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
本実施形態の樹脂組成物において、硬化剤の含有量は、固形分としての全エポキシ樹脂成分100重量部に対して好ましくは0.01~1000重量部である。また、より好ましくは500重量部以下であり、さらに好ましくは300重量部以下である。本明細書において、「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味し、固体のエポキシ樹脂のみならず、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。また、「全エポキシ樹脂成分」とは、本実施形態の樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計を示し、例えば、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計であってよい。
硬化剤としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)、第3級アミン、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、エステル系硬化剤、イミダゾール類等が挙げられる。
このうち、フェノール系硬化剤を含むことにより、本実施形態の樹脂組成物は、優れた耐熱分解性、接着性等を得ることができるため、硬化剤としてはフェノール系硬化剤を含むことが好ましい。また、耐熱性等の観点からは、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤を含むことが好ましい。また、イミダゾール類を用いることも、硬化反応を十分に進行させ、耐熱性を向上させる観点から好ましい。
硬化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化剤を2種以上併用する場合、これらをあらかじめ混合して混合硬化剤を調製してから使用してもよいし、樹脂組成物の各成分を混合する際に硬化剤の各成分をそれぞれ別々に添加して同時に混合してもよい。
<フェノール系硬化剤>
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’-ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’-ジハライドビフェニル重縮合物等の各種のフェノール樹脂類等が挙げられる。
これらのフェノール系硬化剤は、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
フェノール系硬化剤の配合量は、樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分100重量部に対して好ましくは0.01~1000重量部であり、より好ましくは500重量部以下、さらに好ましくは300重量部以下、特に好ましくは100重量部以下である。
<アミン系硬化剤>
アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)の例としては、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられる。
脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。
ポリエーテルアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が例示される。
脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。
芳香族アミン類としては、テトラクロロ-p-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、p-キシレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノアニソール、2,4-トルエンジアミン、2,4-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、2,4-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、m-アミノフェノール、m-アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α-(m-アミノフェニル)エチルアミン、α-(p-アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’-ビス(4-アミノフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
以上で挙げたアミン系硬化剤は1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
上記のアミン系硬化剤は、樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比で0.8~1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
第3級アミンとしては、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
以上で挙げた第3級アミンは1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
上記の第3級アミンは、樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比で0.8~1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
<酸無水物系硬化剤>
酸無水物系硬化剤としては、酸無水物、酸無水物の変性物等が挙げられる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
酸無水物の変性物としては、例えば、上述した酸無水物をグリコールで変性したもの等が挙げられる。ここで、変性に用いることのできるグリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール類や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類等が挙げられる。さらには、これらのうちの2種類以上のグリコール及び/又はポリエーテルグリコールの共重合ポリエーテルグリコールを用いることもできる。
酸無水物の変性物においては、酸無水物1モルに対してグリコール0.4モル以下で変性させることが好ましい。変性量が上記上限値以下であると、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、作業性が良好となる傾向にあり、また、エポキシ樹脂との硬化反応の速度も良好となる傾向にある。
以上で挙げた酸無水物系硬化剤は1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
酸無水物系硬化剤を用いる場合、樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比で0.8~1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
<アミド系硬化剤>
アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。アミド系硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。アミド系硬化剤を用いる場合、樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分とアミド系硬化剤との合計に対してアミド系硬化剤が0.1~20重量%となるように用いることが好ましい。
<エステル系硬化剤>
エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく、中でも、カルボン酸化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させたフェノールエステル類がより好ましい。カルボン酸化合物としては、具体的には、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール性水酸基を有する芳香族化合物としては、カテコール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
以上で挙げたエステル系硬化剤は1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
上記のエステル系硬化剤は、樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比で0.2~2.0の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
<イミダゾール類>
イミダゾール類としては、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4(5)-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。なお、イミダゾール類は触媒能を有するため、一般的には硬化促進剤にも分類される。
以上に挙げたイミダゾール類は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
イミダゾール類を用いる場合、樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分とイミダゾール類との合計に対してイミダゾール類が0.1~20重量%となるように用いることが好ましい。
<他の硬化剤>
本実施形態の樹脂組成物においては前記硬化剤以外の他の硬化剤を用いることができる。本実施形態の樹脂組成物に使用することのできる他の硬化剤は特に制限はなく、一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。これらの他の硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[硬化促進剤]
本実施形態の樹脂組成物においては、硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤を含むことにより、硬化時間の短縮、硬化温度の低温化が可能となり、所望の硬化物を得やすくすることができる。
硬化促進剤は特に制限されないが、具体例としては、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩等のリン系化合物、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。
硬化促進剤として使用可能なリン系化合物としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類又はこれら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体やこれら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジア
ゾフェニルメタン等の化合物を付加してなる化合物等が例示される。
以上に挙げた硬化促進剤の中でも有機ホスフィン類、ホスホニウム塩が好ましく、有機ホスフィン類が最も好ましい。また、硬化促進剤は、上記に挙げたもののうち、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
硬化促進剤は、樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下の範囲で用いることが好ましい。より好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上であり、一方、より好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。硬化促進剤の含有量が上記下限値以上であると、良好な硬化促進効果を得ることができ、一方、上記上限値以下であると、所望の硬化物性が得られやすいために好ましい。
[無機充填材]
本実施形態の樹脂組成物には無機充填材を配合することができる。無機充填材としては例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、チッ化ホウ素等が挙げられる。これらは、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも半導体封止の用途に用いる場合には、破砕型及び/又は球状の、溶融及び/又は結晶性シリカ粉末充填材が好ましい。
無機充填材を使用することにより、樹脂組成物を半導体封止材として用いたときに、半導体封止材の熱膨張係数を内部のシリコンチップやリードフレームに近づけることができ、また、半導体封止材全体の吸湿量を減らすことができるため、耐ハンダクラック性を向上させることができる。
無機充填材の平均粒子径は、通常1~50μm、好ましくは1.5~40μm、より好ましくは2~30μmである。平均粒子径が上記下限値以上であると溶融粘度が高くなり過ぎず、流動性が低下しにくいため好ましく、また、平均粒子径が上記上限値以下であると成形時に金型の狭い隙間に充填材が目詰まりしにくく、材料の充填性が向上しやすくなるため好ましい。
本実施形態の樹脂組成物に無機充填材を用いる場合、無機充填材はエポキシ樹脂組成物全体の60~95重量%の範囲で配合することが好ましい。
[その他の配合成分]
本実施形態の樹脂組成物には、上記以外の成分(以下、「その他の配合成分」と称することがある。)を配合することができる。その他の配合成分としては例えば、難燃剤、可塑剤、反応性希釈剤、顔料等が挙げられ、必要に応じて適宜配合することができる。ただし、本実施形態の樹脂組成物は上記で挙げた成分以外のものを配合することを何ら妨げるものではない。
本実施形態の樹脂組成物に用いる難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノール樹脂等のハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、赤燐、リン酸エステル類、ホスフィン類等のリン系難燃剤、メラミン誘導体等の窒素系難燃剤及び水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物を硬化させる方法については特に限定されないが、通常、加熱による熱硬化反応により硬化物を得ることができる。熱硬化反応時には、用いた硬化剤の種類によって硬化温度を適宜選択することが好ましい。例えば、アミン系硬化剤を用いた
場合、硬化温度は通常80~300℃である。またこれらの硬化剤に硬化促進剤を添加することで、その硬化温度を下げることも可能である。反応時間は、1~20時間が好ましく、より好ましくは2~18時間であり、さらに好ましくは3~15時間である。反応時間が上記下限値以上であると硬化反応が十分に進行しやすくなる傾向にあるために好ましい。一方、反応時間が上記上限値以下であると加熱による劣化、加熱時のエネルギーロスを低減しやすいために好ましい。
[用途]
本実施形態の樹脂組成物は、加水分解性塩素含有量が低く、電気的信頼性に優れている。また、本実施形態の樹脂組成物を用いた硬化物は、耐熱性に優れ、長期間使用時の信頼性に優れている。
従って、本実施形態の樹脂組成物及びその硬化物は、これらの物性が求められる用途であれば、いかなる用途にも有効に用いることができる。例えば、自動車用電着塗料、船舶・橋梁用重防食塗料、飲料用缶の内面塗装用塗料等の塗料分野;積層板、半導体封止材、絶縁粉体塗料、コイル含浸用等の電気・電子分野;橋梁の耐震補強、コンクリート補強、建築物の床材、水道施設のライニング、排水・透水舗装、車両・航空機用接着剤等の土木・建築・接着剤分野等の用途のいずれにも好適に用いることができる。これらの中でも特に半導体封止材、積層板のような電気・電子部品用途に有用である。
本実施形態の樹脂組成物は、上記用途に対し硬化後に使用してもよく、上記用途に用いる製品の製造工程にて硬化させても用いてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は上記の上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[使用樹脂]
以下の実施例及び比較例で用いた樹脂は以下の通りである。
なお、用いたエポキシ樹脂の加水分解性塩素含有量、エポキシ当量、溶融粘度は、以下の方法で測定した。
<加水分解性塩素含有量>
0.5gのエポキシ樹脂を20mLのジオキサンに溶解し、1NのKOH/エタノール溶液5mLで30分還流した後、0.01N硝酸銀溶液で滴定して定量した。
<エポキシ当量>
「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量」と定義され、JIS K7236に準じて測定した。
<溶融粘度>
100℃に調整したコーンプレート粘度計(東海八神(株)製)の熱板の上にエポキシ樹脂を溶融させ、回転速度750rpmで測定した。
成分(A):下記式(1)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)1032H60」、加水分解性塩素含有量:250重量ppm、エポキシ当量:164g/当量、100℃における溶融粘度:20Poise)
Figure 2024030723000004

(nは0~10の整数)
成分(B):下記式(2)で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)1750」、加水分解性塩素含有量:360重量ppm、エポキシ当量:157g/当量、100℃における溶融粘度:0.1Poise)
Figure 2024030723000005
成分(C):下記式(3)で表されるグリシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)630」、加水分解性塩素含有量:1720重量ppm、エポキシ当量:95g/当量、100℃における溶融粘度:0.1Poise)
Figure 2024030723000006
硬化剤:変性芳香族アミン樹脂(三菱ケミカル社製「jERキュア(登録商標)WA」表2中「WA」と記載する。)
[実施例1~7、比較例1]
表1に示す割合で、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を秤量し、100℃にて30分加熱、溶融処理を行い、それぞれ樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対して、成分(A)と成分(C)の含有量に対する成分(B)の割合を計算した。また、前述の方法で加水分解性塩素含有量、エポキシ当量、100℃における溶融粘度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2024030723000007
[実施例8~13、比較例2]
表2に示す割合で、実施例1、3~7、又は比較例1で得た樹脂組成物と硬化剤とをそれぞれ混合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
この熱硬化性樹脂組成物をアルミ製の鋳型に流し込み、120℃で2時間、その後175℃で6時間硬化反応を実施して硬化物を得た。
得られた硬化物に対して、以下に示される方法で弾性率維持率、ガラス転移温度を測定した。結果を表2に示す。
<硬化物:弾性率維持率及びガラス転移温度>
硬化物を縦5cm、横1cm、厚さ4mmに切削して得られた試験片を用いて、以下の条件で動的粘弾性測定(DMA:Dynamic MechanicalAnalysis)を行い、弾性率維持率及びガラス転移温度を測定した。
分析装置:セイコーインスツルメント社製 EXSTAR6100
測定モード:3点曲げモード
測定温度範囲:30℃から280℃
昇温速度:5℃/min
降温速度:5℃/min
※弾性率維持率は、以下の式に従って算出した。
弾性率維持率(%)=貯蔵弾性率E’(250℃)/E’(40℃)×100
※tanδのピークトップでの温度をガラス転移温度とした。
Figure 2024030723000008
〔結果の評価〕
表1より、本発明の一実施形態に係る実施例1~7の樹脂組成物は、比較例1の樹脂組成物と比較して、加水分解性塩素含有量が低く、電気的信頼性に優れていることが分かる
また、表2より、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を用いた実施例8~13の熱硬化性樹脂組成物は、比較例2の熱硬化性樹脂組成物と比較して、弾性率維持率及びガラス転移温度が高く、耐熱性が優れる硬化物を与えることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有する樹脂組成物であって、成分(A)100重量部に対して、成分(B)を5~125重量部含み、成分(A)100重量部に対して、成分(C)を5~95重量部含む、樹脂組成物。
    成分(A):下記式(1)で示されるエポキシ樹脂
    Figure 2024030723000009

    (nは0~10の整数)
    成分(B):ビスフェノール型エポキシ樹脂
    成分(C):グリシジルアミン型エポキシ樹脂
  2. 100℃における溶融粘度が9.0Poise以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記成分(A)と前記成分(C)の合計100重量部に対して、前記成分(B)を5~60重量部含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 加水分解性塩素含有量が730重量ppm以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. エポキシ当量が100~250g/当量である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重量部に対して、さらに硬化剤を0.01~1000重量部含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、第3級アミン、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、エステル系硬化剤及びイミダゾール類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項6又は7に記載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物を含む電気・電子部品。
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